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     Pubbenivāsānussatiñāṇadesanā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pubbe    不変 前に、以前に  
      nivāsa  ni-vas a 依(属) 住処、居住  
      anussati  anu-smṛ i 依(属) 随念  
      ñāṇa  jñā a 依(属) 智、智慧  
      desanā diś ā 説示、教説  
    訳文                
     【宿住随念智の説示】  
    メモ                
     ・『沙門果経』【宿住随念智】にパラレル。  
                       
                       
                       
    157-1.                
     157. ‘‘Aparaṃ pana, bhante, etadānuttariyaṃ, yathā bhagavā dhammaṃ deseti pubbenivāsānussatiñāṇe.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Aparaṃ    代的 副対 後の、次の、他の、さらに  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      etad    代的 これ  
      ānuttariyaṃ,    a 無上、最高  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      bhagavā    ant 世尊  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      deseti  diś 使 示す  
      語根 品詞 語基 意味  
      pubbe    不変 前に、以前に  
      nivāsa  ni-vas a 依(属) 住処、居住  
      anussati  anu-smṛ i 依(属) 随念  
      ñāṇe.  jñā a 智、智慧  
    訳文                
     しかるに尊者よ、世尊が法を示されたその通りのこれが、宿住随念智に関して最上のものです。  
                       
                       
                       
    157-2.                
     Idha, bhante, ekacco samaṇo vā brāhmaṇo vā ātappamanvāya…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idha,    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      ekacco    代的 或る、或る一部の、或る一類の  
      samaṇo  śram a 沙門  
          不変 あるいは  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
          不変 あるいは  
      ātappam    a 熱勤、熱心、勇猛  
      anvāya  anu-i 不変 従って、随従して  
      …pe…    (略)  
    訳文                
     尊者よ、ここなる一部の沙門あるいは婆羅門は、熱勤により……(略)  
                       
                       
                       
    157-3.                
     tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      tathārūpaṃ    a その如き  
      ceto  cit as 依(属) 心、心想  
      samādhiṃ  saṃ-ā-dā i 定、三味、三摩地、精神統一  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      phusati,  spṛś 触れる、達する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā    不変 〜のごとく  
      samāhite  saṃ-ā-dā 名過分 a 男→中 入定した、定置した  
      citte  cit a  
      aneka    代的 一つならぬ、多くの  
      vihitaṃ  vi-dhā 過分 a 置かれた、整えられた、整備された →種々の  
      pubbe    不変 先の、前の、昔の  
      nivāsaṃ  ni-vas a 居住、住居 →宿住  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anussarati.  anu-smṛ 随念する、憶念する  
    訳文                
     ……心が入定し、種々の宿住を憶念するような心の三昧に到達します。  
                       
                       
                       
    157-4.                
     Seyyathidaṃ, ekampi jātiṃ dvepi jātiyo tissopi jātiyo catassopi jātiyo pañcapi jātiyo dasapi jātiyo vīsampi jātiyo tiṃsampi jātiyo cattālīsampi jātiyo paññāsampi jātiyo jātisatampi jātisahassampi jātisatasahassampi anekepi saṃvaṭṭakappe anekepi vivaṭṭakappe anekepi saṃvaṭṭavivaṭṭakappe, ‘amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathidaṃ,    不変 たとえば、その如き  
      ekam    代的  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiṃ  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      dve     
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      tisso     
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      catasso     
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      pañca     
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      dasa     
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      vīsam    二十  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      tiṃsam    三十  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      cattālīsam    四十  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      paññāsam    五十  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      jāti  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      satam     
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jāti  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      sahassam     
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jāti  jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      sata     
      sahassam     
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      aneke    代的 一つならぬ、多くの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa  saṃ-vṛt a 男中 依(属) 壊、破壊  
      kappe    名形 a 中(男)  
      aneke    代的 一つならぬ、多くの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      vivaṭṭa  vi-vṛt a 依(属) 成、成立  
      kappe    名形 a 中(男)  
      aneke    代的 一つならぬ、多くの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa  saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭa  vi-vṛt a 依(属) 成、成立  
      kappe,    名形 a 中(男)  
      ‘amutra    不変 そこに、そこで  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      asiṃ  as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      evaṃ    不変 有(持) このように、かくの如き  
      nāmo    an 中→男 名、名前  
      evaṃ    不変 有(持) このように、かくの如き  
      gotto    a 中→男 姓、氏姓、種姓、家系  
      evaṃ    不変 有(持) このように、かくの如き  
      vaṇṇo    a 色、種類、階級、姓  
      evam    不変 有(持) このように、かくの如き  
      āhāro  ā-hṛ a  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      sukha    a  
      dukkha    a 依(属)  
      paṭisaṃvedī  prati-saṃ-vid in 経験、感受、感知の  
      evam    不変 有(持) このように、かくの如き  
      āyu    us 依(属) 寿、寿命  
      pariyanto,    a 周辺、制限、究竟、終りにする  
      so    代的 かれ、それ  
      tato    不変 そこから、それより、それゆえに、その後  
      cuto  cyu 過分 a 死んで、死没して  
      amutra    不変 そこに、そこで  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      udapādiṃ;  ud-pad 生起した、生じた  
    訳文                
     たとえば、一つの生、二つの生、三つの生、四つの生、五つの生、十の生、二十の生、三十の生、四十の生、五十の生、百の生、千の生、百千の生、多くの壊劫、多くの成劫、多くの成壊劫を、『私はそこで、かくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その〔私〕はそこから死してあそこへ生まれた。  
                       
                       
                       
    157-5.                
     tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapanno’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      tatra    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      āsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto (157-4.)  
      idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      upapanno’  ud-pad 過分 a 生起した、生じた  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     あそこでまた私はかくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はあそこから死してここへ生まれた』と。  
                       
                       
                       
    157-6.                
     Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      sākāraṃ  sa-ā-kṛ a 副対 行相ある、様相ある、(副対で)具体的に  
      sauddesaṃ  sa-ud-dṛś a 詳細な  
      aneka    代的 一つならぬ、多くの  
      vihitaṃ  vi-dhā 過分 a 置かれた、整えられた、整備された →種々の  
      pubbe    代的 先の、前の、昔の  
      nivāsaṃ  ni-vas a 居住、住居 →宿住  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anussarati.  anu-smṛ 随念する、憶念する  
    訳文                
     このように彼は、具体的かつ詳細に、種々の宿住を憶念します。  
                       
                       
                       
    157-7.                
     Santi, bhante, devā [sattā (syā.)], yesaṃ na sakkā gaṇanāya vā saṅkhānena vā āyu saṅkhātuṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Santi,  as ある、なる  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      devā,    a 天、神  
      yesaṃ    代的 (関係代名詞)  
      na    不変 ない  
      語根 品詞 語基 意味  
      sakkā  śak 可能である  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gaṇanāya    ā 計算、暗算、算術  
          不変 あるいは  
      saṅkhānena  saṃ-khyā a 計算、目算  
          不変 あるいは  
      āyu    us 寿命  
      saṅkhātuṃ.  saṃ-khyā 不定 数える、考量する  
    訳文                
     尊者よ、およそ、その者たちの寿命が、算術によっても、あるいは計算によっても数えることができないような神々がおります。  
                       
                       
                       
    157-8.                
     Api ca, yasmiṃ yasmiṃ attabhāve abhinivuṭṭhapubbo [abhinivutthapubbo (sī. syā. pī.)] hoti yadi vā rūpīsu yadi vā arūpīsu yadi vā saññīsu yadi vā asaññīsu yadi vā nevasaññīnāsaññīsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ca,    不変 と、また、そして、しかし  
      yasmiṃ    代的 (関係代名詞)  
      yasmiṃ    代的 (関係代名詞)  
      atta    an 依(属) 自己  
      bhāve  bhū a 本性、状態 →自体  
      abhinivuṭṭha  abhi-ni-vas 過分 a 居住した  
      pubbo    代的 先の、昔の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yadi    不変 もし  
          不変 あるいは  
      rūpīsu    in 男中 有色の  
      yadi    不変 もし  
          不変 あるいは  
      arūpīsu    in 男中 無色の  
      yadi    不変 もし  
          不変 あるいは  
      saññīsu  saṃ-jñā in 男中 有想の  
      yadi    不変 もし  
          不変 あるいは  
      asaññīsu  a-saṃ-jñā in 男中 無想の  
      yadi    不変 もし  
          不変 あるいは  
      na    不変 ない  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      saññī  saṃ-jñā in 男中 想の  
      na    不変 ない  
      asaññīsu.  a-saṃ-jñā ā 男中 非想  
    訳文                
     けれど、それぞれの自己の状態に宿った過去は存在するのです。もしは有色に、もしは無色に、もしは有想に、もしは無想に、もしは非想非非想に。  
    メモ                
     ・前文とのつながりが難しいが、計量できないほど膨大でも、過去が想起不可能となって消えてしまうことはない、という趣旨と解した。  
                       
                       
                       
    157-9.                
     Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati. (157-6.)  
    訳文                
     このように彼は、具体的かつ詳細に、種々の宿住を憶念するのです。  
                       
                       
                       
    157-10.                
     Etadānuttariyaṃ, bhante, pubbenivāsānussatiñāṇe.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Etadānuttariyaṃ, bhante, pubbenivāsānussatiñāṇe.(157-1.)  
    訳文                
     尊者よ、これが、宿住随念智に関して最上のものです。  
                       
                       
                       
     Cutūpapātañāṇadesanā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Cuti  cyu i 死、死没  
      upapāta    a 依(属) 転生、再生  
      ñāṇa  jñā a 依(属) 智、智慧  
      desanā diś ā 説示、教説  
    訳文                
     【死生智の説示】  
    メモ                
     ・『沙門果経』【天眼智】にパラレル。  
                       
                       
                       
    158-1.                
     158. ‘‘Aparaṃ pana, bhante, etadānuttariyaṃ, yathā bhagavā dhammaṃ deseti sattānaṃ cutūpapātañāṇe.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Aparaṃ pana, bhante, etadānuttariyaṃ, yathā bhagavā dhammaṃ deseti (157-1.)  
      sattānaṃ    a 有情、衆生  
      cuti  cyu i 死、死没  
      upapāta    a 依(属) 転生、再生  
      ñāṇe.  jñā a 智、智慧  
    訳文                
     しかるに尊者よ、世尊が法を示されたその通りのこれが、有情死生智に関して最上のものです。  
                       
                       
                       
    158-2.                
     Idha, bhante, ekacco samaṇo vā brāhmaṇo vā ātappamanvāya…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Aparaṃ pana, bhante, etadānuttariyaṃ, yathā bhagavā dhammaṃ deseti (157-2.)  
    訳文                
     尊者よ、ここなる一部の沙門あるいは婆羅門は、熱勤により……(略)  
                       
                       
                       
    158-3.                
     tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte dibbena cakkhunā visuddhena atikkantamānusakena satte passati cavamāne upapajjamāne hīne paṇīte suvaṇṇe dubbaṇṇe sugate duggate yathākammūpage satte pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte (157-3.)  
      dibbena    a 天の  
      cakkhunā    u  
      visuddhena  vi-śudh 過分 a 清い、清浄の  
      atikkanta  ati-kram 過分 a 超えた、過ぎた  
      mānusakena    a 人の  
      satte    a 有情、衆生  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passati  paś みる  
      語根 品詞 語基 意味  
      cavamāne  cyu 現分 a 死ぬ  
      upapajjamāne  upa-pad 現分 a 再生する  
      hīne  過分 a 捨てられた、劣った  
      paṇīte  pra-nī 過分 a 適用された,すぐれた  
      suvaṇṇe    名形 a 中→男 良い色の、美しい  
      dubbaṇṇe    a 悪い色の、みにくい  
      sugate  su-gam 名過分 a よく行った、幸福な、善逝  
      duggate  su-gam a 悪しく行った、貧しい、不運な  
      yathā    不変 〜のごとく  
      kamma  kṛ a 依(具) 業、行為  
      upage  upa-gam a いたる、経験する、着手する →業に従って行く  
      satte    a 有情、衆生  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānāti –  pra-jñā 知る、了知する  
    訳文                
     ……心が入定し、清浄で人間を超えた天眼をもって、死んでは再生する有情たちを見、業に従って優劣、美醜、幸不幸〔なる種々の境涯〕に趣く有情たちを了知するような心の三昧に到達します。  
                       
                       
                       
    158-4.                
     ‘ime vata bhonto sattā kāyaduccaritena samannāgatā vacīduccaritena samannāgatā manoduccaritena samannāgatā ariyānaṃ upavādakā micchādiṭṭhikā micchādiṭṭhikammasamādānā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ime    代的 これら  
      vata    不変 じつに  
      bhonto  bhū 名現分 ant 尊者、大徳  
      sattā    a 有情、衆生  
      kāya    a 依(属)  
      duccaritena  du-car a 男中 悪行の  
      samannāgatā  saṃ-anu-ā-gam a 具足した  
      vacī    as 依(属) 言、語(vacasの複合形)  
      duccaritena  du-car a 男中 悪行の  
      samannāgatā  saṃ-anu-ā-gam a 具足した  
      mano  man as 依(属)  
      duccaritena  du-car a 男中 悪行の  
      samannāgatā  saṃ-anu-ā-gam a 具足した  
      ariyānaṃ    名形 a 聖なる、高貴の  
      upavādakā  upa-vad a 批難する、悪罵する  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      diṭṭhikā  dṛś a 見の  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      diṭṭhi  dṛś i 依(具)  
      kamma  kṛ a 有(属) 業、行為  
      samādānā.  saṃ-ā-dā a 中→男 受持、受けること  
    訳文                
     『じつに諸賢よ、これらの衆生は、身の悪行、口の悪行、意の悪行をそなえ、聖者を批難し、邪見をもち、邪見による業を受持している。  
                       
                       
                       
    158-5.                
     Te kāyassa bhedā paraṃ maraṇā apāyaṃ duggatiṃ vinipātaṃ nirayaṃ upapannā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      kāyassa    a 身体、集まり  
      bhedā  bhid a 破壊、不和合、離間、種類、区分  
      paraṃ    代的 副対 更に、他に、超えて  
      maraṇā  mṛ a 死 →死後に  
      apāyaṃ  apa-i a 苦界、苦処  
      duggatiṃ  du-gaṃ i 悪趣  
      vinipātaṃ  vi-ni-pat a 堕処  
      nirayaṃ    a 地獄  
      upapannā.  upa-pad 過分 a 再生、転生した  
    訳文                
     彼らは、身体の破壊より、死後に苦処、悪趣、堕処、地獄へ生まれ変わる。  
                       
                       
                       
    158-6.                
     Ime vā pana bhonto sattā kāyasucaritena samannāgatā vacīsucaritena samannāgatā manosucaritena samannāgatā ariyānaṃ anupavādakā sammādiṭṭhikā sammādiṭṭhikammasamādānā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ime    代的 これら  
          不変 あるいは  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhonto sattā kāyasucaritena samannāgatā vacīsucaritena samannāgatā manosucaritena samannāgatā ariyānaṃ (158-4.)  
      succaritena  su-car a 男中 善行の  
      anupavādakā  an-upa-vad a 批難しない、悪罵しない  
      sammā   不変 正しい、正しく  
      diṭṭhikā  dṛś a 見の  
      sammā   不変 正しい、正しく  
      diṭṭhikammasamādānā. (158-4.)  
    訳文                
     じつに諸賢よ、これらの衆生は、身の善行、口の善行、意の善行をそなえ、聖者を批難せず、正見をもち、正見による業を受持している。  
                       
                       
                       
    158-7.                
     Te kāyassa bhedā paraṃ maraṇā sugatiṃ saggaṃ lokaṃ upapannā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te kāyassa bhedā paraṃ maraṇā (158-5.)  
      sugatiṃ  su-gam i 善趣  
      saggaṃ    a  
      lokaṃ    a 世界  
      upapannā’  upa-pad 過分 a 再生、転生した  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     じつに諸賢よ、これらの衆生は、身の善行、口の善行、意の善行をそなえ、聖者を批難せず、正見をもち、正見による業を受持している。彼らは、身体の破壊より、死後に善趣、天界へ生まれ変わる』と。  
                       
                       
                       
    158-8.                
     Iti dibbena cakkhunā visuddhena atikkantamānusakena satte passati cavamāne upapajjamāne hīne paṇīte suvaṇṇe dubbaṇṇe sugate duggate yathākammūpage satte pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      dibbena cakkhunā visuddhena atikkantamānusakena satte passati cavamāne upapajjamāne hīne paṇīte suvaṇṇe dubbaṇṇe sugate duggate yathākammūpage satte pajānāti. (158-3.)  
    訳文                
     彼はこのように、清浄で人間を超えた天眼をもって、死んでは再生する有情たちを見、業に従って優劣、美醜、幸不幸〔なる種々の境涯〕に趣く有情たちを了知するような心の三昧に到達するのです。  
                       
                       
                       
    158-9.                
     Etadānuttariyaṃ, bhante, sattānaṃ cutūpapātañāṇe.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Etadānuttariyaṃ, bhante, sattānaṃ cutūpapātañāṇe. (158-1.)  
    訳文                
     尊者よ、これが、有情死生智に関して最上のものです。  
                       
                       
                       
     Iddhividhadesanā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iddhi    i 有(属) 神通、神変  
      vidha    ā 依(属) 種類 →種々の神変  
      desanā diś ā 説示、教説  
    訳文                
     【種々の神変の説示】  
    メモ                
     ・『沙門果経』【種々神変智】にパラレル。  
                       
                       
                       
    159-1.                
     159. ‘‘Aparaṃ pana, bhante, etadānuttariyaṃ, yathā bhagavā dhammaṃ deseti iddhividhāsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Aparaṃ pana, bhante, etadānuttariyaṃ, yathā bhagavā dhammaṃ deseti (158-1.)  
      iddhi    i 有(属) 神通、神変  
      vidhāsu.    ā 種類 →種々の神変  
    訳文                
     しかるに尊者よ、世尊が法を示されたその通りのこれが、種々の神変に関して最上のものです。  
                       
                       
                       
    159-2.                
     Dvemā, bhante, iddhividhāyo –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dve     
      imā,    代的 これら  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      iddhi    i 有(属) 神通、神変  
      vidhāyo –    ā 種類 →種々の神変  
    訳文                
     尊者よ、これら二つの種々の神変があります。  
                       
                       
                       
    159-3.                
     atthi, bhante, iddhi sāsavā saupadhikā, ‘no ariyā’ti vuccati.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi,  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      iddhi    i 神通、神変  
      sāsavā  sa-ā-sru a 有漏の  
      saupadhikā,  sa-upa-dhā a 依着ある  
      ‘no    不変 ない、否  
      ariyā’    名形 a 男→女 聖なる  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vuccati.  vac 受 いわれる  
    訳文                
     尊者よ、有漏の、依着ある神変は、『聖ならぬもの』と言われます。  
                       
                       
                       
    159-4.                
     Atthi, bhante, iddhi anāsavā anupadhikā ‘ariyā’ti vuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atthi, bhante, iddhi anāsavā anupadhikā ‘ariyā’ti vuccati. (159-3.)  
      anāsavā  an-ā-sru a 無漏の  
      anupadhikā  an-upa-dhā a 依着なき  
    訳文                
     尊者よ、無漏の、依着なき神変は、『聖なるもの』と言われます。  
                       
                       
                       
    159-5.                
     ‘‘Katamā ca, bhante, iddhi sāsavā saupadhikā, ‘no ariyā’ti vuccati?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Katamā    代的 いずれか、どちらか  
      ca,    不変 と、また、そして、しかし  
      bhante, iddhi sāsavā saupadhikā, ‘no ariyā’ti vuccati? (159-3.)  
    訳文                
     では尊者よ、いかなるものが、有漏の、依着ある神変として、『聖ならぬもの』と言われるのでしょうか。  
                       
                       
                       
    159-6.                
     Idha, bhante, ekacco samaṇo vā brāhmaṇo vā ātappamanvāya…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Aparaṃ pana, bhante, etadānuttariyaṃ, yathā bhagavā dhammaṃ deseti (157-2.)  
    訳文                
     尊者よ、ここなる一部の沙門あるいは婆羅門は、熱勤により……(略)  
                       
                       
                       
    159-7.                
     tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte anekavihitaṃ iddhividhaṃ paccanubhoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte (157-3.)  
      aneka    代的 一つならぬ、多数の  
      vihitaṃ  vi-dhā 過分 a 置かれた、整えられた、整備された →種々の  
      iddhi    i 有(属) 神通、神変  
      vidhaṃ    ā 種類 →種々の神変  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccanubhoti.  prati-anu-bhū 経験する、受ける、理解する  
    訳文                
     ……心が入定し、多種の、種々なる神変を体験するような心の三昧に到達します。  
                       
                       
                       
    159-8.                
     Ekopi hutvā bahudhā hoti, bahudhāpi hutvā eko hoti;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Eko    代的 一、ある  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hutvā  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bahudhā    不変 種々に、多様に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti,  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bahudhā    不変 種々に、多様に  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      hutvā  同上  
      eko    代的 一、ある  
      hoti;  同上  
    訳文                
     一人であって多数となり、また多数であって一人となります。  
                       
                       
                       
    159-9.                
     āvibhāvaṃ tirobhāvaṃ tirokuṭṭaṃ tiropākāraṃ tiropabbataṃ asajjamāno gacchati seyyathāpi ākāse.   
      語根 品詞 語基 意味  
      āvi    i 有(持) 明らか、明顕、あらわ  
      bhāvaṃ  bhū a 副対 状態、性質  
      tiro    不変 超えて、横切って、外に  
      bhāvaṃ  bhū a 副対 状態、性質 →実在を超えること、隠身の力  
      tiro    不変 超えて、横切って、外に  
      kuṭṭaṃ    a 壁、塀  
      tiro    不変 超えて、横切って、外に  
      pākāraṃ    a 城壁、垣  
      tiro    不変 超えて、横切って、外に  
      pabbataṃ    a  
      asajjamāno  a-sañj 受 現分 a 執着なき、着せず  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gacchati  gam 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      seyyathā    不変 たとえば、その如き  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ākāse.    a 空、虚空  
    訳文                
     また、現れては消え、塀を越え、城壁を越え、山を越えて、虚空におけるがごとく、妨げられることなく行きます。  
                       
                       
                       
    159-10.                
     Pathaviyāpi ummujjanimujjaṃ karoti, seyyathāpi udake.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Pathaviyā    ī  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ummujja    ā 浮揚  
      nimujjaṃ    ā 沈潜  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karoti,  kṛ なす、つくる  
      語根 品詞 語基 意味  
      seyyathā    不変 たとえば、その如き  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      udake.    a  
    訳文                
     また、地にあって、水におけるが如く、浮いたり潜ったりします。  
                       
                       
                       
    159-11.                
     Udakepi abhijjamāne gacchati, seyyathāpi pathaviyaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Udake    a  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      abhijjamāne  abhi-bhid 現分 a 沈まない、破壊されない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gacchati,  gam 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      seyyathā    不変 たとえば、その如き  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      pathaviyaṃ.    ī  
    訳文                
     また、水にあって、地におけるが如く、沈まずに行きます。  
    メモ                
     ・『沙門果経』に同じく、異版のabhijjamānoを採用した。  
                       
                       
                       
    159-12.                
     Ākāsepi pallaṅkena kamati, seyyathāpi pakkhī sakuṇo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ākāse    a 空、虚空  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      pallaṅkena    a 椅子、寝台、かご、跏趺  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kamati,  kram 歩む、進む  
      語根 品詞 語基 意味  
      seyyathā    不変 たとえば、その如き  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      pakkhī    名形 in 翼ある、鳥  
      sakuṇo.    a  
    訳文                
     また、虚空にあって、翼ある鳥の如く、結跏趺坐して進みます。  
                       
                       
                       
    159-13.                
     Imepi candimasūriye evaṃmahiddhike evaṃmahānubhāve pāṇinā parāmasati parimajjati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ime    代的 これら  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      candima    a, ā 男女  
      sūriye    a 太陽  
      evaṃ    不変 有(持) このように、かくの如き  
      mahā   ant 大きい、偉大な  
      iddhike    a 男中 神変  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      mahā   ant 大きい、偉大な  
      anubhāve  anu-bhū a 威力  
      pāṇinā    i  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      parāmasati  para-ā-mṛś 摩触する、執着する  
      parimajjati.  pari-mṛj 触れる、こする、磨く  
    訳文                
     また、かくも大神変あり、かくも大威力あるこれらの月と太陽を、手で触れ、撫でます。  
                       
                       
                       
    159-14.                
     Yāva brahmalokāpi kāyena vasaṃ vatteti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      brahma    名形 依(属) 梵天の  
      lokā    a 世界  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kāyena    a 身、身体  
      vasaṃ    a 男中 力、意志、権力、影響、自在  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vatteti.  vṛt 使 転起させる、生かせる、行使する、遂行する  
    訳文                
     また、梵天界にいたるまで、身体を伴って〔到達し〕、自在力を行使します。  
                       
                       
                       
    159-15.                
     Ayaṃ, bhante, iddhi sāsavā saupadhikā, ‘no ariyā’ti vuccati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ayaṃ,    代的 これ  
      bhante, iddhi sāsavā saupadhikā, ‘no ariyā’ti vuccati. (159-3.)  
    訳文                
     尊者よ、これが、有漏の、依着ある神変として、『聖ならぬもの』と言われるのです。  
                       
                       
                       
    159-16.                
     ‘‘Katamā pana, bhante, iddhi anāsavā anupadhikā, ‘ariyā’ti vuccati?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Katamā    代的 いずれか、どちらか  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhante, iddhi anāsavā anupadhikā, ‘ariyā’ti vuccati? (159-4.)  
    訳文                
     では尊者よ、いかなるものが、無漏の、依着なき神変として、『聖なるもの』と言われるのでしょうか。  
                       
                       
                       
    159-17.                
     Idha, bhante, bhikkhu sace ākaṅkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idha,    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      sace    不変 もし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ākaṅkhati –  ā-kāṅkṣ 希望する、意欲する、願う  
    訳文                
     尊者よ、ここにもしも、比丘が願ったとします。  
                       
                       
                       
    159-18.                
     ‘paṭikūle appaṭikūlasaññī vihareyya’nti, appaṭikūlasaññī tattha viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘paṭikūle    a 厭逆、意逆  
      appaṭikūla    a 依(属) 無厭の、無厭逆の  
      saññī  saṃ-jñā in 想ある  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vihareyya’n  vi-hṛ 能反 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      appaṭikūla    a 依(属) 無厭の、無厭逆の  
      saññī  saṃ-jñā in 想ある  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati.  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     『私は、厭逆のものにあって、無厭逆の想あるものとして住したい』と。すると彼は、無厭逆の想あるものとして住するようになります。  
    メモ                
     ・好ましくないものに相対しても嫌悪・憎悪せず、逆に好ましいものに対して執着を起こさない、ひいては対象によって好悪の想いを左右されない、ということが神変の本領である、という話のようである。  
                       
                       
                       
    159-19.                
     Sace ākaṅkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sace ākaṅkhati – (159-17.)  
    訳文                
     彼がもしも願ったとします。  
                       
                       
                       
    159-20.                
     ‘appaṭikūle paṭikūlasaññī vihareyya’nti, paṭikūlasaññī tattha viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘appaṭikūle    a 無厭の、無厭逆の  
      paṭikūla    a 依(属) 厭逆、意逆  
      vihareyya’nti, paṭikūlasaññī tattha viharati. (159-18.)  
      paṭikūla    a 依(属) 厭逆、意逆  
    訳文                
     『私は、無厭逆のものにあって、厭逆の想あるものとして住したい』と。すると彼は、厭逆の想あるものとして住するようになります。  
                       
                       
                       
    159-21.                
     Sace ākaṅkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sace ākaṅkhati – (159-17.)  
    訳文                
     彼がもしも願ったとします。  
                       
                       
                       
    159-22.                
     ‘paṭikūle ca appaṭikūle ca appaṭikūlasaññī vihareyya’nti, appaṭikūlasaññī tattha viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘paṭikūle ca appaṭikūle ca appaṭikūlasaññī vihareyya’nti, appaṭikūlasaññī tattha viharati. (159-18.)  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      appaṭikūle    a 男中 無厭の、無厭逆の  
    訳文                
     『私は、厭逆のものと無厭逆のものにあって、無厭逆の想あるものとして住したい』と。すると彼は、無厭逆の想あるものとして住するようになります。  
                       
                       
                       
    159-23.                
     Sace ākaṅkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sace ākaṅkhati – (159-17.)  
    訳文                
     彼がもしも願ったとします。  
                       
                       
                       
    159-24.                
     ‘paṭikūle ca appaṭikūle ca paṭikūlasaññī vihareyya’nti, paṭikūlasaññī tattha viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘paṭikūle ca appaṭikūle ca (159-22.)  
      paṭikūlasaññī vihareyya’nti, paṭikūlasaññī tattha viharati. (159-20.)  
    訳文                
     『私は、厭逆のものと無厭逆のものにあって、厭逆の想あるものとして住したい』と。すると彼は、厭逆の想あるものとして住するようになります。  
                       
                       
                       
    159-25.                
     Sace ākaṅkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sace ākaṅkhati – (159-17.)  
    訳文                
     彼がもしも願ったとします。  
                       
                       
                       
    159-26.                
     ‘paṭikūlañca appaṭikūlañca tadubhayaṃ abhinivajjetvā upekkhako vihareyyaṃ sato sampajāno’ti, upekkhako tattha viharati sato sampajāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘paṭikūle    a 厭逆、意逆  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      appaṭikūle    a 無厭の、無厭逆の  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      tad    代的 それ  
      ubhayaṃ    両方  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhinivajjetvā  abhi-ni-vṛj 回避する、除く  
      語根 品詞 語基 意味  
      upekkhako  upa-īkṣ a 捨なる、無関心な  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vihareyyaṃ  vi-hṛ 能反 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sato  smṛ 過分 a 憶念した、念の、念のある、具念、正念の  
      sampajāno’  saṃ-pra-jñā a 正知の、意識的の、正知者、故意の  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      upekkhako  upa-īkṣ a 捨なる、無関心な  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sato  smṛ 過分 a 憶念した、念の、念のある、具念、正念の  
      sampajāno.  saṃ-pra-jñā a 正知の、意識的の、正知者、故意の  
    訳文                
     『私は、厭逆のものと無厭逆のものにあって、その両方を避け、正念正知にして捨あるものとして住したい』と。すると彼は、正念正知にして捨あるものとして住するようになります。  
                       
                       
                       
    159-27.                
     Ayaṃ, bhante, iddhi anāsavā anupadhikā ‘ariyā’ti vuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ayaṃ,    代的 これ  
      bhante, iddhi anāsavā anupadhikā ‘ariyā’ti vuccati. (159-4.)  
    訳文                
     尊者よ、これが、無漏の、依着なき神変として、『聖なるもの』と言われるのです。  
                       
                       
                       
    159-28.                
     Etadānuttariyaṃ, bhante, iddhividhāsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Etadānuttariyaṃ, bhante, iddhividhāsu. (159-1.)  
    訳文                
     尊者よ、これが、種々の神変に関して最上のものです。  
                       
                       
                       
    159-29.                
     Taṃ bhagavā asesamabhijānāti, taṃ bhagavato asesamabhijānato uttari abhiññeyyaṃ natthi, yadabhijānaṃ añño samaṇo vā brāhmaṇo vā bhagavatā bhiyyobhiññataro assa yadidaṃ iddhividhāsu.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ  
      bhagavā    ant 世尊  
      asesam    a 副対 残りなく  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhijānāti,  abhi-jñā 証知する、自証する  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 それ  
      bhagavato    ant 世尊  
      asesam    a 副対 残りなく  
      abhijānato  abhi-jñā 現分 ant 証知する、自証する  
      uttari    i より上の、超えた  
      abhiññeyyaṃ  abhi-jñā 未分 a 証知すべき  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi,  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      yad    代的 (関係代名詞)  
      abhijānaṃ    a 自証、証知  
      añño    代的 他の  
      samaṇo  śram a 沙門  
          不変 あるいは  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
          不変 あるいは  
      bhagavatā    ant 世尊  
      bhiyyo    不変 多い  
      abhiññataro  abhi-jñā a より証知した  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assa  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      yadidaṃ    不変 すなわち  
      iddhi    i 有(属) 神通、神変  
      vidhāsu.   ā 種類 →種々の神変  
    訳文                
     それを世尊はあますことなく証知しておられる。それをあますことなく承知された世尊には、さらに証知すべきことは存在しません。すなわち種々の神変に関し、およそ他の沙門あるいは婆羅門が、世尊よりもより多くを証知する者であるような、そんな証知は〔無いのです〕。  
                       
                       
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