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     6. Pajjotasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pajjota    a 依(属) 灯火、光明  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「光明経」(『相応部』1-26  
                       
                       
                       
    26-1.                
     26. ‘‘Kati lokasmiṃ pajjotā, yehi loko pakāsati [pabhāsati (ka. sī.)];  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kati    不変 いくら、どれだけ  
      lokasmiṃ    a 世界、世間  
      pajjotā,    a 灯火、光明  
      yehi    代的 (関係代名詞)  
      loko    a 世界、世間  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pakāsati;  pra-kāś 輝く、明らかとなる、知られる  
    訳文                
     〔神霊曰く〕「♪それによって世間が輝くような光明は、世間にいくつあるか。  
                       
                       
                       
    26-2.                
     Bhagavantaṃ [bhavantaṃ (ka.)] puṭṭhumāgamma, kathaṃ jānemu taṃ maya’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhagavantaṃ    ant 世尊  
      puṭṭhum    不定 問うこと、問うため  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgamma,  ā-gam 来る、由りて、よって  
      語根 品詞 語基 意味  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānemu  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 それ  
      maya’’n    代的 私たち  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪世尊に問うたならば、いかにわれわれはそれを知るであろうか」  
    メモ                
     ・諸訳は「問うために我々は来た」といったようにしているので、āgammaをアオリストと解したか。しかしāgacchatiのアオリストはāgamaであり、しかもこれは単数であるから、ややおかしい。そこでここでは「〜によって」の意味の連続体でとり、「世尊へ問うことによって」と解したうえで上記のように意訳した。  
     ・とはいえ偈文であるから、あまり杓子定規に文法を適用せず、連続体を「来た」と訳してしまうのも一つの方策ではあろう。諸訳もそう対処したのかも知れない。  
                       
                       
                       
    26-3.                
     ‘‘Cattāro loke pajjotā, pañcamettha na vijjati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Cattāro     
      loke    a 世界、世間  
      pajjotā,    a 灯火、光明  
      pañcamo    a 第五の  
      ettha    不変 ここに  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vijjati;  vid 受 見出される、存在する  
    訳文                
     〔世尊曰く〕「♪世間には四つの光明があり、ここに第五のものは存在しない。  
                       
                       
                       
    26-4.                
     Divā tapati ādicco, rattimābhāti candimā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Divā    不変 日中に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      tapati  tap 輝く、熱する、苦しめる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ādicco,    a 太陽  
      rattim    i  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ābhāti    光る、輝く  
      語根 品詞 語基 意味  
      candimā.    as, ā 男女  
    訳文                
     ♪日中には太陽が輝き、月が夜を照らす。  
                       
                       
                       
    26-5.                
     ‘‘Atha aggi divārattiṃ, tattha tattha pakāsati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      aggi    i  
      divā    不変 日中に  
      rattiṃ,    i 副対  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pakāsati;  pra-kāś 輝く、明らかとなる、知られる  
    訳文                
     ♪また火が日夜にそこかしこで輝く。  
                       
                       
                       
    26-6.                
     Sambuddho tapataṃ seṭṭho, esā ābhā anuttarā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sambuddho  saṃ-budh 名過分 a 等覚  
      tapataṃ  pat 現分 ant 輝く  
      seṭṭho,    a 最上の、最勝の、殊勝の  
      esā    代的 これ  
      ābhā    ā 光、光明  
      anuttarā’’    代的 無上の  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪等覚は輝くもののうちで最上である。これが無上の光明である」  
                       
                       
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