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     4. Kāraṇapālīsuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kāraṇapālī    in 依(属) 人名、カーラナパーリン  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「カーラナパーリン婆羅門経」(『増支部』5-194  
    メモ                
     ・発端部は『中部』27「小象跡喩経」などにパラレル。  
     ・本経、次経は多くの経とパラレルな記述をもつ。それぞれ、それら諸経のメモも参照のこと。  
                       
                       
                       
    194-1.                
     194. Ekaṃ samayaṃ bhagavā vesāliyaṃ viharati mahāvane kūṭāgārasālāyaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      vesāliyaṃ    ī 地名、ヴェーサーリー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      mahā    ant 大きい  
      vane    a 森、林  
      kūṭa    a 男中 依(具) 尖頂、屋頂  
      agāra    a 家 →二階家、重閣  
      sālāyaṃ.    ā 会堂、家屋  
    訳文                
     あるとき世尊はヴェーサーリーの大林、重閣講堂に住しておられた。  
                       
                       
                       
    194-2.                
     Tena kho pana samayena kāraṇapālī [karaṇapālī (ka.)] brāhmaṇo licchavīnaṃ kammantaṃ kāreti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      kāraṇapālī    in 人名、カーラナパーリン  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      licchavīnaṃ    i 種族名、リッチャヴィ  
      kammantaṃ  kṛ a 業、作業、業務、家業、職業  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kāreti.  kṛ 使 なさしめる  
    訳文                
     さてそのとき、カーラナパーリン婆羅門が、リッチャヴィ族たちの仕事をしていた。  
    メモ                
     ・Kammantaṃ kāretīについて『註』は「早朝より起きて門、塔、城壁のできていないところを作り、老朽化したところを世話する」pātova uṭṭhāya dvāraṭṭālakapākāre akate kāreti, jiṇṇe paṭijaggāpeti. としているので、大工仕事なのであろう。  
                       
                       
                       
    194-3.                
     Addasā kho kāraṇapālī brāhmaṇo piṅgiyāniṃ brāhmaṇaṃ dūratova āgacchantaṃ;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見た  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      kāraṇapālī    in 人名、カーラナパーリン  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      piṅgiyāniṃ    in 人名、ピンギヤーニン  
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門、司祭  
      dūrato    a 遠く  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      āgacchantaṃ;  ā-gaṃ 現分 ant 来る  
    訳文                
     カーラナパーリン婆羅門は、ピンギヤーニン婆羅門が、遠くからやってくるのを見た。  
                       
                       
                       
    194-4.                
     disvā piṅgiyāniṃ brāhmaṇaṃ etadavoca –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      disvā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      piṅgiyāniṃ    in 人名、ピンギヤーニン  
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門、司祭  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     見て、ピンギヤーニン婆羅門へこう言った。  
                       
                       
                       
    194-5.                
     ‘‘Handa, kuto nu bhavaṃ piṅgiyānī āgacchati divā divassā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Handa,    不変 いざ  
      kuto    不変 どこから  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      piṅgiyānī    in 人名、ピンギヤーニン  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgacchati  ā-gam 来る  
      語根 品詞 語基 意味  
      divā    不変 日中に  
      divassā’’    a 副属 日、日中 →早朝に  
      ti?   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「おや、いったい尊者ピンギヤーニンは、早朝に、どこからいらしたのでしょうか」と。  
                       
                       
                       
    194-6.                
     ‘‘Itohaṃ [idhāhaṃ (syā. kaṃ.), ito hi kho ahaṃ (ma. ni. 1.288)], bho, āgacchāmi samaṇassa gotamassa santikā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ito    不変 これより、ここより  
      ahaṃ,    代的  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgacchāmi  ā-gam 来る  
      語根 品詞 語基 意味  
      samaṇassa  śram a 沙門  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      santikā’’    a 付近、面前  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者よ、私は沙門ゴータマの近く、そこから来たのです」  
                       
                       
                       
    194-7.                
     ‘‘Taṃ kiṃ maññati bhavaṃ, piṅgiyānī, samaṇassa gotamassa paññāveyyattiyaṃ?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Taṃ    代的 それ  
      kiṃ    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maññati  man 考える  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ,  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      piṅgiyānī,    in 人名、ピンギヤーニン  
      samaṇassa  śram a 沙門  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      paññā  pra-jñā ā 智慧、般若  
      veyyattiyaṃ?    a 聡明、弁才  
    訳文                
     「彼を尊者ピンギヤーニンはどう思われましたか。沙門ゴータマには智慧と弁才がおありでしょうか。  
                       
                       
                       
    194-8.                
     Paṇḍito maññe’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Paṇḍito    a 賢い、賢者  
      maññe’’  man 不変 私思うに、まるで  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『私思うに〔彼は〕賢者だ』と〔あなたはお考えでしょうか〕」  
                       
                       
                       
    194-9.                
     ‘‘Ko cāhaṃ, bho, ko ca samaṇassa gotamassa paññāveyyattiyaṃ jānissāmi!   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ko    代的 何、誰  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      ahaṃ,    代的  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ko    代的 何、誰  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      samaṇassa  śram a 沙門  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      paññā  pra-jñā ā 智慧、般若  
      veyyattiyaṃ    a 聡明、弁才  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānissāmi!  jñā 知る  
    訳文                
     「尊者よ、私が何だというのでしょうか。なぜ私が、沙門ゴータマの智慧と弁才を知り得ましょう。  
                       
                       
                       
    194-10.                
     Sopi nūnassa tādisova yo samaṇassa gotamassa paññāveyyattiyaṃ jāneyyā’’ti!   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      nūna    不変 たしかに  
      assa    代的 これ  
      tādiso    a そのごとき  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      samaṇassa  śram a 沙門  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      paññā  pra-jñā ā 智慧、般若  
      veyyattiyaṃ    a 聡明、弁才  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jāneyyā’’  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti!    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     およそ沙門ゴータマの智慧と弁才を知り得るのは、彼〔自身〕、または彼の如き者だけです」  
                       
                       
                       
    194-11.                
     ‘‘Uḷārāya khalu bhavaṃ, piṅgiyānī, samaṇaṃ gotamaṃ pasaṃsāya pasaṃsatī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Uḷārāya    a 偉大な、富んだ、広大な  
      khalu,    不変 じつに  
      bhavaṃ,  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      piṅgiyānī,    in 人名、ピンギヤーニン  
      samaṇaṃ  śram a 沙門  
      gotamaṃ    a 人名、ゴータマ  
      pasaṃsāya  pra-śaṃ ā 賞賛、称誉  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pasaṃsatī’’  pra-śaṃ 賞賛する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「じつに尊者ピンギヤーニンは、沙門ゴータマへ多大な讃辞をもって賞賛をなさいますね」  
                       
                       
                       
    194-12.                
     ‘‘Ko cāhaṃ, bho, ko ca samaṇaṃ gotamaṃ pasaṃsissāmi!   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ko cāhaṃ, bho, ko ca (194-9.)  
      samaṇaṃ  śram a 沙門  
      gotamaṃ    a 人名、ゴータマ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pasaṃsissāmi!  pra-śaṃ 賞賛する  
    訳文                
     「尊者よ、私が何だというのでしょうか。なぜ私が、沙門ゴータマを賞賛できましょう。  
                       
                       
                       
    194-13.                
     Pasatthappasatthova [pasaṭṭhapasaṭṭho ca (syā. kaṃ. ka.)] so bhavaṃ gotamo seṭṭho devamanussāna’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Pasattha  pra-śaṃ 過分 a 依(具) 賞賛された  
      pasattho  pra-śaṃ 過分 a 賞賛された  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      so    代的 それ、彼  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      seṭṭho    a 最上の  
      deva    a 天、神  
      manussāna’’n    a 人名、ゴータマ  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     かの尊者ゴータマは、賞賛される者によって賞賛される、神々と人々のうちの最上者です」  
                       
                       
                       
    194-14.                
     ‘‘Kiṃ pana bhavaṃ, piṅgiyānī, atthavasaṃ sampassamāno samaṇe gotame evaṃ abhippasanno’’ti?  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kiṃ    代的 何、なぜ、いかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhavaṃ,  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      piṅgiyānī,    in 人名、ピンギヤーニン  
      attha    a 男中 依(属) 義、道理  
      vasaṃ    a 男中 力、自在、影響 →道理、因由  
      sampassamāno  saṃ-paś 現分 a 見る、正視する  
      samaṇe  śram a 沙門  
      gotame    a 人名、ゴータマ  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      abhippasanno’’  abhi-pra-sad 過分 a 信じた、浄信ある  
      ti?   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「しからば尊者ピンギヤーニンは、いかなる道理を見て、沙門ゴータマをそのように信じておられるのか」  
                       
                       
                       
    194-15.                
     ‘‘Seyyathāpi, bho, puriso aggarasaparititto na aññesaṃ hīnānaṃ rasānaṃ piheti;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      puriso    a 人、男  
      agga    a 最上  
      rasa    a 依(対) 味、汁、作用、実質  
      parititto  pari-tarp? 過分 a 完全に満足した、飽きた?  
      na    不変 ない  
      aññesaṃ    代的 他の  
      hīnānaṃ  過分 a 捨てられた、劣った、卑しい  
      rasānaṃ    a 味、汁、作用、実質  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      piheti;  spṛh 羨む、熱望する(属格支配)  
    訳文                
     「たとえば尊者よ、最上の味に満ち足りた男は、他の劣った味を熱望することがありません。  
    メモ                
     ・paritittoの語はtittaから類推した。  
                       
                       
                       
    194-16.                
     evamevaṃ kho, bho, yato yato tassa bhoto gotamassa dhammaṃ suṇāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば(yaの奪格)  
      yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば(yaの奪格)  
      tassa    代的 それ、彼  
      bhoto  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      suṇāti –  śru 聞く  
    訳文                
     まさにそのように、尊者よ、それぞれ〔の形式〕による、かの尊者ゴータマの法を聞くならば、  
                       
                       
                       
    194-17.                
     yadi suttaso, yadi geyyaso, yadi veyyākaraṇaso, yadi abbhutadhammaso –   
      語根 品詞 語基 意味  
      yadi    不変 もし  
      suttaso,  sīv a 経、糸  
      yadi    不変 もし  
      geyyaso,  gai a 応頌  
      yadi    不変 もし  
      veyyākaraṇaso,  vi-ā-kṛ a 授記、解答  
      yadi    不変 もし  
      abbhuta  a-bhū 名形 a 未曾有の  
      dhammaso –  dhṛ a 男中  
    訳文                
     経〔という形式〕によってであれ、応頌〔という形式〕によってあれ、授記〔という形式〕によってであれ、未曾有〔という形式〕によってであれ、  
                       
                       
                       
    194-18.                
     tato tato na aññesaṃ puthusamaṇabrāhmaṇappavādānaṃ piheti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      na    不変 ない  
      aññesaṃ    代的 他の  
      puthu    u 個別の、多数の  
      samaṇa  śram a 沙門  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      pavādānaṃ  pra-vad a 議論  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      piheti.  spṛh 羨む、熱望する  
    訳文                
     そのそれぞれにより、他の沙門婆羅門たちの論議を熱望することはなくなります。  
                       
                       
                       
    194-19.                
     ‘‘Seyyathāpi, bho, puriso jighacchādubbalyapareto madhupiṇḍikaṃ adhigaccheyya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      puriso    a 人、男  
      jighacchā  gras 意 ā 依(奪) 飢餓  
      dubbalya    a 依(具) 弱力、薄弱な  
      pareto  para-i 過分 a 打ち勝たれた、負けた  
      madhu    u 依(属) 蜜、蜂蜜  
      piṇḍikaṃ    a 丸い、球の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      adhigaccheyya.  adhi-gam 到達する、証得する  
    訳文                
     またたとえば尊者よ、餓えによる脱力に打ち負かされた男が蜜玉を手に入れたならば、  
    メモ                
     ・『中部』18「蜜玉経」にパラレル。  
                       
                       
                       
    194-20.                
     So yato yato sāyetha, labhateva [sāyeyya, labhetheva (ma. ni. 1.205)] sādurasaṃ asecanakaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば  
      yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sāyetha,  svad 食べる  
      labhati  labh 得る  
      語根 品詞 語基 意味  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      sādu    u よき  
      rasaṃ    a 味、汁、作用、実質  
      asecanakaṃ.    a 混濁なき、純粋の、美味の  
    訳文                
     かれは、食べるほどに純粋なよき味を得ることでしょう。  
                       
                       
                       
    194-21.                
     evamevaṃ kho, bho, yato yato tassa bhoto gotamassa dhammaṃ suṇāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      evamevaṃ kho, bho, yato yato tassa bhoto gotamassa dhammaṃ suṇāti – (194-16.)  
    訳文                
     まさにそのように、尊者よ、それぞれ〔の形式〕による、かの尊者ゴータマの法を聞くならば、  
                       
                       
                       
    194-22.                
     yadi suttaso, yadi geyyaso, yadi veyyākaraṇaso, yadi abbhutadhammaso –   
      語根 品詞 語基 意味  
      yadi suttaso, yadi geyyaso, yadi veyyākaraṇaso, yadi abbhutadhammaso – (194-17.)  
    訳文                
     経〔という形式〕によってであれ、応頌〔という形式〕によってあれ、授記〔という形式〕によってであれ、未曾有〔という形式〕によってであれ、  
                       
                       
                       
    194-23.                
     tato tato labhateva attamanataṃ, labhati cetaso pasādaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      labhati  labh 得る  
      語根 品詞 語基 意味  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      attamanataṃ,    ā 適意性  
      labhati  同上  
      cetaso  cit as  
      pasādaṃ.  pra-sad a 明浄、浄信  
    訳文                
     そのそれぞれにより、適意なることを得、心の明浄を得ます。  
                       
                       
                       
    194-24.                
     ‘‘Seyyathāpi, bho, puriso candanaghaṭikaṃ adhigaccheyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      puriso    a 人、男  
      candana    a 男中 依(属) 栴檀  
      ghaṭikaṃ    ā 杖、棒棒打ち遊び  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      adhigaccheyya –  adhi-gam 証得する、得達する  
    訳文                
     またたとえば尊者よ、男が、栴檀の棒を得たとします。  
                       
                       
                       
    194-25.                
     haricandanassa vā lohitacandanassa vā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      hari    i 黄色の、緑の  
      candanassa    a 男中 栴檀、チャンダナ樹  
          不変 あるいは  
      lohita    名形 a 赤い、血  
      candanassa    a 男中 栴檀、チャンダナ樹  
      vā.    不変 あるいは  
    訳文                
     黄色の栴檀の、あるいは赤い栴檀の〔棒を〕。  
                       
                       
                       
    194-26.                
     So yato yato ghāyetha –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば(yaの奪格)  
      yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば(yaの奪格)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ghāyetha –  ghrā 嗅ぐ  
    訳文                
     彼が、それぞれの〔場所〕から嗅いだならば、  
                       
                       
                       
    194-27.                
     yadi mūlato, yadi majjhato, yadi aggato –   
      語根 品詞 語基 意味  
      yadi    不変 もし  
      mūlato,    a 根、根元  
      yadi    不変 もし  
      majjhato,    名形 a 中の  
      yadi    不変 もし  
      aggato –    a 男中 第一、最高、最上、首位、頂点  
    訳文                
     根元からであれ、中間からであれ、あるいは先端からであれ、  
                       
                       
                       
    194-28.                
     adhigacchateva [adhigacchetheva (?)] surabhigandhaṃ asecanakaṃ;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      adhigacchati  adhi-gam 到達する、証得する  
      語根 品詞 語基 意味  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      surabhi    i 芳香ある、香りよい、魅力的な  
      gandhaṃ    a  
      asecanakaṃ;    a 混濁なき、純粋の、美味の  
    訳文                
     芳しく純粋な香りを獲得します。  
                       
                       
                       
    194-29.                
     evamevaṃ kho, bho, yato yato tassa bhoto gotamassa dhammaṃ suṇāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      evamevaṃ kho, bho, yato yato tassa bhoto gotamassa dhammaṃ suṇāti – (194-16.)  
    訳文                
     まさにそのように、尊者よ、それぞれ〔の形式〕による、かの尊者ゴータマの法を聞くならば、  
                       
                       
                       
    194-30.                
     yadi suttaso, yadi geyyaso, yadi veyyākaraṇaso, yadi abbhutadhammaso –   
      語根 品詞 語基 意味  
      yadi suttaso, yadi geyyaso, yadi veyyākaraṇaso, yadi abbhutadhammaso – (194-17.)  
    訳文                
     経〔という形式〕によってであれ、応頌〔という形式〕によってあれ、授記〔という形式〕によってであれ、未曾有〔という形式〕によってであれ、  
                       
                       
                       
    194-31.                
     tato tato adhigacchati pāmojjaṃ adhigacchati somanassaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      adhigacchati  adhi-gam 到達する、証得する  
      語根 品詞 語基 意味  
      pāmojjaṃ  pra-mud 名未分 a 喜悦  
      adhigacchati  同上  
      somanassaṃ.  su-man a 喜、喜悦  
    訳文                
     そのそれぞれにより、喜を獲得し、悦を獲得します。  
                       
                       
                       
    194-32.                
     ‘‘Seyyathāpi, bho, puriso ābādhiko dukkhito bāḷhagilāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      puriso    a 人、男  
      ābādhiko  ā-bādh a 病気の  
      dukkhito    過分 a 苦しむ  
      bāḷha    a 激しい、甚だしい  
      gilāno.    a 病んだ、病人  
    訳文                
     またたとえば尊者よ、病気になり、苦しみ、激しく病んだ男がおり、  
                       
                       
                       
    194-33.                
     Tassa kusalo bhisakko ṭhānaso ābādhaṃ nīhareyya;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      kusalo    a 良き、善巧の、巧みな  
      bhisakko    a 医者、医師  
      ṭhānaso  sthā a 副奪 場所、状態、理由、道理(副奪で「即座に、自然に」)  
      ābādhaṃ  ā-bādh a 病気  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nīhareyya;  nir-hṛ 取り出す、除去する  
    訳文                
     彼の病気を、巧みな医者が即座に取り除くとします。  
                       
                       
                       
    194-34.                
     evamevaṃ kho, bho, yato yato tassa bhoto gotamassa dhammaṃ suṇāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      evamevaṃ kho, bho, yato yato tassa bhoto gotamassa dhammaṃ suṇāti – (194-16.)  
    訳文                
     まさにそのように、尊者よ、それぞれ〔の形式〕による、かの尊者ゴータマの法を聞くならば、  
                       
                       
                       
    194-35.                
     yadi suttaso, yadi geyyaso, yadi veyyākaraṇaso, yadi abbhutadhammaso –   
      語根 品詞 語基 意味  
      yadi suttaso, yadi geyyaso, yadi veyyākaraṇaso, yadi abbhutadhammaso – (194-17.)  
    訳文                
     経〔という形式〕によってであれ、応頌〔という形式〕によってあれ、授記〔という形式〕によってであれ、未曾有〔という形式〕によってであれ、  
                       
                       
                       
    194-36.                
     tato tato sokaparidevadukkhadomanassupāyāsā abbhatthaṃ gacchanti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      soka  śuc a 愁、憂、うれい  
      parideva  pari-div a 悲、悲泣  
      dukkha    名形 a  
      domanassa    a 憂、憂悩  
      upāyāsā    a 悩、愁、絶望、悶  
      abbhatthaṃ    a 滅没  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gacchanti.  gam 行く  
    訳文                
     そのそれぞれにより、愁悲苦憂悩は滅没に至ります。  
                       
                       
                       
    194-37.                
     ‘‘Seyyathāpi, bho, pokkharaṇī acchodakā sātodakā sītodakā setakā supatitthā ramaṇīyā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      pokkharaṇī    ī 蓮池  
      accha    a 有(持) 澄んだ、輝いた  
      udakā    a 中→女  
      sāta    名形 a 有(持) 快、喜悦  
      udakā    a 中→女  
      sīta    a 有(持) 冷たい  
      udakā    a 中→女  
      setakā    a 白い、透明な  
      supatitthā    a 美しい川岸の、岸まで充分水のある  
      ramaṇīyā.  ram 未分 a 楽しい、喜ばしい、美しい  
    訳文                
     またたとえば尊者よ、澄んだ水あり、快い水あり、冷たい水あり、透明で、岸まで水がある美しい蓮池があり、  
    メモ                
     ・『増支部』5-162「第二の害心調伏経」にパラレル。  
                       
                       
                       
    194-38.                
     Atha puriso āgaccheyya ghammābhitatto ghammapareto kilanto tasito pipāsito.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      puriso    a 人、男  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgaccheyya  ā-gam 来る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ghamma    a 依(具) 炎暑、夏熱  
      abhitatto  abhi-tap 過分 a 焦げた、干上がった、消尽した  
      ghamma    a 依(具) 炎暑、夏熱  
      pareto  parā-i 過分 a 打ち勝たれた  
      kilanto  klam 過分 a 疲れた  
      tasito  tṛṣ 過分 a 熱望する、渇愛する  
      pipāsito.   意 過分 a 乾いた、渇望の  
    訳文                  
     そこへ、炎熱に干上がり、炎熱に打ちのめされて、疲労し、渇望し、乾いた男がやってきたとします。  
                       
                       
                       
    194-39.                
     So taṃ pokkharaṇiṃ ogāhetvā nhātvā ca pivitvā ca sabbadarathakilamathapariḷāhaṃ paṭippassambheyya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      taṃ    代的 それ  
      pokkharaṇiṃ    ī 蓮池  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ogāhetvā  ava-gāh 使 潜入させる、水に入れる  
      nhātvā  snā 沐浴する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pivitvā  飲む  
      語根 品詞 語基 意味  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      sabba    名形 代的 すべて  
      daratha    a 患悩、不安  
      kilamatha    a 疲労  
      pariḷāhaṃ  pari-ḍah a 熱悩、苦悩、焦熱  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭippassambheyya.  prati-pra-śrambh 使 安息させる、止息させる  
    訳文                
     彼はその蓮池に入り、沐浴し、飲み、またあらゆる患い、疲労、熱悩を止息させます。  
                       
                       
                       
    194-40.                
     Evamevaṃ kho, bho, yato yato tassa bhoto gotamassa dhammaṃ suṇāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evamevaṃ kho, bho, yato yato tassa bhoto gotamassa dhammaṃ suṇāti – (194-16.)  
    訳文                
     まさにそのように、尊者よ、それぞれ〔の形式〕による、かの尊者ゴータマの法を聞くならば、  
                       
                       
                       
    194-41.                
     yadi suttaso, yadi geyyaso, yadi veyyākaraṇaso, yadi abbhutadhammaso –   
      語根 品詞 語基 意味  
      yadi suttaso, yadi geyyaso, yadi veyyākaraṇaso, yadi abbhutadhammaso – (194-17.)  
    訳文                
     経〔という形式〕によってであれ、応頌〔という形式〕によってあれ、授記〔という形式〕によってであれ、未曾有〔という形式〕によってであれ、  
                       
                       
                       
    194-42.                
     tato tato sabbadarathakilamathapariḷāhā paṭippassambhantī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      sabba    名形 代的 すべて  
      daratha    a 患悩、不安  
      kilamatha  klam a 疲労  
      pariḷāhā  pari-ḍah a 熱悩、苦悩、焦熱  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭippassambhantī’’  prati-pra-śrambh 安息する、止息する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     そのそれぞれにより、あらゆる患い、疲労、熱悩は止息します」  
                       
                       
                       
    194-43.                
     Evaṃ vutte kāraṇapālī brāhmaṇo uṭṭhāyāsanā ekaṃsaṃ uttarāsaṅgaṃ karitvā dakkhiṇaṃ jāṇumaṇḍalaṃ pathaviyaṃ nihantvā yena bhagavā tenañjaliṃ paṇāmetvā tikkhattuṃ udānaṃ udānesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte  vac 受 過分 a いわれた  
      kāraṇapālī    in 人名、カーラナパーリン  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uṭṭhāya  ud-sthā 起き上がる、奮起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      āsanā  ās a 坐具、坐処、座  
      ekaṃsaṃ    a 一肩、一向、一片  
      uttara    代的 北の、より上の  
      āsaṅgaṃ  ā-sañj a 固着、着衣 →上衣  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karitvā  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      dakkhiṇaṃ    代的 南の、右の、巧みな  
      jāṇu    u 依(属) ひざ  
      maṇḍalaṃ    a 円、曼陀羅  
      pathaviyaṃ    ī  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nihantvā  ni-han 殺害する、攻撃する、打つ、触れる  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      añjaliṃ    i 合掌  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṇāmetvā  pra-nam 向ける、さし出す、閉じる、放逐する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tikkhattuṃ    不変 三度、みたび  
      udānaṃ    a 自説、感興語  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      udānesi –    発音する、発語する  
    訳文                
     このように言われて、カーラナパーリンは座より立つと、上衣を偏袒になし、右の膝頭を地に着け、世尊のところへ合掌を向けて、みたび感興の言葉を発した。  
                       
                       
                       
    194-44.                
     ‘‘Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Namo  nam as 南無、礼拝  
      tassa    代的 それ、彼  
      bhagavato    ant 世尊  
      arahato  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      sambuddhassa;  saṃ-budh 名過分 a 等覚  
    訳文                
     「かの阿羅漢にして正等覚者たる世尊へ礼拝いたします。  
                       
                       
                       
    194-45.                
     Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa; (194-44.)  
    訳文                
     かの阿羅漢にして正等覚者たる世尊へ礼拝いたします。  
                       
                       
                       
    194-46.                
     Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassā’’ (194-44.)  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     かの阿羅漢にして正等覚者たる世尊へ礼拝いたします」と。  
                       
                       
                       
    194-47.                
     ‘‘Abhikkantaṃ, bho piṅgiyāni, abhikkantaṃ, bho piṅgiyāni!   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Abhikkantaṃ,  abhi-kram 名過分 a 偉なるかな、奇なるかな、希有なり、素晴らしい  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      piṅgiyāni,    in 人名、ピンギヤーニン  
      abhikkantaṃ,  abhi-kram 名過分 a 偉なるかな、奇なるかな、希有なり、素晴らしい  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      piṅgiyāni!    in 人名、ピンギヤーニン  
    訳文                
     「素晴らしい、尊者ピンギヤーニンよ。素晴らしい、尊者ピンギヤーニンよ。  
                       
                       
                       
    194-48.                
     Seyyathāpi, bho piṅgiyāni, nikkujjitaṃ [nikujjitaṃ (ka.)] vā ukkujjeyya paṭicchannaṃ vā vivareyya, mūḷhassa vā maggaṃ ācikkheyya andhakāre vā telapajjotaṃ dhāreyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathā   不変 たとえば、その如き  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      piṅgiyāni,    in 人名、ピンギヤーニン  
      nikkujjitaṃ    過分 a 倒れた、転倒した  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ukkujjeyya    起こす、直立させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      paṭicchannaṃ  prati-chad 使 過分 a 覆われた、隠された  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vivareyya,  vi-vṛ 開く、解明する、あきらかにする  
      語根 品詞 語基 意味  
      mūḷhassa  muh 過分 a 男中 愚昧の、迷った  
          不変 あるいは  
      maggaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ācikkheyya  ā-khyā 強 告げる、述べる、説く  
      語根 品詞 語基 意味  
      andha   a 依(属) 盲目、愚昧  
      kāre  kṛ a 行為、所作、字、文字、作者 →暗黒  
          不変 あるいは  
      tela   a 依(具)  
      pajjotaṃ    a 灯火、光明  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dhāreyya –  dhṛ 使 もたせる、差し出す  
    訳文                
     尊者ピンギヤーニンよ、あたかも倒れたものを起こすように、覆われたものをあきらかにするように、迷ったもののために道を教えるように、あるいは、  
                       
                       
                       
    194-49.                
     cakkhumanto rūpāni dakkhantīti;   
      語根 品詞 語基 意味  
      cakkhumanto    ant 眼ある  
      rūpāni    a 色、物質、肉体、形相  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dakkhantī  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti;    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『眼あるものが諸々の形相を見る〔ことができるように〕』といって暗闇に灯明を差し出すように、  
                       
                       
                       
    194-50.                
     evamevaṃ bhotā piṅgiyāninā anekapariyāyena dhammo pakāsito.   
      語根 品詞 語基 意味  
      evam   不変 このように、かくの如き  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      bhotā  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      piṅgiyāninā    in 人名、ピンギヤーニン  
      aneka   代的 一つならぬ、多数の  
      pariyāyena  pari-i a 法門、理由、方便、順序  
      dhammo  dhṛ a 男中  
      pakāsito.  pra-kāś 使 過分 a 説明された、あきらかにされた、知らされた  
    訳文                
     まさしくそのように、尊者ピンギヤーニンによって多くの法門により法があきらかにされました。  
                       
                       
                       
    194-51.                
     Esāhaṃ, bho piṅgiyāni, taṃ bhavantaṃ gotamaṃ saraṇaṃ gacchāmi dhammañca bhikkhusaṅghañca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Eso   代的 これ、彼  
      ahaṃ,    代的  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      piṅgiyāni,    in 人名、ピンギヤーニン  
      taṃ    代的 それ  
      bhavantaṃ    ant 世尊  
      gotamaṃ    a 人名  
      saraṇaṃ  sṛ a 帰依処  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gacchāmi  gam 行く →帰依する  
      語根 品詞 語基 意味  
      dhammañ dhṛ a 男中  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      bhikkhu bhikṣ u 依(属) 比丘、(特に男性の)出家者  
      saṅghañ saṃ-hṛ a 僧伽、(特に仏教の)教団  
      ca.    不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     尊者ピンギヤーニンよ、この私は、かの尊者ゴータマへ、法へ、また比丘僧伽へ帰依いたします。  
                       
                       
                       
    194-52.                
     Upāsakaṃ maṃ bhavaṃ piṅgiyānī dhāretu, ajjatagge pāṇupetaṃ saraṇaṃ gata’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Upāsakaṃ  upa-ās a 優婆塞  
      maṃ    代的  
      bhavaṃ  bhū 現分 ant 現存者、勝存者、尊師  
      piṅgiyāni,    in 人名、ピンギヤーニン  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dhāretu,   持たせる、憶持する、着る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ajja   不変 今日、今  
      agge    a 第一、最高、最上 →今日以降  
      pāṇa pra-an a 依(対) 生類、生命  
      upetaṃ  upa-i 過分 a 副対 そなえた、具備した →命ある限り  
      saraṇaṃ  sṛ a 帰依処  
      gata’’n  gam 過分 a 行った →帰依した  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者ピンギヤーニンは私を、今日以降、命ある限り、帰依をなした優婆塞であるとご記憶下さい」  
                       
                       
                       
     Catutthaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Catutthaṃ.    a 第四の  
    訳文                
     第四〔経〕。  
                       
                       
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