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     4. Lomasakaṅgiyabhaddekarattasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Lomasakaṅgiya    a 依(具) 人名、ローマサカンギヤ  
      bhadda    名形 a 男中 賢い、吉祥  
      eka    代的 一、とある  
      ratta    a 依(属)  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「ローマサカンギヤ吉祥一夜経」(『中部』134  
                       
                       
                       
    286-1.                
     286. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      me    代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 所聞、聞かれた  
    訳文                
     このように私は聞いた。  
                       
                       
                       
    286-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā sāvatthiyaṃ viharati jetavane anāthapiṇḍikassa ārāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ    a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      sāvatthiyaṃ    ī 地名、サーヴァッティー、舎衛城  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      jetavane    a 地名、ジェータ林、祇樹、祇園  
      anāthapiṇḍikassa    a 人名、アナータピンディカ、給孤独  
      ārāme.    a  
    訳文                
     あるとき世尊は、サーヴァッティーの、ジェータ林はアナータピンディカ園に住しておられた。  
                       
                       
                       
    286-3.                
     Tena kho pana samayena āyasmā lomasakaṅgiyo [lomasakakaṅgiyo (ṭīkā)] sakkesu viharati kapilavatthusmiṃ nigrodhārāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      lomasakaṅgiyo    a 人名、ローマサカンギヤ  
      sakkesu    a 釈迦族  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kapilavatthusmiṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      nigrodha    a 依(属) 樹名、ニグローダ、榕樹  
      ārāme.    a  
    訳文                
     さてそのとき尊者ローマサカンギヤは、釈迦国の、カピラヴァットゥのニグローダ園に住していた。  
                       
                       
                       
    286-4.                
     Atha kho candano devaputto abhikkantāya rattiyā abhikkantavaṇṇo kevalakappaṃ nigrodhārāmaṃ obhāsetvā yenāyasmā lomasakaṅgiyo tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      candano    a 神名、チャンダナ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putto    a 息子  
      abhikkantāya  abhi-kram 過分 a 中→女 過ぎ去った、進んだ、超えた、素晴らしい  
      rattiyā    i  
      abhikkanta  abhi-kram 過分 a 有(持) 過ぎ去った、進んだ、超えた、素晴らしい  
      vaṇṇo    a 色、容色  
      kevalakappaṃ    不変 全面に  
      nigrodha    a 依(属) 樹名、ニグローダ、榕樹  
      ārāmaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      obhāsetvā  ava-bhās 使 照らす  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      lomasakaṅgiyo    a 人名、ローマサカンギヤ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときに、すぐれた容色をもったチャンダナ天子が、夜更けに、ニグローダ園を全面に照らしながら、尊者ローマサカンギヤのもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    286-5.                
     upasaṅkamitvā ekamantaṃ aṭṭhāsi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      aṭṭhāsi.  sthā 立つ  
    訳文                
     近づいて一方へ立った。  
                       
                       
                       
    286-6.                
     Ekamantaṃ ṭhito kho candano devaputto āyasmantaṃ lomasakaṅgiyaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      ṭhito  sthā 過分 a 立つ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      candano    a 神名、チャンダナ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putto    a 息子  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      lomasakaṅgiyaṃ    a 人名、ローマサカンギヤ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ立ったチャンダナ天子は、尊者ローマサカンギヤへこう言った。  
                       
                       
                       
    286-7.                
     ‘‘dhāresi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañcā’’ti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘dhāresi  dhṛ 使 持たせる、憶持する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      bhadda    名形 a 男中 賢い、吉祥  
      eka    代的 一、とある  
      rattassa    a  
      uddesañ  ud-diś a 説示、総説  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      vibhaṅgañ  vi-bhaj a 分別、解釈、配分  
      cā’’    不変 と、また、そして、しかし  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「比丘よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持していますか」と。  
                       
                       
                       
    286-8.                
     ‘‘Na kho ahaṃ, āvuso, dhāremi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      āvuso,    不変 友よ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dhāremi  dhṛ 使 持たせる、憶持する  
      bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca. (286-7.)  
    訳文                
     「友よ、私は吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持していません。  
                       
                       
                       
    286-9.                
     Tvaṃ panāvuso, dhāresi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañcā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tvaṃ panāvuso, dhāresi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañcā’’ti? (286-7.)  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      āvuso,    不変 友よ  
    訳文                
     しかして友よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持していますか」  
                       
                       
                       
    286-10.                
     ‘‘Ahampi kho, bhikkhu, na dhāremi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ahampi kho, bhikkhu, na dhāremi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca. (286-8.)  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
    訳文                
     「比丘よ、私もまた、吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持していません。  
                       
                       
                       
    286-11.                
     Dhāresi pana tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattiyo gāthā’’ti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Dhāresi  dhṛ 使 持たせる、憶持する  
      語根 品詞 語基 意味  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      bhadda    名形 a 男中 有(持) 賢い、吉祥  
      eka    代的 一、とある  
      rattiyo    i  
      gāthā’’    ā  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しからば比丘よ、あなたは、吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持していますか」  
                       
                       
                       
    286-12.                
     ‘‘Na kho ahaṃ, āvuso, dhāremi bhaddekarattiyo gāthā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na kho ahaṃ, āvuso, dhāremi bhaddekarattiyo gāthā. (286-8, 11.)  
    訳文                
     「友よ、私は吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持していません。  
                       
                       
                       
    286-13.                
     Tvaṃ panāvuso, dhāresi bhaddekarattiyo gāthā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tvaṃ panāvuso, dhāresi bhaddekarattiyo gāthā’’ti? (286-9, 11.)  
    訳文                
     しかして友よ、あなたは吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持していますか」  
                       
                       
                       
    286-14.                
     ‘‘Dhāremi kho ahaṃ, bhikkhu, bhaddekarattiyo gāthā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Dhāremi kho ahaṃ, bhikkhu, bhaddekarattiyo gāthā’’ti. (286-10, 11.)  
    訳文                
     「比丘よ、私は吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持しています」  
                       
                       
                       
    286-15.                
     ‘‘Yathā kathaṃ pana tvaṃ, āvuso, dhāresi bhaddekarattiyo gāthā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      pana tvaṃ, āvuso, dhāresi bhaddekarattiyo gāthā’’ti? (286-13.)  
    訳文                
     「しからば友よ、あなたはいかように、吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持しているのでしょうか」  
                       
                       
                       
    286-16.                
     ‘‘Ekamidaṃ, bhikkhu, samayaṃ bhagavā devesu tāvatiṃsesu viharati pāricchattakamūle paṇḍukambalasilāyaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ekam    代的 副対 一、とある  
      idaṃ,    代的 副対 これ  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      devesu    a 天、神  
      tāvatiṃsesu    a 三十三〔天〕  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      pāricchattaka    a 依(属) 円生樹、珊瑚樹、昼度樹  
      mūle    a 根、根元  
      paṇḍu    u 黄色の、黄白の  
      kambala    a 男中 依(属) 毛布、毛糸  
      silāyaṃ.    ā 石 →黄色石、黄毛石  
    訳文                
     「比丘よ、あるとき世尊は、三十三天の、円生樹の根元の黄毛石に住しておられました。  
    メモ                
     ・おなじEkamidaṃ の語を出す『中部』121「小空性経」(『中部』121)に対する『註』のTattha idanti nipātamattameva. という解説に従い、idaṃは虚辞とした。  
                       
                       
                       
    286-17.                
     Tatra bhagavā devānaṃ tāvatiṃsānaṃ bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca abhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tatra    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      bhagavā    ant 世尊  
      devānaṃ    a 天、神  
      tāvatiṃsānaṃ    a 三十三〔天〕  
      bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca (286-8.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhāsi –  bhāṣ 語る、話す  
    訳文                
     そこで世尊は三十三天の神々へ、吉祥なる一夜についての総説と詳細を説かれました。  
                       
                       
                       
    286-18.                
     ‘‘Atītaṃ nānvāgameyya, nappaṭikaṅkhe anāgataṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atītaṃ  ati-i 名過分 a 過去、過ぎ去った  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anvāgameyya,  anu-ā-gam 随行する、戻る、追求する  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭikaṅkhe  prati-kāṅkṣ 期待する、希求する  
      語根 品詞 語基 意味  
      anāgataṃ;  an-ā-gam 過分 a 未来の  
    訳文                
     『♪過去を追い求めるべからず。未来を希求するべからず。  
                       
                       
                       
    286-19.                
     Yadatītaṃ pahīnaṃ taṃ, appattañca anāgataṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yad    代的 (関係代名詞)  
      atītaṃ  ati-i 名過分 a 過去、過ぎ去った  
      pahīnaṃ  pra-hā 過分 a 捨てられた  
      taṃ,    代的 それ  
      appattañ  a-pra-āp 過分 a 未到達の  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      anāgataṃ.  an-ā-gam 過分 a 未来の  
    訳文                
     ♪およそその過去は捨断されており、未来は到達していない。  
                       
                       
                       
    286-20.                
     ‘‘Paccuppannañca yo dhammaṃ, tattha tattha vipassati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Paccuppannañ  prati-ud-pad 名過分 a 現在  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      dhammaṃ,  dhṛ a 男中  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vipassati;  vi-paś 観察する、観法をなす  
    訳文                
     ♪およそ現在の法をそこかしこで観察する者。  
                       
                       
                       
    286-21.                
     Asaṃhīraṃ asaṃkuppaṃ, taṃ vidvā manubrūhaye.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Asaṃhīraṃ  a-saṃ-hṛ 受 未分 a 男中 副対 除去すべきでない、不動の、支配されない  
      asaṃkuppaṃ,  a-saṃ-kup a 男中 副対 不動揺の、堅固な  
      taṃ    代的 男中 それ  
      vidvā  vid ant 智者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anubrūhaye.  bṛh 使 増大させる、増修する、修習する  
    訳文                
     ♪〔その〕智者は、支配されず、堅固に、その〔法〕を増修すべし。  
                       
                       
                       
    286-22.                
     ‘‘Ajjeva kiccamātappaṃ, ko jaññā maraṇaṃ suve;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ajja    不変 今日、今  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kiccam  kṛ 未分 a なされるべき  
      ātappaṃ,  ā-tap a 熱勤、熱心、勇猛  
      ko    代的 何、誰  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jaññā  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      maraṇaṃ  mṛ a  
      suve;  sve;  不変 明日  
    訳文                
     ♪まさに今日、熱勤がなされるべきである。誰が明日の死を知ろうか。  
                       
                       
                       
    286-23.                
     Na hi no saṅgaraṃ tena, mahāsenena maccunā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Na    不変 ない  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      no    代的 私たち  
      saṅgaraṃ  saṃ-gṝ a 男(中) 約束、誓約  
      tena,    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      senena    ā 女→男 軍隊、軍勢  
      maccunā.  mṛ u 死、死神、死王  
    訳文                
     ♪なぜなら我々には、かの大軍ある死王との約束などないのだから。  
                       
                       
                       
    286-24.                
     ‘‘Evaṃ vihāriṃ ātāpiṃ, ahorattamatanditaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vihāriṃ  vi-hṛ in 住ある  
      ātāpiṃ,  ā-tap in 熱心の、正勤の  
      aho    as 昼、日  
      rattam    a  
      atanditaṃ;  a-ten? 過分 a 懈怠ならぬ  
    訳文                
     ♪そのように日夜住し、熱勤して懈怠ならぬ者、  
                       
                       
                       
    286-25.                
     Taṃ ve bhaddekarattoti, santo ācikkhate munī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ  
      ve    不変 じつに  
      bhadda    名形 a 男中 有(持) 賢い、吉祥  
      eka    代的 一、とある  
      ratto    a 中→男  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      santo  śam 過分 a 寂静の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ācikkhate  ā-khyā 強 告げる、のべる、説く  
      語根 品詞 語基 意味  
      munī’’    i 牟尼、聖者  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪その者を、寂静なる牟尼は吉祥なる一夜ある者と述べる』と。  
                       
                       
                       
    286-26.                
     ‘‘Evaṃ kho ahaṃ, bhikkhu, dhāremi bhaddekarattiyo gāthā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kho ahaṃ, bhikkhu, dhāremi bhaddekarattiyo gāthā. (286-14.)  
    訳文                
     比丘よ、私は吉祥なる一夜に関する諸偈を、このように憶持しています。  
                       
                       
                       
    286-27.                
     Uggaṇhāhi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Uggaṇhāhi  ud-grah 取り上げる、学ぶ、把持する  
      tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca; (286-7.)  
    訳文                
     比丘よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を把持すべきです。  
                       
                       
                       
    286-28.                
     pariyāpuṇāhi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pariyāpuṇāhi  pari-āp 学得、得達、了知、暗記する  
      tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca; (286-7.)  
    訳文                
     比丘よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を学得すべきです。  
                       
                       
                       
    286-29.                
     dhārehi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dhārehi  dhṛ 使 持たせる、憶持する  
      tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca. (286-7.)  
    訳文                
     比丘よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持すべきです。  
                       
                       
                       
    286-30.                
     Atthasaṃhito, bhikkhu, bhaddekarattassa uddeso ca vibhaṅgo ca ādibrahmacariyako’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Attha    a 男中 依(具)  
      saṃhito,  saṃ-dhā 過分 a 伴った、具した  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      bhadda    名形 a 男中 賢い、吉祥  
      eka    代的 一、とある  
      rattassa    a  
      uddeso  ud-diś a 説示、総説  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      vibhaṅgo  vi-bhaj a 分別、解釈、配分  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      ādi    i 男中 最初、始め  
      brahmacariyako’’  bṛh, car a 梵行の →初梵行、根本梵行  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     比丘よ、吉祥なる一夜についての総説と詳細は、意義をともなったもの、初梵行(梵行の基礎)となるものです〔から〕」  
                       
                       
                       
    286-31.                
     Idamavoca candano devaputto.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idam    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca  vac いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      candano    a 神名、チャンダナ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putto    a 息子  
    訳文                
     チャンダナ天子はこう言った。  
                       
                       
                       
    286-32.                
     Idaṃ vatvā tatthevantaradhāyi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Idaṃ    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vatvā  vac いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      antaradhāyi.  antara-dhā 滅没する、消失する  
    訳文                
     こう言って、そこで消失した。  
                       
                       
                       
    287-1.                
     287. Atha kho āyasmā lomasakaṅgiyo tassā rattiyā accayena senāsanaṃ saṃsāmetvā pattacīvaramādāya yena sāvatthi tena cārikaṃ pakkāmi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      lomasakaṅgiyo    a 人名、ローマサカンギヤ  
      tassā    代的 それ、彼女  
      rattiyā    i  
      accayena  ati-i a 副具 過ぎてから  
      sena  śī a 臥所、臥具  
      āsanaṃ  ā-sad a 坐所、坐具  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṃsāmetvā  saṃ-śam 使 たたむ、納める  
      語根 品詞 語基 意味  
      patta    a 男中  
      cīvaram    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ādāya  ā-dā 取って  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      sāvatthi    ī 地名、サーヴァッティー、舎衛城  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      cārikaṃ  car 名形 a 男中 旅行、遊行、徘徊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pakkāmi.  pra-kram 出発する  
    訳文                
     そこで尊者ローマサカンギヤは、その夜が明けると、臥坐具をたたみ、鉢と衣をとって、サーヴァッティーへの遊行へ出立した。  
                       
                       
                       
    287-2.                
     Anupubbena cārikaṃ caramāno yena sāvatthi jetavanaṃ anāthapiṇḍikassa ārāmo yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Anupubbena    代的 副具 順次に  
      cārikaṃ  car 名形 a 男中 旅行、遊行、徘徊  
      caramāno  car 現分 a 行ずる、行く  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      sāvatthi    ī 地名、サーヴァッティー、舎衛城  
      jetavanaṃ    a 地名、ジェータ林、祇樹、祇園  
      anāthapiṇḍikassa    a 人名、アナータピンディカ、給孤独  
      ārāmo    a  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     順次に遊行をなし、サーヴァッティーの、ジェータ林はアナータピンディカ園におられる世尊のもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    287-3.                
     upasaṅkamitvā bhagavantaṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて世尊へ礼拝し、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    287-4.                
     Ekamantaṃ nisinno kho āyasmā lomasakaṅgiyo bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      lomasakaṅgiyo    a 人名、ローマサカンギヤ  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐った尊者ローマサカンギヤは、世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    287-5.                
     ‘‘Ekamidāhaṃ, bhante, samayaṃ sakkesu viharāmi kapilavatthusmiṃ nigrodhārāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ekam    代的 副対 一、とある  
      idaṃ    代的 これ  
      ahaṃ,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      sakkesu    a 釈迦族  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharāmi  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kapilavatthusmiṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      nigrodha    a 依(属) 樹名、ニグローダ、榕樹  
      ārāme.    a  
    訳文                
     「尊者よ、あるとき私は、釈迦国の、カピラヴァットゥのニグローダ園に住していました。  
    メモ                
     ・ここもidaṃは虚辞とした。  
                       
                       
                       
    287-6.                
     Atha kho, bhante, aññataro devaputto abhikkantāya rattiyā abhikkantavaṇṇo kevalakappaṃ nigrodhārāmaṃ obhāsetvā yenāhaṃ tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha kho, bhante, aññataro devaputto abhikkantāya rattiyā abhikkantavaṇṇo kevalakappaṃ nigrodhārāmaṃ obhāsetvā yenāhaṃ tenupasaṅkami; (286-4.)  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      aññataro    代的 とある、随一の  
      ahaṃ    代的  
    訳文                
     尊者よ、ときに、すぐれた容色をもったとある天子が、夜更けに、ニグローダ園を全面に照らしながら、私のもとへ近づきました。  
                       
                       
                       
    287-7.                
     upasaṅkamitvā ekamantaṃ aṭṭhāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      upasaṅkamitvā ekamantaṃ aṭṭhāsi. (286-5.)  
    訳文                
     近づいて一方へ立ちました。  
                       
                       
                       
    287-8.                
     Ekamantaṃ ṭhito kho, bhante, so devaputto maṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ ṭhito kho, bhante, so devaputto maṃ etadavoca – (286-6.)  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      so    代的 それ、彼  
      ahaṃ    代的  
    訳文                
     尊者よ、一方へ立ったその天子は、私へこう言いました。  
                       
                       
                       
    287-9.                
     ‘dhāresi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañcā’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘dhāresi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañcā’ti? (286-7.)  
    訳文                
     『比丘よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持していますか』と。  
                       
                       
                       
    287-10.                
     Evaṃ vutte ahaṃ, bhante, taṃ devaputtaṃ etadavocaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte  vac 受 過分 a いわれた  
      ahaṃ,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      taṃ    代的 それ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      puttaṃ    a 息子  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avocaṃ –  vac 言う、語る、説く  
    訳文                
     尊者よ、このように言われて、私はその天子へこう言いました。  
                       
                       
                       
    287-11.                
     ‘na kho ahaṃ, āvuso, dhāremi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘na kho ahaṃ, āvuso, dhāremi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca. (286-8.)  
    訳文                
     『友よ、私は吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持していません。  
                       
                       
                       
    287-12.                
     Tvaṃ panāvuso, dhāresi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañcā’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tvaṃ panāvuso, dhāresi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañcā’ti? (286-9.)  
    訳文                
     しかして友よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持していますか』  
                       
                       
                       
    287-13.                
     ‘Ahampi kho, bhikkhu, na dhāremi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Ahampi kho, bhikkhu, na dhāremi bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca. (286-10.)  
    訳文                
     『比丘よ、私もまた、吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持していません。  
                       
                       
                       
    287-14.                
     Dhāresi pana tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattiyo gāthā’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhāresi pana tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattiyo gāthā’ti? (286-11.)  
    訳文                
     しからば比丘よ、あなたは、吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持していますか』  
                       
                       
                       
    287-15.                
     ‘Na kho ahaṃ, āvuso, dhāremi bhaddekarattiyo gāthā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Na kho ahaṃ, āvuso, dhāremi bhaddekarattiyo gāthā. (286-12.)  
    訳文                
     『友よ、私は吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持していません。  
                       
                       
                       
    287-16.                
     Tvaṃ panāvuso, dhāresi bhaddekarattiyo gāthā’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tvaṃ panāvuso, dhāresi bhaddekarattiyo gāthā’ti? (286-13.)  
    訳文                
     しかして友よ、あなたは吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持していますか』  
                       
                       
                       
    287-17.                
     ‘Dhāremi kho ahaṃ, bhikkhu, bhaddekarattiyo gāthā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Dhāremi kho ahaṃ, bhikkhu, bhaddekarattiyo gāthā’ti. (286-14.)  
    訳文                
     『比丘よ、私は吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持しています』  
                       
                       
                       
    287-18.                
     ‘Yathā kathaṃ pana tvaṃ, āvuso, dhāresi bhaddekarattiyo gāthā’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Yathā kathaṃ pana tvaṃ, āvuso, dhāresi bhaddekarattiyo gāthā’ti? (286-15.)  
    訳文                
     『しからば友よ、あなたはいかように、吉祥なる一夜に関する諸偈を憶持しているのでしょうか』  
                       
                       
                       
    287-19.                
     Ekamidaṃ, bhikkhu, samayaṃ bhagavā devesu tāvatiṃsesu viharati pāricchattakamūle paṇḍukambalasilāyaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamidaṃ, bhikkhu, samayaṃ bhagavā devesu tāvatiṃsesu viharati pāricchattakamūle paṇḍukambalasilāyaṃ. (286-16.)  
    訳文                
     『比丘よ、あるとき世尊は、三十三天の、円生樹の根元の黄毛石に住しておられました。  
                       
                       
                       
    287-20.                
     Tatra kho bhagavā devānaṃ tāvatiṃsānaṃ bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca abhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tatra kho bhagavā devānaṃ tāvatiṃsānaṃ bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca abhāsi – (286-17.)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
    訳文                
     そこで世尊は三十三天の神々へ、吉祥なる一夜についての総説と詳細を説かれました。  
                       
                       
                       
    287-21.                
     ‘‘Atītaṃ nānvāgameyya…pe…  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atītaṃ nānvāgameyya…pe…(286-18.)  
    訳文                
     ♪過去を追い求めるべからず……  
                       
                       
                       
    287-22.                
     Taṃ ve bhaddekarattoti, santo ācikkhate munī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ ve bhaddekarattoti, santo ācikkhate munī’’ti. (286-25.)  
    訳文                
     ♪その者を、寂静なる牟尼は「吉祥なる一夜ある者」と述べると。  
                       
                       
                       
    287-23.                
     ‘‘Evaṃ kho ahaṃ, bhikkhu, dhāremi bhaddekarattiyo gāthā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ kho ahaṃ, bhikkhu, dhāremi bhaddekarattiyo gāthā. (286-26.)  
    訳文                
     比丘よ、私は吉祥なる一夜に関する諸偈を、このように憶持しています。  
                       
                       
                       
    287-24.                
     Uggaṇhāhi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Uggaṇhāhi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca; (286-27.)  
    訳文                
     比丘よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を把持すべきです。  
                       
                       
                       
    287-25.                
     pariyāpuṇāhi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca;   
      語根 品詞 語基 意味  
      pariyāpuṇāhi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca; (286-28.)  
    訳文                
     比丘よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を学得すべきです。  
                       
                       
                       
    287-26.                
     dhārehi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      dhārehi tvaṃ, bhikkhu, bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca. (286-29.)  
    訳文                
     比丘よ、あなたは吉祥なる一夜についての総説と詳細を憶持すべきです。  
                       
                       
                       
    287-27.                
     Atthasaṃhito, bhikkhu, bhaddekarattassa uddeso ca vibhaṅgo ca ādibrahmacariyako’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atthasaṃhito, bhikkhu, bhaddekarattassa uddeso ca vibhaṅgo ca ādibrahmacariyako’ti. (286-30.)  
    訳文                
     比丘よ、吉祥なる一夜についての総説と詳細は、意義をともなったもの、初梵行(梵行の基礎)となるものです〔から〕』  
                       
                       
                       
    287-28.                
     Idamavoca, bhante, so devaputto;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idamavoca, bhante, so devaputto; (286-32.)  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      so    代的 それ、彼  
    訳文                
     尊者よ、その天子はこう言いました。  
                       
                       
                       
    287-29.                
     idaṃ vatvā tatthevantaradhāyi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      idaṃ vatvā tatthevantaradhāyi. (286-32.)  
    訳文                
     こう言って、そこで消失しました。  
                       
                       
                       
    287-30.                
     Sādhu me, bhante, bhagavā bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca desetū’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sādhu  sādh 不変 善哉、なにとぞ  
      me,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      bhaddekarattassa uddesañca vibhaṅgañca (286-7.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desetū’’  diś 使 示す  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者よ、世尊はなにとぞ私に吉祥なる一夜についての総説と詳細をご教示下さい」  
                       
                       
                       
    288-1.                
     288. ‘‘Jānāsi pana tvaṃ, bhikkhu, taṃ devaputta’’nti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Jānāsi  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      taṃ    代的 それ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putta’’n    a 息子  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「しかるに比丘よ、あなたはその天子を知っているのですか」  
                       
                       
                       
    288-2.                
     ‘‘Na kho ahaṃ, bhante, jānāmi taṃ devaputta’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānāmi  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 それ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putta’’n    a 息子  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者よ、私はその天子を知りません」  
                       
                       
                       
    288-3.                
     ‘‘Candano nāma so, bhikkhu, devaputto.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Candano    a 神名、チャンダナ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      so,    代的 それ、彼  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putto.    a 息子  
    訳文                
     「比丘よ、その天子はチャンダナという名です。  
                       
                       
                       
    288-4.                
     Candano, bhikkhu, devaputto aṭṭhiṃ katvā [aṭṭhikatvā (sī. syā. kaṃ. pī.)] manasikatvā sabbacetasā [sabbaṃ cetaso (sī. syā. kaṃ. pī.), sabbaṃ cetasā (ka.)] samannāharitvā ohitasoto dhammaṃ suṇāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Candano,    a 神名、チャンダナ  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putto    a 息子  
      aṭṭhiṃ    in 欲求する、希求する  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      katvā  kṛ なす  
      manasikatvā  man, kṛ 作意する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sabba    名形 代的 すべて  
      cetasā  cit as  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samannāharitvā  saṃ-anu-ā-hṛ 思念する、注意する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ohita  ava-dhā 過分 a 有(持) 下ろされた  
      soto  śru as 中→男 耳 →耳を傾けた  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      suṇāti.  śru 聞く  
    訳文                
     比丘よ、チャンダナ天子は、希求をなし、作意し、すべての心で思念し、耳を傾けて、法を聞いています。  
    メモ                
     ・『中部』65「バッダーリ経」にパラレル。そこでは否定文になっていて、人の話をしっかり聞いていないという文脈であるから、ここは逆にチャンダナ天子が説法をよく聞いていたことを賞賛する言葉なのであろう。  
                       
                       
                       
    288-5.                
     Tena hi, bhikkhu, suṇāhi, sādhukaṃ manasi karohi;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      hi,    不変 じつに、なぜなら →しからば  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      suṇāhi,  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      sādhukaṃ  sādh a 副対 よい、十分に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      manasi karohi;  manasi-kṛ 作意する  
    訳文                
     しからば比丘よ、それを聞き、よく作意してください。  
                       
                       
                       
    288-6.                
     bhāsissāmī’’ti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhāsissāmī’’  bhāṣ 語る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     私は語ることにしましょう」  
                       
                       
                       
    288-7.                
     ‘‘Evaṃ, bhante’’ti kho āyasmā lomasakaṅgiyo bhagavato paccassosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bhante’’  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      lomasakaṅgiyo    a 人名、ローマサカンギヤ  
      bhagavato    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccassosi.  prati-śru 応諾する、同意する、応える  
    訳文                
     「そのように、尊者よ」と尊者ローマサカンギヤは世尊へ応えた。  
                       
                       
                       
    288-8.                
     Bhagavā etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhagavā    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     世尊はこう仰った。  
                       
                       
                       
    288-9.                
     ‘‘Atītaṃ nānvāgameyya, nappaṭikaṅkhe anāgataṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atītaṃ nānvāgameyya, nappaṭikaṅkhe anāgataṃ; (286-18.)  
    訳文                
     「♪過去を追い求めるべからず。未来を希求するべからず。  
                       
                       
                       
    288-10.                
     Yadatītaṃ pahīnaṃ taṃ, appattañca anāgataṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yadatītaṃ pahīnaṃ taṃ, appattañca anāgataṃ. (286-19.)  
    訳文                
     ♪およそその過去は捨断されており、未来は到達していない。  
                       
                       
                       
    288-11.                
     ‘‘Paccuppannañca yo dhammaṃ, tattha tattha vipassati;  
      語根 品詞 語基 意味