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     3. Sambarimāyāsuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sambarimāyā    ā 依(属) サンバラ(阿修羅王)の幻術  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「サンバラ幻術経」(『相応部』11-23  
                       
                       
                       
    269-1.                
     269. Sāvatthiyaṃ…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sāvatthiyaṃ…pe…    ī 地名、サーヴァッティー  
    訳文                
     サーヴァッティーでのことである……  
                       
                       
                       
    269-2.                
     bhagavā etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavā    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     世尊はこう仰った。  
                       
                       
                       
    269-3.                
     ‘‘bhūtapubbaṃ, bhikkhave, vepacitti asurindo ābādhiko ahosi dukkhito bāḷhagilāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘bhūta  bhū 過分 a 存在した、生類  
      pubbaṃ,    代的 前の、先の、昔の →往昔  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      vepacitti    i 神名、ヴェーパチッティ  
      asura    a 依(属) アスラ、阿修羅  
      indo    a インドラ、帝王、王  
      ābādhiko  ā-bādh a 病気の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dukkhito    過分 a 苦しむ  
      bāḷha    a 激しい、甚だしい  
      gilāno.    a 病んだ、病人  
    訳文                
     「比丘たちよ、かつて、アスラの王ヴェーパチッティが病気になり、激しい病に苦しみました。  
                       
                       
                       
    269-4.                
     Atha kho bhikkhave, sakko devānamindo yena vepacitti asurindo tenupasaṅkami gilānapucchako.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      sakko    a サッカ、帝釈、釈迦、釈迦族  
      devānam    a 天、神  
      indo    a インドラ、帝王、王  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      vepacitti    i 神名、ヴェーパチッティ  
      asura    a 依(属) アスラ、阿修羅  
      indo    a インドラ、帝王、王  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami  upa-saṃ-kram 近づいた  
      語根 品詞 語基 意味  
      gilāna    a 依(与) 病んだ、病人  
      pucchako.  pṛch a 問う、たずねる →見舞う  
    訳文                
     ときに比丘たちよ、神々の王サッカが、アスラの王ヴェーパチッティへ見舞いに近づきました。  
                       
                       
                       
    269-5.                
     Addasā kho, bhikkhave, vepacitti asurindo sakkaṃ devānamindaṃ dūratova āgacchantaṃ.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見た  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      vepacitti    i 神名、ヴェーパチッティ  
      asura    a 依(属) アスラ、阿修羅  
      indo    a インドラ、帝王、王  
      sakkaṃ    a サッカ、帝釈、釈迦、釈迦族  
      devānam    a 天、神  
      indaṃ    a インドラ、帝王、王  
      dūrato    a 遠く  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      āgacchantaṃ.  ā-gaṃ 現分 ant 来る  
    訳文                
     比丘たちよ、アスラの王ヴェーパチッティは、遠くからやってくる神々の王サッカを見ました。  
                       
                       
                       
    269-6.                
     Disvāna sakkaṃ devānamindaṃ etadavoca –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Disvāna  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      sakkaṃ    a サッカ、帝釈、釈迦、釈迦族  
      devānam    a 天、神  
      indaṃ    a インドラ、帝王、王  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     見て、神々の王サッカへこう言いました。  
                       
                       
                       
    269-7.                
     ‘tikiccha maṃ devānamindā’ti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘tikiccha  cit 意 癒やす、治療  
      語根 品詞 語基 意味  
      maṃ    代的  
      devānam    a 天、神  
      indā’    a インドラ、帝王、王  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『神々の王よ、私を癒やして欲しい』と。  
                       
                       
                       
    269-8.                
     ‘Vācehi maṃ, vepacitti, sambarimāya’nti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘Vācehi  vac 使 説かせる、教える  
      語根 品詞 語基 意味  
      maṃ,    代的  
      vepacitti,    i 神名、ヴェーパチッティ  
      sambarimāya’n    ā サンバラ(阿修羅王)の幻術  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『ヴェーパチッティよ、〔引き替えに〕私にサンバラの幻術を教えなさい』  
                       
                       
                       
    269-9.                
     ‘Na tāvāhaṃ vācemi, yāvāhaṃ, mārisa, asure paṭipucchāmī’’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Na    不変 ない  
      tāva    不変 それだけ、それほど、まず  
      ahaṃ    代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vācemi,  vac 使 説かせる、教える  
      語根 品詞 語基 意味  
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      ahaṃ,    代的  
      mārisa,    不変 我が師よ、我が友よ  
      asure    a アスラ、阿修羅  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭipucchāmī’’’  prati-pṛcch 質問する、反問する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『友よ、私がアスラたちに聞いてみるまでは、私は教えられない』  
                       
                       
                       
    269-10.                
     ‘‘Atha kho, bhikkhave, vepacitti asurindo asure paṭipucchi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      vepacitti    i 神名、ヴェーパチッティ  
      asura    a 依(属) アスラ、阿修羅  
      indo    a インドラ、帝王、王  
      asure    a アスラ、阿修羅  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭipucchi –  prati-pṛcch 質問する、反問する  
    訳文                
     比丘たちよ、そこでアスラの王ヴェーパチッティは、アスラたちに聞きました。  
                       
                       
                       
    269-11.                
     ‘vācemahaṃ, mārisā, sakkaṃ devānamindaṃ sambarimāya’nti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘vācemi  vac 使 説かせる、教える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ahaṃ,    代的  
      mārisā,    a 友らよ  
      sakkaṃ    a サッカ、帝釈、釈迦、釈迦族  
      devānam    a 天、神  
      indaṃ    a インドラ、帝王、王  
      sambarimāya’n    ā サンバラ(阿修羅王)の幻術  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『友等よ、私は神々の王サッカへサンバラの幻術を教えて〔よいだろうか〕』と。  
                       
                       
                       
    269-12.                
     ‘Mā kho tvaṃ, mārisa, vācesi sakkaṃ devānamindaṃ sambarimāya’’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Mā    不変 なかれ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      mārisa,    不変 我が師よ、我が友よ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vācesi  vac 使 説かせる、教える  
      語根 品詞 語基 意味  
      sakkaṃ    a サッカ、帝釈、釈迦、釈迦族  
      devānam    a 天、神  
      indaṃ    a インドラ、帝王、王  
      sambarimāya’’’n    ā サンバラ(阿修羅王)の幻術  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『友よ、あなたは神々の王サッカへサンバラの幻術を教えてはならない』  
                       
                       
                       
    269-13.                
     Atha kho, bhikkhave, vepacitti asurindo sakkaṃ devānamindaṃ gāthāya ajjhabhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      vepacitti    i 神名、ヴェーパチッティ  
      asura    a 依(属) アスラ、阿修羅  
      indo    a インドラ、帝王、王  
      sakkaṃ    a サッカ、帝釈、釈迦、釈迦族  
      devānam    a 天、神  
      indaṃ    a インドラ、帝王、王  
      gāthāya    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhabhāsi –  adhi-bhāṣ 話しかける、語る  
    訳文                
     比丘たちよ、そこでアスラの王ヴェーパチッティは、神々の王サッカへ偈をもって語りかけました。  
                       
                       
                       
    269-14.                
     ‘‘Māyāvī maghavā sakka, devarāja sujampati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Māyāvī    in 偽詐の、誑者、幻術士  
      maghavā    ant 神名、マガヴァント  
      sakka,    a サッカ、帝釈天  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      rāja    an  
      sujampati;    i 神名、スジャンパティ  
    訳文                
     『♪マガヴァントよ、サッカよ、神々の王よ、スジャンパティよ、幻術士は、  
                       
                       
                       
    269-15.                
     Upeti nirayaṃ ghoraṃ, sambarova sataṃ sama’’nti.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Upeti  upa-i 近づく、至る  
      語根 品詞 語基 意味  
      nirayaṃ    a 地獄  
      ghoraṃ,    a 恐ろしい  
      sambaro    a 神名、サンバラ  
      iva    不変 ごとく  
      sataṃ    a 副対  
      sama’’n    ā 副対  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪サンバラのごとく、百年も恐ろしい地獄へ陥る』と。  
                       
                       
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