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     6. Mahākammavibhaṅgasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahā    ant 大きい  
      kamma  kṛ an 依(属)  
      vibhaṅga  bhaj a 依(属) 分別、解釈、配分  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「大業分別経」(『中部』136  
                       
                       
                       
    298-1.                
     298. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      me    代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた  
    訳文                
     私はこのように聞いた。  
                       
                       
                       
    298-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā rājagahe viharati veḷuvane kalandakanivāpe.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ    a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      rājagahe    a 地名、ラージャガハ、王舎城  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      veḷuvane    a 竹林、竹林園  
      kalandaka    a 有(属) リス  
      nivāpe.  ni-vap a 撒き餌、えさ  
    訳文                
     あるとき世尊は、ラージャガハのカランダカニヴァーパ竹林園に住しておられた。  
                       
                       
                       
    298-3.                
     Tena kho pana samayena āyasmā samiddhi araññakuṭikāyaṃ viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      samiddhi    i 人名、サミッディ  
      arañña    a 依(処) 林野、閑林  
      kuṭikāyaṃ    ā 小屋  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati.  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     さてそのとき、尊者サミッディが閑林の小屋に住していた。  
                       
                       
                       
    298-4.                
     Atha kho potaliputto paribbājako jaṅghāvihāraṃ anucaṅkamamāno anuvicaramāno yenāyasmā samiddhi tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      potaliputto    a 人名、ポータリプッタ  
      paribbājako  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      jaṅghā    ā 有(属) すね  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 副対 住、住居、精舎、僧房 →脚住、歩行の状態  
      anucaṅkamamāno  anu-kram 強 現分 a 遊歩、随歩、経行  
      anuvicaramāno  anu-vi-car 現分 a 従い歩く、徘徊する、探し求める  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      samiddhi    i 人名、サミッディ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときに、徒歩で遊歩し散策していたポータリプッタ遍歴行者が、尊者サミッディのところへ近づいた。  
                       
                       
                       
    298-5.                
     upasaṅkamitvā āyasmatā samiddhinā saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      āyasmatā    ant 尊者、具寿  
      samiddhinā    i 人名、サミッディ  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     近づいて、尊者サミッディと挨拶した。  
                       
                       
                       
    298-6.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  saṃ-raj 未分 a 相慶慰すべき、喜ぶべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati-sṛ 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     喜ばしき慶賀の言葉を交わしてから、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    298-7.                
     Ekamantaṃ nisinno kho potaliputto paribbājako āyasmantaṃ samiddhiṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      potaliputto    a 人名、ポータリプッタ  
      paribbājako  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      samiddhiṃ    i 人名、サミッディ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐ったポータリプッタ遍歴行者は、尊者サミッディへこう言った。  
                       
                       
                       
    298-8.                
     ‘‘sammukhā metaṃ, āvuso samiddhi, samaṇassa gotamassa sutaṃ, sammukhā paṭiggahitaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘sammukhā    a 男中 副奪 面前の  
      me    代的  
      etaṃ,    代的 これ  
      āvuso    不変 友よ  
      samiddhi,    i 人名、サミッディ  
      samaṇassa  śram a 沙門  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      sutaṃ,  śru 名過分 a 所聞、聞かれた  
      sammukhā    a 男中 副奪 面前の  
      paṭiggahitaṃ –  prati-grah 過分 a 受け取られた  
    訳文                
     「友、サミッディよ、私はこのことを、沙門ゴータマの面前で聞き、面前で把持しました。  
                       
                       
                       
    298-9.                
     ‘moghaṃ kāyakammaṃ moghaṃ vacīkammaṃ, manokammameva sacca’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘moghaṃ    a 空虚の、虚妄の  
      kāya    a 依(属) 身体、集まり  
      kammaṃ  kṛ an 業、行為  
      moghaṃ    a 空虚の、虚妄の  
      vacī  vac as 依(属) 語、言、口  
      kammaṃ,  kṛ an 業、行為  
      mano  man as 依(属)  
      kammam  kṛ an 業、行為  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      sacca’n    a 真実、真理、諦  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『身業は虚妄であり、口業は虚妄である。意業のみが真実である』と。  
    メモ                
     ・『註』もいうとおり『中部』52「ウパーリ経」などで釈尊は三業のうち意業が最も重い、と述べているから、これを誤って受け取ったものという可能性はあろう。  
                       
                       
                       
    298-10.                
     Atthi ca sā [atthi cesā (sī. ka.)] samāpatti yaṃ samāpattiṃ samāpanno na kiñci vediyatī’’ti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
          代的 それ、彼女  
      samāpatti  saṃ-ā-pad i 入定、等至  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      samāpattiṃ  saṃ-ā-pad i 入定、等至  
      samāpanno  saṃ-ā-pad 過分 a 到達した、入定した  
      na    不変 ない  
      kiñci    代的 何らかの、何者であれ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vediyatī’’  vid 使 感受する、経験する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     また『およそその等至へ入定したものは何も感受しなくなるような等至が存在する』と」  
                       
                       
                       
    298-11.                
     ‘‘Mā hevaṃ, āvuso potaliputta, avaca; (mā hevaṃ, āvuso potaliputta, avaca;) [( ) syā. kaṃ. potthakesu natthi]   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Mā    不変 なかれ  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      āvuso    不変 友よ  
      potaliputta,    a 人名、ポータリプッタ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avaca;  vac 言う  
    訳文                
     「友、ポータリプッタよ、そのように言うなかれ。  
                       
                       
                       
    298-12.                
     mā bhagavantaṃ abbhācikkhi.   
      語根 品詞 語基 意味  
          不変 なかれ  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abbhācikkhi.  abhi-ā-khyā 強 非難する、誹謗する  
    訳文                
     世尊を誹謗してはいけません。  
                       
                       
                       
    298-13.                
     Na hi sādhu bhagavato abbhakkhānaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Na    不変 ない  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      sādhu  sādh u 善哉、なにとぞ  
      bhagavato    ant 世尊  
      abbhakkhānaṃ.  abhi-ā-khyā a 誹謗  
    訳文                
     世尊への誹謗はよくありません。  
                       
                       
                       
    298-14.                
     Na hi bhagavā evaṃ vadeyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Na    不変 ない  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      bhagavā    ant 世尊  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadeyya –  vad いう  
    訳文                
     世尊はそのように仰っておられません。  
                       
                       
                       
    298-15.                
     ‘moghaṃ kāyakammaṃ moghaṃ vacīkammaṃ, manokammameva sacca’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘moghaṃ kāyakammaṃ moghaṃ vacīkammaṃ, manokammameva sacca’nti. (298-9.)  
    訳文                
     『身業は虚妄であり、口業は虚妄である。意業のみが真実である』と。  
                       
                       
                       
    298-16.                
     Atthi ca kho [atthi ceva kho (sī. ka.)] sā, āvuso, samāpatti yaṃ samāpattiṃ samāpanno na kiñci vediyatī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atthi ca kho sā, āvuso, samāpatti yaṃ samāpattiṃ samāpanno na kiñci vediyatī’’ti. (298-10.)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āvuso,    不変 友よ  
    訳文                
     しかし友よ、およそその等至へ入定したものは何も感受しなくなるような等至は存在します」  
                       
                       
                       
    298-17.                
     ‘‘Kīvaciraṃ pabbajitosi, āvuso samiddhī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kīva    不変 どれほど  
      ciraṃ    a 副対 久しく  
      pabbajito  pra-vraj 名過分 a 出家  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      asi,  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      āvuso    不変 友よ  
      samiddhī’’    i 人名、サミッディ  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「友、サミッディよ、あなたは出家してどれほど久しくなりますか」  
                       
                       
                       
    298-18.                
     ‘‘Na ciraṃ, āvuso!   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      ciraṃ,    a 副対 久しく  
      āvuso!    不変 友よ  
    訳文                
     「友、久しくはありません。  
                       
                       
                       
    298-19.                
     Tīṇi vassānī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tīṇi     
      vassānī’’  vṛṣ a 男中 雨、安居、年  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     三年です」  
                       
                       
                       
    298-20.                
     ‘‘Ettha dāni mayaṃ there bhikkhū kiṃ vakkhāma, yatra hi nāma evaṃnavo bhikkhu [navakena bhikkhunā (ka.)] satthāraṃ parirakkhitabbaṃ maññissati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ettha    不変 ここに  
      dāni    不変 今、いまや  
      mayaṃ    代的 私たち  
      there    a 長老、上座、年長  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      kiṃ    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vakkhāma,  vac 言う  
      語根 品詞 語基 意味  
      yatra    不変 〜ところのその場所、〜の所  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      evaṃ    不変 かくのごとき  
      navo    a 新しい  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      satthāraṃ  śās ar  
      parirakkhitabbaṃ  pari-rakṣ 未分 a 守護されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maññissati.  man 考える、思量する  
    訳文                
     「今ここに、我々は長老比丘たちに対して何と言ったものでしょうか。なんとなれば、このような新参比丘〔ですら〕、師を守らねばならないと考えるようですから。  
                       
                       
                       
    298-21.                
     Sañcetanikaṃ, āvuso samiddhi, kammaṃ katvā kāyena vācāya manasā kiṃ so vediyatī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sañcetanikaṃ,  saṃ-cit a 故意の、意思の  
      āvuso    不変 友よ  
      samiddhi,    i 人名、サミッディ  
      kammaṃ  kṛ an 業、行為 →故思業  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      katvā  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      kāyena    a 身、身体  
      vācāya  vac ā 言葉、語  
      manasā  man as  
      kiṃ    代的 何、なぜ、いかに  
      so    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vediyatī’’  vid 使 感受する、経験する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     友、サミッディよ、身口意によって意図的な業をなしたならば、その者は何を感受するのでしょうか」  
                       
                       
                       
    298-22.                
     ‘‘Sañcetanikaṃ, āvuso potaliputta, kammaṃ katvā kāyena vācāya manasā dukkhaṃ so vediyatī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Sañcetanikaṃ, āvuso potaliputta, kammaṃ katvā kāyena vācāya manasā dukkhaṃ so vediyatī’’ti. (298-21.)  
      potaliputta,    a 人名、ポータリプッタ  
      dukkhaṃ    名形 a  
    訳文                
     「友、ポータリプッタよ、身口意によって意図的な業をなしたならば、その者は苦を感受します」  
                       
                       
                       
    298-23.                
     Atha kho potaliputto paribbājako āyasmato samiddhissa bhāsitaṃ neva abhinandi nappaṭikkosi;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      potaliputto    a 人名、ポータリプッタ  
      paribbājako  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      āyasmato    ant 尊者、具寿  
      samiddhissa    i 人名、サミッディ  
      bhāsitaṃ  bhāṣ 名過分 a 所説  
      na    不変 ない  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhinandi  abhi-nand 大いに喜ぶ、歓喜する  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭikkosi;  prati-kruś 叱る、非難する  
    訳文                
     ときにポータリプッタ遍歴行者は、尊者サミッディの所説に歓喜せず、非難もしなかった。  
                       
                       
                       
    298-24.                
     anabhinanditvā appaṭikkositvā uṭṭhāyāsanā pakkāmi.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anabhinanditvā  an-abhi-nand 歓喜しない  
      appaṭikkositvā  a-prati-kruś 非難しない  
      uṭṭhāya  ud-sthā 立ち上がる  
      語根 品詞 語基 意味  
      āsanā  ās a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pakkāmi. pra-kram 出発する、進む  
    訳文                
     歓喜せず、非難せず、座より立って立ち去った。  
                       
                       
                       
    299-1.                
     299. Atha kho āyasmā samiddhi acirapakkante potaliputte paribbājake yenāyasmā ānando tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      samiddhi    i 人名、サミッディ  
      acira    a 依(奪) 久しからず  
      pakkante  pra-kram 過分 a 処絶 去った、過ぎた、出発した  
      potaliputte    a 処絶 人名、ポータリプッタ  
      paribbājake  pari-vraj a 処絶 遍歴者、遊行者  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときに尊者サミッディは、ポータリプッタ遍歴行者が立ち去ってより間もなく、尊者アーナンダのもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    299-2.                
     upasaṅkamitvā āyasmatā ānandena saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      āyasmatā    ant 尊者、具寿  
      ānandena  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     近づいて、尊者アーナンダと挨拶した。  
                       
                       
                       
    299-3.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi. (298-6.)  
    訳文                
     喜ばしき慶賀の言葉を交わしてから、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    299-4.                
     Ekamantaṃ nisinno kho āyasmā samiddhi yāvatako ahosi potaliputtena paribbājakena saddhiṃ kathāsallāpo taṃ sabbaṃ āyasmato ānandassa ārocesi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      samiddhi    i 人名、サミッディ  
      yāvatako    a それだけの、〜である限り  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      potaliputtena    a 人名、ポータリプッタ  
      paribbājakena  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      kathā    ā  
      sallāpo  saṃ-lap a 会話  
      taṃ    代的 それ  
      sabbaṃ    代的 すべて  
      āyasmato    ant 尊者、具寿  
      ānandassa  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārocesi.  ā-ruc 使 告げる、述べる  
    訳文                
     一方へ坐った尊者サミッディはポータリプッタ遍歴行者との対話のかぎり、そのすべてを尊者アーナンダへ告げた。  
                       
                       
                       
    299-5.                
     Evaṃ vutte, āyasmā ānando āyasmantaṃ samiddhiṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte,  vac 受 過分 a いわれた  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      samiddhiṃ    i 人名、サミッディ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     このように言われて、尊者アーナンダは尊者サミッディへこう言った。  
                       
                       
                       
    299-6.                
     ‘‘atthi kho idaṃ, āvuso samiddhi, kathāpābhataṃ bhagavantaṃ dassanāya.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      idaṃ,    代的 これ  
      āvuso    不変 友よ  
      samiddhi,    i 人名、サミッディ  
      kathā    ā  
      pābhataṃ  pra-ā-bhṛ 名過分 a 持ち来たられた  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      dassanāya.  dṛś a 見、見ること  
    訳文                
     「友、サミッディよ、たしかに、この持ち来たられた話は、世尊のお耳に入れるべきです。  
    メモ                
     ・『長部』29「清浄経」にパラレル。  
                       
                       
                       
    299-7.                
     Āyāmāvuso samiddhi, yena bhagavā tenupasaṅkamissāma;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Āyāma  ā-yā 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      āvuso    不変 友よ  
      samiddhi,    i 人名、サミッディ  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamissāma;  upa-saṃ-kram 近づく  
    訳文                
     いざ友、サミッディよ、我々は世尊のもとを訪ねましょう。  
                       
                       
                       
    299-8.                
     upasaṅkamitvā etamatthaṃ bhagavato ārocessāma.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      etam    代的 男中 これ  
      atthaṃ    a 男中 義、利益、道理、必要、意味  
      bhagavato    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārocessāma  ā-ruc 告げる、述べる  
    訳文                  
     訪ねて、この義を世尊へ告げるとしましょう。  
    メモ                
     ・この一文は『長部』29「清浄経」にないが、諸経に散見されるストックフレーズである。つまりこのあたりの記述は複数の定型句が組み合わさっている。  
                       
                       
                       
    299-9.                
     Yathā no bhagavā byākarissati tathā naṃ dhāressāmā’’ti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      no    代的 私たち  
      bhagavā    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      byākarissati  vi-ā-kṛ 解答する、授記する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tathā    不変 かく、その如く  
      naṃ    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dhāressāmā’’  dhṛ 使 持たせる、保持する、憶持する、着る、与える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     世尊が我々に解答するその通りに、それを憶持することとしましょう」と。  
                       
                       
                       
    299-10.                
     ‘‘Evamāvuso’’ti kho āyasmā samiddhi āyasmato ānandassa paccassosi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evam    不変 このように、かくの如き  
      āvuso’’    不変 友よ  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      samiddhi    i 人名、サミッディ  
      āyasmato    ant 尊者、具寿  
      ānandassa  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccassosi.  prati-śru 応諾する、同意する、応える  
    訳文                  
     「そのように、尊者よ」と、尊者サミッディは、尊者アーナンダへ応えた。  
                       
                       
                       
    299-11.                
     Atha kho āyasmā ca ānando āyasmā ca samiddhi yena bhagavā tenupasaṅkamiṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      samiddhi    i 人名、サミッディ  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamiṃsu;  upa-saṃ-kram 能反 近づいた  
    訳文                  
     そこで尊者アーナンダと尊者サミッディは、世尊のもとを訪ねた。  
                       
                       
                       
    299-12.                
     upasaṅkamitvā bhagavantaṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdiṃsu.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu.  ni-sad 坐る  
    訳文                  
     訪ねて、世尊へ礼拝し、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    299-13.                
     Ekamantaṃ nisinno kho āyasmā ānando yāvatako ahosi āyasmato samiddhissa potaliputtena paribbājakena saddhiṃ kathāsallāpo taṃ sabbaṃ bhagavato ārocesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ nisinno kho āyasmā ānando yāvatako ahosi āyasmato samiddhissa potaliputtena paribbājakena saddhiṃ kathāsallāpo taṃ sabbaṃ bhagavato ārocesi. (299-4.)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      āyasmato    ant 尊者、具寿  
      samiddhissa    i 人名、サミッディ  
      bhagavato    ant 世尊  
    訳文                  
     一方へ坐った尊者アーナンダは、尊者サミッディの、ポータリプッタ遍歴行者との対話のかぎり、そのすべてを世尊へ告げた。  
                       
                       
                       
    299-14.                
     Evaṃ vutte, bhagavā āyasmantaṃ ānandaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte,  vac 受 過分 a いわれた  
      bhagavā    ant 世尊  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānandaṃ  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                  
     このように言われて、世尊は尊者アーナンダへこう仰った。  
                       
                       
                       
    299-15.                
     ‘‘dassanampi kho ahaṃ, ānanda, potaliputtassa paribbājakassa nābhijānāmi, kuto panevarūpaṃ kathāsallāpaṃ?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘dassanam  dṛś a 見、見ること  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      potaliputtassa    a 人名、ポータリプッタ  
      paribbājakassa  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhijānāmi,  abhi-jñā 証知する、自証する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kuto    不変 どこから、いかなる理由で  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      evarūpaṃ    a かくのごとき  
      kathā    ā  
      sallāpaṃ?  saṃ-lap a 会話  
    訳文                  
     「アーナンダよ、私は、ポータリプッタ遍歴行者へまみえた憶えはありません。しからば、どうしてそのような会話を〔交わせたというのでしょうか〕。  
                       
                       
                       
    299-16.                
     Iminā ca, ānanda, samiddhinā moghapurisena potaliputtassa paribbājakassa vibhajjabyākaraṇīyo pañho ekaṃsena byākato’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iminā    代的 これ  
      ca,    不変 と、また、そして、しかし  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      samiddhinā    i 人名、サミッディ  
      mogha    a 空虚な、愚鈍の  
      purisena    a 人、男  
      potaliputtassa    a 人名、ポータリプッタ  
      paribbājakassa  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vibhajja  vi-bhaj 分別する  
      語根 品詞 語基 意味  
      byākaraṇīyo  vi-ā-kṛ 未分 a 解答されるべき  
      pañho    a 問い  
      ekaṃsena    a 副具 一向に、決定的に、絶対的に  
      byākato’’  vi-ā-kṛ 過分 a 解答された  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                  
     そしてアーナンダよ、この愚人サミッディは、ポータリプッタ遍歴行者のため、区別して解答されるべき問いを、単一に解答してしまったのです」  
                       
                       
                       
    299-17.                
     Evaṃ vutte, āyasmā udāyī bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte,  vac 受 過分 a いわれた  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      udāyī    in 人名、ウダーイン  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                  
     このように言われたとき、尊者ウダーインがこのように言った。  
                       
                       
                       
    299-18.                
     ‘‘sace pana [kiṃ pana (ka.)], bhante, āyasmatā samiddhinā idaṃ sandhāya bhāsitaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘sace    不変 もし  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      āyasmatā    ant 尊者、具寿  
      samiddhinā    i 人名、サミッディ  
      idaṃ    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sandhāya  saṃ-dhā 〜に関して、密意によって  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhāsitaṃ –  bhāṣ 名過分 a 所説、説かれた  
    訳文                  
     「尊者よ、もしや尊者サミッディは、このことを意図して言ったのではありますまいか。  
                       
                       
                       
    299-19.                
     yaṃ kiñci vedayitaṃ taṃ dukkhasmi’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      kiñci    代的 何らかの、何者であれ  
      vedayitaṃ  vid 使 過分 a 感受された  
      taṃ    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dukkhasmi’’n    名形 a  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                  
     およそ何であれ感受されたもの、それは苦に含まれる、ということを」  
                       
                       
                       
    300-1.                
     300. Atha kho [evaṃ vutte (syā. kaṃ.)] bhagavā āyasmantaṃ ānandaṃ āmantesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānandaṃ  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
    訳文                  
     すると世尊は尊者アーナンダへ呼びかけられた。  
                       
                       
                       
    300-2.                
     ‘‘passasi no tvaṃ, ānanda, imassa udāyissa moghapurisassa ummaṅgaṃ [ummaggaṃ (sī. syā. kaṃ. pī.), umaṅgaṃ (ka.)]?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘passasi  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      no    不変 ない、否/〜かどうか  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      imassa    代的 これ  
      udāyissa    in 人名、ウダーイン  
      mogha    a 空虚な、愚鈍の  
      purisassa    a 人、男  
      ummaṅgaṃ?    a 邪道の、不運な  
    訳文                  
     「アーナンダよ、あなたはこの愚人ウダーインの邪道なることが見て取れますか。  
                       
                       
                       
    300-3.                
     Aññāsiṃ kho ahaṃ, ānanda –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Aññāsiṃ  ā-jñā 了知する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      ānanda –  ā-nand a 人名、アーナンダ  
    訳文                  
     私は了知しています。  
                       
                       
                       
    300-4.                
     ‘idānevāyaṃ udāyī moghapuriso ummujjamāno ayoniso ummujjissatī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘idāni    不変 今、いまや  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      ayaṃ    代的 これ  
      udāyī    in 人名、ウダーイン  
      mogha    a 空虚な、愚鈍の  
      puriso    a 人、男  
      ummujjamāno  ud-majj 現分 a 抜け出る、浮かぶ、自ら顔を出す  
      ayoniso    不変 非如理  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ummujjissatī’  ud-majj 抜け出る、浮かぶ、自ら顔を出す  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                  
     『いままさに、この愚人ウダーインは、抜きん出ようにも、誤って抜きん出ようとしている』と。  
                       
                       
                       
    300-5.                
     Ādiṃyeva [ādisova (sī. pī.), ādiyeva (ka.)], ānanda, potaliputtena paribbājakena tisso vedanā pucchitā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ādiṃ    i 男中 副対 最初、始め  
      yeva,    不変 まさに、のみ、じつに  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      potaliputtena    a 人名、ポータリプッタ  
      paribbājakena  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      tisso     
      vedanā  vid ā 受、感受、苦痛  
      pucchitā.  prach 過分 ā 問われた  
    訳文                  
     アーナンダよ、最初から、ポータリプッタ遍歴行者によって問われていたのは、三受だったのです。  
    メモ                
     ・この一連の問答の趣意を、ここではこう解して訳した。すなわち、まずサミッディは教義に通暁しておらず、身口意業の異熟を苦、楽、不苦不楽の三つの場合に区分して答えるべきポータリプッタの問いに、苦の場合のみで答えてしまった。しかしウダーインはそこに「あらゆる感受は畢竟、苦である」という(文脈によっては必ずしも仏教的に間違いではない)趣意があったのではないかと深読みをなした。しかし釈尊はそれを、的外れな教学的知識の誇示だと釘を刺した、という流れである。  
     ・とはいえポータリプッタの問いが三受を問うたものだとは、質問の文面からは通常、想定し得ない。好意的に解すならば、釈尊の他心通による了解ということか。  
                       
                       
                       
    300-6.                
     Sacāyaṃ, ānanda, samiddhi moghapuriso potaliputtassa paribbājakassa evaṃ puṭṭho evaṃ byākareyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sace    不変 もし  
      ayaṃ,    代的 これ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      samiddhi    i 人名、サミッディ  
      mogha    a 空虚な、愚鈍の  
      puriso    a 人、男  
      potaliputtassa    a 人名、ポータリプッタ  
      paribbājakassa  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      puṭṭho  praci 過分 a 問われた  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      byākareyya –  vi-ā-kṛ 解答する  
    訳文                  
     アーナンダよ、もしこの愚人サミッディが、ポータリプッタ遍歴行者によってそのように問われたならば、このように解答するべきだったのです。  
                       
                       
                       
    300-7.                
     ‘sañcetanikaṃ, āvuso potaliputta, kammaṃ katvā kāyena vācāya manasā sukhavedanīyaṃ sukhaṃ so vedayati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘sañcetanikaṃ, āvuso potaliputta, kammaṃ katvā kāyena vācāya manasā sukhavedanīyaṃ sukhaṃ so (298-22.)  
      sukha    名形 a 依(対)  
      vedanīyaṃ  vid 使 未分 a 感受すべき  
      sukhaṃ    名形 a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vedayati;  vid 使 感受する、経験する  
    訳文                
     『友、ポータリプッタよ、身口意によって、楽を感受すべき意図的な業をなしたならば、その者は楽を感受します。  
                       
                       
                       
    300-8.                
     sañcetanikaṃ, āvuso potaliputta, kammaṃ katvā kāyena vācāya manasā dukkhavedanīyaṃ dukkhaṃ so vedayati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      sañcetanikaṃ, āvuso potaliputta, kammaṃ katvā kāyena vācāya manasā dukkhavedanīyaṃ dukkhaṃ so vedayati; (300-7.)  
      dukkha    名形 a 依(対)  
      dukkhaṃ    名形 a  
    訳文                
     友、ポータリプッタよ、身口意によって、苦を感受すべき意図的な業をなしたならば、その者は苦を感受します。  
                       
                       
                       
    300-9.                
     sañcetanikaṃ, āvuso potaliputta, kammaṃ katvā kāyena vācāya manasā adukkhamasukhavedanīyaṃ adukkhamasukhaṃ so vedayatī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      sañcetanikaṃ, āvuso potaliputta, kammaṃ katvā kāyena vācāya manasā adukkhamasukhavedanīyaṃ adukkhamasukhaṃ so vedayati; (300-7.)  
      adukkhamasukha    a 依(対) 不苦不楽  
      adukkhamasukhaṃ    a 不苦不楽  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     友、ポータリプッタよ、身口意によって、不苦不楽を感受すべき意図的な業をなしたならば、その者は不苦不楽を感受します』と。  
                       
                       
                       
    300-10.                
     Evaṃ byākaramāno kho, ānanda, samiddhi moghapuriso potaliputtassa paribbājakassa sammā (byākaramāno) [( ) natthi (sī. syā. kaṃ. pī.)] byākareyya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      byākaramāno  vi-ā-kṛ 現分 a 解答する  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      ānanda,  ā-nand a