←前へ   トップへ   次へ→
                       
                       
     3. Mahāvacchasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahā    ant 大きい  
      vaccha    a 依(属) 人名、ヴァッチャ  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「大ヴァッチャ経」(『中部』73  
                       
                       
                       
    193-1.                
     193. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ   不変 このように  
      me   代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた、所聞  
    訳文                
     このように私は聞いた。  
                       
                       
                       
    193-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā rājagahe viharati veḷuvane kalandakanivāpe.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ    a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      rājagahe    a 地名、ラージャガハ、王舎城  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      veḷuvane    a 竹林、竹林園  
      kalandaka    a 有(属) リス  
      nivāpe.  ni-vap a 撒き餌、えさ  
    訳文                
     あるとき世尊は、ラージャガハのカランダカニヴァーパ竹林園に住しておられた。  
    メモ                
     ・これまで「リス飼育所」としてきたが、固有名詞として訳することにする。  
                       
                       
                       
    193-3.                
     Atha kho vacchagotto paribbājako yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      vaccha    a 有(持) 人名、ヴァッチャ  
      gotto    a 氏姓、家系  
      paribbājako  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときに、ヴァッチャ氏族の遍歴行者が、世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    193-4.                
     upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavatā    ant 世尊  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     近づいて、世尊と挨拶した。  
                       
                       
                       
    193-5.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  saṃ-raj 未分 a 相慶慰すべき、喜ぶべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati-sṛ 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     喜ばしき慶賀の言葉を交わして一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    193-6.                
     Ekamantaṃ nisinno kho vacchagotto paribbājako bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      vaccha    a 有(持) 人名、ヴァッチャ  
      gotto    a 氏姓、家系  
      paribbājako  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐ったヴァッチャ氏族の遍歴行者は、世尊へこういった。  
                       
                       
                       
    193-7.                
     ‘‘dīgharattāhaṃ bhotā gotamena sahakathī.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘dīgha    a 長い  
      rattaṃ    a 副対 夜 →長時に  
      ahaṃ    代的  
      bhotā  bhū 名現分 ant(特) 尊者  
      gotamena    a 人名、ゴータマ  
      sahakathī.    in 共語者、ともに語る  
    訳文                
     「長い間、私は尊者ゴータマと対話してきました。  
                       
                       
                       
    193-8.                
     Sādhu me bhavaṃ gotamo saṃkhittena kusalākusalaṃ desetū’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sādhu  sādh 不変 善哉、なにとぞ  
      me    代的  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      saṃkhittena  saṃ-kṣip a 副具 要略すれば、簡潔には  
      kusala    a 善き、善巧の  
      akusalaṃ    a 不善の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desetū’’  diś 使 示す  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     なにとぞ、尊者ゴータマは私へ、善不善について簡略にご教示下さい」と。  
                       
                       
                       
    193-9.                
     ‘‘Saṃkhittenapi kho te ahaṃ, vaccha, kusalākusalaṃ deseyyaṃ, vitthārenapi kho te ahaṃ, vaccha, kusalākusalaṃ deseyyaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Saṃkhittena  saṃ-kṣip a 副具 要略すれば、簡潔には  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      te    代的 あなた  
      ahaṃ,    代的  
      vaccha,    a 人名、ヴァッチャ  
      kusala    a 善き、善巧の  
      akusalaṃ    a 不善の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      deseyyaṃ,  diś 使 能反 示す  
      語根 品詞 語基 意味  
      vitthārena  vi-stṛ 使 a 副具 広説すれば、詳細には  
      pi kho te ahaṃ, vaccha, kusalākusalaṃ deseyyaṃ; (同上)  
    訳文                
     「私はあなたへ、善不善について簡略に教示することもできます。また私はあなたへ、善不善について詳細に教示することもできます。  
                       
                       
                       
    193-10.                
     api ca te ahaṃ, vaccha, saṃkhittena kusalākusalaṃ desessāmi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      te ahaṃ, vaccha, saṃkhittena kusalākusalaṃ (193-9.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desessāmi.  diś 使 示す  
    訳文                
     では私はあなたへ、善不善について簡略に教示することにします。  
                       
                       
                       
    193-11.                
     Taṃ suṇāhi, sādhukaṃ manasi karohi, bhāsissāmī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      suṇāhi,  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      sādhukaṃ  sādh a 副対 よい、十分に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      manasi karohi,  manasi-kṛ 作意する  
      bhāsissāmī’’  bhāṣ 語る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     あなたはそれを聞き、よく作意してください。私は語ることにしましょう」  
                       
                       
                       
    193-12.                
     ‘‘Evaṃ, bho’’ti kho vacchagotto paribbājako bhagavato paccassosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bho’’  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      vaccha    a 有(持) 人名、ヴァッチャ  
      gotto    a 氏姓、家系  
      paribbājako  pari-vraj a 遍歴者、遊行者  
      bhagavato    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccassosi.  prati-śru 応諾する、同意する、応える  
    訳文                
     「尊者よ、そのように」と、ヴァッチャ氏族の遍歴行者は世尊へ応えた。  
                       
                       
                       
    193-13.                
     Bhagavā etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhagavā    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca – vac いう  
    訳文                
     世尊はこう仰った。  
                       
                       
                       
    194-1.                
     194. ‘‘Lobho kho, vaccha, akusalaṃ, alobho kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Lobho    a 貪、貪欲、欲  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vaccha,    a 人名、ヴァッチャ  
      akusalaṃ,    a 不善の  
      alobho    a 無貪、無貪欲  
      kusalaṃ;    a 善き、善巧の  
    訳文                
     「ヴァッチャよ、貪は不善であり、無貪は善です。  
                       
                       
                       
    194-2.                
     doso kho, vaccha, akusalaṃ, adoso kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      doso    a 瞋、瞋恚  
      kho, vaccha, akusalaṃ, adoso kusalaṃ; (194-1.)  
      adoso    a 無瞋  
    訳文                
     ヴァッチャよ、瞋は不善であり、無瞋は善です。  
                       
                       
                       
    194-3.                
     moho kho, vaccha, akusalaṃ, amoho kusalaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      moho    a 痴、愚痴  
      kho, vaccha, akusalaṃ, amoho kusalaṃ. (194-1.)  
      amoho   a 不痴の  
    訳文                
     ヴァッチャよ、痴は不善です。不痴は善です。  
                       
                       
                       
    194-4.                
     Iti kho, vaccha, ime tayo dhammā akusalā, tayo dhammā kusalā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vaccha,    a 人名、ヴァッチャ  
      ime    代的 これら  
      tayo     
      dhammā  dhṛ a 男中  
      akusalā,    a 不善の  
      tayo     
      dhammā  dhṛ a 男中  
      kusalā.    a 善き、善巧の  
    訳文                
     ヴァッチャよ、このように、これら三つの不善法、これら三つの善法があります。  
                       
                       
                       
    194-5.                
     ‘‘Pāṇātipāto kho, vaccha, akusalaṃ, pāṇātipātā veramaṇī kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Pāṇa  pra-an a 依(対) 生き物  
      atipāto  ati-pat a たおすこと、伐つこと →殺生  
      kho, vaccha, akusalaṃ, pāṇātipātā veramaṇī kusalaṃ; (194-1.)  
      pāṇa  pra-an a 依(対) 生き物  
      atipātā  ati-pat a たおすこと、伐つこと →殺生  
      veramaṇī  vi-ram ī 離、離れること  
    訳文                
     ヴァッチャよ、殺生は不善です。殺生から離れることは善です。  
                       
                       
                       
    194-6.                
     adinnādānaṃ kho, vaccha, akusalaṃ, adinnādānā veramaṇī kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      adinna  a-dā 過分 a 依(対) 与えられないもの  
      ādānaṃ  ā-dā a 取、取ること →偸盗  
      kho, vaccha, akusalaṃ, adinnādānā veramaṇī kusalaṃ; (194-5.)  
      adinna  a-dā 過分 a 依(対) 与えられないもの  
      ādānā  ā-dā a 取、取ること →偸盗  
    訳文                
     ヴァッチャよ、偸盗は不善です。偸盗から離れることは善です。  
                       
                       
                       
    194-7.                
     kāmesumicchācāro kho, vaccha, akusalaṃ, kāmesumicchācārā veramaṇī kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      kāmesu    a 男中  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      cāro  car a 行 →邪淫  
      kho, vaccha, akusalaṃ, kāmesumicchācārā  veramaṇī kusalaṃ; (194-5.)  
      kāmesu    a 男中  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      cārā  car a 男中 行 →邪淫  
    訳文                
     ヴァッチャよ、邪淫は不善です。邪淫から離れることは善です。  
                       
                       
                       
    194-8.                
     musāvādo kho, vaccha, akusalaṃ, musāvādā veramaṇī kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      musā    不変 虚妄に、偽って  
      vādo  vad a 説、語、論 →妄語  
      kho, vaccha, akusalaṃ, musāvādā  veramaṇī kusalaṃ; (194-5.)  
      musā    不変 虚妄に、偽って  
      vādā  vad a 説、語、論 →妄語  
    訳文                
     ヴァッチャよ、妄語は不善です。妄語から離れることは善です。  
                       
                       
                       
    194-9.                
     pisuṇā vācā kho, vaccha, akusalaṃ, pisuṇāya vācāya veramaṇī kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      pisuṇā    a 離間の、中傷の  
      vācā  vac ā 語、言葉 →両舌  
      kho, vaccha, akusalaṃ, pisuṇāya vācāya veramaṇī kusalaṃ; (194-5.)  
      pisuṇāya    a 離間の、中傷の  
      vācāya  vac ā 語、言葉 →両舌  
    訳文                
     ヴァッチャよ、両舌は不善です。両舌から離れることは善です。  
                       
                       
                       
    194-10.                
     pharusā vācā kho, vaccha, akusalaṃ, pharusāya vācāya veramaṇī kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      pharusā    a 粗暴な、麁悪な  
      vācā  vac ā 語、言葉 →悪口  
      kho, vaccha, akusalaṃ, pharusāya vācāya veramaṇī kusalaṃ; (194-5.)  
      pharusāya    a 粗暴な、麁悪な  
      vācāya  vac ā 語、言葉 →悪口  
    訳文                
     ヴァッチャよ、悪口は不善です。悪口から離れることは善です。  
                       
                       
                       
    194-11.                
     samphappalāpo kho, vaccha, akusalaṃ, samphappalāpā veramaṇī kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      sampha    a 雑穢の、綺(かざ)った  
      palāpo    a 駄弁、談論; もみがら →綺語  
      kho, vaccha, akusalaṃ, samphappalāpā veramaṇī kusalaṃ; (194-5.)  
      sampha    a 雑穢の、綺(かざ)った  
      palāpā    a 駄弁、談論; もみがら →綺語  
    訳文                
     ヴァッチャよ、綺語は不善です。綺語から離れることは善です。  
                       
                       
                       
    194-12.                
     abhijjhā kho, vaccha, akusalaṃ, anabhijjhā kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      abhijjhā  abhi-dhī ā 貪欲  
      kho, vaccha, akusalaṃ, anabhijjhā kusalaṃ; (194-1.)  
      anabhijjhā  an-abhi-dhī ā 不貪欲  
    訳文                
     ヴァッチャよ、貪欲は不善です。不貪欲は善です。  
                       
                       
                       
    194-13.                
     byāpādo kho, vaccha, akusalaṃ, abyāpādo kusalaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      byāpādo  vi-ā-pad a 瞋恚  
      kho, vaccha, akusalaṃ, abyāpādo kusalaṃ; (194-1.)  
      abyāpādo  a-vi-ā-pad a 無瞋恚  
    訳文                
     ヴァッチャよ、瞋恚は不善です。不瞋恚は善です。  
                       
                       
                       
    194-14.                
     micchādiṭṭhi kho, vaccha, akusalaṃ sammādiṭṭhi kusalaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      diṭṭhi  dṛś i 見、見解  
      kho, vaccha, akusalaṃ, sammādiṭṭhi kusalaṃ. (194-1.)  
      sammā   不変 正しい、正しく  
       diṭṭhi  dṛś i 見、見解  
    訳文                
     ヴァッチャよ、邪見は不善です。正見は善です。  
                       
                       
                       
    194-15.                
     Iti kho, vaccha, ime dasa dhammā akusalā, dasa dhammā kusalā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti kho, vaccha, ime dasa dhammā akusalā, dasa dhammā kusalā. (194-4.)  
      dasa    善き、善巧の  
    訳文                
     ヴァッチャよ、このように、これら十の不善法、これら十の善法があります。  
                       
                       
                       
    194-16.                
     ‘‘Yato kho, vaccha, bhikkhuno taṇhā pahīnā hoti ucchinnamūlā tālāvatthukatā anabhāvaṃkatā āyatiṃ anuppādadhammā, so hoti bhikkhu arahaṃ khīṇāsavo vusitavā katakaraṇīyo ohitabhāro anuppattasadattho parikkhīṇabhavasaṃyojano sammadaññā vimutto’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば(yaの奪格)  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vaccha,    a 人名、ヴァッチャ  
      bhikkhuno  bhikṣ u 比丘  
      taṇhā    ā 渇愛、愛  
      pahīnā  pra-hā 過分 a 捨てられた、断ぜられた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ucchinna  ud-chid 過分 a 有(持) 断たれた  
      mūlā    a 中→女  
      tāla    a 有(持) ターラ樹、棕櫚  
      avatthu  a-vas u 依(対) 基礎なき  
      katā  kṛ 過分 a なされた  
      anabhāvaṃ    a 非有、虚無  
      katā  kṛ 過分 a なされた  
      āyatiṃ    i 副対 未来に  
      anuppāda  an-ud-pad a 有(属) 無生  
      dhammā,  dhṛ a 男中→女  
      so    代的 それ、彼  
      hoti  同上  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      arahaṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      khīṇa  kṣī 受 過分 a 有(持) 尽きた  
      āsavo  ā-sru a  
      vusitavā  ava-sā? ant 修行完成した  
      kata  kṛ 過分 a 有(持) なされた  
      karaṇīyo  kṛ 名未分 a 中→男 なされるべき  
      ohita  ava-dhā 過分 a 有(持) おいた、下ろした  
      bhāro  bhṛ a 重荷、荷物  
      anuppatta  anu-pra-āp 過分 a 有(持) 得達した  
      sadattho    a 自己の利  
      parikkhīṇa  pari-kṣī 受 過分 a 有(持) 消尽した、滅尽した  
      bhava  bhū a 依(与) 有、存在  
      saṃyojano  saṃ-yuj a 中→男 結縛、繋縛  
      sammad    不変 正しく  
      aññā  ā-jñā ā 依(具) 了知  
      vimutto’’  vi-muc 過分 a 解脱した  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ヴァッチャよ、比丘の渇愛が捨断され、根を断たれており、基礎なきターラ樹のようになされ、虚ろなものとなされ、将来に生じない性質のものとなっているならば、その比丘は阿羅漢であり、漏が尽き、修行完成し、なされるべき事がなされ、重荷を下ろし、自己の利を得達し、有への繋縛が消尽し、正しく了知によって解脱した者となるのです」  
                       
                       
                       
    195-1.                
     195. ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Tiṭṭhatu  sthā 立つ、とどまる  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamo.    a 人名、ゴータマ  
    訳文                
     「尊者ゴータマはさておきます。  
                       
                       
                       
    195-2.                
     Atthi pana te bhoto gotamassa ekabhikkhupi sāvako yo āsavānaṃ khayā [sāvako āsavānaṃ khayā (sī. syā. kaṃ. pī.) evamuparipi] anāsavaṃ cetovimuttiṃ paññāvimuttiṃ diṭṭheva dhamme sayaṃ abhiññā sacchikatvā upasampajja viharatī’’ti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      te    代的 あなた  
      bhoto  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      eka    代的  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      sāvako  śru a 弟子、声聞  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      āsavānaṃ  ā-sru a  
      khayā  kṣi a 尽、滅尽  
      anāsavaṃ  an-ā-sru a 漏なき  
      ceto  cit as 依(属)  
      vimuttiṃ  vi-muc 受 i 解脱  
      paññā  pra-jñā ā 依(属)  
      vimuttiṃ  vi-muc 受 i 解脱  
      diṭṭhe  dṛś 過分 a 男中 見られた、見、所見  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      dhamme  dhṛ a 男中 法 →現法、現世  
      sayaṃ    不変 自ら、自分で  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhiññā  abhi-jñā 証知する、自証する  
      sacchikatvā  kṛ 作証する、証明をなす、さとる  
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達する、成就する、具足する  
      viharatī’’  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかし、あなたこと尊者ゴータマの弟子で、たとえ一人の比丘でも、およそ漏の滅尽により、漏なき心解脱、慧解脱を現世で自ら知り、悟り、成就し、住するような者があるのでしょうか。  
                       
                       
                       
    195-3.                
     ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova ye bhikkhū mama sāvakā āsavānaṃ khayā anāsavaṃ cetovimuttiṃ paññāvimuttiṃ diṭṭheva dhamme sayaṃ abhiññā sacchikatvā upasampajja viharantī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vaccha,    a 人名、ヴァッチャ  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      sataṃ    a  
      na    不変 ない  
      dve     
      satāni    a  
      na    不変 ない  
      tīṇi     
      satāni    a  
      na    不変 ない  
      cattāri     
      satāni    a  
      na    不変 ない  
      pañca     
      satāni,    a  
      atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhiyyo    不変 より多く  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      ye    代的 (関係代名詞)  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      mama    代的  
      sāvakā  śru a 弟子、声聞  
      āsavānaṃ khayā anāsavaṃ cetovimuttiṃ paññāvimuttiṃ diṭṭheva dhamme sayaṃ abhiññā sacchikatvā upasampajja viharantī’’ti. (195-2.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharantī’’  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     「ヴァッチャよ、およそ漏の滅尽により、漏なき心解脱、慧解脱を現世で自ら知り、悟り、成就し、住するような私の弟子たる比丘たちは、百のみならず、二百のみならず、三百のみならず、四百のみならず、五百のみならず、さらに多く存在します」  
                       
                       
                       
    195-4.                
     ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū. (195-1.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      tiṭṭhantu  sthā 立つ、とどまる  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhikkhū.  bhikṣ u 比丘  
    訳文                
     「尊者ゴータマはさておきます。比丘たちはさておきます。  
                       
                       
                       
    195-5.                
     Atthi pana bhoto gotamassa ekā bhikkhunīpi sāvikā yā āsavānaṃ khayā anāsavaṃ cetovimuttiṃ paññāvimuttiṃ diṭṭheva dhamme sayaṃ abhiññā sacchikatvā upasampajja viharatī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atthi pana bhoto gotamassa ekā bhikkhunīpi sāvikā yā āsavānaṃ khayā anāsavaṃ cetovimuttiṃ paññāvimuttiṃ diṭṭheva dhamme sayaṃ abhiññā sacchikatvā upasampajja viharatī’’ti? (195-2.)  
      ekā    代的  
      bhikkhunī  bhikṣ ī 比丘尼  
      sāvikā  śru ā 女性弟子  
          代的 (関係代名詞)  
    訳文                
     しかし、尊者ゴータマの女性弟子で、たとえ一人の比丘尼でも、およそ漏の滅尽により、漏なき心解脱、慧解脱を現世で自ら知り、悟り、成就し、住するような者があるのでしょうか」  
                       
                       
                       
    195-6.                
     ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova yā bhikkhuniyo mama sāvikā āsavānaṃ khayā anāsavaṃ cetovimuttiṃ paññāvimuttiṃ diṭṭheva dhamme sayaṃ abhiññā sacchikatvā upasampajja viharantī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova yā bhikkhuniyo mama sāvikā āsavānaṃ khayā anāsavaṃ cetovimuttiṃ paññāvimuttiṃ diṭṭheva dhamme sayaṃ abhiññā sacchikatvā upasampajja viharantī’’ti. (195-3.)  
          代的 (関係代名詞)  
      bhikkhuniyo  bhikṣ ī 比丘尼  
      sāvikā  śru ā 女性弟子  
    訳文                
     「ヴァッチャよ、およそ漏の滅尽により、漏なき心解脱、慧解脱を現世で自ら知り、悟り、成就し、住するような私の女性弟子たる比丘尼たちは、百のみならず、二百のみならず、三百のみならず、四百のみならず、五百のみならず、さらに多く存在します」  
                       
                       
                       
    195-7.                
     ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū, tiṭṭhantu bhikkhuniyo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū, tiṭṭhantu (195-4.)  
      bhikkhuniyo.  bhikṣ ī 比丘尼  
    訳文                
     「尊者ゴータマはさておきます。比丘たちはさておきます。比丘尼たちはさておきます。  
                       
                       
                       
    195-8.                
     Atthi pana bhoto gotamassa ekupāsakopi sāvako gihī odātavasano brahmacārī yo pañcannaṃ orambhāgiyānaṃ saṃyojanānaṃ parikkhayā opapātiko tattha parinibbāyī anāvattidhammo tasmā lokā’’ti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhoto  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      eka    代的  
      upāsako    a 優婆塞  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      sāvako  śru a 弟子、声聞  
      gihī    名形 in 在家の  
      odāta    a 有(持) 白い  
      vasano  vas a 中→男  
      brahmacārī  bṛh, car in 梵行者  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      pañcannaṃ     
      orambhāgiyānaṃ    a 下分  
      saṃyojanānaṃ  saṃ-yuj a 結、繋縛  
      parikkhayā  pari-kṣi a 遍尽、尽滅  
      opapātiko    a 化生の  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      parinibbāyī    in 般涅槃者  
      anāvatti  an-ā-vṛt in 有(属) 不還  
      dhammo  dhṛ a 男中 法 →不還者  
      tasmā    代的 それ、彼  
      lokā’’    a 世界、世間  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかし、尊者ゴータマの弟子で、たとえ一人の在家白衣の梵行者である優婆塞でも、およそ、五下分結の滅尽によって化生者となり、そこで般涅槃してその世界から還らざる者があるのでしょうか」  
    メモ                
     ・優婆塞でありながら梵行者として不還に達する者たちが多数存在する、と明記されているのは珍しい記述である。  
     ・「在家白衣の梵行者/受欲者という分類自体は『長部』「清浄経」に既に出る。  
                       
                       
                       
    195-9.                
     ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova ye upāsakā mama sāvakā gihī odātavasanā brahmacārino pañcannaṃ orambhāgiyānaṃ saṃyojanānaṃ parikkhayā opapātikā tattha parinibbāyino anāvattidhammā tasmā lokā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova ye upāsakā mama sāvakā (195-3.)  
      upāsakā    a 優婆塞  
      gihī    名形 in 在家の  
      odāta    a 有(持) 白い  
      vasanā  vas a 中→男  
      brahmacārino  bṛh, car in 梵行者  
      pañcannaṃ     
      orambhāgiyānaṃ    a 下分  
      saṃyojanānaṃ  saṃ-yuj a 結、繋縛  
      parikkhayā  pari-kṣi a 遍尽、尽滅  
      opapātikā    a 化生の  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      parinibbāyino    in 般涅槃者  
      anāvatti  an-ā-vṛt in 有(属) 不還  
      dhammā  dhṛ a 男中 法 →不還者  
      tasmā    代的 それ、彼  
      lokā’’    a 世界、世間  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「ヴァッチャよ、およそ五下分結の滅尽によって化生者となり、そこで般涅槃してその世界から還らざる者たちとなるような私の弟子にして在家白衣の梵行者である優婆塞たちは、百のみならず、二百のみならず、三百のみならず、四百のみならず、五百のみならず、さらに多く存在します」  
                       
                       
                       
    195-10.                
     ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū, tiṭṭhantu bhikkhuniyo, tiṭṭhantu upāsakā gihī odātavasanā brahmacārino.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū, tiṭṭhantu bhikkhuniyo, tiṭṭhantu (195-7.)  
      upāsakā    a 優婆塞  
      gihī    名形 in 在家の  
      odāta    a 有(持) 白い  
      vasanā  vas a 中→男  
      brahmacārino.  bṛh, car in 梵行者  
    訳文                
     「尊者ゴータマはさておきます。比丘たちはさておきます。比丘尼たちはさておきます。在家白衣の梵行者である優婆塞たちはさておきます。  
                       
                       
                       
    195-11.                
     Atthi pana bhoto gotamassa ekupāsakopi sāvako gihī odātavasano kāmabhogī sāsanakaro ovādappaṭikaro yo tiṇṇavicikiccho vigatakathaṃkatho vesārajjappatto aparappaccayo satthusāsane viharatī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atthi pana bhoto gotamassa ekupāsakopi sāvako gihī odātavasano (195-8.)  
      kāma    a 男中 依(対)  
      bhogī  bhuj in 受用する、財ある  
      sāsana  śās a 依(具) 教説  
      karo  kṛ 名形 a なす、手  
      ovāda  ava-vad a 有(処) 教誡、教訓  
      paṭikaro  prati-kṛ a 懺悔、贖罪、対策  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      tiṇṇa  tṛ 過分 a 有(持) 渡った、度脱した、超えた  
      vicikiccho  vi-cit 意 ā 女→男 疑、疑惑  
      vigata  vi-gam 過分 a 有(持) 去った  
      kathaṃkatho    ā 女→男 疑惑、猶予  
      vesārajja    a 依(対) 無畏、自信  
      patto  pra-āp 過分 a 得られた  
      a    不変 (否定の接頭辞)  
      para    代的 有(持) 他の  
      paccayo  prati-i a 縁、資具  
      satthu  śās ar 依(属)  
      sāsane  śās a 教説  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharatī’’  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかし、尊者ゴータマの弟子で、たとえ一人の在家白衣の受欲者であり、教説の通りになし、教誡において懺悔する優婆塞でも、およそ師の教説に関して、疑惑を超え、疑念を去り、無畏を得て、他の縁なく住するような者があるのでしょうか」  
    メモ                
     ・「アンバッタ経」のポッカラサーティや「クータダンタ経」のクータダンタが法眼を開いた(=預流果となった)描写に同じ。  
                       
                       
                       
    195-12.                
     ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova ye upāsakā mama sāvakā gihī odātavasanā kāmabhogino sāsanakarā ovādappaṭikarā tiṇṇavicikicchā vigatakathaṃkathā vesārajjappattā aparappaccayā satthusāsane viharantī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova ye upāsakā mama sāvakā gihī odātavasanā (195-9.)  
      kāma    a 男中 依(対)  
      bhogino  bhuj in 受用する、財ある  
      sāsana  śās a 依(具) 教説  
      karā  kṛ 名形 a なす、手  
      ovāda  ava-vad a 有(処) 教誡、教訓  
      paṭikarā  prati-kṛ a 懺悔、贖罪、対策  
      tiṇṇa  tṛ 過分 a 有(持) 渡った、度脱した、超えた  
      vicikicchā  vi-cit 意 ā 女→男 疑、疑惑  
      vigata  vi-gam 過分 a 有(持) 去った  
      kathaṃkathā    ā 女→男 疑惑、猶予  
      vesārajja    a 依(対) 無畏、自信  
      pattā  pra-āp 過分 a 得られた  
      a    不変 (否定の接頭辞)  
      para    代的 有(持) 他の  
      paccayā  prati-i a 縁、資具  
      satthu  śās ar 依(属)  
      sāsane  śās a 教説  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharantī’’  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「ヴァッチャよ、およそ師の教説に関して、疑惑を超え、疑念を去り、無畏を得て、他の縁なく住するような、私の弟子にして在家白衣の受欲者であり、教説の通りになし、教誡において懺悔する優婆塞たちは、百のみならず、二百のみならず、三百のみならず、四百のみならず、五百のみならず、さらに多く存在します」  
                       
                       
                       
    195-13.                
     ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū, tiṭṭhantu bhikkhuniyo, tiṭṭhantu upāsakā gihī odātavasanā brahmacārino, tiṭṭhantu upāsakā gihī odātavasanā kāmabhogino.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū, tiṭṭhantu bhikkhuniyo, tiṭṭhantu upāsakā gihī odātavasanā brahmacārino, tiṭṭhantu upāsakā gihī odātavasanā (195-10.)  
      kāma    a 男中 依(対)  
      bhogino.  bhuj in 受用する、財ある  
    訳文                
     「尊者ゴータマはさておきます。比丘たちはさておきます。比丘尼たちはさておきます。在家白衣の梵行者である優婆塞たちはさておきます。在家白衣の受欲者である優婆塞たちはさておきます。  
                       
                       
                       
    195-14.                
     Atthi pana bhoto gotamassa ekupāsikāpi sāvikā gihinī odātavasanā brahmacārinī yā pañcannaṃ orambhāgiyānaṃ saṃyojanānaṃ parikkhayā opapātikā tattha parinibbāyinī anāvattidhammā tasmā lokā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atthi pana bhoto gotamassa ekupāsikāpi sāvikā gihinī odātavasanā brahmacārinī yā pañcannaṃ orambhāgiyānaṃ saṃyojanānaṃ parikkhayā opapātikā tattha parinibbāyinī anāvattidhammā tasmā lokā’’ti? (195-8.)  
      upāsikā    ā 優婆夷  
      sāvikā  śru ā 女性弟子  
      gihinī    名形 in 在家の  
      vasanā  vas a 中→女  
      brahmacārinī  bṛh, car in 梵行者  
          代的 (関係代名詞)  
      opapātikā    a 化生の  
      parinibbāyinī    in 般涅槃者  
      dhammā  dhṛ a 男中→女  
    訳文                
     しかし、尊者ゴータマの女性弟子で、たとえ一人の在家白衣の梵行者である優婆夷でも、およそ、五下分結の滅尽によって化生者となり、そこで般涅槃してその世界から還らざる者があるのでしょうか」  
                       
                       
                       
    195-15.                
     ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova yā upāsikā mama sāvikā gihiniyo odātavasanā brahmacāriniyo pañcannaṃ orambhāgiyānaṃ saṃyojanānaṃ parikkhayā opapātikā tattha parinibbāyiniyo anāvattidhammā tasmā lokā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova yā upāsikā mama sāvikā gihiniyo odātavasanā brahmacāriniyo pañcannaṃ orambhāgiyānaṃ saṃyojanānaṃ parikkhayā opapātikā tattha parinibbāyiniyo anāvattidhammā tasmā lokā’’ti. (195-9.)  
          代的 (関係代名詞)  
      upāsikā    ā 優婆夷  
      sāvikā  śru ā 女性弟子  
      gihiniyo    名形 in 在家の  
      vasanā  vas a 中→女  
      brahmacāriniyo  bṛh, car in 梵行者  
      opapātikā    a 化生の  
      parinibbāyiniyo    in 般涅槃者  
      dhammā  dhṛ a 男中→女  
    訳文                
     「ヴァッチャよ、およそ五下分結の滅尽によって化生者となり、そこで般涅槃してその世界から還らざる者たちとなるような私の女性弟子にして在家白衣の梵行者である優婆夷たちは、百のみならず、二百のみならず、三百のみならず、四百のみならず、五百のみならず、さらに多く存在します」  
                       
                       
                       
    195-16.                
     ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū, tiṭṭhantu bhikkhuniyo, tiṭṭhantu upāsakā gihī odātavasanā brahmacārino, tiṭṭhantu upāsakā gihī odātavasanā kāmabhogino, tiṭṭhantu upāsikā gihiniyo odātavasanā brahmacāriniyo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tiṭṭhatu bhavaṃ gotamo, tiṭṭhantu bhikkhū, tiṭṭhantu bhikkhuniyo, tiṭṭhantu upāsakā gihī odātavasanā brahmacārino, tiṭṭhantu upāsakā gihī odātavasanā kāmabhogino, tiṭṭhantu  (195-13.)  
      upāsikā    ā 優婆夷  
      gihiniyo    名形 in 在家の  
      odāta    a 有(持) 白い  
      vasanā  vas a 中→女  
      brahmacāriniyo.  bṛh, car in 梵行者  
    訳文                
     「尊者ゴータマはさておきます。比丘たちはさておきます。比丘尼たちはさておきます。在家白衣の梵行者である優婆塞たちはさておきます。在家白衣の受欲者である優婆塞たちはさておきます。在家白衣の梵行者である優婆夷たちはさておきます。  
                       
                       
                       
    195-17.                
     Atthi pana bhoto gotamassa ekupāsikāpi sāvikā gihinī odātavasanā kāmabhoginī sāsanakarā ovādappaṭikarā yā tiṇṇavicikicchā vigatakathaṃkathā vesārajjappattā aparappaccayā satthusāsane viharatī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atthi pana bhoto gotamassa ekupāsikāpi sāvikā gihinī odātavasanā kāmabhoginī sāsanakarā ovādappaṭikarā yā tiṇṇavicikicchā vigatakathaṃkathā vesārajjappattā aparappaccayā satthusāsane viharatī’’ti? (195-11.)  
      upāsikā    ā 優婆夷  
      sāvikā  śru ā 女性弟子  
      gihinī    名形 in 在家の  
      vasanā  vas a 中→女  
      bhoginī  bhuj in 受用する、財ある  
      karā  kṛ 名形 a 男→女 なす、手  
          代的 (関係代名詞)  
      vicikicchā  vi-cit 意 ā 疑、疑惑  
      kathaṃkathā    ā 疑惑、猶予  
      pattā  pra-āp 過分 a 得られた  
      paccayā  prati-i a 縁、資具  
    訳文                
     しかし、尊者ゴータマの女性弟子で、たとえ一人の在家白衣の受欲者であり、教説の通りになし、教誡において懺悔する優婆夷でも、およそ師の教説に関して、疑惑を超え、疑念を去り、無畏を得て、他の縁なく住するような者があるのでしょうか」  
                       
                       
                       
    195-18.                
     ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova yā upāsikā mama sāvikā gihiniyo odātavasanā kāmabhoginiyo sāsanakarā ovādappaṭikarā tiṇṇavicchikicchā vigatakathaṃkathā vesārajjappattā aparappaccayā satthusāsane viharantī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na kho, vaccha, ekaṃyeva sataṃ na dve satāni na tīṇi satāni na cattāri satāni na pañca satāni, atha kho bhiyyova yā upāsikā mama sāvikā gihiniyo odātavasanā kāmabhoginiyo sāsanakarā ovādappaṭikarā tiṇṇavicchikicchā vigatakathaṃkathā vesārajjappattā aparappaccayā satthusāsane viharantī’’ti. (195-12.)  
          代的 (関係代名詞)  
      upāsikā    ā 優婆夷  
      sāvikā  śru ā 女性弟子  
      gihiniyo    名形 in 在家の  
      vasanā  vas a 中→女  
      bhoginiyo  bhuj in 受用する、財ある  
      karā  kṛ 名形 a 男→女 なす、手  
      vicchikicchā  vi-cit 意 ā 疑、疑惑  
      kathaṃkathā    ā 疑惑、猶予  
      pattā  pra-āp 過分 a 得られた  
      paccayā  prati-i a 縁、資具  
    訳文                
     「ヴァッチャよ、およそ師の教説に関して、疑惑を超え、疑念を去り、無畏を得て、他の縁なく住するような、私の女性弟子にして在家白衣の受欲者であり、教説の通りになし、教誡において懺悔する優婆夷たちは、百のみならず、二百のみならず、三百のみならず、四百のみならず、五百のみならず、さらに多く存在します」  
                       
                       
                       
    196-1.                
     196. ‘‘Sace hi, bho gotama, imaṃ dhammaṃ bhavaṃyeva gotamo ārādhako abhavissa, no ca kho bhikkhū ārādhakā abhavissaṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Sace    不変 もし  
      hi,    不変 じつに、なぜなら  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      imaṃ    代的 男中 これ  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      ārādhako    a 成功する、熱心な  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhavissa,  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      no    不変 ない、否  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      ārādhakā    a 成功する、熱心な  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhavissaṃsu;  bhū ある、なる  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、もしこの法を、尊者ゴータマのみが成就し、しかし比丘たちが成就しないのならば、  
                       
                       
                       
    196-2.                
     evamidaṃ brahmacariyaṃ aparipūraṃ abhavissa tenaṅgena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      idaṃ    代的 これ  
      brahmacariyaṃ  bṛh, car a 梵行  
      aparipūraṃ  a-pari-pṝ a 不完全な  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhavissa  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      aṅgena.    a 部分、肢体、理由  
    訳文                
     その理由により、そのようなこの梵行は不完全なものということになります。  
                       
                       
                       
    196-3.                
     Yasmā ca kho, bho gotama, imaṃ dhammaṃ bhavañceva gotamo ārādhako bhikkhū ca ārādhakā;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yasmā    代的 (関係代名詞)  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bho gotama, imaṃ dhammaṃ bhavañceva gotamo ārādhako bhikkhū ca ārādhakā; (196-1.)  
    訳文                
     しかし、尊者ゴータマよ、この法を、尊者ゴータマが成就し、また比丘たちが成就しています。それゆえ、  
                       
                       
                       
    196-4.                
     evamidaṃ brahmacariyaṃ paripūraṃ tenaṅgena.  
      語根 品詞 語基 意味  
      evamidaṃ brahmacariyaṃ paripūraṃ tenaṅgena. (196-2.)  
      paripūraṃ  pari-pṝ a 完全な、完成した  
    訳文                
     その理由により、そのようなこの梵行は完全なものです。  
                       
                       
                       
    196-5.                
     ‘‘Sace hi, bho gotama, imaṃ dhammaṃ bhavañceva gotamo ārādhako abhavissa, bhikkhū ca ārādhakā abhavissaṃsu, no ca kho bhikkhuniyo ārādhikā abhavissaṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Sace hi, bho gotama, imaṃ dhammaṃ bhavañceva gotamo ārādhako abhavissa, bhikkhū ca ārādhakā abhavissaṃsu, no ca kho bhikkhuniyo ārādhikā abhavissaṃsu; (196-1.)  
      bhikkhuniyo  bhikṣ ī 比丘尼  
      ārādhakā    a 成功する、熱心な  
    訳文                
     尊者ゴータマよ、もしこの法を、尊者ゴータマが成就し、また比丘たちが成就し、しかし比丘尼たちが成就しないのならば、  
                       
                       
                       
    196-6.                
     evamidaṃ brahmacariyaṃ aparipūraṃ abhavissa tenaṅgena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      evamidaṃ brahmacariyaṃ aparipūraṃ abhavissa tenaṅgena. (196-2.)  
    訳文                
     その理由により、そのようなこの梵行は不完全なものということになります。