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     4. Mahāsālasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahā    ant 有(持) 大きい  
      sāla    ā 女→男 依(属) 堂、家 →大家、有名人  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「大家経」(『相応部』7-14  
                       
                       
                       
    200-1.                
     200. Sāvatthinidānaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sāvatthinidānaṃ. (199-1.)  
    訳文                
     サーヴァッティーでのことである。  
                       
                       
                       
    200-2.                
     Atha kho aññataro brāhmaṇamahāsālo lūkho lūkhapāvuraṇo [lūkhapāpuraṇo (sī. syā. kaṃ. pī.)] yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      aññataro    代的 とある、随一の  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      sālo    ā 女→男 講堂、家屋 →大家  
      lūkho    a 粗なる、貧しい、卑しい  
      lūkha    a 有(持) 荒い、粗なる  
      pāvuraṇo  pra-ā-vṛ a 中→男 外衣、外套  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときに、とある婆羅門の大家が、わびしげに、粗末な外衣をまとって世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    200-3.                
     upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi. (199-21.)  
    訳文                
     近づいて、世尊と挨拶した。  
                       
                       
                       
    200-4.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi. (199-22.)  
    訳文                
     喜ばしき慶賀の言葉を交わして、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    200-5.                
     Ekamantaṃ nisinnaṃ kho taṃ brāhmaṇamahāsālaṃ bhagavā etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinnaṃ  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      taṃ    代的 それ  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      sālaṃ    ā 女→男 講堂、家屋 →大家  
      bhagavā    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐ったその婆羅門の大家へ、世尊はこう仰った。  
                       
                       
                       
    200-6.                
     ‘‘kinnu tvaṃ, brāhmaṇa, lūkho lūkhapāvuraṇo’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘kin    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      lūkho    a 粗なる、貧しい、卑しい  
      lūkha    a 有(持) 洗い、粗なる  
      pāvuraṇo’’  pra-ā-vṛ a 中→男 外衣、外套  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「婆羅門よ、いったいなぜあなたは、わびしげに、粗末な外衣をまとっているのでしょうか」と。  
                       
                       
                       
    200-7.                
     ‘‘Idha me, bho gotama, cattāro puttā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      me,    代的  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      cattāro     
      puttā.    a 息子  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、ここなる私には四人の息子がいるのですが、  
                       
                       
                       
    200-8.                
     Te maṃ dārehi saṃpuccha gharā nikkhāmentī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      maṃ    代的  
      dārehi    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṃpuccha  saṃ-prach 問い合う、相談する、謀る  
      語根 品詞 語基 意味  
      gharā    a 家、俗家  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nikkhāmentī’’  nir-kram 使 出す、出家させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     彼らは妻たちと共謀して、私を家から追い出したのです」  
                       
                       
                       
    200-9.                
     ‘‘Tena hi tvaṃ, brāhmaṇa, imā gāthāyo pariyāpuṇitvā sabhāyaṃ mahājanakāye sannipatite puttesu ca sannisinnesu bhāsassu –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      hi    不変 じつに、なぜなら →しからば  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      imā    代的 これら  
      gāthāyo    ā 偈、歌  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pariyāpuṇitvā  pari-āp 学得する、得達する、了知する、暗記する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sabhāyaṃ    ā 公堂、集会所  
      mahā    ant 大きい  
      jana    a 依(属)  
      kāye    a 処絶 身、身体、集まり  
      sannipatite  saṃ-ni-pat 過分 a 処絶 集まった、集合した  
      puttesu    a 処絶 息子  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      sannisinnesu  saṃ-ni-sad a 処絶 共座した、落ち着いた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhāsassu –  bhāṣ 言う、話す  
    訳文                
     「しからば婆羅門よ、あなたはこれらの諸偈を暗記して、集会所に多くの群衆が集まり、息子たちが共座しているときに、誦唱なさい。  
                       
                       
                       
    200-10.                
     ‘‘Yehi jātehi nandissaṃ, yesañca bhavamicchisaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yehi    代的 具絶 (関係代名詞)  
      jātehi  jan 過分 a 具絶 生じた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nandissaṃ,  nand 喜ぶ、歓喜する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yesañ    代的 (関係代名詞)  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      bhavam  bhū a 有、存在、幸福  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      icchisaṃ;  iṣ 望む、求める  
    訳文                
     『♪私は、彼らが生まれたことで歓喜し、彼らの幸福を願ったが、  
                       
                       
                       
    200-11.                
     Te maṃ dārehi saṃpuccha, sāva vārenti sūkaraṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      maṃ    代的  
      dārehi    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṃpuccha,  saṃ-prach 問い合う、相談する、謀る  
      語根 品詞 語基 意味  
      sa    an(特)  
      iva    不変 ごとく  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vārenti  vṛ 使 防ぐ、妨げる  
      語根 品詞 語基 意味  
      sūkaraṃ.    a 豚、猪  
    訳文                
     ♪その彼らは妻たちと共謀し、犬が猪に〔する〕ごとく、私を〔家から〕さまたげた。  
                       
                       
                       
    200-12.                
     ‘‘Asantā kira maṃ jammā, tāta tātāti bhāsare;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Asantā  a-as 現分 a 存在しない、善ならぬ  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      maṃ    代的  
      jammā,    a 卑しい、野卑の  
      tāta    不変 父よ、男性への呼びかけ  
      tātā    不変 父よ、男性への呼びかけ  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhāsare;  bhāṣ 言う、話す  
    訳文                
     ♪不善にして卑劣な彼らは、父よ、父よと私へ言ったものだが、  
                       
                       
                       
    200-13.                
     Rakkhasā puttarūpena, te jahanti vayogataṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Rakkhasā    a ラッカサ、羅刹  
      putta    a 依(属) 息子  
      rūpena,    a 色、物質、肉体、形相  
      te    代的 それら、彼ら  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jahanti  捨てる  
      語根 品詞 語基 意味  
      vayo    as 依(対) 年代、時量、青春  
      gataṃ.  gam 過分 a 行った、関係した、姿  
    訳文                
     ♪息子の姿をとった羅刹たちであり、彼らは年経た〔私〕を捨てたのである。  
                       
                       
                       
    200-14.                
     ‘‘Assova jiṇṇo nibbhogo, khādanā apanīyati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Asso    a  
      iva    不変 ごとく  
      jiṇṇo  jṝ 受 過分 a 老いた  
      nibbhogo,  nir-bhuj a 受用なき、役立たずの、見捨てられた  
      khādanā  khād a 食べること、食事  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      apanīyati;  apa-nī 受 除かれる  
    訳文                
     ♪役に立たなくなった老馬が、食事から遠ざけられるように、  
                       
                       
                       
    200-15.                
     Bālakānaṃ pitā thero, parāgāresu bhikkhati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Bālakānaṃ    名形 a 若者、愚者  
      pitā    ar  
      thero,    a 長老  
      para    代的 他の  
      agāresu    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhikkhati.  bhaj 意 乞求する、乞食する  
    訳文                
     ♪愚者たちの父、長老である〔私〕は、他者の家々で乞求している。  
                       
                       
                       
    200-16.                
     ‘‘Daṇḍova kira me seyyo, yañce puttā anassavā;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Daṇḍo    a 杖、むち  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      me    代的  
      seyyo,    as よりよい、よりすぐれた  
      yañ    代的 (関係代名詞)  
      ce    不変 もし、たとえ  
      puttā    a 息子  
      anassavā;  an-ā-śru a 従順ならぬ  
    訳文                
     ♪もし息子たちが従順でないならば、私には杖の方がましだということだ。  
                       
                       
                       
    200-17.                
     Caṇḍampi goṇaṃ vāreti, atho caṇḍampi kukkuraṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Caṇḍam    a 暴悪な、凶悪な  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      goṇaṃ    a 牛、牡牛  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vāreti,  vṛ 使 防ぐ、妨げる  
      語根 品詞 語基 意味  
      atho    不変 ときに、また、そこに  
      caṇḍam    a 暴悪な、凶悪な  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kukkuraṃ.    a  
    訳文                
     ♪凶暴な牛も、また凶暴な犬も防ぐ。  
                       
                       
                       
    200-18.                
     ‘‘Andhakāre pure hoti, gambhīre gādhamedhati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Andha    a 依(属) 盲目の、暗愚の  
      kāre  kṛ a 行為、所作、字、文字、作者 →暗黒  
      pure    不変 前、過去  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti,  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      gambhīre    a 深い  
      gādham  gādh a 足場、堅固な  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      edhati;  ṛdh 完成する、栄える、増大する、得る  
    訳文                
     ♪暗闇においては先行し、深みにおいて足場を得る。  
                       
                       
                       
    200-19.                
     Daṇḍassa ānubhāvena, khalitvā patitiṭṭhatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Daṇḍassa    a 鞭、棒  
      ānubhāvena,  anu-bhū a 威力、威神力  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      khalitvā    転ぶ、倒れる、つまずく  
      patitiṭṭhatī’’  prati-sthā 住立する、確立する、止住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪杖のおかげで、つまずいても立ち上がれる』と」  
                       
                       
                       
    200-20.                
     Atha kho so brāhmaṇamahāsālo bhagavato santike imā gāthāyo pariyāpuṇitvā sabhāyaṃ mahājanakāye sannipatite puttesu ca sannisinnesu abhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      sālo    ā 女→男 講堂、家屋 →大家  
      bhagavato    ant 世尊  
      santike    a 付近、面前  
      imā gāthāyo pariyāpuṇitvā sabhāyaṃ mahājanakāye sannipatite puttesu ca sannisinnesu (200-9.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhāsi –  bhāṣ 語る、話す  
    訳文                
     そこでその婆羅門の大家は、世尊の面前でこれらの諸偈を暗記して、集会所に多くの群衆が集まり、息子たちが共座しているときに、誦唱した。  
                       
                       
                       
    200-21.                
     ‘‘Yehi jātehi nandissaṃ, yesañca bhavamicchisaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yehi jātehi nandissaṃ, yesañca bhavamicchisaṃ; (200-10.)  
    訳文                
     「♪私は、彼らが生まれたことで歓喜し、彼らの幸福を願ったが、  
                       
                       
                       
    200-22.                
     Te maṃ dārehi saṃpuccha, sāva vārenti sūkaraṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te maṃ dārehi saṃpuccha, sāva vārenti sūkaraṃ. (200-11.)  
    訳文                
     ♪その彼らは妻たちと共謀し、犬が猪に〔する〕ごとく、私を〔家から〕さまたげた。  
                       
                       
                       
    200-23.                
     ‘‘Asantā kira maṃ jammā, tāta tātāti bhāsare;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Asantā kira maṃ jammā, tāta tātāti bhāsare; (200-12.)  
    訳文                
     ♪不善にして卑劣な彼らは、『父よ、父よ』と私へ言ったものだが、  
                       
                       
                       
    200-24.                
     Rakkhasā puttarūpena, te jahanti vayogataṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Rakkhasā puttarūpena, te jahanti vayogataṃ. (200-13.)  
    訳文                
     ♪息子の姿をとった羅刹たちであり、彼らは年経た〔私〕を捨てたのである。  
                       
                       
                       
    200-25.                
     ‘‘Assova jiṇṇo nibbhogo, khādanā apanīyati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Assova jiṇṇo nibbhogo, khādanā apanīyati; (200-14.)  
    訳文                
     ♪役に立たなくなった老馬が、食事から遠ざけられるように、  
                       
                       
                       
    200-26.                
     Bālakānaṃ pitā thero, parāgāresu bhikkhati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Bālakānaṃ pitā thero, parāgāresu bhikkhati. (200-15.)  
    訳文                
     ♪愚者たちの父、長老である〔私〕は、他者の家々で乞求している。  
                       
                       
                       
    200-27.                
     ‘‘Daṇḍova kira me seyyo, yañce puttā anassavā;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Daṇḍova kira me seyyo, yañce puttā anassavā; (200-16.)  
    訳文                
     ♪もし息子たちが従順でないならば、私には杖の方がましだということだ。  
                       
                       
                       
    200-28.                
     Caṇḍampi goṇaṃ vāreti, atho caṇḍampi kukkuraṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Caṇḍampi goṇaṃ vāreti, atho caṇḍampi kukkuraṃ. (200-17.)  
    訳文                
     ♪凶暴な牛も、また凶暴な犬も防ぐ。  
                       
                       
                       
    200-29.                
     ‘‘Andhakāre pure hoti, gambhīre gādhamedhati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Andhakāre pure hoti, gambhīre gādhamedhati; (200-18.)  
    訳文                
     ♪暗闇においては先行し、深みにおいて足場を得る。  
                       
                       
                       
    200-30.                
     Daṇḍassa ānubhāvena, khalitvā patitiṭṭhatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Daṇḍassa ānubhāvena, khalitvā patitiṭṭhatī’’ti. (200-19.)  
    訳文                
     ♪杖のおかげで、つまずいても立ち上がれる」と。  
                       
                       
                       
    200-31.                
     Atha kho naṃ brāhmaṇamahāsālaṃ puttā gharaṃ netvā nhāpetvā paccekaṃ dussayugena acchādesuṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      naṃ    代的 それ、彼  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      sālaṃ    ā 女→男 会堂、小屋 →大家  
      puttā    a 息子  
      gharaṃ    a 家、俗家  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      netvā  導く  
      nhāpetvā  snā 使 沐浴させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      paccekaṃ    a 副対 単一の、独一の  
      dussa    a 依(属) 布地、白布、衣服  
      yugena  yuj a 対、軛、時代  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      acchādesuṃ.  chad 使 覆う、隠す、包む  
    訳文                
     そこで息子たちは、その婆羅門の大家を家へ導き、沐浴させて、おのおの一揃いの服を着せた。  
    メモ                
     ・paccekaṃ dussayugenaは『中部』52「アッタカ市民経」にもでるストックフレーズ。  
                       
                       
                       
    200-32.                
     Atha kho so brāhmaṇamahāsālo ekaṃ dussayugaṃ ādāya yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      sālo    ā 女→男 講堂、家屋 →大家  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      dussa    a 依(属) 布地、白布、衣服  
      yugaṃ  yuj a 軛、一対  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ādāya  ā-dā 取って  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     するとその婆羅門の大家は、揃いの服を一つ取って、世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    200-33.                
     upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi. (199-21.)  
    訳文                
     近づいて、世尊と挨拶した。  
                       
                       
                       
    200-34.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi. (199-22.)  
    訳文                
     喜ばしき慶賀の言葉を交わして、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    200-35.                
     Ekamantaṃ nisinno kho brāhmaṇamahāsālo bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      sālo    ā 女→男 講堂、家屋 →大家  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐った婆羅門の大家は、世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    200-36.                
     ‘‘mayaṃ, bho gotama, brāhmaṇā nāma ācariyassa ācariyadhanaṃ pariyesāma.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘mayaṃ,    代的 私たち  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      brāhmaṇā  bṛh a 婆羅門  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      ācariyassa  ā-car a  
      ācariya  ā-car a 依(与)  
      dhanaṃ    a 財、財物  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pariyesāma.  pari-iṣ 遍求する、欲求する  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、我々婆羅門たちというものは、師のために、師への財をあまねく求めるものです。  
    メモ                
     ・これも『中部』52「アッタカ市民経」にもでるストックフレーズ。  
                       
                       
                       
    200-37.                
     Paṭiggaṇhatu me bhavaṃ gotamo ācariyadhana’’nti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Paṭiggaṇhatu  prati-grah 受け取る、受納する  
      語根 品詞 語基 意味  
      me    代的  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      ācariya  ā-car a 依(与) 師、阿闍梨  
      dhana’’n    a 財産  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者ゴータマは、私よりの師への財をお受け取り下さい」  
                       
                       
                       
    200-38.                
     Paṭiggahesi bhagavā anukampaṃ upādāya.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Paṭiggahesi  prati-grah 受け取る、受納する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavā    ant 世尊  
      anukampaṃ  anu-kamp ā 同情、憐愍  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upādāya.  upa-ā-dā 取る  
    訳文                
     世尊は憐愍をもって受け取られた。  
                       
                       
                       
    200-39.                
     Atha kho so brāhmaṇamahāsālo bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      sālo    ā 女→男 講堂、家屋 →大家  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     そこでその婆羅門の大家は、世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    200-40.                
     ‘‘abhikkantaṃ, bho gotama…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘abhikkantaṃ, bho gotama…pe… (199-31.)  
    訳文                
     「素晴らしい、尊者ゴータマよ……  
                       
                       
                       
    200-41.                
     upāsakaṃ maṃ bhavaṃ gotamo dhāretu ajjatagge pāṇupetaṃ saraṇaṃ gata’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      upāsakaṃ maṃ bhavaṃ gotamo dhāretu ajjatagge pāṇupetaṃ saraṇaṃ gata’’nti. (199-32.)  
    訳文                
     ……尊者ゴータマは私を、今日以降、命ある限り帰依をなした優婆塞であるとご記憶下さい」と。  
                       
                       
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