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     6. Lakuṇḍakabhaddiyasuttaṃ    
      語根 品詞 語基 意味    
      Lakuṇḍakabhaddiya    a 依(属) 人名、ラクンダカバッディヤ    
      suttaṃ  sīv a 経、糸    
    訳文                  
     「ラクンダカバッディヤ経」(『相応部』21-6    
    メモ                  
     ・あるいは「矮躯のバッディヤ」とでもすべきか。    
                         
                         
                         
    240-1.                  
     240. Sāvatthiyaṃ viharati.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Sāvatthiyaṃ    ī 地名、サーヴァッティー    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      viharati.  vi-hṛ 住する    
    訳文                  
     〔あるとき世尊は〕サーヴァッティーに住しておられた。    
                         
                         
                         
    240-2.                  
     Atha kho āyasmā lakuṇḍakabhaddiyo yena bhagavā tenupasaṅkami.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Atha    不変 ときに、また、そこに    
      kho    不変 じつに、たしかに    
      āyasmā    ant 尊者、具寿    
      lakuṇḍakabhaddiyo    a 人名、ラクンダカバッディヤ    
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)    
      bhagavā    ant 世尊    
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      upasaṅkami.  upa-saṃ-kram 近づいた    
    訳文                  
     ときに尊者ラクンダカバッディヤが世尊へ近づいた。    
                         
                         
                         
    240-3.                  
     Addasā kho bhagavā āyasmantaṃ lakuṇḍakabhaddiyaṃ dūratova āgacchantaṃ.     
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      Addasā  dṛś 見た    
      語根 品詞 語基 意味    
      kho    不変 じつに、たしかに    
      bhagavā    ant 世尊    
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿    
      lakuṇḍakabhaddiyaṃ    a 人名、ラクンダカバッディヤ    
      dūrato    a 遠く    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      āgacchantaṃ.  ā-gaṃ 現分 ant 来る    
    訳文                  
     世尊は、遠くからやってくる尊者ラクンダカバッディヤをご覧になった。    
                         
                         
                         
    240-4.                  
     Disvāna bhikkhū āmantesi –     
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      Disvāna  dṛś 見る    
      語根 品詞 語基 意味    
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する    
    訳文                  
     ご覧になり、比丘たちへ呼びかけられた。    
                         
                         
                         
    240-5.                  
     ‘‘passatha no tumhe, bhikkhave, etaṃ bhikkhuṃ āgacchantaṃ dubbaṇṇaṃ duddasikaṃ okoṭimakaṃ bhikkhūnaṃ paribhūtarūpa’’nti?     
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ‘‘passatha  paś 見る    
      語根 品詞 語基 意味    
      no    不変 ない、否    
      tumhe,    代的 あなたたち    
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘    
      etaṃ    代的 これ    
      bhikkhuṃ  bhikṣ u 比丘    
      āgacchantaṃ  ā-gaṃ 現分 ant 来る    
      dubbaṇṇaṃ    名形 a 中→男 悪色、醜い    
      duddasikaṃ  dur-dṛś a 醜悪の    
      okoṭimakaṃ    a 矮小の、醜陋の    
      bhikkhūnaṃ  bhikṣ u 比丘    
      paribhūta  pari-bhū 過分 a 有(持) 軽蔑された、侮られた    
      rūpa’’n    a 中→男 色、物質、肉体、形相    
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     「比丘たちよ、あなたがたは、この醜く、醜悪で、矮小な、比丘たちに蔑まれる形相の比丘が、やってくるのが見えますか」と。    
    メモ                  
     ・諸訳はbhikkhūnaṃ paribhūtarūpa’’nを「比丘たちによって軽蔑される」というふうに解しているが、具格でなく複数属格なので上記のように「比丘たちのうちでも蔑まれる」としてみた。    
     ・(追記)始め上のようにしたが、『中部』18「蜜玉経」202-9.の、‘‘ayaṃ kho āyasmā mahākaccāno satthu ceva saṃvaṇṇito sambhāvito ca viññūnaṃ sabrahmacārīnaṃ. のような属格支配ではないかと考えを改め、改訳した。    
                         
                         
                         
    240-6.                  
     ‘‘Evaṃ, bhante’’.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き    
      bhante’’.  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ    
    訳文                  
     「尊者よ、そのとおりに〔見えます〕」    
                         
                         
                         
    240-7.                  
     ‘‘Eso kho, bhikkhave, bhikkhu mahiddhiko mahānubhāvo, na ca sā samāpatti sulabharūpā yā tena bhikkhunā asamāpannapubbā.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Eso    代的 これ    
      kho,    不変 じつに、たしかに    
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘    
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘    
      mahiddhiko    a 大神通ある    
      mahānubhāvo,  anu-bhū a 大威力ある    
      na    不変 ない    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
          代的 それ、彼女    
      samāpatti  saṃ-ā-pad i 入定、等至    
      sulabha  su-labh a 有(持) よく得られる    
      rūpā    a 中→女 色、物質、肉体、形相    
          代的 (関係代名詞)    
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ    
      bhikkhunā  bhikṣ u 比丘    
      asamāpanna  a-saṃ-ā-pad 過分 a 有(持) 入定しない    
      pubbā.    代的 前の、先の、昔の    
    訳文                  
     「比丘たちよ、かの比丘は大神通あり、大威力ある者です。この比丘によってかつて入定されなかった等至、それは、容易く得られるようなものではありません。    
                         
                         
                         
    240-8.                  
     Yassa catthāya kulaputtā sammadeva agārasmā anagāriyaṃ pabbajanti, tadanuttaraṃ brahmacariyapariyosānaṃ diṭṭheva dhamme sayaṃ abhiññā sacchikatvā upasampajja viharatī’’ti.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Yassa    代的 男中 (関係代名詞)    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      atthāya    a 男中    
      kula    a 依(属) 家、良家、族姓    
      puttā    a 息子 →善男子    
      samma    不変 正しい    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家    
      anagāriyaṃ    a 非家の    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      pabbajanti,  pra-vraj 出家する    
      語根 品詞 語基 意味    
      tad    代的 それ    
      anuttaraṃ    代的 無上の    
      brahmacariya  bṛh, car a 依(属) 梵行    
      pariyosānaṃ  pari-ava-sā a 終結、完了    
      diṭṭhe  dṛś 過分 a 男中 見られた、見、所見    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      dhamme  dhṛ a 男中 法 →現法    
      sayaṃ    不変 自ら、自分で    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      abhiññā  abhi-jñā 証知する、自証する    
      sacchikatvā  kṛ 作証する、証明をなす、さとる    
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達する、成就する、具足する    
      viharatī’’  vi-hṛ 住する    
      語根 品詞 語基 意味    
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     彼は、善男子たちがそれを目的として俗家から出家をなすところの、かの無上なる梵行の完成を、現法において自証し、証知し、具足して住しています」    
                         
                         
                         
    240-9.                  
     Idamavoca bhagavā…pe…     
      語根 品詞 語基 意味    
      Idam    代的 これ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      avoca  vac いう    
      語根 品詞 語基 意味    
      bhagavā…pe…    ant 世尊    
    訳文                  
     世尊はこう仰った。    
                         
                         
                         
    240-10.                  
     satthā –     
      語根 品詞 語基 意味    
      satthā –  śās ar    
    訳文                  
     ……師は〔さらにこう仰った〕。    
                         
                         
                         
    240-11.                  
     ‘‘Haṃsā koñcā mayūrā ca, hatthayo pasadā migā;    
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Haṃsā    a 鵞鳥、白鳥    
      koñcā    a 鷺、白鷺    
      mayūrā    a 孔雀    
      ca,    不変 と、また、そして、しかし    
      hatthayo    in    
      pasadā    a 斑点ある    
      migā;    a 鹿、獣    
    訳文                  
     「♪白鳥たち、鷺たち、孔雀たち、また象たち、斑点ある鹿たちは、    
    メモ                  
     ・象はin語基なのでほんとうはhatthinoになるはずである。    
                         
                         
                         
    240-12.                  
     Sabbe sīhassa bhāyanti, natthi kāyasmiṃ tulyatā.    
      語根 品詞 語基 意味    
      Sabbe    名形 代的 中→男 すべて    
      sīhassa    a 獅子    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      bhāyanti,  bhī 怖れる    
      語根 品詞 語基 意味    
      na    不変 ない    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      atthi  as ある、なる    
      語根 品詞 語基 意味    
      kāyasmiṃ    a    
      tulyatā.  tul ā 量られるべきこと、比肩性    
    訳文                  
     ♪みな獅子を怖れる。身における差異は〔関係〕ない。    
                         
                         
                         
    240-13.                  
     ‘‘Evameva manussesu, daharo cepi paññavā;    
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Evam    不変 このように、かくの如き    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      manussesu,    a 人間    
      daharo    a 若い、幼い    
      ce    不変 もし、たとえ    
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ    
      paññavā;  pra-jñā ant 有慧の    
    訳文                  
     ♪まさにそのように、人間たちのうちでたとえ幼くとも有慧であるならば、    
                         
                         
                         
    240-14.                  
     So hi tattha mahā hoti, neva bālo sarīravā’’ti.     
      語根 品詞 語基 意味    
      So    代的 それ、彼    
      hi    不変 じつに、なぜなら    
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで    
      mahā    ant 大きい    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      hoti,  bhū ある、なる、存在する    
      語根 品詞 語基 意味    
      na    不変 ない    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      bālo    a 愚かな、無知の、若い    
      sarīravā’’    ant 身体ある    
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     ♪その場合、〔大きな〕身をもつ愚者ではなく、その者が大きな者なのである」と。    
                         
                         
                         
     chaṭṭhaṃ;    
      語根 品詞 語基 意味    
      chaṭṭhaṃ;    a 第六の    
    訳文                  
     第六〔経〕。    
                         
                         
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