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     10. Cūḷasāropamasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Cūḷa    a 小さい  
      sāra    a 依(属) 堅材、心材、堅実、真髄  
      upama    ā 依(属) 譬喩  
      suttaṃ sīv a 経、糸  
    訳文                
     「小心髄喩経」(『中部』30  
                       
                       
                       
    312-1.                
     312. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ   不変 このように  
      me   代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた、所聞  
    訳文                
     このように私は聞いた。  
                       
                       
                       
    312-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā sāvatthiyaṃ viharati jetavane anāthapiṇḍikassa ārāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      samayaṃ    a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      sāvatthiyaṃ    ī 地名、サーヴァッティー、舎衛城  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      jetavane    a 地名、ジェータ林、祇樹、祇園  
      anāthapiṇḍikassa    a 人名、アナータピンディカ、給孤独  
      ārāme.    a  
    訳文                
     あるとき世尊は、サーヴァッティーの、ジェータ林はアナータピンディカ園に住しておられた。  
                       
                       
                       
    312-3.                
     Atha kho piṅgalakoccho brāhmaṇo yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      piṅgalakoccho    a 人名、ピンガラコッチャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときにピンガラコッチャ婆羅門が、世尊の元へ近づいた。  
                       
                       
                       
    312-4.                
     upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavatā    ant 世尊  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 喜ぶ、相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     近づいて、世尊と挨拶を交わした。  
                       
                       
                       
    312-5.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  smṛ 未分 a 憶念すべき、記憶すべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati- 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     喜ばしく記憶すべき言葉を交わしてから、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    312-6.                
     Ekamantaṃ nisinno kho piṅgalakoccho brāhmaṇo bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      piṅgalakoccho    a 人名、ピンガラコッチャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐ったピンガラコッチャ婆羅門は、世尊へこういった。  
                       
                       
                       
    312-7.                
     ‘‘yeme, bho gotama, samaṇabrāhmaṇā saṅghino gaṇino gaṇācariyā ñātā yasassino titthakarā sādhusammatā, bahujanassa, seyyathidaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ye    代的 (関係代名詞)  
      ime,    代的 これら  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      samaṇa  śram a 沙門  
      brāhmaṇā  bṛh a 婆羅門  
      saṅghino    in 僧伽を有する  
      gaṇino    in 会衆ある  
      gaṇa    a 依(属) 衆、会衆、組合、群、別衆  
      ācariyā  ā-car a 阿闍梨、師  
      ñātā  jñā 過分 a 知られた、有名な、理解した  
      yasassino    in 有名な、名声ある  
      tittha  tṛ a 依(属) 渡し場  
      karā  kṛ 名形 a 作る、行う、なす、手 →宗派の創立者、宗祖  
      sādhu  sādh u よき  
      sammatā,  saṃ-man 過分 a 考えられた、尊敬された、選ばれた、同意の  
      bahu    u 多くの  
      janassa,  jan a  
      seyyathidaṃ –    不変 それはこの如し、あたかも〜の如し  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、およそ僧団を率い、会衆を率いた、会衆の師であり、高名で誉れある宗祖であり、多くの人々によく尊敬された、これらの沙門婆羅門たち。たとえば、  
    メモ                
     ・以下「大般涅槃経」【スバッダ遍歴行者のこと】にパラレル。  
                       
                       
                       
    312-8.                
     pūraṇo kassapo, makkhali gosālo, ajito kesakambalo, pakudho kaccāyano, sañcayo [sañjayo (sī. syā. pī. ka.)] belaṭṭhaputto, nigaṇṭho nāṭaputto, sabbete sakāya paṭiññāya abbhaññaṃsu sabbeva nābbhaññaṃsu, udāhu ekacce abbhaññaṃsu ekacce nābbhaññaṃsū’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      pūraṇo  pṝ a 人名、プーラナ(富闌那)  
      kassapo,    a 人名、カッサパ(迦葉)  
      makkhali    i 人名、マッカリ(末伽梨)  
      gosālo,    a 人名、ゴーサーラ(拘賖梨子)  
      ajito  a-ji a 人名、アジタ(阿耆多)  
      kesakambalo,    a 人名、ケーサカンバラ(翅舎欽婆羅)  
      pakudho    a 人名、パクダ(迦羅鳩駄)  
      kaccāyano,    a 人名、カッチャーヤナ(迦旃延)  
      sañcayo    a 人名、サンジャヤ(刪闍邪)  
      belaṭṭhaputto,    a 人名、ベーラッティプッタ(毘羅胝子)  
      nigaṇṭho    a 人名、ニガンタ(尼乾陀)  
      nāṭaputto,    a 人名、ナータプッタ(若提子)  
      sabbe    名形 代的 中→男 すべて  
      te    代的 それら、彼ら  
      sakāya    a 自分の  
      paṭiññāya  prati-jñā ā 自称、自認  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abbhaññaṃsu  abhi-jñā 証知する、自証する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sabbe    名形 代的 中→男 すべて  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      na    不変 ない  
      abbhaññaṃsu,  同上  
      udāhu    不変 あるいは、または、然らざれば  
      ekacce    代的 とある  
      abbhaññaṃsu  同上  
      ekacce    代的 とある  
      na    不変 ない  
      abbhaññaṃsū’’  同上  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
      プーラナ・カッサパ、マッカリ・ゴーサーラ、アジタ・ケーサカンバラ、パクダ・カッチャーヤナ、サンジャヤ・ベーラッティ、プッタニガンタ・ナータプッ タ。彼らは皆、自ら称するごとく、覚ったのでしょうか。じつに皆、覚っていないのでしょうか。あるいは、一部は悟り、一部は覚っていないのでしょうか」 と。  
                       
                       
                       
    312-9.                
     ‘‘Alaṃ, brāhmaṇa, tiṭṭhatetaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Alaṃ,    不変 十分に、沢山だ  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      tiṭṭhatetaṃ –  sthā 立たせる、止める  
    訳文                
     「婆羅門よ、もうよい、やめなさい。  
                       
                       
                       
    312-10.                
     sabbete sakāya paṭiññāya abbhaññaṃsu sabbeva nābbhaññaṃsu, udāhu ekacce abbhaññaṃsu ekacce nābbhaññaṃsūti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      sabbete sakāya paṭiññāya abbhaññaṃsu sabbeva nābbhaññaṃsu, udāhu ekacce abbhaññaṃsu ekacce nābbhaññaṃsūti. (312-8.)   
    訳文                
     『彼らは皆、自ら称するごとく、覚ったのでしょうか。じつに皆、覚っていないのでしょうか。あるいは、一部は悟り、一部は覚っていないのでしょうか』というのを。  
                       
                       
                       
    312-11.                
     Dhammaṃ te, brāhmaṇa, desessāmi, taṃ suṇāhi, sādhukaṃ manasi karohi, bhāsissāmī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      te,    代的 あなた  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desessāmi,  diś 使 示す、教示する  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      suṇāhi,  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      sādhukaṃ    a 副対 よい、十分に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      manasi karohi,  man, kṛ 注意する、作意する  
      bhāsissāmī’’  bhāṣ 話す、語る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     婆羅門よ、私はあなたのため、法を教示しようと思います。あなたはそれを聞き、よく作意して下さい。私は語ることにします」  
                       
                       
                       
    312-12.                
     ‘‘Evaṃ, bho’’ti kho piṅgalakoccho brāhmaṇo bhagavato paccassosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bho’’  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      piṅgalakoccho    a 人名、ピンガラコッチャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      bhagavato    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccassosi.  prati-śru 同意する、応諾する、答える  
    訳文                
     「尊者よ、そのように」と、スバッダ遍歴行者は世尊へ応えた。  
                       
                       
                       
    312-13.                
     Bhagavā etadavoca –  
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhagavā    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca – vac いう  
    訳文                
     世尊はこう仰った。  
                       
                       
                       
    313-1.                
     313. ‘‘Seyyathāpi, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ atikkamma papaṭikaṃ, sākhāpalāsaṃ chetvā ādāya pakkameyya ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      puriso    a 人、男  
      sāra    a 依(対) 堅実、真髄、心材  
      atthiko    a 希求する  
      sāra    a 依(対) 堅実、真髄、心材  
      gavesī  gava-ā-iṣ in 求める、追求する  
      sāra    a 依(属) 堅実、真髄、心材  
      pariyesanaṃ  pari-iṣ a 遍求  
      caramāno  car 現分 a 行く、行ずる  
      mahato    ant 大きい  
      rukkhassa    a 樹木  
      tiṭṭhato  sthā 現分 ant 立つ  
      sāravato    ant 心材ある  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atikkamma  ati-kram 行き過ぎる  
      語根 品詞 語基 意味  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      sāraṃ    a 堅実、真髄、心材  
      atikkamma  同上  
      phegguṃ    u 辺材、膚材、樹膚、繊皮  
      atikkamma  同上  
      tacaṃ    a 深皮、皮膚、皮材  
      atikkamma  同上  
      papaṭikaṃ,    ā 外皮、皮苔  
      sākhā    ā  
      palāsaṃ    a 男中 樹葉  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      chetvā  chid 切る  
      ādāya  ā-dā 取る  
      pakkameyya  pra-kram 出発する、進む  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘sāra’n    a 堅実、真髄、心材  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      maññamāno.  man 現分 a 考える  
    訳文                
     例えば婆羅門よ、心髄を希求し、心髄を求める男が、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を行き過ぎ、深皮を行き過ぎ、外皮を行き過ぎ、枝葉を切り取って『心髄だ』と考えて出発したとしましょう。  
    メモ                
     ・以下、前経にパラレル。  
                       
                       
                       
    313-2.                
     Tamenaṃ cakkhumā puriso disvā evaṃ vadeyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ    不変 直ちに、やがて  
      cakkhumā    ant 眼ある  
      puriso    a 人、男  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      disvā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadeyya –  vad いう  
    訳文                
     すると、眼ある人が見て、このようにいうでしょう。  
                       
                       
                       
    313-3.                
     ‘na vatāyaṃ bhavaṃ puriso aññāsi sāraṃ, na aññāsi phegguṃ, na aññāsi tacaṃ, na aññāsi papaṭikaṃ, na aññāsi sākhāpalāsaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘na    不変 ない  
      vata    不変 じつに  
      ayaṃ    代的 これ  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      puriso    a 人、男  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      aññāsi  ā-jñā 了知する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sāraṃ,    a 堅実、真髄、心材  
      na    不変 ない  
      aññāsi  同上  
      phegguṃ,    u 辺材、膚材、樹膚、繊皮  
      na    不変 ない  
      aññāsi  同上  
      tacaṃ,    a 深皮、皮膚、皮材  
      na    不変 ない  
      aññāsi  同上  
      papaṭikaṃ,    ā 外皮、皮苔  
      na    不変 ない  
      aññāsi  同上  
      sākhā    ā  
      palāsaṃ.    a 男中 樹葉  
    訳文                
     『じつにこの尊き方は、心髄を知らず、辺材を知らず、深皮を知らず、外皮を知らず、枝葉を知らない。  
                       
                       
                       
    313-4.                
     Tathā hayaṃ bhavaṃ puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ atikkamma papaṭikaṃ, sākhāpalāsaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tathā    不変 かく、その如く  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      ayaṃ    代的 これ  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      puriso    a 人、男  
      puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ atikkamma papaṭikaṃ, sākhāpalāsaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno. (313-1.)  
      pakkanto  pra-kram 過分 a 出発する、進む  
    訳文                
     このように、心髄を希求し、心髄を求めるこの尊き男は、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を行き過ぎ、深皮を行き過ぎ、外皮を行き過ぎ、枝葉を切り取って心髄だと考えて出発しているのだから。  
                       
                       
                       
    313-5.                
     Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ nānubhavissatī’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yañ    代的 (関係代名詞)  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      assa    代的 これ  
      sārena    a 堅実、真髄、心材  
      sāra    a 依(具) 堅実、真髄、心材  
      karaṇīyaṃ  kṛ 名未分 a なされるべき  
      tañ    代的 男中 (関係代名詞)  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      assa    代的 これ  
      atthaṃ    a 男中 義、利益  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anubhavissatī’  abu-bhū 経験する、領受する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     およそ心材による、彼のその心材の成果。彼は、彼のその利益を領受できないであろう』と。  
                       
                       
                       
    314-1.                
     314. ‘‘Seyyathāpi vā pana, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ, papaṭikaṃ chetvā ādāya pakkameyya ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathāpi vā pana, brāhmaṇa, bhikkhave, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ, papaṭikaṃ chetvā ādāya pakkameyya ‘sāra’nti maññamāno. (313-1.)  
          不変 あるいは  
      pana,    不変 また  
    訳文                
     例えば比丘たちよ、あるいはまた、心髄を希求し、心髄を求める男が、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を行き過ぎ、深皮を行き過ぎ、外皮を切り取って『心髄だ』と考えて出発したとしましょう。  
                       
                       
                       
    314-2.                
     Tamenaṃ cakkhumā puriso disvā evaṃ vadeyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ cakkhumā puriso disvā evaṃ vadeyya – (313-2.)  
    訳文                
     すると、眼ある人が見て、このようにいうでしょう。  
                       
                       
                       
    314-3.                
     ‘na vatāyaṃ bhavaṃ puriso aññāsi sāraṃ, na aññāsi phegguṃ, na aññāsi tacaṃ, na aññāsi papaṭikaṃ, na aññāsi sākhāpalāsaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘na vatāyaṃ bhavaṃ puriso aññāsi sāraṃ, na aññāsi phegguṃ, na aññāsi tacaṃ, na aññāsi papaṭikaṃ, na aññāsi sākhāpalāsaṃ. (313-3.)  
    訳文                
     『じつにこの尊き方は、心髄を知らず、辺材を知らず、深皮を知らず、外皮を知らず、枝葉を知らない。  
                       
                       
                       
    314-4.                
     Tathā hayaṃ bhavaṃ puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ papaṭikaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tathā hayaṃ bhavaṃ puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ papaṭikaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno. (313-4.)  
    訳文                
     このように、心髄を希求し、心髄を求めるこの尊き男は、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を行き過ぎ、深皮を行き過ぎ、外皮を切り取って心髄だと考えて出発しているのだから。  
                       
                       
                       
    314-5.                
     Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ nānubhavissatī’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ nānubhavissatī’ti. (313-5.)  
    訳文                
     およそ心材による、彼のその心材の成果。彼は、彼のその利益を領受できないであろう』と。  
                       
                       
                       
    315-1.                
     315. ‘‘Seyyathāpi vā pana, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ, tacaṃ chetvā ādāya pakkameyya ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathāpi vā pana, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ, tacaṃ chetvā ādāya pakkameyya ‘sāra’nti maññamāno. (313-1.)  
    訳文                
     例えば比丘たちよ、あるいはまた、心髄を希求し、心髄を求める男が、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を行き過ぎ、深皮を切り取って『心髄だ』と考えて出発したとしましょう。  
                       
                       
                       
    315-2.                
     Tamenaṃ cakkhumā puriso disvā evaṃ vadeyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ cakkhumā puriso disvā evaṃ vadeyya – (313-2.)  
    訳文                
     すると、眼ある人が見て、このようにいうでしょう。  
                       
                       
                       
    315-3.                
     ‘na vatāyaṃ bhavaṃ puriso aññāsi sāraṃ, na aññāsi phegguṃ, na aññāsi tacaṃ, na aññāsi papaṭikaṃ, na aññāsi sākhāpalāsaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘na vatāyaṃ bhavaṃ puriso aññāsi sāraṃ, na aññāsi phegguṃ, na aññāsi tacaṃ, na aññāsi papaṭikaṃ, na aññāsi sākhāpalāsaṃ. (313-3.)  
    訳文                
     『じつにこの尊き方は、心髄を知らず、辺材を知らず、深皮を知らず、外皮を知らず、枝葉を知らない。  
                       
                       
                       
    315-4.                
     Tathā hayaṃ bhavaṃ puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ, tacaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tathā hayaṃ bhavaṃ puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ, tacaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno. (313-4.)  
    訳文                
     このように、心髄を希求し、心髄を求めるこの尊き男は、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を行き過ぎ、深皮を切り取って心髄だと考えて出発しているのだから。  
                       
                       
                       
    315-5.                
     Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ nānubhavissatī’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ nānubhavissatī’ti. (313-5.)  
    訳文                
     およそ心材による、彼のその心材の成果。彼は、彼のその利益を領受できないであろう』と。  
                       
                       
                       
    316-1.                
     316. ‘‘Seyyathāpi vā pana, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ, phegguṃ chetvā ādāya pakkameyya ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathāpi vā pana, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ, phegguṃ chetvā ādāya pakkameyya ‘sāra’nti maññamāno. (313-1.)  
    訳文                
     例えば比丘たちよ、あるいはまた、心髄を希求し、心髄を求める男が、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を切り取って『心髄だ』と考えて出発したとしましょう。  
                       
                       
                       
    316-2.                
     Tamenaṃ cakkhumā puriso disvā evaṃ vadeyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ cakkhumā puriso disvā evaṃ vadeyya – (313-2.)  
    訳文                
     すると、眼ある人が見て、このようにいうでしょう。  
                       
                       
                       
    316-3.                
     ‘na vatāyaṃ bhavaṃ puriso aññāsi sāraṃ, na aññāsi phegguṃ, na aññāsi tacaṃ, na aññāsi papaṭikaṃ, na aññāsi sākhāpalāsaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘na vatāyaṃ bhavaṃ puriso aññāsi sāraṃ, na aññāsi phegguṃ, na aññāsi tacaṃ, na aññāsi papaṭikaṃ, na aññāsi sākhāpalāsaṃ. (313-3.)  
    訳文                
     『じつにこの尊き方は、心髄を知らず、辺材を知らず、深皮を知らず、外皮を知らず、枝葉を知らない。  
                       
                       
                       
    316-4.                
     Tathā hayaṃ bhavaṃ puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ, phegguṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tathā hayaṃ bhavaṃ puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ, phegguṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno. (313-4.)  
    訳文                
     このように、心髄を希求し、心髄を求めるこの尊き男は、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を切り取って心髄だと考えて出発しているのだから。  
                       
                       
                       
    316-5.                
     Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ nānubhavissatī’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ nānubhavissatī’ti. (313-5.)  
    訳文                
     およそ心材による、彼のその心材の成果。彼は、彼のその利益を領受できないであろう』と。  
                       
                       
                       
    317-1.                
     317. ‘‘Seyyathāpi vā pana, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato sāraññeva chetvā ādāya pakkameyya ‘sāra’nti jānamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathāpi vā pana, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato sāraññeva chetvā ādāya pakkameyya ‘sāra’nti (313-1.)  
      jānamāno.  jñā 現分 a 知る  
    訳文                
     例えば比丘たちよ、あるいはまた、心髄を希求し、心髄を求める男が、心髄を遍求して行き、心髄を有して立つ大樹の、まさに心髄を切り取って『心髄だ』と知って出発したとしましょう。  
                       
                       
                       
    317-2.                
     Tamenaṃ cakkhumā puriso disvā evaṃ vadeyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ cakkhumā puriso disvā evaṃ vadeyya – (313-2.)  
    訳文                
     すると、眼ある人が見て、このようにいうでしょう。  
                       
                       
                       
    317-3.                
     ‘aññāsi vatāyaṃ bhavaṃ puriso sāraṃ, aññāsi phegguṃ, aññāsi tacaṃ, aññāsi papaṭikaṃ, aññāsi sākhāpalāsaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘aññāsi vatāyaṃ bhavaṃ puriso sāraṃ, aññāsi phegguṃ, aññāsi tacaṃ, aññāsi papaṭikaṃ, aññāsi sākhāpalāsaṃ. (313-3.)  
    訳文                
     『じつにこの尊き方は、心髄を知り、辺材を知り、深皮を知り、外皮を知り、枝葉を知っている。  
                       
                       
                       
    317-4.                
     Tathā hayaṃ bhavaṃ puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato sāraññeva chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti jānamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tathā hayaṃ bhavaṃ puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato sāraññeva chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti (313-4.)  
      jānamāno.  jñā 現分 a 知る  
    訳文                
     このように、心髄を希求し、心髄を求めるこの尊き男は、心髄を遍求して行き、心髄を有して立つ大樹の、まさに心髄をを切り取って心髄だと知って出発しているのだから。  
                       
                       
                       
    317-5.                
     Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ anubhavissatī’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ anubhavissatī’ti. (313-5.)  
    訳文                
     およそ心材による、彼のその心材の成果。彼は、彼のその利益を領受するであろう』と。  
                       
                       
                       
    318-1.                
     318. ‘‘Evameva kho, brāhmaṇa, idhekacco puggalo saddhā agārasmā anagāriyaṃ pabbajito hoti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evam    不変 このように、かくの如き  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      idha,    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      ekacco    代的 一類の  
      puggalo    a 人、個人  
      saddhā  śrad-dhā 名形 a 信ある  
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家  
      anagāriyaṃ    a 非家の  
      pabbajito  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti –  bhū ある、存在する  
    訳文                
     婆羅門よ、じつにそのように、ここに一部の人が、信により家から出家する〔とします〕。  
                       
                       
                       
    318-2.                
     ‘otiṇṇomhi jātiyā jarāya maraṇena sokehi paridevehi dukkhehi domanassehi upāyāsehi, dukkhotiṇṇo dukkhapareto, appeva nāma imassa kevalassa dukkhakkhandhassa antakiriyā paññāyethā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘otiṇṇo  ava-tṛ 過分 a 入った、下った、陥った、悩まされた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      amhi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      jātiyā  jan i 生、生まれ  
      jarāya  jṝ ā  
      maraṇena  mṛ a  
      sokehi  śuc a 愁、憂、うれい  
      paridevehi  pari-div a 悲、悲泣  
      dukkhehi    名形 a  
      domanassehi    a 憂、憂悩  
      upāyāsehi,    a 悩、悶  
      dukkha    名形 a 依(具)  
      otiṇṇo  ava-tṛ 過分 a 入った、下った、陥った、悩まされた  
      dukkha    名形 a 依(具)  
      pareto,  parā-i 過分 a 打ち勝たれた、負けた  
      appeva    不変 おそらく  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      imassa    代的 これ  
      kevalassa    a 独一の、全部の  
      dukkha    名形 a 依(属)  
      khandhassa    a 蘊、肩、集まり  
      antakiriyā  anta-kṛ ā 終滅  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paññāyethā’  pra-jñā 受 知られる、認められる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『私は生、老、死、愁悲苦憂悩に悩まされている。私は苦に悩まされ、打ち負かされている。おそらく、これら全ての苦蘊の終滅が〔私によって〕知られるべきであろう』と。  
                       
                       
                       
    318-3.                
     So evaṃ pabbajito samāno lābhasakkārasilokaṃ abhinibbatteti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      pabbajito  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      samāno  as 現分 a ある、なる  
      lābha  labh a 利得、利養  
      sakkāra  sat-kṛ a 恭敬、尊敬  
      silokaṃ    a 名声、偈頌  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhinibbatteti.  abhi-nir-vṛt 使 生起させる、再生させる  
    訳文                
     彼はそのように出家者となり、利得と恭敬と名声をおこさせます。  
                       
                       
                       
    318-4.                
     So tena lābhasakkārasilokena attamano hoti paripuṇṇasaṅkappo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      lābha  labh a 利得、利養  
      sakkāra  sat-kṛ a 恭敬、尊敬  
      silokena    a 名声、偈頌  
      attamano    a 適意の、悦意の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      paripuṇṇa  pari-pṝ 過分 a 有(持) 完全となる、完成する、円満した  
      saṅkappo.  saṃ-kḷp a 思念、思惟  
    訳文                
     かれはその利得と恭敬と名声によって、悦意し、満足した思いのものとなります。  
                       
                       
                       
    318-5.                
     So tena lābhasakkārasilokena attānukkaṃseti, paraṃ vambheti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tena lābhasakkārasilokena (318-4.)  
      attānaṃ    an 自分、我  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ukkaṃseti,  ud-kṛṣ 賞揚する  
      語根 品詞 語基 意味  
      paraṃ    代的 他の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vambheti –    軽蔑する、謗る  
    訳文                
     彼はその利得と恭敬と名声によって、自分を誉め、他人を貶します。  
                       
                       
                       
    318-6.                
     ‘ahamasmi lābhasakkārasilokavā, ime panaññe bhikkhū appaññātā appesakkhā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘aham    代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      asmi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      lābha  labh a 利得、利養  
      sakkāra  sat-kṛ a 恭敬、尊敬  
      silokavā,    ant 名声ある、有名な  
      ime    代的 これら  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      aññe    代的 他の  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      appa    名形 a 少ない  
      ñātā  jñā 過分 a 知られた  
      appesakkhā’    a 微力の、無能な  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『わたしは利得と恭敬と名声ある者だ。しかるにこれらの他の比丘たちは、無名で無力だ』と。  
                       
                       
                       
    318-7.                
     Lābhasakkārasilokena ca ye aññe dhammā uttaritarā ca paṇītatarā ca tesaṃ dhammānaṃ sacchikiriyāya na chandaṃ janeti, na vāyamati, olīnavuttiko ca hoti sāthaliko.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Lābha  labh a 利得、利養  
      sakkāra  sat-kṛ a 恭敬、尊敬  
      silokena    a 名声、偈頌  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      ye    代的 (関係代名詞)  
      aññe    代的 他の、異なる  
      dhammā  dhṛ a 男中  
      uttaritarā    a よりすぐれた  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      paṇītatarā  pra-nī a より勝妙の  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      tesaṃ    代的 男中 それら、彼ら  
      dhammānaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sacchikiriyāya  kṛ ā 作証、現証  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      chandaṃ    a 欲、意欲、志欲  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      janeti,  jan 使 生む、生ずる  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vāyamati,  vi-ā-yam 努力する、励む  
      語根 品詞 語基 意味  
      olīna  ava-li 過分 a 執着ある、染着した  
      vuttiko    a 行為する、生活する  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sāthaliko.    a 怠慢の、放漫の  
    訳文                
     およそ利得と恭敬と名声よりすぐれ、より勝妙なる諸法、それら諸法の作証のため、意欲を生まず、励まず、執着の行為ある、怠慢の者となります。  
                       
                       
                       
    318-8.                
     Seyyathāpi so, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ atikkamma papaṭikaṃ, sākhāpalāsaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathāpi so, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ atikkamma papaṭikaṃ, sākhāpalāsaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno. (313-1.)  
      so,    代的 それ  
    訳文                
     あたかも婆羅門よ、心髄を希求し、心髄を求めるその男が、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を行き過ぎ、深皮を行き過ぎ、外皮を行き過ぎ、枝葉を切り取って『心髄だ』と考えて出発するごとくです。  
                       
                       
                       
    318-9.                
     Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ nānubhavissati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ tañcassa atthaṃ nānubhavissati. (313-5.)  
    訳文                
     およそ心材による、彼のその心材の成果。彼は、彼のその利益を領受できないでしょう。  
                       
                       
                       
    318-10.                
     Tathūpamāhaṃ, brāhmaṇa, imaṃ puggalaṃ vadāmi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tathā    不変 かく、その如く  
      upamaṃ    ā 譬喩  
      ahaṃ,    代的  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      imaṃ    代的 これ  
      puggalaṃ    a 人、個人  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadāmi. vad 言う  
    訳文                
     婆羅門よ、かくのごとき譬喩を、私はその人に対して述べます。  
                       
                       
                       
    319-1.                
     319. ‘‘Idha pana, brāhmaṇa, ekacco puggalo saddhā agārasmā anagāriyaṃ pabbajito hoti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha pana, brāhmaṇa, ekacco puggalo saddhā agārasmā anagāriyaṃ pabbajito hoti – (318-1.)  
      pana,   不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
    訳文                
     婆羅門よ、またここに一部の人が、信により家から出家する〔とします〕。  
                       
                       
                       
    319-2.                
     ‘otiṇṇomhi jātiyā jarāya maraṇena sokehi paridevehi dukkhehi domanassehi upāyāsehi, dukkhotiṇṇo dukkhapareto, appeva nāma imassa kevalassa dukkhakkhandhassa antakiriyā paññāyethā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘otiṇṇomhi jātiyā jarāya maraṇena sokehi paridevehi dukkhehi domanassehi upāyāsehi, dukkhotiṇṇo dukkhapareto, appeva nāma imassa kevalassa dukkhakkhandhassa antakiriyā paññāyethā’ti. (318-2.)  
    訳文                
     『私は生、老、死、愁悲苦憂悩に悩まされている。私は苦に悩まされ、打ち負かされている。おそらく、これら全ての苦蘊の終滅が〔私によって〕知られるべきであろう』と。  
                       
                       
                       
    319-3.                
     So evaṃ pabbajito samāno lābhasakkārasilokaṃ abhinibbatteti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So evaṃ pabbajito samāno lābhasakkārasilokaṃ abhinibbatteti. (318-3.)  
    訳文                
     彼はそのように出家者となり、利得と恭敬と名声をおこさせます。  
                       
                       
                       
    319-4.                
     So tena lābhasakkārasilokena na attamano hoti na paripuṇṇasaṅkappo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tena lābhasakkārasilokena na attamano hoti na paripuṇṇasaṅkappo. (318-4.)  
      na    不変 ない  
    訳文                
     かれはその利得と恭敬と名声によって、悦意せず、満足した思いのものとなりません。  
                       
                       
                       
    319-5.                
     So tena lābhasakkārasilokena na attānukkaṃseti, na paraṃ vambheti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tena lābhasakkārasilokena na attānukkaṃseti, na paraṃ vambheti. (318-4.)  
    訳文                
     彼はその利得と恭敬と名声によって、自分を誉めず、他人を貶しません。  
                       
                       
                       
    319-6.                
     Lābhasakkārasilokena ca ye aññe dhammā uttaritarā ca paṇītatarā ca tesaṃ dhammānaṃ sacchikiriyāya chandaṃ janeti, vāyamati, anolīnavuttiko ca hoti asāthaliko.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Lābhasakkārasilokena ca ye aññe dhammā uttaritarā ca paṇītatarā ca tesaṃ dhammānaṃ sacchikiriyāya chandaṃ janeti, vāyamati, anolīnavuttiko ca hoti asāthaliko. (318-7.)  
      an   不変 (否定の接頭辞)  
      a   不変 (否定の接頭辞)  
    訳文                
     およそ利得と恭敬と名声よりすぐれ、より勝妙なる諸法、それら諸法の作証のため、意欲を生み、励み、執着の行為なき、怠慢ならぬ者となります。  
                       
                       
                       
    319-7.                
     So sīlasampadaṃ ārādheti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ  
      sīla    a 依(属)  
      sampadaṃ  saṃ-pad ā 具足、成就  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārādheti.  ā-rādh 使 喜ばす、成功する、到達する  
    訳文                
     かれは、戒の成就に至ります。  
                       
                       
                       
    319-8.                
     So tāya sīlasampadāya attamano hoti, paripuṇṇasaṅkappo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tāya sīlasampadāya attamano hoti, paripuṇṇasaṅkappo. (318-4.)  
      tāya    代的 それ  
      sīla    a 依(属)  
      sampadāya  saṃ-pad ā 具足、成就  
    訳文                
     かれはその戒の具足によって、悦意し、満足した思いのものとなります。  
                       
                       
                       
    319-9.                
     So tāya sīlasampadāya attānukkaṃseti, paraṃ vambheti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tāya sīlasampadāya attānukkaṃseti, paraṃ vambheti – (318-5.)  
      tāya    代的 それ  
      sīla    a 依(属)  
      sampadāya  saṃ-pad ā 具足、成就  
    訳文                
     彼はその戒の具足によって、自分を誉め、他人を貶します。  
                       
                       
                       
    319-10.                
     ‘ahamasmi sīlavā kalyāṇadhammo, ime panaññe bhikkhū dussīlā pāpadhammā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ahamasmi sīlavā kalyāṇadhammo, ime panaññe bhikkhū dussīlā pāpadhammā’ti. (318-6.)  
      sīlavā    ant 戒ある  
      kalyāṇa    a 有(持) 善い、善巧の  
      dhammo,  dhṛ a  
      dussīlā    a 悪戒、破戒、劣戒  
      pāpa    名形 a 有(持) 悪しき  
      dhammā’  dhṛ a  
    訳文                
     『わたしは戒ある、善法の者だ。しかるにこれらの他の比丘たちは、劣戒の、悪法の者たちだ』と。  
                       
                       
                       
    319-11.                
     Sīlasampadāya ca ye aññe dhammā uttaritarā ca paṇītatarā ca tesaṃ dhammānaṃ sacchikiriyāya na chandaṃ janeti, na vāyamati, olīnavuttiko ca hoti sāthaliko.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sīla    a 依(属)  
      sampadāya  saṃ-pad ā 具足、成就  
      ca ye aññe dhammā uttaritarā ca paṇītatarā ca tesaṃ dhammānaṃ sacchikiriyāya na chandaṃ janeti, na vāyamati, olīnavuttiko ca hoti sāthaliko. (318-7.)  
    訳文                
     およそ戒の具足よりすぐれ、より勝妙なる諸法、それら諸法の作証のため、意欲を生まず、励まず、執着の行為ある、怠慢の者となります。  
                       
                       
                       
    319-12.                
     Seyyathāpi so, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ, papaṭikaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathāpi so, brāhmaṇa, puriso sāratthiko sāragavesī sārapariyesanaṃ caramāno mahato rukkhassa tiṭṭhato sāravato atikkammeva sāraṃ atikkamma phegguṃ atikkamma tacaṃ, papaṭikaṃ chetvā ādāya pakkanto ‘sāra’nti maññamāno. (318-8.)  
    訳文                
     あたかも婆羅門よ、心髄を希求し、心髄を求めるその男が、心髄を遍求して行きながら、心髄を有して立つ大樹の心髄を行き過ぎ、辺材を行き過ぎ、深皮を行き過ぎ、外皮を切り取って『心髄だ』と考えて出発するごとくです。  
                       
                       
                       
    319-13.                
     Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ, tañcassa atthaṃ nānubhavissati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yañcassa sārena sārakaraṇīyaṃ, tañcassa atthaṃ nānubhavissati. (318-9.)  
    訳文                
     およそ心材による、彼のその心材の成果。彼は、彼のその利益を領受できないでしょう。  
                       
                       
                       
    319-14.                
     Tathūpamāhaṃ, brāhmaṇa, imaṃ puggalaṃ vadāmi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tathūpamāhaṃ, brāhmaṇa, imaṃ puggalaṃ vadāmi. (318-10.)  
    訳文                
     婆羅門よ、かくのごとき譬喩を、私はその人に対して述べます。  
                       
                       
                       
    320-1.                
     320. ‘‘Idha pana, brāhmaṇa, ekacco puggalo saddhā agārasmā anagāriyaṃ pabbajito hoti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha pana, brāhmaṇa, ekacco puggalo saddhā agārasmā anagāriyaṃ pabbajito hoti – (319-1.)  
    訳文                
     婆羅門よ、またここに一部の人が、信により家から出家する〔とします〕。  
                       
                       
                       
    320-2.                
     ‘otiṇṇomhi jātiyā jarāya maraṇena sokehi paridevehi dukkhehi domanassehi upāyāsehi, dukkhotiṇṇo dukkhapareto, appeva nāma imassa kevalassa dukkhakkhandhassa antakiriyā paññāyethā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘otiṇṇomhi jātiyā jarāya maraṇena sokehi paridevehi dukkhehi domanassehi upāyāsehi, dukkhotiṇṇo dukkhapareto, appeva nāma imassa kevalassa dukkhakkhandhassa antakiriyā paññāyethā’ti. (318-2.)  
    訳文                
     『私は生、老、死、愁悲苦憂悩に悩まされている。私は苦に悩まされ、打ち負かされている。おそらく、これら全ての苦蘊の終滅が〔私によって〕知られるべきであろう』と。  
                       
                       
                       
    320-3.                
     So evaṃ pabbajito samāno lābhasakkārasilokaṃ abhinibbatteti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So evaṃ pabbajito samāno lābhasakkārasilokaṃ abhinibbatteti. (318-3.)  
    訳文                
     彼はそのように出家者となり、利得と恭敬と名声をおこさせます。  
                       
                       
                       
    320-4.                
     So tena lābhasakkārasilokena na attamano hoti, na paripuṇṇasaṅkappo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tena lābhasakkārasilokena na attamano hoti, na paripuṇṇasaṅkappo. (319-4.)  
    訳文