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     8. Madhupiṇḍikasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Madhu    u 依(属) 蜜、蜂蜜  
      piṇḍika    a 依(属) 丸い、球の  
      suttaṃ sīv a 経、糸  
    訳文                
     「蜜玉経」(『中部』18  
                       
                       
                       
    199-1.                
     199. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ   不変 このように  
      me   代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた、所聞  
    訳文                
     このように私は聞いた。  
                       
                       
                       
    199-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā sakkesu viharati kapilavatthusmiṃ nigrodhārāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      samayaṃ    a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      sakkesu    a 釈迦族  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kapilavatthusmiṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      nigrodha    a 依(属) 樹名、ニグローダ、溶樹  
      ārāme.    a  
    訳文                
     あるとき世尊は、釈迦国の、カピラヴァットゥのニグローダ園に住しておられた。  
                       
                       
                       
    199-3.                
     Atha kho bhagavā pubbaṇhasamayaṃ nivāsetvā pattacīvaramādāya kapilavatthuṃ piṇḍāya pāvisi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      pubba    代的 依(属) 過去の  
      aṇha   a 依(属) 日 →午前  
      samayaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nivāsetvā  ni-vas 使 着衣する、内衣を着る  
      語根 品詞 語基 意味  
      patta    a 男中  
      cīvaram    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ādāya  ā-dā 取って  
      語根 品詞 語基 意味  
      kapilavatthuṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      piṇḍāya    a 副与 団食、(与格で「托鉢のため」)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāvisi.  pra-viś 入る  
    訳文                
     ときに世尊は、午前中に、内衣をつけ、鉢と衣を取って、托鉢のためカピラヴァットゥへ入られた。  
                       
                       
                       
    199-4.                
     Kapilavatthusmiṃ piṇḍāya caritvā pacchābhattaṃ piṇḍapātapaṭikkanto yena mahāvanaṃ tenupasaṅkami divāvihārāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kapilavatthusmiṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      piṇḍāya    a 副与 団食、(与格で「托鉢のため」)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      caritvā  car ゆく  
      語根 品詞 語基 意味  
      pacchā    不変 後に、背後に、西方に  
      bhattaṃ  bhaj 名形 a 副対 食事 →食後に  
      piṇḍapāta    a 依(奪) 団食  
      paṭikkanto  prati-kram 過分 a 戻った、退いた、減退した  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      mahā    ant 大きい  
      vanaṃ    a 林、森  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami  upa-saṃ-kram 近づいた  
      語根 品詞 語基 意味  
      divā    不変 日中に  
      vihārāya.  vi-hṛ a 住、住処  
    訳文                
     托鉢のためカピラヴァットゥへゆき、食後、施食より退いてから、日中を過ごすため、大林へ近づかれた。  
                       
                       
                       
    199-5.                
     Mahāvanaṃ ajjhogāhetvā beluvalaṭṭhikāya mūle divāvihāraṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahā    ant 大きい  
      vanaṃ    a 林、森  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhogāhetvā  adgi-ava-gāh? 潜入する、入る  
      語根 品詞 語基 意味  
      beluva    a 有(属) 植物名、ベールヴァ、木瓜、橡  
      laṭṭhikāya    ā 杖、棒、新芽、枝  
      mūle    a  
      divā    不変 日中に  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 副対 住、住処  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     大林へ入られて、新芽あるベールヴァ樹の根元に、日中を過ごすべく坐られた。  
                       
                       
                       
    199-6.                
     Daṇḍapāṇipi kho sakko jaṅghāvihāraṃ [jaṅghavihāraṃ (ka.)] anucaṅkamamāno anuvicaramāno yena mahāvanaṃ tenupasaṅkami.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Daṇḍapāṇi    in 人名、ダンダパーニン  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sakko    a 釈迦族  
      jaṅghā    ā 依(属) すね  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 副対 住、住居、精舎、僧房 →脚住、歩行の状態  
      anucaṅkamamāno  anu-kram 強 現分 a 遊歩、随歩、経行  
      anuvicaramāno  anu-vi-car 現分 a 従い歩く、徘徊する、探し求める  
      yena mahāvanaṃ tenupasaṅkami. (199-4.)  
    訳文                
     釈迦族のダンダパーニンもまた、徒歩で遊歩し散策し、大林へ近づいていた。  
    メモ                
     ・Daṇḍapāṇiはニカーヤ中に主格か対格でしか出ず、語基が確認できない。ここでは一番妥当と思われるin語基男性名詞と見なした(PPNではDaṇḍapāṇī と標記されているが、PPNではUdāinなどin語基の名詞も主格でと表記されているようであるから、この解釈を妨げない)。『註』は彼について、王族であり、デーヴァダッタの徒党であるとしている。PPNは釈尊の実母マーヤーおよび継母マハーパジャーパティーの兄弟であるとする。  
     ・「脚をほぐす」云々は「三明経」にパラレル。  
                       
                       
                       
    199-7.                
     Mahāvanaṃ ajjhogāhetvā yena beluvalaṭṭhikā yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahā    ant 大きい  
      vanaṃ    a 林、森  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhogāhetvā  adgi-ava-gāh? 潜入する、入る  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      beluva    a 有(属) 植物名、ベールヴァ、木瓜、橡  
      laṭṭhikā    ā 杖、棒、新芽、枝  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     大林へ入って、新芽あるベールヴァ樹の、世尊のもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    199-8.                
     upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavatā    ant 世尊  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 喜ぶ、相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     ちかづいて、世尊と挨拶を交わした。  
                       
                       
                       
    199-9.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā daṇḍamolubbha ekamantaṃ aṭṭhāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  smṛ 未分 a 憶念すべき、記憶すべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati- 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      daṇḍam    a 杖、鞭  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      olubbha  ava-lamb よりかかって  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      aṭṭhāsi.  sthā 立つ  
    訳文                
     喜ばしく記憶すべき言葉を交わしてから、杖へよりかかって一方へ立った。  
    メモ                
     ・『註』によればダンダパーニンは金の杖を持ち歩いていたという。「アーターナーティヤ経」の註釈では、ダンダマーナヴァカなる神鳥が金の杖をもつとされているが、関連があるかどうか。  
                       
                       
                       
    199-10.                
     Ekamantaṃ ṭhito kho daṇḍapāṇi sakko bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      ṭhito  sthā 過分 a 立った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      daṇḍapāṇi    in 人名、ダンダパーニン  
      sakko    a 釈迦族  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ立った釈迦族のダンダパーニンは、世尊へこういった。  
                       
                       
                       
    199-11.                
     ‘‘kiṃvādī samaṇo kimakkhāyī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘kiṃ    代的 何、なぜ、いかに  
      vādī  vad in 論者、説者  
      samaṇo  śram a 沙門  
      kim    代的 何、なぜ、いかに  
      akkhāyī’’  ā-khyā 名形 in 説く人、論者  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「沙門は、いかに説く者、いかに論ずる者なのでしょうか」と。  
                       
                       
                       
    199-12.                
     ‘‘Yathāvādī kho, āvuso, sadevake loke samārake sabrahmake sassamaṇabrāhmaṇiyā pajāya sadevamanussāya na kenaci loke viggayha tiṭṭhati, yathā ca pana kāmehi visaṃyuttaṃ viharantaṃ taṃ brāhmaṇaṃ akathaṃkathiṃ chinnakukkuccaṃ bhavābhave vītataṇhaṃ saññā nānusenti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      vādī  vad in 論者、説者  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      āvuso,    不変 友よ  
      sadevake    a 天ある  
      loke    a 世界、世間  
      samārake    a 魔ある  
      sabrahmake  sa-bṛh a 梵ある  
      sassamaṇa  sa-śram a 有(相) 沙門ある  
      brāhmaṇiyā  bṛh a 男→女 婆羅門  
      pajāya  pra-jan ā 人々  
      sadeva    a 有(相) 天ある  
      manussāya    a 男→女 人、人間  
      na    不変 ない  
      kenaci    代的 何、なぜ、いかに  
      loke    a 世界、世間  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viggayha  vi-grah 異執する、論争する  
      tiṭṭhati,  sthā 立つ  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      kāmehi    a 男中  
      visaṃyuttaṃ  vi-saṃ-yuj 過分 a 離縛した、離繋した  
      viharantaṃ  vi-hṛ 現分 ant 住する  
      taṃ    代的 それ  
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門  
      akathaṃkathiṃ    in 疑いのない、無義  
      chinna  chid 過分 a 有(持) 切られた、断たれた  
      kukkuccaṃ    a 中→男 不行儀、悪作、悔疑  
      bhava  bhū a 有、存在、生存、幸福、繁栄  
      abhave  a-bhū a 無有  
      vīta  vi-i 過分 a 有(持) 離れた  
      taṇhaṃ    ā 女→男 渇愛  
      saññā  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anusenti –  anu-śī 随眠する、潜在する  
    訳文                
     「友よ、天・魔・梵を含む世界、沙門と婆羅門、王と民を含む人々にあって、世におけるいかなる者とも論争せずして立つ説者のごとく、また、諸欲から離縛して住し、無疑で、悪作を断ち、有と無有に関して渇愛を離れたかの婆羅門に諸々の想が随眠しないごとく、  
    メモ                
     ・akathaṃkathiṃは女性名詞akathaṃkathāからの派生語と類推した。  
                       
                       
                       
    199-13.                
     evaṃvādī kho ahaṃ, āvuso, evamakkhāyī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vādī  vad in 論者、説者  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      āvuso,    不変 友よ  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      akkhāyī’’  ā-khyā 名形 in 説く人、論者  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     友よ、私はそのように説く者であり、そのように論ずる者です」  
                       
                       
                       
    199-14.                
     ‘‘Evaṃ vutte daṇḍapāṇi sakko sīsaṃ okampetvā, jivhaṃ nillāḷetvā, tivisākhaṃ nalāṭikaṃ nalāṭe vuṭṭhāpetvā daṇḍamolubbha pakkāmi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte  vac 受 過分 a 男中 いわれた  
      daṇḍapāṇi    in 人名、ダンダパーニン  
      sakko    a 釈迦族  
      sīsaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      okampetvā,  ava-kamp 使 振る  
      語根 品詞 語基 意味  
      jivhaṃ    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nillāḷetvā,  nir-lul (舌を)上下に動かす  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti    有(帯)  
      visākhaṃ    ā 枝、条枝  
      nalāṭikaṃ    ā 渋面  
      nalāṭe    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vuṭṭhāpetvā  ud-sthā 使 出させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      daṇḍam    a 杖、鞭  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      olubbha  ava-lamb よりかかって  
      pakkāmi. pra-kram 出発する、進む  
    訳文                
     このようにいわれて、釈迦族のダンダパーニンは、頭を振り、舌を上下させ、三条の〔眉間のしわ〕ある渋面を額にあらわして、杖に寄りかかって立ち去った。  
                       
                       
                       
    200-1.                
     200. Atha kho bhagavā sāyanhasamayaṃ paṭisallānā vuṭṭhito yena nigrodhārāmo tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      sāyanha    a 依(属) 夕方  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      paṭisallānā  prati-saṃ-lī a 独坐  
      vuṭṭhito  (vi-)ud-sthā 過分 a 出定した  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      nigrodha    a 依(属) 樹名、ニグローダ、溶樹  
      ārāmo    a  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときには、夕暮れ時、独坐より出定して、ニグローダ園に近づかれた。  
                       
                       
                       
    200-2.                
     upasaṅkamitvā paññatte āsane nisīdi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      paññatte  pra-jñā 過分 a 知らしめられた、施設された、用意された  
      āsane  ās a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて、用意された座に坐られた。  
                       
                       
                       
    200-3.                
     Nisajja kho bhagavā bhikkhū āmantesi –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Nisajja  ni-sad 坐る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
    訳文                
     坐られて、世尊は比丘たちへ呼びかけられた。  
                       
                       
                       
    200-4.                
     ‘‘idhāhaṃ, bhikkhave, pubbaṇhasamayaṃ nivāsetvā pattacīvaramādāya kapilavatthuṃ piṇḍāya pāvisiṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      ahaṃ,    代的  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      pubbaṇhasamayaṃ nivāsetvā pattacīvaramādāya kapilavatthuṃ piṇḍāya (199-3.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāvisiṃ.  pra-viś 入る  
    訳文                
     「比丘たちよ、ここなる私は、午前中に、内衣をつけ、鉢と衣を取って、托鉢のためカピラヴァットゥへ入りました。  
                       
                       
                       
    200-5.                
     Kapilavatthusmiṃ piṇḍāya caritvā pacchābhattaṃ piṇḍapātapaṭikkanto yena mahāvanaṃ tenupasaṅkamiṃ divāvihārāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kapilavatthusmiṃ piṇḍāya caritvā pacchābhattaṃ piṇḍapātapaṭikkanto yena mahāvanaṃ tenupasaṅkamiṃ divāvihārāya. (199-4.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamiṃ  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     托鉢のためカピラヴァットゥへゆき、食後、施食より退いてから、日中を過ごすため、大林へ近づきました。  
                       
                       
                       
    200-6.                
     Mahāvanaṃ ajjhogāhetvā beluvalaṭṭhikāya mūle divāvihāraṃ nisīdiṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahāvanaṃ ajjhogāhetvā beluvalaṭṭhikāya mūle divāvihāraṃ (199-5.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃ.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     大林へ入って、新芽あるベールヴァ樹の根元に、日中を過ごすべく坐りました。  
                       
                       
                       
    200-7.                
     Daṇḍapāṇipi kho, bhikkhave, sakko jaṅghāvihāraṃ anucaṅkamamāno anuvicaramāno yena mahāvanaṃ tenupasaṅkami.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Daṇḍapāṇipi kho, bhikkhave, sakko jaṅghāvihāraṃ anucaṅkamamāno anuvicaramāno yena mahāvanaṃ tenupasaṅkami. (199-6.)  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
    訳文                
     比丘たちよ、釈迦族のダンダパーニンもまた、徒歩で遊歩し散策しつつ、大林へ近づいていました。  
                       
                       
                       
    200-8.                
     Mahāvanaṃ ajjhogāhetvā yena beluvalaṭṭhikā yenāhaṃ tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahāvanaṃ ajjhogāhetvā yena beluvalaṭṭhikā yenāhaṃ tenupasaṅkami; (199-7.)  
      ahaṃ    代的  
    訳文                
     大林へ入って、新芽あるベールヴァ樹の、私のもとへ近づきました。  
                       
                       
                       
    200-9.                
     upasaṅkamitvā mayā saddhiṃ sammodi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      upasaṅkamitvā mayā saddhiṃ sammodi. (199-8.)  
      mayā    代的  
    訳文                
     ちかづいて、私と挨拶を交わしました。  
                       
                       
                       
    200-10.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā daṇḍamolubbha ekamantaṃ aṭṭhāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā daṇḍamolubbha ekamantaṃ aṭṭhāsi. (199-9.)  
    訳文                
     喜ばしく記憶すべき言葉を交わしてから、かれは杖へよりかかって一方へ立ちました。  
                       
                       
                       
    200-11.                
     Ekamantaṃ ṭhito kho, bhikkhave, daṇḍapāṇi sakko maṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ ṭhito kho, bhikkhave, daṇḍapāṇi sakko maṃ etadavoca – (199-10.)  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      maṃ    代的  
    訳文                
     比丘たちよ、一方へ立った釈迦族のダンダパーニンは、私へこういいました。  
                       
                       
                       
    200-12.                
     ‘kiṃvādī samaṇo kimakkhāyī’ti?  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘kiṃvādī samaṇo kimakkhāyī’ti? (199-11.)  
    訳文                
     『沙門は、いかに説く者、いかに論ずる者なのでしょうか』と。  
                       
                       
                       
    200-13.                
     ‘‘Evaṃ vutte ahaṃ, bhikkhave, daṇḍapāṇiṃ sakkaṃ etadavocaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte  vac 受 過分 a 男中 いわれた  
      ahaṃ,    代的  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      daṇḍapāṇiṃ    in 人名、ダンダパーニン  
      sakkaṃ    a 釈迦族  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avocaṃ –  vac 言う、語る、説く  
    訳文                
     比丘たちよ、このようにいわれて、私は釈迦族のダンダパーニンへ、こういいました。  
                       
                       
                       
    200-14.                
     yathāvādī kho, āvuso, sadevake loke samārake sabrahmake sassamaṇabrāhmaṇiyā pajāya sadevamanussāya na kenaci loke viggayha tiṭṭhati, yathā ca pana kāmehi visaṃyuttaṃ viharantaṃ taṃ brāhmaṇaṃ akathaṃkathiṃ chinnakukkuccaṃ bhavābhave vītataṇhaṃ saññā nānusenti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      yathāvādī kho, āvuso, sadevake loke samārake sabrahmake sassamaṇabrāhmaṇiyā pajāya sadevamanussāya na kenaci loke viggayha tiṭṭhati, yathā ca pana kāmehi visaṃyuttaṃ viharantaṃ taṃ brāhmaṇaṃ akathaṃkathiṃ chinnakukkuccaṃ bhavābhave vītataṇhaṃ saññā nānusenti – (199-12.)  
    訳文                
     『友よ、天・魔・梵を含む世界、沙門と婆羅門、王と民を含む人々にあって、世におけるいかなる者とも論争せずして立つ説者のごとく、また、諸欲から離縛して住し、無疑で、悪作を断ち、有と無有に関して渇愛を離れたかの婆羅門に諸々の想が随眠しないごとく、  
                       
                       
                       
    200-15.                
     evaṃvādī kho ahaṃ, āvuso, evamakkhāyī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      evaṃvādī kho ahaṃ, āvuso, evamakkhāyī’’ti. (199-13.)  
    訳文                
     友よ、私はそのように説く者であり、そのように論ずる者です』と。  
                       
                       
                       
    200-16.                
     ‘‘Evaṃ vutte bhikkhave, daṇḍapāṇi sakko sīsaṃ okampetvā, jivhaṃ nillāḷetvā, tivisākhaṃ nalāṭikaṃ nalāṭe vuṭṭhāpetvā daṇḍamolubbha pakkāmī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ vutte bhikkhave, daṇḍapāṇi sakko sīsaṃ okampetvā, jivhaṃ nillāḷetvā, tivisākhaṃ nalāṭikaṃ nalāṭe vuṭṭhāpetvā daṇḍamolubbha pakkāmī’’(199-14.)  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     比丘たちよ、このようにいわれて、釈迦族のダンダパーニンは、頭を振り、舌を上下させ、三条の〔眉間のしわ〕ある渋面を額にあらわして、杖に寄りかかって立ち去りました」  
                       
                       
                       
    201-1.                
     201. Evaṃ vutte aññataro bhikkhu bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte  vac 受 過分 a いわれた  
      aññataro    代的 随一の、とある  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     このようにいわれて、とある比丘が世尊へこういった。  
                       
                       
                       
    201-2.                
     ‘‘kiṃvādī pana, bhante, bhagavā sadevake loke samārake sabrahmake sassamaṇabrāhmaṇiyā pajāya sadevamanussāya na kenaci loke viggayha tiṭṭhati?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘kiṃ    代的 何、なぜ、いかに  
      vādī  vad in 論者、説者  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      sadevake loke samārake sabrahmake sassamaṇabrāhmaṇiyā pajāya sadevamanussāya na kenaci loke viggayha tiṭṭhati? (199-12.)  
    訳文                
     「しからば尊者よ、世尊は、いかに説く者として、天・魔・梵を含む世界、沙門と婆羅門、王と民を含む人々にあって、世におけるいかなる者とも論争せずして立たれるのでしょうか。  
                       
                       
                       
    201-3.                
     Kathañca pana, bhante, bhagavantaṃ kāmehi visaṃyuttaṃ viharantaṃ taṃ brāhmaṇaṃ akathaṃkathiṃ chinnakukkuccaṃ bhavābhave vītataṇhaṃ saññā nānusentī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kathañ    不変 いかに、なぜに  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      kāmehi visaṃyuttaṃ viharantaṃ taṃ brāhmaṇaṃ akathaṃkathiṃ chinnakukkuccaṃ bhavābhave vītataṇhaṃ saññā nānusentī’’(199-12.)  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     また尊者よ、いかに、諸欲から離縛して住し、無疑で、悪作を断ち、有と無有に関して渇愛を離れたかの婆羅門たる世尊に、諸々の想が随眠しないのでしょうか」と。  
                       
                       
                       
    201-4.                
     ‘‘Yatonidānaṃ, bhikkhu, purisaṃ papañcasaññāsaṅkhā samudācaranti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば  
      nidānaṃ,    a 副対 〜によりて  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      purisaṃ    a  
      papañca    a 依(具) 障碍、戯論、妄想、迷執  
      saññā  saṃ-jñā ā 依(属) 想、想念、概念、表象  
      saṅkhā  saṃ-khyā ā 目算、呼称、思念  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samudācaranti.  saṃ-ud-ā-car 行われる、生起する、実行する、言う、  
    訳文                
     「比丘よ、およそ〈それ〉によるがゆえに、人に迷妄を具えた想の部類が生起するようなもの。  
    メモ                
     ・「saṅkhāとは部分である。 Papañcasaññāとは渇愛と慢と見による迷妄をそなえた想である」saṅkhāti koṭṭhāso. Papañcasaññāti taṇhāmānadiṭṭhipapañcasampayuttā saññāという『註』に従って訳したが、『原始』のように「迷妄の想というもの」というふうに素直に訳すべきかもしれない。  
     ・釈尊が明言しなかったyatoで指示される事柄を、カッチャーナが三事和合触(およびそれから派生する諸法)であると明かす、というのが本経の流れであるので〈 〉でくくって強調した。  
                       
                       
                       
    201-5.                
     Ettha ce natthi abhinanditabbaṃ abhivaditabbaṃ ajjhositabbaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ettha    不変 ここに  
      ce    不変 もし、たとえ  
      na   不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      abhinanditabbaṃ  abhi-nand 未分 a 歓喜すべき  
      abhivaditabbaṃ  abhi-vad 未分 a 迎えるべき  
      ajjhositabbaṃ.  abhi-ava-śī 未分 a 固執すべき  
    訳文                
     もし〈そこ〉に、もし歓喜すべきこと、歓迎すべきこと、固執すべきことがなければ、  
                       
                       
                       
    201-6.                
     Esevanto rāgānusayānaṃ, esevanto paṭighānusayānaṃ, esevanto diṭṭhānusayānaṃ, esevanto vicikicchānusayānaṃ, esevanto mānānusayānaṃ, esevanto bhavarāgānusayānaṃ, esevanto avijjānusayānaṃ, esevanto daṇḍādāna-satthādāna-kalaha-viggaha-vivāda-tuvaṃtuvaṃ-pesuñña-musāvādānaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Eso    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      anto    a 終極、目的、極限  
      rāga  raj a 貪、貪欲、染  
      anusayānaṃ,  anu-śī a 随眠、煩悩  
      eso    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      anto    a 終極、目的、極限  
      paṭigha  prati-ghan a 男中 瞋恚、有対、障礙  
      anusayānaṃ,  anu-śī a 随眠、煩悩  
      eso    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      anto    a 終極、目的、極限  
      diṭṭhi  dṛś i  
      anusayānaṃ,  anu-śī a 随眠、煩悩  
      eso    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      anto    a 終極、目的、極限  
      vicikicchā  vi-cit  ā 疑、疑惑  
      anusayānaṃ,  anu-śī a 随眠、煩悩  
      eso    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      anto    a 終極、目的、極限  
      māna  man a 慢、驕慢  
      anusayānaṃ,  anu-śī a 随眠、煩悩  
      eso    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      anto    a 終極、目的、極限  
      bhava  bhū a 依(属) 有、存在、生存、幸福、繁栄  
      rāga  raj a 貪、貪欲、染  
      anusayānaṃ,  anu-śī a 随眠、煩悩  
      eso    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      anto    a 終極、目的、極限  
      avijjā  a-vid ā 無明  
      anusayānaṃ,  anu-śī a 随眠、煩悩  
      eso    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      anto    a 終極、目的、極限  
      daṇḍa    a 依(属) 杖、鞭  
      ādāna-  ā-dā a 取、執取  
      sattha  śaṣ a 依(属) 刀、剣  
      ādāna-  ā-dā a 取、執取  
      kalaha-    a 諍い、闘争、不和  
      viggaha-  vi-grah a 異執、論争  
      vivāda-  vi-vad a 論、論争、口論  
      tuvaṃtuvaṃ-    a 相違、論争  
      pesuñña-    a 離間語、両舌  
      musā    不変 虚妄に、偽って  
      vādānaṃ.  vad a 説、語、論 →妄語  
    訳文                
      このことはまさしく貪欲という随煩悩の終結であり、このことはまさしく瞋恚という随煩悩の終結であり、このことはまさしく見という随煩悩の終結であり、こ のことはまさしく疑という随煩悩の終結であり、このことはまさしく慢という随煩悩の終結であり、このことはまさしく有貪という随煩悩の終結であり、このこ とはまさしく鞭を取ること、剣を取ること、不和、異執、口論、論争、両説、妄語の終結なのです。  
    メモ                
     ・tuvaṃtuvaṃは連声による挿入とみた。  
                       
                       
                       
    201-7.                
     Etthete pāpakā akusalā dhammā aparisesā nirujjhantī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ettha    不変 ここに  
      ete    代的 これ  
      pāpakā    a 悪しき  
      akusalā    a 不善の  
      dhammā  dhṛ a 男中  
      aparisesā    a 残余なく  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nirujjhantī’  ni-rudh 受 滅ぶ  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     〈そこ〉に、これら悪しき不善の諸法は、あますことなく滅します」  
                       
                       
                       
    201-8.                
     Idamavoca bhagavā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idam    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca  vac いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavā.    ant 世尊  
    訳文                
     世尊はこう仰った。  
                       
                       
                       
    201-9.                
     Idaṃ vatvāna sugato uṭṭhāyāsanā vihāraṃ pāvisi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Idaṃ    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vatvāna  vac いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      sugato  su-gam 名過分 a 善逝  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uṭṭhāya  ud-sthā 起き上がる、奮起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      āsanā  ā-sad a  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 住、精舎、僧房  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāvisi. pra-viś 入る  
    訳文                
     善逝はこういってから座を立ち、僧房へ入られた。  
                       
                       
                       
    202-1.                
     202. Atha kho tesaṃ bhikkhūnaṃ acirapakkantassa bhagavato etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      bhikkhūnaṃ  bhikṣ u 比丘  
      acira    不変 久しからず、暫時の  
      pakkantassa  pra-kram 過分 a 去った、出発した、過ぎた  
      bhagavato    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     ときに彼ら比丘たちに、立ち去ったばかりの世尊に関して、この〔思い〕がおこった。  
                       
                       
                       
    202-2.                
     ‘‘idaṃ kho no, āvuso, bhagavā saṃkhittena uddesaṃ uddisitvā, vitthārena atthaṃ avibhajitvā, uṭṭhāyāsanā vihāraṃ paviṭṭho –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘idaṃ    代的 これ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      no,    代的 私たち  
      āvuso,    不変 友よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      saṃkhittena  saṃ-kṣip 過分 a 副具 簡略の、要略の  
      uddesaṃ  ud-diś a 説示  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uddisitvā,  ud-diś 説示する、指定する  
      語根 品詞 語基 意味  
      vitthārena  vi-stṛ a 副具 広説の、詳細の  
      atthaṃ    a 男中 義、意味  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avibhajitvā,  a-vi-bhaj 分別しない、解釈しない  
      uṭṭhāya  ud-sthā 起き上がる、奮起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      āsanā  ā-sad a  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 住、精舎、僧房  
      paviṭṭho –  pra-viś 過分 a 入った  
    訳文                
     「友等よ、世尊は我々へ、このことについて、簡略に説示を示しつつ、詳細に意味を解釈せずに、座を立って精舎へ入られた。  
                       
                       
                       
    202-3.                
     ‘yatonidānaṃ, bhikkhu, purisaṃ papañcasaññāsaṅkhā samudācaranti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘yatonidānaṃ, bhikkhu, purisaṃ papañcasaññāsaṅkhā samudācaranti. (201-4.)  
    訳文                
     『比丘よ、およそ〈それ〉によるがゆえに、人に迷妄を具えた想の部類が生起するようなもの。  
                       
                       
                       
    202-4.                
     Ettha ce natthtththi abhinanditabbaṃ abhivaditabbaṃ ajjhositabbaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ettha ce natthtththi abhinanditabbaṃ abhivaditabbaṃ ajjhositabbaṃ. (201-5.)  
    訳文                
     もし〈そこ〉に、もし歓喜すべきこと、歓迎すべきこと、固執すべきことがなければ、  
    メモ                
     ・natthtththiとあるが、natthiの誤記であろう。  
                       
                       
                       
    202-5.                
     Esevanto rāgānusayānaṃ…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Esevanto rāgānusayānaṃ…pe… (201-6.)  
    訳文                
     このことはまさしく貪欲という随煩悩の終結であり……  
                       
                       
                       
    202-6.                
     etthete pāpakā akusalā dhammā aparisesā nirujjhantī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      etthete pāpakā akusalā dhammā aparisesā nirujjhantī’ti. (201-7.)  
    訳文                
     〈そこ〉に、これら悪しき不善の諸法は、あますことなく滅します』と。  
                       
                       
                       
    202-7.                
     Ko nu kho imassa bhagavatā saṃkhittena uddesassa uddiṭṭhassa vitthārena atthaṃ avibhattassa vitthārena atthaṃ vibhajeyyā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ko    代的 何、誰  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      imassa    代的 これ  
      bhagavatā    ant 世尊  
      saṃkhittena  saṃ-kṣip 過分 a 副具 簡略の、要略の  
      uddesassa  ud-diś a 説示  
      uddiṭṭhassa  ud-diś 過分 a 説示された  
      vitthārena  vi-stṛ a 副具 広説の、詳細の  
      atthaṃ    a 男中 義、意味  
      avibhattassa  a-vi-bhaj 過分 a 解釈されない  
      vitthārena  vi-stṛ a 副具 広説の、詳細の  
      atthaṃ    a 男中 義、意味  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vibhajeyyā’’  vi-bhaj 分別する、解釈する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     いったい誰なら、世尊によって簡略に説示が示され、詳細には意味を解釈されなかったこのことに関して、意味を詳細に解釈することができるであろうか」と。  
                       
                       
                       
    202-8.                
     Atha kho tesaṃ bhikkhūnaṃ etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha kho tesaṃ bhikkhūnaṃ etadahosi – (202-1.)  
    訳文                
     ときに彼ら比丘たちに、この〔思い〕がおこった。  
                       
                       
                       
    202-9.                
     ‘‘ayaṃ kho āyasmā mahākaccāno satthu ceva saṃvaṇṇito sambhāvito ca viññūnaṃ sabrahmacārīnaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ayaṃ    代的 これ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      mahākaccāno    a 人名、マハーカッチャーナ  
      satthu    ar  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      saṃvaṇṇito    過分 a 賞賛された  
      sambhāvito  saṃ-bhū 過分 a 尊敬された  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      viññūnaṃ  vi-jñā 名形 ū 有智の、智者  
      sabrahmacārīnaṃ.  sa-bṛh, car in 同梵行者  
    訳文                
     「かの尊者マハーカッチャーナは、師に賞賛され、有智の同梵行者たちに尊敬されている。  
                       
                       
                       
    202-10.                
     Pahoti cāyasmā mahākaccāno imassa bhagavatā saṃkhittena uddesassa uddiṭṭhassa vitthārena atthaṃ avibhattassa vitthārena atthaṃ vibhajituṃ.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Pahoti  pra-bhū できる、生ずる、発生する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      mahākaccāno    a 人名、マハーカッチャーナ  
      imassa bhagavatā saṃkhittena uddesassa uddiṭṭhassa vitthārena atthaṃ avibhattassa vitthārena atthaṃ (202-7.)  
      vibhajituṃ.  vi-bhaj 不定 解釈すること  
    訳文                
     尊者マハーカッチャーナなら、世尊によって簡略に説示が示され、詳細には意味を解釈されなかったこのことに関して、意味を詳細に解釈することができよう。  
                       
                       
                       
    202-11.                
     Yaṃnūna mayaṃ yenāyasmā mahākaccāno tenupasaṅkameyyāma;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      nūna    不変 たしかに →〜したらどうか  
      mayaṃ    代的 私たち  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      mahākaccāno    a 人名、マハーカッチャーナ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkameyyāma;  upa-saṃ-kram 近づく  
    訳文                
     我々は尊者マハーカッチャーナへ近づいてはどうだろうか。  
                       
                       
                       
    202-12.                
     upasaṅkamitvā āyasmantaṃ mahākaccānaṃ etamatthaṃ paṭipuccheyyāmā’’ti.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      mahākaccānaṃ    a 人名、マハーカッチャーナ  
      etam    代的 男中 これ  
      atthaṃ    a 男中 義、意味  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭipuccheyyāmā’’  prati-prach 質問する、反問する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者マハーカッチャーナへ近づいて、この意味を質問してみよう」と。  
                       
                       
                       
    202-13.                
     Atha kho te bhikkhū yenāyasmā mahākaccāno tenupasaṅkamiṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      te    代的 それら、彼ら  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      mahākaccāno    a 人名、マハーカッチャーナ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamiṃsu;  upa-saṃ-kram 能反 近づいた  
    訳文                
     そこで彼ら比丘たちは、尊者マハーカッチャーナのもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    202-14.                
     upasaṅkamitvā āyasmatā mahākaccānena saddhiṃ sammodiṃsu.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      āyasmatā    ant 尊者、具寿  
      mahākaccānena    a 人名、マハーカッチャーナ  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodiṃsu.  saṃ-mud 能反 喜ぶ、相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     近づいて、尊者マハーカッチャーナと挨拶した。  
                       
                       
                       
    202-15.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdiṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  smṛ 未分 a 憶念すべき、記憶すべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati- 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu.  ni-sad 能反 坐る  
    訳文                
     喜ばしく記憶すべき言葉を交わしてから、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    202-16.                
     Ekamantaṃ nisinnā kho te bhikkhū āyasmantaṃ mahākaccānaṃ etadavocuṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinnā  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      te    代的 それら、彼ら  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      mahākaccānaṃ    a 人名、マハーカッチャーナ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用