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		10. Uttiyasuttaṃ
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Uttiya		名	a	男	依（属）		人名、ウッティヤ
			suttaṃ	sīv	名	a	中	単	主	経、糸
		訳文
		「ウッティヤ経」（『相応部』45-30）
		30-1.
		30. Sāvatthinidānaṃ.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Sāvatthi		名	ī	女	有（処）		地名、サーヴァッティー、舎衛城
			nidānaṃ.		名	a	中	単	主	因縁、因由
		訳文
		サーヴァッティーでのことである。
		30-2.
		Atha kho āyasmā uttiyo yena bhagavā tenupasaṅkami…pe…
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Atha		不変	‐	‐	‐	‐	ときに、また、そこに
			kho		不変	‐	‐	‐	‐	じつに、たしかに
			āyasmā		形	ant	男	単	主	尊者、具寿
			uttiyo		名	a	男	単	主	人名、ウッティヤ
			yena		代	代的	中	単	具	（関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」）
			bhagavā		名	ant	男	単	主	世尊
			tena		代	代的	中	単	具	それ、彼、それによって、それゆえ
			述語	語根	品詞	活用	態	数	人称	意味
			upasaṅkami…pe…	upa-saṃ-kram	動	ア	能	単	三	近づいた
		訳文
		ときに尊者ウッティヤが、世尊へ近づいた……
		30-3.
		ekamantaṃ nisinno kho āyasmā uttiyo bhagavantaṃ etadavoca –
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			ekamantaṃ		不変	‐	‐	‐	‐	一方に
			nisinno	ni-sad	過分	a	男	単	主	坐った
			kho		不変	‐	‐	‐	‐	じつに、たしかに
			āyasmā		形	ant	男	単	主	尊者、具寿
			uttiyo		名	a	男	単	主	人名、ウッティヤ
			bhagavantaṃ		名	ant	男	単	対	世尊
			etad		代	代的	中	単	対	これ
			述語	語根	品詞	活用	態	数	人称	意味
			avoca –	vac	動	ア	能	単	三	いう
		訳文
		一方へ坐った尊者ウッティヤは、世尊へこういった。
		30-4.
		‘‘idha mayhaṃ, bhante, rahogatassa paṭisallīnassa evaṃ cetaso parivitakko udapādi –
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			‘‘idha		不変	‐	‐	‐	‐	ここに、この世で、いま、さて
			mayhaṃ,		代	代的	‐	単	属絶	私
			bhante,	bhū	名現分	ant（特）	男	単	呼	尊者よ、大徳よ
			raho	rah	名	as	中	依（対）		独処、静処
			gatassa	gam	過分	a	男	単	属絶	行った、関係した　→独処した
			paṭisallīnassa	prati-saṃ-lī	過分	a	男	単	属絶	独坐した
			evaṃ		不変	‐	‐	‐	‐	このように、かくの如き
			cetaso	cit	名	as	中	単	属	心
			parivitakko	pari-vi-tark	名形	a	男	単	主	審慮、尋求
			述語	語根	品詞	活用	態	数	人称	意味
			udapādi –	ud-pad	動	ア	能	単	三	生じる、発生する
		訳文
		「尊者よ、独処し、独坐したここなる私に、このような心の審慮がおこりました。
		30-5.
		‘pañca kāmaguṇā vuttā bhagavatā.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			‘pañca		数	特	‐	複	主	五
			kāma		名	a	男中	依（属）		欲、欲楽
			guṇā		名	a	男	複	主	徳、種類　→五妙欲
			vuttā	vac	過分	a	男	複	主	言われた
			bhagavatā.		名	ant	男	単	具	世尊
		訳文
		『世尊によって五妙欲が説かれた。
		30-6.
		Katame nu kho pañca kāmaguṇā vuttā bhagavatā’’’ti?
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Katame		形	代的	男	複	主	いずれの、どちらの
			nu		不変	‐	‐	‐	‐	いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか
			kho		不変	‐	‐	‐	‐	じつに、たしかに
			pañca		数	特	‐	複	主	五
			kāma		名	a	男中	依（属）		欲、欲楽
			guṇā		名	a	男	複	主	徳、種類　→五妙欲
			vuttā	vac	過分	a	男	複	主	言われた
			bhagavatā’’’		名	ant	男	単	具	世尊
			ti?		不変	‐	‐	‐	‐	と、といって、かく、このように、ゆえに
		訳文
		いったい、いかなるものが世尊によって説かれた五妙欲なのであろうか』と」
		30-7.
		‘‘Sādhu sādhu, uttiya!
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			‘‘Sādhu	sādh	形	u	中	単	主	善き、善哉、なにとぞ
			sādhu,	sādh	形	u	中	単	主	善き、善哉、なにとぞ
			uttiya!		名	a	男	単	呼	人名、ウッティヤ
		訳文
		「善きかな、善きかな、ウッティヤよ。
		30-8.
		Pañcime kho, uttiya, kāmaguṇā vuttā mayā.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Pañca		数	特	‐	複	主	五
			ime		代	代的	男	複	主	これら
			kho,		不変	‐	‐	‐	‐	じつに、たしかに
			uttiya,		名	a	男	単	呼	人名、ウッティヤ
			kāma		名	a	男中	依（属）		欲、欲楽
			guṇā		名	a	男	複	主	徳、種類　→五妙欲
			vuttā	vac	過分	a	男	複	主	言われた
			mayā.		代	代的	‐	単	具	私
		訳文
		ウッティヤよ。私によって五妙欲が説かれました。
		30-9.
		Katame pañca?
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Katame		形	代的	男	複	主	いずれの、どちらの
			pañca?		数	特	‐	複	主	五
		訳文
		いかなる五か。
		30-10.
		Cakkhuviññeyyā rūpā iṭṭhā kantā manāpā piyarūpā kāmūpasaṃhitā rajanīyā, sotaviññeyyā saddā…pe…
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Cakkhu		名	us	中	依（具）		眼
			viññeyyā	vi-jñā	未分	a	男	複	主	所識の
			rūpā		名	a	中（男）	複	主	色、物質、肉体、形相
			iṭṭhā		形	a	男	複	主	可愛の
			kantā		形	a	男	複	主	可楽の、所愛の
			manāpā		形	a	男	複	主	可意の、適意の
			piya		形	a	‐	有（持）		愛の、可愛の
			rūpā		名	a	中→男	複	主	色、物質、肉体、形相
			kāma		名	a	男中	依（対）		欲、欲楽
			upasaṃhitā	upa-saṃ-dhā	過分	a	男	複	主	具えた
			rajanīyā,	raj	未分	a	男	複	主	染まるべき、染心をあおる
			sota	śru	名	as	中	依（具）		耳
			viññeyyā	vi-jñā	未分	a	男	複	主	所識の
			saddā…pe…		名	a	男	複	主	音、声、語
		訳文
		〈眼〉によって識られる可愛の、可楽の、可意の、愛しき形相ある、欲楽をそなえた、染心をあおる諸々の〈色〉。〈耳〉によって識られる……諸々の〈声〉……
		30-11.
		ghānaviññeyyā gandhā…
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			ghāna		名	a	中	依（具）		鼻
			viññeyyā	vi-jñā	未分	a	男	複	主	所識の
			gandhā…		名	a	男	複	主	香
		訳文
		〈鼻〉によって識られる……諸々の〈香〉……
		30-12.
		jivhāviññeyyā rasā…
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			jivhā		名	ā	女	依（具）		舌
			viññeyyā	vi-jñā	未分	a	男	複	主	所識の
			rasā…		名	a	男	複	主	味、汁、作用、実質
		訳文
		〈舌〉によって識られる……諸々の〈味〉……
		30-13.
		kāyaviññeyyā phoṭṭhabbā iṭṭhā kantā manāpā piyarūpā kāmūpasaṃhitā rajanīyā –
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			kāya		名	a	男	依（具）		身体、集ま
			viññeyyā	vi-jñā	未分	a	男	複	主	所識の
			phoṭṭhabbā	spṛś	名未分	a	中（男）	複	主	触
			iṭṭhā kantā manāpā piyarūpā kāmūpasaṃhitā rajanīyā – (30-10.)
		訳文
		〈身〉によって識られる可愛の、可楽の、可意の、愛しき形相ある、欲楽をそなえた、染心をあおる諸々の〈触〉。
		30-14.
		ime kho, uttiya, pañca kāmaguṇā vuttā mayā.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			ime		代	代的	男	複	主	これら
			kho,		不変	‐	‐	‐	‐	じつに、たしかに
			uttiya,		名	a	男	単	呼	人名、ウッティヤ
			pañca		数	特	‐	複	主	五
			kāma		名	a	男中	依（属）		欲、欲楽
			guṇā		名	a	男	複	主	徳、種類　→五妙欲
			vuttā	vac	過分	a	男	複	主	言われた
			mayā.		代	代的	‐	単	具	私
		訳文
		ウッティヤよ。これらが、私によって説かれた五妙欲です。
		30-15.
		Imesaṃ kho, uttiya, pañcannaṃ kāmaguṇānaṃ pahānāya ariyo aṭṭhaṅgiko maggo bhāvetabbo.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Imesaṃ		代	代的	男	複	属	これら
			kho,		不変	‐	‐	‐	‐	じつに、たしかに
			uttiya,		名	a	男	単	呼	人名、ウッティヤ
			pañcannaṃ		数	特	‐	複	属	五
			kāma		名	a	男中	依（属）		欲、欲楽
			guṇānaṃ		名	a	男	複	属	徳、種類　→五妙欲
			pahānāya	pra-hā	名	a	中	単	与	捨断
			ariyo		名形	a	男	単	主	聖なる
			aṭṭha		数	特	‐	帯		八
			aṅgiko		形	a	男	単	主	支分ある
			maggo		名	a	男	単	主	道
			bhāvetabbo.	bhū　使	未分	a	男	単	主	修習されるべき
		訳文
		ウッティヤよ。これらが五妙欲の捨断のために、八支聖道が修習されるべきです。
		30-16.
		Katamo ariyo aṭṭhaṅgiko maggo?
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Katamo		形	代的	男	単	主	いずれの、どちらの
			ariyo		名形	a	男	単	主	聖なる
			aṭṭha		数	特	‐	帯		八
			aṅgiko		形	a	男	単	主	支分ある
			maggo?		名	a	男	単	主	道
		訳文
		いかなるものが八支聖道なのでしょうか。
		30-17.
		Seyyathidaṃ –
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Seyyathidaṃ –		不変	‐	‐	‐	‐	それはこの如し、あたかも〜の如し
		訳文
		すなわち、
		30-18.
		sammādiṭṭhi…pe…
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			sammā		不変	‐	‐	‐	‐	正しい、正しく
			diṭṭhi…pe…	dṛś	名	i	女	単	主	見、見解、意見
		訳文
		正見……
		30-19.
		sammāsamādhi.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			sammā		不変	‐	‐	‐	‐	正しい、正しく
			samādhi.	saṃ-ā-dhā	名	i	男	単	主	定、三昧、精神統一
		訳文
		……正定です。
		30-20.
		Imesaṃ kho, uttiya, pañcannaṃ kāmaguṇānaṃ pahānāya ayaṃ ariyo aṭṭhaṅgiko maggo bhāvetabbo’’ti.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Imesaṃ kho, uttiya, pañcannaṃ kāmaguṇānaṃ pahānāya ayaṃ ariyo aṭṭhaṅgiko maggo bhāvetabbo’’ (30-15.)
			ayaṃ		代	代的	男	単	主	これ
			ti.		不変	‐	‐	‐	‐	と、といって、かく、このように、ゆえに
		訳文
		ウッティヤよ。これらが五妙欲の捨断のために、この八支聖道が修習されるべきです」
		Dasamaṃ.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Dasamaṃ.		形	a	中	単	主	第十の
		訳文
		第十〔経〕。
		Micchattavaggo tatiyo.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Micchatta		名	a	中	依（属）		邪性、邪悪
			vaggo		名	a	男	単	主	章、品
			tatiyo.		形	a	男	単	主	第三の
		訳文
		〔『相応部』「道相応」〕第三〔品〕「邪性品」〔おわり〕。
		Tassuddānaṃ –
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Tassa		代	代的	男	単	属	それ、彼
			uddānaṃ –	ud-dā	名	a	中	単	主	摂頌
		訳文
		その摂頌は、
		Micchattaṃ akusalaṃ dhammaṃ, duve paṭipadāpi ca;
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Micchattaṃ		名	a	中	単	主	邪性、邪悪
			akusalaṃ		形	a	中	単	主	不善の
			dhammaṃ,	dhṛ	名	a	男中	単	主	法
			duve		数	特	‐	複	主	二
			paṭipadā	prati-pad	名	ā	女	複	主	道
			pi		不変	‐	‐	‐	‐	〜もまた、けれども、たとえ
			ca;		不変	‐	‐	‐	‐	と、また、そして、しかし
		訳文
		♪「邪性〔経〕」、「不善法〔経〕」、二つの「道〔経〕」、
		Asappurisena dve kumbho, samādhi vedanuttiyenāti.
			語	語根	品詞	語基	性	数	格	意味
			Asappurisena		名	a	男	単	具	不善士
			dve		数	特	‐	複	主	二
			kumbho,		名	a	男	単	主	瓶、水瓶
			samādhi	saṃ-ā-dhā	名	i	男	単	主	定、三昧、精神統一
			vedanā	vid	名	ā	女	単	主	受、感受、苦痛
			uttiyenā		名	a	男	単	具	人名、ウッティヤ
			ti.		不変	‐	‐	‐	‐	と、といって、かく、このように、ゆえに
		訳文
		♪二つの「不善士〔経〕」、「瓶〔経〕」、「定〔経〕」、「受〔経〕」、「ウッティヤ〔経〕」である。
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