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     2. Mahāsuññatasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahā    ant 大きい  
      suññata    ā 依(属) 空性、空であること、空  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「大空性経」(『中部』122  
                       
                       
                       
    185-1.                
     185. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ   不変 このように  
      me   代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた、所聞  
    訳文                
     このように私は聞いた。  
                       
                       
                       
    185-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā sakkesu viharati kapilavatthusmiṃ nigrodhārāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      sakkesu    a 帝釈、釈迦、釈迦族  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kapilavatthusmiṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      nigrodha    a 依(属) ニグローダ樹、榕樹  
      ārāme.    a 園林  
    訳文                
     あるとき世尊は釈迦国の、カピラヴァットゥのニグローダ園林に住しておられた。  
                       
                       
                       
    185-3.                
     Atha kho bhagavā pubbaṇhasamayaṃ nivāsetvā pattacīvaramādāya kapilavatthuṃ piṇḍāya pāvisi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      pubbaṇha    a 依(属) 午前  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nivāsetvā  ni-vas 使 着衣する、内衣を着る  
      語根 品詞 語基 意味  
      patta    a 男中  
      cīvaram    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ādāya  ā-dā 取って  
      語根 品詞 語基 意味  
      kapilavatthuṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      piṇḍāya    a 団食、(与格で「托鉢のため」)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāvisi.  pra-viś 入る  
    訳文                
     ときに世尊は、午前中に、内衣をつけ、鉢と衣を取って、托鉢のためカピラヴァットゥへ入られた。  
                       
                       
                       
    185-4.                
     Kapilavatthusmiṃ piṇḍāya caritvā pacchābhattaṃ piṇḍapātapaṭikkanto yena kāḷakhemakassa sakkassa vihāro tenupasaṅkami divāvihārāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kapilavatthusmiṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      piṇḍāya    a 団食、(与格で「托鉢のため」)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      caritvā  car ゆく  
      語根 品詞 語基 意味  
      pacchā    不変 後に、背後に、西方に  
      bhattaṃ  bhaj 名形 a 副対 食事 →食後に  
      piṇḍapāta  pat a 依(奪) 団食、施食  
      paṭikkanto  prati-kram 過分 a 戻った、退いた、減退した  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      kāḷakhemakassa    a 人名、カーラケーマカ  
      sakkassa    a 帝釈、釈迦、釈迦族  
      vihāro  vi-hṛ a 住、精舎  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami  upa-saṃ-kram 近づいた  
      語根 品詞 語基 意味  
      divā    不変 日中に  
      vihārāya.  vi-hṛ a 住、住処 →昼住、食後の休憩  
    訳文                
     托鉢のためカピラヴァットゥへゆき、食後、施食より退いてから、日中を過ごすため、釈迦族カーラケーマカの精舎へ近づかれた。  
                       
                       
                       
    185-5.                
     Tena kho pana samayena kāḷakhemakassa sakkassa vihāre sambahulāni senāsanāni paññattāni honti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      kāḷakhemakassa    a 人名、カーラケーマカ  
      sakkassa    a 帝釈、釈迦、釈迦族  
      vihāre  vi-hṛ a 住、精舎  
      sambahulāni    a 多くの、衆多の  
      sena  śī a 臥処  
      āsanāni  ās a 坐処 →臥坐具、臥坐処、住居  
      paññattāni  pra-jñā 使 過分 a 知らしめられた、用意された  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      honti.  bhū ある、存在する  
    訳文                
     さてそのとき、釈迦族カーラケーマカの精舎には、おおくの臥坐具が用意されていた。  
                       
                       
                       
    185-6.                
     Addasā kho bhagavā kāḷakhemakassa sakkassa vihāre sambahulāni senāsanāni paññattāni.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見た  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      kāḷakhemakassa    a 人名、カーラケーマカ  
      sakkassa    a 帝釈、釈迦、釈迦族  
      vihāre  vi-hṛ a 住、精舎  
      sambahulāni    a 多くの、衆多の  
      sena  śī a 臥処  
      āsanāni  ās a 坐処 →臥坐具、臥坐処、住居  
      paññattāni.  pra-jñā 使 過分 a 知らしめられた、用意された  
    訳文                
     世尊は、釈迦族カーラケーマカの精舎の、おおくの用意された臥坐具を見られた。  
                       
                       
                       
    185-7.                
     Disvāna bhagavato etadahosi –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Disvāna  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavato    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     見て、世尊にこの〔思い〕がおこった。  
                       
                       
                       
    185-8.                
     ‘‘sambahulāni kho kāḷakhemakassa sakkassa vihāre senāsanāni paññattāni.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘sambahulāni kho kāḷakhemakassa sakkassa vihāre senāsanāni paññattāni. (185-5.)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
    訳文                
     「釈迦族カーラケーマカの精舎には、じつにおおくの臥坐具が用意されている。  
                       
                       
                       
    185-9.                
     Sambahulā nu kho idha bhikkhū viharantī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sambahulā    a 多くの、衆多の  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharantī’’  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ここには多くの比丘たちが住しているのであろうか」と。  
                       
                       
                       
    186-1.                
     186. Tena kho pana samayena āyasmā ānando sambahulehi bhikkhūhi saddhiṃ ghaṭāya sakkassa vihāre cīvarakammaṃ karoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      sambahulehi    a 多くの、衆多の  
      bhikkhūhi  bhikṣ u 比丘  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      ghaṭāya    ā 人名、ガター  
      sakkassa    a 帝釈、釈迦、釈迦族  
      vihāre  vi-hṛ a 住、精舎  
      cīvara    a 依(属)  
      kammaṃ  kṛ an 業、行為 →作衣  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karoti.  kṛ なす  
    訳文                
     さてそのとき、尊者アーナンダは多くの比丘たちとともに釈迦族ガターの精舎で作衣をなしていた。  
                       
                       
                       
    186-2.                
     Atha kho bhagavā sāyanhasamayaṃ paṭisallānā vuṭṭhito yena ghaṭāya sakkassa vihāro tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      sāyanha    a 依(属) 夕方  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      paṭisallānā  prati-saṃ-lī a 独坐  
      vuṭṭhito  (vi-)ud-sthā 過分 a 出定した  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      ghaṭāya    ā 人名、ガター  
      sakkassa    a 帝釈、釈迦、釈迦族  
      vihāro  vi-hṛ a 住、精舎  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときに世尊は夕暮れ時、独坐より出定して釈迦族ガターの精舎へ近づかれた。  
                       
                       
                       
    186-3.                
     upasaṅkamitvā paññatte āsane nisīdi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      paññatte  pra-jñā 使 過分 a 知らしめられた、用意された  
      āsane  ās a 坐処  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて、用意された座へ坐られた。  
                       
                       
                       
    186-4.                
     Nisajja kho bhagavā āyasmantaṃ ānandaṃ āmantesi –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Nisajja  ni-sad 坐る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānandaṃ  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
    訳文                
     坐って、世尊は尊者アーナンダへ呼びかけられた。  
                       
                       
                       
    186-5.                
     ‘‘sambahulāni kho, ānanda, kāḷakhemakassa sakkassa vihāre senāsanāni paññattāni.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘sambahulāni kho, ānanda, kāḷakhemakassa sakkassa vihāre senāsanāni paññattāni. (185-8.)  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
    訳文                
     「アーナンダよ、釈迦族カーラケーマカの精舎には、じつにおおくの臥坐具が用意されていました。  
                       
                       
                       
    186-6.                
     Sambahulā nu kho ettha bhikkhū viharantī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sambahulā nu kho ettha bhikkhū viharantī’’ti? (185-9.)  
      ettha    不変 ここに  
    訳文                
     あそこには多くの比丘たちが住しているのでしょうか」と。  
                       
                       
                       
    186-7.                
     ‘‘Sambahulāni, bhante, kāḷakhemakassa sakkassa vihāre senāsanāni paññattāni.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Sambahulāni, bhante, kāḷakhemakassa sakkassa vihāre senāsanāni paññattāni. (185-5.)  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
    訳文                
     「尊者よ、釈迦族カーラケーマカの精舎には、おおくの臥坐具が用意されています。  
                       
                       
                       
    186-8.                
     Sambahulā bhikkhū ettha viharanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sambahulā bhikkhū ettha viharanti. (186-6.)  
      ettha    不変 ここに  
    訳文                
     あそこには多くの比丘たちが住しています。  
                       
                       
                       
    186-9.                
     Cīvarakārasamayo no, bhante, vattatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Cīvara    a 依(属)  
      kāra  kṛ a 依(与) 行為、作者  
      samayo  saṃ-i a 時、時期  
      no,    代的 私たち  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vattatī’’  vṛt 転ずる、起こる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     世尊よ、我々には、衣作りの時期が巡ってきたのです」  
    メモ                
     ・みなで集まって作衣をする時期が定期的にあり、そのためおおくの臥坐具が用意されていたということなのであろう。  
                       
                       
                       
    186-10.                
     ‘‘Na kho, ānanda, bhikkhu sobhati saṅgaṇikārāmo saṅgaṇikarato saṅgaṇikārāmataṃ anuyutto gaṇārāmo gaṇarato gaṇasammudito.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sobhati  śubh 輝く  
      語根 品詞 語基 意味  
      saṅgaṇika  saṃ-gam ā 有(属) 衆会  
      ārāmo  ā-ram a 喜び  
      saṅgaṇika  saṃ-gam ā 依(対) 衆会  
      rato  ram 過分 a 楽しんだ、愛好した  
      saṅgaṇika  saṃ-gam ā 依(属) 衆会  
      ārāmataṃ  ā-ram ā 喜び、満足  
      anuyutto  anu-yuj 過分 a 実践、実行、専修した  
      gaṇa    a 有(属) 衆、群衆  
      ārāmo  ā-ram a 喜び  
      gaṇa    a 依(対) 衆、群衆  
      rato  ram 過分 a 楽しんだ、愛好した  
      gaṇa    a 依(対) 衆、群衆  
      sammudito.  saṃ-mud 過分 a 喜悦した  
    訳文                
     「アーナンダよ、衆会を喜び、衆会を楽しみ、衆会の喜びへ耽溺し、群衆を喜び、群衆を楽しみ、群衆に喜悦する比丘が輝くことはありません。  
                       
                       
                       
    186-11.                
     So vatānanda, bhikkhu saṅgaṇikārāmo saṅgaṇikarato saṅgaṇikārāmataṃ anuyutto gaṇārāmo gaṇarato gaṇasammudito yaṃ taṃ nekkhammasukhaṃ pavivekasukhaṃ upasamasukhaṃ sambodhisukhaṃ [sambodhasukhaṃ (sī. pī.), sambodhasukhaṃ cittekaggatāsukhaṃ (ka.) upari araṇavibhaṅgasutte pana sambodhisukhantveva dissati] tassa sukhassa nikāmalābhī bhavissati akicchalābhī akasiralābhīti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      vata    不変 じつに  
      ānanda, bhikkhu saṅgaṇikārāmo saṅgaṇikarato saṅgaṇikārāmataṃ anuyutto gaṇārāmo gaṇarato gaṇasammudito (186-10.)  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      taṃ    代的 それ  
      nekkhamma    a 依(属) 出離、利欲  
      sukhaṃ    名形 a  
      paviveka  pra-vi-vic a 依(属) 遠離、独居  
      sukhaṃ    名形 a  
      upasama  upa-śam a 依(属) 寂静、寂止、休息  
      sukhaṃ    名形 a  
      sambodhi  saṃ-budh i 依(属) 正覚、等覚  
      sukhaṃ    名形 a  
      tassa    代的 それ、彼  
      sukhassa    名形 a  
      nikāma    a 依(対) 欲望、満足  
      lābhī  labh in 利得者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavissati  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      akiccha    a 困難でない、容易な  
      lābhī  labh in 利得者  
      akasira    a 困難でない、容易な  
      lābhī  labh in 利得者  
      ti –    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「じつにアーナンダよ、衆会を喜び、衆会を楽しみ、衆会の喜びへ耽溺し、群衆を喜び、群衆を楽しみ、群衆に喜悦する比丘が、およそ出離の楽、遠離の楽、寂静の楽、正覚の楽〔といった〕その楽について満足を得、困難なく得、容易く得る者となるという、  
                       
                       
                       
    186-12.                
     netaṃ ṭhānaṃ vijjati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      etaṃ    代的 これ  
      ṭhānaṃ  sthā a 場所、状態、道理、理由  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vijjati.  vid 受 見出される、知られる、存在する  
    訳文                
     この道理は存在しません。  
                       
                       
                       
    186-13.                
     Yo ca kho so, ānanda, bhikkhu eko gaṇasmā vūpakaṭṭho viharati tassetaṃ bhikkhuno pāṭikaṅkhaṃ yaṃ taṃ nekkhammasukhaṃ pavivekasukhaṃ upasamasukhaṃ sambodhisukhaṃ tassa sukhassa nikāmalābhī bhavissati akicchalābhī akasiralābhīti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yo    代的 (関係代名詞)  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so,    代的 それ、彼  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      eko    代的 一、とある  
      gaṇasmā    a 衆、群衆  
      vūpakaṭṭho  vi-ava-kṛṣ 過分 a 遠離した  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tassa    代的 それ、彼  
      etaṃ    代的 これ  
      bhikkhuno  bhikṣ u 比丘  
      pāṭikaṅkhaṃ  prati-kāṅkṣ 未分 a 期待されるべき  
      yaṃ taṃ nekkhammasukhaṃ pavivekasukhaṃ upasamasukhaṃ sambodhisukhaṃ tassa sukhassa nikāmalābhī bhavissati akicchalābhī akasiralābhīti – (186-10.)  
    訳文                
     しかしアーナンダよ、およそその比丘がひとり群衆より遠離して住するならば、その比丘に、およそ出離の楽、遠離の楽、寂静の楽、正覚の楽〔といった〕その楽について満足を得、困難なく得、容易く得る者となるようなことが期待されるという、  
                       
                       
                       
    186-14.                
     ṭhānametaṃ vijjati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ṭhānametaṃ vijjati. (186-12.)  
    訳文                
     この道理は存在します。  
                       
                       
                       
    186-15.                
     ‘‘So vatānanda, bhikkhu saṅgaṇikārāmo saṅgaṇikarato saṅgaṇikārāmataṃ anuyutto gaṇārāmo gaṇarato gaṇasammudito sāmāyikaṃ vā kantaṃ cetovimuttiṃ upasampajja viharissati asāmāyikaṃ vā akuppanti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘So vatānanda, bhikkhu saṅgaṇikārāmo saṅgaṇikarato saṅgaṇikārāmataṃ anuyutto gaṇārāmo gaṇarato gaṇasammudito (186-11.)  
      sāmāyikaṃ    a 一時の、適時の  
          不変 あるいは  
      kantaṃ    a 可愛の、可楽の  
      ceto  cit as 依(属)  
      vimuttiṃ  vi-muc 受 i 解脱の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達、成就、具足する  
      viharissati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      asāmāyikaṃ    a 非時の、不適時の  
          不変 あるいは  
      akuppan    a 不動の、堅固な  
      ti –    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     じつにアーナンダよ、衆会を喜び、衆会を楽しみ、衆会の喜びへ耽溺し、群衆を喜び、群衆を楽しみ、群衆に喜悦する比丘が、一時的な可楽の心解脱、あるいは時によらぬ堅固の〔心解脱〕に達して住するであろうという、  
    メモ                
     ・「適時」「非時」でなく「一時的」「時によらぬ」と訳したのは『註』のAsāmāyikanti na samayavasena という説明によったもの。  
                       
                       
                       
    186-16.                
     netaṃ ṭhānaṃ vijjati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      netaṃ ṭhānaṃ vijjati. (186-12.)  
    訳文                
     この道理は存在しません。  
                       
                       
                       
    186-17.                
     Yo ca kho so, ānanda, bhikkhu eko gaṇasmā vūpakaṭṭho viharati tassetaṃ bhikkhuno pāṭikaṅkhaṃ sāmāyikaṃ vā kantaṃ cetovimuttiṃ upasampajja viharissati asāmāyikaṃ vā akuppanti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yo ca kho so, ānanda, bhikkhu eko gaṇasmā vūpakaṭṭho viharati tassetaṃ bhikkhuno pāṭikaṅkhaṃ sāmāyikaṃ vā kantaṃ cetovimuttiṃ upasampajja viharissati asāmāyikaṃ vā akuppanti – (186-13, 15.)  
    訳文                
     しかしアーナンダよ、およそその比丘がひとり群衆より遠離して住するならば、その者が、一時的な可楽の心解脱、あるいは時によらぬ堅固の〔心解脱〕に達して住するであろうという、  
                       
                       
                       
    186-18.                
     ṭhānametaṃ vijjati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ṭhānametaṃ vijjati. (186-12.)  
    訳文                
     この道理は存在します。  
                       
                       
                       
    186-19.                
     ‘‘Nāhaṃ, ānanda, ekaṃ rūpampi [ekarūpampi (sī.)] samanupassāmi yattha rattassa yathābhiratassa rūpassa vipariṇāmaññathābhāvā na uppajjeyyuṃ sokaparidevadukkhadomanassūpāyāsā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      ahaṃ,    代的  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      rūpam    a 色、物質、肉体、形相  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samanupassāmi  saṃ-anu-paś 見る、見なす、考える  
      語根 品詞 語基 意味  
      yattha    不変 〜ところのその場所、〜の所  
      rattassa  raj a 属絶 貪染の、雑染の  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      abhiratassa  abhi-ram 過分 a 属絶 大いに喜んだ  
      rūpassa    a 属絶 色、物質、肉体、形相  
      vipariṇāma  vi-pari-nam a 変異、変易、変壊  
      aññathā    不変 他の方法で、異なって  
      bhāvā  bhū a 本性、性、状態、態 →変化、変異  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uppajjeyyuṃ  ud-pad 起こる、生ずる、発生する  
      語根 品詞 語基 意味  
      soka  śuc a 愁、憂、うれい  
      parideva  pari-div a 悲、悲泣  
      dukkha    名形 a  
      domanassa    a 憂、憂悩  
      upāyāsā.    a 悩、愁、絶望、悶  
    訳文                
     アーナンダよ、私は、およそ雑染の、歓喜の色でありながら、そこに変易・変異ゆえの愁非苦憂悩が生じない、そのような色を一つも見出しません。  
                       
                       
                       
    187-1.                
     187. ‘‘Ayaṃ kho panānanda, vihāro tathāgatena abhisambuddho yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ayaṃ    代的 これ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      vihāro  vi-hṛ a 住、住法、精舎  
      tathāgatena  tathā-(ā-)gam a 如来  
      abhisambuddho  abhi-saṃ-budh a 現等覚した、現覚ある  
      yadidaṃ –    不変 すなわち  
    訳文                
     しかるにアーナンダよ、この住法が、如来によって現等覚されています。  
                       
                       
                       
    187-2.                
     sabbanimittānaṃ amanasikārā ajjhattaṃ suññataṃ upasampajja viharituṃ [viharataṃ (ka. sī.), viharati (syā. kaṃ. ka.)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      sabba    名形 代的 すべて  
      nimittānaṃ    a 相、特相、前兆  
      amanasikārā  a-man, kṛ a 不作意  
      ajjhattaṃ    a 自らの、内の  
      suññataṃ    a 空性、空であること、空  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達、成就、具足する  
      語根 品詞 語基 意味  
      viharituṃ.  vi-hṛ 不定 住すること  
    訳文                
     あらゆる相の不作意により、内なるものについて空性に達して住することが。  
    メモ                
     ・『註』によれば本経におけるajjhattaṃbahiddhāは自他の五蘊をいったものとされているので「内に」という副詞的対格ふうの訳でなく上記のように訳してみた。   
                       
                       
                       
    187-3.                
     Tatra ce, ānanda, tathāgataṃ iminā vihārena viharantaṃ bhavanti [bhagavantaṃ (sī. syā. kaṃ. ka.)] upasaṅkamitāro bhikkhū bhikkhuniyo upāsakā upāsikāyo rājāno rājamahāmattā titthiyā titthiyasāvakā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tatra    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      ce,    不変 もし、たとえ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      tathāgataṃ  tathā-(ā-)gam a 如来  
      iminā    代的 これ  
      vihārena  vi-hṛ a 住、住法、精舎  
      viharantaṃ  vi-hṛ 現分 ant 住する  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavanti  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      upasaṅkamitāro  upa-saṃ-kram ar 近づく者  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      bhikkhuniyo  bhikṣ ī 比丘尼  
      upāsakā  upa-ās a 優婆塞  
      upāsikāyo  upa-ās ā 優婆夷  
      rājāno    an  
      rāja    an 依(属)  
      mahā    ant 大きい  
      amattā    a 大臣、朝臣  
      titthiyā    a 外道、異学  
      titthiya    a 依(属) 外道、異学  
      sāvakā.  śru a 声聞、弟子  
    訳文                
     アーナンダよ、そこでもし、この住法によって住する如来に、比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷、王、王臣、異学者、異学の弟子たちが近づくとしましょう。  
                       
                       
                       
    187-4.                
     Tatrānanda, tathāgato vivekaninneneva cittena vivekapoṇena vivekapabbhārena vūpakaṭṭhena nekkhammābhiratena byantībhūtena sabbaso āsavaṭṭhānīyehi dhammehi aññadatthu uyyojanikapaṭisaṃyuttaṃyeva kathaṃ kattā hoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tatra    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      tathāgato  tathā-(ā-)gam a 如来  
      viveka  vi-vic a 有(対) 離、遠離、独処  
      ninnena  ni-nam? a 下方の、低地、傾いた  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      cittena  cit a  
      viveka  vi-vic a 依(対) 離、遠離、独処  
      poṇena  pra-nam? a 傾斜の、傾いた  
      viveka  vi-vic a 有(対) 離、遠離、独処  
      pabbhārena    a 男→中 傾斜、坂道  
      vūpaka  vi-vic a 依(対) 離、遠離、独処  
      ṭhena  sthā a 立つ、ある、存続する  
      nekkhamma  nis-kram a 依(対) 出離、離欲  
      abhiratena  abhi-ram 過分 a 大いに喜んだ  
      byantībhūtena  vi-anta-bhū? 過分 a 止んだ、終わった、滅んだ  
      sabbaso    不変 あまねく  
      āsava  ā-sru a 依(処) 漏、煩悩  
      ṭhānīyehi  sthā 未分 a 男中 住立すべき  
      dhammehi  dhṛ a 男中  
      aññadatthu    不変 何はともあれ、必ず  
      uyyojanika    a 依(処) 刺激の、扇動の、教唆の、駆り立てる  
      paṭisaṃyuttaṃ  prati-saṃ-yuj 過分 a 関係した、繋属の  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      kattā  kṛ ar 作者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti.  bhū ある、なる、存在する  
    訳文                
     アーナンダよ、そのばあい如来は、遠離へ向いた、遠離へ傾いた、遠離への傾斜ある、遠離に留まる、出離を大いに喜ぶ、漏に住立する諸法について止滅した心によって、かならず〔同じ住法の〕推奨にまつわる話のみをなす者となります。  
    メモ                
     ・「十増経」に一部パラレル。  
     ・uyyojanikaについては、PTS辞書のuyyojanaの項におけるinciting, instigationという説明から類推して訳し、また次文のtasmāを活かすべく補訳した。  
                       
                       
                       
    187-5.                
     Tasmātihānanda, bhikkhu cepi ākaṅkheyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tasmā    代的 それ、彼  
      iha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      ce    不変 もし、たとえ  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ākaṅkheyya –  ā-kāṅkṣ 意欲する、願う  
    訳文                
     アーナンダよ、ここに比丘が、もしそれゆえに願ったとします。  
                       
                       
                       
    187-6.                
     ‘ajjhattaṃ suññataṃ upasampajja vihareyya’nti, tenānanda, bhikkhunā ajjhattameva cittaṃ saṇṭhapetabbaṃ sannisādetabbaṃ ekodi kātabbaṃ samādahātabbaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ajjhattaṃ    a 自らの、内の  
      suññataṃ    a 空性、空であること、空  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達、成就、具足する  
      vihareyya’n  vi-hṛ 能反 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhikkhunā  bhikṣ u 比丘  
      ajjhattam    a 自らの、内の  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      cittaṃ  cit a  
      saṇṭhapetabbaṃ  saṃ-sthā 使 未分 a 置かれるべき、静止されるべき  
      sannisādetabbaṃ  saṃ-ni-sad 使 未分 a 静められるべき、落ち着かせるべき  
      ekodi    i 依(対) 専一の、一点の  
      kātabbaṃ  kṛ 未分 a なされるべき  
      samādahātabbaṃ.  saṃ-a-dhā 未分 a 定めされるべき、統一されるべき  
    訳文                
     『私は内なるものについて空性に達して住しよう』と。アーナンダよ、それゆえ比丘は、内なるものについて心を静止させ、静め、一点になし、統一すべきです。  
                       
                       
                       
    188-1.                
     188. ‘‘Kathañcānanda, bhikkhu ajjhattameva cittaṃ saṇṭhapeti sannisādeti ekodiṃ karoti [ekodikaroti (sī. syā. kaṃ. pī.)] samādahati?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kathañ    不変 いかに、なぜに  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      ajjhattam    a 自らの、内の  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      cittaṃ  cit a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṇṭhapeti  saṃ-sthā 使 置く、住立する、静止させる  
      sannisādeti  saṃ-ni-sad 使 静める、落ち着かせる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekodiṃ    i 専一の、一点の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karoti  kṛ なす  
      samādahati?  saṃ-a-dhā 定める、統一する  
    訳文                
     ではアーナンダよ、いかに比丘は、内なるものについて心を静止させ、静め、一点になし、統一させるのでしょうか。  
                       
                       
                       
    188-2.                
     Idhānanda, bhikkhu vivicceva kāmehi vivicca akusalehi dhammehi…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vivicca  vi-vic 離れる、遠離する  
      語根 品詞 語基 意味  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kāmehi    a 欲、欲楽  
      vivicca  同上  
      akusalehi    a 不善の  
      dhammehi…pe…  dhṛ a 男中  
    訳文                
     アーナンダよ、ここに比丘は、じつに欲から遠離し、不善の諸法から遠離して……  
                       
                       
                       
    188-3.                
     paṭhamaṃ jhānaṃ upasampajja viharati…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      paṭhamaṃ    a 初の、第一の  
      jhānaṃ  dhyai a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達する、成就する、具足する  
      viharati…pe…  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     ……初禅に達して住します。  
                       
                       
                       
    188-4.                
     dutiyaṃ jhānaṃ…   
      語根 品詞 語基 意味  
      dutiyaṃ    名形 a 男→中 第二の、伴侶  
      jhānaṃ…  dhyai a  
    訳文                
     第二禅に……  
                       
                       
                       
    188-5.                
     tatiyaṃ jhānaṃ…   
      語根 品詞 語基 意味  
      tatiyaṃ    a 第三  
      jhānaṃ…  dhyai a  
    訳文                
     第三禅に……  
                       
                       
                       
    188-6.                
     catutthaṃ jhānaṃ upasampajja viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      catutthaṃ    a 第四  
      jhānaṃ upasampajja viharati. (186-12.)  
    訳文                
     ……第四禅に達して住します。  
                       
                       
                       
    188-7.                
     Evaṃ kho, ānanda, bhikkhu ajjhattameva cittaṃ saṇṭhapeti sannisādeti ekodiṃ karoti samādahati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      ānanda, bhikkhu ajjhattameva cittaṃ saṇṭhapeti sannisādeti ekodiṃ karoti samādahati. (188-1.)  
    訳文                
     アーナンダよ、比丘はこのように、内なるものについて心を静止させ、静め、一点になし、統一させるのです。  
                       
                       
                       
    188-8.                
     So ajjhattaṃ suññataṃ manasi karoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      ajjhattaṃ    a 自らの、内の  
      suññataṃ    a 空性、空であること、空  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      manasi karoti.  man, kṛ 作意する  
    訳文                
     彼は内なるものについて空性を作意します。  
                       
                       
                       
    188-9.                
     Tassa ajjhattaṃ suññataṃ manasikaroto suññatāya cittaṃ na pakkhandati nappasīdati na santiṭṭhati na vimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 属絶 それ、彼  
      ajjhattaṃ    a 自らの、内の  
      suññataṃ    a 空性、空であること、空  
      manasikaroto  man, kṛ 現分 ant 属絶 作意する  
      suññatāya    a 空性、空であること、空  
      cittaṃ  cit a  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pakkhandati  pra-skand 躍進する、跳入する  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pasīdati  pra-sad 浄まる、喜ぶ、信じる  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      santiṭṭhati  saṃ-sthā 立つ、住立する、確立する  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vimuccati.  vi-muc 受 解脱する  
    訳文                
     彼は内なるものについて空性を作意しますが、〔内なるものについての〕空性に心が跳入せず、浄信せず、確立せず、解脱しない〔とします〕。  
    メモ                
     ・次次文の繰り返し箇所ではajjhattaṃ suññatāyaとなっているため、そのように補訳してみた。  
                       
                       
                       
    188-10.                
     Evaṃ santametaṃ, ānanda, bhikkhu evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      santam  as 現分 ant ある、なる  
      etaṃ,    代的 これ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānāti –  pra-jñā 知る、了知する  
    訳文                
     アーナンダよ、これ(心)がそのようであるとき、比丘はこのように了知します。  
                       
                       
                       
    188-11.                
     ‘ajjhattaṃ suññataṃ kho me manasikaroto ajjhattaṃ suññatāya cittaṃ na pakkhandati nappasīdati na santiṭṭhati na vimuccatī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ajjhattaṃ suññataṃ kho me manasikaroto ajjhattaṃ suññatāya cittaṃ na pakkhandati nappasīdati na santiṭṭhati na vimuccatī’ (188-1.)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      me    代的 属絶  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『私は内なるものについて空性を作意したが、内なるものについての空性に心が跳入せず、浄信せず、確立せず、解脱しない』と。  
                       
                       
                       
    188-12.                
     Itiha tattha sampajāno hoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 じつに、このように  
      iha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      sampajāno  saṃ-pra-jñā a 正知の、意識的な、故意の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti.  bhū ある、なる、存在する  
    訳文                
     そのように、ここに彼はそれに関して正知の者となるのです。  
                       
                       
                       
    188-13.                
     So bahiddhā suññataṃ manasi karoti…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      So bahiddhā suññataṃ manasi karoti…pe… (188-8.)  
      bahiddhā    不変 外に、外部に  
    訳文                
     彼は外なるものについて空性を作意します……  
                       
                       
                       
    188-14.                
     so ajjhattabahiddhā suññataṃ manasi karoti …pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      so ajjhattabahiddhā suññataṃ manasi karoti …pe… (188-8.)  
      ajjhatta    a 自らの、内の  
      bahiddhā    不変 外に、外部に  
    訳文                
     彼は内外のものについて空性を作意します……  
                       
                       
                       
    188-15.                
     so āneñjaṃ manasi karoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      so āneñjaṃ manasi karoti. (188-8.)  
      āneñjaṃ    a 不動  
    訳文                
     彼は不動を作意します。  
    メモ                
     ・『中部』102「五三経」や105「スナッカッタ経」、106「不動利益経」ではāneñjaは識無辺処を示唆してように思われたが、ここでのものがそうであるかは不明。『註』は「不動なる無色の等至」āneñjaṃ arūpasamāpattiṃ としているので無関係ではないか。  
                       
                       
                       
    188-16.                
     Tassa āneñjaṃ manasikaroto āneñjāya cittaṃ na pakkhandati nappasīdati na santiṭṭhati na vimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa āneñjaṃ manasikaroto āneñjāya cittaṃ na pakkhandati nappasīdati na santiṭṭhati na vimuccati. (188-9.)  
      āneñjaṃ    a 不動  
      āneñjāya    a 不動  
    訳文                
     彼は不動を作意しますが、不動に心が跳入せず、浄信せず、確立せず、解脱しない〔とします〕。  
                       
                       
                       
    188-17.                
     Evaṃ santametaṃ, ānanda, bhikkhu evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ santametaṃ, ānanda, bhikkhu evaṃ pajānāti – (188-10.)  
    訳文                
     アーナンダよ、これ(心)がそのようであるとき、比丘はこのように了知します。  
                       
                       
                       
    188-18.                
     ‘āneñjaṃ kho me manasikaroto āneñjāya cittaṃ na pakkhandati nappasīdati na santiṭṭhati na vimuccatī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘āneñjaṃ kho me manasikaroto āneñjāya cittaṃ na pakkhandati nappasīdati na santiṭṭhati na vimuccatī’ti. (188-11, 16.)  
    訳文                
     『私は不動を作意したが、不動に心が跳入せず、浄信せず、確立せず、解脱しない』と。  
                       
                       
                       
    188-19.                
     Itiha tattha sampajāno hoti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Itiha tattha sampajāno hoti. (188-12.)  
    訳文                
     そのように、ここに彼はそれに関して正知の者となるのです。  
                       
                       
                       
    188-20.                
     ‘‘Tenānanda, bhikkhunā tasmiṃyeva purimasmiṃ samādhinimitte ajjhattameva cittaṃ saṇṭhapetabbaṃ sannisādetabbaṃ ekodi kātabbaṃ samādahātabbaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tenānanda, bhikkhunā tasmiṃyeva purimasmiṃ samādhinimitte ajjhattameva cittaṃ saṇṭhapetabbaṃ sannisādetabbaṃ ekodi kātabbaṃ samādahātabbaṃ. (188-6.)  
      tasmiṃ    代的 それ、彼  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      purimasmiṃ    a 前の、古い、最初の  
      samādhi  saṃ-ā-dhā i 依(属) 定、三昧、精神統一  
      nimitte    a 相、特相、前兆  
    訳文                
     アーナンダよ、〔心がそのようであるならば〕それゆえ比丘は、その最初の定相において、内なるものについて心を静止させ、静め、一点になし、統一すべきです。  
    メモ                
     ・『註』は、「Tasmiṃyeva purimasminとは基礎禅に関して言われたのである」pādakajjhānaṃ sandhāya vuttaṃ. とする。うまく心が跳入云々しない場合には、禅定を基礎からやり直してみよ、ということなのであろう。  
                       
                       
                       
    188-21.                
     So ajjhattaṃ suññataṃ manasi karoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So ajjhattaṃ suññataṃ manasi karoti. (188-8.)  
    訳文                
     彼は内なるものについて空性を作意します。  
                       
                       
                       
    188-22.                
     Tassa ajjhattaṃ suññataṃ manasikaroto ajjhattaṃ suññatāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati vimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa ajjhattaṃ suññataṃ manasikaroto ajjhattaṃ suññatāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati vimuccati. (188-9.)  
    訳文                
     彼は内なるものについて空性を作意し、内なるものについての空性に心が跳入し、浄信し、確立し、解脱します。  
    メモ                
     ・naを欠くのみ。以下同様。  
                       
                       
                       
    188-23.                
     Evaṃ santametaṃ, ānanda, bhikkhu evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ santametaṃ, ānanda, bhikkhu evaṃ pajānāti – (188-10.)  
    訳文                
     アーナンダよ、これ(心)がそのようであるとき、比丘はこのように了知します。