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     6. Brahmalokasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Brahma  bṛh 名形 an(特) 依(属)  
      loka    a 依(属) 世界、世間  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「梵天界経」(『相応部』6-6  
                       
                       
                       
    177-1.                
     177. Sāvatthinidānaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sāvatthi    ī 有(処) 地名、サーヴァッティー、舎衛城  
      nidānaṃ.    a 因縁、因由  
    訳文                
     サーヴァッティーでのことである。  
                       
                       
                       
    177-2.                
     Tena kho pana samayena bhagavā divāvihāragato hoti paṭisallīno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      bhagavā    ant 世尊  
      divā    不変 日中に  
      vihāra  vi-hṛ a 依(対) 住、精舎 →昼住、食後の休憩  
      gato  gam 過分 a 行った  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      paṭisallīno.  prati-saṃ-lī 過分 a 独座した、禅思した  
    訳文                
     さてそのとき世尊は、昼住に入って独坐しておられた。  
                       
                       
                       
    177-3.                
     Atha kho subrahmā ca paccekabrahmā suddhāvāso ca paccekabrahmā yena bhagavā tenupasaṅkamiṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      subrahmā    an(特) 神名、スブラフマン  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      suddhāvāso    a 神名、スッダーヴァーサ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamiṃsu;  upa-saṃ-kram 能反 近づいた  
    訳文                
     ときにスブラフマン辟支梵天とスッダーヴァーサ辟支梵天が、世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    177-4.                
     upasaṅkamitvā paccekaṃ dvārabāhaṃ [paccekadvārabāhaṃ (pī. ka.)] upanissāya aṭṭhaṃsu.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      paccekaṃ    a 副対 単一の、独一の  
      dvāra    a 依(属)  
      bāhaṃ    ā 腕 →門の脇  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upanissāya  upa-ni-śri 依止して、接近して  
      aṭṭhaṃsu.  sthā 立つ  
    訳文                
     近づいて、ひとりひとり門の脇に近づいて立った。  
    メモ                
     ・paccekaṃを「それぞれ」「各々」とする諸訳にならった。  
                       
                       
                       
    177-5.                
     Atha kho subrahmā paccekabrahmā suddhāvāsaṃ paccekabrahmānaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      subrahmā    an(特) 神名、スブラフマン  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      suddhāvāsaṃ    a 神名、スッダーヴァーサ  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmānaṃ  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     ときに、スブラフマン辟支梵天は、スッダーヴァーサ辟支梵天へ、こういった。  
                       
                       
                       
    177-6.                
     ‘‘akālo kho tāva, mārisa, bhagavantaṃ payirupāsituṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘akālo    a 非時の、適時でない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      tāva,    不変 それだけ、それほど、まず  
      mārisa,    不変 我が師よ、我が友よ  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      payirupāsituṃ;  pari-upa-ās 不定 奉事すること、訪ねるため  
    訳文                
     「我が友よ、まだ、世尊を訪ねるのにふさわしい時ではない。  
                       
                       
                       
    177-7.                
     divāvihāragato bhagavā paṭisallīno ca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      divā    不変 日中に  
      vihāra  vi-hṛ a 依(対) 住、精舎 →昼住、食後の休憩  
      gato  gam 過分 a 行った  
      bhagavā    ant 世尊  
      paṭisallīno  prati-saṃ-lī 過分 a 独座した、禅思した  
      ca.    不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     世尊は、昼住に入って独坐しておられる。  
                       
                       
                       
    177-8.                
     Asuko ca brahmaloko iddho ceva phīto ca, brahmā ca tatra pamādavihāraṃ viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Asuko    代的 そのような、かかる  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      brahma  bṛh 名形 an(特)  
      loko    a 世界、世間  
      iddho  ṛdh 過分 a 富んだ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      phīto  sphāy 過分 a 裕福な、繁栄した  
      ca,    不変 と、また、そして、しかし  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      tatra    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      pamāda  pra-mad a 依(属) 放逸、怠惰  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 住、精舎、僧房  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati.  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     富み、繁栄した、とある梵天界があり、そこで梵天が放逸な暮らしに住している。  
                       
                       
                       
    177-9.                
     Āyāma, mārisa, yena so brahmaloko tenupasaṅkamissāma;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Āyāma,  ā-yā 来る、近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      mārisa,    不変 我が師よ、我が友よ  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      so    代的 それ、彼  
      brahma  bṛh 名形 an(特)  
      loko    a 世界、世間  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamissāma;  upa-saṃ-kram 近づく  
    訳文                
     我が友よ、我々は行こう。その梵天界へ近づこう。  
                       
                       
                       
    177-10.                
     upasaṅkamitvā taṃ brahmānaṃ saṃvejeyyāmā’’ti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 それ  
      brahmānaṃ  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṃvejeyyāmā’’  saṃ-vij 使 驚怖させる、信仰心を起こさせる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     近づいて、その梵天を驚嘆させよう」と。  
                       
                       
                       
    177-11.                
     ‘‘Evaṃ, mārisā’’ti kho suddhāvāso paccekabrahmā subrahmuno paccekabrahmuno paccassosi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      mārisā’’    a 友らよ  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      suddhāvāso    a 神名、スッダーヴァーサ  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      subrahmuno    an(特) 神名、スブラフマン  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmuno  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccassosi.  prati-śru 応諾する、同意する、応える  
    訳文                
     「そのように、友よ」とスッダーヴァーサ辟支梵天はスブラフマン辟支梵天へ応えた。  
                       
                       
                       
    177-12.                
     Atha kho subrahmā ca paccekabrahmā suddhāvāso ca paccekabrahmā –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      subrahmā    an(特) 神名、スブラフマン  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      suddhāvāso    a 神名、スッダーヴァーサ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmā –  bṛh 名形 an(特) 梵天  
    訳文                
     そこでスブラフマン辟支梵天とスッダーヴァーサ辟支梵天は、  
                       
                       
                       
    177-13.                
     seyyathāpi nāma balavā puriso…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      balavā    ant 力ある  
      puriso…pe…    a 男、人  
    訳文                
     あたかも力ある男が……  
                       
                       
                       
    177-14.                
     evameva –   
      語根 品詞 語基 意味  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      eva –    不変 まさに、のみ、じつに  
    訳文                
     ……その如くに……  
                       
                       
                       
    177-15.                
     bhagavato purato antarahitā tasmiṃ brahmaloke pāturahesuṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavato    ant 世尊  
      purato    a 男中 前から、前に  
      antarahitā  dhā 過分 a 消失した  
      tasmiṃ    代的 それ、彼  
      brahma  bṛh 名形 an(特)  
      loke    a 世界、世間  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāturahesuṃ.  bhu  顕現する  
    訳文                
     世尊の前から消失し、その梵天界へ顕現した。  
                       
                       
                       
    177-16.                
     Addasā kho so brahmā te brahmāno dūratova āgacchante.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見た  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      te    代的 それら、彼ら  
      brahmāno  bṛh 名形 an(特)  
      dūrato    a 遠く  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgacchante.  ā-gam 現分 ant 来る  
    訳文                
     その梵天は、遠くからやってくる彼ら梵天たちを見た。  
                       
                       
                       
    177-17.                
     Disvāna te brahmāno etadavoca –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Disvāna  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      te    代的 それら、彼ら  
      brahmāno  bṛh 名形 an(特)  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     見て、彼ら梵天たちへこう言った。  
                       
                       
                       
    177-18.                
     ‘‘handa kuto nu tumhe, mārisā, āgacchathā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘handa    不変 いざ  
      kuto    不変 どこから、いかなる理由で  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      tumhe,    代的 あなたたち  
      mārisā,    a 友らよ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgacchathā’’  ā-gam 来る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「おや、友等よ、あなたがたはいったいどこからやってきたのでしょうか」と。  
                       
                       
                       
    177-19.                
     ‘‘Āgatā kho mayaṃ, mārisa, amha tassa bhagavato santikā arahato sammāsambuddhassa.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Āgatā  ā-gam 過分 a 来た  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      mayaṃ,    代的 私たち  
      mārisa,    不変 我が師よ、我が友よ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      amha  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      tassa    代的 それ、彼  
      bhagavato    ant 世尊  
      santikā    a 付近、面前  
      arahato  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      sambuddhassa.  saṃ-budh 名過分 a 等覚  
    訳文                
     「友よ、我々はかの阿羅漢にして正等覚者たる世尊の面前よりやってきました。  
                       
                       
                       
    177-20.                
     Gaccheyyāsi pana tvaṃ, mārisa, tassa bhagavato upaṭṭhānaṃ arahato sammāsambuddhassā’’ti?  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Gaccheyyāsi  gam 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      mārisa,    不変 我が師よ、我が友よ  
      tassa    代的 それ、彼  
      bhagavato    ant 世尊  
      upaṭṭhānaṃ  upa-sthā a 奉仕、給仕、現起  
      arahato  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      sambuddhassā’’  saṃ-budh 名過分 a 等覚  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     友よ、あなたもまた、かの阿羅漢にして正等覚者たる世尊への奉仕に行くべきです」  
                       
                       
                       
    177-21.                
     Evaṃ vutto [evaṃ vutte (sī. syā. kaṃ.)] kho so brahmā taṃ vacanaṃ anadhivāsento sahassakkhattuṃ attānaṃ abhinimminitvā subrahmānaṃ paccekabrahmānaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutto  vac 受 過分 a 言われた  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      taṃ    代的 それ  
      vacanaṃ  vac a 言葉  
      anadhivāsento  an-adhi-vas 使 現分 ant 同意しない、承諾しない  
      sahassa    a  
      khattuṃ    不変 度、回  
      attānaṃ    an 自己、我  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhinimminitvā  abhi-nir-mā 化作する、創造する  
      語根 品詞 語基 意味  
      subrahmānaṃ    an(特) 神名、スブラフマン  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmānaṃ  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     このように言われたその梵天は、その言葉を承諾せず、千回、自己を化作して、スブラフマン辟支梵天へこう言った。  
                       
                       
                       
    177-22.                
     ‘‘passasi me no tvaṃ, mārisa, evarūpaṃ iddhānubhāva’’nti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘passasi  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      me    代的  
      no    不変 〜かどうか  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      mārisa,    不変 我が師よ、我が友よ  
      evarūpaṃ    a かくのごとき  
      iddhi    i 神通、神変  
      anubhāva’’n  anu-bhū a 威力、勢力  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「友よ、あなたは私のかくのごとき神変と威力を見ましたか」と。  
                       
                       
                       
    177-23.                
     ‘‘Passāmi kho tyāhaṃ, mārisa, evarūpaṃ iddhānubhāva’’nti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Passāmi  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      te    代的 あなた  
      ahaṃ,    代的  
      mārisa, evarūpaṃ iddhānubhāva’’nti. (177-22.)  
    訳文                
     「友よ、私はあなたのかくのごとき神変と威力を見ました」  
                       
                       
                       
    177-24.                
     ‘‘So khvāhaṃ, mārisa, evaṃmahiddhiko evaṃmahānubhāvo kassa aññassa samaṇassa vā brāhmaṇassa vā upaṭṭhānaṃ gamissāmī’’ti?  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘So    代的 それ、彼  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      mārisa,    不変 我が師よ、我が友よ  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      maha    ant 有(持) 大きい  
      iddhiko    a 神変の  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      anubhāvo  anu-bhū a 威力、勢力  
      kassa    代的 何、誰  
      aññassa    代的 他の  
      samaṇassa  śram a 沙門  
          不変 あるいは  
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門  
          不変 あるいは  
      upaṭṭhānaṃ  upa-sthā a 奉仕、給仕、現起  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gamissāmī’’  gam 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「友よ、かくのごとく大神変あり、大威力あるこの私が、いかなる他の沙門あるいは婆羅門へ奉仕に行くというのでしょうか」  
                       
                       
                       
    177-25.                
     Atha kho subrahmā paccekabrahmā dvisahassakkhattuṃ attānaṃ abhinimminitvā taṃ brahmānaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      subrahmā    an(特) 神名、スブラフマン  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      dvi     
      sahassakkhattuṃ attānaṃ abhinimminitvā taṃ brahmānaṃ etadavoca – (177-21.)  
      taṃ    代的 それ  
    訳文                
     そこでスブラフマン辟支梵天は、二千回、自己を化作して、その梵天へこう言った。  
                       
                       
                       
    177-26.                
     ‘‘passasi me no tvaṃ, mārisa, evarūpaṃ iddhānubhāva’’nti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘passasi me no tvaṃ, mārisa, evarūpaṃ iddhānubhāva’’nti? (177-22.)  
    訳文                
     「友よ、あなたは私のかくのごとき神変と威力を見ましたか」と。  
                       
                       
                       
    177-27.                
     ‘‘Passāmi kho tyāhaṃ, mārisa, evarūpaṃ iddhānubhāva’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Passāmi kho tyāhaṃ, mārisa, evarūpaṃ iddhānubhāva’’nti. (177-23.)  
    訳文                
     「友よ、私はあなたのかくのごとき神変と威力を見ました」  
                       
                       
                       
    177-28.                
     ‘‘Tayā ca kho, mārisa, mayā ca sveva bhagavā mahiddhikataro ceva mahānubhāvataro ca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tayā    代的 あなた  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      mārisa,    不変 我が師よ、我が友よ  
      mayā    代的  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      so    代的 それ、彼  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      bhagavā    ant 世尊  
      maha    ant 有(持) 大きい  
      iddhikataro    代的 より神変ある  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      anubhāvataro  anu-bhū 代的 より威力ある  
      ca.    不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     「友よ、かの世尊はあなたよりも、私よりも、大神変あり、大威力ある御方です。  
                       
                       
                       
    177-29.                
     Gaccheyyāsi tvaṃ, mārisa, tassa bhagavato upaṭṭhānaṃ arahato sammāsambuddhassā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Gaccheyyāsi tvaṃ, mārisa, tassa bhagavato upaṭṭhānaṃ arahato sammāsambuddhassā’’ti? (177-20.)  
    訳文                
     友よ、あなたは、かの阿羅漢にして正等覚者たる世尊への奉仕に行くべきです」  
                       
                       
                       
    177-30.                
     Atha kho so brahmā subrahmānaṃ paccekabrahmānaṃ gāthāya ajjhabhāsi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      subrahmānaṃ    an(特) 神名、スブラフマン  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmānaṃ  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      gāthāya    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhabhāsi –  adhi-bhāṣ 話しかける、語る  
    訳文                
     そこでその梵天は、スブラフマン辟支梵天へ偈をもって語りかけた。  
                       
                       
                       
    177-31.                
     ‘‘Tayo supaṇṇā caturo ca haṃsā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tayo     
      supaṇṇā    a 金翅鳥  
      caturo     
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      haṃsā,    a 鵞鳥、白鳥  
    訳文                
     「♪三〔百〕の金翅鳥、四〔百〕の白鳥、  
                       
                       
                       
    177-32.                
     Byagghīnisā pañcasatā ca jhāyino;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Byagghīnisā  vyagghīnisā  a  
      pañca     
      satā    a 中→男  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      jhāyino;  dhyai 名形 in 禅定者、静慮者  
    訳文                
     ♪五百の鷹が、禅定者〔たる私〕には居る。  
                       
                       
                       
    177-33.                
     Tayidaṃ vimānaṃ jalate ca [jalateva (pī. ka.)] brahme,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ  
      idaṃ    代的 これ  
      vimānaṃ    a 天宮、宮殿  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jalate  jval 燃える、輝く  
      語根 品詞 語基 意味  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      brahme,  bṛh 名形 an(特) 梵天  
    訳文                
     ♪梵天よ、その宮殿は輝き、  
                       
                       
                       
    177-34.                
     Obhāsayaṃ uttarassaṃ disāya’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Obhāsayaṃ  ava-bhāṣ 使 現分 ant 照らす、輝かす  
      uttarassaṃ    代的 北の  
      disāya’’n    ā 方向、方角  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪北方を照らしている」と。  
    メモ                
     ・あるいは「北方において」か。  
                       
                       
                       
    177-35.                
     ‘‘Kiñcāpi te taṃ jalate vimānaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kiñ    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      te    代的 あなた  
      taṃ jalate vimānaṃ, (177-33.)  
    訳文                
     〔辟支梵天曰く〕「♪たとえそなたの宮殿が輝き、  
                       
                       
                       
    177-36.                
     Obhāsayaṃ uttarassaṃ disāyaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Obhāsayaṃ uttarassaṃ disāyaṃ; (177-34.)  
    訳文                
     ♪北方を照らそうとも、  
                       
                       
                       
    177-37.                
     Rūpe raṇaṃ disvā sadā pavedhitaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Rūpe    a 色、物質、肉体、形相  
      raṇaṃ    a 諍い、争論  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      disvā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      sadā    不変 常に  
      pavedhitaṃ,  pra-vyath 過分 a 怖れた、ふるえた  
    訳文                
     ♪〈色〉に諍いと恐れをつねに見て、  
                       
                       
                       
    177-38.                
     Tasmā na rūpe ramatī sumedho’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tasmā    代的 それ、彼  
      na    不変 ない  
      rūpe    a 中(男) 色、物質、肉体、形相  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ramatī  ram 楽しむ  
      語根 品詞 語基 意味  
      sumedho’’    a 善慧の、賢い  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪それゆえ賢者は〈色〉を楽しまない」  
                       
                       
                       
    177-39.                
     Atha kho subrahmā ca paccekabrahmā suddhāvāso ca paccekabrahmā taṃ brahmānaṃ saṃvejetvā tatthevantaradhāyiṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      subrahmā    an(特) 神名、スブラフマン  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      suddhāvāso    a 神名、スッダーヴァーサ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pacceka    a 独一の、単独の  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      taṃ    代的 それ  
      brahmānaṃ  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṃvejetvā  saṃ-vij 使 驚怖させる、信仰心を起こさせる  
      語根 品詞 語基 意味  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      antaradhāyiṃsu.  antara-dhā 能反 滅没する、消失する  
    訳文                
     そしてスブラフマン辟支梵天とスッダーヴァーサ辟支梵天は、その梵天を驚嘆させると、そこから消失した。  
                       
                       
                       
    177-40.                
     Agamāsi ca kho so brahmā aparena samayena bhagavato upaṭṭhānaṃ arahato sammāsambuddhassāti.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Agamāsi  gam 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      brahmā  bṛh 名形 an(特) 梵天  
      aparena    代的 副具 後の、他の  
      samayena    a 副具  
      bhagavato    ant 世尊  
      upaṭṭhānaṃ  upa-sthā a 奉仕、給仕、現起  
      arahato  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      sambuddhassā  saṃ-budh 名過分 a 等覚  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     その梵天は後日、かの阿羅漢にして正等覚者たる世尊への奉仕へ行った。  
                       
                       
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