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     3. Suññatavaggo  
      語根 品詞 語基 意味  
      Suññata    ā 依(属) 空性、空であること、空  
      vaggo    a 章、品  
    訳文                
     「空性品」  
    メモ                
     ・とりあえずsuññasuññatāを「空」と「空性」で機械的に訳し分けることとする。  
                       
                       
                       
     1. Cūḷasuññatasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Cūḷa    a 依(属) 小さい  
      suññata    ā 依(属) 空性、空であること、空  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「小空性経」(『中部』121  
                       
                       
                       
    176-1.                
     176. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ   不変 このように  
      me   代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた、所聞  
    訳文                
     このように私は聞いた。  
                       
                       
                       
    176-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā sāvatthiyaṃ viharati pubbārāme migāramātupāsāde.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      sāvatthiyaṃ    ī 地名、サーヴァッティー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      pubba    代的 昔の、東の  
      ārāme    a  
      migāramātu    ar 依(属) 人名、ミガーラマータル(鹿母)  
      pāsāde.  pra-ā-sad a 殿堂、重閣、高楼、講堂  
    訳文                
     あるとき世尊はサーヴァッティーの東園のミガーラマータル高楼に滞在しておられた。  
                       
                       
                       
    176-3.                
     Atha kho āyasmā ānando sāyanhasamayaṃ paṭisallānā vuṭṭhito yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      sāyanha    a 依(属) 夕方  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      paṭisallānā  prati-saṃ-lī a 独坐  
      vuṭṭhito  (vi-)ud-sthā 過分 a 出定した  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときに尊者アーナンダは、夕暮れ時、独坐より出定して世尊のもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    176-4.                
     upasaṅkamitvā bhagavantaṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて、世尊へ礼拝し、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    176-5.                
     Ekamantaṃ nisinno kho āyasmā ānando bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐った尊者アーナンダは世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    176-6.                
     ‘‘ekamidaṃ, bhante, samayaṃ bhagavā sakkesu viharati nagarakaṃ nāma sakyānaṃ nigamo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ekam    代的 副対 一、とある  
      idaṃ,    代的 副対 これ  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      sakkesu    a 帝釈、釈迦、釈迦族  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      nagarakaṃ    a 地名、ナガラカ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      sakyānaṃ    a 帝釈、釈迦、釈迦族  
      nigamo.    a  
    訳文                
     尊者よ、あるとき世尊は釈迦国に住しておられました。釈迦国のナガラカという名の町でした。  
    メモ                
     ・idaṃについては訳しがたく、虚辞的な副詞的対格とした。『註』もTattha idanti nipātamattameva. と述べている。  
                       
                       
                       
    176-7.                
     Tattha me, bhante, bhagavato sammukhā sutaṃ, sammukhā paṭiggahitaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      me,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      bhagavato    ant 世尊  
      sammukhā    a 男中 副奪 面前の  
      sutaṃ,  śru 名過分 a 聞かれた  
      sammukhā    a 男中 副奪 面前の  
      paṭiggahitaṃ –  prati-grah 過分 a 受け取られた  
    訳文                
     尊者よ、そこで私は世尊の面前より聞き、面前より受持しました。  
                       
                       
                       
    176-8.                
     ‘suññatāvihārenāhaṃ, ānanda, etarahi bahulaṃ viharāmī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘suññatā    ā 依(属) 空性、空であること、空  
      vihārena  vi-hṛ a 住、住法、精舎  
      ahaṃ,    代的  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      etarahi    不変 いま、現在  
      bahulaṃ    a 副対 多く、熱心な、屡々の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharāmī’  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『アーナンダよ、私はいま、空性の住法によって、しばしば住しています』と。  
                       
                       
                       
    176-9.                
     Kacci metaṃ, bhante, sussutaṃ suggahitaṃ sumanasikataṃ sūpadhārita’’nti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kacci    不変 〜かどうか  
      me    代的  
      etaṃ,    代的 これ  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      sussutaṃ  su-śru 過分 a よく聞かれた  
      suggahitaṃ  su-grah 過分 a よく把持された  
      sumanasikataṃ  su-man, kṛ 過分 a よく作意された  
      sūpadhārita’’n  su-upa-dhṛ 使 過分 a よく考慮された  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者よ、私はこのことを、よく聞き、よく把持し、よく作意し、よく考慮できているでしょうか」  
                       
                       
                       
    176-10.                
     ‘‘Taggha te etaṃ, ānanda, sussutaṃ suggahitaṃ sumanasikataṃ sūpadhāritaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Taggha    不変 たしかに  
      te    代的 あなた  
      etaṃ, ānanda, sussutaṃ suggahitaṃ sumanasikataṃ sūpadhāritaṃ. (176-9.)  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
    訳文                
     「アーナンダよ、あなたはたしかに、このことをよく聞き、よく把持し、よく作意し、よく考慮できています。  
                       
                       
                       
    176-11.                
     Pubbepāhaṃ [pubbecāhaṃ (sī. syā. kaṃ. pī.)], ānanda, etarahipi [etarahi ca (sabbattha)] suññatāvihārena bahulaṃ viharāmi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Pubbe    不変 前に、以前に  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ahaṃ, ānanda, etarahipi suññatāvihārena bahulaṃ viharāmi. (176-8.)  
    訳文                
     アーナンダよ、私は以前もいまも、空性の住法によって、しばしば住しています。  
                       
                       
                       
    176-12.                
     Seyyathāpi, ānanda, ayaṃ migāramātupāsādo suñño hatthigavassavaḷavena, suñño jātarūparajatena, suñño itthipurisasannipātena atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      ayaṃ    代的 これ  
      migāramātu    ar 依(属) 人名、ミガーラマータル(鹿母)  
      pāsādo  pra-ā-sad a 殿堂、重閣、高楼、講堂  
      suñño    名形 a 中→男 空なる  
      hatthi    in  
      gava    o  
      assa    a  
      vaḷavena,    ā 女(男中) 驢馬、牝馬  
      suñño    名形 a 中→男 空なる  
      jātarūpa  jan a  
      rajatena,    a  
      suñño    名形 a 中→男 空なる  
      itthi    i, ī 女、女性  
      purisa    a 依(属) 人、男  
      sannipātena  saṃ-ni-pat a 集合、和合  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      idaṃ    代的 これ  
      asuññataṃ    ā 女→中 不空性  
      yadidaṃ –    不変 すなわち  
    訳文                
     例えばアーナンダよ、このミガーラマータル高楼は、象、牛、馬、驢馬について空であり、金銀について空であり、男女の集合について空であり、しかしこれのみは空性ならざるものとして存在しています。すなわち、  
    メモ                
     ・asuññataṃは中性化していることから、a-suñña-tāという複合が有財釈化しているものと解した。ただニカーヤ中で「空」に言及される貴重なテクストであるので、より一層の検討が必要である。  
                       
                       
                       
    176-13.                
     bhikkhusaṅghaṃ paṭicca ekattaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘  
      saṅghaṃ  saṃ-hṛ a 僧伽、衆  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭicca  prati-i 縁りて、〜のために  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekattaṃ;    a 一性  
    訳文                
     比丘僧伽による単一性が。  
                       
                       
                       
    176-14.                
     evameva kho, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā gāmasaññaṃ, amanasikaritvā manussasaññaṃ, araññasaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      amanasikaritvā  a-man, kṛ 作意しない  
      語根 品詞 語基 意味  
      gāma    a 依(属)  
      saññaṃ,  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      amanasikaritvā  同上  
      manussa    a 依(属) 人、人間  
      saññaṃ,  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      arañña    a 依(属) 林野、閑林  
      saññaṃ  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭicca  prati-i 縁りて、〜のために  
      manasi karoti  man, kṛ 作意する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekattaṃ.    a 一性  
    訳文                
     まさにそのように、アーナンダよ、比丘は、邑想を作意せず、人想を作意せず、閑林想による単一性を作意します。  
                       
                       
                       
    176-15.                
     Tassa araññasaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      arañña    a 依(属) 林野、閑林  
      saññāya  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      cittaṃ  cit a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pakkhandati  pra-skand 躍進する、跳入する  
      pasīdati  pra-sad 浄まる、喜ぶ、信じる  
      santiṭṭhati  saṃ-sthā 立つ、住立する、確立する  
      adhimuccati.  adhi-muc 受 勝解する、志向する  
    訳文                
     彼の心は閑林想に跳入し、浄信し、確立し、志向します。  
    メモ                
     ・『中部』28「大象跡喩経」にパラレル。  
                       
                       
                       
    176-16.                
     So evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānāti –  pra-jñā 知る、了知する  
    訳文                
     彼はこのように了知します。  
                       
                       
                       
    176-17.                
     ‘ye assu darathā gāmasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā manussasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ye    代的 (関係代名詞)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assu  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      darathā    a 患悩、不安  
      gāma    a 依(属)  
      saññaṃ  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭicca  prati-i 縁りて、〜のために  
      語根 品詞 語基 意味  
      te    代的 それら、彼ら  
      idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      santi,  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ye assu darathā manussasaññaṃ paṭicca tedha na santi, (同上)  
      manussa    a 依(属) 人、人間  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ca    不変 もし、たとえ  
      eva    不変 あるいは  
      ayaṃ    代的 これ  
      daratha    a 依(属) 患悩、不安  
      mattā    ā 量、程度、わずか、のみ  
      yadidaṃ –    不変 すなわち  
    訳文                
     『およそ邑想による諸々の煩い〔というもの〕があるが、それらはここには存在しない。人想による諸々の煩い〔というもの〕があるが、それらはここには存在しない。しかしこの僅かな煩いは存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    176-18.                
     araññasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      arañña    a 依(属) 林野、閑林  
      saññaṃ  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭicca  prati-i 縁りて、〜のために  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekatta’n    a 一性  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     閑林想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    176-19.                
     So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ gāmasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ manussasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      ‘suññam    名形 a 空なる  
      idaṃ    代的 これ  
      saññā  saṃ-jñā ā 依(対) 想、想念、概念、表象  
      gataṃ  gam 過分 a 行った、達した、関係した →想の類  
      gāma    a 依(属)  
      saññāyā’  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānāti,  pra-jñā 知る、了知する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘suññamidaṃ saññāgataṃ manussasaññāyā’ti pajānāti, (同上)  
      manussa    a 依(属) 人、人間  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ce    不変 もし、たとえ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      idaṃ    代的 これ  
      asuññataṃ    ā 女→中 不空性  
      yadidaṃ –    不変 すなわち  
    訳文                
     彼は『この想類は邑想について空である』と了知し、『この想類は人想について空である』と了知し、『しかしこれのみは空性ならざるものとして存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    176-20.                
     araññasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      araññasaññaṃ paṭicca ekatta’nti. (176-18.)  
    訳文                
     閑林想による単一性が』と〔了知します〕。  
                       
                       
                       
    176-21.                
     Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’’’ti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      yañ    代的 (関係代名詞)  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      taṃ    代的 それ  
      suññaṃ    名形 a 空なる  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samanupassati,  saṃ-anu-paś 見る、認める、見なす、考える  
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      avasiṭṭhaṃ  ava-śiṣ 過分 a 残った、残余の  
      hoti  同上  
      taṃ    代的 それ  
      ‘santam  as 現分 ant ある、なる  
      idaṃ    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthī’’’  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānāti.  pra-jñā 知る、了知する  
    訳文                
     かく、およそそこに存在しないもの、それを、それゆえに空と見なし、またおよそそこに残存しているもの、それを『これは存在している』と了知します。  
                       
                       
                       
    176-22.                
     Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Evam    不変 このように、かくの如き  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      assa    代的 これ  
      esā,    代的 それ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      yathābhuccā    a 如実な  
      avipallatthā  a-vi-pari-as a 不顛倒の  
      parisuddhā  pari-śudh 過分 a 清浄の  
      suññatā    ā 依(属) 空性、空  
      avakkanti  ava-kram i 来下、下生、顕現  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavati.  bhū ある、なる  
    訳文                
     アーナンダよ、このように、彼にこの如実な、不顛倒の、清浄の空性の顕現が起こるのです。  
                       
                       
                       
    177-1.                
     177. ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā manussasaññaṃ, amanasikaritvā araññasaññaṃ, pathavīsaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna    不変 さらに、ふたたび  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      aparaṃ,    代的 副対 後の、次の、他の、(副対で)さらに  
      bhikkhu amanasikaritvā manussasaññaṃ, amanasikaritvā araññasaññaṃ, pathavīsaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ. (176-14.)  
      pathavī    ī 依(属)  
    訳文                
     さらにまた、アーナンダよ、比丘は、人想を作意せず、閑林想を作意せず、地想による単一性を作意します。  
                       
                       
                       
    177-2.                
     Tassa pathavīsaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa pathavīsaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati. (176-15.)  
      pathavī    ī 依(属)  
    訳文                
     彼の心は地想に跳入し、浄信し、確立し、志向します。  
                       
                       
                       
    177-3.                
     Seyyathāpi, ānanda, āsabhacammaṃ saṅkusatena suvihataṃ vigatavalikaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      āsabha    a 依(属) 牛、牡牛、牛王  
      cammaṃ    a 皮膚、皮革  
      saṅku    u  
      satena    a  
      suvihataṃ  su-vi-han 過分 a よく打たれた  
      vigata  vi-gam 過分 a 有(持) 去った、消失した  
      valikaṃ;    a ひだの、しわの  
    訳文                
     たとえばアーナンダよ、百本の杭でよく打ちつけられ、ひだのなくなった牛の皮のように、  
                       
                       
                       
    177-4.                
     evameva kho, ānanda, bhikkhu yaṃ imissā pathaviyā ukkūlavikkūlaṃ nadīviduggaṃ khāṇukaṇṭakaṭṭhānaṃ pabbatavisamaṃ taṃ sabbaṃ [sabbaṃ (ka.)] amanasikaritvā pathavīsaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      imissā    代的 これ  
      pathaviyā    ī  
      ukkūla    a 上り坂  
      vikkūlaṃ    a 緩やかな傾斜、低地の  
      nadī    ī  
      viduggaṃ  vi-dur-gam 名形 a 男→中 難路、険路  
      khāṇu    u 株、杭  
      kaṇṭaka    a 依(属) 棘、障碍  
      ṭhānaṃ  athā a 場所、状態、理由、道理  
      pabbata    a  
      visamaṃ    名形 a 不等の  
      taṃ    代的 それ  
      sabbaṃ    名形 代的 すべて  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      amanasikaritvā  a-man, kṛ 作意しない  
      pathavīsaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ. (177-1.)  
    訳文                
     まさにそのようにアーナンダよ、比丘はおよそこの地における上り坂、下り坂、川、難路たる株や棘の場所、山、不整地、それら全てを作意せず、地想による単一性を作意します。  
                       
                       
                       
    177-5.                
     Tassa pathavīsaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa pathavīsaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati. (177-2.)  
    訳文                
     彼の心は地想に跳入し、浄信し、確立し、志向します。  
                       
                       
                       
    177-6.                
     So evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So evaṃ pajānāti – (176-16.)  
    訳文                
     彼はこのように了知します。  
                       
                       
                       
    177-7.                
     ‘ye assu darathā manussasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā araññasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ye assu darathā manussasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā araññasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ – (176-17.)  
      arañña    a 依(属) 林野、閑林  
    訳文                
     『およそ人想による諸々の煩い、閑林想による諸々の煩い〔というもの〕があるが、それらはここには存在しない。しかしこの僅かな煩いは存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    177-8.                
     pathavīsaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      pathavī    ī 依(属)  
      saññaṃ paṭicca ekatta’nti.  (176-18.)  
    訳文                
     地想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    177-9.                
     So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ manussasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ araññasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ manussasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ araññasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ – (176-9.)  
      arañña    a 依(属) 林野、閑林  
    訳文                
     彼は『この想類は人想について空である』と了知し、『この想類は閑林想について空である』と了知し、『しかしこれのみは空性ならざるものとして存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    177-10.                
     pathavīsaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      pathavīsaññaṃ paṭicca ekatta’nti. (177-8.)  
    訳文                
     地想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    177-11.                
     Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti. (176-21.)  
    訳文                
     かく、およそそこに存在しないもの、それを、それゆえに空と見なし、またおよそそこに残存しているもの、それを『これは存在している』と了知します。  
                       
                       
                       
    177-12.                
     Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati. (176-22.)  
    訳文                
     アーナンダよ、このように、彼にこの如実な、不顛倒の、清浄の空性の顕現が起こるのです。  
                       
                       
                       
    178-1.                
     178. ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā araññasaññaṃ, amanasikaritvā pathavīsaññaṃ, ākāsānañcāyatanasaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā araññasaññaṃ, amanasikaritvā pathavīsaññaṃ, ākāsānañcāyatanasaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ. (177-1.)  
      ākāsānañca    a 空無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     さらにまた、アーナンダよ、比丘は、閑林想を作意せず、地想を作意せず、空無辺処想による単一性を作意します。  
                       
                       
                       
    178-2.                
     Tassa ākāsānañcāyatanasaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa ākāsānañcāyatanasaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati. (176-15.)  
      ākāsānañca    a 空無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     彼の心は空無辺処想に跳入し、浄信し、確立し、志向します。  
                       
                       
                       
    178-3.                
     So evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So evaṃ pajānāti – (176-16.)  
    訳文                
     彼はこのように了知します。  
                       
                       
                       
    178-4.                
     ‘ye assu darathā araññasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā pathavīsaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ye assu darathā araññasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā pathavīsaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ –  (177-7.)  
      pathavī    ī 依(属)  
    訳文                
     『およそ閑林想による諸々の煩い、地想による諸々の煩い〔というもの〕があるが、それらはここには存在しない。しかしこの僅かな煩いは存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    178-5.                
     ākāsānañcāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ākāsānañca    a 空無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
      saññaṃ paṭicca ekatta’nti.  (176-18.)  
    訳文                
     空無辺処想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    178-6.                
     So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ araññasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ pathavīsaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ araññasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ pathavīsaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ – (177-9.)  
      pathavī    ī 依(属)  
    訳文                
     彼は『この想類は閑林想について空である』と了知し、『この想類は地想について空である』と了知し、『しかしこれのみは空性ならざるものとして存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    178-7.                
     ākāsānañcāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ākāsānañcāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti. (178-5.)  
    訳文                
     空無辺処想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    178-8.                
     Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti. (176-21.)  
    訳文                
     かく、およそそこに存在しないもの、それを、それゆえに空と見なし、またおよそそこに残存しているもの、それを『これは存在している』と了知します。  
                       
                       
                       
    178-9.                
     Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati. (176-22.)  
    訳文                
     アーナンダよ、このように、彼にこの如実な、不顛倒の、清浄の空性の顕現が起こるのです。  
                       
                       
                       
    179-1.                
     179. ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā pathavīsaññaṃ, amanasikaritvā ākāsānañcāyatanasaññaṃ, viññāṇañcāyatanasaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā pathavīsaññaṃ, amanasikaritvā ākāsānañcāyatanasaññaṃ, viññāṇañcāyatanasaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ. (178-1.)  
      viññāṇañca    a 識無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     さらにまた、アーナンダよ、比丘は、地想を作意せず、空無辺処想を作意せず、識無辺処想による単一性を作意します。  
                       
                       
                       
    179-2.                
     Tassa viññāṇañcāyatanasaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa viññāṇañcāyatanasaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati. (176-15.)  
      viññāṇañca    a 識無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     彼の心は識無辺処想に跳入し、浄信し、確立し、志向します。  
                       
                       
                       
    179-3.                
     So evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So evaṃ pajānāti – (176-16.)  
    訳文                
     彼はこのように了知します。  
                       
                       
                       
    179-4.                
     ‘ye assu darathā pathavīsaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā ākāsānañcāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ye assu darathā pathavīsaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā ākāsānañcāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ –  (178-4.)  
      ākāsānañca    a 空無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     『およそ地想による諸々の煩い、空無辺処想による諸々の煩い〔というもの〕があるが、それらはここには存在しない。しかしこの僅かな煩いは存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    179-5.                
     viññāṇañcāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      viññāṇañca    a 識無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
      saññaṃ paṭicca ekatta’nti.  (176-18.)  
    訳文                
     識無辺処想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    179-6.                
     So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ pathavīsaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ ākāsānañcāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ pathavīsaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ ākāsānañcāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ – (178-6.)  
      ākāsānañca    a 空無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     彼は『この想類は地想について空である』と了知し、『この想類は空無辺処想について空である』と了知し、『しかしこれのみは空性ならざるものとして存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    179-7.                
     viññāṇañcāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      viññāṇañcāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti. (179-5.)  
    訳文                
     識無辺処想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    179-8.                
     Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti. (176-21.)  
    訳文                
     かく、およそそこに存在しないもの、それを、それゆえに空と見なし、またおよそそこに残存しているもの、それを『これは存在している』と了知します。  
                       
                       
                       
    179-9.                
     Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati. (176-22.)  
    訳文                
     アーナンダよ、このように、彼にこの如実な、不顛倒の、清浄の空性の顕現が起こるのです。  
                       
                       
                       
    180-1.                
     180. ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā ākāsānañcāyatanasaññaṃ, amanasikaritvā viññāṇañcāyatanasaññaṃ, ākiñcaññāyatanasaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā ākāsānañcāyatanasaññaṃ, amanasikaritvā viññāṇañcāyatanasaññaṃ, ākiñcaññāyatanasaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ. (179-1.)  
      ākiñcañña    a 無所有  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     さらにまた、アーナンダよ、比丘は、空無辺処想を作意せず、識無辺処想を作意せず、無所有処想による単一性を作意します。  
                       
                       
                       
    180-2.                
     Tassa ākiñcaññāyatanasaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa ākiñcaññāyatanasaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati. (176-15.)  
      ākiñcañña    a 無所有  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     彼の心は無所有処想に跳入し、浄信し、確立し、志向します。  
                       
                       
                       
    180-3.                
     So evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So evaṃ pajānāti – (176-16.)  
    訳文                
     彼はこのように了知します。  
                       
                       
                       
    180-4.                
     ‘ye assu darathā ākāsānañcāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā viññāṇañcāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ye assu darathā ākāsānañcāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā viññāṇañcāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ – (179-4.)  
      viññāṇañca    a 識無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     『およそ空無辺処想による諸々の煩い、識無辺処想による諸々の煩い〔というもの〕があるが、それらはここには存在しない。しかしこの僅かな煩いは存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    180-5.                
     ākiñcaññāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ākiñcañña    a 無所有  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
      saññaṃ paṭicca ekatta’nti.  (176-18.)  
    訳文                
     無所有処想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    180-6.                
     So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ ākāsānañcāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ viññāṇañcāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ ākāsānañcāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ viññāṇañcāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ – (179-6.)  
      viññāṇañca    a 識無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     彼は『この想類は空無辺処想について空である』と了知し、『この想類は識無辺処想について空である』と了知し、『しかしこれのみは空性ならざるものとして存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    180-7.                
     ākiñcaññāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ākiñcaññāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti. (180-5.)  
    訳文                
     無所有処想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    180-8.                
     Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti. (176-21.)  
    訳文                
     かく、およそそこに存在しないもの、それを、それゆえに空と見なし、またおよそそこに残存しているもの、それを『これは存在している』と了知します。  
                       
                       
                       
    180-9.                
     Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati. (176-22.)  
    訳文                
     アーナンダよ、このように、彼にこの如実な、不顛倒の、清浄の空性の顕現が起こるのです。  
                       
                       
                       
    181-1.                
     181. ‘‘Puna caparaṃ, ānanda bhikkhu amanasikaritvā viññāṇañcāyatanasaññaṃ, amanasikaritvā ākiñcaññāyatanasaññaṃ, nevasaññānāsaññāyatanasaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, ānanda bhikkhu amanasikaritvā viññāṇañcāyatanasaññaṃ, amanasikaritvā ākiñcaññāyatanasaññaṃ, nevasaññānāsaññāyatanasaññaṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ. (180-1.)  
      na    不変 ない  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      saññā  saṃ-jñā ā 有(相)  
      na    不変 ない  
      asañña  a-saṃ-jñā a 非想  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     さらにまた、アーナンダよ、比丘は、識無辺処想を作意せず、無所有処想を作意せず、非想非非想処想による単一性を作意します。  
                       
                       
                       
    181-2.                
     Tassa nevasaññānāsaññāyatanasaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa nevasaññānāsaññāyatanasaññāya cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati. (176-15.)  
      na    不変 ない  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      saññā  saṃ-jñā ā 有(相)  
      na    不変 ない  
      asañña  a-saṃ-jñā a 非想  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     彼の心は非想非非想処想に跳入し、浄信し、確立し、志向します。  
                       
                       
                       
    181-3.                
     So evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So evaṃ pajānāti – (176-16.)  
    訳文                
     彼はこのように了知します。  
                       
                       
                       
    181-4.                
     ‘ye assu darathā viññāṇañcāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā ākiñcaññāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ye assu darathā viññāṇañcāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā ākiñcaññāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ – (180-4.)  
      ākiñcañña    a 無所有  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     『およそ識無辺処想による諸々の煩い、無所有処想による諸々の煩い〔というもの〕があるが、それらはここには存在しない。しかしこの僅かな煩いは存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    181-5.                
     nevasaññānāsaññāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      saññā  saṃ-jñā ā 有(相)  
      na    不変 ない  
      asañña  a-saṃ-jñā a 非想  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
      saññaṃ paṭicca ekatta’nti.  (176-18.)  
    訳文                
     非想非非想処想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    181-6.                
     So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ viññāṇañcāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ ākiñcaññāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ viññāṇañcāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ ākiñcaññāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ – (180-6.)  
      ākiñcañña    a 無所有  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     彼は『この想類は識無辺処想について空である』と了知し、『この想類は無所有処想について空である』と了知し、『しかしこれのみは空性ならざるものとして存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    181-7.                
     nevasaññānāsaññāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      nevasaññānāsaññāyatanasaññaṃ paṭicca ekatta’nti. (181-5.)  
    訳文                
     非想非非想処想による単一性が』と。  
                       
                       
                       
    181-8.                
     Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti yañhi kho tattha na hoti tena taṃ suññaṃ samanupassati, yaṃ pana tattha avasiṭṭhaṃ hoti taṃ ‘santamidaṃ atthī’ti pajānāti. (176-21.)  
    訳文                
     かく、およそそこに存在しないもの、それを、それゆえに空と見なし、またおよそそこに残存しているもの、それを『これは存在している』と了知します。  
                       
                       
                       
    181-9.                
     Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Evampissa esā, ānanda, yathābhuccā avipallatthā parisuddhā suññatāvakkanti bhavati. (176-22.)  
    訳文                
     アーナンダよ、このように、彼にこの如実な、不顛倒の、清浄の空性の顕現が起こるのです。  
                       
                       
                       
    182-1.                
     182. ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā ākiñcaññāyatanasaññaṃ, amanasikaritvā nevasaññānāsaññāyatanasaññaṃ, animittaṃ cetosamādhiṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, bhikkhu amanasikaritvā ākiñcaññāyatanasaññaṃ, amanasikaritvā nevasaññānāsaññāyatanasaññaṃ, animittaṃ cetosamādhiṃ paṭicca manasi karoti ekattaṃ. (181-1.)  
      animittaṃ    a 無相の  
      ceto  cit as 依(属)  
      samādhiṃ  saṃ-ā-dhā i 定、三昧  
    訳文                
     さらにまた、アーナンダよ、比丘は、無所有処想を作意せず、非想非非想処想を作意せず、無相の心定による単一性を作意します。  
                       
                       
                       
    182-2.                
     Tassa animitte cetosamādhimhi cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa animitte cetosamādhimhi cittaṃ pakkhandati pasīdati santiṭṭhati adhimuccati. (176-15.)  
      animitte    a 無相の  
      ceto  cit as 依(属)  
      samādhimhi  saṃ-ā-dhā i 定、三昧  
    訳文                
     彼の心は無相の心定に跳入し、浄信し、確立し、志向します。  
                       
                       
                       
    182-3.                
     So evaṃ pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So evaṃ pajānāti – (176-16.)  
    訳文                
     彼はこのように了知します。  
                       
                       
                       
    182-4.                
     ‘ye assu darathā ākiñcaññāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā nevasaññānāsaññāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ye assu darathā ākiñcaññāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, ye assu darathā nevasaññānāsaññāyatanasaññaṃ paṭicca tedha na santi, atthi cevāyaṃ darathamattā yadidaṃ – (181-4.)  
      na    不変 ない  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      saññā  saṃ-jñā ā 有(相)  
      na    不変 ない  
      asañña  a-saṃ-jñā a 非想  
      āyatana  ā-yam a 依(属) 処、入  
    訳文                
     『およそ無所有処想による諸々の煩い、非想非非想処想による諸々の煩い〔というもの〕があるが、それらはここには存在しない。しかしこの僅かな煩いは存在している。すなわち、  
                       
                       
                       
    182-5.                
     imameva kāyaṃ paṭicca saḷāyatanikaṃ jīvitapaccayā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      imam    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kāyaṃ    a 身体  
      paṭicca  prati-i 縁りて、〜のために  
      saḷāyatanikaṃ    a 六処の  
      jīvita  jīv 名過分 a 有〔持〕 生きた、生命、寿命  
      paccayā’  pra-i a 男→女 縁、資具  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     まさにこの六処ある身による、生命を縁とする〔煩いが〕』と。  
    メモ                
     ・jīvitapaccayāは前文のdarathamattāにかかるものと見た。  
                       
                       
                       
    182-6.                
     So ‘suññamidaṃ saññāgataṃ ākiñcaññāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘suññamidaṃ saññāgataṃ nevasaññānāsaññāyatanasaññāyā’ti pajānāti, ‘atthi cevidaṃ asuññataṃ yadidaṃ –   
      語根 品詞 語基