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     11. Siṅgālasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Siṅgāla    a 依(属) ジャッカル、野干、豺狼  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「豺狼経」(『相応部』20-11  
    メモ                
     ・『相応部』17-8の同名経にパラレルあり。  
                       
                       
                       
    233-1.                
     233. Sāvatthiyaṃ viharati…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sāvatthiyaṃ    ī 地名、サーヴァッティー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati…pe…  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     〔あるとき世尊は〕サーヴァッティーに住しておられた……  
                       
                       
                       
    233-2.                
     ‘‘assuttha no tumhe, bhikkhave, rattiyā paccūsasamayaṃ jarasiṅgālassa vassamānassā’’ti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘assuttha  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      no    不変 〜かどうか  
      tumhe,    代的 あなたたち  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      rattiyā    i  
      paccūsa    a 早朝  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      jara  jṝ a 老いた、古い  
      siṅgālassa    a 属絶 ジャッカル、野干  
      vassamānassā’’  vāś 現分 a 属絶 吼える、叫ぶ  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     比丘たちよ、あなたがたは夜の明け方に、老いたジャッカルが吼えているのを聞いたでしょうか」  
                       
                       
                       
    233-3.                
     ‘‘Evaṃ, bhante’’.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bhante’’.  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
    訳文                
     「尊者よ、その通りです」  
                       
                       
                       
    233-4.                
     ‘‘Eso kho, bhikkhave, jarasiṅgālo ukkaṇḍakena nāma rogajātena phuṭṭho.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Eso    代的 これ  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      jara  jṝ a 老いた、古い  
      siṅgālo    a ジャッカル、野干  
      ukkaṇḍakena    a 疥癬  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      roga    a 病気、疾病  
      jātena  jan 過分 a 生じた  
      phuṭṭho.  spṛś 過分 a 触れた  
    訳文                
     「比丘たちよ、あのジャッカルは、疥癬という病気に感染しています。  
                       
                       
                       
    233-5.                
     So yena yena icchati tena tena gacchati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      icchati  iṣ 求める、欲する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gacchati;  gam 行く  
    訳文                
     〔それでも〕彼は、どこでも望む所へ行く〔ことができます〕。  
                       
                       
                       
    233-6.                
     yattha yattha icchati tattha tattha tiṭṭhati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      yattha    不変 〜ところのその場所、〜の所  
      yattha    不変 〜ところのその場所、〜の所  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      icchati  iṣ 求める、欲する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      tiṭṭhati;  sthā 住立する、立つ  
    訳文                
     どこでも望む所へ住する〔ことができます〕。  
                       
                       
                       
    233-7.                
     yattha yattha icchati tattha tattha nisīdati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      yattha yattha icchati tattha tattha (233-6.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdati;  ni-sad 坐る  
    訳文                
     どこでも望む所へ坐る〔ことができます〕。  
                       
                       
                       
    233-8.                
     yattha yattha icchati tattha tattha nipajjati;   
      語根 品詞 語基 意味  
      yattha yattha icchati tattha tattha (233-6.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nipajjati;  ni-pad 横臥する  
    訳文                
     どこでも望む所へ臥す〔ことができます〕。  
                       
                       
                       
    233-9.                
     sītakopi naṃ vāto upavāyati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      sītako    a 冷たい、清涼の  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      naṃ    代的 それ、彼  
      vāto  a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upavāyati.  upa-vā 吹き付ける  
    訳文                
     また、清涼な風が彼へ吹き付けもします。  
                       
                       
                       
    233-10.                
     Sādhu khvassa, bhikkhave, yaṃ idhekacco sakyaputtiyapaṭiñño evarūpampi attabhāvapaṭilābhaṃ paṭisaṃvediyetha.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sādhu  sādh u 善き、善哉、なにとぞ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assa,  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      ekacco    代的 一部の、一類の  
      sakya    a 依(属) 氏族名、サキャ、釈迦族  
      puttiya    a 有(持) 子の →釈子  
      paṭiñño  prati-jñā ā 女→男 自称、自認、主張、誓言  
      evarūpam    a かくのごとき  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      atta    an 依(属) 自己、我  
      bhāva  bhū a 依(属) 本性、状態 →自体  
      paṭilābhaṃ  prati-labh a 獲得、得達  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭisaṃvediyetha.  prati-saṃ-vid 使 感知する、経験する、受ける  
    訳文                
     比丘たちよ、ここなる一部の自称釈子は、そのような自体の獲得を受けられるのならば、〔まだしも〕善いほうでしょう。  
    メモ                
     ・『註』はこの「自称釈子」をデーヴァダッタだとしている。悪しき弟子が、生まれ変わって疥癬持ちのジャッカルになったとしても、まだ自由に行動できて風にも当たれるのだからましな方だ、ということなのであろう。  
                       
                       
                       
    233-11.                
     Tasmātiha, bhikkhave, evaṃ sikkhitabbaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tasmā    代的 それ、彼  
      iha,    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      sikkhitabbaṃ –  śak 意 未分 a 学ばれるべき  
    訳文                
     比丘たちよ、それゆえここに、このように学ばれるべきです。  
                       
                       
                       
    233-12.                
     ‘appamattā viharissāmā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘appamattā    a 不放逸  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharissāmā’  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『我々は不放逸に住しよう』と。  
                       
                       
                       
    233-13.                
     Evañhi vo, bhikkhave, sikkhitabba’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evañ    不変 このように、かくの如き  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      vo,    代的 あなたたち  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      sikkhitabba’’n  śak 意 未分 a 学ばれるべき  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     比丘たちよ、あなたがたによって、そのように学ばれるべきです」  
                       
                       
                       
    233-14.                
     Ekādasamaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekādasamaṃ.    a 第十一の  
    訳文                
     第十一〔経〕。  
                       
                       
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