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     9. Catucakkasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Catu    有(帯)  
      cakka    a 依(属)  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「四輪経」(『相応部』1-29  
                       
                       
                       
    29-1.                
     29. ‘‘Catucakkaṃ navadvāraṃ, puṇṇaṃ lobhena saṃyutaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Catu    有(帯)  
      cakkaṃ    a 輪、車輪  
      nava    有(帯)  
      dvāraṃ,    a  
      puṇṇaṃ  pṝ 過分 a 満ちた  
      lobhena    a 貪、貪欲  
      saṃyutaṃ;  saṃ-yuj 過分 a 結ばれた、相応した、関係した  
    訳文                
     〔神霊曰く〕「♪〔この身体は〕四輪あり、九門あり、〔不浄で〕満ち、貪欲に結ばれ、  
    メモ                
     ・『註』は四輪とは行住坐臥の四威儀路であるとしている。九門とは両眼、両耳、両鼻、口、尿道、肛門をいったものであろうから、〔この身体は〕と補った。  
     ・〔不浄で〕という補遺はasucipūraṃという『註』によったもの。  
                       
                       
                       
    29-2.                
     Paṅkajātaṃ mahāvīra, kathaṃ yātrā bhavissatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Paṅka    a 依(奪) 泥土、汚泥  
      jātaṃ  jan 過分 a 生じた  
      mahā    ant 大きい  
      vīra,    a 英雄、勇士  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      yātrā    ā 旅行、よい習慣、暮らし、活計  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavissatī’’  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪泥土より生じたものである。大雄よ、いかに〔ここからの〕脱出があるというのか」  
    メモ                
     ・諸訳はyātrāを「出口」「脱する」などとしている。これは『註』の「かくのごときこの身に、いかに脱出があろうか」etassa evarūpassa sarīrassa kathaṃ niggamanaṃ bhavissati云々という説明によったものであろう。ここでもそれにならった。  
                       
                       
                       
    29-3.                
     ‘‘Chetvā naddhiṃ varattañca, icchā lobhañca pāpakaṃ;  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Chetvā  chid 切る、切断する  
      語根 品詞 語基 意味  
      naddhiṃ  nah i 紐、革紐nandiṃの異体  
      varattañ    a 緒、革紐  
      ca,    不変 と、また、そして、しかし  
      icchā  iṣ ā 欲求、希求  
      lobhañ    a 貪欲  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pāpakaṃ;    a 悪しき  
    訳文                
     〔世尊曰く〕「♪革紐(怨恨)と緒(渇愛)を、また諸々の欲求を、貪欲を、また悪を断ち切り、  
                       
                       
                       
    29-4.                
     Samūlaṃ taṇhamabbuyha, evaṃ yātrā bhavissatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Samūlaṃ    a 根ある  
      taṇham    ā 渇愛、愛  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abbuyha,    引き抜く、抜き出す  
      語根 品詞 語基 意味  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      yātrā    ā 旅行、よい習慣、暮らし、生活  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavissatī’’  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪根ある渇愛を引き抜けば、そのような脱出があるであろう」  
                       
                       
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