←前へ   トップへ   次へ→
                       
                       
     5. Bodhirājakumārasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Bodhi  budh i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāra    a 依(属) 童子  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「ボーディ王子経」(『中部』85  
                       
                       
                       
    324-1.                
     324. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      me    代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた  
    訳文                
     私はこのように聞いた。  
                       
                       
                       
    324-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā bhaggesu viharati susumāragire bhesakaḷāvane migadāye.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      bhaggesu    a 男中 バッガ国  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      susumāragire    a 男中 地名、ススマーラギラ(鰐の声の意?  
      bhesakaḷā    ā 地名、ベーサカラー  
      vane    a  
      miga    a 依(属) 鹿、けもの  
      dāye.    a 森、林、園 →鹿野苑  
    訳文                
     あるとき世尊は、バッガ国はススマーラギラ、ベーサカラー林の鹿野苑に住しておられた。  
    メモ                
     ・『中部』15「比量経」、50「魔呵責経」におなじ舞台。  
                       
                       
                       
    324-3.                
     Tena kho pana samayena bodhissa rājakumārassa kokanado [kokanudo (syā. kaṃ. ka.)] nāma pāsādo acirakārito hoti anajjhāvuṭṭho samaṇena vā brāhmaṇena vā kenaci vā manussabhūtena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      bodhissa  budh i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumārassa    a 童子  
      kokanado    a 地名、コーカナダ(紅蓮の意)  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      pāsādo  pra-ā-sad a 高楼、殿堂、重閣  
      acira    a 有(奪) 久しからぬ  
      kārito    ā 女→男 作者、所作  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      anajjhāvuṭṭho  an-adhi-ā-vas 過分 a 住されない  
      samaṇena  śram a 沙門  
          不変 あるいは  
      brāhmaṇena  bhṛ a 婆羅門  
          不変 あるいは  
      kenaci    代的 誰、何  
          不変 あるいは  
      manussa    a 依(奪) 人間  
      bhūtena.  bhū 過分 a あった、存在 →人身  
    訳文                
     さてその時、ボーディ王子には、コーカナダという名の、新しい、作られて間もない、沙門、婆羅門、あるいは人身の何者によっても住されたことのない高楼があった。  
    メモ                
     ・「合誦経」などに出るストックフレーズ。  
                       
                       
                       
    324-4.                
     Atha kho bodhi rājakumāro sañjikāputtaṃ māṇavaṃ āmantesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bodhi  budh i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      sañjikāputtaṃ    a 人名、サンジカープッタ  
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
    訳文                
     ときにボーディ王子には、サンジカープッタ青年へ呼びかけた。  
                       
                       
                       
    324-5.                
     ‘‘ehi tvaṃ, samma sañjikāputta, yena bhagavā tenupasaṅkama;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘ehi    いざ、行け、来い  
      語根 品詞 語基 意味  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      samma    不変 友よ  
      sañjikāputta,    a 人名、サンジカープッタ  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkama;  upa-saṃ-kram 近づく  
    訳文                
     「いざ、友、サンジカープッタよ、あなたは世尊のもとへ近づいてほしい。  
    メモ                
     ・「ローヒッチャ経」【ローヒッチャ婆羅門のこと】などにパラレル。  
                       
                       
                       
    324-6.                
     upasaṅkamitvā mama vacanena bhagavato pāde sirasā vanda, appābādhaṃ appātaṅkaṃ lahuṭṭhānaṃ balaṃ phāsuvihāraṃ puccha –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      mama    代的  
      vacanena  vac a 語、言、命令語  
      bhagavato    ant 世尊  
      pāde    a  
      sirasā    as 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vanda,  vand 礼拝する →頭面礼足  
      語根 品詞 語基 意味  
      appābādhaṃ  appa-ā-bādh a 小病、無病、息災  
      appātaṅkaṃ    a 少悩、少疾、健康、息災  
      lahu    u 有(持) 軽い、早い  
      uṭṭhānaṃ  ud-sthā a 中→男 起立、立礼、起源、努力 →軽快、起居軽利  
      balaṃ    名形 a 中→男 強い、力、威力、軍隊  
      phāsu    u 有(持) 安楽な、安穏な、愉快な  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 住、住居、精舎、僧房  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      puccha –  prach 問う  
    訳文                
     近づいて、我が命により、世尊へ頭面礼足し、無病息災か、起居は軽快か、気力はあるか、暮らしは安穏かを、問うてもらいたい。  
                       
                       
                       
    324-7.                
     ‘bodhi, bhante, rājakumāro bhagavato pāde sirasā vandati, appābādhaṃ appātaṅkaṃ lahuṭṭhānaṃ balaṃ phāsuvihāraṃ pucchatī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘bodhi,  budh i 人名、ボーディ  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      bhagavato    ant 世尊  
      pāde    a  
      sirasā    as 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vandati,  vand 礼拝する →頭面礼足  
      語根 品詞 語基 意味  
      appābādhaṃ appātaṅkaṃ lahuṭṭhānaṃ balaṃ phāsuvihāraṃ (324-6.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pucchatī’  prach 問う  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『尊者よ、ボーディ王子が、〔代理人により〕世尊へ頭面礼足し、無病息災か、起居は軽快か、気力はあるか、暮らしは安穏か問うております』と。  
                       
                       
                       
    324-8.                
     Evañca vadehi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evañ    不変 このように、かくの如き  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadehi –  vad いう  
    訳文                
     またこのように言ってほしい。  
                       
                       
                       
    324-9.                
     ‘adhivāsetu kira, bhante, bhagavā bodhissa rājakumārassa svātanāya bhattaṃ saddhiṃ bhikkhusaṅghenā’’’ti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘adhivāsetu  adhi-vas 使 同意する、承認する、忍住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kira,    不変 伝え言う、〜という話だ  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      bodhissa  budh i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumārassa    a 童子  
      svātanāya    a 男中 明日  
      bhattaṃ  bhaj 名過分 a 食事、奉仕された  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に  
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘  
      saṅghenā’’  saṃ-hṛ a 僧伽  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『尊者よ、世尊は、比丘僧伽とともに、ボーディ王子の明日の食をお受けくださいますようとのことです』と」  
                       
                       
                       
    324-10.                
     ‘‘Evaṃ, bho’’ti kho sañjikāputto māṇavo bodhissa rājakumārassa paṭissutvā yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bho’’  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sañjikāputto    a 人名、サンジカープッタ  
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門  
      bodhissa  budh i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumārassa    a 童子  
      paṭissutvā  prati-śru 同意する、応諾する、答える  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     「尊き方よ、そのように」とサンジカープッタ青年はボーディ王子へ応え、世尊のもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    324-11.                
     upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavatā    ant 世尊  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     近づいて、世尊と挨拶した。  
                       
                       
                       
    324-12.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  saṃ-raj 未分 a 相慶慰すべき、喜ぶべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati-sṛ 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     喜ばしき慶賀の言葉を交わして、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    324-13.                
     Ekamantaṃ nisinno kho sañjikāputto māṇavo bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sañjikāputto    a 人名、サンジカープッタ  
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐ったサンジカープッタ青年は、世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    324-14.                
     ‘‘bodhi kho [bodhi bho gotama (sī. syā. kaṃ. pī.)] rājakumāro bhoto gotamassa pāde sirasā vandati, appābādhaṃ appātaṅkaṃ lahuṭṭhānaṃ balaṃ phāsuvihāraṃ pucchati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘bodhi kho rājakumāro bhoto gotamassa pāde sirasā vandati, appābādhaṃ appātaṅkaṃ lahuṭṭhānaṃ balaṃ phāsuvihāraṃ pucchati. (324-7.)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhoto  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
    訳文                
     「ボーディ王子が、〔代理人により〕尊者ゴータマへ頭面礼足し、無病息災か、起居は軽快か、気力はあるか、暮らしは安穏か問うております。  
    メモ                
     ・ボーディ王子は「世尊」と言っていたが、サンジカープッタ青年は「尊者ゴータマ」という言葉を使っている。これは二人のカーストの差異によるものか。釈尊への呼びかけの言葉を統計的に分析すると何らかの有意な結果が出るかも知れない。  
                       
                       
                       
    324-15.                
     Evañca vadeti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evañ    不変 このように、かくの如き  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadeti –  vad いう  
    訳文                
     またこのように言っています。  
                       
                       
                       
    324-16.                
     ‘adhivāsetu kira bhavaṃ gotamo bodhissa rājakumārassa svātanāya bhattaṃ saddhiṃ bhikkhusaṅghenā’’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘adhivāsetu kira bhavaṃ gotamo bodhissa rājakumārassa svātanāya bhattaṃ saddhiṃ bhikkhusaṅghenā’’’ti. (324-9.)  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
    訳文                
     『尊者ゴータマは、比丘僧伽とともに、ボーディ王子の明日の食をお受けくださいますよう』とのことです」  
                       
                       
                       
    324-17.                
     Adhivāsesi bhagavā tuṇhībhāvena.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Adhivāsesi  adhi-vas 使 同意する、承認する、忍住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavā    ant 世尊  
      tuṇhī    不変 沈黙して、黙って  
      bhāvena.  bhū a 本性、性、状態、態  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Adhivāsesi  adhi-vas 使 同意する、承認する、忍住する  
    訳文                
     世尊は沈黙によって承認された。  
                       
                       
                       
    324-18.                
     Atha kho sañjikāputto māṇavo bhagavato adhivāsanaṃ viditvā uṭṭhāyāsanā yena bodhi rājakumāro tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sañjikāputto    a 人名、サンジカープッタ  
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門  
      bhagavato    ant 世尊  
      adhivāsanaṃ    a 忍、忍受、承認  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viditvā  vid 知る  
      uṭṭhāya  ud-sthā 立つ  
      語根 品詞 語基 意味  
      āsanā  ās a  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bodhi  budh i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときにサンジカープッタ青年は、世尊の承認を知ると、座より立って世尊へ礼拝し、右繞をなして、ボーディ王子の元へ近づいた。  
                       
                       
                       
    324-19.                
     upasaṅkamitvā bodhiṃ rājakumāraṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      bodhiṃ  budh i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāraṃ    a 童子  
      etad    代的 これ  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     近づいて、ボーディ王子へこういった。  
                       
                       
                       
    324-20.                
     ‘‘avocumha bhoto vacanena taṃ bhavantaṃ gotamaṃ –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘avocumha  vac いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhoto  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      vacanena  vac a 語、言、命令語  
      taṃ    代的 それ  
      bhavantaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      gotamaṃ –    a 人名、ゴータマ  
    訳文                
     「私どもは尊き〔あなた〕の言葉により、かの尊者ゴータマへ言いました。  
                       
                       
                       
    324-21.                
     ‘bodhi kho rājakumāro bhoto gotamassa pāde sirasā vandati, appābādhaṃ appātaṅkaṃ lahuṭṭhānaṃ balaṃ phāsuvihāraṃ pucchati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘bodhi kho rājakumāro bhoto gotamassa pāde sirasā vandati, appābādhaṃ appātaṅkaṃ lahuṭṭhānaṃ balaṃ phāsuvihāraṃ pucchati. (324-14.)  
    訳文                
     『ボーディ王子が、〔代理人により〕尊者ゴータマへ頭面礼足し、無病息災か、起居は軽快か、気力はあるか、暮らしは安穏か問うております。  
                       
                       
                       
    324-22.                
     Evañca vadeti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evañca vadeti – (324-15.)  
    訳文                
     またこのように言っています。  
                       
                       
                       
    324-23.                
     adhivāsetu kira bhavaṃ gotamo bodhissa rājakumārassa svātanāya bhattaṃ saddhiṃ bhikkhusaṅghenā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      adhivāsetu kira bhavaṃ gotamo bodhissa rājakumārassa svātanāya bhattaṃ saddhiṃ bhikkhusaṅghenā’ti. (324-16.)  
    訳文                
     尊者ゴータマは、比丘僧伽とともに、ボーディ王子の明日の食をお受けくださいますようとのことです』と。  
                       
                       
                       
    324-24.                
     Adhivuṭṭhañca pana samaṇena gotamenā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Adhivuṭṭhañ  adhi-vas 使 過分 a 同意された、承認された、忍住された  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samaṇena  śram a 沙門  
      gotamenā’’    a 人名、ゴータマ  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     そしてまた、沙門ゴータマによって同意されました」と。  
                       
                       
                       
    325-1.                
     325. Atha kho bodhi rājakumāro tassā rattiyā accayena sake nivesane paṇītaṃ khādanīyaṃ bhojanīyaṃ paṭiyādāpetvā, kokanadañca pāsādaṃ odātehi dussehi santharāpetvā yāva pacchimasopānakaḷevarā [kaḷebarā (sī.)], sañjikāputtaṃ māṇavaṃ āmantesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bodhi  budh i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      tassā    代的 それ、彼女  
      rattiyā    i  
      accayena  ati-i a 副具 死去、経過、(具格で)過ぎてから  
      sake    a 自分の  
      nivesane  ni-viś a 住処、棲み家  
      paṇītaṃ  pra-nī 過分 a 適用された、優れた、勝妙の  
      khādanīyaṃ  khād 名未分 a 硬食  
      bhojanīyaṃ  bhuj 使 名未分 a 軟食  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭiyādāpetvā,  prati-yat 使使 準備させる(二重の使役形)  
      語根 品詞 語基 意味  
      kokanadañ    a 地名、コーカナダ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pāsādaṃ  pra-ā-sad a 高楼、殿堂、重閣  
      odātehi    a 白い  
      dussehi    a 白布、衣服  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      santharāpetvā  saṃ-stṛ 使 広げさせる、敷かせる  
      語根 品詞 語基 意味  
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      pacchima    a 最後の、最低の、西の  
      sopāna    a 男中 依(属) 階段、梯子  
      kaḷevarā,    a 男中 階段  
      sañjikāputtaṃ    a 人名、サンジカープッタ  
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
    訳文                
     そこでボーディ王子は、その夜が過ぎると、自分の家で勝妙の硬食・軟食を準備させ、またコーカナダ高楼に、階段の最下段に至るまで白い布を敷かせてから、サンジカープッタ青年へ呼びかけた。  
                       
                       
                       
    325-2.                
     ‘‘ehi tvaṃ, samma sañjikāputta, yena bhagavā tenupasaṅkama;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ehi tvaṃ, samma sañjikāputta, yena bhagavā tenupasaṅkama; (324-5.)  
    訳文                
     「いざ、友、サンジカープッタよ、あなたは世尊のもとへ近づいてほしい。  
                       
                       
                       
    325-3.                
     upasaṅkamitvā bhagavato kālaṃ ārocehi –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavato    ant 世尊  
      kālaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārocehi –  ā-ruc 使 告げる  
    訳文                
     近づいて、世尊へ時を告げて欲しい。  
                       
                       
                       
    325-4.                
     ‘kālo, bhante, niṭṭhitaṃ bhatta’’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘kālo,    a  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      niṭṭhitaṃ  nis-sthā 過分 a 完了した、完成した  
      bhatta’’’n  bhaj 名過分 a 食事、奉仕された  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『尊者よ、時間です。食事ができました』と」  
                       
                       
                       
    325-5.                
     ‘‘Evaṃ, bho’’ti kho sañjikāputto māṇavo bodhissa rājakumārassa paṭissutvā yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ, bho’’ti kho sañjikāputto māṇavo bodhissa rājakumārassa paṭissutvā yena bhagavā tenupasaṅkami; (324-10.)  
    訳文                
     「尊き方よ、そのように」とサンジカープッタ青年はボーディ王子へ応え、世尊のもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    325-6.                
     upasaṅkamitvā bhagavato kālaṃ ārocesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      upasaṅkamitvā bhagavato kālaṃ (325-3.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārocesi –  ā-ruc 使 告げる  
    訳文                
     近づいて、世尊へ時を告げた。  
                       
                       
                       
    325-7.                
     ‘‘kālo, bho gotama, niṭṭhitaṃ bhatta’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘kālo, bho gotama, niṭṭhitaṃ bhatta’’nti. (325-4.)  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、時間です。食事ができました」と。  
                       
                       
                       
    325-8.                
     Atha kho bhagavā pubbaṇhasamayaṃ nivāsetvā pattacīvaramādāya yena bodhissa rājakumārassa nivesanaṃ tenupasaṅkami.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      pubbaṇha    a 依(属) 午前  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nivāsetvā  ni-vas 使 着衣する、内衣を着る  
      語根 品詞 語基 意味  
      patta    a 男中  
      cīvaram    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ādāya  ā-dā 取って  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bodhissa    i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumārassa    a 童子  
      nivesanaṃ  ni-vas a 住居  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami.  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     そこで世尊は午前時に、内衣をつけ鉢と外衣を取ってボーディ王子の住居へ近づいた。  
                       
                       
                       
    325-9.                
     Tena kho pana samayena bodhi rājakumāro bahidvārakoṭṭhake ṭhito hoti bhagavantaṃ āgamayamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      bodhi    i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      bahi    不変 外に  
      dvāra    a 依(属)  
      koṭṭhake    a 庫、門屋、小屋  
      ṭhito  sthā 過分 a 立った  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      āgamayamāno.  ā-gam 使 a 来させる、待つ、歓迎する  
    訳文                
     さてそのとき、ボーディ王子は外の門屋に立って、世尊を待っていた。  
                       
                       
                       
    325-10.                
     Addasā kho bodhi rājakumāro bhagavantaṃ dūratova āgacchantaṃ.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見た  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bodhi    i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      dūrato    a 遠い、遠隔の  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      āgacchantaṃ.  ā-gam 現分 ant 来る  
    訳文                
     ボーディ王子は遠くからやってくる世尊を見た。  
                       
                       
                       
    325-11.                
     Disvāna paccuggantvā bhagavantaṃ abhivādetvā purakkhatvā yena kokanado pāsādo tenupasaṅkami.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Disvāna  dṛś 見る  
      paccuggantvā  prati-ud-gam 出発する、会いに出てゆく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      purakkhatvā  kṛ 前に置く、尊敬する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      kokanado    a 地名、コーカナダ  
      pāsādo  pra-ā-sad a 高楼、殿堂、重閣  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami.  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     見て出迎え、世尊へ礼拝して前に置き、コーカナダ高楼へ近づいた。  
    メモ                
     ・「前に置き」とはつまり、後ろに付いて案内したということであろう。  
                       
                       
                       
    325-12.                
     Atha kho bhagavā pacchimaṃ sopānakaḷevaraṃ nissāya aṭṭhāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      pacchimaṃ    a 男中 最後の、最低の、西の  
      sopāna    a 男中 依(属) 階段、梯子  
      kaḷevaraṃ    a 男中 階段  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nissāya  ni-śri 依って、依止して、〜のために、近くに  
      aṭṭhāsi.  sthā 立つ  
    訳文                
     ときに世尊は、階段の最下段の近くで立ち止まられた。  
                       
                       
                       
    325-13.                
     Atha kho bodhi rājakumāro bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bodhi    i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     そこでボーディ王子は、世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    325-14.                
     ‘‘abhiruhatu [abhirūhatu (syā. kaṃ. pī.) akkamatu (cūḷava. 268)], bhante, bhagavā dussāni, abhiruhatu sugato dussāni;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘abhiruhatu,  abhi-ruh 上る、あがる  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      dussāni,    a 白布、衣服  
      abhiruhatu  同上  
      sugato  su-gam 名過分 a 善逝  
      dussāni;    a 白布、衣服  
    訳文                
     「尊者よ、世尊は白布を上られよ。善逝は白布を上られよ。  
                       
                       
                       
    325-15.                
     yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      mama    代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assa  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dīgha    a 長い  
      rattaṃ    ā 副対 夜 →長夜に、長時に  
      hitāya    名過分 a 有益な、利益  
      sukhāyā’’    名形 a  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     およそそのことが、私の長きにわたる利益と安楽のためとなるように」と。  
                       
                       
                       
    325-16.                
     Evaṃ vutte, bhagavā tuṇhī ahosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte,  vac 受 過分 a 男中 いわれた  
      bhagavā    ant 世尊  
      tuṇhī    不変 沈黙して  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi.  bhū ある、なる  
    訳文                
     そのように言われて、世尊は沈黙された。  
                       
                       
                       
    325-17.                
     Dutiyampi kho…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dutiyam    名形 a 男→中 副対 ふたたび  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho…pe…    不変 じつに、たしかに  
    訳文                
     ふたたび……  
                       
                       
                       
    325-18.                
     tatiyampi kho bodhi rājakumāro bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      tatiyam    a 副対 みたび  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho bodhi rājakumāro bhagavantaṃ etadavoca – (325-13.)  
    訳文                
     みたび、ボーディ王子は、世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    325-19.                
     ‘‘abhiruhatu, bhante, bhagavā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘abhiruhatu, bhante, bhagavā. (325-14.)  
    訳文                
     「尊者よ、世尊は上られよ。  
                       
                       
                       
    325-20.                
     Dussāni, abhiruhatu sugato dussāni;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dussāni, abhiruhatu sugato dussāni; (325-14.)  
    訳文                
     「尊者よ、世尊は上られよ。善逝は白布を上られよ。  
                       
                       
                       
    325-21.                
     yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’’ti. (325-15.)  
    訳文                
     およそそのことが、私の長きにわたる利益と安楽のためとなるように」と。  
                       
                       
                       
    326-1.                
     326. Atha kho bhagavā āyasmantaṃ ānandaṃ apalokesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānandaṃ  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      apalokesi.  apa-lok? 見る、回顧する  
    訳文                
     ときに世尊は尊者アーナンダをかえりみられた。  
                       
                       
                       
    326-2.                
     Atha kho āyasmā ānando bodhiṃ rājakumāraṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bodhiṃ    i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāraṃ    a 童子  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     そこで尊者アーナンダはボーディ王子にこう言った。  
                       
                       
                       
    326-3.                
     ‘‘saṃharatu, rājakumāra, dussāni;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘saṃharatu,  saṃ-hṛ 集める、たたむ  
      語根 品詞 語基 意味  
      rāja    an 依(属)  
      kumāra,    a 童子  
      dussāni;    a 白布、衣服  
    訳文                
     「王子よ、白布をたたまれよ。  
                       
                       
                       
    326-4.                
     na bhagavā celapaṭikaṃ [celapattikaṃ (sī. pī.)] akkamissati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      bhagavā    ant 世尊  
      cela    a 布、衣  
      paṭikaṃ    ā 白い羊毛布  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      akkamissati.  ā-kram 近づく、攻撃する  
    訳文                
     世尊は布や毛布に近づかれますまい。  
                       
                       
                       
    326-5.                
     Pacchimaṃ janataṃ tathāgato anukampatī’’ti [apaloketīti (sabbattha)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      Pacchimaṃ    a 後の、最後の、最低の、西の  
      janataṃ    ā 人々、群衆  
      tathāgato  tathā-(ā-)gam a 如来  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anukampatī’’  anu-kamp 同情する、憐れむ  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     如来は後の人々を憐れまれております」と。  
    メモ                
     ・このボーディ王子のエピソードは『律蔵』「小品」「第五小事犍度」にパラレルあり。そこではこの出来事の後、釈尊が「比丘は布を踏む勿れ」という律を制定する(さらにその後、請われた場合、足を洗ってからなら踏んでよいと修正される)。  
     ・『註』はこれに関して、ボーディ王子は嗣子が無く(過去世に小鳥を食べ尽くした因縁という)、子が生まれる願掛け・吉凶占いとしてこの布を敷いたが、釈尊は自分が布を踏もうが踏むまいが王子に子ができないことを看破し、無益な迷信の流行を抑止するべくこの学処を制定したのだと説明する。  
     ・しかし、因果関係を逆に「人の布を踏んで汚してはいけない」という律がまず先にあり、ゆえに王子の招請が断られた、という方がシンプルで筋が通るようにも思われるのだが。そう考えれば、ここでのPacchimaṃ janataṃも「迷信にとらわれるべからざる後代の人々」という壮大な話ではなく、単に「後でその布を使う人たち」という意味にも考えられる。  
                       
                       
                       
    326-6.                
     Atha kho bodhi rājakumāro dussāni saṃharāpetvā uparikokanadapāsāde [uparikokanade pāsāde (sī. pī. vinayeca), uparikokanade (syā. kaṃ.)] āsanāni paññapesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bodhi    i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      dussāni    a 白布、衣服  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṃharāpetvā  saṃ-hṛ 使 たたませる  
      語根 品詞 語基 意味  
      upari    不変 上の、上方の  
      kokanada    a 地名、コーカナダ  
      pāsāde  pra-ā-sad a 高楼、殿堂、重閣  
      āsanāni  ās a 坐処、坐具  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paññapesi.  pra-jñā 使 知らしめる、施設する、用意する  
    訳文                
     そこでボーディ王子は白布をたたませ、コーカナダ高楼の上階に座を用意した。  
                       
                       
                       
    326-7.                
     Atha kho bhagavā kokanadaṃ pāsādaṃ abhiruhitvā paññatte āsane nisīdi saddhiṃ bhikkhusaṅghena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      kokanadaṃ    a 地名、コーカナダ  
      pāsādaṃ  pra-ā-sad a 高楼、殿堂、重閣  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhiruhitvā  abhi-ruh 上る、あがる  
      語根 品詞 語基 意味  
      paññatte  pra-jñā 使 過分 a 知らしめる、施設する、用意する  
      āsane  ās a 坐処、坐具  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi  ni-sad 坐る  
      語根 品詞 語基 意味  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に  
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘  
      saṅghena.  saṃ-hṛ a 僧伽、衆  
    訳文                
     そこで世尊はコーカナダ高楼へあがり、比丘僧伽とともに用意された座に坐られた。  
                       
                       
                       
    326-8.                
     Atha kho bodhi rājakumāro buddhappamukhaṃ bhikkhusaṅghaṃ paṇītena khādanīyena bhojanīyena sahatthā santappesi sampavāresi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bodhi    i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      buddha  budh 名過分 a 有(持) 仏陀、覚者  
      pamukhaṃ    a 首長の、上首とする  
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘、(特に男性の)出家者  
      saṅghaṃ  saṃ-hṛ a 僧伽、(特に仏教の)教団  
      paṇītena  pra-nī 過分 a 適用された、優れた、勝妙の  
      khādanīyena  khād 名未分 a 硬食  
      bhojanīyena  bhuj 使 名未分 a 軟食  
      sahatthā    名形 a 自分の手  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      santappesi  saṃ-tṛp 使 満足させる、喜ばせる  
      sampavāresi.  saṃ-pra-vṛ 使 取らせる、提供する  
    訳文                
     そしてボーディ王子は、ブッダをはじめとする比丘僧伽に、手ずから勝妙の硬食・軟食をもってもてなし、満足させた。  
                       
                       
                       
    326-9.                
     Atha kho bodhi rājakumāro bhagavantaṃ bhuttāviṃ onītapattapāṇiṃ aññataraṃ nīcaṃ āsanaṃ gahetvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bodhi    i 人名、ボーディ  
      rāja    an 依(属)  
      kumāro    a 童子  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      bhuttāviṃ  bhuj 名形 in 食者  
      onīta  ava-nī a 有(持) おろした、はなした  
      patta    a 男中 依(奪)  
      pāṇiṃ    i  
      aññataraṃ    代的 随一、ある  
      nīcaṃ    a 低い、卑しい  
      āsanaṃ  ās a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gahetvā  grah 取る、捉える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     ときにボーディ王子は、食べおわり、鉢から手を離した世尊に対し、別の低い座を取って、一方へ坐った。