←前へ   トップへ   次へ→
                       
                       
     Pabbajito  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pabbajito pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
    訳文                
     【出家者】  
                       
                       
                       
    52-1.                
     52. ‘‘Atha kho, bhikkhave, bandhumassa rañño etadahosi – ‘mā heva kho vipassī kumāro na rajjaṃ kāresi, mā heva vipassī kumāro agārasmā anagāriyaṃ pabbaji, mā heva nemittānaṃ brāhmaṇānaṃ saccaṃ assa vacana’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      bandhumassa    ant 人名、バンドゥマット  
      rañño    an  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘mā    不変 なかれ  
      hi    不変 じつに、なぜなら(tena hiで「しからば」)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      na    不変 ない  
      rajjaṃ    a 王たること、王位、王権、統治  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kāresi,  kṛ 使 なさしめる  
      語根 品詞 語基 意味  
          不変 なかれ  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家  
      anagāriyaṃ    a 非家の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbaji,  pra-vraj 出家する、遁世する  
      語根 品詞 語基 意味  
          不変 なかれ  
      hi    不変 じつに、なぜなら(tena hiで「しからば」)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      nemittānaṃ    a 占相者、占星者、暗示  
      brāhmaṇānaṃ  bṛh a 婆羅門  
      saccaṃ    a 真実  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assa  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      vacana’n  vac a 言葉  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     比丘たちよ、そのときバンドゥマット王にこのような〔思いが〕おこりました。『じつに、ヴィパッシン童子が統治をなさしめないということがあってはならない。じつに、ヴィパッシン童子が家を捨てて出家するようなことがあってはならない。じつに、占相者たる婆羅門たちの言葉が真実であってはならない』と。  
                       
                       
                       
    52-2.                
     Atha kho, bhikkhave, bandhumā rājā vipassissa kumārassa bhiyyosomattāya pañca kāmaguṇāni upaṭṭhāpesi – ‘yathā vipassī kumāro rajjaṃ kareyya, yathā vipassī kumāro na agārasmā anagāriyaṃ pabbajeyya, yathā nemittānaṃ brāhmaṇānaṃ micchā assa vacana’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      bandhumā    ant 人名、バンドゥマット  
      rājā    an  
      vipassissa  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumārassa    a 童子  
      bhiyyoso    不変 より多く  
      mattāya  ā 副属 量 →さらに一層、甚だしく  
      pañca     
      kāma    a 男中 依(属)  
      guṇāni    a 男(中) 徳 →妙欲  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upaṭṭhāpesi –  upa-sthā 使 現れる、起こる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      rajjaṃ    a 王たること、王位、王権、統治  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kareyya,  kṛ 使 なさしめる  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      na    不変 ない  
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家  
      anagāriyaṃ    a 非家の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbajeyya,  pra-vraj 出家する、遁世する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      nemittānaṃ    a 占相者、占星者、暗示  
      brāhmaṇānaṃ  bṛh a 婆羅門  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assa  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      vacana’n  vac a 言葉  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     比丘たちよ、そこでバンドゥマット王は、ヴィパッシン童子のため、より一層五妙欲をおこさせました。『ヴィパッシン童子が統治をなさしめるように。ヴィパッシン童子が家を捨てて出家しないように、占相者たる婆羅門たちの言葉が誤りであるように』と。  
                       
                       
                       
    52-3.                
     ‘‘Tatra sudaṃ, bhikkhave, vipassī kumāro pañcahi kāmaguṇehi samappito samaṅgībhūto paricāreti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tatra    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      sudaṃ,    不変 まさに、じつに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      pañcahi     
      kāma    a 男中 依(属)  
      guṇehi    a 男→中 徳 →妙欲  
      samappito  sam-ṛ 使 過分 a 引き渡された、具えた  
      samaṅgī    in 具備した、具足した  
      bhūto  bhū 過分 a 存在した →具足した  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paricāreti.  pari-car 使 仕える、給仕する、楽しむ、自適する  
    訳文                
     じつに比丘たちよ、そこで、ヴィパッシン童子は五妙欲を具備し、具足して楽しみました。  
                       
                       
                       
    52-4.                
     Atha kho, bhikkhave, vipassī kumāro bahūnaṃ vassānaṃ bahūnaṃ vassasatānaṃ bahūnaṃ vassasahassānaṃ accayena sārathiṃ āmantesi – ‘yojehi, samma sārathi, bhaddāni bhaddāni yānāni, uyyānabhūmiṃ gacchāma subhūmidassanāyā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      bahūnaṃ    u 男中 多く  
      vassānaṃ    a 男中 雨、年  
      bahūnaṃ    u 多く  
      vassa    a 男中 雨、年  
      satānaṃ    a  
      bahūnaṃ    u 多く  
      vassa    a 男中 雨、年  
      sahassānaṃ    a  
      accayena  ati-i a 副具 死去、経過  
      sārathiṃ    i 御者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
      ‘yojehi,  yuj 結ぶ、繋ぐ、適用する、用意する、つとめる  
      語根 品詞 語基 意味  
      samma    不変 友よ  
      sārathi,    i 御者  
      bhaddāni    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      bhaddāni    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      yānāni,  a  
      uyyāna    a 園、庭園、遊園地  
      bhūmiṃ    i  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gacchāma  gam ゆく  
      語根 品詞 語基 意味  
      subhūmi    i 依(対) よき地  
      dassanāyā’  dṛś a 見ること  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     さて比丘たちよ、幾年、幾百年、幾千年が過ぎて、ヴィパッシン童子は御者へ呼びかけました。『友なる御者よ、吉祥な牛車群を用意して欲しい。我らは景勝を見るべく、庭園の地へ行こう』と。  
                       
                       
                       
    52-5.                
     ‘Evaṃ, devā’ti kho, bhikkhave, sārathi vipassissa kumārassa paṭissutvā bhaddāni bhaddāni yānāni yojetvā vipassissa kumārassa paṭivedesi – ‘yuttāni kho te, deva, bhaddāni bhaddāni yānāni, yassa dāni kālaṃ maññasī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      devā’    a 天、神、陛下  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      sārathi    i 御者  
      vipassissa  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumārassa    a 童子  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭissutvā  prati-śru 同意する、応諾する、答える  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhaddāni    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      bhaddāni    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      yānāni  a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      yojetvā  yuj 結ぶ、繋ぐ、適用する、用意する、つとめる  
      語根 品詞 語基 意味  
      vipassissa  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumārassa    a 童子  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭivedesi –  prati-vid 使 知らせる、述べる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘yuttāni  yuj 過分 a 結ばれた、用意された  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      te,    代的 あなた  
      deva,    a 天、神、陛下  
      bhaddāni    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      bhaddāni    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      yānāni,  a  
      yassa    代的 (関係代名詞)  
      dāni    不変 いま、いまや  
      kālaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maññasī’  man 考える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     じつに比丘たちよ、御者は『殿下、そのように』とヴィパッシン童子に応じて吉祥な牛車群を用意し、ヴィパッシン童子へ告げました。『殿下、いまや〔出立の〕時だとお考えのあなたのため、吉祥な牛車群が用意されました』と。  
                       
                       
                       
    52-6.                
     Atha kho, bhikkhave, vipassī kumāro bhaddaṃ bhaddaṃ yānaṃ abhiruhitvā bhaddehi bhaddehi yānehi uyyānabhūmiṃ niyyāsi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      bhaddaṃ    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      bhaddaṃ    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      yānaṃ  a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhiruhitvā  abhi-ruh 上る、あがる  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhaddehi    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      bhaddehi    名形 a 男中 賢い、吉祥の、牛  
      yānehi  a  
      uyyāna    a 園、庭園、遊園地  
      bhūmiṃ    i  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      niyyāsi. nir-yā 出発する、発足する  
    訳文                
     比丘たちよ、ときにヴィパッシン童子は、吉祥な牛車〔の一台〕へ乗り込んで、吉祥な牛車群をともなって庭園の地へ出発しました。  
                       
                       
                       
    53-1.                
     53. ‘‘Addasā kho, bhikkhave, vipassī kumāro uyyānabhūmiṃ niyyanto purisaṃ bhaṇḍuṃ pabbajitaṃ kāsāyavasanaṃ.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Addasā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      uyyāna    a 園、庭園、遊園地  
      bhūmiṃ    i  
      niyyanto  nir-yā 現分 a 出発せる  
      purisaṃ    a 人、男  
      bhaṇḍuṃ    u 禿頭の、剃髪の  
      pabbajitaṃ  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      kāsāya    a 有(属) 渋色の、黄衣の、袈裟  
      vasanaṃ.  nas a 中→男  
    訳文                
     じつに比丘たちよ、庭園の地へ出発したヴィパッシン童子は、剃髪して袈裟衣をまとった出家者を見ました。  
                       
                       
                       
    53-2.                
     Disvā sārathiṃ āmantesi – ‘ayaṃ pana, samma sārathi, puriso kiṃkato?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Disvā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      sārathiṃ    i 御者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayaṃ    代的 この  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samma    不変 友よ  
      sārathi,    i 御者  
      puriso    a  
      kiṃ    不変 何、いかに、いかなる  
      kato?  kṛ 過分 a なす  
    訳文                
     見て、御者へいいました。『友なる御者よ、いったいこの人はどうしたのだろう。  
                       
                       
                       
    53-3.                
     Sīsaṃpissa na yathā aññesaṃ, vatthānipissa na yathā aññesa’nti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sīsaṃ    a  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      assa    代的 彼の  
      na    不変 ない  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      aññesaṃ,    代的 他の  
      vatthāni  vas a 衣服  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      assa    代的 彼の  
      na    不変 ない  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      aññesa’n    代的 他の  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     彼の頭は他の人たちのようでないし、彼の衣類も他の人たちのようでない』と。  
                       
                       
                       
    53-4.                
     ‘Eso kho, deva, pabbajito nāmā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Eso    代的 これ、かれ  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      deva,    a 天、神、陛下  
      pabbajito  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      nāmā’    an 副対 と、という名の、じつに  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『殿下、この者は出家者というものです』。  
                       
                       
                       
    53-5.                
     ‘Kiṃ paneso, samma sārathi, pabbajito nāmā’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Kiṃ    不変 何、いかに、いかなる  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      eso,    代的 これ、かれ  
      samma    不変 友よ  
      sārathi,    i 御者  
      pabbajito  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      nāmā’    an 副対 と、という名の、じつに  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『いったい、かれが出家者であるというのは、どういうことなのだろう』。  
                       
                       
                       
    53-6.                
     ‘Eso kho, deva, pabbajito nāma sādhu dhammacariyā sādhu samacariyā [sammacariyā (ka.)] sādhu kusalakiriyā [kusalacariyā (syā.)] sādhu puññakiriyā sādhu avihiṃsā sādhu bhūtānukampā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Eso kho, deva, pabbajito nāma (53-4.)  
      sādhu  sādh u 有(持) よき、善哉、なにとぞ  
      dhamma  dhṛ a 男中 依(属)  
      cariyā  car ā 行、行為、所行、性格  
      sādhu  sādh u 有(持) よき、善哉、なにとぞ  
      sama    a 寂、静、平等  
      cariyā  car ā 行、行為、所行、性格  
      sādhu  sādh u 有(持) よき、善哉、なにとぞ  
      kusala    a  
      kiriyā  kṛ ā 所作  
      sādhu  sādh u 有(持) よき、善哉、なにとぞ  
      puñña    a 福、善、功徳  
      kiriyā  kṛ ā 所作  
      sādhu  sādh u 有(持) よき、善哉、なにとぞ  
      avihiṃsā  a-vi-hiṃs ā 不害、不殺生  
      sādhu  sādh u 有(持) よき、善哉、なにとぞ  
      bhūta  bhū 過分 a 依(与) 存在した、真実、生物  
      anukampā’ anu-kamp ā 同情、憐愍、慈悲  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『殿下、この者が、出家者であるというのは、よき法の実践ある者、よき寂静の実践ある者、よき善行ある者、よき福行ある者、よき不害ある者、よき生物への憐愍ある者だ、ということです』。  
    メモ                
    ・「行為」や「憐愍」ではなく、「行為者」「憐愍者」がいわれているので、sādhu云々はみな有財釈である。ただ、みな女性であるため、pabbajitoにかかる形容詞ではなく、再名詞化した語とみるべきであろう。  
                       
                       
                       
    53-7.                
     ‘Sādhu kho so, samma sārathi, pabbajito nāma, sādhu dhammacariyā sādhu samacariyā sādhu kusalakiriyā sādhu puññakiriyā sādhu avihiṃsā sādhu bhūtānukampā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Sādhu  sādh 不変 善哉、なにとぞ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so,    代的 それ、彼  
      samma    不変 友よ  
      sārathi,    i 御者  
      pabbajito nāma, sādhu dhammacariyā sādhu samacariyā sādhu kusalakiriyā sādhu puññakiriyā sādhu avihiṃsā sādhu bhūtānukampā. (53-6.)  
    訳文                
     『友なる御者よ、じつによきかな、彼が出家者というものであり、よき法の実践ある者、よき寂静の実践ある者、よき善行ある者、よき福行ある者、よき不害ある者、よき生物への憐愍ある者であることは。  
                       
                       
                       
    53-8.                
     Tena hi, samma sārathi, yena so pabbajito tena rathaṃ pesehī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それによって、彼によって、それゆえ  
      hi,    不変 じつに、なぜなら(tena hiで「しからば」)  
      samma    不変 友よ  
      sārathi,    i 御者  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      so    代的 それ、彼  
      pabbajito  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      rathaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pesehī’  pra-iṣ 送る、遣る、命令する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     友なる御者よ、しからば、その出家者のところへ車をやってほしい』。  
                       
                       
                       
    53-9.                
     ‘Evaṃ, devā’ti kho, bhikkhave, sārathi vipassissa kumārassa paṭissutvā yena so pabbajito tena rathaṃ pesesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      devā’    a 天、神、陛下  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      sārathi    i 御者  
      vipassissa  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumārassa    a 童子  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭissutvā  prati-śru 同意する、応諾する、答える  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      so    代的 それ、彼  
      pabbajito  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      rathaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pesesi.  pra-iṣ 送る、遣る、命令する  
    訳文                
     じつに比丘たちよ、御者は『殿下、そのように』とヴィパッシン童子に応じて、その出家者のところへ車をやりました。  
                       
                       
                       
    53-10.                
     Atha kho, bhikkhave, vipassī kumāro taṃ pabbajitaṃ etadavoca – ‘tvaṃ pana, samma, kiṃkato, sīsampi te na yathā aññesaṃ, vatthānipi te na yathā aññesa’nti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      taṃ    代的 それ、彼  
      pabbajitaṃ  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘tvaṃ    代的 あなた  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samma,    不変 友よ  
      kiṃ    不変 何、いかに、いかなる  
      kato,  kṛ 過分 a なす  
      sīsampi te na yathā aññesaṃ, vatthānipi te na yathā aññesa’nti? (53-1.)  
      te    代的 あなた  
    訳文                
     じつに比丘たちよ、そこでヴィパッシン童子は、その出家者へこういいました。『友よ、いったいあなたは、どうされたのだろう。あなたの頭は他の人たちのようでないし、あなたの衣類も他の人たちのようでない』と。  
                       
                       
                       
    53-11.                
     ‘Ahaṃ kho, deva, pabbajito nāmā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Ahaṃ    代的  
      kho, deva, pabbajito nāmā’ti. (53-4.)  
    訳文                
     『殿下、私は出家者というものです』。  
                       
                       
                       
    53-12.                
     ‘Kiṃ pana tvaṃ, samma, pabbajito nāmā’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Kiṃ pana tvaṃ, samma, pabbajito nāmā’ti? (53-5.)  
      tvaṃ,    代的 あなた  
    訳文                
     『いったい、あなたが出家者とあるいうのは、どういうことなのだろう』。  
                       
                       
                       
    53-13.                
     ‘Ahaṃ kho, deva, pabbajito nāma, sādhu dhammacariyā sādhu samacariyā sādhu kusalakiriyā sādhu puññakiriyā sādhu avihiṃsā sādhu bhūtānukampā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Ahaṃ    代的  
      kho, deva, pabbajito nāma, sādhu dhammacariyā sādhu samacariyā sādhu kusalakiriyā sādhu puññakiriyā sādhu avihiṃsā sādhu bhūtānukampā’ti. (53-6.)  
    訳文                
     『殿下、私が出家者であるというのは、よき法の実践ある者、よき寂静の実践ある者、よき善行ある者、よき福行ある者、よき不害ある者、よき生物への憐愍ある者だ、ということです』。  
                       
                       
                       
    53-14.                
     ‘Sādhu kho tvaṃ, samma, pabbajito nāma sādhu dhammacariyā sādhu samacariyā sādhu kusalakiriyā sādhu puññakiriyā sādhu avihiṃsā sādhu bhūtānukampā’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Sādhu kho tvaṃ, samma, pabbajito nāma sādhu dhammacariyā sādhu samacariyā sādhu kusalakiriyā sādhu puññakiriyā sādhu avihiṃsā sādhu bhūtānukampā’ti.(53-5.)  
      tvaṃ,    代的 あなた  
    訳文                
     『友よ、じつによきかな、あなたが出家者というものであり、よき法の実践ある者、よき寂静の実践ある者、よき善行ある者、よき福行ある者、よき不害ある者、よき生物への憐愍ある者であることは』。  
                       
                       
                       
     Bodhisattapabbajjā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Bodhisatta  budh a 依(属) 菩薩  
      pabbajjā pra-vraj ā 出家  
    訳文                
     【菩薩の出家】  
                       
                       
                       
    54-1.                
     54. ‘‘Atha kho, bhikkhave, vipassī kumāro sārathiṃ āmantesi – ‘tena hi, samma sārathi, rathaṃ ādāya itova antepuraṃ paccaniyyāhi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      sārathiṃ    i 御者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘tena    代的 それによって、彼によって、それゆえ  
      hi,    不変 じつに、なぜなら(tena hiで「しからば」)  
      samma    不変 友よ  
      sārathi,    i 御者  
      rathaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ādāya  ā-dā 取って  
      語根 品詞 語基 意味  
      ito    不変 これより、ここより  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      antepuraṃ    a 内宮、後宮  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccaniyyāhi.  prati-ā-nir-yā? 引き返す?  
    訳文                
     さて比丘たちよ、ヴィパッシン童子は御者へ呼びかけました。『友なる御者よ、しからば、車を取って、ここより内宮へと引き返して欲しい。  
                       
                       
                       
    54-2.                
     Ahaṃ pana idheva kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ pabbajissāmī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ahaṃ    代的  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kesa    a  
      massuṃ    u ひげ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ohāretvā  ava-hṛ 使 剃る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kāsāyāni    a 渋色の、袈裟、黄衣  
      vatthāni  vas a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      acchādetvā  ā-chad 使 覆う、まとう、包む  
      語根 品詞 語基 意味  
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家  
      anagāriyaṃ    a 非家の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbajissāmī’  pra-vraj 出家する、遁世する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかして、じつにここなる私は、髪とひげを剃って袈裟衣をまとい、家から出家しようと思う』と。  
                       
                       
                       
    54-3.                
     ‘Evaṃ, devā’ti kho, bhikkhave, sārathi vipassissa kumārassa paṭissutvā rathaṃ ādāya tatova antepuraṃ paccaniyyāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      devā’    a 天、神、陛下  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      sārathi    i 御者  
      vipassissa  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumārassa    a 童子  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭissutvā  prati-śru 同意する、応諾する、答える  
      語根 品詞 語基 意味  
      rathaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ādāya  ā-dā 取って  
      語根 品詞 語基 意味  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      antepuraṃ    a 内宮、後宮  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccaniyyāsi.  prati-ā-nir-yā? 引き返す?  
    訳文                
     じつに比丘たちよ、御者は『殿下、そのように』とヴィパッシン童子に応じて、車を取り、そこから内宮へと引き返しました。  
                       
                       
                       
    54-4.                
     Vipassī pana kumāro tattheva kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ pabbaji.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      kumāro    a 童子  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ (54-2.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbaji. pra-vraj 出家する  
    訳文                
     さてそうして、じつにヴィパッシン童子は髪とひげを剃って袈裟衣をまとい、家から出家しました。  
                       
                       
                       
    54-5.                
     Mahājanakāyaanupabbajjā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahā    ant 大きな  
      jana    a 依(属) 人々  
      kāya    a 依(属) 身体 →人々の集まり  
      anupabbajjā ani-pra-vraj ā 追随出家  
    訳文                
     【大群衆の追随出家】  
                       
                       
                       
    55-1.                
     55. ‘‘Assosi kho, bhikkhave, bandhumatiyā rājadhāniyā mahājanakāyo caturāsīti pāṇasahassāni – ‘vipassī kira kumāro kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ pabbajito’ti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Assosi  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      bandhumatiyā    ī 地名、バンドゥマティー  
      rāja    an 依(属)  
      dhāniyā    名形 a 中→女 容器 →王都  
      mahā    ant 大きな  
      jana    a 依(属) 人々  
      kāyo    a 身体 →人々の集まり  
      caturāsīti    i 八十四  
      pāṇa  pra-an a 生物、生類  
      sahassāni –    a  
      ‘vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      kumāro    a 童子  
      kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ (54-2.)  
      pabbajito’  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     じつに比丘たちよ、王都バンドゥマティーにおける八万四千人の大群衆は聞きました。『ヴィパッシン童子が、髪とひげを剃って袈裟衣をまとい、家から出家したらしい』と。  
                       
                       
                       
    55-2.                
     Sutvāna tesaṃ etadahosi – ‘na hi nūna so orako dhammavinayo, na sā orakā [orikā (sī. syā.)] pabbajjā, yattha vipassī kumāro kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ pabbajito.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Sutvāna  śru 聞いて  
      語根 品詞 語基 意味  
      tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘na    不変 ない  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      nūna    不変 たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      orako    a 下級の、劣れる、後の  
      dhamma  dhṛ a 男中  
      vinayo,  vi-nī a  
      na    不変 ない  
          代的 それ、彼女  
      orakā    a 下級の、劣れる、後の  
      pabbajjā,  pra-vraj ā 出家  
      yattha    不変 〜の所の(関係代名詞的)  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      kumāro    a 童子  
      kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ (54-2.)  
      pabbajito.  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
    訳文                
     聞いて、彼らのうちにこのような〔思い〕がおこりました。『ヴィパッシン童子が、髪とひげを剃って袈裟衣をまとい、家から出家したのであれば、たしかにその法と律は劣ったものでなく、その出家は劣ったものではあるまい。  
                       
                       
                       
    55-3.                
     Vipassīpi nāma kumāro kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ pabbajissati, kimaṅgaṃ [kimaṅga (sī.)] pana maya’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      kumāro    a 童子  
      kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ (54-2.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbajissati,  pra-vraj 出家する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kim    代的 副対 何、いかなる  
      aṅgaṃ    a 副対 部分、肢体、関心、理由 →いかにいわんや〜においておや  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      maya’n    代的 我々  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ヴィパッシン童子ですら、髪とひげを剃って袈裟衣をまとい、家から出家したというのに、どうして我々が〔そうせずにおれようか〕』と。  
                       
                       
                       
    55-4.                
     ‘‘Atha kho, so bhikkhave, mahājanakāyo [mahājanakāyo (syā.)] caturāsīti pāṇasahassāni kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā vipassiṃ bodhisattaṃ agārasmā anagāriyaṃ pabbajitaṃ anupabbajiṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      mahā    ant 大きな  
      jana    a 依(属) 人々  
      kāyo    a 身体 →人々の集まり  
      caturāsīti    i 八十四  
      pāṇa  pra-an a 生物、生類  
      sahassāni    a  
      kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā (54-2.)  
      vipassiṃ  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      bodhisattaṃ  budh a 菩薩  
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家  
      anagāriyaṃ    a 非家の  
      pabbajitaṃ  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anupabbajiṃsu.  ani-pra-vraj 能反 追随して出家した  
    訳文                
     比丘たちよ、そこで、八万四千人のその大群衆は、髪とひげを剃って袈裟衣をまとい、家から出家したヴィパッシン菩薩へ、追随して出家しました。  
                       
                       
                       
    55-5.                
     Tāya sudaṃ, bhikkhave, parisāya parivuto vipassī bodhisatto gāmanigamajanapadarājadhānīsu cārikaṃ carati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tāya    代的 それ、彼女  
      sudaṃ,    不変 まさに、じつに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      parisāya    ā 衆、会衆  
      parivuto  pari-vṛ 過分 a 囲まれた、したがえた  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      bodhisatto  budh a 菩薩  
      gāma    a  
      nigama    a  
      janapada    a 地方、国、国土、田舎  
      rāja    an 依(属)  
      dhānīsu    ī 容器 →王都  
      cārikaṃ  car 名形 a 男中 遊行  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      carati. car 行く  
    訳文                
     じつに比丘たちよ、彼ら会衆に囲繞されたヴィパッシン菩薩は、もろもろの村、町、地方、王都において遊行をなしました。  
                       
                       
                       
    56-1.                
     56. ‘‘Atha kho, bhikkhave, vipassissa bodhisattassa rahogatassa paṭisallīnassa evaṃ cetaso parivitakko udapādi – ‘na kho metaṃ [na kho panetaṃ (syā.)] patirūpaṃ yohaṃ ākiṇṇo viharāmi, yaṃnūnāhaṃ eko gaṇamhā vūpakaṭṭho vihareyya’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      vipassissa  vi-paś? in 属絶 人名、ヴィパッシン  
      bodhisattassa  budh a 属絶 菩薩  
      raho  rah as 依(対) 静処、独処、秘密  
      gatassa  gam 過分 a 属絶 行った →独処した  
      paṭisallīnassa  prati-saṃ-lī 過分 a 属絶 独座した、禅思した  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      cetaso  cit as  
      parivitakko  pari-vṛt a 転変の、回転の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      udapādi –  ud-pad 起こる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      me    代的  
      etaṃ    代的 これ  
      patirūpaṃ    a 相応しい、適切である  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      ahaṃ    代的  
      ākiṇṇo  ā-kṝ 過分 a 散乱した、雑乱した、混乱した  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharāmi,  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      nūna    不変 たしかに(yaṃ〜で、「いかに〜すべきか」「〜したらどうか」)  
      ahaṃ    代的  
      eko    代的 一、とある  
      gaṇamhā    a 衆、会衆、群  
      vūpakaṭṭho  vi-ava-kṛṣ 使 過分 a 引き離された、遠離された  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vihareyya’n  vi-hṛ 能反 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ときに比丘たちよ、ヴィパッシン菩薩が静かな場所で独処し、独座しているとき、このような心の変化が起こりました。『私にとって、私が〔会衆の中で〕混雑しながら住むという、このことは適切でない。私は、ひとり会衆から離れて住してはどうだろうか』と。  
                       
                       
                       
    56-2.                
     Atha kho, bhikkhave, vipassī bodhisatto aparena samayena eko gaṇamhā vūpakaṭṭho vihāsi, aññeneva tāni caturāsīti pabbajitasahassāni agamaṃsu, aññena maggena vipassī bodhisatto.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘たちよ  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      bodhisatto  budh a 菩薩  
      aparena    a 男中 副具 後で  
      samayena    a 副具  
      eko    代的 一、とある  
      gaṇamhā    a 衆、会衆、群  
      vūpakaṭṭho  vi-ava-kṛṣ 使 過分 a 引き離された、遠離された  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vihāsi,  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      aññena    代的 別の、他の  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      tāni    代的 それら  
      caturāsīti    i 八十四  
      pabbajita  pra-vraj 名過分 a 出家した、出家者  
      sahassāni    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      agamaṃsu,  gaṃ ゆく  
      語根 品詞 語基 意味  
      aññena    代的 別の、他の  
      maggena    a  
      vipassī  vi-paś? in 人名、ヴィパッシン  
      bodhisatto. budh a 菩薩  
    訳文                
     そこで比丘たちよ、ヴィパッシン菩薩は後日、ひとり会衆から離れて住しました。じつに彼ら八万四千の出家者たちとヴィパッシン菩薩は、別々の道を行ったのです。  
                       
                       
  ←前へ   トップへ   次へ→
inserted by FC2 system