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     Gopakavatthu  
      語根 品詞 語基 意味  
      Gopaka    a 依(属) 神名、ゴーパカ  
      vatthu vas us 事、対象、理由、根拠  
    訳文                
     【ゴーパカのこと】  
                       
                       
                       
    353-1.                
     353. ‘‘Idheva, bhante, kapilavatthusmiṃ gopikā nāma sakyadhītā ahosi buddhe pasannā dhamme pasannā saṅghe pasannā sīlesu paripūrakārinī.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      eva,    不変 まさに、のみ、じつに  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      kapilavatthusmiṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      gopikā    ā 神名、ゴーピカー  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      sakya    a 依(属) 釈迦族、釈子、釈迦  
      dhītā    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      buddhe  budh 名過分 a 仏陀  
      pasannā  pra-sad 過分 ā 明浄の、浄信ある  
      dhamme  dhṛ a 男中  
      pasannā  pra-sad 過分 ā 明浄の、浄信ある  
      saṅghe  saṃ-hṛ a 僧伽  
      pasannā  pra-sad 過分 ā 明浄の、浄信ある  
      sīlesu    a  
      paripūra  pari-pṝ a 完全な  
      kārinī.  kṛ ī 作者  
    訳文                
     尊者よ、まさにこのカピラヴァットゥにおいて、ゴーピカーという名の釈迦族の娘がおりました。仏に浄信あり、法に浄信あり、僧に浄信あり、戒を完全になしておりました。  
    メモ                
     ・以下は、「神の身が満ちる」ということの具体例なのであろう。  
                       
                       
                       
    353-2.                
     Sā itthittaṃ [itthicittaṃ (syā.)] virājetvā purisattaṃ [purisacittaṃ (syā.)] bhāvetvā kāyassa bhedā paraṃ maraṇā sugatiṃ saggaṃ lokaṃ upapannā.   
      語根 品詞 語基 意味  
          代的 それ、彼女  
      itthittaṃ    a 女性性  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      virājetvā  vi-raj 使 離貪せる  
      語根 品詞 語基 意味  
      purisattaṃ    a 男性性  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhāvetvā  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      kāyassa    a 身体、集まり  
      bhedā  bhid a 破壊、不和合、離間、種類、区分  
      paraṃ    代的 副対 更に、他に、超えて  
      maraṇā  mṛ a 死 →死後に  
      sugatiṃ  su-gam i 善趣  
      saggaṃ    a  
      lokaṃ    a 世界  
      upapannā.  upa-pad 過分 ā 再生した  
    訳文                
     彼女は、女性であることを離貪して、男性たるものとなって、身破れて死後、善趣たる天界へ生まれ変わりました。  
    メモ                
     ・いわゆる変成男子。  
                       
                       
                       
    353-3.                
     Devānaṃ tāvatiṃsānaṃ sahabyataṃ amhākaṃ puttattaṃ ajjhupagatā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Devānaṃ    a 天、神  
      tāvatiṃsānaṃ    a 三十三〔天〕の  
      sahabyataṃ    ā 共住、友誼  
      amhākaṃ    代的 私たち  
      puttattaṃ    a 息子性  
      ajjhupagatā.  adhi-upa-gam 過分 a 到達した、得た  
    訳文                
     三十三天の眷属である、我らの子弟たるものへと到りました。  
                       
                       
                       
    353-4.                
     Tatrapi naṃ evaṃ jānanti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tatra    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      naṃ    代的 それ、彼  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānanti –  jñā 知る  
    訳文                
     そこで彼は、〔神々に〕このように知られます。  
    メモ                
     ・受け身文に置き換えて訳した。  
                       
                       
                       
    353-5.                
     ‘gopako devaputto, gopako devaputto’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘gopako    a 神名、ゴーパカ  
      deva    a 依(属) 天、神  
      putto,    a 息子  
      gopako    a 神名、ゴーパカ  
      deva    a 依(属) 天、神  
      putto’    a 息子  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『ゴーパカ天子なり、ゴーパカ天子なり』と。  
                       
                       
                       
    353-6.                
     Aññepi, bhante, tayo bhikkhū bhagavati brahmacariyaṃ caritvā hīnaṃ gandhabbakāyaṃ upapannā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Aññe    代的 他の  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      tayo     
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      bhagavati    ant 世尊  
      brahmacariyaṃ  bṛh, car a 梵行  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      caritvā  car 行ずる  
      語根 品詞 語基 意味  
      hīnaṃ  過分 a 劣った、捨てられた  
      gandhabba    a 依(属) 乾達婆、ガンダッバ  
      kāyaṃ    a 身体、集まり  
      upapannā.  upa-pad 過分 a 再生した  
    訳文                
     また尊者よ、他の三人の比丘たちが、世尊のもとで梵行を行じて、劣ったガンダッバの身へ生まれ変わりました。  
                       
                       
                       
    353-7.                
     Te pañcahi kāmaguṇehi samappitā samaṅgībhūtā paricārayamānā amhākaṃ upaṭṭhānaṃ āgacchanti amhākaṃ pāricariyaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      pañcahi     
      kāma    a 男中 依(属) 欲、愛欲、欲念、欲情、欲楽  
      guṇehi    a 徳/種類 →五妙欲、五種欲  
      samappitā  saṃ-ṛ 使 過分 a 引き渡された、与えられた、具備した、所有する  
      samaṅgī    in 具足した  
      bhūtā  bhū 過分 a 真実、存在、生物、鬼神、漏尽者  
      paricārayamānā  pari-car 使 現分 a 仕える、楽しむ  
      amhākaṃ    代的 私たち  
      upaṭṭhānaṃ  upa-sthā a 奉仕、給仕、随侍  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgacchanti  ā-gam 来る  
      語根 品詞 語基 意味  
      amhākaṃ    代的 私たち  
      pāricariyaṃ.  pari-car 使 ā 奉仕、給仕、尊敬  
    訳文                
     彼らは、五妙欲を具備し、具足した者として楽しみながら、我々への随侍、我々への奉仕にやってきます。  
                       
                       
                       
    353-8.                
     Te amhākaṃ upaṭṭhānaṃ āgate amhākaṃ pāricariyaṃ gopako devaputto paṭicodesi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      amhākaṃ    代的 私たち  
      upaṭṭhānaṃ  upa-sthā a 奉仕、給仕、随侍  
      āgate  ā-gam 過分 a 来た  
      amhākaṃ    代的 私たち  
      pāricariyaṃ  pari-car 使 ā 奉仕、給仕、尊敬  
      gopako    a 神名、ゴーパカ  
      deva    a 依(属) 天、神  
      putto    a 息子  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭicodesi –  prati-cud 使 叱責する、挙罪する  
    訳文                
     我々への随侍、我々への奉仕にやってきた彼らを、ゴーパカ天子は叱責しました。  
                       
                       
                       
    353-9.                
     ‘kutomukhā nāma tumhe, mārisā, tassa bhagavato dhammaṃ assuttha [āyuhittha (syā.)] –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘kuto    不変 どこから、なにゆえ  
      mukhā    a 中→男 口、顔、前面  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      tumhe,    代的 あなたたち  
      mārisā,    不変 我が友よ、我が師よ  
      tassa    代的 それ、彼  
      bhagavato    ant 世尊  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assuttha–  śru 聞く  
    訳文                
     『友等よ、あなた方は、どちらに顔を向けて、かの世尊の法を聞いていたのですか。  
                       
                       
                       
    353-10.                
     ahañhi nāma itthikā samānā buddhe pasannā dhamme pasannā saṅghe pasannā sīlesu paripūrakārinī itthittaṃ virājetvā purisattaṃ bhāvetvā kāyassa bhedā paraṃ maraṇā sugatiṃ saggaṃ lokaṃ upapannā, devānaṃ tāvatiṃsānaṃ sahabyataṃ sakkassa devānamindassa puttattaṃ ajjhupagatā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ahañ    代的  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      itthikā    ā 女性、婦人  
      samānā  as 現分 a ある、なる  
      buddhe pasannā dhamme pasannā saṅghe pasannā sīlesu paripūrakārinī (353-1.)   
      itthittaṃ virājetvā purisattaṃ bhāvetvā kāyassa bhedā paraṃ maraṇā sugatiṃ saggaṃ lokaṃ upapannā, (353-2.)  
      devānaṃ tāvatiṃsānaṃ sahabyataṃ sakkassa devānamindassa puttattaṃ ajjhupagatā. (353-3.)  
      sakkassa    a 神名、サッカ、帝釈天  
      devānam    a 天、神  
      indassa    a インドラ、帝王、王  
    訳文                
     じつに私は、女性でありながら、仏に浄信あり、法に浄信あり、僧に浄信あり、戒を完全になして、女性であることを捨て、男性たるものとなって、身破れて死後、善趣たる天界へ生まれ変わり、三十三天の眷属である、神々の王サッカ〔たち〕の子弟たるものへと到りました。  
                       
                       
                       
    353-11.                
     Idhāpi maṃ evaṃ jānanti ‘‘gopako devaputto gopako devaputto’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      maṃ    代的  
      evaṃ jānanti (353-4.)  
      ‘‘gopako devaputto gopako devaputto’ti. (353-5.)  
    訳文                
     ここで私は、〔神々に〕このように知られています。ゴーパカ天子なり、ゴーパカ天子なりと。  
                       
                       
                       
    353-12.                
     Tumhe pana, mārisā, bhagavati brahmacariyaṃ caritvā hīnaṃ gandhabbakāyaṃ upapannā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tumhe    代的 あなたたち  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      mārisā,    不変 我が友よ、我が師よ  
      bhagavati brahmacariyaṃ caritvā hīnaṃ gandhabbakāyaṃ upapannā. (353-6.)  
    訳文                
     しかるに友等よ、あなた方は、世尊のもとで梵行を行じて、〔にもかかわらず〕劣ったガンダッバの身へ生まれ変わりました。  
                       
                       
                       
    353-13.                
     Duddiṭṭharūpaṃ vata, bho, addasāma, ye mayaṃ addasāma sahadhammike hīnaṃ gandhabbakāyaṃ upapanne’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Duddiṭṭha  dur-dṛś a 悪見の、悪く見られた  
      rūpaṃ    a 色、物質、肉体、姿  
      vata,    不変 じつに  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      addasāma,  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ye    代的 (関係代名詞)  
      mayaṃ    代的 私たち  
      addasāma  同上  
      sahadhammike  saha-dhṛ a 同法の、如法の  
      hīnaṃ  過分 a 劣った、捨てられた  
      gandhabba    a 依(属) 乾達婆、ガンダッバ  
      kāyaṃ    a 身体、集まり  
      upapanne’  upa-pad 過分 a 再生した  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     友等よ、じつに見苦しい姿を我々は見たものだ。劣ったガンダッバの身あるものへと生まれ変わった同法の者たちを、我々は見たのだ』と。  
                       
                       
                       
    353-14.                
     Tesaṃ, bhante, gopakena devaputtena paṭicoditānaṃ dve devā diṭṭheva dhamme satiṃ paṭilabhiṃsu kāyaṃ brahmapurohitaṃ, eko pana devo kāme ajjhāvasi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ,    代的 それら、彼ら  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      gopakena    a 神名、ゴーパカ  
      deva    a 依(属) 天、神  
      puttena    a 息子  
      paṭicoditānaṃ  prati-cud 使 過分 a 叱責された  
      dve     
      devā    a 天、神  
      diṭṭhe  dṛś 過分 a 男中 見られた、見、所見  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      dhamme  dhṛ a 男中 法、教法、真理、正義、もの →現法、現世  
      satiṃ  smṛ i 念、正念  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭilabhiṃsu  prati-labh 能反 得る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kāyaṃ    a  
      brahma  bṛh 名形 an(特) 依(属) 梵天  
      purohitaṃ,    a 輔相 →梵輔天  
      eko    代的  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      devo    a 天、神  
      kāme    a 男中 欲、愛欲  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhāvasi. adhi-vas 住す、忍住する  
    訳文                
     尊者よ、ゴーパカ天子に叱責された彼らのうち、二神は現法に正念を得て、梵輔天の身へ〔生まれ変わりました〕。しかし一神は欲に住した〔ままでした〕。  
                       
                       
                       
    354-1.                
     354.‘‘‘Upāsikā cakkhumato ahosiṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Upāsikā    ā 優婆夷  
      cakkhumato    ant 眼ある  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosiṃ, bhū ある、なる  
    訳文                
     ♪『私は眼ある者の優婆夷であった。  
    メモ                
     ・ここから偈になる。地の文はサッカによるものと思われるが、ゴーパカの台詞の引用から偈が始まっている。  
                       
                       
                       
    354-2.                
     Nāmampi mayhaṃ ahu ‘gopikā’ti;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Nāmam    an 名前  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      mayhaṃ    代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahu  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘gopikā’    ā 人名、ゴーピカー  
      ti;   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪私の名はゴーピカーといった。  
                       
                       
                       
    354-3.                
     Buddhe ca dhamme ca abhippasannā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Buddhe  budh a 仏陀  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      dhamme  dhṛ a 男中  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      abhippasannā, abhi-pra-sad 過分 a 信行した、浄信ある  
    訳文                
     ♪仏と法に浄信ある者であった。  
                       
                       
                       
    354-4.                
     Saṅghañcupaṭṭhāsiṃ pasannacittā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Saṅghañ  saṃ-hṛ a 僧伽  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upaṭṭhāsiṃ  upa-sthā 仕える、現れる  
      語根 品詞 語基 意味  
      pasanna  pra-sad 過分 a 有(持) 浄信した  
      cittā. cit a 中→女  
    訳文                
     ♪また、浄信した心の者として、僧伽に仕えた。  
                       
                       
                       
    354-5.                
     ‘‘‘Tasseva buddhassa sudhammatāya,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Tassa    代的 それ、彼  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      buddhassa  budh 名過分 a 仏陀  
      sudhammatāya, su-dhṛ ā 善法性  
    訳文                
     ♪かの仏陀の善法性により、  
                       
                       
                       
    354-6.                
     Sakkassa puttomhi mahānubhāvo;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sakkassa    a 神名、サッカ、帝釈天  
      putto    a 息子  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      amhi    ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      mahā    ant 有(持) 大きい  
      anubhāvo; anu-bhū a 威力  
    訳文                
     ♪私は、大威力あるサッカの息子となり、  
                       
                       
                       
    354-7.                
     Mahājutīko tidivūpapanno,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahā    ant 大きい  
      jutīko    a 光輝の、輝ける  
      tidiva    a 依(対) 三十三天  
      upapanno, upa-pad 過分 a 再生、往生した  
    訳文                
     ♪大光輝ある者として、三十三天に生まれ変わった。  
                       
                       
                       
    354-8.                
     Jānanti maṃ idhāpi ‘gopako’ti.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Jānanti  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      maṃ    代的  
      idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ‘gopako’    a 神名、ゴーピカ  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪ここで私は〔神々に〕ゴーピカと知られる。  
                       
                       
                       
    354-9.                
     ‘‘‘Athaddasaṃ bhikkhavo diṭṭhapubbe,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      addasaṃ  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhikkhavo  bhikṣ u 比丘  
      diṭṭha  dṛś 過分 a 有(持) 見られた  
      pubbe,   代的 先の、前の、昔の  
    訳文                
     ♪ときに私は、かつて見た比丘たちを見た。  
                       
                       
                       
    354-10.                
     Gandhabbakāyūpagate vasīne;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Gandhabba    a 依(属) ガンダッバ、乾達婆  
      kāya    a 依(対) 身体  
      upagate  upa-gam 過分 a 近づいた、陥った  
      vasīne; vas? ? in? ? ? ? 居住の?  
    訳文                
     ♪ガンダッバの身体に陥って住む者たちを。  
    メモ                
     ・vasīneの元となるであろう語は辞書類に見当たらなかった。『註』はこれをāvāsikoと換言しているのでそれにならって訳した。  
                       
                       
                       
    354-11.                
     Imehi te gotamasāvakāse,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Imehi    代的 これら  
      te    代的 それら、彼ら  
      gotama    a 依(属) 人名、ゴータマ  
      sāvakāse, śru a 声聞、弟子  
    訳文                
     ♪この者たちと共に、ゴータマの弟子であったのだ。  
                       
                       
                       
    354-12.                
     Ye ca mayaṃ pubbe manussabhūtā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye    代的 (関係代名詞)  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      mayaṃ    代的 私たち  
      pubbe    不変 前に、以前に  
      manussa    a 依(対) 人間  
      bhūtā. bhū 過分 a あった  
    訳文                
     ♪かつて人間であったこの我々は。  
                       
                       
                       
    354-13.                
     ‘‘‘Annena pānena upaṭṭhahimhā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Annena    a 食物  
      pānena  a 飲物  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upaṭṭhahimhā, upa-sthā 仕える、現れる  
    訳文                
     ♪我々は、飲食物によって仕えたものだ。  
                       
                       
                       
    354-14.                
     Pādūpasaṅgayha sake nivesane;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pāda    a 依(対)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅgayha  upa-saṃ-grah 摂取する、おさめる  
      語根 品詞 語基 意味  
      sake    a 自分の  
      nivesane; ni-vas a 住居  
    訳文                
     ♪自分の家において、足をとって〔供養しつつ〕。  
    メモ                
     ・(追記)はじめupasaṅgayhaを未来義務分詞と解していたが、連続体でもこの形になり得るようなのでそのように改めた。また『註』のいうpūjetvā ceva vanditvā caに従い補訳した。  
                       
                       
                       
    354-15.                
     Kutomukhā nāma ime bhavanto,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kuto    不変 どこから、なにゆえ  
      mukhā    a 中→男 口、顔、前面  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      ime    代的 これら  
      bhavanto, bhū 名現分 ant(特) 世尊  
    訳文                
     ♪じつに彼らは、世尊に対しどちらに顔を向けて、  
                       
                       
                       
    354-16.                
     Buddhassa dhammāni paṭiggahesuṃ [buddhassa dhammaṃ na paṭiggahesuṃ (syā.)].  
      語根 品詞 語基 意味  
      Buddhassa  budh 名過分 a 仏陀  
      dhammāni  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭiggahesuṃ. prati-grah 受け取る  
    訳文                
     ♪仏陀の法を受け取っていたというのか。  
                       
                       
                       
    354-17.                
     ‘‘‘Paccattaṃ veditabbo hi dhammo,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Paccattaṃ    a 副対 各自に  
      veditabbo  vid 使 未分 a 知られるべき  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      dhammo, dhṛ a 男中  
    訳文                
     ♪法は各自に知られるべきものである。  
                       
                       
                       
    354-18.                
     Sudesito cakkhumatānubuddho;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sudesito  su-diś 過分 a 善く説かれた  
      cakkhumatā    ant 眼ある  
      anubuddho; anu-budh 過分 a 理解された、覚られた  
    訳文                
     ♪眼ある者によって覚られ、善く説かれた〔法は〕。  
                       
                       
                       
    354-19.                
     Ahañhi tumheva upāsamāno,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ahañ    代的  
      hi    不変 じつに、なぜなら(tena hiで「しからば」)  
      tumhe    代的 あなたたち  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      upāsamāno, upa-ās 現分 a 近坐する、仕える  
    訳文                
     ♪じつに私は〔いま〕、あなた(サッカ)たちに仕えている。  
    メモ                
     ・ここでのtumheは、サッカたちの意味で取った。次文にいう「聖者たちの善語」をきちんと聞いたおかげで、いま天子となってサッカに仕えているのだ、という趣旨と読んでのことであるが、ここの解釈は諸訳でも揺れているようである。  
                       
                       
                       
    354-20.                
     Sutvāna ariyāna subhāsitāni.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Sutvāna  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      ariyāna    名形 a 聖なる  
      subhāsitāni. su-bhāṣ 過分 a 善く説かれた、善語  
    訳文                
     ♪〔過去に〕聖者たちの善語を聞いて。  
                       
                       
                       
    354-21.                
     ‘‘‘Sakkassa puttomhi mahānubhāvo,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Sakkassa puttomhi mahānubhāvo, (354-6.)  
    訳文                
     ♪私は、大威力ある者、サッカの息子となり、  
                       
                       
                       
    354-22.                
     Mahājutīko tidivūpapanno;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahājutīko tidivūpapanno; (354-7.)  
    訳文                
     ♪大光輝ある者として、三十三天に生まれ変わった。  
                       
                       
                       
    354-23.                
     Tumhe pana seṭṭhamupāsamānā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tumhe    代的 あなたたち  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      seṭṭham    a 最上の、殊勝の  
      upāsamānā, upa-ās 現分 a 近坐する、仕える  
    訳文                
     ♪またあなた(ガンダッバ)たちも〔いま〕、最上者(サッカ)に仕えている。  
    メモ                
     ・ここからのtumheは、先と違い、ガンダッバたちの意味で取っている。  
                       
                       
                       
    354-24.                
     Anuttaraṃ brahmacariyaṃ caritvā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Anuttaraṃ    代的 無上の  
      brahmacariyaṃ  bṛh, car a 梵行  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      caritvā. car 行ずる  
    訳文                
     ♪〔過去に〕無上の梵行を行じて。  
                       
                       
                       
    354-25.                
     ‘‘‘Hīnaṃ kāyaṃ upapannā bhavanto,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Hīnaṃ  過分 a 劣った、捨てられた  
      kāyaṃ    a 身体  
      upapannā  upa-pad 過分 a 再生、往生した  
      bhavanto, bhū 名現分 ant(特) 尊者、存在する  
    訳文                
     ♪〔にもかかわらず〕尊者がたは、劣った身に生まれ変わっている。  
                       
                       
                       
    354-26.                
     Anānulomā bhavatūpapatti;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Anānulomā    a 相応しからぬ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavati bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      upapatti; upa-pad i 往生、再生、転生  
    訳文                
     ♪相応しからぬ転生である。  
    メモ                
     ・bhavatibhavantの単数処格と見るなど、他の解釈も成り立ちうるか。  
                       
                       
                       
    354-27.                
     Duddiṭṭharūpaṃ vata addasāma,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Duddiṭṭha  dur-dṛś a 悪見の、悪く見られた  
      rūpaṃ    a 色、物質、肉体、姿  
      vata    不変 じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      addasāma, dṛś 見る  
    訳文                
     ♪じつに見苦しい姿を我々は見たものだ。  
                       
                       
                       
    354-28.                
     Sahadhammike hīnakāyūpapanne.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sahadhammike  saha-dhṛ a 同法の、如法の  
      hīna  過分 a 劣った、捨てられた  
      kāye    a 身体、集まり  
      upapanne. upa-pad 過分 a 再生した  
    訳文                
     ♪劣った身のものたちへと生まれ変わった同法の者たちを。  
                       
                       
                       
    354-29.                
     ‘‘‘Gandhabbakāyūpagatā bhavanto,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Gandhabba    a 依(属) ガンダッバ、乾達婆  
      kāye    a 身体  
      upagatā  upa-gam 過分 a 近づいた、陥った  
      bhavanto, bhū 名現分 ant(特) 尊者、存在する  
    訳文                
     ♪ガンダッバの身に陥った尊者たちが、  
                       
                       
                       
    354-30.                
     Devānamāgacchatha pāricariyaṃ;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Devānam    a 天、神  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgacchatha  ā-gam 来る  
      語根 品詞 語基 意味  
      pāricariyaṃ; pari-car 使 ā 奉仕、給仕、尊敬  
    訳文                
     ♪神々への奉仕にやってくる、  
                       
                       
                       
    354-31.                
     Agāre vasato mayhaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Agāre    a  
      vasato  vas 現分 ant 住む  
      mayhaṃ,   代的  
    訳文                
     ♪〔そのような神々の〕家に住んでいる私の、  
    メモ                
     ・前二文がAgāreにかかっているものと見て補訳した。  
                       
                       
                       
    354-32.                
     Imaṃ passa visesataṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Imaṃ    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passa  paś 見よ  
      語根 品詞 語基 意味  
      visesataṃ. vi-śiṣ ā 殊勝性  
    訳文                
     ♪この殊勝なることを見よ。  
    メモ                
     ・passaは単数形だが、半ば不変化辞化しているものとみた。  
                       
                       
                       
    354-33.                
     ‘‘‘Itthī hutvā svajja pumomhi devo,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Itthī    ī, i 女性、婦人  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hutvā  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      su    不変 じつに  
      ajja    不変 今日、今  
      pumo    an 男性  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      amhi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      devo,   a 天、神  
    訳文                
     ♪女性であったが、じつに今は男神であり、  
    メモ                
     ・水野辞書はpumanというan語基男性名詞の単数主格をpumoとしているのでこれを記載した。  
                       
                       
                       
    354-34.                
     Dibbehi kāmehi samaṅgibhūto’;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Dibbehi    a 男中 天の  
      kāmehi    a 男中 欲、愛欲  
      samaṅgi    in 具備した  
      bhūto’; bhū 過分 a 存在した  
    訳文                
     ♪天の妙欲を具備している』  
                       
                       
                       
    354-35.                
     Te coditā gotamasāvakena,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      coditā  cud 使 過分 a 叱責された  
      gotama    a 依(属) 人名、ゴータマ  
      sāvakena, śru a 弟子、声聞  
    訳文                
     ♪ゴータマの弟子(ゴーパカ)に叱責された彼らは、  
                       
                       
                       
    354-36.                
     Saṃvegamāpādu samecca gopakaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Saṃvegam  saṃ-vij a 怖れ、感動、厭離心、宗教心  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āpādu  ā-pad 来る、会う、到達する  
      samecca  saṃ-i 一致する、交際する、会う、知る、同意する  
      語根 品詞 語基 意味  
      gopakaṃ.   a 神名、ゴーパカ  
    訳文                
     ♪畏怖を起こして、ゴーパカに同意した。  
                       
                       
                       
    354-37.                
     ‘‘‘Handa viyāyāma [vigāyāma (syā.), vitāyāma (pī.)] byāyāma [viyāyamāma (sī. pī.)],  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Handa    不変 いざ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viyāyāma  ud-yam 努める  
      byāyāma,  vi-ā-yam 励む  
    訳文                
     ♪『いざ、我々は努め、我々は励もう。  
    メモ                
     ・viyāyāmaは辞書類に見られない。『註』はこれをuyyamāmaと換言しているが、これらも辞書類にない。類似の語や諸訳を受けて上記のように訳したが、正確なところは不明。  
                       
                       
                       
    354-38.                
     Mā no mayaṃ parapessā ahumhā’;  
      語根 品詞 語基 意味  
          不変 なかれ  
      no    代的 私たち  
      mayaṃ    代的 私たち  
      para    代的 依(属) 他の  
      pessā  pra-iṣ 名未分 a 使節、召使い  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahumhā’; bhū ある、なる  
    訳文                
     ♪我々は我々であって、他者の従者となるべきでない』  
    メモ                
     ・noのは主格としたが、別の解釈も有り得よう。  
                       
                       
                       
    354-39.                
     Tesaṃ duve vīriyamārabhiṃsu,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      duve     
      vīriyam    a 精進  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārabhiṃsu, ā-rabh 能反 始める、励む  
    訳文                
     ♪彼らの内二人は精進に励んだ。  
                       
                       
                       
    354-40.                
     Anussaraṃ gotamasāsanāni.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Anussaraṃ  anu-smṛ 現分 ant 男中 副対 憶念しつつ  
      gotama    a 依(属) 人名、ゴータマ  
      sāsanāni. śās a 教説  
    訳文                
     ♪ゴータマの教説を憶念しつつ。  
    メモ                
     ・Anussaraṃは現在分詞としては単数なので前文のduveにはかからないが、文脈からはそのように取らざるを得ないので、ここでは副詞的対格とした。  
                       
                       
                       
    354-41.                
     ‘‘Idheva cittāni virājayitvā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      cittāni  cit a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      virājayitvā, vi-raj 使 離貪させる  
    訳文                
     ♪ここに、諸々の心を離貪させ、  
                       
                       
                       
    354-42.                
     Kāmesu ādīnavamaddasaṃsu;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kāmesu    a 男中  
      ādīnavam    a 過患、過失、危難  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      addasaṃsu; dṛś 見る  
    訳文                
     ♪諸欲において危難を見た。  
                       
                       
                       
    354-43.                
     Te kāmasaṃyojanabandhanāni,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      kāma    a 男中 依(処)  
      saṃyojana  saṃ-yuj a 結、繋縛  
      bandhanāni, bandh a 縛、拘束  
    訳文                
     ♪諸欲における繋縛と拘束を、  
    メモ                
     ・Teは後へ回す。  
                       
                       
                       
    354-44.                
     Pāpimayogāni duraccayāni.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pāpima    ant 依(属) 悪しき、悪魔  
      yogāni  yuj a 男(中) 束縛、繋縛  
      duraccayāni. dur-ati-i a 超えがたい、征服しがたい  
    訳文                
     ♪征服しがたい悪魔の束縛を、  
                       
                       
                       
    354-45.                
     ‘‘Nāgova sannāni guṇāni [sandānaguṇāni (sī. pī.), santāni guṇāni (syā.)] chetvā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Nāgo    a 蛇、竜、象  
      iva    不変 ごとく  
      sandāna  saṃ-dā a 依(属) 綱、束縛  
      guṇāni    a 男(中) 功徳、糸  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      chetvā, chid 切る、断つ  
    訳文                
     ♪象が束縛の糸へ対するように、断ち切って、  
    メモ                
     ・sannāniでなく異版のsandānaを採用した。  
                       
                       
                       
    354-46.                
     Deve tāvatiṃse atikkamiṃsu;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Deve    a 天、神  
      tāvatiṃse    a 三十三〔天〕の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atikkamiṃsu; ati-kram 能反 超える、征服する、打ち勝つ  
    訳文                
     ♪彼らは三十三天の神々を超えた。  
    メモ                
     ・梵輔天に生まれ変わったことをいっているのであろう。  
                       
                       
                       
    354-47.                
     Saindā devā sapajāpatikā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Saindā    a インダと共なる  
      devā    a 天、神  
      sapajāpatikā, pajāpatikā, a パジャーパティ(生主)と共なる  
    訳文                
     ♪インダと共なる、パジャーパティと共なる神々は、  
                       
                       
                       
    354-48.                
     Sabbe sudhammāya sabhāyupaviṭṭhā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sabbe    名形 代的 中→男 すべて  
      sudhammāya    ā 地名、スダンマー  
      sabhāya    ā 依(対) 集会、集会所  
      upaviṭṭhā. upa-viś? 過分 a 入った?  
    訳文                
     ♪みな、スダンマー集会所に入っていた。  
    メモ                
     ・upaviṭṭhaの語は辞書類になく、uviṭṭhapaviṭṭhaから類推した。  
                       
                       
                       
    354-49.                
     ‘‘Tesaṃ nisinnānaṃ abhikkamiṃsu,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      nisinnānaṃ  si-sad 過分 a 坐った  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhikkamiṃsu, abhi-kram 能反 進行する、近づく、過ぎる  
    訳文                
     ♪坐った彼らを超越した、  
                       
                       
                       
    354-50.                
     Vīrā virāgā virajaṃ karontā;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Vīrā    a 英雄、勇者  
      virāgā  vi-raj a 離貪、遠離  
      virajaṃ    a 離塵の  
      karontā; kṛ 現分 a なす  
    訳文                
     ♪離貪し、離塵をなした英雄たちが。  
                       
                       
                       
    354-51.                
     Te disvā saṃvegamakāsi vāsavo,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      disvā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      saṃvegam  saṃ-vij a 怖れ、感動、厭離心、宗教心  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      akāsi  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      vāsavo,   a 神名、ヴァーサヴァ(帝釈)  
    訳文                
     ♪彼らを見て、ヴァーサヴァは畏怖をなした。  
                       
                       
                       
    354-52.                
     Devābhibhū devagaṇassa majjhe.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Deva    a 依(奪) 天、神  
      abhibhū    名形 ū 男中 優れた、征服した、勝者  
      deva    a 依(属) 天、神  
      gaṇassa    a 会衆  
      majjhe.   名形 a 中の  
    訳文                
     ♪『神々より優れた者たちが、神々の会衆の中にいる。  
                       
                       
                       
    354-53.                
     ‘‘‘Imehi te hīnakāyūpapannā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Imehi    代的 これら  
      te    代的 それら、彼ら  
      hīna  過分 a 劣った、捨てられた  
      kāya    a 依(対) 身体、集まり  
      upapannā, upa-pad 過分 a 再生した  
    訳文                
     ♪これら(精進)によって、劣った身のものとして生まれ変わっていた彼らは、  
                       
                       
                       
    354-54.                
     Deve tāvatiṃse abhikkamanti’;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Deve    a 天、神  
      tāvatiṃse    a 三十三〔天〕の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhikkamanti’; ati-kram 超える、征服する、打ち勝つ  
    訳文                
     ♪三十三天の神々を超えた』  
                       
                       
                       
    354-55.                
     Saṃvegajātassa vaco nisamma,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Saṃvega  saṃ-vij a 依(対) 怖れ、感動、厭離心、宗教心  
      jātassa  jan 過分 a 生じた  
      vaco    as 言葉を  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisamma, ni-śam 傾聴する、注意する  
    訳文                
     ♪畏怖を生じた者(サッカ)の言葉を傾聴して、  
                       
                       
                       
    354-56.                
     So gopako vāsavamajjhabhāsi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      gopako    a 神名、ゴーパカ  
      vāsavam    a 神名、ヴァーサヴァ(帝釈)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhabhāsi. adhi-bhāṣ 話しかける  
    訳文                
     ♪かのゴーパカはヴァーサヴァへ話しかけた。  
                       
                       
                       
    354-57.                
     ‘‘‘Buddho janindatthi manussaloke,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Buddho  budh 名過分 a 仏陀  
      jana    a 依(属)  
      indo    a インダ、王  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      manussa    a 依(属) 人、人間  
      loke,   a 世間  
    訳文                
     ♪『人間界に、仏陀、人王がおられる。  
                       
                       
                       
    354-58.                
     Kāmābhibhū sakyamunīti ñāyati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kāma    a 男中 依(対)  
      abhibhū  abhi-bhū 名形 ū 男中 優れた、征服した、勝者  
      sakya    a 依(属) 釈迦  
      munī    i 牟尼、賢者  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ñāyati; jñā 受 知られる  
    訳文                
     ♪欲に打ち勝った方で、釈迦牟尼として知られている。  
                       
                       
                       
    354-59.                
     Tasseva te puttā satiyā vihīnā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      te    代的 それら、彼ら  
      puttā    a 息子  
      satiyā  smṛ i 記憶、憶念、正念  
      vihīnā, vi-hā 過分 a 捨てた  
    訳文                
     ♪彼ら(ガンダッバたち)は彼(釈尊)の釈子たちであり、〔しかし〕念を捨てていた。  
                       
                       
                       
    354-60.                
     Coditā mayā te satimajjhalatthuṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Coditā  cud 使 過分 a 叱責された  
      mayā    代的  
      te    代的 それら、彼ら  
      satim    i 記憶、憶念、正念  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhalatthuṃ. adhi-lābh 得る  
    訳文                
     ♪〔けれども〕彼らは、わたしに叱責されて、念を得た。  
    メモ                
     ・ajjhalatthuṃは、√labhの三人称複数形に接頭辞adhiが付く際、そこにアオリストの加増音aが入って連声を起こしたものであろう。この語は辞書類になく、既存訳、文脈、語根から類推して訳した。  
                       
                       
                       
    354-61.                
     ‘‘‘Tiṇṇaṃ tesaṃ āvasinettha [avasīnettha (pī.)] eko,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Tiṇṇaṃ     
      tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āvasi  ā-vas 居住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ettha    不変 ここに  
      eko,   代的  
    訳文                
     ♪彼ら三人のうち、一人はここに住した。  
    メモ                
     ・āvasinetthaは、354-10.で不明だったvasīneなる単語と関連するのかもしれないが、不明につき、ここでは連声でnが挿入されたとみた。  
                       
                       
                       
    354-62.                
     Gandhabbakāyūpagato vasīno;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Gandhabba    a 依(属) ガンダッバ、乾達婆  
      kāya    a 依(対) 身体  
      upagato  upa-gam 過分 a 近づいた、陥った  
      vasīno; vas? ? in? ? ? ? 居住の?  
    訳文                
     ♪ガンダッバの身に陥って住した。  
    メモ                
     ・これも354-10.同様不明。vasīnaという男性名詞とすれば、一応、文法的な平仄は合う。その場合、前文はāvasino etthaという形になるか。  
                       
                       
                       
    354-63.                
     Dve ca sambodhipathānusārino,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Dve     
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      sambodhi  saṃ-budh i 依(与) 等覚、正覚  
      patha  path a 依(対)  
      anusārino, anu-sṛ in 随行する、随従する  
    訳文                
     ♪しかし二人は、等覚への道を随行し、  
                       
                       
                       
    354-64.                
     Devepi hīḷenti samāhitattā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Deve    a 天、神  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hīḷenti  hīḍ 悩む、あざける、軽蔑する  
      語根 品詞 語基 意味  
      samāhitattā. saṃ-ā-dhā a 入定性  
    訳文                
     ♪入定性の故に神々〔の境遇〕をも軽蔑するようになった』  
    メモ                
     ・二人は梵輔天の神になったのだから、一見この文は奇妙に思われるが、どうもニカーヤのにおけるdevaの語は、梵天なども含む広義の場合と、含まない狭義の場合があるように感ぜられる(たとえば「天・魔・梵を含むこの世界」というストックフレーズは、後者の一例であろう)。  
     ・諸訳やVRI版の記述は、354-68.までをゴーパカの台詞とするが、次文の「かくのごとき法の説示」というのがこのゴーパカの台詞であると考え、ここで二重鉤括弧を閉じた。ゆえに、以下はサッカの釈尊への表白ということになる。  
                       
                       
                       
    354-65.                
     ‘‘‘Etādisī dhammappakāsanettha,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘‘Etādisī    ī このような、かくのごとき  
      dhamma  dhṛ a 男中 依(属)  
      pakāsano  pra-kāś 使 a 中(男) 顕示、説明、表明  
      ettha,   不変 ここに  
    訳文                
     ♪ここに、かくのごとき法の説示があって、  
    メモ                
     ・文法に不明な点が多く、諸訳の出す訳文のようになるよう解釈したが、いささか強引な感は否めない。  
     ・Etādisīは女性形が副詞化したものと解したが、Etādisinという異体の男性主格でpakāsanoにかかっているかもしれない。  
     ・pakāsane etthaと切って、処格と読むべきかもしれない。  
                       
                       
                       
    354-66.                
     Na tattha kiṃkaṅkhati koci sāvako;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Na    不変 ない  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      kiṃ    代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kaṅkhati  kāṅkṣ 疑う、期待する  
      語根 品詞 語基 意味  
      koci    代的 何らかの、何者であれ  
      sāvako; śru a 弟子、声聞  
    訳文                
     ♪そこにおけるいかなる弟子も、何も疑うことがなかった。  
    メモ                
     ・etthaは「それに関し」とも解しうる。  
                       
                       
                       
    354-67.                
     Nitiṇṇaoghaṃ vicikicchachinnaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Nitiṇṇa  ni-tṝ 過分 a 有(持) 超度した、越度した  
      oghaṃ    a 暴流  
      vicikiccha  vi-cit 意 ā 依(対) 疑惑、疑念  
      chinnaṃ, chid 過分 a 断った  
    訳文                
     ♪暴流を越え、疑念を断った者、  
                       
                       
                       
    354-68.                
     Buddhaṃ namassāma jinaṃ janindaṃ’.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Buddhaṃ  budh 名過分 a 仏陀  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      namassāma    礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      jinaṃ  ji 名過分 a 勝者  
      jana    a 依(属)  
      indaṃ’.   a インダ、王  
    訳文                
     ♪勝者にして人王なる仏陀に、我々は礼拝しよう。  
                       
                       
                       
    354-69.                
     ‘‘Yaṃ te dhammaṃ idhaññāya,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yaṃ    代的 男中 (関係代名詞)  
      te    代的 あなた  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ñāya, jñā 知る  
    訳文                
     ♪あなたのその法をここで知って、  
                       
                       
                       
    354-70.                
     Visesaṃ ajjhagaṃsu [ajjhagamaṃsu (syā.)] te;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Visesaṃ  vi-śiṣ a 差別、殊勝、特質  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhagaṃsu  adhi-gam 能反 到達する、証得する  
      語根 品詞 語基 意味  
      te;   代的 それら、彼ら  
    訳文                
     ♪彼ら〔二人〕は殊勝へと到達した。  
                       
                       
                       
    354-71.                
     Kāyaṃ brahmapurohitaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kāyaṃ    a 身体  
      brahma  bṛh 名形 an(特) 依(属) 梵天  
      purohitaṃ,   a 輔相 →梵輔天  
    訳文                
     ♪梵輔天の身へと。  
                       
                       
                       
    354-72.                
     Duve tesaṃ visesagū.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Duve     
      tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      visesagū. vi-śiṣ, gam ū 殊勝へ到った  
    訳文                
     ♪彼らのうち二人は、殊勝へ到ったのである。  
                       
                       
                       
    354-73.                
     ‘‘Tassa dhammassa pattiyā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tassa    代的 男中 それ、彼  
      dhammassa  dhṛ a 男中  
      pattiyā,   i 獲得、利得  
    訳文                
     ♪その法の獲得のため、  
                       
                       
                       
    354-74.                
     Āgatamhāsi mārisa;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Āgatamhāsi  ā-gam 来る  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      mārisa;   不変 我が友よ、我が師よ  
    訳文                
     ♪我が師よ、我々はやってきた。  
    メモ                
     ・-amhāsiという活用語尾は文法書に見られないが、-amhā-mhaseの異体と解した。  
                       
                       
                       
    354-75.                
     Katāvakāsā bhagavatā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kata  kṛ 過分 a 有(持) なされた  
      avakāsā    a 空間、機会  
      bhagavatā,   ant 世尊  
    訳文                
     ♪世尊によって、機会が成された〔ならば〕、  
                       
                       
                       
    354-76.                
     Pañhaṃ pucchemu mārisā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pañhaṃ    a 問い、質問  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pucchemu  prach 問う  
      語根 品詞 語基 意味  
      mārisā’’    不変 我が友よ、我が師よ  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪我が師よ、我々は質問しようと思う」  
                       
                       
                       
    355-1.                
     355. Atha kho bhagavato etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavato    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     ときに世尊に、この〔思い〕が起こった。  
                       
                       
                       
    355-2.                
     ‘‘dīgharattaṃ visuddho kho ayaṃ yakkho [sakko (sī. syā. pī.)], yaṃ kiñci maṃ pañhaṃ pucchissati, sabbaṃ taṃ atthasañhitaṃyeva pucchissati, no anatthasañhitaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘dīgha    a 長い  
      rattaṃ    a 副対 夜 →長夜に、長時に  
      visuddho  vi-śudh 過分 a 清い  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ayaṃ    代的 これ  
      yakkho,    a 夜叉  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      kiñci    代的 何らかの、何者であれ  
      maṃ    代的  
      pañhaṃ    a 問い、質問  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pucchissati,  prach 問う  
      語根 品詞 語基 意味  
      sabbaṃ    名形 代的 すべて  
      taṃ    代的 それ、彼  
      attha    a 男中 依(具) 義、利益、道理、意味、必要  
      sañhitaṃ  saṃ-dhā 過分 a 伴った、具した  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      pucchissati,  同上  
      no    不変 ない、  
      anattha    a 依(具) 義、利益、道理、意味、必要なき  
      sañhitaṃ.  saṃ-dhā 過分 a 伴った、具した  
    訳文                
     「じつに、長い間清浄であったこの夜叉が、何であれ私へ問うであろうところの問い、それはすべて意味あることのみを問うのであって、意味なきことではないであろう。  
                       
                       
                       
    355-3.                
     Yañcassāhaṃ puṭṭho byākarissāmi, taṃ khippameva ājānissatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yañ    代的 それ  
      ca    不変 (関係代名詞)  
      assa    代的 これ  
      ahaṃ    代的  
      puṭṭho  prach 過分 a 問われた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      byākarissāmi,  vi-ā-kṛ 解答する、授記する  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 それ  
      khippam  kṣip 名形 a 副対 速疾に  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ājānissatī’’  ā-jñā よく知る、了知する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     そして、私が彼に解答するであろうこと、それを、彼は速疾に理解することであろう」と。  
                       
                       
                       
    356-1.                
     356. Atha kho bhagavā sakkaṃ devānamindaṃ gāthāya ajjhabhāsi –  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      sakkaṃ    a 神名、サッカ、帝釈天  
      devānam    a 天、神  
      indaṃ    a インドラ、帝王、王  
      gāthāya    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhabhāsi – adhi-bhāṣ 話しかける  
    訳文                
     そこで世尊は、神々の王サッカに偈をもって語りかけた。  
                       
                       
                       
    356-2.                
     ‘‘Puccha vāsava maṃ pañhaṃ, yaṃ kiñci manasicchasi;  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Puccha  prash 問う  
      語根 品詞 語基 意味  
      vāsava    a 神名、ヴァーサヴァ(帝釈)  
      maṃ    代的  
      pañhaṃ,    a 問い、質問  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      kiñci    代的 何らかの、何者であれ  
      manasi   as  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      icchasi; iṣ 欲する、求める  
    訳文                
     「♪ヴァーサヴァよ、何であれ、意において欲する問いを、私へ問うがいい。  
                       
                       
                       
    356-3.                
     Tassa tasseva pañhassa, ahaṃ antaṃ karomi te’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      tassa    代的 それ、彼  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      pañhassa,    a 問い、質問  
      ahaṃ    代的  
      antaṃ    a 終局、目的、極限  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karomi  kṛ なす →終滅させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      te’’    代的 あなた  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪それぞれの問いに関して、私はあなたのため、決着を付けよう」と。  
                       
                       
                       
     Paṭhamabhāṇavāro niṭṭhito.    
      語根 品詞 語基 意味  
      Paṭhama    a 第一  
      bhāṇa  bhaṇ a 依(属) 誦、習誦  
      vāro  vṛ a 回、順番、順、時、機会、分、章、曜日  
      niṭṭhito.  nih-sthā 過分 a 完了した、終わった  
    訳文                
     第一誦分、おわり。  
                       
                       
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