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     Janapadakalyāṇīupamā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Janapada    a 依(属) 地方、国、国土、田舎  
      kalyāṇī    ī 依(属) 美人  
      upamā   ā 譬喩  
    訳文                
     【国のうち〔一番の〕美女の喩え】  
    メモ                
     ・「ポッタパーダ経」426-1.からにパラレル。  
                       
                       
                       
    534-1.                
     534. ‘‘Seyyathāpi, vāseṭṭha, puriso evaṃ vadeyya – ‘‘ahaṃ yā imasmiṃ janapade janapadakalyāṇī, taṃ icchāmi, taṃ kāmemī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      puriso    a 人、男  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadeyya –  vad いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ahaṃ    代的  
          代的 (関係代名詞)  
      imasmiṃ    代的 これ  
      janapade    a 地方、国、国土、田舎  
      janapada    a 依(属) 地方、国、国土、田舎  
      kalyāṇī,    ī 美人  
      taṃ    代的 彼女  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      icchāmi,  iṣ 欲する、求める  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 彼女  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kāmemī’’    欲する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、たとえば〔ある〕男がこのようにいったとします。『私はこの国における、国のうち〔一番の〕美女、その者を求め、その者を欲する』と。  
                       
                       
                       
    534-2.                
     Tamenaṃ evaṃ vadeyyuṃ – ‘‘ambho purisa, yaṃ tvaṃ janapadakalyāṇiṃ icchasi kāmesi, jānāsi taṃ janapadakalyāṇiṃ – khattiyī vā brāhmaṇī vā vessī vā suddī vā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ    不変 直ちに、やがて  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadeyyuṃ –  vad いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ambho    不変 おい、こら、ばかな  
      purisa,    a 人、男  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      tvaṃ    代的 あなた  
      janapada    a 依(属) 地方、国、国土、田舎  
      kalyāṇiṃ    ī 美人  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      icchasi  iṣ 欲する、求める  
      kāmesi,    欲する  
      jānāsi  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 彼女  
      janapada    a 依(属) 地方、国、国土、田舎  
      kalyāṇiṃ –    ī 美人  
      khattiyī    ī 刹帝利の女性  
          不変 あるいは  
      brāhmaṇī  bṛh ī 婆羅門の女性  
          不変 あるいは  
      vessī    ī 毘舎の女性  
          不変 あるいは  
      suddī    ī 首陀羅の女性  
      vā’’    不変 あるいは  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     即座に、〔人々は〕このようにいうでしょう。『おい、男よ、お前が求め、欲する国のうち〔一番の〕美女、その国のうち〔一番の〕美女を、刹帝利の女性であるのか、婆羅門の女性であるのか、毘舎の女性であるのか、あるいは首陀羅の女性であるのか、お前は知っているのか』と。  
                       
                       
                       
    534-3.                
     Iti puṭṭho ‘‘no’’ti vadeyya.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      puṭṭho  prach 過分 a 聞かれた、問われた  
      ‘‘no’’    不変 ない、否/〜かどうか  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadeyya. vad いう  
    訳文                
     このように問われて、『否』と答えたとします。  
                       
                       
                       
    534-4.                
     ‘‘Tamenaṃ evaṃ vadeyyuṃ – ‘‘ambho purisa, yaṃ tvaṃ janapadakalyāṇiṃ icchasi kāmesi, jānāsi taṃ janapadakalyāṇiṃ – evaṃnāmā evaṃgottāti vā, dīghā vā rassā vā majjhimā vā kāḷī vā sāmā vā maṅguracchavī vāti, amukasmiṃ gāme vā nigame vā nagare vā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tamenaṃ evaṃ vadeyyuṃ – ‘‘ambho purisa, yaṃ tvaṃ janapadakalyāṇiṃ icchasi kāmesi, jānāsi taṃ janapadakalyāṇiṃ – (534-2.)  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      nāmā    an 中→女 名前  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      gottā    a 中→女 氏姓、家系  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      vā,    不変 あるいは  
      dīghā    a 長い  
          不変 あるいは  
      rassā    a 短い  
          不変 あるいは  
      majjhimā    a 中の  
          不変 あるいは  
      kāḷī    ī 黒い  
          不変 あるいは  
      sāmā    a 黒褐色の  
          不変 あるいは  
      maṅgura    a 有(持) 金色の  
      chavī    i 皮膚  
          不変 あるいは  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      amukasmiṃ    a 男中 それの、そのような  
      gāme    a  
          不変 あるいは  
      nigame    a  
          不変 あるいは  
      nagare    a 都市  
      vā’’    不変 あるいは  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     即座に、〔人々は〕このようにいうでしょう。『おい、男よ、お前が求め、欲する国のうち〔一番の〕美女、その国のうち〔一番の〕美女を、このような名前であるとか、このような氏姓であるとか、〔背が〕高いとか、低いとか、中ぐらいとか、黒いとか、褐色だとか、金色の膚だとか、このような村、このような町、あるいはこのような都市における〔者である〕と、お前は知っているのか』と。  
                       
                       
                       
    534-5.                
     Iti puṭṭho ‘no’ti vadeyya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti puṭṭho ‘no’ti vadeyya. (534-3.)  
    訳文                
     このように問われて、『否』と答えたとします。  
                       
                       
                       
    534-6.                
     Tamenaṃ evaṃ vadeyyuṃ – ‘‘ambho purisa, yaṃ tvaṃ na jānāsi na passasi, taṃ tvaṃ icchasi kāmesī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ evaṃ vadeyyuṃ – ‘‘ambho purisa, yaṃ tvaṃ (534-2.)  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānāsi  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passasi,  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 彼女  
      tvaṃ    代的 あなた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      icchasi  iṣ 欲する、求める  
      kāmesī’’    欲する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     即座に、〔人々は〕このようにいうでしょう。『おい、男よ、お前は、お前が知らず、見てもいないその者を、欲し、求めるのか』と。  
                       
                       
                       
    534-7.                
     Iti puṭṭho ‘‘āmā’’ti vadeyya.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      puṭṭho  prach 過分 a 聞かれた、問われた  
      ‘‘āmā’’    不変 然り  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadeyya. vad いう  
    訳文                
     このように問われて、『然り』と答えたとします。  
                       
                       
                       
    535-1.                
     535. ‘‘Taṃ kiṃ maññasi, vāseṭṭha, nanu evaṃ sante tassa purisassa appāṭihīrakataṃ bhāsitaṃ sampajjatī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Taṃ    代的 それ、彼、彼女  
      kiṃ    不変 何、どう  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maññasi,  man 考える  
      語根 品詞 語基 意味  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      nanu    不変 〜にあらずや、じつに  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      sante  as 現分 ant ある  
      tassa    代的 それ、彼  
      purisassa    a 人、男  
      appāṭihīrakataṃ  a-prati-hṛ, kṛ a 対応不順となった、正理に応じない  
      bhāsitaṃ  bhāṣ 名過分 a 話された、語られた、所説  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sampajjatī’’  saṃ-pad 起こる、なる、成功する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、これをどう考えますか。このようである場合、その男の所説は、理に適わないものとなるのではありませんか」  
                       
                       
                       
    535-2.                
     ‘‘Addhā kho, bho gotama, evaṃ sante tassa purisassa appāṭihīrakataṃ bhāsitaṃ sampajjatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Addhā    不変 たしかに、まことに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      evaṃ sante tassa purisassa appāṭihīrakataṃ bhāsitaṃ sampajjatī’’ti.(535-1.)  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、確かに、そのようである場合、その男の所説は、理に適わないものとなります」  
                       
                       
                       
    536-1.                
     536. ‘‘Evameva kho, vāseṭṭha, na kira tevijjehi brāhmaṇehi brahmā sakkhidiṭṭho, napi kira tevijjānaṃ brāhmaṇānaṃ ācariyehi brahmā sakkhidiṭṭho, napi kira tevijjānaṃ brāhmaṇānaṃ ācariyapācariyehi brahmā sakkhidiṭṭho.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evam    不変 このように、かくの如き  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      na    不変 ない  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      te    有(帯)  
      vijjehi  vid ā 女→男 明、智、呪、学問、魔術  
      brāhmaṇehi  bṛh a 婆羅門  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      sakkhi    i 依(属) 証人  
      diṭṭho,  dṛś 過分 a 見られた →目の当たりにされた  
      na    不変 ない  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      te    有(帯)  
      vijjānaṃ  vid ā 女→男 明、智、呪、学問、魔術  
      brāhmaṇānaṃ  bṛh a 婆羅門  
      ācariyehi  a-car a  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      sakkhi    i 依(属) 証人  
      diṭṭho,  dṛś 過分 a 見られた →目の当たりにされた  
      na    不変 ない  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      te    有(帯)  
      vijjānaṃ  vid ā 女→男 明、智、呪、学問、魔術  
      brāhmaṇānaṃ  bṛh a 婆羅門  
      ācariya  a-car a 依(属)  
      pācariyehi  pra-ā-car a 大阿闍梨、師中の師、大先生  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      sakkhi    i 依(属) 証人  
      diṭṭho.  dṛś 過分 a 見られた →目の当たりにされた  
    訳文                
     「ヴァーセッタよ、じつにそのごとく、三明をそなえた婆羅門たちによって、梵天は目の当たりにされておらず、三明をそなえた婆羅門たちの師たちによっても、梵天は目の当たりにされておらず、三明をそなえた婆羅門たちの師の師たちによっても、梵天は目の当たりにされていないということでした。  
                       
                       
                       
    536-2.                
     Napi kira tevijjānaṃ brāhmaṇānaṃ yāva sattamā ācariyāmahayugehi brahmā sakkhidiṭṭho.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Na    不変 ない  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      te    有(帯)  
      vijjānaṃ  vid ā 女→男 明、智、呪、学問、魔術  
      brāhmaṇānaṃ  bṛh a 婆羅門  
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      sattamā   a 第七  
      ācariyā    a  
      maha    ant 有(持)  
      yugehi  yuj a 年代、時代  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      sakkhi    i 依(属) 証人  
      diṭṭho.  dṛś 過分 a 見られた →目の当たりにされた  
    訳文                
     三明をそなえた婆羅門たちの、第七〔世代〕よりの歴代の師たちによっても、梵天は目の当たりにされていないということでした。  
                       
                       
                       
    536-3.                
     Yepi kira tevijjānaṃ brāhmaṇānaṃ pubbakā isayo mantānaṃ kattāro mantānaṃ pavattāro, yesamidaṃ etarahi tevijjā brāhmaṇā porāṇaṃ mantapadaṃ gītaṃ pavuttaṃ samihitaṃ, tadanugāyanti, tadanubhāsanti, bhāsitamanubhāsanti, vācitamanuvācenti, seyyathidaṃ – aṭṭhako vāmako vāmadevo vessāmitto yamataggi aṅgīraso bhāradvājo vāseṭṭho kassapo bhagu, tepi na evamāhaṃsu – ‘‘mayametaṃ jānāma, mayametaṃ passāma, yattha vā brahmā, yena vā brahmā, yahiṃ vā brahmā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye    代的 (関係代名詞)  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      te    有(帯)  
      vijjānaṃ  vid ā 女→男 明、智、呪、学問、魔術  
      brāhmaṇānaṃ  bṛh a 婆羅門  
      pubbakā    a 以前の、昔の  
      isayo    i 仙人、聖者  
      mantānaṃ    a 呪文、真言、経文  
      kattāro  kṛ ar 作者、行為者、創造者  
      mantānaṃ    a 呪文、真言、経文  
      pavattāro,  pra-vac ar 説者、宣説者  
      yesam    代的 (関係代名詞)  
      idaṃ    代的 これ  
      etarahi    不変 いま  
      te    有(帯)  
      vijjā  vid ā 女→男 明、智、呪、学問、魔術  
      brāhmaṇā  bṛh a 婆羅門  
      porāṇaṃ    名形 a 昔の、往昔の(男性名詞として「古人、古聖」)  
      manta    a 依(属) 呪文、真言、経文  
      padaṃ    a 足、足跡、歩、処、場所、句、語法  
      gītaṃ  gai 名過分 a 歌われた(中性名詞として「歌」)  
      pavuttaṃ  pra-vac 過分 a いわれた、説かれた  
      samihitaṃ,  saṃ-dhā 過分 a 伴った、集められた  
      tad    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anugāyanti,  anu-gai 随い歌う、随唱する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tad    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anubhāsanti,  anu-bhāṣ 随説する、繰り返す  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhāsitam  bhāṣ 名過分 a いわれた、説かれた  
      anubhāsanti,  同上  
      vācitam  vac 使 過分 a 説かせられた、教えられた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anuvācenti,  anu-vac 使 復唱する、繰り返す  
      語根 品詞 語基 意味  
      seyyathidaṃ –    不変 たとえば、その如き  
      aṭṭhako    a 人名、アッタカ  
      vāmako    a 人名、ヴァーマカ  
      vāmadevo    a 人名、ヴァーマデーヴァ  
      vessāmitto    a 人名ヴェッサーミッタ  
      yamataggi    i 人名、ヤマタッギ  
      aṅgīraso    a 人名、アンギラサ  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      vāseṭṭho    a 人名、ヴァーセッタ  
      kassapo    a 人名、カッサパ  
      bhagu,    u 人名、バグ  
      te    代的 それら、彼ら  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      na    不変 ない  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āhaṃsu –  ah いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘mayam    代的 私たち  
      etaṃ    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānāma,  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      mayam    代的 私たち  
      etaṃ    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passāma,  paś 見る、見出す、知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      yattha    不変 どこ(関係代名詞的)  
          不変 あるいは  
      brahmā,  bṛh 名形 an(特) 梵、梵天、尊貴の、神聖の  
      yena    代的 (関係代名詞)  
          不変 あるいは  
      brahmā,  bṛh 名形 an(特) 梵、梵天、尊貴の、神聖の  
      yahiṃ    代的 どこ  
          不変 あるいは  
      brahmā’’  bṛh 名形 an(特) 梵、梵天、尊貴の、神聖の  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     およそ三明をそなえた婆羅門たちのうち、かの往昔の聖者たちは経文の創作者、経文の説示者でした。いま、三明をそなえた婆羅門たちは、彼らのその古い、歌われ、説かれ、集成された経文のことば、それへ随って歌い、それを繰り返し、説かれたことを繰り返し、教えられたことを復唱しているのです。たとえば、アッタカ、ヴァーマカ、ヴァーマデーヴァ、ヴェッサーミッタ、ヤマタッギ、アンギーラサ、バーラドヴァージャ、ヴァーセッタ、カッサパ、バグ。彼らですら、このようにいっていないということでした。『我々はこれを知る、我々はこれを見る、梵天がいつ来るのか、梵天がどのようにあるのか、あるいは梵天がどこにいるのか』と。  
                       
                       
                       
    536-4.                
     Teva tevijjā brāhmaṇā evamāhaṃsu – ‘‘yaṃ na jānāma, yaṃ na passāma, tassa sahabyatāya maggaṃ desema – ayameva ujumaggo ayamañjasāyano niyyāniko niyyāti takkarassa brahmasahabyatāyā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      te    有(帯)  
      vijjā  vid ā 女→男 明、智、呪、学問、魔術  
      brāhmaṇā  bṛh a 婆羅門  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āhaṃsu –  ah いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānāma,  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passāma,  paś 見る、見出す、知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      tassa    代的 それ、彼  
      sahabyatāya    ā 共住、友誼  
      maggaṃ    a 道、正道  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desema –  diś 示す  
      語根 品詞 語基 意味  
      ayam    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      uju    u 正しい、正直の  
      maggo    a 道、正道  
      ayam    代的 これ  
      añjasa    a 有(持) 実直な、曲がらない  
      āyano  ā-i a 中→男 至らしめる〔道〕、行  
      niyyāniko  nir-yā a 出離の、解脱を欲する  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      niyyāti  nir-yā 出発する、発足する  
      語根 品詞 語基 意味  
      takkarassa  tad-kṛ a その作者  
      brahma  bṛh 名形 an(特) 依(属) 梵天  
      sahabyatāyā’’    ā 共住、友誼  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     〔だとすれば〕じつに、彼ら三明を具えた婆羅門たちはこのようにいった〔ことになります〕。『我々はそれを知らず、我々はそれを見ない。〔しかし〕われわれは、その者(道の実践者)の、〔梵天との〕共住への道を教示する。これのみが正しい道、実直な行、出離のためのものであり、それをなす者の〔帰趣たる〕梵天との共住へ〔ひとは〕導かれる』と。  
                       
                       
                       
    537-1.                
     537. ‘‘Taṃ kiṃ maññasi, vāseṭṭha, nanu evaṃ sante tevijjānaṃ brāhmaṇānaṃ appāṭihīrakataṃ bhāsitaṃ sampajjatī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Taṃ kiṃ maññasi, vāseṭṭha, nanu evaṃ sante tevijjānaṃ brāhmaṇānaṃ appāṭihīrakataṃ bhāsitaṃ sampajjatī’’ti? (535-1.)  
      te    有(帯)  
      vijjānaṃ  vid ā 女→男 明、智、呪、学問、魔術  
      brāhmaṇānaṃ  bṛh a 婆羅門  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、これをどう考えますか。このようである場合、三明をそなえた婆羅門たちの所説は、理に適わないものとなるのではありませんか」  
                       
                       
                       
    537-2.                
     ‘‘Addhā kho, bho gotama, evaṃ sante tevijjānaṃ brāhmaṇānaṃ appāṭihīrakataṃ bhāsitaṃ sampajjatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Addhā    不変 たしかに、まことに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      evaṃ sante tevijjānaṃ brāhmaṇānaṃ appāṭihīrakataṃ bhāsitaṃ sampajjatī’’ti. (537-1.)  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、確かに、そのようである場合、三明をそなえた婆羅門たちの所説は、理に適わないものとなります」  
                       
                       
                       
    537-3.                
     ‘‘Sādhu, vāseṭṭha, te vata, vāseṭṭha, tevijjā brāhmaṇā yaṃ na jānanti, yaṃ na passanti, tassa sahabyatāya maggaṃ desessanti – ayameva ujumaggo ayamañjasāyano niyyāniko niyyāti takkarassa brahmasahabyatāyāti netaṃ ṭhānaṃ vijjati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Sādhu,    u よきかな、なにとぞ  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      te    代的 それら、彼ら  
      vata,    不変 じつに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      te    有(帯)  
      vijjā  vid ā 女→男 明、智、呪、学問、魔術  
      brāhmaṇā  bṛh a 婆羅門  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānanti,  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passanti,  paṣ 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      tassa    代的 それ、彼  
      sahabyatāya    ā 共住、友誼  
      maggaṃ    a 道、正道  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desessanti –  diṣ 示す  
      語根 品詞 語基 意味  
      ayameva ujumaggo ayamañjasāyano niyyāniko niyyāti takkarassa brahmasahabyatāyāti (536-4.)  
      na    不変 ない  
      etaṃ    代的 これ  
      ṭhānaṃ  sthā a 場所、住処、状態、点、理由、原因、道理  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vijjati. vid 受 見出される、知られる、存在する  
    訳文                
     「よきかな、ヴァーセッタよ。ヴァーセッタよ、じつに、彼ら三明を具えた婆羅門たちは、それを知らず、それを見ない。〔にもかかわらず〕その者(道の実践者)の、〔梵天との〕共住への道を教示しているのです。『これのみが正しい道、実直な行、出離のためのものであり、それをなす者の〔帰趣たる〕梵天との共住へ〔ひとは〕導かれる』と。〔しかし〕このような道理は存在しません。  
                       
                       
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