←前へ   トップへ   次へ→  
                         
                         
     3. Sabbavaggo    
      語根 品詞 語基 意味    
      Sabba    名形 代的 依(属) すべて    
      vaggo    a 章、品    
    訳文                  
     「一切品」    
                         
                         
                         
     1. Sabbasuttaṃ    
      語根 品詞 語基 意味    
      Sabba    名形 代的 依(属) すべて    
      suttaṃ  sīv a 経、糸    
    訳文                  
     「一切経」(『相応部』35-23    
                         
                         
                         
    23-1.                  
     23. Sāvatthinidānaṃ.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Sāvatthi    ī 有(処) 地名、サーヴァッティー、舎衛城    
      nidānaṃ.    a 因縁、因由    
    訳文                  
     サーヴァッティーでのことである。    
                         
                         
                         
    23-2.                  
     ‘‘Sabbaṃ vo, bhikkhave, desessāmi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Sabbaṃ    名形 代的 すべて    
      vo,    代的 あなたたち    
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      desessāmi.  diś 使 示す    
    訳文                  
     「比丘たちよ、私はあなたがたへ、〈一切〉を教示しようと思います。    
    メモ                  
     ・テクニカルタームにつき〈 〉で括った。    
                         
                         
                         
    23-3.                  
     Taṃ suṇātha.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Taṃ    代的 それ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      suṇātha.  śru 聞く    
    訳文                  
     それを聞いて下さい。    
                         
                         
                         
    23-4.                  
     Kiñca, bhikkhave, sabbaṃ?     
      語根 品詞 語基 意味    
      Kiñ    代的 何、なぜ、いかに    
      ca,    不変 と、また、そして、しかし    
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘    
      sabbaṃ?    名形 代的 すべて    
    訳文                  
     では比丘たちよ、いかなるものが〈一切〉なのでしょうか。    
                         
                         
                         
    23-5.                  
     Cakkhuñceva rūpā ca, sotañca [sotañceva (?) evamitarayugalesupi] saddā ca, ghānañca gandhā ca, jivhā ca rasā ca, kāyo ca phoṭṭhabbā ca, mano ca dhammā ca –     
      語根 品詞 語基 意味    
      Cakkhuñ    us    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      rūpā    a 中(男) 色、物質、肉体、形相    
      ca,    不変 と、また、そして、しかし    
      sotañ  śru as    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      saddā    a 音、声、語    
      ca,    不変 と、また、そして、しかし    
      ghānañ    a    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      gandhā    a    
      ca,    不変 と、また、そして、しかし    
      jivhā    ā    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      rasā    a 味、汁、作用、実質    
      ca,    不変 と、また、そして、しかし    
      kāyo    a 身体    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      phoṭṭhabbā  spṛś 名未分 a 中(男)    
      ca,    不変 と、また、そして、しかし    
      mano  man as    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      dhammā  dhṛ a 男中    
      ca –    不変 と、また、そして、しかし    
    訳文                  
     〈眼〉と諸々の〈色〉、〈耳〉と諸々の〈声〉、〈鼻〉と諸々の〈香〉、〈舌〉と諸々の〈味〉、〈身〉と諸々の〈触〉、〈意〉と諸々の〈法〉、    
                         
                         
                         
    23-6.                  
     idaṃ vuccati, bhikkhave, sabbaṃ.     
      語根 品詞 語基 意味    
      idaṃ    代的 これ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      vuccati,  vac 受 いわれる    
      語根 品詞 語基 意味    
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘    
      sabbaṃ.    名形 代的 すべて    
    訳文                  
     比丘たちよ、これが〈一切〉といわれます。    
                         
                         
                         
    23-7.                  
     Yo, bhikkhave, evaṃ vadeyya –     
      語根 品詞 語基 意味    
      Yo,    代的 (関係代名詞)    
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘    
      evaṃ    不変 このように、かくの如き    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      vadeyya –  vad 言う    
    訳文                  
     比丘たちよ、このように言う者がいるとしましょう。    
                         
                         
                         
    23-8.                  
     ‘ahametaṃ sabbaṃ paccakkhāya aññaṃ sabbaṃ paññāpessāmī’ti, tassa vācāvatthukamevassa [vācāvatthurevassa (sī. pī.), vācāvatthudevassa (syā. kaṃ.)];     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘aham    代的    
      etaṃ    代的 これ    
      sabbaṃ    名形 代的 すべて    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      paccakkhāya  prati-ā-khyā 反対に語る、排拒する、放棄する    
      語根 品詞 語基 意味    
      aññaṃ    代的 他の、異なる    
      sabbaṃ    名形 代的 すべて    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      paññāpessāmī’  pra-jñā 使 知らしめる、告知する、施設する、用意する    
      語根 品詞 語基 意味    
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
      tassa    代的 それ、彼    
      vācā  vac ā 言葉、語    
      avatthukam    a 基礎なき    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      assa;  as ある、なる    
    訳文                  
     『私はこの〈一切〉を否定し、他の〈一切〉を説こう』と。その者の言葉は、まったく根拠なきものとなりましょう。    
    メモ                  
     ・水野、雲井辞書にはvācā-vatthukaで「語の量」というイディオムが掲載されているが、ここでは上記のように解してみた。    
                         
                         
                         
    23-9.                  
     puṭṭho ca na sampāyeyya, uttariñca vighātaṃ āpajjeyya.     
      語根 品詞 語基 意味    
      puṭṭho  praci 過分 a 問われた    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      na    不変 ない    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      sampāyeyya,  saṃ-pra-ā-i? 解説、解答できる    
      語根 品詞 語基 意味    
      uttariñ    i 副対 より上の、さらに    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      vighātaṃ    a 破壊、殺戮、悩害、困惑、反論    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      āpajjeyya.  ā-pad 来る、会う、到達する    
    訳文                  
     かれは、問われても解答できず、さらに混乱に陥ることでしょう。    
                         
                         
                         
    23-10.                  
     Taṃ kissa hetu?     
      語根 品詞 語基 意味    
      Taṃ    代的 それ    
      kissa    代的 何、誰    
      hetu?  hi u 副対 因、原因(属格に副対で「〜のゆえに」)    
    訳文                  
     それはなぜか。    
                         
                         
                         
    23-11.                  
     Yathā taṃ, bhikkhave, avisayasmi’’nti.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Yathā    不変 〜のごとくに、〜のように    
      taṃ,    代的 そのとき(副対)    
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘    
      avisayasmi’’n  a-viṣ a 男中 邪境の、非境の    
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     比丘たちよ、対境なきものに関して〔論じている〕からです」    
    メモ                  
     ・『註』は「tanとは単なる虚辞であり、Yathāとは具格であって、『対境(知覚の対象)なきものに関して問われた、それゆえに』という意味である」tanti nipātamattaṃ. Yathāti kāraṇavacanaṃ, yasmā avisaye puṭṭhoti attho. という。これに従った。    
                         
                         
                         
     Paṭhamaṃ.    
      語根 品詞 語基 意味    
      Paṭhamaṃ.    a 第一の、最初の    
    訳文                  
     第一〔経〕。    
                         
                         
  ←前へ   トップへ   次へ→  
inserted by FC2 system