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     Catuparikkhāraṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Catu    有(帯)  
      parikkhāraṃ   a 男→中 資具、資財、資助、必需品、祭法  
    訳文                
     【〔人々の〕四の条件】  
    メモ                
     ・男性名詞parikkhāraが、なぜか中性化しているので有財釈とした。  
     ・以下の、四の人々の承認、王の八の徳性、婆羅門の四の徳性をあわせたものが、先述の「十六の条件」である。  
     ・後に出る、婆羅門の四の条件に関する章と全く同じタイトルのため、補った。  
                       
                       
                       
    339-1.                
     339. ‘‘Tena hi bhavaṃ rājā ye bhoto rañño janapade khattiyā ānuyantā negamā ceva jānapadā ca te bhavaṃ rājā āmantayataṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      hi    不変 じつに、なぜなら(tena hiで「しからば」)  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      rājā    an  
      ye    代的 (関係代名詞)  
      bhoto  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      rañño    an  
      janapade    a 地方、国、国土、田舎  
      khattiyā    a クシャトリヤ、刹帝利、士族、王族  
      ānuyantā  anu-yā  現分 ant 従う、随従する、訪問する  
      negamā    名形 a 町民、町の人  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      jānapadā    a 地方、国、国土、田舎  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      te    代的 それら、彼ら  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      rājā    an  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantayataṃ –  ā-mant? 呼びかける、話す、相談する  
    訳文                
     『尊き王よ、しからば、尊き王の国土において〔王に〕従う、町の、また地方の士族たち、尊き王は彼らへ呼びかけたまえ。  
    メモ                
     ・ānuyantāanuyātiの現在分詞とした。なぜ語頭が長音化しているのか不明。   
     ・本邦の「侍」の語が「侍う」すなわち仕えることの名詞化したものであるように、ここでのanuyantは「従事するもの」という現在分詞から転じた「郷士」とか「近侍武士」といった意味の語として、khattiyaと併置されているのかもしれない。  
     ・なお『パーリ』は、大臣、婆羅門、資産家などについて、ānuyantāの語 を欠くにもかかわらず「従事している」と付するが、これはミスであろうか。  
                       
                       
                       
    339-2.                
     ‘icchāmahaṃ, bho, mahāyaññaṃ yajituṃ, anujānantu me bhavanto yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’ti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘icchāmi  iṣ 欲する、求める  
      語根 品詞 語基 意味  
      ahaṃ,    代的  
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      mahā    ant 大、偉大  
      yaññaṃ  yaj a 供犠、祭式  
      yajituṃ,  yaj 不定 まつる、供養する、犠牲とする  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anujānantu  anu-jñā 許可する、承諾する、規定する  
      語根 品詞 語基 意味  
      me    代的  
      bhavanto  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      mama    代的  
      assa    代的 これ  
      dīgha    a 長い  
      rattaṃ    ā 副対 夜 →長夜に、長時に  
      hitāya  dhā 名過分 a 有益な、利益  
      sukhāyā’    名形 a  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     友よ、私は供犠祭をつとめることを望んでいる。この私にとって長きにわたる利益と安楽のためとなるそれ(供犠)を、諸君は我がために承諾されたいと。  
                       
                       
                       
    339-3.                
     Ye bhoto rañño janapade amaccā pārisajjā negamā ceva jānapadā ca…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye bhoto rañño janapade (339-1.)  
      amaccā    a 同僚、知己、大臣、朝臣  
      pārisajjā    a 侍臣、廷臣、会衆、衆  
      negamā ceva jānapadā ca…pe… (339-1.)  
    訳文                
     尊き王の国土における、町の、また地方の大臣や廷臣たち(略)  
                       
                       
                       
    339-4.                
     brāhmaṇamahāsālā negamā ceva jānapadā ca…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持) 大、偉大  
      sālā    ā 女→男 堂、家 →大家、有名人  
      negamā ceva jānapadā ca…pe… (339-1.)  
    訳文                
     町の、また地方の婆羅門中の大家たち(略)  
                       
                       
                       
    339-5.                
     gahapatinecayikā negamā ceva jānapadā ca, te bhavaṃ rājā āmantayataṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      necayikā    a 富んだ、貯蔵した  
      negamā ceva jānapadā ca, te bhavaṃ rājā āmantayataṃ –  (339-1.)  
    訳文                
     町の、また地方の居士や富豪たち、尊き王は彼らへ呼びかけたまえ。  
                       
                       
                       
    339-6.                
     ‘icchāmahaṃ, bho, mahāyaññaṃ yajituṃ, anujānantu me bhavanto yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘icchāmahaṃ, bho, mahāyaññaṃ yajituṃ, anujānantu me bhavanto yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’ti. (339-2.)  
    訳文                
     友よ、私は大供犠祭をつとめることを望んでいる。この私にとって長きにわたり利益と安楽のためとなるようなそれ(供犠)を、諸君は我がために承諾されたいと。  
                       
                       
                       
    339-7.                
     ‘Evaṃ, bho’ti kho, brāhmaṇa, rājā mahāvijito purohitassa brāhmaṇassa paṭissutvā ye rañño janapade khattiyā ānuyantā negamā ceva jānapadā ca, te rājā mahāvijito āmantesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bho’  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      rājā    an  
      mahāvijito    a 人名、マハーヴィジタ  
      purohitassa    a 輔相、帝師、司祭  
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭissutvā  prati-śru 同意する、応諾する、答える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ye rañño janapade khattiyā ānuyantā negamā ceva jānapadā ca, te rājā (339-1.)  
      mahāvijito    a 人名、マハーヴィジタ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –  ā-mant? 呼びかける、話す、相談する  
    訳文                
     じつに婆羅門よ、マハーヴィジタ王は『尊者よ、そのように』と顧問の婆羅門へ応じました。それから、王の国土において〔王に〕従う、町の、また地方の士族たち、彼らへ、マハーヴィジタ王は呼びかけました。  
                       
                       
                       
    339-8.                
     ‘icchāmahaṃ, bho, mahāyaññaṃ yajituṃ, anujānantu me bhavanto yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘icchāmahaṃ, bho, mahāyaññaṃ yajituṃ, anujānantu me bhavanto yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’’ti.  (339-2.)  
    訳文                
     『友よ、私は大供犠祭をつとめることを望んでいる。この私にとって長きにわたり利益と安楽のためとなるようなそれ(供犠)を、諸君は我がために承諾されたい』と。  
                       
                       
                       
    339-9.                
     ‘Yajataṃ bhavaṃ rājā yaññaṃ, yaññakālo mahārājā’ti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘Yajataṃ  yaj まつる、供養する、犠牲とする  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      rājā    an  
      yaññaṃ,  yaj a 供犠、祭式  
      yañña  yaj a 依(属) 供犠、祭式  
      kālo    a 時、時間、正時、相応しい時  
      mahā    ant  
      rājā’    an  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『尊き王は供犠をつとめられよ。大王よ、供犠に相応しき機会です』。  
                       
                       
                       
    339-10.                
     Ye rañño janapade amaccā pārisajjā negamā ceva jānapadā ca…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye rañño janapade amaccā pārisajjā negamā ceva jānapadā ca…pe… (339-3.)  
    訳文                
     尊き王の国土における、町の、また地方の大臣や廷臣たち(略)  
                       
                       
                       
    339-11.                
     brāhmaṇamahāsālā negamā ceva jānapadā ca…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      brāhmaṇamahāsālā negamā ceva jānapadā ca…pe… (339-4.)  
    訳文                
     町の、また地方の婆羅門中の大家たち(略)  
                       
                       
                       
    339-12.                
     gahapatinecayikā negamā ceva jānapadā ca, te rājā mahāvijito āmantesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      gahapatinecayikā negamā ceva jānapadā ca, te rājā  (339-5.)  
      mahāvijito    a 人名、マハーヴィジタ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –  ā-mant? 呼びかける、話す、相談する  
    訳文                
     町の、また地方の居士や富豪たち、彼らへ、マハーヴィジタ王は呼びかけました。  
                       
                       
                       
    339-13.                
     ‘icchāmahaṃ, bho, mahāyaññaṃ yajituṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘icchāmahaṃ, bho, mahāyaññaṃ yajituṃ. (339-2.)  
    訳文                
     『友よ、私は大供犠祭をつとめることを望んでいる。  
                       
                       
                       
    339-14.                
     Anujānantu me bhavanto yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Anujānantu me bhavanto yaṃ mama assa dīgharattaṃ hitāya sukhāyā’ti. (339-2.)  
    訳文                
     この私にとって長きにわたり利益と安楽のためとなるようなそれ(供犠)を、諸君は我がために承諾されたい』と。  
                       
                       
                       
    339-15.                
     ‘Yajataṃ bhavaṃ rājā yaññaṃ, yaññakālo mahārājā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Yajataṃ bhavaṃ rājā yaññaṃ, yaññakālo mahārājā’ti. (339-9.)  
    訳文                
     『尊き王は供犠をつとめられよ。大王よ、供犠に相応しき機会です』。  
                       
                       
                       
    339-16.                
     Itime cattāro anumatipakkhā tasseva yaññassa parikkhārā bhavanti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      me    代的 これら  
      cattāro     
      anumati anu-man i 依(属) 同意、承認  
      pakkhā    a 翼、脇、側、党、宗徒、半月  
      tassa    代的 それ、彼  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      yaññassa  yaj a 供犠、祭式  
      parikkhārā    a 資具、資財、資助、必需品、祭法  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavanti. bhū ある、存在する  
    訳文                
     かく、これら四の承認する人々が、じつにその供犠の条件なのです。  
                       
                       
                       
     Aṭṭha parikkhārā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Aṭṭha     
       parikkhārā   a 資具、資財、資助、必需品、祭法  
    訳文                
     【〔王の〕八の条件】  
    メモ                
     ・こちらは(おそらく)複合語でなく、複数であり、 parikkhāraが男性のままである。この表現上の差異の意味は不明。  
                       
                       
                       
    340-1.                
     340. ‘‘Rājā mahāvijito aṭṭhahaṅgehi samannāgato, ubhato sujāto mātito ca pitito ca saṃsuddhagahaṇiko yāva sattamā pitāmahayugā akkhitto anupakkuṭṭho jātivādena abhirūpo dassanīyo pāsādiko paramāya vaṇṇapokkharatāya samannāgato brahmavaṇṇī brahmavacchasī akhuddāvakāso dassanāya;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Rājā    an  
      mahāvijito    a 人名、マハーヴィジタ  
      aṭṭhahi     
      aṅgehi    a 支、部分、肢体、身分、関心、理由  
      samannāgato,  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
      ubhato    両方  
      sujāto  su-jan 過分 a 生まれよき  
      mātito    ar  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pitito    ar  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      saṃsuddha  saṃ-śudh a 有(持) 清浄の  
      gahaṇiko    a 血統  
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      sattamā    a 第七  
      pitā    ar 依(属) 父、父祖  
      maha    ant  
      yugā  yuj a 年代、時代  
      akkhitto  a-kṣip 過分 a 捨てられない、混乱のない  
      anupakkuṭṭho  an-upa-kruś 過分 a 非難されない  
      jāti  jan i 依(属) 生まれ  
      vādena  vad a 説、語、論  
      abhirūpo    a 端正な、麗しい  
      dassanīyo  dṛś 未分 a 見られるべき、美しい  
      pāsādiko  pra-sad a 浄信、清浄、喜心、端正の  
      paramāya    a 最上、最高、第一の  
      vaṇṇa    a 色、容色、称讃、階級  
      pokkharatāya    ā 蓮の  
      samannāgato  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
      brahma    名形 梵、高貴な  
      vaṇṇī    in 色の →梵色者  
      brahma    名形 梵、高貴な  
      vacchasī    in 素晴らしい、精力的な →梵威者  
      akhudda    a 有(持) 小さくない、劣っていない  
      avakāso    a 空間、余地、機会  
      dassanāya;  dṛś a 見ること、見  
    訳文                
     マハーヴィジタ王は、八の支分〔からなる条件〕を具えていました。父方母方双方より生まれ良く、血統清浄であり、七世代の父祖の間、〔血筋の〕混乱がなく、出自論によって非難されることのないものでした。〔また〕麗しく、美しく、端正で、最上の蓮の如き色を具足し、梵色者、梵威者であり、見栄えする体格を有していました。  
    メモ                
     ・後で明らかになるように、ここは釈尊が過去生のことを思い出して語っているパートなので、八つの支分も(原文が現在形であっても)過去形で描写することとする。  
                       
                       
                       
    340-2.                
     aḍḍho mahaddhano mahābhogo pahūtajātarūparajato pahūtavittūpakaraṇo pahūtadhanadhañño paripuṇṇakosakoṭṭhāgāro;   
      語根 品詞 語基 意味  
      aḍḍho    a 富んだ  
      maha    ant 有(持)  
      dhano    a 中→男 財、財産、財宝  
      mahā    ant 有(持)  
      bhogo  bhuj a 受用、財、富、俸禄  
      pahūta  pra-bhū 過分 a 有(持) 多くの、広大の、広長の  
      jāta  jan 過分 a 生じた  
      rūpa    a 色、物質、肉体 →金  
      rajato    a 中→男  
      pahūta  pra-bhū 過分 a 有(持) 多くの、広大の、広長の  
      vitta  vid 名形 a 依(属) 財産、富、喜んだ、幸福な  
      upakaraṇo  upa-kṛ a 中→男 利益、資助、資具  
      pahūta  pra-bhū 過分 a 有(持) 多くの、広大の、広長の  
      dhana    a 財、財産、財宝  
      dhañño    a 中→男 穀物  
      paripuṇṇa  pari-pṝ 過分 a 有(持) 円満した、充満した、完全な  
      kosa    a 男中 蔵庫、宝庫、箱、繭、包むもの  
      koṭṭha    a 男中 依(属) 庫、穀倉、穴蔵、房、腹部  
      āgāro;    a 中→男 家、舎、家屋、俗家  
    訳文                
     富者、大財者、大享受者であり、多大な金銀、多くの富の利益、莫大な財と穀物、充満した宝庫と穀倉を持っていました。  
                       
                       
                       
    340-3.                
     balavā caturaṅginiyā senāya samannāgato assavāya ovādapaṭikarāya sahati [patapati (sī. pī.), tapati (syā.)] maññe paccatthike yasasā;   
      語根 品詞 語基 意味  
      balavā    ant 強い、力ある  
      catur    有(帯)  
      aṅginiyā    inī 支分ある  
      senāya    ā 軍、軍隊、軍勢 →四軍(歩、騎、象、車)  
      samannāgato  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
      assavāya  ā-śru a 忠実な  
      ovāda  ava-vad a 有(相) 教誡、訓誡  
      paṭikarāya  prati-kṛ a 男→女 懺悔、贖罪、対策  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sahati  sah 征服する、打ち勝つ、耐える、忍耐する、できる、可能である  
      語根 品詞 語基 意味  
      maññe  man 不変 私思うに、確かに、(現在形一人称単数の副詞化)  
      paccatthike    a 敵、怨敵  
      yasasā;    as 名称、名声、名誉  
    訳文                
     力あり、忠実で訓誡と対策ある四軍を擁し、〔その〕名〔のみ〕で敵たちを征服するであろうほどでした。  
                       
                       
                       
    340-4.                
     saddho dāyako dānapati anāvaṭadvāro samaṇabrāhmaṇakapaṇaddhikavaṇibbakayācakānaṃ opānabhūto puññāni karoti;   
      語根 品詞 語基 意味  
      saddho  sad-dhā 名形 a 信ある  
      dāyako  a 施者  
      dāna a 依(属) 施、布施  
      pati    i 主、主人、夫 →施主、檀越  
      anāvaṭa an-ā-vṛ 過分 a 有(持) 閉ざされざる、開かれた  
      dvāro    a 中→男  
      samaṇa  śram a 沙門  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      kapaṇa   a 貧困な、哀れな  
      addhika    a 旅行している、路上にある  
      vaṇibbaka   a 乞食、旅人、浮浪者  
      yācakānaṃ  yāc 名形 a 乞求者  
      opāna ava-pā a 依(対) 湧く泉、給水者  
      bhūto  bhū 過分 a 存在した、真実、生類、鬼神、漏尽者  
      puññāni    a 福、善、福徳、功徳  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karoti;  kṛ なす  
    訳文                
     信あり施ある檀越として門戸を開き、沙門、婆羅門、貧困者、放浪者、浮浪者、乞求者たちのための泉となって、功徳をなしました。  
                       
                       
                       
    340-5.                
     bahussuto tassa tassa sutajātassa, tassa tasseva kho pana bhāsitassa atthaṃ jānāti ‘ayaṃ imassa bhāsitassa attho ayaṃ imassa bhāsitassa attho’ti;   
      語根 品詞 語基 意味  
      bahu    u 有(持) 多く  
      suto  śru 名過分 a 聞いた →多聞  
      tassa    代的 それ、彼  
      tassa    代的 それ、彼  
      suta  śru 名過分 a 依(属絶) 聞いた、所聞、博聞  
      jātassa,  jan 過分 a 男中 属絶 生じた  
      tassa    代的 それ、彼  
      tassa    代的 それ、彼  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhāsitassa  bhāṣ 名過分 a 言った、語った、所説、言説  
      atthaṃ    a 男中 義、利益、道理、意味、必要、裁判、営務  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānāti  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayaṃ    代的 男女 これ  
      imassa    代的 これ  
      bhāsitassa  bhāṣ 名過分 a 言った、語った、所説、言説  
      attho    a 男中 義、利益、道理、意味、必要、裁判、営務  
      ayaṃ    代的 男女 これ  
      imassa    代的 これ  
      bhāsitassa  bhāṣ 名過分 a 言った、語った、所説、言説  
      attho’    a 男中 義、利益、道理、意味、必要、裁判、営務  
      ti;    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     多聞であり、それぞれ〔の事柄〕について博識で、またじつにそれぞれ〔の事柄〕について所説の意味を知っていました。『この所説の意味はこうである、この所説の意味はこうである』と。  
    メモ                
     ・いっけん、tassa tassasutajātassaが属格絶対節を形成していそうだが、それでは「それぞれ」が節の主語になってしまい、おかしなことになる。ここではsutajātassaという複合語がsutassa jātassaという意味の依主釈であって、これ自体で属格絶対節を形成しているものとみた。すなわち「博聞が生じて」といった形であり、これを上記のように意訳した。  
                       
                       
                       
    340-6.                
     paṇḍito, viyatto, medhāvī, paṭibalo, atītānāgatapaccuppanne atthe cintetuṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      paṇḍito,    a 賢い、博学の、賢者、知者  
      viyatto,  vi-añj 過分 a 聡明の、有能の  
      medhāvī,    in 智慧ある  
      paṭibalo,    a 有能の、可能な、力能の、堪えうる  
      atīta  ati-i 名過分 a 過去、過ぎ去った  
      anāgata  an-ā-gam 過分 a 未来の、未だ来たらぬ  
      paccuppanne  prati-ud-pad 名過分 a 現在、現に在る  
      atthe    a 男中 義、利益、道理、意味、必要、裁判、営務  
      cintetuṃ.  cint 不定 考えること  
    訳文                
     賢く、聡明で、知恵があり、有能で、過去、未来、現在の意義に関して考えることが〔できる者でした〕。  
                       
                       
                       
    340-7.                
     Rājā mahāvijito imehi aṭṭhahaṅgehi samannāgato.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Rājā    an  
      mahāvijito    a 人名、マハーヴィジタ  
      imehi    代的 これら  
      aṭṭhahi     
      aṅgehi    a 支、部分、肢体、身分、関心、理由  
      samannāgato.  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
    訳文                
     マハーヴィジタ王は、これら八の支分をそなえていました。  
                       
                       
                       
    340-8.                
     Iti imānipi aṭṭhaṅgāni tasseva yaññassa parikkhārā bhavanti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      imāni    代的 これら  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      aṭṭha     
      aṅgāni    a 支、部分、肢体、身分、関心、理由  
      tasseva yaññassa parikkhārā bhavanti. (339-16.)  
    訳文                
     このように、これら八の支分が、じつにその供犠の条件なのです。  
                       
                       
                       
    Catuparikkhāraṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Catu    有(帯)  
      parikkhāraṃ   a 男→中 資具、資財、資助、必需品、祭法  
    訳文                
     【〔婆羅門の〕四の条件】  
                       
                       
                       
    341-1.                
     341. ‘‘Purohito [purohitopi (ka. sī. ka.)] brāhmaṇo catuhaṅgehi samannāgato.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Purohito    a 輔相、帝師、司祭  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      catuhi     
      aṅgehi    a 支、部分、肢体、身分、関心、理由  
      samannāgato.  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
    訳文                
     顧問の婆羅門は、四の支分〔からなる条件〕を具えていました。  
                       
                       
                       
    341-2.                
     Ubhato sujāto mātito ca pitito ca saṃsuddhagahaṇiko yāva sattamā pitāmahayugā akkhitto anupakkuṭṭho jātivādena;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ubhato sujāto mātito ca pitito ca saṃsuddhagahaṇiko yāva sattamā pitāmahayugā akkhitto anupakkuṭṭho jātivādena; (340-1.)  
    訳文                
     父方母方双方より生まれ良く、血統清浄であり、七世代の父祖の間、〔血筋の〕混乱がなく、出自論によって非難されることのないものでした。  
    メモ                
     ・以下、『ソーナダンダ経』で挙げられた婆羅門の五つの定義のうち、容色を除いた四つが述べられる(容色に関しては王の条件の方で既に出た)。  
                       
                       
                       
    341-3.                
     ajjhāyako mantadharo tiṇṇaṃ vedānaṃ pāragū sanighaṇḍukeṭubhānaṃ sākkharappabhedānaṃ itihāsapañcamānaṃ padako veyyākaraṇo lokāyatamahāpurisalakkhaṇesu anavayo;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ajjhāyako    a 学習者、読誦者  
      manta   a 依(属) 呪文、真言、経文  
      dharo  dhṛ a 保つ、保持する  
      tiṇṇaṃ     
      vedānaṃ  vid a ヴェーダ、明知  
      pāragū  pāra-gam ū 彼岸に至った、超えた  
      sa    不変 有(持) 有する、伴う  
      nighaṇḍu    u 字彙、難語解、名義集  
      keṭubhānaṃ    a 儀規、儀式書  
      sa    不変 有(持) 有する、伴う  
      akkhara    a 文字  
      pabhedānaṃ  pra-bhid a 区分、区別、種類 →音韻論と語源論ある  
      itihāsa    a 有(持) 古伝説、史伝、口碑  
      pañcamānaṃ    a 第五  
      padako    名形 a 男中 句の、聖句の通暁者、詩句、条目  
      veyyākaraṇo  vi-ā-kṛ a 文法、文典家(解答、受記の意の場合は中性)  
      lokāyata    a 順世派  
      mahā    ant  
      purisa    a 依(属) 人間、男  
      lakkhaṇesu    a 相、特徴  
      anavayo;    a 無欠の  
    訳文                
     読誦者、持呪者であり、三ヴェーダのみならず、語句解説、儀式書、音韻論、語源論と、第五に古伝の通暁者であり、順世論と大人相に関して無欠の〔知識がある〕者でした。  
                       
                       
                       
    341-4.                
     sīlavā vuddhasīlī vuddhasīlena samannāgato;   
      語根 品詞 語基 意味  
      sīlavā    ant 持戒者、具戒者  
      vuddha  vṛdh 過分 a 年長の、増上の  
      sīlī    in 戒ある  
      vuddha  vṛdh 過分 a 年長の、増上の  
      sīlena    a  
      samannāgato;  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
    訳文                
     持戒者、増上の戒あるもの、戒具足者でした。  
                       
                       
                       
    341-5.                
     paṇḍito viyatto medhāvī paṭhamo vā dutiyo vā sujaṃ paggaṇhantānaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      paṇḍito    a 賢い、博学の、智者、賢者  
      viyatto  vi-añj 過分 a 聡明の、有能の  
      medhāvī    in 智慧ある  
      paṭhamo    a 第一  
          不変 あるいは  
      dutiyo    名形 a 第二  
          不変 あるいは  
      sujaṃ    ā 祭具、護摩柄杓  
      paggaṇhantānaṃ.  pra-grah 現分 ant さしのべる、努力する →護摩棒持者  
    訳文                
     賢く、聡明で、智慧があり、護摩棒持者のうちの第一、あるいは第二人者であるものでした。  
    メモ                
     ・viyatto の語は、『ソーナダンダ経』になかった。  
                       
                       
                       
    341-6.                
     Purohito brāhmaṇo imehi catūhaṅgehi samannāgato.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Purohito    a 輔相、帝師、司祭  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      imehi    代的 これら  
      catūhi     
      aṅgehi    a 支、部分、肢体、身分、関心、理由  
      samannāgato.  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
    訳文                
     顧問の婆羅門は、これら四の支分を具えていました。  
                       
                       
                       
    341-7.                
     Iti imāni cattāri aṅgāni tasseva yaññassa parikkhārā bhavanti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      imāni    代的 これら  
      cattāri     
      aṅgāni    a 支、部分、肢体、身分、関心、理由  
      tasseva yaññassa parikkhārā bhavanti. (339-16.)  
    訳文                
     かく、これら四の支分が、その供犠の条件なのです。  
                       
                       
                       
     Tisso vidhā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tisso     
      vidhā   ā 種、種類  
    訳文                
     【三種の〔心得〕】  
                       
                       
                       
    342-1.                
     342. ‘‘Atha kho, brāhmaṇa, purohito brāhmaṇo rañño mahāvijitassa pubbeva yaññā tisso vidhā desesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      purohito    a 輔相、帝師、司祭  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      rañño    an  
      mahāvijitassa    a 人名、マハーヴィジタ  
      pubbe    不変 前に、以前に  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      yaññā  yaj a 供犠、祭式  
      tisso     
      vidhā    ā 種、種類  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desesi.  diś 使 示す  
    訳文                
     婆羅門よ、そこで顧問の婆羅門は、マハーヴィジタ王のため、じつに供犠に先立ち、三種の〔心得〕を教示しました。  
                       
                       
                       
    342-2.                
     Siyā kho pana bhoto rañño mahāyaññaṃ yiṭṭhukāmassa [yiṭṭhakāmassa (ka.)] kocideva vippaṭisāro –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Siyā  as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhoto  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      rañño    an  
      mahā    ant 大、偉大  
      yaññaṃ  yaj a 供犠、祭式  
      yiṭṭhu  yaj 不定 まつる、供養する、犠牲とする  
      kāmassa    a 男中  
      koci    代的 何、誰  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      vippaṭisāro –  vi-prati-smṛ? a 後悔  
    訳文                
     『さて、大供犠祭をつとめんと望む尊き王に、何かしらの後悔があるやもしれません。  
                       
                       
                       
    342-3.                
     ‘mahā vata me bhogakkhandho vigacchissatī’ti, so bhotā raññā vippaṭisāro na karaṇīyo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘mahā    ant 大、偉大  
      vata    不変 じつに  
      me    代的  
      bhoga  bhuj a 依(属) 受用、財、富、俸禄  
      khandho    a 蘊、集まり  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vigacchissatī’  vi-gam 去る、消失する、減少する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      so    代的 それ、彼  
      bhotā  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      raññā    an  
      vippaṭisāro  vi-prati-smṛ? a 後悔  
      na    不変 ない  
      karaṇīyo.  kṛ 名未分 a 中→男 なされるべき  
    訳文                
     じつに私の多大な財の集まりが無くなってしまうだろうと。尊き王はそのような後悔をなされるべきでありません。  
                       
                       
                       
    342-4.                
     Siyā kho pana bhoto rañño mahāyaññaṃ yajamānassa kocideva vippaṭisāro –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Siyā kho pana bhoto rañño mahāyaññaṃ (342-2.)  
      yajamānassa yaj 現分 a まつる、供養する、犠牲とする  
      kocideva vippaṭisāro – (342-2.)  
    訳文                
     さて、大供犠祭をつとめつつある尊き王に、何かしらの後悔があるやもしれません。  
                       
                       
                       
    342-5.                
     ‘mahā vata me bhogakkhandho vigacchatī’ti, so bhotā raññā vippaṭisāro na karaṇīyo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘mahā vata me bhogakkhandho (342-3.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vigacchatī’  vi-gam 去る、消失する、減少する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti, so bhotā raññā vippaṭisāro na karaṇīyo.  (342-3.)  
    訳文                
     じつに私の多大な財の集まりが無くなっていると。尊き王はそのような後悔をなされるべきでありません。  
                       
                       
                       
    342-6.                
     Siyā kho pana bhoto rañño mahāyaññaṃ yiṭṭhassa kocideva vippaṭisāro –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Siyā kho pana bhoto rañño mahāyaññaṃ (342-2.)  
      yiṭṭhassa  yaj 過分 a まつる、供養する、犠牲とする  
      kocideva vippaṭisāro – (342-2.)  
    訳文                
     さて、大供犠祭をつとめ終わった尊き王に、何かしらの後悔があるやもしれません。  
                       
                       
                       
    342-7.                
     ‘mahā vata me bhogakkhandho vigato’ti, so bhotā raññā vippaṭisāro na karaṇīyo’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘mahā vata me bhogakkhandho (342-3.)  
      vigato’  vi-gam 過分 a 去る、消失する、減少する  
      ti, so bhotā raññā vippaṭisāro na karaṇīyo’’ti.  (342-3.)  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     じつに私の多大な財の集まりが無くなってしまったと。尊き王はそのような後悔をなされるべきでありません』と。  
                       
                       
                       
    342-8.                
     Imā kho, brāhmaṇa, purohito brāhmaṇo rañño mahāvijitassa pubbeva yaññā tisso vidhā desesi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Imā    代的 これら  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      purohito    a 輔相、帝師、司祭  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      rañño    an  
      mahāvijitassa    a 人名、マハーヴィジタ  
      pubbe   不変 前に、以前に  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      yaññā  yaj a 供犠、祭式  
      tisso     
      vidhā    ā 種、種類  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desesi. diś 使 示す  
    訳文                
     婆羅門よ、顧問の婆羅門は、マハーヴィジタ王のため、じつに供犠に先立ち、これら三種の〔心得〕を教示したのです。  
                       
                       
                       
     Dasa ākārā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Dasa     
      ākārā ā-kṛ a 行相、相、相貌、様相、方法、理由  
    訳文                
     【十の作法】  
    メモ                
     ・先述の「三の心得」と「十六の条件」とは別のトピックである。いわゆる十悪の観点から供犠祭における作法を説く。  
                       
                       
                       
    343-1.                
     343. ‘‘Atha kho, brāhmaṇa, purohito brāhmaṇo rañño mahāvijitassa pubbeva yaññā dasahākārehi paṭiggāhakesu vippaṭisāraṃ paṭivinesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha kho, brāhmaṇa, purohito brāhmaṇo rañño mahāvijitassa pubbeva yaññā (342-1.)  
      dasahi     
      ākārehi  ā-kṛ a 行相、相、相貌、様相、方法、理由  
      paṭiggāhakesu  prati-grah a 男中 受納の  
      vippaṭisāraṃ  vi-prati-smṛ? a 後悔  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭivinesi.  prati-vi-nī 駆除する、除く  
    訳文                
     婆羅門よ、そこで顧問の婆羅門は、マハーヴィジタ王のため、じつに供犠に先立ち、十の作法によって、受納者たちに関する後悔を取り除きました。  
    メモ                
     ・「受納者」とは、供物のお下がりを受ける参列者と思われる。  
                       
                       
                       
    343-2.                
     ‘Āgamissanti kho bhoto yaññaṃ pāṇātipātinopi pāṇātipātā paṭiviratāpi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘Āgamissanti  ā-gam 来る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhoto  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      yaññaṃ  yaj a 供犠、祭式  
      pāṇa  pra-an a 依(対) 生き物  
      atipātino  ati-pat 名形 in たおすもの、伐つもの →殺生者  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      pāṇa  pra-an a 依(属) 生き物  
      atipātā  ati-pat a たおすこと、伐つこと →殺生  
      paṭiviratā  prati-vi-ram 過分 a 回避した、離れた  
      pi.    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
    訳文                
     『じつに、尊き方の供犠には、殺生者たちも、また殺生を離れたものたちもやってくることでしょう。  
                       
                       
                       
    343-3.                
     Ye tattha pāṇātipātino, tesaññeva tena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye    代的 (関係代名詞)  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      pāṇa  pra-an a 依(対) 生き物  
      atipātino,  ati-pat 名形 in たおすもの、伐つもの →殺生者  
      tesaññ    代的 それら、彼ら  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      tena.    代的 それによって  
    訳文                
     そのうち殺生者たちには、じつに彼らのためのそれ(門前払い)によって〔対応なさい〕。  
    メモ                
     ・註は「彼らにはその悪による好ましからぬ異熟が生ずるであろう。他のものたちにはそのように現れない」tesaññeva tena pāpena aniṭṭho vipāko bhavissati, na aññesanti dasseti.という。しかし些か意味が通らないし、そもそも業の異熟のようなものを持ち出さずとも、対応する次文の、非殺生者は参加させよ、という文脈からして、上記のように解せばよいのではなかろうか。  
                       
                       
                       
    343-4.                
     Ye tattha pāṇātipātā paṭiviratā, te ārabbha yajataṃ bhavaṃ, sajjataṃ bhavaṃ, modataṃ bhavaṃ, cittameva bhavaṃ antaraṃ pasādetu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye    代的 (関係代名詞)  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      pāṇa  pra-an a 依(属) 生き物  
      atipātā  ati-pat a たおすこと、伐つこと →殺生  
      paṭiviratā,  prati-vi-ram 過分 a 回避した、離れた  
      te    代的 それら、彼ら  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārabbha  ā-rabh 始める、出発する、励む、(連で)〜に関して  
      yajataṃ  yaj まつる、供養する、犠牲とする  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ,  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sajjataṃ  sṛj 放つ、捨てる、遣わす  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ,  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      modataṃ  mud 喜ぶ、喜悦する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ,  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      cittam  cit a  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      antaraṃ    名形 a 中、中の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pasādetu.  pra-sad 使 喜ばせる、浄信させる  
    訳文                
     そのうち殺生を離れたものたち、彼らに対して、尊き方は供養されよ。尊き方は与えられよ。尊き方は喜ばれよ、尊き方は内心を喜ばせよ。  
    メモ                
     ・sajjataṃ sujatiの命令形と解した(諸訳もそうであると思われる)。sujjatiは「執着する、躊躇する」の意なので、文脈になじまないため。  
                       
                       
                       
    343-5.                
     Āgamissanti kho bhoto yaññaṃ adinnādāyinopi adinnādānā paṭiviratāpi…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Āgamissanti kho bhoto yaññaṃ (343-2.)  
      adinna  a-dā 過分 a 依(対) 与えられないもの  
      ādāyino  a-dā in 取るもの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      adinna  a-dā 過分 a 依(属) 与えられないもの  
      ādānā  ā-dā a 取、取ること →偸盗  
      paṭiviratā  prati-vi-ram 過分 a 回避した、離れた  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      …pe…     
    訳文                
     じつに、尊き方の供犠には、偸盗者たちも、また偸盗を離れたものたちもやってくることでしょう。(略)  
                       
                       
                       
    343-6.                
     kāmesu micchācārinopi kāmesumicchācārā paṭiviratāpi…   
      語根 品詞 語基 意味  
      kāmesu    a 男中  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      cārino car 名形 in 行ずるもの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kāmesu    a 男中  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      cārā  car a 男中 行 →邪淫  
      paṭiviratā prati-vi-ram 過分 a 回避した、離れた  
      pi…    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
    訳文                
     じつに、尊き方の供犠には、邪淫者たちも、また邪淫を離れたものたちも……(略)  
    メモ                
     ・いちおうkāmesumicchācāraを「邪淫」とした。水野辞書や『パーリ』などもそうしているが、この語は在家者が避けるべき「不適切な性的関係」に限定した意味とも取れるため、出家者が忌避すべき「性的行為一般」を明確に表す別の訳語がよいのかも知れない。『南伝』は「欲邪行」などともしている。  
                       
                       
                       
    343-7.                
     musāvādinopi musāvādā paṭiviratāpi…   
      語根 品詞 語基 意味  
      musā    不変 虚妄に、偽って  
      vādino  vad in 説、語、論の   
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      musā    不変 虚妄に、偽って  
      vādā  vad a 説、語、論 →妄語  
      paṭiviratā  prati-vi-ram 過分 a 回避した、離れた  
      pi…    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
    訳文                
     邪淫者たちも、また邪淫を離れたものたちも……(略)  
                       
                       
                       
    343-8.                
     pisuṇavācinopi pisuṇāya vācāya paṭiviratāpi…   
      語根 品詞 語基 意味  
      pisuṇa    a 離間の、中傷の  
      vācino  vac in 語、言葉の  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      pisuṇāya    a 離間の、中傷の  
      vācāya  vac ā 語、言葉 →両舌  
      paṭiviratā  prati-vi-ram 過分 a 回避した、離れた  
      pi…    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
    訳文                
     両舌者たちも、また両舌を離れたものたちも……(略)  
                       
                       
                       
    343-9.                
     pharusavācinopi pharusāya vācāya paṭiviratāpi…   
      語根 品詞 語基 意味  
      pharusa    a 粗暴な、麁悪な  
      vācino  vac in 語、言葉の  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      pharusāya    a 粗暴な、麁悪な  
      vācāya  vac ā 語、言葉 →悪口  
      paṭiviratā  prati-vi-ram 過分 a 回避した、離れた  
      pi…    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
    訳文                
     悪口者たちも、また悪口を離れたものたちも……(略)  
                       
                       
                       
    343-10.                
     samphappalāpinopi samphappalāpā paṭiviratāpi …   
      語根 品詞 語基 意味  
      sampha    a 雑穢の、綺(かざ)った  
      palāpino    in 駄弁、談論; もみがらの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      sampha    a 雑穢の、綺(かざ)った  
      palāpā    a 駄弁、談論; もみがら →綺語  
      paṭiviratā  prati-vi-ram 過分 a 回避した、離れた  
      pi …    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
    訳文                
     綺語者たちも、また綺語を離れたものたちも……(略)  
                       
                       
                       
    343-11.                
     abhijjhālunopi anabhijjhālunopi…   
      語根 品詞 語基 意味  
      abhijjhāluno  abhi-dhyai u, ū 貪ある  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      anabhijjhāluno   an-abhi-dhyai u, ū 貪なき  
      pi…    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
    訳文                
     貪あるものたちも、また貪なきものたちも……(略)  
    メモ                
     ・これまでの例に従うならここも男性複数主格でなくてはなるまいからそう表記した。しかしuもしくはū語基の場合、もしくは-avoという形になるはずである。  
                       
                       
                       
    343-12.                
     byāpannacittāpi abyāpannacittāpi…   
      語根 品詞 語基 意味  
      byāpanna  vi-ā-pad 過分 a 有(持) 瞋恚の  
      cittā  cit a 中→男  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      abyāpanna  a-vi-ā-pad 過分 a 有(持) 瞋恚なき  
      cittā  cit a 中→男  
      pi…    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
    訳文                
     瞋恚の心あるものたちも、また瞋恚の心なきものたちも……(略)  
                       
                       
                       
    343-13.                
     micchādiṭṭhikāpi sammādiṭṭhikāpi….   
      語根 品詞 語基 意味  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      diṭṭhikā  dṛś a 見の  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      diṭṭhikā  dṛś a 見の  
      pi….    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
    訳文                
     邪見者たちも、また正見者たちも……(略)  
                       
                       
                       
    343-14.                
     Ye tattha micchādiṭṭhikā, tesaññeva tena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye    代的 (関係代名詞)  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      diṭṭhikā,  dṛś a 見の  
      tesaññ    代的 それら、彼ら  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      tena.    代的 それによって  
    訳文                
     そのうち邪見者たちには、じつに彼らのためのそれ(門前払い)によって〔対応なさい〕。  
                       
                       
                       
    343-15.                
     Ye tattha sammādiṭṭhikā, te ārabbha yajataṃ bhavaṃ, sajjataṃ bhavaṃ, modataṃ bhavaṃ, cittameva bhavaṃ antaraṃ pasādetū’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye    代的 (関係代名詞)  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      diṭṭhikā,  dṛś a 見の  
      te ārabbha yajataṃ bhavaṃ, sajjataṃ bhavaṃ, modataṃ bhavaṃ, cittameva bhavaṃ antaraṃ pasādetū’ (343-4.)  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     そのうち正見者たち、彼らに対して、尊き方は供養されよ。尊き方は与えられよ。尊き方は喜ばれよ、尊き方は内心を喜ばせよ』と。  
                       
                       
                       
    343-16.                
     Imehi kho, brāhmaṇa, purohito brāhmaṇo rañño mahāvijitassa pubbeva yaññā dasahākārehi paṭiggāhakesu vippaṭisāraṃ paṭivinesi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Imehi    代的 これら  
      kho, brāhmaṇa, purohito brāhmaṇo rañño mahāvijitassa pubbeva yaññā dasahākārehi paṭiggāhakesu vippaṭisāraṃ paṭivinesi. (343-1.)  
    訳文                
     婆羅門よ、顧問の婆羅門は、マハーヴィジタ王のため、じつに供犠に先立ち、これら十の作法によって、受納者たちに関する後悔を取り除いたのです。  
                       
                       
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