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     Dhātuthūpapūjā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhātu    u 依(属) 遺骨、舎利  
      thūpa    a 依(属)  
      pūjā pūj ā 供養  
    訳文                
     【舎利塔の供養】  
                       
                       
                       
    239-1.                
     239. Atha kho rājā māgadho ajātasattu vedehiputto rājagahe bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      rājā    an  
      māgadho    a マガダ国の  
      ajātasattu  a-jan u 人名、アジャータサットゥ、阿闍世  
      vedehi    ī 依(属) 人名、ヴェーデーヒー、韋提希  
      putto    a 息子  
      rājagahe    a 地名、ラージャガハ  
      bhagavato    ant 世尊  
      sarīrānaṃ    a 身体、舎利、遺体  
      thūpañ    a  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      mahañ    a 男中 祭り  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      akāsi.  kṛ なす  
    訳文                
     ときにマガダ国の王、ヴェーデーヒーの息子アジャータサットゥは、ラージャガハで、世尊の舎利の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-2.                
     Vesālikāpi licchavī vesāliyaṃ bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Vesālikā    a ヴェーサーリーの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      licchavī    i 種族名、リッチャヴィ  
      vesāliyaṃ    ī 地名、ヴェーサーリー  
      bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca (239-1.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      akaṃsu.  kṛ なす  
    訳文                
     またヴェーサーリーのリッチャヴィ族も、ヴェーサーリーで、世尊の舎利の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-3.                
     Kapilavatthuvāsīpi sakyā kapilavatthusmiṃ bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kapilavatthu    u 依(処) 地名、カピラヴァットゥ  
      vāsī  vas in 住む  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      sakyā    a 種族名、サキャ、釈迦族  
      kapilavatthusmiṃ    u 地名、カピラヴァットゥ  
      bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu. (239-2.)  
    訳文                
     またカピラヴァットゥに住む釈迦族も、カピラヴァットゥで、世尊の舎利の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-4.                
     Allakappakāpi bulayo allakappe bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Allakappakā    a アッラカッパの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bulayo    i 種族名、ブリ  
      allakappe    a 男中 地名、アッラカッパ  
      bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu. (239-2.)  
    訳文                
     またアッラカッパのブリ族も、アッラカッパで、世尊の舎利の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-5.                
     Rāmagāmakāpi koḷiyā rāmagāme bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Rāmagāmakā    a ラーマ村の  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      koḷiyā    a 種族名、コーリヤ族  
      rāmagāme    a 地名、ラーマ村  
      bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu. (239-2.)  
    訳文                
     またラーマ村のコーリヤ族も、ラーマ村で、世尊の舎利の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-6.                
     Veṭṭhadīpakopi brāhmaṇo veṭṭhadīpe bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Veṭṭhadīpako    a ヴェーッタディーパの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      veṭṭhadīpe    a 男中 地名、ヴェーッタディーパ  
       bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akāsi. (239-1.)  
    訳文                
     またヴェーッタディーパの婆羅門も、ヴェーッタディーパで、世尊の舎利の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-7.                
     Pāveyyakāpi mallā pāvāyaṃ bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Pāveyyakā    a パーヴァーの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      mallā    a 種族名、マッラ族  
      pāvāyaṃ    ā 地名、パーヴァー  
      bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu. (239-2.)  
    訳文                
     またパーヴァーのマッラ族も、パーヴァーで、世尊の舎利の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-8.                
     Kosinārakāpi mallā kusinārāyaṃ bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kosinārakā    a クシナーラーの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      mallā    a 種族名、マッラ族  
      kusinārāyaṃ    ā 地名、クシナーラー  
      bhagavato sarīrānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu. (239-2.)  
    訳文                
     またクシナーラーのマッラ族も、クシナーラーで、世尊の舎利の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-9.                
     Doṇopi brāhmaṇo tumbassa thūpañca mahañca akāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Doṇo    a 人名、ドーナ  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      tumbassa    a 男中 瓶、壺  
      thūpañca mahañca akāsi. (239-1.)  
    訳文                
     またドーナ婆羅門も、壺の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-10.                
     Pippalivaniyāpi moriyā pippalivane aṅgārānaṃ thūpañca mahañca akaṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Pippalivaniyā    a ピッパリヴァナの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      moriyā    a 種族名、モーリヤ族  
      pippalivane    a 地名、ピッパリヴァナ  
      aṅgārānaṃ    a 男中 炭火  
      thūpañca mahañca akaṃsu. (239-2.)  
    訳文                
     またピッパリヴァナのモーリヤ族も、ピッパリヴァナで、炭の塔〔の建立〕と祭礼をなした。  
                       
                       
                       
    239-11.                
     Iti aṭṭha sarīrathūpā navamo tumbathūpo dasamo aṅgārathūpo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      aṭṭha     
      sarīra    a 依(属) 身体、舎利、遺体  
      thūpā    a  
      navamo    a 第九  
      tumba    a 男中 依(属) 瓶、壺  
      thūpo    a  
      dasamo    a 第十  
      aṅgāra    a 男中 依(属) 炭火  
      thūpo.    a  
    訳文                
     かくて、八つの舎利塔、第九の壺塔、第十の炭塔がある。  
                       
                       
                       
    239-12.                
     Evametaṃ bhūtapubbanti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Evam    不変 このように、かくの如き  
      etaṃ    代的 これ  
      bhūta  bhū 過分 a 存在した  
      pubban    代的 副対 過去の →往昔  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     かつて、このようなことがあった故に。  
                       
                       
                       
    239-13.                
     240. Aṭṭhadoṇaṃ cakkhumato sarīraṃ, sattadoṇaṃ jambudīpe mahenti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Aṭṭha    有(帯)  
      doṇaṃ    a 男→中 木桶、升、ドーナ(単位)  
      cakkhumato    ant 眼ある  
      sarīraṃ,    a 身体、舎利、遺体  
      satta    有(帯)  
      doṇaṃ    a 木桶、升、ドーナ(単位)  
      jambudīpe    a 閻浮提、南贍部洲、インド  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      mahenti. mah 使 祀らせる  
    訳文                
     ♪眼あるものの舎利は八ドーナあり、七ドーナ〔の舎利〕を〔諸族が〕南贍部洲で祀らしめる。  
    メモ                
     ・話者による偈。  
     ・「ケーヴァッタ経」487-1.のメモでも触れたが、遺骨を八つのドーナ(升)に分けたのがドーナ婆羅門(しかも彼は容器をもらっている)である、というのも、暗記のための意図的な語呂合わせであろうか。  
                       
                       
                       
    239-14.                
     Ekañca doṇaṃ purisavaruttamassa, rāmagāme nāgarājā maheti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekañ    代的 一つ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      doṇaṃ    a 木桶、升、ドーナ(単位)  
      purisa    a  
      vara    名形 a 男中 優れた、高貴の  
      uttamassa,    a 男中 最上の、最高の  
      rāmagāme    a 男中 地名、ラーマ村  
      nāga    a 依(属)  
      rājā    an  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maheti. mah 使 祀らせる  
    訳文                
     ♪そして、高貴な最上人の一ドーナ〔の舎利〕は、ラーマ村で竜王たちが祀らしめる。  
                       
                       
                       
    239-15.                
     Ekāhi dāṭhā tidivehi pūjitā, ekā pana gandhārapure mahīyati;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekā    代的  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      dāṭhā    ā 歯牙  
      tidivehi    a 三十三天  
      pūjitā,  pūj 過分 a 供養された  
      ekā    代的  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      gandhāra    a 依(属) 地名、ガンダーラ国  
      pure    a 城、都、市  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      mahīyati; mah 受 祀られる  
    訳文                
     ♪じつに、一本の歯は三十三天によって供養され、また一本は、ガンダーラ国の都に祀られる。  
                       
                       
                       
    239-16.                
     Kāliṅgarañño vijite punekaṃ, ekaṃ pana nāgarājā maheti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kāliṅga    a 依(属) 地名、カリンガ  
      rañño    an  
      vijite  vi-ji 名過分 a 征服された、領土  
      puna    不変 さらに、ふたたび  
      ekaṃ,    代的  
      ekaṃ    代的  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      nāga    a 依(属)  
      rājā    an  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maheti. mah 使 祀らせる  
    訳文                
     ♪さらに、カリンガ王領で一本を、また竜王たちが一本を祀らしめる。  
                       
                       
                       
    239-17.                
     Tasseva tejena ayaṃ vasundharā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      tejena    a 火、威光  
      ayaṃ    代的 これ  
      vasu    u 依(対)  
      dharā,  dhṛ ā もつ、保持する →地、大地  
    訳文                
     ♪じつに、彼の威光によってこの地  
                       
                       
                       
    239-18.                
     Āyāgaseṭṭhehi mahī alaṅkatā;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Āyāga    a 供物、受献者  
      seṭṭhehi    a 男中 最上の、殊勝の  
      mahī    ī 地、大地  
      alaṅkatā; alaṃ-kṛ 過分 a 飾られた、荘厳された  
    訳文                
     ♪大地は、最上の供物で荘厳される。  
                       
                       
                       
    239-19.                
     Evaṃ imaṃ cakkhumato sarīraṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      imaṃ    代的 これ  
      cakkhumato    ant 眼ある  
      sarīraṃ,   a 身体、舎利、遺体  
    訳文                
     ♪かくのごとく、かの眼あるものの舎利は、  
                       
                       
                       
    239-20.                
     Susakkataṃ sakkatasakkatehi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Susakkataṃ  su-sat-kṛ 過分 a よく恭敬された、よく尊敬された  
      sakkata  sat-kṛ 過分 a 恭敬された、尊敬された  
      sakkatehi. sat-kṛ 過分 a 男中 恭敬された、尊敬された  
    訳文                
     ♪それぞれの恭敬によって、よく尊敬される  
    メモ                
     ・sakkatasakkatehi、「いとよく恭敬せられぬ」(『南伝』)、「崇拝されている」(『パーリ』)、「種々にいともよく、崇敬されている」(『原始』)。ここでは『原始』のように畳語のニュアンスで訳してみた。  
                       
                       
                       
    239-21.                
     Devindanāgindanarindapūjito,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Deva    a 依(属) 天、神  
      inda    a 帝釈天、王  
      nāga    a 依(属) 竜、蛇  
      inda    a 帝釈天、王  
      nara    a 依(属) 人間  
      inda    a 依(具) 帝釈天、王  
      pūjito, pūj 過分 a 供養された  
    訳文                
     ♪天王たち、龍王たち、人王たちに供養され、  
                       
                       
                       
    239-22.                
     Manussindaseṭṭhehi tatheva pūjito;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Manussa    a 依(属) 人間  
      inda    a 帝釈天、王  
      seṭṭhehi    a 男中 最上の、殊勝の  
      tathā    不変 そのごとく  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      pūjito; pūj 過分 a 供養された  
    訳文                
     ♪最上の人王たちに供養された、その如くに、  
                       
                       
                       
    239-23.                
     Taṃ vandatha [taṃ taṃ vandatha (syā.)] pañjalikā labhitvā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vandatha  vand 礼拝する、尊敬する  
      語根 品詞 語基 意味  
      pañjalikā    a 男女 合掌の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      labhitvā, labh 得る  
    訳文                
     ♪あなた方は彼を得て、合掌し礼拝せよ。  
                       
                       
                       
    239-24.                
     Buddho have kappasatehi dullabhoti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Buddho  budh 名過分 a 仏陀  
      have    不変 じつに  
      kappa    a  
      satehi    a  
      dullabho  dur-labh a 得難い  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪じつに仏陀は、数百劫にも得難い故に。  
                       
                       
                       
    239-25.                
     Cattālīsa samā dantā, kesā lomā ca sabbaso;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Cattālīsa    a 四十  
      samā    a 等しい  
      dantā,    a  
      kesā    a  
      lomā    an  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      sabbaso;   不変 あまねく  
    訳文                
     ♪あまねく、四十本の均等な歯、髪、また毛あり。  
    メモ                
     ・この二行は『原始』、『南伝』にない。PTS版に無いようである。  
     ・四十本の歯は、三十二大人相のひとつ。  
     ・十九以上の数詞は性をもち曲用するのだが、ここでのCattālīsāpañcaなどと同じ、特殊な曲用を見せているようである。  
                       
                       
                       
    239-26.                
     Devā hariṃsu ekekaṃ, cakkavāḷaparamparāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Devā    a 神、天  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hariṃsu  hṛ 能反 運ぶ  
      語根 品詞 語基 意味  
      eka    代的  
      ekaṃ,    代的  
      cakkavāḷa     a 男中 依(対) 鉄囲山  
      paramparā    a 副奪 相続、展転、次から次へ  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪神々は一つ一つを、鉄囲山につぎつぎ運んだ。  
                       
                       
                       
    239-27.                
     Mahāparinibbānasuttaṃ niṭṭhitaṃ tatiyaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahā    ant 大きい  
      parinibbāna  pati-nir-vā? a 依(属) 般涅槃、円寂  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
      niṭṭhitaṃ  nih-sthā 過分 a 完了した、終わった  
      tatiyaṃ.   a 第三の  
    訳文                
     〔『長部』「大篇」〕第三〔経〕「大般涅槃経」おわり。  
                       
                       
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