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     8. Gopakamoggallānasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallāna    a 依(属) 人名、モッガッラーナ  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「監護者モッガッラーナ経」(『中部』108  
    メモ                
     ・PTS辞書ではgopakaa guardian, watchmanとされているため、このように訳した。あとで、竹林が静穏なのが「監護者によるがごとく」と表現されるから、番人や警邏、あるいはそれらの統率者のような役職をいったものではないか。  
                       
                       
                       
    79-1.                
     79. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ   不変 このように  
      me   代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた、所聞  
    訳文                
     このように私は聞いた。  
                       
                       
                       
    79-2.                
     ekaṃ samayaṃ āyasmā ānando rājagahe viharati veḷuvane kalandakanivāpe aciraparinibbute bhagavati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ    a 副対  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      rājagahe    a 地名、ラージャガハ、王舎城  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      veḷuvane    a 竹林  
      kalandaka    a 有(属) リス  
      nivāpe  ni-vap a 撒き餌、えさ  
      acira    a 依(奪) 久しからず、暫時の  
      parinibbute  pari-nir-vṛt? 過分 a 処絶 般涅槃した  
      bhagavati.    ant 処絶 世尊  
    訳文                
     世尊が般涅槃されて間もないあるとき、尊者アーナンダは、ラージャガハのカランダカニヴァーパ竹林に住していた。  
                       
                       
                       
    79-3.                
     Tena kho pana samayena rājā māgadho ajātasattu vedehiputto rājagahaṃ paṭisaṅkhārāpeti rañño pajjotassa āsaṅkamāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      rājā    an  
      māgadho    a マガダ国の  
      ajātasattu  a-jan u 人名、アジャータサットゥ、阿闍世  
      vedehi    ī 依(属) 人名、ヴェーデーヒー、韋提希  
      putto    a 息子  
      rājagahaṃ    a 地名、ラージャガハ、王舎城  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭisaṅkhārāpeti  prati-saṃ-kṛ 使 修復させる、対策をなさせる  
      語根 品詞 語基 意味  
      rañño    an  
      pajjotassa    a 人名、パッジョータ  
      āsaṅkamāno.  ā-śaṅk 現分 a 危惧する、疑う  
    訳文                
     さてそのとき、マガダの王、ヴェーデーヒーの息子アジャータサットゥは、パッジョータ王を危惧して、ラージャガハを修復させていた。  
    メモ                
     ・PPNによればパッジョータはアヴァンティ国の王という。  
                       
                       
                       
    79-4.                
     Atha kho āyasmā ānando pubbaṇhasamayaṃ nivāsetvā pattacīvaramādāya rājagahaṃ piṇḍāya pāvisi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      pubbaṇha    a 依(属) 午前  
      samayaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nivāsetvā  ni-vas 使 着衣する、内衣を着る  
      語根 品詞 語基 意味  
      patta    a 男中  
      cīvaram    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ādāya  ā-dā 取って  
      語根 品詞 語基 意味  
      rājagahaṃ    a 地名、ラージャガハ、王舎城  
      piṇḍāya    a 団食、(与格で「托鉢のため」)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāvisi.  pra-viś 入る  
    訳文                
     ときに尊者アーナンダは、午前中に、内衣をつけ、鉢と衣を取って、托鉢のためラージャガハへ入った。  
                       
                       
                       
    79-5.                
     Atha kho āyasmato ānandassa etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmato    ant 尊者、具寿  
      ānandassa  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     ときに尊者アーナンダに、このような〔思い〕が起こった。  
                       
                       
                       
    79-6.                
     ‘‘atippago kho tāva rājagahe piṇḍāya carituṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘atippago    不変 余りに早い、早すぎる  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      tāva    不変 それだけ、それほど、まず  
      rājagahe    a 地名、ラージャガハ、王舎城  
      piṇḍāya    a 団食、(与格で「托鉢のため」)  
      carituṃ;  car 不定 行くこと、行くため  
    訳文                
     「托鉢のためラージャガハに行くにはまだ早い。  
                       
                       
                       
    79-7.                
     Yaṃnūnāhaṃ yena gopakamoggallānassa brāhmaṇassa kammanto, yena gopakamoggallāno brāhmaṇo tenupasaṅkameyya’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃnūna    不変 〜してはどうか  
      ahaṃ    代的  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallānassa    a 人名、モッガッラーナ  
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門  
      kammanto,  kṛ a 作業、仕事  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallāno    a 人名、モッガッラーナ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkameyya’’n  upa-saṃ-kram 能反 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     私は、監護者モッガッラーナ婆羅門の仕事〔場〕の、監護者モッガッラーナ婆羅門をたずねてみてはどうだろうか」と。  
                       
                       
                       
    79-8.                
     Atha kho āyasmā ānando yena gopakamoggallānassa brāhmaṇassa kammanto, yena gopakamoggallāno brāhmaṇo tenupasaṅkami.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      yena gopakamoggallānassa brāhmaṇassa kammanto, yena gopakamoggallāno brāhmaṇo tena (79-7.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami.  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     そこで尊者アーナンダは、監護者モッガッラーナ婆羅門の仕事〔場〕の、監護者モッガッラーナ婆羅門へ近づいた。  
                       
                       
                       
    79-9.                
     Addasā kho gopakamoggallāno brāhmaṇo āyasmantaṃ ānandaṃ dūratova āgacchantaṃ.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見た  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallāno    a 人名、モッガッラーナ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānandaṃ  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      dūrato    a 男中 遠い、遠隔の  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      āgacchantaṃ.  ā-gam 現分 ant 来る  
    訳文                
     じつに監護者モッガッラーナ婆羅門は、遠くから尊者アーナンダがやってくるのを見た。  
                       
                       
                       
    79-10.                
     Disvāna āyasmantaṃ ānandaṃ etadavoca –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Disvāna  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānandaṃ  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     見て、尊者アーナンダへこう言った。  
                       
                       
                       
    79-11.                
     ‘‘etu kho bhavaṃ ānando.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘etu  i ゆく  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      ānando.  ā-nand a 人名、アーナンダ  
    訳文                
     「尊者アーナンダはいざ参られよ。  
                       
                       
                       
    79-12.                
     Svāgataṃ bhoto ānandassa.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Svāgataṃ  su-ā-gam 過分 a よくきた、歓迎した、通暁した  
      bhoto  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      ānandassa.  ā-nand a 人名、アーナンダ  
    訳文                
     尊者アーナンダを歓迎いたします。  
                       
                       
                       
    79-13.                
     Cirassaṃ kho bhavaṃ ānando imaṃ pariyāyamakāsi yadidaṃ idhāgamanāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Cirassaṃ    不変 久しく、遂に  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      imaṃ    代的 これ  
      pariyāyam  pari-i a 異門、法門、教説、部門、理趣、理由、方便、順序  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      akāsi  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      yadidaṃ    不変 すなわち、いわゆる  
      idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      āgamanāya.  ā-gam a 到来、帰来  
    訳文                
     とうとう尊者アーナンダが、ここへいらっしゃるための、この機会をもうけられました。  
                       
                       
                       
    79-14.                
     Nisīdatu bhavaṃ ānando, idamāsanaṃ paññatta’’nti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Nisīdatu  ni-sad 坐る  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      ānando,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      idam    代的 これ  
      āsanaṃ  ās a  
      paññatta’’n  pra-jñā 使 過分 a 知らしめられた、告知した、施設された、用意された  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者アーナンダはこの用意された座におかけください」と。  
                       
                       
                       
    79-15.                
     Nisīdi kho āyasmā ānando paññatte āsane.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Nisīdi  ni-sad 坐る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      paññatte  pra-jñā 使 過分 a 知らしめられた、用意された  
      āsane.  ās a  
    訳文                
     尊者アーナンダは用意された座へ坐った。  
                       
                       
                       
    79-16.                
     Gopakamoggallānopi kho brāhmaṇo aññataraṃ nīcaṃ āsanaṃ gahetvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallāno    a 人名、モッガッラーナ  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      aññataraṃ    代的 随一、ある  
      nīcaṃ    a 低い、卑しい  
      āsanaṃ  ās a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gahetvā  grah 取る、捉える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     じつに監護者モッガッラーナ婆羅門も、別の低い座を取って、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    79-17.                
     Ekamantaṃ nisinno kho gopakamoggallāno brāhmaṇo āyasmantaṃ ānandaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallāno    a 人名、モッガッラーナ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānandaṃ  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐った監護者モッガッラーナ婆羅門は、尊者アーナンダへこういった。  
                       
                       
                       
    79-18.                
     ‘‘atthi nu kho, bho ānanda, ekabhikkhupi tehi dhammehi sabbenasabbaṃ sabbathāsabbaṃ samannāgato yehi dhammehi samannāgato so bhavaṃ gotamo ahosi arahaṃ sammāsambuddho’’ti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      eka    代的 一、とある  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      tehi    代的 男中 それら、彼ら  
      dhammehi  dhṛ a 男中  
      sabbena    代的 副具 すべて  
      sabbaṃ    代的 副対 すべて  
      sabbathā    不変 あらゆる方法で  
      sabbaṃ    代的 副対 すべて  
      samannāgato  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
      yehi    代的 男中 (関係代名詞)  
      dhammehi  dhṛ a 男中  
      samannāgato  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
      so    代的 それ、彼  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      arahaṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      sambuddho’’  saṃ-budh 名過分 a 等覚  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者アーナンダよ、いったい、およそ阿羅漢にして正等覚者たる尊者ゴータマが具足していた諸法、そのような諸法を全て〔の様相〕より全て、全て〔の部分〕より全て具足した比丘が、一人でもいるのでしょうか」と。  
    メモ                
     ・Sabbena sabbanti sabbākārena sabbaṃ. Sabbathā sabbanti sabbakoṭṭhāsehi sabbaṃ. という『註』により補訳。  
                       
                       
                       
    79-19.                
     ‘‘Natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi tehi dhammehi sabbenasabbaṃ sabbathāsabbaṃ samannāgato yehi dhammehi samannāgato so bhagavā ahosi arahaṃ sammāsambuddho.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      atthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi tehi dhammehi sabbenasabbaṃ sabbathāsabbaṃ samannāgato yehi dhammehi samannāgato so bhagavā ahosi arahaṃ sammāsambuddho. (79-18.)  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      bhagavā    ant 世尊  
    訳文                
     「婆羅門よ、およそ阿羅漢にして正等覚者たる世尊が具足していた諸法、そのような諸法を全て〔の様相〕より全て、全て〔の部分〕より全て具足した比丘は、一人も存在しません。  
    メモ                
     ・阿羅漢となった比丘であれば、当然、四諦八聖道なり三明智なり九次第定なりは具足しているはずなので、釈尊だけはそうでない法を具足していた、ということになる。阿毘達磨等においてはそれは一切知なりの特質だということのなるのであろうが、釈尊個人の特権化・神格化がニカーヤ内で既に始まっていると見ることもできようか。  
                       
                       
                       
    79-20.                
     So hi, brāhmaṇa, bhagavā anuppannassa maggassa uppādetā, asañjātassa maggassa sañjanetā, anakkhātassa maggassa akkhātā, maggaññū, maggavidū, maggakovido;   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      hi,    不変 じつに、なぜなら  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      bhagavā    ant 世尊  
      anuppannassa  an-ud-pad 過分 a 未生の  
      maggassa    a  
      uppādetā,  ud-pad 使 ar 創造者、生産者  
      asañjātassa  a-saṃ-jan 過分 a 生まれていない  
      maggassa    a  
      sañjanetā,  saṃ-jan 使 ar 生じさせる者  
      anakkhātassa  an-ā-khyā 過分 a 語られざる  
      maggassa    a  
      akkhātā,  ā-khyā ar 語る人  
      magga    a 依(対)  
      ññū,    ū 知る  
      magga    a 依(対)  
      vidū,    ū 知る  
      magga    a 依(対)  
      kovido;  ku-vid a 熟知する、識知する  
    訳文                
     なぜなら婆羅門よ、世尊は起きていない道を起こす者、生じていない道を生じさせる者、語られていない道を語る者、道を知る者、道に通じる者、道を熟知する者だからです。  
    メモ                
     ・これなども素朴に読むなら、「如来出でるも出でざるも」(『相応部』12-20「縁境」)とか「過去の正等覚者のたどった古道」(同12-65「城邑経」)といった記述と調和しないものなのではないか。  
                       
                       
                       
    79-21.                
     maggānugā ca pana etarahi sāvakā viharanti pacchā samannāgatā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      magga    a 依(対)  
      anugā  anu-gam a 従う、従順な  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      etarahi    不変 いま、現在  
      sāvakā  śru a 声聞、弟子  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharanti  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      pacchā    不変 後に、背後に、西方に  
      samannāgatā’’  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具足した、具備した  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかるに今の弟子たちは、道に従う者たち、(世尊より)後から具足した者たちとして住しているのです」  
                       
                       
                       
    79-22.                
     Ayañca hidaṃ āyasmato ānandassa gopakamoggallānena brāhmaṇena saddhiṃ antarākathā vippakatā ahosi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ayañ    代的 これ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      hi   不変 じつに、なぜなら  
      idaṃ    代的 副対 これ  
      āyasmato    ant 尊者、具寿  
      ānandassa  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallānena    a 人名、モッガッラーナ  
      brāhmaṇena  bṛh a 婆羅門  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      antarā    不変 その間に  
      kathā    ā 話 →暫時の談話  
      vippakatā  vi-pra-kṛ 過分 a 中断された  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi.  bhū ある、なる  
    訳文                
     しかして、この尊者アーナンダの監護者モッガッラーナ婆羅門とのこの暫時の談話は中断された。  
                       
                       
                       
    79-23.                
     Atha kho vassakāro brāhmaṇo magadhamahāmatto rājagahe kammante anusaññāyamāno yena gopakamoggallānassa brāhmaṇassa kammanto, yenāyasmā ānando tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      vassakāro    a 人名、ヴァッサカーラ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      magadha    a 依(属) 地名、マガダ国  
      mahā    ant 大きい  
      amatto    a 大臣、朝臣  
      rājagahe    a 地名、ラージャガハ、王舎城  
      kammante  kṛ a 作業、仕事  
      anusaññāyamāno  anu-saṃ-yā 現分 a 従い行く、訪問する、調査する  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallānassa    a 人名、モッガッラーナ  
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門  
      kammanto,  kṛ a 作業、仕事  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     そのとき、ラージャガハにおける仕事〔場〕を訪問しているマガダ国の大臣ヴァッサカーラ婆羅門が、監護者モッガッラーナ婆羅門の仕事〔所〕の、尊者アーナンダのもとへ近づいたのである。  
    メモ                
     ・「大般涅槃経」でパータリプッタの建設に関わっていた人物である。  
                       
                       
                       
    79-24.                
     upasaṅkamitvā āyasmatā ānandena saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      āyasmatā    ant 尊者、具寿  
      ānandena  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     彼は、尊者アーナンダと挨拶した。  
                       
                       
                       
    79-25.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  saṃ-raj 未分 a 相慶慰すべき、喜ぶべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati-sṛ 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     喜ばしき慶賀の言葉を交わして、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    79-26.                
     Ekamantaṃ nisinno kho vassakāro brāhmaṇo magadhamahāmatto āyasmantaṃ ānandaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ nisinno kho vassakāro brāhmaṇo magadhamahāmatto āyasmantaṃ ānandaṃ etadavoca – (79-17.)  
      vassakāro    a 人名、ヴァッサカーラ  
      magadha    a 依(属) 地名、マガダ国  
      mahā    ant 大きい  
      amatto    a 大臣、朝臣  
    訳文                
     一方へ坐ったマガダ国の大臣ヴァッサカーラ婆羅門は、尊者アーナンダへこういった。  
                       
                       
                       
    79-27.                
     ‘‘kāyanuttha, bho ānanda, etarahi kathāya sannisinnā, kā ca pana vo antarākathā vippakatā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘kāya    代的 どのような  
      nu    不変 〜かどうか、〜であろうか  
      ettha,    不変 ここに  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      etarahi    不変  
      kathāya    ā 説、話、論、物語  
      sannisinnā,  saṃ-ni-sad 過分 a ともに座った  
          代的  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      vo    代的 あなたがた  
      antarā    不変 その間に  
      kathā    ā 話 →暫時の談話  
      vippakatā’’  vi-pra-kṛ 過分 a 中断された  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者アーナンダよ、いまここに、どのような話のため、ともに坐っていたのでしょうか。また、いかなる談話が、あなたがたに中断されたのでしょうか」 と。  
                       
                       
                       
    79-28.                
     ‘‘Idha maṃ, brāhmaṇa, gopakamoggallāno brāhmaṇo evamāha –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      maṃ,    代的  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallāno    a 人名、モッガッラーナ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āha –  ah いう  
    訳文                
     「婆羅門よ、ここで、私に監護者モッガッラーナ婆羅門はこう言いました。  
                       
                       
                       
    79-29.                
     ‘atthi nu kho, bho ānanda, ekabhikkhupi tehi dhammehi sabbenasabbaṃ sabbathāsabbaṃ samannāgato yehi dhammehi samannāgato so bhavaṃ gotamo ahosi arahaṃ sammāsambuddho’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘atthi nu kho, bho ānanda, ekabhikkhupi tehi dhammehi sabbenasabbaṃ sabbathāsabbaṃ samannāgato yehi dhammehi samannāgato so bhavaṃ gotamo ahosi arahaṃ sammāsambuddho’ti. (79-18.)  
    訳文                
     『尊者アーナンダよ、いったい、およそ阿羅漢にして正等覚者たる尊者ゴータマが具足していた諸法、そのような諸法を全て〔の様相〕より全て、全て〔の部分〕より全て具足した比丘が、一人でもいるのでしょうか』と。  
                       
                       
                       
    79-30.                
     Evaṃ vutte ahaṃ, brāhmaṇa, gopakamoggallānaṃ brāhmaṇaṃ etadavocaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte  vac 受 過分 a 男中 いわれた  
      ahaṃ,    代的  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallānaṃ    a 人名、モッガッラーナ  
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門、司祭  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avocaṃ –  vac 言う、語る、説く  
    訳文                
     婆羅門よ、このように言われて、私は監護者モッガッラーナ婆羅門へこう言いました。  
                       
                       
                       
    79-31.                
     ‘natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi tehi dhammehi sabbenasabbaṃ sabbathāsabbaṃ samannāgato yehi dhammehi samannāgato so bhagavā ahosi arahaṃ sammāsambuddho.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi tehi dhammehi sabbenasabbaṃ sabbathāsabbaṃ samannāgato yehi dhammehi samannāgato so bhagavā ahosi arahaṃ sammāsambuddho. (79-19.)  
    訳文                
     『婆羅門よ、およそ阿羅漢にして正等覚者たる世尊が具足していた諸法、そのような諸法を全て〔の様相〕より全て、全て〔の部分〕より全て具足した比丘は、一人も存在しません。  
                       
                       
                       
    79-32.                
     So hi, brāhmaṇa, bhagavā anuppannassa maggassa uppādetā, asañjātassa maggassa sañjanetā, anakkhātassa maggassa akkhātā, maggaññū, maggavidū, maggakovido;   
      語根 品詞 語基 意味  
      So hi, brāhmaṇa, bhagavā anuppannassa maggassa uppādetā, asañjātassa maggassa sañjanetā, anakkhātassa maggassa akkhātā, maggaññū, maggavidū, maggakovido; (79-20.)  
    訳文                
     なぜなら婆羅門よ、世尊は起きていない道を起こす者、生じていない道を生じさせる者、語られていない道を語る者、道を知る者、道に通じる者、道を熟知する者だからです。  
                       
                       
                       
    79-33.                
     maggānugā ca pana etarahi sāvakā viharanti pacchā samannāgatā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      maggānugā ca pana etarahi sāvakā viharanti pacchā samannāgatā’ti. (79-21.)  
    訳文                
     しかるに今の弟子たちは、道に従う者たち、(世尊より)後から具足した者たちとして住しているのです』と。  
                       
                       
                       
    79-34.                
     Ayaṃ kho no, brāhmaṇa, gopakamoggallānena brāhmaṇena saddhiṃ antarākathā vippakatā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ayaṃ    代的 これ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      no,    代的 私たち  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      gopaka  gup a 守護者、監護者  
      moggallānena    a 人名、モッガッラーナ  
      brāhmaṇena  bṛh a 婆羅門、司祭  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      antarā    不変 その間に  
      kathā    ā 話 →暫時の談話  
      vippakatā.  vi-pra-kṛ 過分 a 中断された  
    訳文                
     婆羅門よ、これが私の、監護者モッガッラーナ婆羅門との中断された暫時の談話です。  
                       
                       
                       
    79-35.                
     Atha tvaṃ anuppatto’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      tvaṃ    代的 あなた  
      anuppatto’’  anu-pra-āp 過分 a 得達した  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     そこへあなたが到着されたのです」  
                       
                       
                       
    80-1.                
     80. ‘‘Atthi nu kho, bho ānanda, ekabhikkhupi tena bhotā gotamena ṭhapito –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atthi nu kho, bho ānanda, ekabhikkhupi (79-18.)  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      bhotā  bhū 名現分 ant(特) 尊者  
      gotamena    a 人名、ゴータマ  
      ṭhapito –  sthā 使 過分 a 置かれた、除かれた  
    訳文                
     「尊者アーナンダよ、いったい、かの尊者ゴータマによって、  
    メモ                
     ・訳を一部次文へ。以下同様。  
                       
                       
                       
    80-2.                
     ‘ayaṃ vo mamaccayena paṭisaraṇaṃ bhavissatī’ti, yaṃ tumhe etarahi paṭipādeyyāthā’’ti [paṭidhāveyyāthāti (sī. syā. kaṃ. pī.)]?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayaṃ    代的 これ  
      vo    代的 あなたたち  
      mama    代的  
      accayena  ati-i a 副具 過ぎてから、死後  
      paṭisaraṇaṃ  prati-sṛ a 帰依処、所依  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavissatī’  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      tumhe    代的 あなたたち  
      etarahi    不変 いま、現在  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭipādeyyāthā’’  prati-pra-ā-dā 使 受け取らせる、提供する、与える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『この者は私の死後、あなたがたにとって帰依処となろう』と位置づけられ、およそいま、その者へあなたがたが〔帰依を〕与えるような比丘が、一人でも存在するのでしょうか」  
    メモ                
     ・paṭipādeyyātaを『南伝』は「親しく帰依せむ」、『原始』は「帰依するべきだと考えている」としている。『パーリ』は「頼りにして実践しようとする」としているからこれはprati-padの使役形と見ているようである。異版のpaṭidhāveyyāthaは「反対に向かって走る、走り戻る」の意。ここでは独自の解釈を採った。  
                       
                       
                       
    80-3.                
     ‘‘Natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ṭhapito –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      atthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ṭhapito – (80-1.)  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      bhagavatā    ant 世尊  
      jānatā  jñā 現分 ant 知る  
      passatā  paś 現分 ant 見る  
      arahatā  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      sambuddhena  saṃ-budh 名過分 a 等覚  
    訳文                
     「婆羅門よ、かの知者、見者、阿羅漢にして正等覚者たる世尊によって、  
                       
                       
                       
    80-4.                
     ‘ayaṃ vo mamaccayena paṭisaraṇaṃ bhavissatī’ti, yaṃ mayaṃ etarahi paṭipādeyyāmā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayaṃ vo mamaccayena paṭisaraṇaṃ bhavissatī’ti, yaṃ mayaṃ etarahi paṭipādeyyāmā’’ti. (80-2.)  
      mayaṃ    代的 私たち  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭipādeyyāmā’’  prati-pra-ā-dā 使 受け取らせる、提供する、与える  
    訳文                
     『この者は私の死後、あなたがたにとって帰依処となろう』と位置づけられ、およそいま、その者へ我々が〔帰依を〕与えるような比丘は、一人も存在しません」  
                       
                       
                       
    80-5.                
     ‘‘Atthi pana, bho ānanda, ekabhikkhupi saṅghena sammato, sambahulehi therehi bhikkhūhi ṭhapito –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atthi pana, bho ānanda, ekabhikkhupi saṅghena sammato, sambahulehi therehi bhikkhūhi ṭhapito – (80-1.)  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      saṅghena  saṃ-hṛ a 僧伽、衆  
      sammato,  saṃ-man 過分 a 考えられた、選ばれた、尊敬された  
      sambahulehi    a 多くの  
      therehi    a 長老、上座  
      bhikkhūhi  bhikṣ u 比丘  
    訳文                
     「しからば尊者アーナンダよ、僧伽によって選ばれ、多くの上座比丘たちによって、  
                       
                       
                       
    80-6.                
     ‘ayaṃ no bhagavato accayena paṭisaraṇaṃ bhavissatī’ti, yaṃ tumhe etarahi paṭipādeyyāthā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayaṃ no bhagavato accayena paṭisaraṇaṃ bhavissatī’ti, yaṃ tumhe etarahi paṭipādeyyāthā’’ti? (80-2.)  
      no    代的 私たち  
      bhagavato    ant 世尊  
    訳文                
     『この者は世尊の死後、我々にとって帰依処となろう』と位置づけられ、およそいま、その者へあなたがたが〔帰依を〕与えるような比丘が、一人でも存在するのでしょうか」  
                       
                       
                       
    80-7.                
     ‘‘Natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi saṅghena sammato, sambahulehi therehi bhikkhūhi ṭhapito –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi saṅghena sammato, sambahulehi therehi bhikkhūhi ṭhapito – (80-3, 5.)  
    訳文                
     「婆羅門よ、僧伽によって選ばれ、多くの上座比丘たちによって、  
                       
                       
                       
    80-8.                
     ‘ayaṃ no bhagavato accayena paṭisaraṇaṃ bhavissatī’ti, yaṃ mayaṃ etarahi paṭipādeyyāmā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayaṃ no bhagavato accayena paṭisaraṇaṃ bhavissatī’ti, yaṃ mayaṃ etarahi paṭipādeyyāmā’’ti. (80-4, 6.)  
    訳文                
     『この者は世尊の死後、我々にとって帰依処となろう』と位置づけられ、およそいま、その者へ我々が〔帰依を〕与えるような比丘は、一人も存在しません」  
                       
                       
                       
    80-9.                
     ‘‘Evaṃ appaṭisaraṇe ca pana, bho ānanda, ko hetu sāmaggiyā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      appaṭisaraṇe  a-prati-sṛ a 帰依処なき、所依なき  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      ko    代的 何、誰  
      hetu  hi u 因、原因(属格に副対で「〜のゆえに」)  
      sāmaggiyā’’    ī 和合  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「しかし尊者アーナンダよ、そのように帰依処がないのならば、何が和合のための因となっているのでしょうか」  
                       
                       
                       
    80-10.                
     ‘‘Na kho mayaṃ, brāhmaṇa, appaṭisaraṇā;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      mayaṃ,    代的 私たち  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      appaṭisaraṇā;  a-prati-sṛ a 帰依処なき  
    訳文                
     「婆羅門よ、我々は帰依処がないわけではありません。  
                       
                       
                       
    80-11.                
     sappaṭisaraṇā mayaṃ, brāhmaṇa;   
      語根 品詞 語基 意味  
      sappaṭisaraṇā  sa-prati-sṛ a 帰依処ある  
      mayaṃ,    代的 私たち  
      brāhmaṇa;  bṛh a 婆羅門  
    訳文                
     婆羅門よ、我々には帰依処があるのです。  
                       
                       
                       
    80-12.                
     dhammappaṭisaraṇā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      dhamma  dhṛ a 男中 有(持)  
      paṭisaraṇā’’  prati-sṛ a 中→男 帰依処、所依  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     法という帰依処が」  
    メモ                
     ・直訳すれば、前文のmayaṃをうけて「我々は法という帰依処ある者たちである」。  
                       
                       
                       
    80-13.                
     ‘‘‘Atthi nu kho, bho ānanda, ekabhikkhupi tena bhotā gotamena ṭhapito –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Atthi nu kho, bho ānanda, ekabhikkhupi tena bhotā gotamena ṭhapito – (80-1.)  
    訳文                
     「『尊者アーナンダよ、いったい、かの尊者ゴータマによって、  
                       
                       
                       
    80-14.                
     ayaṃ vo mamaccayena paṭisaraṇaṃ bhavissatīti, yaṃ tumhe etarahi paṭipādeyyāthā’ti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ayaṃ vo mamaccayena paṭisaraṇaṃ bhavissatīti, yaṃ tumhe etarahi paṭipādeyyāthā’ti – (80-2.)  
    訳文                
     この者は私の死後、あなたがたにとって帰依処となろうと位置づけられ、およそいま、その者へあなたがたが〔帰依を〕与えるような比丘が、一人でも存在するのでしょうか』と、  
                       
                       
                       
    80-15.                
     iti puṭṭho samāno ‘natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ṭhapito –   
      語根 品詞 語基 意味  
      iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      puṭṭho  prach 過分 a 問われた  
      samāno  as 現分 a ある、なる  
      ‘natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ṭhapito – (80-3.)  
    訳文                
     このように問われて『婆羅門よ、かの知者、見者、阿羅漢にして正等覚者たる世尊によって、  
                       
                       
                       
    80-16.                
     ayaṃ vo mamaccayena paṭisaraṇaṃ bhavissatīti, yaṃ mayaṃ etarahi paṭipādeyyāmā’ti vadesi;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ayaṃ vo mamaccayena paṭisaraṇaṃ bhavissatīti, yaṃ mayaṃ etarahi paṭipādeyyāmā’ti (80-4.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadesi;  vad 言う  
    訳文                
     この者は私の死後、あなたがたにとって帰依処となろうと位置づけられ、およそいま、その者へ我々が〔帰依を〕与えるような比丘は、一人も存在しません』とあなたは仰いました。  
                       
                       
                       
    80-17.                
     ‘atthi pana, bho ānanda, ekabhikkhupi saṅghena sammato, sambahulehi therehi bhikkhūhi ṭhapito –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘atthi pana, bho ānanda, ekabhikkhupi saṅghena sammato, sambahulehi therehi bhikkhūhi ṭhapito – (80-5.)  
    訳文                
     『しからば尊者アーナンダよ、僧伽によって選ばれ、多くの上座比丘たちによって、  
                       
                       
                       
    80-18.                
     ayaṃ no bhagavato accayena paṭisaraṇaṃ bhavissatīti, yaṃ tumhe etarahi paṭipādeyyāthā’ti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ayaṃ no bhagavato accayena paṭisaraṇaṃ bhavissatīti, yaṃ tumhe etarahi paṭipādeyyāthā’ti – (80-6.)  
    訳文                
     この者は世尊の死後、我々にとって帰依処となろうと位置づけられ、およそいま、その者へあなたがたが〔帰依を〕与えるような比丘が、一人でも存在するのでしょうか』と、  
                       
                       
                       
    80-19.                
     iti puṭṭho samāno ‘natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi saṅghena sammato, sambahulehi therehi bhikkhūhi ṭhapito –   
      語根 品詞 語基 意味  
      iti puṭṭho samāno ‘natthi kho, brāhmaṇa, ekabhikkhupi saṅghena sammato, sambahulehi therehi bhikkhūhi ṭhapito – (80-7, 15.)  
    訳文                
     このように問われて『婆羅門よ、僧伽によって選ばれ、多くの上座比丘たちによって、  
                       
                       
                       
    80-20.                
     ayaṃ no bhagavato accayena paṭisaraṇaṃ bhavissatīti, yaṃ mayaṃ etarahi paṭipādeyyāmā’ti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ayaṃ no bhagavato accayena paṭisaraṇaṃ bhavissatīti, yaṃ mayaṃ etarahi paṭipādeyyāmā’ti – (80-8.)  
    訳文                
     この者は世尊の死後、我々にとって帰依処となろうと位置づけられ、およそいま、その者へ我々が〔帰依を〕与えるような比丘は、一人も存在しません』と、  
                       
                       
                       
    80-21.                
     vadesi;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadesi;  vad 言う  
    訳文                
     あなたは仰いました。  
                       
                       
                       
    80-22.                
     ‘evaṃ appaṭisaraṇe ca pana, bho ānanda, ko hetu sāmaggiyā’ti iti puṭṭho samāno ‘na kho mayaṃ, brāhmaṇa, appaṭisaraṇā;   
      語根 品詞 語基 意味  
      evaṃ appaṭisaraṇe ca pana, bho ānanda, ko hetu sāmaggiyā’ti iti puṭṭho samāno ‘na kho mayaṃ, brāhmaṇa, appaṭisaraṇā; (80-9, 10, 15.)  
    訳文                
     『しかし尊者アーナンダよ、そのように帰依処がないのならば、何が和合のための因となっているのでしょうか』とこのように問われて、『婆羅門よ、我々は帰依処がないわけではありません。  
                       
                       
                       
    80-23.                
     sappaṭisaraṇā mayaṃ, brāhmaṇa;   
      語根 品詞 語基 意味  
      sappaṭisaraṇā mayaṃ, brāhmaṇa; (80-11.)  
    訳文                
     婆羅門よ、我々には帰依処があるのです。  
                       
                       
                       
    80-24.                
     dhammappaṭisaraṇā’ti vadesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      dhammappaṭisaraṇā’ti vadesi. (80-12, 16.)  
    訳文                
     法という帰依処が』とあなたは仰いました。  
                       
                       
                       
    80-25.                
     Imassa pana, bho ānanda, bhāsitassa kathaṃ attho daṭṭhabbo’’ti?  
      語根 品詞 語基 意味  
      Imassa    代的 これ  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      bhāsitassa  bhāṣ 名過分 a 所説  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      attho    a 男中 義、意味  
      daṭṭhabbo’’  dṛś 未分 a 見られるべき  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しからばアーナンダよ、この所説の意味は、いかに見られるべきなのでしょうか」  
                       
                       
                       
    81-1.                
     81. ‘‘Atthi kho, brāhmaṇa, tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena bhikkhūnaṃ sikkhāpadaṃ paññattaṃ, pātimokkhaṃ uddiṭṭhaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atthi kho, brāhmaṇa, tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena (80-3.)  
      bhikkhūnaṃ  bhikṣ u 比丘  
      sikkhāpadaṃ  śikṣ a 学処  
      paññattaṃ,  pra-jñā 使 過分 a 知らしめられた、告知された  
      pātimokkhaṃ    a 波羅提木叉  
      uddiṭṭhaṃ.  ud-diś 過分 a 指示された  
    訳文                
     「婆羅門よ、比丘たちには、かの知者、見者、阿羅漢にして正等覚者たる世尊によって告示された学処があり、指示された波羅提木叉があります。  
                       
                       
                       
    81-2.                
     Te mayaṃ tadahuposathe yāvatikā ekaṃ gāmakhettaṃ upanissāya viharāma te sabbe ekajjhaṃ sannipatāma;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      mayaṃ    代的 私たち  
      tad