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     9. Sundarikasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sundarika    a 依(属) 人名、スンダリカ  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「スンダリカ経」(『相応部』7-9  
                       
                       
                       
    195-1.                
     195. Ekaṃ samayaṃ bhagavā kosalesu viharati sundarikāya nadiyā tīre.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      kosalesu    a 地名、コーサラ国  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sundarikāya    ā 地名、スンダリカー  
      nadiyā    ī  
      tīre.    a  
    訳文                
     あるとき世尊は、コーサラ国のスンダリカー川の岸に住しておられた。  
                       
                       
                       
    195-2.                
     Tena kho pana samayena sundarikabhāradvājo brāhmaṇo sundarikāya nadiyā tīre aggiṃ juhati, aggihuttaṃ paricarati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      sundarikāya    ā 地名、スンダリカー  
      nadiyā    ī  
      tīre    a  
      aggiṃ    i 火、火神  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      juhati,  hu 献供する、供養する  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      aggi    i 依(与) 火、火神  
      huttaṃ    a 供犠、供物  
      語根 品詞 語基 意味  
      paricarati.  pari-car 奉仕する、仕える、尊敬する、歩き回る  
    訳文                
     さてそのとき、スンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門が、スンダリカー川の岸で、火を供養し、火への供物を捧げていた。  
                       
                       
                       
    195-3.                
     Atha kho sundarikabhāradvājo brāhmaṇo aggiṃ juhitvā aggihuttaṃ paricaritvā uṭṭhāyāsanā samantā catuddisā anuvilokesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      aggiṃ    i  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      juhitvā  hu 献供する、供養する  
      語根 品詞 語基 意味  
      aggi    i 依(与)  
      huttaṃ    a 供犠、供物  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paricaritvā  pari-car 奉仕する、仕える、尊敬する、歩き回る  
      uṭṭhāya  ud-sthā 起き上がる、奮起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      āsanā  ās a 坐具、坐処、座  
      samantā    a 副奪 あまねく  
      catu     
      disā  diś ā 方向、方角  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anuvilokesi –    観察する、見回す  
    訳文                
     ときにスンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門は、火を供養し、火への供物を捧げてから、座より立ってあまねく四方を見渡した。  
                       
                       
                       
    195-4.                
     ‘‘ko nu kho imaṃ habyasesaṃ bhuñjeyyā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ko    代的 何、誰  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      imaṃ    代的 これ  
      habya  名未分 a 依(属) 献供されるべき、供物  
      sesaṃ  śiṣ a 残余、余り  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhuñjeyyā’’  bhuj 食べる、受容する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「いったい誰が、この供物の残りを受用すべきであろうか」と。  
                       
                       
                       
    195-5.                
     Addasā kho sundarikabhāradvājo brāhmaṇo bhagavantaṃ aññatarasmiṃ rukkhamūle sasīsaṃ pārutaṃ nisinnaṃ.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見た  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      aññatarasmiṃ    代的 とある  
      rukkha    a 依(属) 木、樹木  
      mūle    a  
      sasīsaṃ    a 男中 副対 真っ逆さまに、頭ごと  
      pārutaṃ  pra-vṛ 過分 a 被った、着衣した  
      nisinnaṃ.  ni-sad 過分 a 坐った  
    訳文                
     スンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門は、頭から衣をかぶって、とある樹下に坐られた世尊を見た。  
                       
                       
                       
    195-6.                
     Disvāna vāmena hatthena habyasesaṃ gahetvā dakkhiṇena hatthena kamaṇḍaluṃ gahetvā yena bhagavā tenupasaṅkami.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Disvāna  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      vāmena    a  
      hatthena  hṛ a  
      habya  名未分 a 依(属) 献供されるべき、供物  
      sesaṃ  śiṣ a 残余、余り  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gahetvā  grah とらえる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dakkhiṇena    代的 南の、右の  
      hatthena  hṛ a  
      kamaṇḍaluṃ    u 男中 長口のある水瓶  
      gahetvā  grah とらえる  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami.  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     見て、左手で供物の残りを持ち、右手で水瓶を持って、世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    195-7.                
     Atha kho bhagavā sundarikabhāradvājassa brāhmaṇassa padasaddena sīsaṃ vivari.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājassa    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門  
      pada    a 依(属) 足、歩  
      saddena    a 声、音  
      sīsaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vivari.  vi-vṛ 開く、開明する  
    訳文                
     ときに世尊はスンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門の足音によって、頭をあきらかにされた。  
                       
                       
                       
    195-8.                
     Atha kho sundarikabhāradvājo brāhmaṇo ‘muṇḍo ayaṃ bhavaṃ, muṇḍako ayaṃ bhava’nti tatova puna nivattitukāmo ahosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      ‘muṇḍo    a 剃髪の、禿頭の  
      ayaṃ    代的 これ  
      bhavaṃ,  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      muṇḍako    a 剃髪の、禿頭の、似非沙門  
      ayaṃ    代的 これ  
      bhava’n  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      puna    不変 さらに、ふたたび  
      nivattitu  ni-vṛt 不定 戻ること、逃げること、消失すること  
      kāmo    a 男中 欲、欲楽  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi.  bhū ある、なる  
    訳文                
     そこでスンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門は、「この尊者は剃髪者だ、この尊者は禿頭者だ」と、そこからふたたび戻ることを欲した。  
                       
                       
                       
    195-9.                
     Atha kho sundarikabhāradvājassa brāhmaṇassa etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājassa    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     ときにスンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門に、この〔思い〕がおこった。  
                       
                       
                       
    195-10.                
     ‘muṇḍāpi hi idhekacce brāhmaṇā bhavanti;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘muṇḍā    a 剃髪の、禿頭の  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      ekacce    代的 ある、一類の  
      brāhmaṇā  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavanti;  bhū ある、なる  
    訳文                
     「けれども、この世で、一部の婆羅門たちは剃髪者たちである。  
                       
                       
                       
    195-11.                
     yaṃnūnāhaṃ taṃ upasaṅkamitvā jātiṃ puccheyya’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃnūna    不変 〜してはどうか  
      ahaṃ    代的  
      taṃ    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      jātiṃ  jan i 生、誕生、生まれ、種類  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      puccheyya’n  prach 能反 問う  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     私は彼に、生まれを問うてみてはどうだろうか」と。  
                       
                       
                       
    195-12.                
     Atha kho sundarikabhāradvājo brāhmaṇo yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     そこでスンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門は、世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    195-13.                
     upasaṅkamitvā bhagavantaṃ etadavoca –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     近づいて、世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    195-14.                
     ‘kiṃjacco bhava’nti?  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘kiṃ    代的 何、なぜ、いかに  
      jacco  jan a 生まれの  
      bhava’n  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者はいかなる生まれのお方でしょうか」と。  
                       
                       
                       
    195-15.                
     ‘‘Mā jātiṃ puccha caraṇañca puccha,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Mā    不変 なかれ  
      jātiṃ  jan i 生、誕生、生まれ、種類  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      puccha  prach 問う  
      語根 品詞 語基 意味  
      caraṇañ  car a 行、実践、徳行  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      puccha,  同上  
    訳文                
     「♪生まれを問うな、行いを問え。  
                       
                       
                       
    195-16.                
     Kaṭṭhā have jāyati jātavedo;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kaṭṭhā    a 薪、木片  
      have    不変 じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jāyati  jan 受 生まれる、再生する  
      語根 品詞 語基 意味  
      jātavedo;  jan, vid? a 火、火花  
    訳文                
     ♪じつに火は木片より生ずる。  
                       
                       
                       
    195-17.                
     Nīcākulīnopi muni dhitimā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Nīcā    a 低い、卑しい  
      kulīno    a 家の、家系の  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      muni    i 牟尼、聖者  
      dhitimā,    ant 堅固な  
    訳文                
     ♪低い家系の者であっても、堅固なる牟尼、  
                       
                       
                       
    195-18.                
     Ājānīyo hoti hirīnisedho.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ājānīyo    名形 a よい生まれの、善種の、高貴な、駿馬  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      hirī    i, ī 有(具)  
      nisedho.  ni-sidh a 防止、抑止、禁止  
    訳文                
     ♪高貴な、慚による抑止ある者となる。  
    メモ                
     ・このĀjānīyoは前文のNīcākulīnoと対比されている者と思われるが、「よい生まれ」ではおかしいので上記のようにした。  
                       
                       
                       
    195-19.                
     ‘‘Saccena danto damasā upeto,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Saccena    a 真実、諦  
      danto  dam 過分 a 調御された  
      damasā  dam as? 調御、訓練  
      upeto,  upa-i 過分 a 具した  
    訳文                
     ♪真実に御され、調御を具し、  
                       
                       
                       
    195-20.                
     Vedantagū vusitabrahmacariyo;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Vedantagū  vid, gam? ū ヴェーダの極みに達した、聖道に達した  
      vusita  ava-sā? 過分 a 有(持) 完成した  
      brahmacariyo;    a 中→男 梵行  
    訳文                
     ♪明智の極みに達した梵行の完成者。  
                       
                       
                       
    195-21.                
     Yaññopanīto tamupavhayetha,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yañña  yaj a 有(持) 供犠、供犠祭  
      upanīto  upa-nī 過分 a もたらされた、結果した  
      tam    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upavhayetha,  upa-vi-hū 呼ぶ、訪ねる  
    訳文                
     ♪その者を、供犠をもたらした者は訪ねるべし。  
                       
                       
                       
    195-22.                
     Kālena so juhati dakkhiṇeyye’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kālena    a 副具 時、適時  
      so    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      juhati  hu 献供する、供養する  
      語根 品詞 語基 意味  
      dakkhiṇeyye’’    未分 a 供養されるべき  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪彼は、適切なときに、供養されるべき者へ献供することになる」  
                       
                       
                       
    195-23.                
     ‘‘Addhā suyiṭṭhaṃ suhutaṃ mama yidaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Addhā    不変 じつに、確かに  
      suyiṭṭhaṃ  su-yaj 過分 a よく祀られた  
      suhutaṃ  su-hu 過分 a よく供養された  
      mama    代的  
      yidaṃ,    代的 これ  
    訳文                
     「♪私のこのよく祀られ、よく供養されたものを、  
                       
                       
                       
    195-24.                
     Yaṃ tādisaṃ vedagumaddasāmi;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      tādisaṃ    a その如き、あなたのような  
      vedagum  vid, gam? ū ヴェーダに通じた、明智者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      addasāmi;  dṛś 見る  
    訳文                
     ♪およそ私があなたのような明智者を見たような、  
                       
                       
                       
    195-25.                
     Tumhādisānañhi adassanena,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tumhādisānañ    a 汝等のごとき  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      adassanena,  a-dṛś 名形 a 不見  
    訳文                
     ♪〔そのような〕あなたのごとき者たちを見なかったこと故に、  
                       
                       
                       
    195-26.                
     Añño jano bhuñjati habyasesa’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Añño    代的 別の  
      jano    a 人   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhuñjati  bhuj 食べる、受用する  
      語根 品詞 語基 意味  
      habya  名未分 a 依(属) 献供されるべき、供物  
      sesa’’n  śiṣ a 残余、余り  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪別の者たちが、供養の残りとして食べていたのだ。  
                       
                       
                       
    195-27.                
     ‘‘Bhuñjatu bhavaṃ gotamo.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Bhuñjatu  bhuj 食べる、受用する、享受する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamo.    a 人名、ゴータマ  
    訳文                
     尊者ゴータマはお召し上がり下さい。  
    メモ                
     ・以下前経に同一。そちらのメモも見よ。  
                       
                       
                       
    195-28.                
     Brāhmaṇo bhava’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      bhava’’n  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者は婆羅門でいらっしゃいます」  
                       
                       
                       
    195-29.                
     ‘‘Gāthābhigītaṃ me abhojaneyyaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Gāthā    ā 依(具)  
      abhigītaṃ  abhi-gai 過分 a 歌われた  
      me    代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhojaneyyaṃ,  a-bhuj 未分 a 食べられるべきでない  
    訳文                
     「♪誦唱された偈によって〔得た〕ものを、私は食べるべきでない。  
                       
                       
                       
    195-30.                
     Sampassataṃ brāhmaṇa nesa dhammo;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sampassataṃ  saṃ-paś 現分 ant 見る、正見する  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      na    不変 ない  
      esa    代的 これ  
      dhammo;  dhṛ a 男中  
    訳文                
     ♪婆羅門よ、正見者たちにとって、それは法ではない。  
                       
                       
                       
    195-31.                
     Gāthābhigītaṃ panudanti buddhā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Gāthā    ā 依(具)  
      abhigītaṃ  abhi-gai 過分 a 歌われた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      panudanti  pra-nud 排除する、除去する  
      語根 品詞 語基 意味  
      buddhā,  budh 名過分 a 仏陀  
    訳文                
     ♪誦唱された偈によって〔得た〕ものを、諸仏は拒む。  
                       
                       
                       
    195-32.                
     Dhamme sati brāhmaṇa vuttiresā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhamme  dhṛ a 男中 処絶  
      sati  as 現分 ant 男中 処絶 ある、なる  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      vutti   i 行為、生活、習慣  
      esā.    代的 これ  
    訳文                
     ♪婆羅門よ、法があるとき、それがふるまいとなる。  
                       
                       
                       
    195-33.                
     ‘‘Aññena ca kevalinaṃ mahesiṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Aññena    代的 他の、異なる  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      kevalinaṃ    in 完全の、独存の、  
      maha    ant 大きい  
      isiṃ,    i 仙人、聖者  
    訳文                
     ♪完全なる大仙、  
                       
                       
                       
    195-34.                
     Khīṇāsavaṃ kukkuccavūpasantaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Khīṇa  kṣī 受 過分 a 有(持) 尽きた  
      āsavaṃ  ā-sru a  
      kukkucca    a 有(持) 悪作、悔  
      vūpasantaṃ;  vi-upa-śam 過分 a 静まった、寂静となった  
    訳文                
     ♪漏尽の、悪作が静まった者へ、  
                       
                       
                       
    195-35.                
     Annena pānena upaṭṭhahassu,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Annena    a 食物  
      pānena  a 飲物  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upaṭṭhahassu,  upa-sthā 仕える、看護する、現れる  
    訳文                
     ♪そなたは別の飲食を持って奉仕せよ。  
                       
                       
                       
    195-36.                
     Khettañhi taṃ puññapekkhassa hotī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Khettañ    a 田畑、土地、国土  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      taṃ    代的  それ   
      puñña     a 有(持) 福、善、功徳  
      apekkhassa  apa-īkṣ ā 女→男 願望、欲求、希望  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hotī’’  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪なぜならそれは、功徳を望む者にとって、〔実りをもたらす〕田となるのだから」  
                       
                       
                       
    195-37.                
     ‘‘Atha kassa cāhaṃ, bho gotama, imaṃ habyasesaṃ dammī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kassa    代的 何、誰  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      ahaṃ,    代的  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      imaṃ    代的 これ  
      habya  名未分 a 依(属) 献供されるべき、供物  
      sesaṃ  śiṣ a 残余、余り  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dammī’’  与える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、それでは私は、誰にこの供物の残りを与えたらよいでしょうか」  
                       
                       
                       
    195-38.                
     ‘‘Na khvāhaṃ, brāhmaṇa, passāmi sadevake loke samārake sabrahmake sassamaṇabrāhmaṇiyā pajāya sadevamanussāya yasseso habyaseso bhutto sammā pariṇāmaṃ gaccheyya aññatra, brāhmaṇa, tathāgatassa vā tathāgatasāvakassa vā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passāmi  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      sadevake    a 天ある  
      loke    a 世界、世間  
      samārake    a 魔ある  
      sabrahmake  sa-bṛh a 梵ある  
      sassamaṇa  sa-śram a 有(相) 沙門ある  
      brāhmaṇiyā  bṛh a 男→女 婆羅門  
      pajāya  pra-jan ā 人々  
      sadeva    a 有(相) 天ある  
      manussāya    a 男→女 人、人間  
      yassa    代的 (関係代名詞)  
      eso    代的 これ  
      habya  名未分 a 依(属) 献供されるべき、供物  
      seso  śiṣ a 残余、余り  
      bhutto  bhuj 過分 a 食べた、食べられた  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      pariṇāmaṃ  pari-nam a 変化、消化  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gaccheyya  gam 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      aññatra,    不変 他所で、除いて  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      tathāgatassa  tathā-(ā-)gam a 如来  
          不変 あるいは  
      tathāgata  tathā-(ā-)gam a 依(属) 如来  
      sāvakassa  śru a 声聞、弟子  
      vā.    不変 あるいは  
    訳文                
     婆羅門よ、天・魔・梵を含む世界、沙門と婆羅門、王と民を含む人々のうちで、如来あるいは如来の弟子以外に、その者に食べられたその供物の残りが、正しい消化に至るような〔その者を〕、婆羅門よ、私は知りません。  
    メモ                
     ・『長部』16「大般涅槃経」などにパラレル。通例含まれているtaṃ を補った。  
                       
                       
                       
    195-39.                
     Tena hi tvaṃ, brāhmaṇa, taṃ habyasesaṃ appaharite vā chaḍḍehi appāṇake vā udake opilāpehī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      hi    不変 じつに、なぜなら →しからば  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      taṃ    代的 それ  
      habya  名未分 a 依(属) 献供されるべき、供物  
      sesaṃ  śiṣ a 残余、余り  
      appa    名形 a 有(持) 少ない  
      harite    名形 a 青い、緑の、草、野菜  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      chaḍḍehi  chṛd 捨てる  
      語根 品詞 語基 意味  
      appāṇake  a-pra-an a 生物の居ない  
          不変 あるいは  
      udake    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      opilāpehī’’  ava-plu 使 落とす、沈める  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     それゆえ婆羅門よ、あなたはその供物の残りを、草の少ない〔場所〕へ捨てるか、あるいは生き物のいない水へ沈めなさい」  
    メモ                
     ・『中部』3「法嗣経」などにパラレル。  
                       
                       
                       
    195-40.                
     Atha kho sundarikabhāradvājo brāhmaṇo taṃ habyasesaṃ appāṇake udake opilāpesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      taṃ    代的 それ  
      habya  名未分 a 依(属) 献供されるべき、供物  
      sesaṃ  śiṣ a 残余、余り  
      appāṇake  a-pra-an a 生物の居ない  
      udake    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      opilāpesi.  ava-plu 使 落とす、沈める  
    訳文                
     そこでスンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門は、その供物の残りを生き物のいない水へ沈めた。  
                       
                       
                       
    195-41.                
     Atha kho so habyaseso udake pakkhitto cicciṭāyati ciṭiciṭāyati sandhūpāyati sampadhūpāyati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      habya  名未分 a 依(属) 献供されるべき、供物  
      seso  śiṣ a 残余、余り  
      udake    a  
      pakkhitto  pra-kṣip 過分 a 投げ入れられた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      cicciṭāyati    シュッシュッと蒸発する、沸騰し火煙を出す  
      ciṭiciṭāyati    シュッシュッと蒸発する、沸騰し火煙を出す  
      sandhūpāyati  saṃ-dhū くすぶる、いぶす、煙や湯気をたてる  
      sampadhūpāyati.  saṃ-pra-dhū 大いに煙や湯気をたてる  
    訳文                
     ときに、その供物の残りは水に投げ入れられると、沸騰し、蒸発し、煙を出し、湯気を立てた。  
                       
                       
                       
    195-42.                
     Seyyathāpi nāma phālo [loho (ka.)] divasaṃsantatto [divasasantatto (sī. syā. kaṃ. pī.)] udake pakkhitto cicciṭāyati ciṭiciṭāyati sandhūpāyati sampadhūpāyati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      phālo    a 鍬、鋤、鉄板  
      divasaṃ    a 副対 日、昼  
      santatto  saṃ-tap 過分 a 熱せられた  
      udake pakkhitto cicciṭāyati ciṭiciṭāyati sandhūpāyati sampadhūpāyati; (195-41.)  
    訳文                
     あたかも、日中に熱された鉄板が、水に投げ入れられると、沸騰し、蒸発し、煙を出し、湯気を立てる、  
                       
                       
                       
    195-43.                
     evameva so habyaseso udake pakkhitto cicciṭāyati ciṭiciṭāyati sandhūpāyati sampadhūpāyati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      so habyaseso udake pakkhitto cicciṭāyati ciṭiciṭāyati sandhūpāyati sampadhūpāyati. (195-41.)  
    訳文                
     まさにそのように、その供物の残りは水に投げ入れられると、沸騰し、蒸発し、煙を出し、湯気を立てた。  
                       
                       
                       
    195-44.                
     Atha kho sundarikabhāradvājo brāhmaṇo saṃviggo lomahaṭṭhajāto yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      saṃviggo  saṃ-vij 過分 a 驚怖した、宗教心を起こした  
      loma    an  
      haṭṭha  hṛṣ 過分 a 依(対) 竪立した  
      jāto  jan 過分 a 生まれた  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     そこでスンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門は、驚嘆し、身の毛のよだちを起こして、世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    195-45.                
     upasaṅkamitvā ekamantaṃ aṭṭhāsi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      aṭṭhāsi.  sthā 立つ  
    訳文                
     近づいて、一方へ立った。  
                       
                       
                       
    195-46.                
     Ekamantaṃ ṭhitaṃ kho sundarikabhāradvājaṃ brāhmaṇaṃ bhagavā gāthāhi ajjhabhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      ṭhitaṃ  sthā 過分 a 立った、とどまった  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājaṃ    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門、司祭  
      bhagavā    ant 世尊  
      gāthāhi    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhabhāsi –  adhi-bhāṣ 話しかける、語る  
    訳文                
     一方へ立ったスンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門へ、世尊は諸偈をもって語りかけられた。  
                       
                       
                       
    195-47.                
     ‘‘Mā brāhmaṇa dāru samādahāno,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Mā    不変 なかれ  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      dāru    u 主(対) 木、木材  
      samādahāno,  saṃ-ā-dah 現分 a 焼く  
    訳文                
     「♪婆羅門よ、燃やしながら、木を、  
    メモ                
     ・Dāru samādahānoti dāruṃ jhāpayamāno. とする『註』にしたがった。  
     ・訳を一部次文へ。  
                       
                       
                       
    195-48.                
     Suddhiṃ amaññi bahiddhā hi etaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Suddhiṃ  śudh i 清浄  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      amaññi  man 考える、思う  
      語根 品詞 語基 意味  
      bahiddhā    不変 外に、外部に  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      etaṃ;    代的 これ  
    訳文                
     ♪清浄と考えるなかれ。なぜならそれは外部の者だからである。  
    メモ                
     ・先の偈からして、火は明智、木は肉体やそれを支える食物の暗喩なのであろう。  
                       
                       
                       
    195-49.                
     Na hi tena suddhiṃ kusalā vadanti,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Na    不変 ない  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      suddhiṃ  śudh i 清浄  
      kusalā    a 善き、善巧の、巧みな  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadanti,  vad 言う、説く  
    訳文                
     ♪善功者たちは、その〔方法〕によっては、清浄を説かない、  
                       
                       
                       
    195-50.                
     Yo bāhirena parisuddhimicche.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yo    代的 (関係代名詞)  
      bāhirena    a  
      parisuddhim  pari-śudh i 遍浄  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      icche.  iṣ 欲する、求める  
    訳文                
     ♪外的なものとして遍浄を求めたとしても。  
                       
                       
                       
    195-51.                
     ‘‘Hitvā ahaṃ brāhmaṇa dārudāhaṃ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Hitvā  捨てる、捨断する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ahaṃ    代的  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      dāru    u 依(属) 木、木材  
      dāhaṃ  dah a 火炎、熱病  
    訳文                
     ♪婆羅門よ、私は木の燃焼を捨てて、  
                       
                       
                       
    195-52.                
     Ajjhattamevujjalayāmi [ajjhattameva jalayāmi (sī. syā. kaṃ. pī.)] jotiṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ajjhattam    a 副対 内に  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ujjalayāmi  ud-jval 使 燃やす、輝かす  
      語根 品詞 語基 意味  
      jotiṃ;  dyut i 男中 光輝、火、星  
    訳文                
     ♪内にのみ、輝きを燃やす。  
                       
                       
                       
    195-53.                
     Niccagginī niccasamāhitatto,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Nicca    a 常の  
      agginī    in 火の  
      nicca    a 常の  
      samāhita  saṃ-ā-dhā 名過分 a 有(持) 定置された、入定した  
      atto,    a 自分  
    訳文                
     ♪常に火あり、常に自己を入定させる。  
    メモ                
     ・samāhita-ttaという中性名詞の男性化の可能性もあろうか。  
                       
                       
                       
    195-54.                
     Arahaṃ ahaṃ brahmacariyaṃ carāmi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Arahaṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      ahaṃ    代的  
      brahmacariyaṃ  bṛh, car a 梵行  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      carāmi.  car 行ずる  
    訳文                
     ♪私は阿羅漢として梵行を行ずる。  
                       
                       
                       
    195-55.                
     ‘‘Māno hi te brāhmaṇa khāribhāro,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Māno  man a  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      te    代的 あなた  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      khāri    i, ī 依(属) カーリー、一石(升目の単位)  
      bhāro,  bhṛ a 荷物 →担荷  
    訳文                
     ♪婆羅門よ、あなたの慢は重荷であり、  
                       
                       
                       
    195-56.                
     Kodho dhumo bhasmani mosavajjaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kodho  krudh a 忿、忿怒  
      dhumo  dhū a  
      bhasmani    an  
      mosa    a 虚妄の  
      vajjaṃ;  vad 名未分 a 言われるべき、所言  
    訳文                
     ♪憤怒、妄語は灰における煙である。  
    メモ                
     ・bhasmaniを諸訳は主格ふうに訳すが、ここでは曲用どおりに訳してみた。  
                       
                       
                       
    195-57.                
     Jivhā sujā hadayaṃ jotiṭhānaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Jivhā    ā  
      sujā    ā 祭具、杓子、柄杓  
      hadayaṃ    a 男(中) 心臓  
      joti  dyut i 男中 依(属) 光輝、火、星  
      ṭhānaṃ,  sthā a 場所、状態、理由、道理  
    訳文                
     ♪〔それに対し私の〕舌は〔法を供養する〕柄杓であり、心は光輝の場所である。  
    メモ                
     ・『註』の解釈に従って補訳。  
                       
                       
                       
    195-58.                
     Attā sudanto purisassa joti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Attā    an 我、自己  
      sudanto  su-dam 過分 a よく調御された  
      purisassa    a 人、男  
      joti.  dyut i 男中 光輝、火、星  
    訳文                
     ♪人にとって、よく調御された自己が、輝きである。  
                       
                       
                       
    195-59.                
     ‘‘Dhammo rahado brāhmaṇa sīlatittho,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Dhammo  dhṛ a 男中  
      rahado    a 池、湖、沼  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      sīla    a 有(持)  
      tittho,  a 中→男 渡し場、浅瀬、浴場  
    訳文                
     ♪婆羅門よ、法は、戒という渡し場ある湖であり、  
                       
                       
                       
    195-60.                
     Anāvilo sabbhi sataṃ pasattho;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Anāvilo    a 濁りのない  
      sabbhi  as 現分 ant ある、現存の、善き  
      sataṃ  as 現分 ant ある、現存の、善き  
      pasattho;  pra-śaṃ 過分 a 賞賛された  
    訳文                
     ♪濁りなき、善人たちが、善人たちのため賞賛するものである。  
                       
                       
                       
    195-61.                
     Yattha have vedaguno sinātā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yattha    不変 〜ところのその場所、〜の所  
      have    不変 じつに  
      vedaguno  vid, gam? ū 属(主) ヴェーダに通じた、明智者  
      sinātā,  snā 過分 a 沐浴した  
    訳文                
     ♪明智者たちは、そこにおける沐浴者であり、  
    メモ                
     ・やむを得ずvedagunoを主格風に訳した。『パーリ』の注もその可能性を挙げている。  
                       
                       
                       
    195-62.                
     Anallagattāva [anallīnagattāva (sī. pī. ka.)] taranti pāraṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Analla    a 有(持) ぬれない、生でない  
      gattā    a 中→男 五体、身体  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      taranti  tṛ 渡る、度脱する、超える、横切る  
      語根 品詞 語基 意味  
      pāraṃ.    名形 a 彼方、彼岸  
    訳文                
     ♪身をぬらすことなく彼岸へ渡る。  
                       
                       
                       
    195-63.                
     ‘‘Saccaṃ dhammo saṃyamo brahmacariyaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Saccaṃ    a 真実  
      dhammo  dhṛ a 男中  
      saṃyamo    a 制御、自制  
      brahmacariyaṃ,  bṛh, car a 梵行  
    訳文                
     ♪真実、法、自制、梵行、  
                       
                       
                       
    195-64.                
     Majjhe sitā brāhmaṇa brahmapatti;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Majjhe    名形 a 中、中間の  
      sitā  śri 過分 a 依止した、依存した  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      brahma  bṛh 名形 an(特) 依(属)  
      patti;  pra-āp i 得達、獲得  
    訳文                
     ♪中に依止した梵の獲得が存在する、婆羅門よ。  
                       
                       
                       
    195-65.                
     Sa tujjubhūtesu namo karohi,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sa    代的 それ、彼  
      taṃ   代的 あなた  
      ujju    u 正直な、正しい  
      bhūtesu  bhū 過分 a 男中 存在した、生物 →正直な、正しい  
      namo  nam as 南無、礼拝  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karohi,  kṛ なす  
    訳文                
     ♪それゆえそなたは、正しき者たちに対し礼拝をなせ。  
                       
                       
                       
    195-66.                
     Tamahaṃ naraṃ dhammasārīti brūmī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tam    代的 それ  
      ahaṃ    代的  
      naraṃ    a  
      dhamma  dhṛ a 男中 依(処)  
      sārī    in さまよう人、行く人  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      brūmī’’  brū 言う、告げる、述べる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪その人を私は、法を行く者と呼ぶ」と。  
                       
                       
                       
    195-67.                
     Evaṃ vutte, sundarikabhāradvājo brāhmaṇo bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte,  vac 受 過分 a いわれた  
      sundarika    a 人名、スンダリカ  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     このように言われて、スンダリカ・バーラドヴァージャ婆羅門は世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    195-68.                
     ‘‘abhikkantaṃ, bho gotama…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘abhikkantaṃ,  abhi-kram 名過分 a 偉なるかな、奇なるかな、希有なり、素晴らしい  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama…pe…    a 人名、ゴータマ  
    訳文                
     「素晴らしい、尊者ゴータマよ」……  
                       
                       
                       
    195-69.                
     aññataro ca panāyasmā bhāradvājo arahataṃ ahosī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      aññataro    代的 随一の、二者の一、とある、一つの  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      arahataṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosī’’  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者バーラドヴァージャもまた、阿羅漢たちの一人となったのである。  
                       
                       
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