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    391-1.                
     391. Atha kho brahmāyu brāhmaṇo yena bhagavā tenupasaṅkami.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami.  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     そこで、ブラフマーユス婆羅門は世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    391-2.                
     Addasā kho sā parisā brahmāyuṃ brāhmaṇaṃ dūratova āgacchantaṃ.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見た  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
          代的 それ、彼女  
      parisā    ā 会衆  
      brahmāyuṃ  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門、司祭  
      dūrato    a 男中 遠い、遠隔の  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      āgacchantaṃ.  ā-gam 現分 ant 来る  
    訳文                
     その会衆は遠くからやってくるブラフマーユス婆羅門を見た。  
                       
                       
                       
    391-3.                
     Disvāna oramiya [oramattha (syā. kaṃ. pī.), oramatha, oramati (ka.), atha naṃ (sī.), oramiyāti pana tvāpaccayantatathasaṃvaṇṇanānurūpaṃ visodhitapadaṃ] okāsamakāsi yathā taṃ ñātassa yasassino.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Disvāna  dṛś 見る  
      oramiya    脇へよける  
      語根 品詞 語基 意味  
      okāsam    a 空間、機会  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      akāsi  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      taṃ    代的 それ  
      ñātassa  jñā 過分 a 知られた、有名な  
      yasassino.    in 名声ある  
    訳文                
     見て、脇へよけ、高名な、名声ある者へ〔通常する〕ように、空間を作った。  
    メモ                
     ・VRI版の注記は意味が取りづらいが「しかるにoramiyaとは、-tvāという語尾の、実な注釈が相応しい、清められた言葉である」といった意味か。つまり連続体の特殊かつシンプルな形態ということか。  
     ・この注記と、PTS辞書Oramatiの項のstay or be on this sideという説明によって、上記のように訳した。  
                       
                       
                       
    391-4.                
     Atha kho brahmāyu brāhmaṇo taṃ parisaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      taṃ    代的 それ  
      parisaṃ    ā 会衆  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     そこでブラフマーユス婆羅門は、その会衆へこう言った。  
                       
                       
                       
    391-5.                
     ‘‘alaṃ, bho!   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘alaṃ,    不変 適当な、当然の、十分に、満足して、沢山だ  
      bho!  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
    訳文                
     「結構です、友等よ。  
                       
                       
                       
    391-6.                
     Nisīdatha tumhe sake āsane.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Nisīdatha  ni-sad 坐る  
      語根 品詞 語基 意味  
      tumhe    代的 あなたたち  
      sake    a 自分の  
      āsane.  ās a  
    訳文                
     あなたがたは自分の座にお坐り下さい。  
                       
                       
                       
    391-7.                
     Idhāhaṃ samaṇassa gotamassa santike nisīdissāmī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      ahaṃ    代的  
      samaṇassa  śram a 沙門  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      santike    a 付近、面前  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdissāmī’’  ni-sad 坐る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ここで私は、沙門ゴータマの面前に坐ろうと思います」と。  
                       
                       
                       
    391-8.                
     Atha kho brahmāyu brāhmaṇo yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha kho brahmāyu brāhmaṇo yena bhagavā tenupasaṅkami; (391-1.)  
    訳文                
     そこで、ブラフマーユス婆羅門は世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    391-9.                
     upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavatā    ant 世尊  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     近づいて、世尊と挨拶した。  
                       
                       
                       
    391-10.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  saṃ-raj 未分 a 相慶慰すべき、喜ぶべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati-sṛ 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     喜ばしき慶賀の言葉を交わして、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    391-11.                
     Ekamantaṃ nisinno kho brahmāyu brāhmaṇo bhagavato kāye dvattiṃsamahāpurisalakkhaṇāni samannesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      bhagavato    ant 世尊  
      kāye    a 身体、身体  
      dvattiṃsa   a 三十二  
      mahā   ant  
      purisa   a 依(属) 人間、男  
      lakkhaṇāni    a 相、特徴  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samannesi.  saṃ-anu-iṣ 探す、求める、調査する  
    訳文                
     一方へ坐ったブラフマーユス婆羅門は、世尊の身体に、三十二大人相を探し求めた。  
                       
                       
                       
    391-12.                
     Addasā kho brahmāyu brāhmaṇo bhagavato kāye dvattiṃsamahāpurisalakkhaṇāni, yebhuyyena ṭhapetvā dve.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      bhagavato    ant 世尊  
      kāye    a 身体  
      dvattiṃsa   a 三十二  
      mahā   ant  
      purisa   a 依(属) 人間、男  
      lakkhaṇāni,    a 相、特徴  
      yebhuyyena    a 男中 副具 多くは、ほとんど、普通に  
      ṭhapetvā  sthā 使 不変 除いて(連続体の副詞化したもの)  
      dve.     
    訳文                
     じつにブラフマーユス婆羅門は、世尊の身体における三十二大人相を、二つを除いてほとんど見た。  
                       
                       
                       
    391-13.                
     Dvīsu mahāpurisalakkhaṇesu kaṅkhati vicikicchati nādhimuccati na sampasīdati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dvīsu     
      mahā   ant  
      purisa   a 依(属) 人間、男  
      lakkhaṇesu    a 相、特徴  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kaṅkhati  kāṅkṣ 疑う、期待する  
      vicikicchati  vi-cit 意 疑う、猶予する  
      語根 品詞 語基 意味  
      na   不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      adhimuccati  adhi-muc 受 勝解する、信解する、心を向ける、志向する  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sampasīdati –  saṃ-pra-sad 信じる、歓喜する、浄信をもつ  
    訳文                
     〔しかし〕二つの大人相に関しては、疑惑し、疑念し、勝解(確信)せず、浄信(得心)がなかった。  
                       
                       
                       
    391-14.                
     kosohite ca vatthaguyhe, pahūtajivhatāya ca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      kosohite    a 陰処、陰蔵  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      vattha vas a 依(具) 服、衣  
      guyhe,  guh 未分 a 隠されるべき、秘密の、秘密 →陰馬蔵  
      pahūta pra-bhū 過分 a 多くの、広大の、広長の  
      jivhatāya    ā 舌の →広長舌  
      ca.   不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     〔すなわち〕陰馬蔵と広長舌に関しては。  
                       
                       
                       
    391-15.                
     Atha kho brahmāyu brāhmaṇo bhagavantaṃ gāthāhi ajjhabhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      gāthāhi    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhabhāsi –  adhi-bhāṣ 語る  
    訳文                
     そこでブラフマーユス婆羅門は、世尊へ偈をもって語った。  
                       
                       
                       
    391-16.                
     ‘‘Ye me dvattiṃsāti sutā, mahāpurisalakkhaṇā;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ye    代的 (関係代名詞)  
      me    代的  
      dvattiṃsā    a 中(男) 三十二  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      sutā,  śru 名過分 a 中→男 聞かれた  
      mahā    ant  
      purisa    a 依(属) 人間、男  
      lakkhaṇā;    a 中(男) 相、特徴  
    訳文                
     ♪およそ大人相は三十二あると私は聞いている。  
                       
                       
                       
    391-17.                
     Duve tesaṃ na passāmi, bhoto kāyasmiṃ gotama.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Duve     
      tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passāmi,  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhoto  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      kāyasmiṃ    a 身体  
      gotama.    a 人名、ゴータマ  
    訳文                
     ♪ゴータマよ、私はそれらのうち二つを、尊者の身に見出さない。  
                       
                       
                       
    391-18.                
     ‘‘Kacci kosohitaṃ bhoto, vatthaguyhaṃ naruttama;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kacci    不変 〜かどうか  
      kosohitaṃ    a 陰処、陰蔵  
      bhoto,  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      vattha  vas a 依(具) 服、衣  
      guyhaṃ  guh 未分 a 隠されるべき、秘密の、秘密 →陰馬蔵  
      nara    a 依(属)  
      uttama;    代的 最上の  
    訳文                
     ♪最上者よ、尊者には陰馬蔵は存在するのか。  
                       
                       
                       
    391-19.                
     Nārīsamānasavhayā, kacci jivhā na dassakā [nārīsahanāma savhayā, kacci jivhā narassikā; (sī. syā. kaṃ. pī.)].  
      語根 品詞 語基 意味  
      Nārī    ī 依(具) 女性  
      samāna    a 等しい  
      savhayā,    a 呼ばれる  
      kacci    不変 〜かどうか  
      jivhā    ā  
      na    不変 ない  
      rassakā.    a 短い  
    訳文                
     ♪女性に等しいと呼ばれるのか。舌は短くないのかどうか。  
    メモ                
     ・諸訳にならい、前半部は前文の陰馬蔵の話題を受けたものと訳したが、savhayāという女性形なのが奇妙ではある。  
     ・異版のnarassikāをさらにna rassikāと解して訳した。諸訳もこの一文は判断に悩んでいる模様。  
                       
                       
                       
    391-20.                
     ‘‘Kacci pahūtajivhosi, yathā taṃ jāniyāmase;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kacci    不変 〜かどうか  
      pahūta  pra-bhū 過分 a 有(持) 多くの、広大の、広長の  
      jivho    ā 女→男 舌の →広長舌  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      asi,  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      taṃ    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jāniyāmase;  jñā 知る  
    訳文                
     ♪あなたは我々の知る如くの広長舌者なのか。  
                       
                       
                       
    391-21.                
     Ninnāmayetaṃ pahūtaṃ, kaṅkhaṃ vinaya no ise.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Ninnāma  ni-nam 下向させる、舌を出す  
      語根 品詞 語基 意味  
      etaṃ    代的 これ  
      pahūtaṃ,  pra-bhū 過分 a 多くの、広大の、広長の  
      kaṅkhaṃ  kāṅkṣ ā 疑惑、期待  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vinaya  vi-nī 調伏する、教導する  
      語根 品詞 語基 意味  
      no    代的 私たち  
      ise.    i 男(女) 仙人、聖者  
    訳文                
     ♪聖仙よ、その広長〔舌〕を出されよ、我々の疑念を調伏せよ。  
    メモ                
     ・単数呼格で-eとなるのは女性名詞である。  
                       
                       
                       
    391-22.                
     ‘‘Diṭṭhadhammahitatthāya, samparāyasukhāya ca;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Diṭṭha  dṛś 過分 a 見られた、見、所見  
      dhamma  dhṛ a 依(処) 法、教法、真理、正義、もの →現法、現世  
      hita  dhā 名過分 a 有益な、利益  
      atthāya,    a 男中 義、利益  
      samparāya  saṃ-para-i a 未来  
      sukhāya    名形 a 中→男 楽の  
      ca;    不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     ♪現法の利と益のため、安楽なる当来のため、  
                       
                       
                       
    391-23.                
     Katāvakāsā pucchāma, yaṃ kiñci abhipatthita’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kata  kṛ 過分 a 有(持) なされた  
      avakāsā    a 空間、機会  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pucchāma,  prach 問う  
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      kiñci    代的 何らかの、何者であれ  
      abhipatthita’’n  abhi-pra-arth 過分 a 希求された  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪機会をなされた我々は、およそ何であれ望むところを問う」と。  
                       
                       
                       
    392-1.                
     392. Atha kho bhagavato etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavato    ant 世尊  
      etad   代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、存在する  
    訳文                
     ときに世尊にこの〔思い〕が生じた。  
                       
                       
                       
    392-2.                
     ‘‘passati kho me ayaṃ brahmāyu brāhmaṇo dvattiṃsamahāpurisalakkhaṇāni, yebhuyyena ṭhapetvā dve.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘passati  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      me    代的  
      ayaṃ    代的 これ  
      brahmāyu brāhmaṇo dvattiṃsamahāpurisalakkhaṇāni, yebhuyyena ṭhapetvā dve. (391-12.)  
    訳文                
     「じつにこのブラフマーユス婆羅門は、私の三十二大人相を、二つを除いてほとんど見た。  
                       
                       
                       
    392-3.                
     Dvīsu mahāpurisalakkhaṇesu kaṅkhati vicikicchati nādhimuccati na sampasīdati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dvīsu mahāpurisalakkhaṇesu kaṅkhati vicikicchati nādhimuccati na sampasīdati – (391-13.)  
    訳文                
     〔しかし〕二つの大人相に関しては、疑惑し、疑念し、勝解(確信)せず、浄信(得心)がなかった。  
                       
                       
                       
    392-4.                
     kosohite ca vatthaguyhe, pahūtajivhatāya cā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      kosohite ca vatthaguyhe, pahūtajivhatāya cā’’ti. (391-14.)  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     〔すなわち〕陰馬蔵と広長舌に関しては」と。  
                       
                       
                       
    392-5.                
     Atha kho bhagavā tathārūpaṃ iddhābhisaṅkhāraṃ abhisaṅkhāsi yathā addasa brahmāyu brāhmaṇo bhagavato kosohitaṃ vatthaguyhaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      tathā   不変 その如き  
      rūpaṃ    a 中→男 色、物質、肉体、形相、容姿、像、相、画、人形  
      iddhi   i 依(具) 神通、神変  
      abhisaṅkhāraṃ  abhi-saṃ-kṛ a 行作、為作  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhisaṅkhāsi  abhi-saṃ-kṛ 行作する、為作する、現行する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      addasa  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      bhagavato    ant 世尊  
      kosohitaṃ  kosa-upa-gam? a 陰処、陰蔵  
      vattha vas a 依(具) 服、衣  
      guyhaṃ.  guh 名未分 a 隠されるべき、秘密の、秘密 →陰馬蔵  
    訳文                
     そこで世尊は、ブラフマーユス婆羅門が世尊の陰馬蔵をみたかの如く、そのような形相の、神変による行作を現行してみせられた。  
                       
                       
                       
    392-6.                
     Atha kho bhagavā jivhaṃ ninnāmetvā ubhopi kaṇṇasotāni anumasi paṭimasi;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      jivhaṃ    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ninnāmetvā  ni-nam 使 下降させる、(舌を)出す  
      語根 品詞 語基 意味  
      ubho   両方  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kaṇṇa   a 依(属)  
      sotāni  sru 過分 a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anumasi  anu-mṛś 触れる  
      paṭimasi.  prati-mṛś 逆摩する、逆にこする  
    訳文                
     〔さらに〕そこで世尊は、舌を出して両方の耳孔へ順逆に触れ、  
                       
                       
                       
    392-7.                
     ubhopi nāsikasotāni anumasi paṭimasi;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ubho   両方  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      nāsika   a 依(属) 鼻の  
      sotāni  sru 過分 a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anumasi  anu-mṛś 触れる  
      paṭimasi;  prati-mṛś 逆摩する、逆にこする  
    訳文                
     両方の鼻孔へ順逆に触れ、  
                       
                       
                       
    392-8.                
     kevalampi nalāṭamaṇḍalaṃ jivhāya chādesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      kevalam   a 副対 独一の、独存の、完全な、全部  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      nalāṭa   a 依(属) 額、前頭  
      maṇḍalaṃ    a 円、曼陀羅 →額面、額円  
      jivhāya    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      chādesi.  cha(n)d / chad 使 喜ぶ、喜ばせる/覆う、隠す  
    訳文                
     また額の全面を舌で覆い隠してみせた。  
                       
                       
                       
    392-9.                
     Atha kho bhagavā brahmāyuṃ brāhmaṇaṃ gāthāhi paccabhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      brahmāyuṃ  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門、司祭  
      gāthāhi    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccabhāsi –  prati-bhāṣ 応答する、答弁する  
    訳文                
     そして世尊はブラフマーユス婆羅門へ、偈をもって答えられた。  
                       
                       
                       
    392-10.                
     ‘‘Ye te dvattiṃsāti sutā, mahāpurisalakkhaṇā;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ye te dvattiṃsāti sutā, mahāpurisalakkhaṇā; (391-16.)  
      te    代的 あなた  
    訳文                
     ♪およそあなたが聞いたところの三十二大人相。  
                       
                       
                       
    392-11.                
     Sabbe te mama kāyasmiṃ, mā te [mā vo (ka.)] kaṅkhāhu brāhmaṇa.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sabbe    代的 すべて  
      te    代的 それら、彼ら  
      mama    代的  
      kāyasmiṃ,    a  
          不変 なかれ  
      te    代的 あなた  
      kaṅkhā  kāṅkṣ ā 疑念、期待  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahu  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      brāhmaṇa.  bṛh a 婆羅門  
    訳文                
     ♪それらは全て私の身にある。婆羅門よ、あなたは疑念をもつなかれ。  
                       
                       
                       
    392-12.                
     ‘‘Abhiññeyyaṃ abhiññātaṃ, bhāvetabbañca bhāvitaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Abhiññeyyaṃ  abhi-jñā 未分 a 証得されるべき  
      abhiññātaṃ,  abhi-jñā 過分 a 証得された  
      bhāvetabbañ  bhū 使 未分 a 修習されるべき  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      bhāvitaṃ;  bhū 使 過分 a 修習された  
    訳文                
     ♪証得されるべきことは証得され、修習されるべきことは修習された。  
                       
                       
                       
    392-13.                
     Pahātabbaṃ pahīnaṃ me, tasmā buddhosmi brāhmaṇa.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pahātabbaṃ  pra-hā 未分 a 捨てられるべき  
      pahīnaṃ  pra-hā 過分 a 捨てられた  
      me,    代的  
      tasmā    代的 それ、彼  
      buddho  budh a 仏陀、覚者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      asmi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      brāhmaṇa.  bṛh a 婆羅門  
    訳文                
     ♪私の捨てられるべきことは捨てられた。婆羅門よ、それゆえ私は仏陀なのだ。  
                       
                       
                       
    392-14.                
     ‘‘Diṭṭhadhammahitatthāya, samparāyasukhāya ca;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Diṭṭhadhammahitatthāya, samparāyasukhāya ca; (391-22.)  
    訳文                
     ♪現法の利と益のため、安楽なる当来のため、  
                       
                       
                       
    392-15.                
     Katāvakāso pucchassu, yaṃ kiñci abhipatthita’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kata  kṛ 過分 a 有(持) なされた  
      avakāso pucchassu, yaṃ kiñci abhipatthita’’nti. (391-22.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pucchassu,  prach 問う  
    訳文                
     ♪機会をなされたあなたは、およそ何であれ望むところを問うがよい」と。  
                       
                       
                       
    393-1.                
     393. Atha kho brahmāyussa brāhmaṇassa etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brahmāyussa  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     ときにブラフマーユス婆羅門に、この〔思い〕がおこった。  
                       
                       
                       
    393-2.                
     ‘‘katāvakāso khomhi samaṇena gotamena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘kata  kṛ 過分 a 有(持) なされた  
      avakāso    a 空間、機会  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      amhi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      samaṇena  śram a 沙門  
      gotamena.    a 人名、ゴータマ  
    訳文                
     「私は沙門ゴータマに機会をなされた。  
                       
                       
                       
    393-3.                
     Kiṃ nu kho ahaṃ samaṇaṃ gotamaṃ puccheyyaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kiṃ    代的 何、なぜ、いかに  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ    代的  
      samaṇaṃ  śram a 沙門  
      gotamaṃ    a 人名、ゴータマ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      puccheyyaṃ –  prach 能反 問う  
    訳文                
     いったい私は何を沙門ゴータマに質問しようか。  
                       
                       
                       
    393-4.                
     ‘diṭṭhadhammikaṃ vā atthaṃ samparāyikaṃ vā’’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘diṭṭha  dṛś 過分 a 見られた、見、所見  
      dhammikaṃ  dhṛ a 男中 法の →現法、現世の  
          不変 あるいは  
      atthaṃ    a 男中  
      samparāyikaṃ  saṃ-para-i a 男中 未来の  
      vā’’’    不変 あるいは  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     現法の義をか、あるいは当来のをか」と。  
                       
                       
                       
    393-5.                
     Atha kho brahmāyussa brāhmaṇassa etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha kho brahmāyussa brāhmaṇassa etadahosi – (393-1.)  
    訳文                
     ときにブラフマーユス婆羅門に、この〔思い〕がおこった。  
                       
                       
                       
    393-6.                
     ‘‘kusalo kho ahaṃ diṭṭhadhammikānaṃ atthānaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘kusalo    a よき、善巧の  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ    代的  
      diṭṭha  dṛś 過分 a 見られた、見、所見  
      dhammikānaṃ  dhṛ a 男中 法の →現法、現世の  
      atthānaṃ.    a 男中  
    訳文                
     「私は、現法の義に関しては巧みである。  
                       
                       
                       
    393-7.                
     Aññepi maṃ diṭṭhadhammikaṃ atthaṃ pucchanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Aññe    代的 他の  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      maṃ    代的  
      diṭṭha  dṛś 過分 a 見られた、見、所見  
      dhammikaṃ  dhṛ a 男中 法の →現法、現世の  
      atthaṃ    a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pucchanti.  prach 問う  
    訳文                
     他の者たちも、私に現法の義を問うてくる。  
                       
                       
                       
    393-8.                
     Yaṃnūnāhaṃ samaṇaṃ gotamaṃ samparāyikaṃyeva atthaṃ puccheyya’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃnūna    不変 〜してはどうか  
      ahaṃ    代的  
      samaṇaṃ  śram a 沙門  
      gotamaṃ    a 人名、ゴータマ  
      samparāyikaṃ  saṃ-para-i a 男中 未来の  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      atthaṃ    a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      puccheyya’’n  prach 能反 問う  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     私は沙門ゴータマに、当来の義を問うてみてはどうだろうか」と。  
                       
                       
                       
    393-9.                
     Atha kho brahmāyu brāhmaṇo bhagavantaṃ gāthāhi ajjhabhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha kho brahmāyu brāhmaṇo bhagavantaṃ gāthāhi ajjhabhāsi – (391-15.)  
    訳文                
     そこでブラフマーユス婆羅門は、世尊へ偈をもって語った。  
                       
                       
                       
    393-10.                
     ‘‘Kathaṃ kho brāhmaṇo hoti, kathaṃ bhavati vedagū;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti,  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavati  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      vedagū;  vid 名形 ū 明智者  
    訳文                
     「♪いかにして婆羅門となるのか。いかにして明智者となるのか。  
                       
                       
                       
    393-11.                
     Tevijjo bho kathaṃ hoti, sotthiyo kinti vuccati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    有(持)  
      vijjo  vid ā 女→男 明智  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti,  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sotthiyo  śru a 聞解者、聖典通達者、婆羅門  
      kin    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vuccati.  vac 受 いわれる  
    訳文                
     ♪いかにして三明者となるのか。なにゆえに聞解者といわれるのか。  
                       
                       
                       
    393-12.                
     ‘‘Arahaṃ bho kathaṃ hoti, kathaṃ bhavati kevalī;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Arahaṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti,  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavati  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      kevalī;    in 独一の、完全の  
    訳文                
     ♪いかにして阿羅漢となるのか。いかにして完全者となるのか。  
                       
                       
                       
    393-13.                
     Muni ca bho kathaṃ hoti, buddho kinti pavuccatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Muni    i 聖者  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti,  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      buddho  budh a 仏陀、覚者  
      kin    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pavuccatī’’  pra-vac 受 いわれる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪いかにして聖者となるのか。なにゆえに仏陀といわれるのか」と。  
                       
                       
                       
    394-1.                
     394. Atha kho bhagavā brahmāyuṃ brāhmaṇaṃ gāthāhi paccabhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha kho bhagavā brahmāyuṃ brāhmaṇaṃ gāthāhi paccabhāsi – (392-9.)  
    訳文                
     そして世尊はブラフマーユス婆羅門へ、偈をもって答えられた。  
                       
                       
                       
    394-2.                
     ‘‘Pubbenivāsaṃ yo vedi, saggāpāyañca passati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Pubbe    不変 前に、以前に  
      nivāsaṃ  ni-vas a 住処、居住  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vedi,  vid 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      sagga    a 天界  
      apāyañ    a 苦界、悪趣  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passati;  paś 見る  
    訳文                
     「♪およそ、宿住を知り、天界と悪趣を見る者は、  
    メモ                
     ・ここでも語根vidが宿住随念智に、paśが天眼智に関連づけられている。  
                       
                       
                       
    394-3.                
     Atho jātikkhayaṃ patto, abhiññā vosito muni.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atho    不変 ときに、また  
      jāti  jan i 依(属) 生、誕生、生まれ、種類  
      khayaṃ  kṣī a 滅尽  
      patto,  pra-āp 過分 a 得た、得達した  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhiññā  abhi-jñā 証知する  
      語根 品詞 語基 意味  
      vosito  vi-ava-sā 過分 a 完成した、完結した  
      muni.    i 聖者  
    訳文                
     ♪また生の滅尽を得た者、証知し、完成した聖者である。  
                       
                       
                       
    394-4.                
     ‘‘Cittaṃ visuddhaṃ jānāti, muttaṃ rāgehi sabbaso;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Cittaṃ  cit a  
      visuddhaṃ  vi-śudh 過分 a 清まった  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānāti,  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      muttaṃ  muc 過分 a 脱した  
      rāgehi  raj a 貪欲、染  
      sabbaso;    不変 あまねく  
    訳文                
     ♪〔およそ〕清まり、あまねく諸々の貪欲より脱した心を知る〔者は〕、  
                       
                       
                       
    394-5.                
     Pahīnajātimaraṇo, brahmacariyassa kevalī;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pahīna  pra-hā 過分 a 有(持) 捨てられた  
      jāti  jan i 生、誕生、生まれ、種類  
      maraṇo,  mṛ a 中→男  
      brahmacariyassa  bṛh, car a 梵行  
      kevalī;    in 独一の、完全の  
    訳文                
     ♪生死を捨てた者、梵行における完全者である。  
                       
                       
                       
    394-6.                
     Pāragū sabbadhammānaṃ, buddho tādī pavuccatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pāragū    ū 彼岸に至った  
      sabba    名形 代的 すべて  
      dhammānaṃ,  dhṛ a 男中  
      buddho  budh a 仏陀、覚者  
      tādī    in その如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pavuccatī’’  pra-vac 受 いわれる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪一切諸法に関して彼岸に至った、その如き者が仏陀と言われる」と。  
                       
                       
                       
    394-7.                
     Evaṃ vutte, brahmāyu brāhmaṇo uṭṭhāyāsanā ekaṃsaṃ uttarāsaṅgaṃ karitvā bhagavato pādesu sirasā nipatitvā bhagavato pādāni mukhena ca paricumbati, pāṇīhi ca parisambāhati, nāmañca sāveti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte,  vac 受 過分 a 男中 いわれた  
      brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uṭṭhāya  ud-sthā 起き上がる、奮起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      āsanā  ā-sad a  
      ekaṃsaṃ    a 一肩、一向、一片  
      uttara    代的 より上の、優れた、北の  
      āsaṅgaṃ  ā-sañj a 固着、着衣  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karitvā  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavato    ant 世尊  
      pādesu    a  
      sirasā    as 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nipatitvā  ni-pat 倒れる、倒礼する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavato    ant 世尊  
      pādāni    a 男(中)  
      mukhena    a 男中 口、面  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paricumbati,  pari-cumb くちづける  
      語根 品詞 語基 意味  
      pāṇīhi    i 手、拳  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      parisambāhati,  pari-saṃ-bāh こすり回す、摩する  
      語根 品詞 語基 意味  
      nāmañ    an 名前  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sāveti –  śru 使 告げる、聞かせる  
    訳文                
     このように言われて、ブラフマーユス婆羅門は座より立ち、上衣を偏袒になすと、世尊へ頭面礼足し、世尊の足下へくちづけ、両手で撫でて、名を告げた。  
    メモ                
     ・後半部は『中部』89「法荘厳経」にパラレル。  
                       
                       
                       
    394-8.                
     ‘‘brahmāyu ahaṃ, bho gotama, brāhmaṇo;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      ahaṃ,    代的  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      brāhmaṇo;  bṛh a 婆羅門  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、私はブラフマーユス婆羅門です。  
                       
                       
                       
    394-9.                
     brahmāyu ahaṃ, bho gotama, brāhmaṇo’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      brahmāyu ahaṃ, bho gotama, brāhmaṇo’’ (394-8.)  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者ゴータマよ、私はブラフマーユス婆羅門です」と。  
                       
                       
                       
    394-10.                
     Atha kho sā parisā acchariyabbhutacittajātā ahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
          代的 それ、彼女  
      parisā    ā 会衆  
      acchariya    a 希有の  
      abbhuta  a-bhū 名形 a 未曾有の  
      citta  cit a 依(対)  
      jātā  jan 過分 a 生じた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     そこでその会衆は希有未曾有の心を起こした。  
                       
                       
                       
    394-11.                
     ‘‘acchariyaṃ vata, bho, abbhutaṃ vata, bho!   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘acchariyaṃ    a 希有の  
      vata,    不変 じつに  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      abbhutaṃ  a-bhū 名形 a 未曾有の  
      vata,    不変 じつに  
      bho!  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
    訳文                
     「ああ、じつに希有なり。ああ、じつに未曾有なり。  
                       
                       
                       
    394-12.                
     Yatra hi nāmāyaṃ brahmāyu brāhmaṇo ñāto yasassī evarūpaṃ paramanipaccakāraṃ karissatī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yatra    不変 〜ところのその場所、〜の所  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに →じつに〜であるから  
      ayaṃ    代的 男女 これ  
      brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      ñāto  jñā 過分 a 知られた、有名な  
      yasassī    in 名声ある  
      evarūpaṃ    a かくのごとき  
      parama    a 最上の  
      nipaccakāraṃ  ni-pat, ā-kṛ a 五体投地、臥した行相  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karissatī’’  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     なんとなれば、高名で名声あるかのブラフマーユス婆羅門が、かくのごとき最上の五体投地をなそうというのだから」と。  
    メモ                
     ・この表現も『中部』89「法荘厳経」に出る。  
                       
                       
                       
    394-13.                
     Atha kho bhagavā brahmāyuṃ brāhmaṇaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      brahmāyuṃ  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門、司祭  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     ときに世尊はブラフマーユス婆羅門へこう仰った。  
                       
                       
                       
    394-14.                
     ‘‘alaṃ, brāhmaṇa, uṭṭhaha nisīda tvaṃ sake āsane yato te mayi cittaṃ pasanna’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘alaṃ,    不変 適当な、当然の、十分に、満足して、沢山だ  
      brāhmaṇa,  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uṭṭhaha  ud-sthā 立ち上がる  
      nisīda  ni-sad 坐る  
      語根 品詞 語基 意味  
      tvaṃ    代的 あなた  
      sake    a 自分の  
      āsane  ās a  
      yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば(yaの奪格)  
      te    代的 あなた  
      mayi    代的  
      cittaṃ  cit a  
      pasanna’’n  pra-sad 過分 a 明浄の、浄信ある  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「婆羅門よ、十分です。立って下さい。あなたは自分の座に坐って下さい。あなたには私に対する浄信ある心がありますゆえ」  
                       
                       
                       
    394-15.                
     Atha kho brahmāyu brāhmaṇo uṭṭhahitvā sake āsane nisīdi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brahmāyu  bṛh us 人名、ブラフマーユス  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uṭṭhahitvā  ud-sthā 立ち上がる  
      語根 品詞 語基 意味  
      sake    a 自分の  
      āsane  ās a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     そこでブラフマーユス婆羅門は立ち上がり、自分の座へ坐った。  
                       
                       
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