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     Acelakaḷāramaṭṭakavatthu  
      語根 品詞 語基 意味  
      Acela    a 衣のない、裸形の  
      kaḷāramaṭṭaka    a 依(属) 人名、カラーラマッタカ  
      vatthu vas us 事、対象、理由、根拠  
    訳文                
     【裸行者カラーラマッタカのこと】  
                       
                       
                       
    11-1.                
     11. ‘‘Ekamidāhaṃ, bhaggava, samayaṃ vesāliyaṃ viharāmi mahāvane kūṭāgārasālāyaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ekam    代的 副対 一、とある  
      idaṃ    代的 これ  
      ahaṃ,    代的  
      bhaggava,    a 氏姓名、バッガヴァ  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      vesāliyaṃ    ī 地名、ヴェーサーリー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharāmi  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      mahā    ant 大きい  
      vane    a  
      kūṭa    a 男中 有(属) 尖頂、屋頂、楼、山頂  
      agāra    a 家、舎、家屋、俗家 →二階屋、重閣  
      sālāyaṃ.    ā 会堂、講堂、家屋、小屋  
    訳文                
     バッガヴァよ、あるときこの私は、ヴェーサーリーの大きな森にある二階屋の講堂に滞在していました。  
                       
                       
                       
    11-2.                
     Tena kho pana samayena acelo kaḷāramaṭṭako vesāliyaṃ paṭivasati lābhaggappatto ceva yasaggappatto ca vajjigāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      acelo    a 衣のない、裸形の  
      kaḷāramaṭṭako    a 人名、カラーラマッタカ  
      vesāliyaṃ    ī 地名、ヴェーサーリー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭivasati  prati-vas 住む、居を構える  
      語根 品詞 語基 意味  
      lābha    a 利得、利養  
      agga    a 依(対) 第一、最上、頂点  
      patto  pra-āp 過分 a 得た  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      yasa    as 名声  
      agga    a 依(対) 第一、最上、頂点  
      patto  pra-āp 過分 a 得た  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      vajji    ī 依(属) ヴァッジー国  
      gāme.    a  
    訳文                
     さてそのとき、裸行者カラーラマッタカが、ヴァッジー国の村における最上の利養を得、最上の名声を得たものとして、ヴェーサーリーに住んでいました。  
                       
                       
                       
    11-3.                
     Tassa sattavatapadāni [sattavattapadāni (syā. pī.)] samattāni samādinnāni honti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      satta     
      vata    a 男中 依(属) 誓戒、禁戒  
      padāni    a  
      samattāni  saṃ-āp 過分 a 到達した、完成した  
      samādinnāni  saṃ-ā-dā 過分 a 受持した、正持した  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      honti –  bhū ある、存在する  
    訳文                
     彼には、七つの誓戒の句が、完成され、受持されていました。  
                       
                       
                       
    11-4.                
     ‘yāvajīvaṃ acelako assaṃ, na vatthaṃ paridaheyyaṃ, yāvajīvaṃ brahmacārī assaṃ, na methunaṃ dhammaṃ paṭiseveyyaṃ, yāvajīvaṃ surāmaṃseneva yāpeyyaṃ, na odanakummāsaṃ bhuñjeyyaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      jīvaṃ  jīv a 命、寿命  
      acelako    名形 a 裸行者、裸形外道  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assaṃ,  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      vatthaṃ  vas a 衣、衣類  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paridaheyyaṃ,  pari-dhā 能反 周りに置く、まとう  
      語根 品詞 語基 意味  
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      jīvaṃ  jīv a 命、寿命  
      brahmacārī  bṛh, car in 梵行者  
      assaṃ,  同上  
      na    不変 ない  
      methunaṃ    名形 a 婬欲の  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭiseveyyaṃ,  prati-sev 能反 受用する、行う  
      語根 品詞 語基 意味  
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      jīvaṃ  jīv a 命、寿命  
      surā    ā 穀物酒  
      maṃsena    a  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      yāpeyyaṃ,   使 能反 行かせる、生存させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      odana    a 男中 米飯、粥  
      kummāsaṃ    a 粥、酸粥  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhuñjeyyaṃ.  bhuj 能反 食べる、受用する  
    訳文                
     『私は命ある限り裸行者となって、衣類を纏うまい。私は命ある限り梵行者となって、婬法を行うまい。私は命ある限り穀物酒と肉のみで生きながらえ、米と粥を食べるまい。  
                       
                       
                       
    11-5.                
     Puratthimena vesāliṃ udenaṃ nāma cetiyaṃ, taṃ nātikkameyyaṃ, dakkhiṇena vesāliṃ gotamakaṃ nāma cetiyaṃ, taṃ nātikkameyyaṃ, pacchimena vesāliṃ sattambaṃ nāma cetiyaṃ, taṃ nātikkameyyaṃ, uttarena vesāliṃ bahuputtaṃ nāma [bahuputtakaṃ nāma (syā.)] cetiyaṃ taṃ nātikkameyya’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Puratthimena    a 男中 副具 東方の  
      vesāliṃ    ī 地名、ヴェーサーリー  
      udenaṃ    a 地名、ウデーナ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      cetiyaṃ,    a 塔、霊廟  
      taṃ    代的 それ  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atikkameyyaṃ,  ati-kram 能反 行き過ぎる、打ち勝つ  
      語根 品詞 語基 意味  
      dakkhiṇena    代的 男中 副具 南方の  
      vesāliṃ gotamakaṃ nāma cetiyaṃ, taṃ nātikkameyyaṃ, (同上)  
      gotamakaṃ    a 地名、ゴータマカ  
      pacchimena    a 男中 副具 西方の  
      vesāliṃ sattambaṃ nāma cetiyaṃ, taṃ nātikkameyyaṃ, (同上)  
      sattambaṃ    a 地名、サッタンバ  
      uttarena    代的 男中 副具 北方の  
      vesāliṃ bahuputtaṃ  nāma cetiyaṃ, taṃ nātikkameyyaṃ, (同上)  
      bahuputtaṃ    a 地名、バフプッタ  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ヴェーサーリーの東にはウデーナという霊廟があるが、私はそれを超えて行くまい。ヴェーサーリーの南にはゴータマカという霊廟があるが、私はそれを超えて行くまい。ヴェーサーリーの西にはサッタンバという霊廟があるが、私はそれを超えて行くまい。ヴェーサーリーの北にはバフプッタという霊廟があるが、私はそれを超えて行くまい』と。  
                       
                       
                       
    11-6.                
     So imesaṃ sattannaṃ vatapadānaṃ samādānahetu lābhaggappatto ceva yasaggappatto ca vajjigāme.  
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      imesaṃ    代的 これら  
      sattannaṃ     
      vata    a 男中 依(属) 誓戒、禁戒  
      padānaṃ    a  
      samādāna  saṃ-ā-dā a 依(属) 受持、受戒  
      hetu    u 副対 因、原因、理由  
      lābhaggappatto ceva yasaggappatto ca vajjigāme. (11-2.)  
    訳文                
     彼は、これら七つの誓戒の句の受持により、ヴァッジー国の村における最上の利養を得、最上の名声を得たものでした。  
                       
                       
                       
    12-1.                
     12. ‘‘Atha kho, bhaggava, sunakkhatto licchaviputto yena acelo kaḷāramaṭṭako tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhaggava,    a 氏姓名、バッガヴァ  
      sunakkhatto    a 人名、スナッカッタ  
      licchavi    i 依(属) 種族名、リッチャヴィ  
      putto    a 息子  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      acelo    a 衣のない、裸形の  
      kaḷāramaṭṭako    a 人名、カラーラマッタカ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     バッガヴァよ、ときにリッチャヴィ族の〔王〕子スナッカッタは、裸行者カラーラマッタカのもとへ近づきました。  
                       
                       
                       
    12-2.                
     upasaṅkamitvā acelaṃ kaḷāramaṭṭakaṃ pañhaṃ apucchi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      acelaṃ    a 衣のない、裸形の  
      kaḷāramaṭṭakaṃ    a 人名、カラーラマッタカ  
      pañhaṃ    a 問い、質問  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      apucchi.  prach 問う  
    訳文                
     近づいて、裸行者カラーラマッタカへ、問いを発しました。  
                       
                       
                       
    12-3.                
     Tassa acelo kaḷāramaṭṭako pañhaṃ puṭṭho na sampāyāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      acelo    a 衣のない、裸形の  
      kaḷāramaṭṭako    a 人名、カラーラマッタカ  
      pañhaṃ    a 問い、質問  
      puṭṭho  prach 過分 a 問われた  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sampāyāsi.  saṃ-pra-ā-i(?) 解説、解答できる  
    訳文                
     問いを問われた裸行者カラーラマッタカは、それに対して答えることができませんでした。  
    メモ                
     ・Tassaはスナッカッタを意味する「彼へ」としたい所だが、13-8.をみるにそうではないようである(そこではスナッカッタは、発話者たる釈尊の対面者であるため、「彼へ」でなく「あなたへ」と言われるはずだから、tassaでなくtuyhaṃとかtavaにならなくてはならないはずである)。そこでこのTassaはスナッカッタの質問であると解して上記のようにした。  
                       
                       
                       
    12-4.                
     Asampāyanto kopañca dosañca appaccayañca pātvākāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Asampāyanto  a-saṃ-pra-ā-i(?) 現分 ant 解説・解答できない  
      kopañ  kup a 忿恨、憤怒、怒気  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      dosañ    a 瞋恚  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      appaccayañ  a-prati-i a 不満、不機嫌、不況、憂悩  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pātvākāsi.  pātu-kṛ 明らかにずる、闡明する  
    訳文                
     答えることができず、怒りと瞋恚、また不機嫌をあらわにしました。  
                       
                       
                       
    12-5.                
     Atha kho, bhaggava, sunakkhattassa licchaviputtassa etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhaggava,    a 氏姓名、バッガヴァ  
      sunakkhattassa    a 人名、スナッカッタ  
      licchavi    i 依(属) 種族名、リッチャヴィ  
      puttassa    a 息子  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     バッガヴァよ、ときに、リッチャヴィ族の〔王〕子スナッカッタに、この〔思い〕がおこりました。  
                       
                       
                       
    12-6.                
     ‘sādhurūpaṃ vata bho arahantaṃ samaṇaṃ āsādimhase [asādiyimhase (syā.)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘sādhu  sādh u 有(持) よき、善哉、なにとぞ  
      rūpaṃ    a 中→男 色、物質、肉体、形相  
      vata    不変 じつに  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      arahantaṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      samaṇaṃ  śram a 沙門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āsādimhase .  ā-sad 使 打つ、攻撃する、近づく、出離する  
    訳文                
     『ああ、じつに我等は、素晴らしい姿の御方、阿羅漢たる沙門を攻撃してしまった。  
                       
                       
                       
    12-7.                
     Mā vata no ahosi dīgharattaṃ ahitāya dukkhāyā’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
          不変 なかれ  
      vata    不変 じつに  
      no    代的 私たち  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dīgha    a 長い  
      rattaṃ    a 夜 →長い間  
      ahitāya  a-dhā 過分 a 男中 不利益  
      dukkhāyā’    名形 a  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     我等にとって、長い間の不利益と苦のためになりませんように』と。  
                       
                       
                       
    13-1.                
     13. ‘‘Atha kho, bhaggava, sunakkhatto licchaviputto yenāhaṃ tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha kho, bhaggava, sunakkhatto licchaviputto yenāhaṃ tenupasaṅkami; (12-1.)  
      ahaṃ    代的  
    訳文                
     バッガヴァよ、ときにリッチャヴィ族の〔王〕子スナッカッタは、私のもとへ近づきました。  
                       
                       
                       
    13-2.                
     upasaṅkamitvā maṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      maṃ    代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて、私へ礼拝すると、一方へ坐りました。  
                       
                       
                       
    13-3.                
     Ekamantaṃ nisinnaṃ kho ahaṃ, bhaggava, sunakkhattaṃ licchaviputtaṃ etadavocaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinnaṃ  ni-sad a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      bhaggava,    a 氏姓名、バッガヴァ  
      sunakkhattaṃ    a 人名、スナッカッタ  
      licchavi    i 依(属) 種族名、リッチャヴィ  
      puttaṃ    a 息子  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avocaṃ –  vac いう  
    訳文                
     バッガヴァよ、一方へ坐ったリッチャヴィ族の〔王〕子スナッカッタへ、私はこういいました。  
                       
                       
                       
    13-4.                
     ‘tvampi nāma, moghapurisa, samaṇo sakyaputtiyo paṭijānissasī’ti!   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘tvam    代的 あなた  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      nāma,    an 副対 と、という名の、じつに  
      mogha    a 空虚の、無用の、愚鈍の  
      purisa,    a 人、男  
      samaṇo  śram a 沙門  
      sakya    a 依(属) 釈迦、釈子、釈族  
      puttiyo    形? a 息子の? →釈子の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭijānissasī’   prati-jñā 自称する、公言する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti!   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『愚者よ、それでもあなたは、釈子たる沙門を自称するのですか』と。  
                       
                       
                       
    13-5.                
     ‘Kiṃ pana maṃ, bhante, bhagavā evamāha –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Kiṃ    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      maṃ,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āha –  ah いう  
    訳文                
     『尊者よ、世尊はなぜ私にそのように仰るのですか。  
                       
                       
                       
    13-6.                
     tvampi nāma, moghapurisa, samaṇo sakyaputtiyo paṭijānissasī’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      tvampi nāma, moghapurisa, samaṇo sakyaputtiyo paṭijānissasī’ti? (13-4.)  
    訳文                
     愚者よ、それでもあなたは、釈子たる沙門を自称するのですかと』  
                       
                       
                       
    13-7.                
     ‘Nanu tvaṃ, sunakkhatta, acelaṃ kaḷāramaṭṭakaṃ upasaṅkamitvā pañhaṃ apucchi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Nanu    不変 〜にあらずや、じつに  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      sunakkhatta,    a 人名、スナッカッタ  
      acelaṃ kaḷāramaṭṭakaṃ upasaṅkamitvā pañhaṃ apucchi. (12-2.)  
    訳文                
     『スナッカッタよ、〔こうだったのでは〕ありませんか。あなたは、裸行者カラーラマッタカへ近づいて問いを発した。  
                       
                       
                       
    13-8.                
     Tassa te acelo kaḷāramaṭṭako pañhaṃ puṭṭho na sampāyāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa te acelo kaḷāramaṭṭako pañhaṃ puṭṭho na sampāyāsi. (12-3.)  
      te    代的 あなた  
    訳文                
     あなたに問いを問われた裸行者カラーラマッタカは、それに対して答えることができなかった。  
                       
                       
                       
    13-9.                
     Asampāyanto kopañca dosañca appaccayañca pātvākāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Asampāyanto kopañca dosañca appaccayañca pātvākāsi. (12-4.)  
    訳文                
     答えることができず、怒りと瞋恚、また不機嫌をあらわにした。  
                       
                       
                       
    13-10.                
     Tassa te etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      te    代的 あなた  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     そのあなたに、この〔思い〕が生じた。  
                       
                       
                       
    13-11.                
     ‘‘sādhurūpaṃ vata, bho, arahantaṃ samaṇaṃ āsādimhase.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘sādhurūpaṃ vata, bho, arahantaṃ samaṇaṃ āsādimhase. (12-6.)  
    訳文                
     ああ、じつに我等は、素晴らしい姿の御方、阿羅漢たる沙門を攻撃してしまった。  
                       
                       
                       
    13-12.                
     Mā vata no ahosi dīgharattaṃ ahitāya dukkhāyā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Mā vata no ahosi dīgharattaṃ ahitāya dukkhāyā’ti. (12-7.)  
    訳文                
     我等にとって、長い間の不利益と苦のためになりませんようにというように』  
                       
                       
                       
    13-13.                
     ‘Evaṃ, bhante.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bhante.  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
    訳文                
     『その通りです、尊者よ。  
                       
                       
                       
    13-14.                
     Kiṃ pana, bhante, bhagavā arahattassa maccharāyatī’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kiṃ    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      arahattassa    a 阿羅漢性、阿羅漢果  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maccharāyatī’    物惜しみする、慳嫉する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     けれども尊者よ、なぜ世尊は阿羅漢果の〔称讃を〕惜しまれるのですか』  
                       
                       
                       
    13-15.                
     ‘Na kho ahaṃ, moghapurisa, arahattassa maccharāyāmi, api ca tuyhevetaṃ pāpakaṃ diṭṭhigataṃ uppannaṃ, taṃ pajaha.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      mogha    a 空虚の、無用の、愚鈍の  
      purisa,    a 人、男  
      arahattassa    a 阿羅漢性、阿羅漢果  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maccharāyāmi,    物惜しみする、慳嫉する  
      語根 品詞 語基 意味  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      tuyhaṃ    代的 あなた  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      etaṃ    代的 これ  
      pāpakaṃ    a 悪い、邪悪の  
      diṭṭhi  dṛś i 見、見解  
      gataṃ  gam 過分 a 行った →悪見、成見  
      uppannaṃ,  ud-pad 過分 a 起こる、生ずる、発生する  
      taṃ    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajaha.  pra-hā 捨てる、捨断する  
    訳文                
     『じつに愚者よ、私が阿羅漢果の〔称讃を〕惜しむことはありません。しかるに、あなたにこそ、この悪しき見解(苦行者を阿羅漢とみること)が起こっているのです。あなたはそれを捨てねばなりません。  
                       
                       
                       
    13-16.                
     Mā te ahosi dīgharattaṃ ahitāya dukkhāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
          不変 なかれ  
      te    代的 あなた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dīgha    a 長い  
      rattaṃ    a 夜 →長い間  
      ahitāya  a-dhā 過分 a 男中 不利益  
      dukkhāya.    名形 a  
    訳文                
     あなたにとって、長い間の不利益と苦のためとなってはなりません。  
                       
                       
                       
    13-17.                
     Yaṃ kho panetaṃ, sunakkhatta, maññasi acelaṃ kaḷāramaṭṭakaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      etaṃ,    代的 これ  
      sunakkhatta,    a 人名、スナッカッタ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maññasi  man 考える、思う  
      語根 品詞 語基 意味  
      acelaṃ    a 衣のない、裸形の  
      kaḷāramaṭṭakaṃ –    a 人名、カラーラマッタカ  
    訳文                
     スナッカッタよ、あなたは、かの裸行者カラーラマッタカに対し、このように考えています。  
                       
                       
                       
    13-18.                
     sādhurūpo ayaṃ [arahaṃ (syā.)] samaṇoti, so nacirasseva parihito sānucāriko vicaranto odanakummāsaṃ bhuñjamāno sabbāneva vesāliyāni cetiyāni samatikkamitvā yasā nihīno [yasānikiṇṇo (ka.)] kālaṃ karissatī’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      sādhu  sādh u 有(持) よき、善哉、なにとぞ  
      rūpo    a 中→男 色、物質、肉体、形相  
      ayaṃ    代的 これ  
      samaṇo  śram a 沙門  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      so    代的 それ、彼  
      na    不変 ない  
      cirassa    a 副属 久しい  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      parihito  pari-dhā 過分 a 周りに置く、まとう、着る  
      sānucāriko  sa-anu-car a 従者と共なる  
      vicaranto  vi-car 現分 ant 伺察する、遊歩する  
      odana   a 男中 飯、粥  
      kummāsaṃ    a 粥、酸粥  
      bhuñjamāno  bhuj 現分 a 食べる、受用する  
      sabbāni    名形 代的 すべて  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      vesāliyāni    a ヴェーサーリーの  
      cetiyāni    a 塔、霊廟  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samatikkamitvā  saṃ-ati-kram 超える  
      語根 品詞 語基 意味  
      yasā    as 名声  
      nihīno  ni-hā 過分 a 捨てられた、劣った  
      kālaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karissatī’  kṛ なす →命終する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ああ、この沙門はじつに素晴らしい姿の御方だと。けれども、彼はまもなく、着衣し、伴侶を伴って歩き、飯と粥を食べ、すべてのヴェーサーリーの霊廟を超え、名声が失われたものとして命終することでしょう』  
    メモ                
     ・parihitoなる形は辞書類に見つけられず、『註』や諸訳に従ってparidahitaの異体と解して訳した。   
                       
                       
                       
    13-19.                
     ‘‘‘Atha kho, bhaggava, acelo kaḷāramaṭṭako nacirasseva parihito sānucāriko vicaranto odanakummāsaṃ bhuñjamāno sabbāneva vesāliyāni cetiyāni samatikkamitvā yasā nihīno kālamakāsi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhaggava,    a 氏姓名、バッガヴァ  
      acelo    a 衣のない、裸形の  
      kaḷāramaṭṭako    a 人名、カラーラマッタカ  
      nacirasseva parihito sānucāriko vicaranto odanakummāsaṃ bhuñjamāno sabbāneva vesāliyāni cetiyāni samatikkamitvā yasā nihīno (13-8.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kālamakāsi. kṛ 命終する  
    訳文                
     バッガヴァよ、ときに、裸行者カラーラマッタカはまもなく、着衣し、伴侶を伴って歩き、飯と粥を食べ、すべてのヴェーサーリーの霊廟を超え、名声が失われたものとして命終しました。  
                       
                       
                       
    14-1.                
     14. ‘‘Assosi kho, bhaggava, sunakkhatto licchaviputto –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Assosi  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhaggava,    a 氏姓名、バッガヴァ  
      sunakkhatto    a 人名、スナッカッタ  
      licchavi    i 依(属) 種族名、リッチャヴィ  
      putto –    a 息子  
    訳文                
     バッガヴァよ、じつにリッチャヴィ族の〔王〕子スナッカッタは、聞きました。  
                       
                       
                       
    14-2.                
     ‘acelo kira kaḷāramaṭṭako parihito sānucāriko vicaranto odanakummāsaṃ bhuñjamāno sabbāneva vesāliyāni cetiyāni samatikkamitvā yasā nihīno kālaṅkato’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘acelo kira kaḷāramaṭṭako parihito sānucāriko vicaranto odanakummāsaṃ bhuñjamāno sabbāneva vesāliyāni cetiyāni samatikkamitvā yasā nihīno (14-1.)  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      kālaṅkato’  kṛ 過分 a 命終した  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『裸行者カラーラマッタカは、着衣し、伴侶を伴って歩き、飯と粥を食べ、すべてのヴェーサーリーの霊廟を超え、名声が失われたものとして命終したらしい』と。  
                       
                       
                       
    14-3.                
     Atha kho, bhaggava, sunakkhatto licchaviputto yenāhaṃ tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha kho, bhaggava, sunakkhatto licchaviputto yenāhaṃ tenupasaṅkami; (13-1.)  
      ahaṃ    代的  
    訳文                
     バッガヴァよ、ときにリッチャヴィ族の〔王〕子スナッカッタは、私のもとへ近づきました。  
                       
                       
                       
    14-4.                
     upasaṅkamitvā maṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      upasaṅkamitvā maṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdi. (13-2.)  
    訳文                
     近づいて、私へ礼拝すると、一方へ坐りました。  
                       
                       
                       
    14-5.                
     Ekamantaṃ nisinnaṃ kho ahaṃ, bhaggava, sunakkhattaṃ licchaviputtaṃ etadavocaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ nisinnaṃ kho ahaṃ, bhaggava, sunakkhattaṃ licchaviputtaṃ etadavocaṃ – (13-3.)  
    訳文                
     バッガヴァよ、一方へ坐ったリッチャヴィ族の〔王〕子スナッカッタへ、私はこういいました。  
                       
                       
                       
    14-6.                
     ‘taṃ kiṃ maññasi, sunakkhatta, yatheva te ahaṃ acelaṃ kaḷāramaṭṭakaṃ ārabbha byākāsiṃ, tatheva taṃ vipākaṃ, aññathā vā’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘taṃ    代的 それ  
      kiṃ    代的 何、なぜ、いかに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maññasi,  man 考える、思う  
      語根 品詞 語基 意味  
      sunakkhatta,    a 人名、スナッカッタ  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      te    代的 あなた  
      ahaṃ    代的  
      acelaṃ    a 衣のない、裸形の  
      kaḷāramaṭṭakaṃ    a 人名、カラーラマッタカ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārabbha  ā-rabh 関して  
      byākāsiṃ,  vi-ā-kṛ 解答した、授記した  
      語根 品詞 語基 意味  
      tathā    不変 かく、その如く  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      taṃ    代的 それ  
      vipākaṃ,  vi-pac a 男(中) 異熟、果報  
      aññathā    不変 他の方法で、異なって  
      vā’    不変 あるいは  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『スナッカッタよ、これをどう考えますか。私があなたに裸行者カラーラマッタカに関して授記した、まさしくその通りの結果であったのでしょうか。それとも異なっていたでしょうか』  
                       
                       
                       
    14-7.                
     ‘Yatheva me, bhante, bhagavā acelaṃ kaḷāramaṭṭakaṃ ārabbha byākāsi, tatheva taṃ vipākaṃ, no aññathā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Yatheva me, bhante, bhagavā acelaṃ kaḷāramaṭṭakaṃ ārabbha byākāsi, tatheva taṃ vipākaṃ, no aññathā’ti. (14-6.)  
      me,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      byākāsi,  vi-ā-kṛ 解答した、授記した  
      語根 品詞 語基 意味  
      no    不変 ない、否  
    訳文                
     『尊者よ、世尊が私に裸行者カラーラマッタカに関して授記した、まさしくその通りの結果であって、異なってはおりませんでした』  
                       
                       
                       
    14-8.                
     ‘Taṃ kiṃ maññasi, sunakkhatta, yadi evaṃ sante kataṃ vā hoti uttarimanussadhammā iddhipāṭihāriyaṃ akataṃ vā’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Taṃ kiṃ maññasi, sunakkhatta, (14-6.)  
      yadi    不変 もし  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      sante  as 現分 ant ある、なる  
      kataṃ  kṛ 過分 a なされた  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      uttari    i より上の、超えた  
      manussa    a 依(属) 人、人間  
      dhammā  dhṛ a 男中 法 →上人法、超人法  
      iddhi    i 依(属) 神通、神変  
      pāṭihāriyaṃ  prati-hṛ 名形 a 神通、神変、示導、奇跡  
      akataṃ  a-kṛ 過分 a なされない  
      vā’    不変 あるいは  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『スナッカッタよ、これをどう考えますか。もしそのようであるならば、人法を超えた神通の奇跡は、なされたのでしょうか、それともなされなかったのでしょうか』  
                       
                       
                       
    14-9.                
     ‘Addhā kho, bhante, evaṃ sante kataṃ hoti uttarimanussadhammā iddhipāṭihāriyaṃ, no akata’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Addhā    不変 たしかに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ  
      evaṃ sante kataṃ hoti uttarimanussadhammā iddhipāṭihāriyaṃ, no akata’nti. (14-8.)  
      no    不変 ない、否  
    訳文                
     『たしかに、そのようであるならば、人法を超えた神通の奇跡は、なされたのでであって、なされなかったのではありません』  
                       
                       
                       
    14-10.                
     ‘Evampi kho maṃ tvaṃ, moghapurisa, uttarimanussadhammā iddhipāṭihāriyaṃ karontaṃ evaṃ vadesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Evam    不変 このように、かくの如き  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      maṃ    代的  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      mogha    a 空虚の、無用の、愚鈍の  
      purisa,    a 人、男  
      uttari    i 主(対) より上の、超えた  
      manussa    a 依(属) 人、人間  
      dhammā  dhṛ a 男中 法 →上人法、超人法  
      iddhi    i 依(属) 神通、神変  
      pāṭihāriyaṃ  prati-hṛ 名形 a 神通、神変、示導、奇跡  
      karontaṃ  kṛ 現分 ant なす  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadesi –  vad いう  
    訳文                
     『にもかかわらず、愚者よ、そのように人法を超えた神通の奇跡をなす私へ、あなたはこのようにいったのです。  
                       
                       
                       
    14-11.                
     na hi pana me, bhante, bhagavā uttarimanussadhammā iddhipāṭihāriyaṃ karotī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      hi    不変 じつに、なぜなら(tena hiで「しからば」)  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      me,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      uttari    i 主(対) より上の、超えた  
      manussa    a 依(属) 人、人間  
      dhammā  dhṛ a 男中 法 →上人法、超人法  
      iddhi    i 依(属) 神通、神変  
      pāṭihāriyaṃ  prati-hṛ 名形 a 神通、神変、示導、奇跡  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karotī’’  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかし尊者よ、世尊は私に、人法を超えた神通の奇跡をなしてくださらないではありませんかと。  
                       
                       
                       
    14-12.                
     Passa, moghapurisa, yāvañca te idaṃ aparaddha’nti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Passa,  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      mogha    a 空虚の、無用の、愚鈍の  
      purisa,    a 人、男  
      yāvañ    不変 〜まで、〜の限り  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      te    代的 あなた  
      idaṃ    代的 これ  
      aparaddha’n  apa-rādh 過分 a 罪を犯した  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     愚者よ、あなたは、あなたにこの過誤がある、そのかぎりを見るべきです』  
                       
                       
                       
    14-13.                
     ‘‘Eva’mpi kho, bhaggava, sunakkhatto licchaviputto mayā vuccamāno apakkameva imasmā dhammavinayā, yathā taṃ āpāyiko nerayiko.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Eva’m    不変 このように、かくの如き  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhaggava,    a 氏姓名、バッガヴァ  
      sunakkhatto    a 人名、スナッカッタ  
      licchavi    i 依(属) 種族名、リッチャヴィ  
      putto    a 息子  
      mayā    代的  
      vuccamāno  vac 受 現分 a いわれた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      apakkami  apa-kram 去りゆく  
      語根 品詞 語基 意味  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      imasmā    代的 これ  
      dhamma  dhṛ a 男中  
      vinayā,  vi-nī a  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      taṃ    代的 副対 そのとき(副対)  
      āpāyiko    a 悪趣の、苦界の  
      nerayiko.    a 地獄の、堕地獄者  
    訳文                
     バッガヴァよ、このように言われたリッチャヴィ族の〔王〕子スナッカッタはそのとき、悪趣者、堕地獄者のように、この法と律から去って行きました。  
                       
                       
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