←前へ   トップへ   次へ→
                       
                       
     10. Khandhasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Khandha    a 依(属)  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「蘊経」(『相応部』18-10  
                       
                       
                       
    197-1.                
     197. Sāvatthiyaṃ viharati…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sāvatthiyaṃ    ī 地名、サーヴァッティー  
      語根 品詞 語基 意味  
      viharati…pe…  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     〔あるとき世尊は〕サーヴァッティーに住しておられた……  
                       
                       
                       
    197-2.                
     ‘‘taṃ kiṃ maññasi, rāhula, rūpaṃ niccaṃ vā aniccaṃ vā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘taṃ    代的 それ  
      kiṃ    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maññasi,  man 考える  
      語根 品詞 語基 意味  
      rāhula,    a 人名、ラーフラ  
      rūpaṃ    a 色、物質、肉体、形相  
      niccaṃ    a 常の、常住の  
          不変 あるいは  
      aniccaṃ    a 無常の  
      vā’’    不変 あるいは  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「ラーフラよ、あなたはこれをどう考えますか。〈色〉は常住でしょうか、あるいは無常でしょうか」  
    メモ                
     ・六境の一つとしての〈色〉rūpaは複数形であったが(本相応第二経)、五蘊の一つのそれは単数形になっている。これはニカーヤに一貫したものか。要注意。  
                       
                       
                       
    197-3.                
     ‘‘Aniccaṃ, bhante’’…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Aniccaṃ,    a 無常の  
      bhante’’…pe…  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
    訳文                
     「尊者よ、無常です」……  
                       
                       
                       
    197-4.                
     ‘‘vedanā…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘vedanā…pe…  vid ā 受、感受、苦痛  
    訳文                
     「〈受〉は……  
                       
                       
                       
    197-5.                
     saññā…   
      語根 品詞 語基 意味  
      saññā…  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
    訳文                
     〈想〉は……  
                       
                       
                       
    197-6.                
     saṅkhārā…   
      語根 品詞 語基 意味  
      saṅkhārā…  saṃ-kṛ a 行、為作、潜勢力、現象  
    訳文                
     〈諸行〉は……  
                       
                       
                       
    197-7.                
     viññāṇaṃ niccaṃ vā aniccaṃ vā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      viññāṇaṃ  vi-jñā a  
      niccaṃ vā aniccaṃ vā’’ti? (197-2.)  
    訳文                
     〈識〉は常住でしょうか、あるいは無常でしょうか」  
                       
                       
                       
    197-8.                
     ‘‘Aniccaṃ, bhante’’…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Aniccaṃ, bhante’’…pe… (197-3.)  
    訳文                
     「尊者よ、無常です」……  
                       
                       
                       
    197-9.                
     ‘‘evaṃ passaṃ, rāhula, sutavā ariyasāvako rūpasmimpi nibbindati…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      passaṃ,  paś 現分 ant 見る  
      rāhula,    a 人名、ラーフラ  
      sutavā  śru ant 聞をそなえた、有聞の、博聞の  
      ariya    名形 a 依(属) 聖なる  
      sāvako  śru a 声聞、弟子  
      rūpasmim    a 色、物質、肉体、形相  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nibbindati…  nir-vid 厭う、厭悪する  
    訳文                
     「ラーフラよ、そのように見て、聞をそなえた聖者の弟子は、〈色〉に関して厭悪します……  
                       
                       
                       
    197-10.                
     vedanāyapi nibbindati…   
      語根 品詞 語基 意味  
      vedanāya  vid ā 受、感受、苦痛  
      pi nibbindati… (197-9.)  
    訳文                
     〈受〉に関して厭悪します……  
                       
                       
                       
    197-11.                
     saññāyapi nibbindati…   
      語根 品詞 語基 意味  
      saññāya  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      pi nibbindati… (197-9.)  
    訳文                
     〈想〉に関して厭悪します……  
                       
                       
                       
    197-12.                
     saṅkhāresupi nibbindati…   
      語根 品詞 語基 意味  
      saṅkhāresu  saṃ-kṛ a 行、為作、潜勢力、現象  
      pi nibbindati… (197-9.)  
    訳文                
     〈諸行〉に関して厭悪します……  
                       
                       
                       
    197-13.                
     viññāṇasmimpi nibbindati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      viññāṇasmim  vi-jñā a  
      pi nibbindati; (197-9.)  
    訳文                
     〈識〉に関して厭悪します……  
                       
                       
                       
    197-14.                
     nibbindaṃ virajjati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      nibbindaṃ  nir-vid 現分 ant 厭離、厭悪  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      virajjati;  vi-raj 離貪する  
    訳文                
     厭悪し、離貪します。  
                       
                       
                       
    197-15.                
     virāgā vimuccati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      virāgā  vi-raj a 離貪、遠離  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vimuccati;  vi-muc 受 解脱する  
    訳文                
     離貪の故に解脱します。  
                       
                       
                       
    197-16.                
     vimuttasmiṃ vimuttamiti ñāṇaṃ hoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      vimuttasmiṃ  vi-muc 過分 a 解脱した  
      vimuttam  vi-muc 過分 a 解脱した  
      iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      ñāṇaṃ  jñā a 智、智慧  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti.  bhū ある、存在する  
    訳文                
     解脱したとき、『解脱した』という智が生じます。  
                       
                       
                       
    197-17.                
     ‘Khīṇā jāti, vusitaṃ brahmacariyaṃ, kataṃ karaṇīyaṃ, nāparaṃ itthattāyā’ti pajānātī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Khīṇā  kṣī 受 過分 ā 尽きた  
      jāti,  jan i  
      vusitaṃ  ava-sā? 過分 a 完成した  
      brahma bṛh 名形 an(特)  
      cariyaṃ,  car a  
      kataṃ  kṛ 過分 a なされた  
      karaṇīyaṃ,  kṛ 名未分 a なされるべきこと  
      na    不変 ない  
      aparaṃ    代的 副対 後、他  
      itthattāyā’    a かくの如き状態、現状、ここ[輪廻]の状態  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānātī’’  pra-jñā 知る、了知する  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『生は尽きた。梵行は完成した。なされるべきことはなされた。もはやこのような〔輪廻の〕状態へ〔至ることは〕ない』と了知するのです」  
                       
                       
                       
     Dasamaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Dasamaṃ.    a 第十の  
    訳文                
     第十〔経〕。  
                       
                       
                       
     Paṭhamo vaggo.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Paṭhamo    a 第一の、最初の  
      vaggo.    a 章、品  
    訳文                
     第一品〔おわり〕。  
                       
                       
                       
     Tassuddānaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      uddānaṃ –  ud-dā a 摂頌  
    訳文                
     その摂頌は、  
                       
                       
                       
     Cakkhu rūpañca viññāṇaṃ, samphasso vedanāya ca;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Cakkhu    us  
      rūpañ    a 色、物質、肉体、形相  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      viññāṇaṃ,  vi-jñā a  
      samphasso  saṃ-spṛś a 触、摩触  
      vedanāya  vid ā 受、感受、苦痛  
      ca;    不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     ♪「眼〔経〕」、「色〔経〕」、「識〔経〕」、「触〔経〕」、「受〔経〕」、  
                       
                       
                       
     Saññā sañcetanā taṇhā, dhātu khandhena te dasāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Saññā  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      sañcetanā  saṃ-cit ā  
      taṇhā,    ā 渇愛、愛  
      dhātu    u 界、要素  
      khandhena    a 蘊、集まり  
      te    代的 それら、彼ら  
      dasā     
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪「想〔経〕」、「思〔経〕」、「渇愛〔経〕」、「界〔経〕」、「蘊〔経〕」、それら十である。  
                       
                       
  ←前へ   トップへ   次へ→
inserted by FC2 system