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     3. Ghaṭasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ghaṭa    ā 依(属) 群、集団  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「群塊経」(『相応部』21-3  
                       
                       
                       
    237-1.                
     237. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      me    代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 所聞、聞かれた  
    訳文                
     私はこのように聞いた。  
                       
                       
                       
    237-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā sāvatthiyaṃ viharati jetavane anāthapiṇḍikassa ārāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      sāvatthiyaṃ    ī 地名、サーヴァッティー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      jetavane    a 地名、ジェータ林、祇樹、祇園  
      anāthapiṇḍikassa    a 人名、アナータピンディカ、給孤独  
      ārāme.    a  
    訳文                
     あるとき世尊は、サーヴァッティーのジェータ林、アナータピンディカ園に住しておられた。  
                       
                       
                       
    237-3.                
     Tena kho pana samayena āyasmā ca sāriputto āyasmā ca mahāmoggallāno rājagahe viharanti veḷuvane kalandakanivāpe ekavihāre.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      sāriputto    a 人名、サーリプッタ  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      mahāmoggallāno    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      rājagahe    a 地名、ラージャガハ、王舎城  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharanti  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      veḷuvane    a 竹林  
      kalandakanivāpe  ni-vap a 地名、カランダカニヴァーパ(リスの餌場)  
      eka    代的 一、とある  
      vihāre.  vi-hṛ a 住、精舎  
    訳文                
     さてそのとき、尊者サーリプッタと尊者マハーモッガッラーナは、ラージャガハの竹林、カランダカニヴァーパのとある精舎に住していた。  
                       
                       
                       
    237-4.                
     Atha kho āyasmā sāriputto sāyanhasamayaṃ paṭisallānā vuṭṭhito yenāyasmā mahāmoggallāno tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      sāriputto    a 人名、サーリプッタ  
      sāyanha    a 依(属) 夕方  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      paṭisallānā  prati-saṃ-lī a 独坐  
      vuṭṭhito  (vi-)ud-sthā 過分 a 出定した  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      mahāmoggallāno    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときに尊者サーリプッタは、夕暮れ時、独坐より出定すると、尊者マハーモッガッラーナへ近づいた。  
                       
                       
                       
    237-5.                
     upasaṅkamitvā āyasmatā mahāmoggallānena saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      āyasmatā    ant 尊者、具寿  
      mahāmoggallānena    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     近づいて、尊者マハーモッガッラーナと挨拶した。  
                       
                       
                       
    237-6.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  saṃ-raj 未分 a 相慶慰すべき、喜ぶべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati-sṛ 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     喜ばしき慶賀の言葉を交わして、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    237-7.                
     Ekamantaṃ nisinno kho āyasmā sāriputto āyasmantaṃ mahāmoggallānaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      sāriputto    a 人名、サーリプッタ  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      mahāmoggallānaṃ    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐った尊者サーリプッタは、尊者マハーモッガッラーナへこう言った。  
                       
                       
                       
    237-8.                
     ‘‘Vippasannāni kho te, āvuso moggallāna, indriyāni;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Vippasannāni  vi-pra-sad 過分 a 明浄な、清浄な  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      te,    代的 あなた  
      āvuso    不変 友よ  
      moggallāna,    a 人名、モッガッラーナ  
      indriyāni;    a 根、感覚器官  
    訳文                
     「友よ、あなたの諸感官は明浄となっています。  
                       
                       
                       
    237-9.                
     parisuddho mukhavaṇṇo pariyodāto santena nūnāyasmā mahāmoggallāno ajja vihārena vihāsī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      parisuddho  pari-śudh 過分 a 遍浄の、清浄の  
      mukha    a 依(属) 口、面  
      vaṇṇo    a 色、容色  
      pariyodāto  pari-ava-dā 過分 a 浄化した、清白の  
      santena  śam 現分 a 寂静の  
      nūna    不変 たしかに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      mahāmoggallāno    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      ajja    不変 今日、今  
      vihārena  vi-hṛ a 住、住法  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vihāsī’’  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     顔色は、清浄、清白となっています。尊者モッガッラーナは今日、寂静の住法によって住したのではありませんか」  
                       
                       
                       
    237-10.                
     ‘‘Oḷārikena khvāhaṃ, āvuso, ajja vihārena vihāsiṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Oḷārikena    a 粗大な  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      āvuso,    不変 友よ  
      ajja    不変 今日、今  
      vihārena  vi-hṛ a 住、住法  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vihāsiṃ.  vi-hṛ 住する、ある  
    訳文                
     「友よ、私は今日は、粗大な住法によって住しました。  
                       
                       
                       
    237-11.                
     Api ca, me ahosi dhammī kathā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ca,    不変 と、また、そして、しかし  
      me    代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dhammī    ī 法の  
      kathā’’    ā  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかし私には、法話があったのです」  
                       
                       
                       
    237-12.                
     ‘‘Kena saddhiṃ panāyasmato mahāmoggallānassa ahosi dhammī kathā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kena    代的 何、誰  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      āyasmato    ant 尊者、具寿  
      mahāmoggallānassa    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dhammī    ī 法の  
      kathā’’    ā  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「しからば尊者マハーモッガッラーナには、誰との法話があったのでしょうか」  
                       
                       
                       
    237-13.                
     ‘‘Bhagavatā kho me, āvuso, saddhiṃ ahosi dhammī kathā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Bhagavatā    ant 世尊  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      me,    代的  
      āvuso,    不変 友よ  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dhammī    ī 法の  
      kathā’’    ā  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「友よ、私には、世尊との法話があったのです」  
                       
                       
                       
    237-14.                
     ‘‘Dūre kho, āvuso, bhagavā etarahi sāvatthiyaṃ viharati jetavane anāthapiṇḍikassa ārāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Dūre    a 男中 遠い  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      āvuso,    不変 友よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      etarahi    不変 いま、現在  
      sāvatthiyaṃ    ī 地名、サーヴァッティー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      jetavane    a 地名、ジェータ林、祇樹、祇園  
      anāthapiṇḍikassa    a 人名、アナータピンディカ、給孤独  
      ārāme.    a  
    訳文                
     「友よ世尊はいま、とおくサーヴァッティーのジェータ林、アナータピンディカ園に住しておらます。  
                       
                       
                       
    237-15.                
     Kiṃ nu kho, āyasmā, mahāmoggallāno bhagavantaṃ iddhiyā upasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kiṃ    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      āyasmā,    ant 尊者、具寿  
      mahāmoggallāno    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      iddhiyā    i 神通、神変  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     いったい、尊者モッガッラーナが世尊へ神通によって近づいたのでしょうか。  
                       
                       
                       
    237-16.                
     udāhu bhagavā āyasmantaṃ mahāmoggallānaṃ iddhiyā upasaṅkamī’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      udāhu    不変 あるいは、または、然らざれば  
      bhagavā    ant 世尊  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      mahāmoggallānaṃ    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      iddhiyā    i 神通、神変  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamī’’  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     あるいは、世尊が尊者モッガッラーナへ神通によって近づいたのでしょうか」  
                       
                       
                       
    237-17.                
     ‘‘Na khvāhaṃ, āvuso, bhagavantaṃ iddhiyā upasaṅkamiṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      āvuso,    不変 友よ  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      iddhiyā    i 神通、神変  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamiṃ;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     「友よ、私が世尊へ神通によって近づいたのではありません。  
                       
                       
                       
    237-18.                
     napi maṃ bhagavā iddhiyā upasaṅkami.   
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      maṃ    代的  
      bhagavā    ant 世尊  
      iddhiyā    i 神通、神変  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami.  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     世尊が私へ神通によって近づいたのでもありません。  
                       
                       
                       
    237-19.                
     Api ca, me yāvatā bhagavā ettāvatā dibbacakkhu visujjhi dibbā ca sotadhātu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ca,    不変 と、また、そして、しかし  
      me    代的  
      yāvatā    不変 〜所のそれだけで、〜である限り  
      bhagavā    ant 世尊  
      ettāvatā    不変 これだけ、この範囲で  
      dibba    a 依(属) 天の  
      cakkhu    us  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      visujjhi  vi-śudh 清まる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dibbā    a 天の、神の  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      sota  śru as 依(属)  
      dhātu.    u 界、要素  
    訳文                
     しかし、世尊〔との法話が可能になる〕だけ、私の天眼と天の耳界は清まりました。  
    メモ                
     ・yāvatā云々を『南伝』は「私の如く世尊は」、『原始』は「私は世尊〔を見、声を聞けるように〕」、『パーリ』は「世尊がおられるために」とする。ここでは『原始』の補訳がもっとも筋が通ると判断して倣った。  
                       
                       
                       
    237-20.                
     Bhagavatopi yāvatāhaṃ ettāvatā dibbacakkhu visujjhi dibbā ca sotadhātū’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhagavato    ant 世尊  
      pi yāvatāhaṃ ettāvatā dibbacakkhu visujjhi dibbā ca sotadhātū’’ (237-19.)  
      ahaṃ    代的  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     また、私〔との法話が可能になる〕だけ、世尊の天眼と天の耳界はの清まったのです」  
                       
                       
                       
    237-21.                
     ‘‘Yathākathaṃ panāyasmato mahāmoggallānassa bhagavatā saddhiṃ ahosi dhammī kathā’’ti?  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      āyasmato    ant 尊者、具寿  
      mahāmoggallānassa    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      bhagavatā    ant 世尊  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dhammī    ī 法の  
      kathā’’    ā  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「しからば、尊者マハーモッガッラーナには、世尊とのいかなる法話があったのでしょうか」  
                       
                       
                       
    237-22.                
     ‘‘Idhāhaṃ, āvuso, bhagavantaṃ etadavocaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      ahaṃ,    代的  
      āvuso,    不変 友よ  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avocaṃ –  vac 言う、語る、説く  
    訳文                
     「友よ、ここなる私は世尊へこう言いました。  
                       
                       
                       
    237-23.                
     ‘āraddhavīriyo āraddhavīriyoti, bhante, vuccati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘āraddha  ā-rabh 過分 a 有(持) 開始した、励んだ  
      vīriyo    a 中→男 精進  
      āraddha  ā-rabh 過分 a 有(持) 開始した、励んだ  
      vīriyo    a 中→男 精進  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vuccati.  vac 受 いわれる  
    訳文                
     『尊者よ、勤精進者、勤精進者といわれます。  
                       
                       
                       
    237-24.                
     Kittāvatā nu kho, bhante, āraddhavīriyo hotī’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kittāvatā    不変 どれだけで、どの範囲で、どの点から  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      āraddha  ā-rabh 過分 a 有(持) 開始した、励んだ  
      vīriyo    a 中→男 精進  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hotī’  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     尊者よ、いったいどれほどをもってすれば、勤精進者となるのでしょうか』と。  
                       
                       
                       
    237-25.                
     Evaṃ vutte, maṃ, āvuso, bhagavā etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte,  vac 受 過分 a いわれた  
      maṃ,    代的  
      āvuso,    不変 友よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     友よ、このように言われて、世尊は私へこう仰いました。  
                       
                       
                       
    237-26.                
     ‘idha, moggallāna, bhikkhu āraddhavīriyo viharati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘idha,    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      moggallāna,    a 人名、モッガッラーナ  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      āraddha  ā-rabh 過分 a 有(持) 開始した、励んだ  
      vīriyo    a 中→男 精進  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati –  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     『モッガッラーナよ、ここに比丘が勤精進者として住した〔とします〕。  
                       
                       
                       
    237-27.                
     kāmaṃ taco ca nhāru ca aṭṭhī ca avasissatu, sarīre upasussatu maṃsalohitaṃ, yaṃ taṃ purisathāmena purisavīriyena purisaparakkamena pattabbaṃ na taṃ apāpuṇitvā vīriyassa saṇṭhānaṃ bhavissatīti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      kāmaṃ    a 男中 副対 むしろ、勝手に  
      taco    as 皮膚  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      nhāru    u 腱、筋  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      aṭṭhī    i  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avasissatu,  ava-śiṣ 余る、残る  
      語根 品詞 語基 意味  
      sarīre    a 身体、遺体、舎利  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasussatu  upa-śuṣ 乾燥する、しなびる  
      語根 品詞 語基 意味  
      maṃsa    a  
      lohitaṃ,    名形 a 血、赤い  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      taṃ    代的 それ、彼  
      purisa    a 依(属) 人、男  
      thāmena    as/an 力、勢力  
      purisa    a 依(属) 人、男  
      vīriyena    a 精進  
      purisa    a 依(属) 人、男  
      parakkamena  para-kram a 努力、勇猛  
      pattabbaṃ  pra-āp 未分 a 得達されるべき  
      na    不変 ない  
      taṃ    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      apāpuṇitvā  a-pra-āp 得達しない  
      語根 品詞 語基 意味  
      vīriyassa    a 精進  
      saṇṭhānaṃ  saṃ-sthā a 止息  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavissatī  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     勝手に、皮膚と筋と骨〔だけ〕が残るがいい。身において、肉と血がしなびればいい。およそ、人の力、人の精進、人の努力によって得達されるべきもの、それが得達されないままに、精進が止息することはあり得ないといって。  
    メモ                
     ・『中部』70「キーターギリ経」などにパラレル。  
     ・なぜかaṭṭhīとあるがaṭṭhiとすべきであろう。  
                       
                       
                       
    237-28.                
     Evaṃ kho, moggallāna, āraddhavīriyo hotī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      moggallāna,    a 人名、モッガッラーナ  
      āraddha  ā-rabh 過分 a 有(持) 開始した、励んだ  
      vīriyo    a 中→男 精進  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hotī’  bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     モッガッラーナよ、このように比丘は勤精進者となるのです』と。  
                       
                       
                       
    237-29.                
     Evaṃ kho me, āvuso, bhagavatā saddhiṃ ahosi dhammī kathā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      me,    代的  
      āvuso,    不変 友よ  
      bhagavatā saddhiṃ ahosi dhammī kathā’’ti. (237-21.)  
    訳文                
     友よ、私には、世尊との、このような法話があったのです」  
                       
                       
                       
    237-30.                
     ‘‘Seyyathāpi, āvuso, himavato pabbatarājassa parittā pāsāṇasakkharā yāvadeva upanikkhepanamattāya;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      āvuso,    不変 友よ  
      himavato    ant 地名、ヒマヴァント  
      pabbata    a 依(属)  
      rājassa    an  
      parittā    a 小さい、少ない  
      pāsāṇa    a 依(属) 岩、石  
      sakkharā    ā 砂、砂利、小石  
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      upanikkhepanam  upa-ni-kṣip a 近くにおくこと  
      attāya;    a 男中 義、目的  
    訳文                
     「あたかも友よ、山の王ヒマヴァントにとって、小さな砂利はただ近くに置かれているためだけのものであるように、  
    メモ                
     ・この文は要再検討。  
                       
                       
                       
    237-31.                
     evameva kho mayaṃ āyasmato mahāmoggallānassa yāvadeva upanikkhepanamattāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      mayaṃ    代的 私たち  
      āyasmato    ant 尊者、具寿  
      mahāmoggallānassa    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      upanikkhepanam  upa-ni-kṣip a 近くにおくこと  
      attāya.    a 男中 義、目的  
    訳文                
     まさにそのように、尊者マハーモッガッラーナにとって、我々はただ近くに置かれているためだけのものです。  
                       
                       
                       
    237-32.                
     Āyasmā hi mahāmoggallāno mahiddhiko mahānubhāvo ākaṅkhamāno kappaṃ tiṭṭheyyā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Āyasmā    ant 尊者、具寿  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      mahāmoggallāno    a 人名、マハーモッガッラーナ  
      mahiddhiko    a 大神通ある  
      mahānubhāvo  anu-bhū a 大威力ある  
      ākaṅkhamāno  ā-kāṅkṣ 現分 a 希望する、意欲する  
      kappaṃ    a 副対 劫、長い間  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      tiṭṭheyyā’’  sthā 立つ、住立する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     なぜなら尊者マハーモッガッラーナには大神通、大威力があり、望むならば一劫をも住立することでしょうから」  
                       
                       
                       
    237-33.                
     ‘‘Seyyathāpi, āvuso, mahatiyā loṇaghaṭāya parittā loṇasakkharāya yāvadeva upanikkhepanamattāya;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      āvuso,    不変 友よ  
      mahatiyā    ī 大きい  
      loṇa    a 依(属)  
      ghaṭāya    ā 群、集団  
      parittā    a 小さい、少ない  
      loṇa    a 依(属)  
      sakkharāya    ā 属(主) 砂、砂利、小石、粒  
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      upanikkhepanam  upa-ni-kṣip a 近くにおくこと  
      attāya;    a 男中 義、目的  
    訳文                
     「あたかも友よ、大きな塩の塊にとって小さな塩粒はただ近くに置かれているためだけのものであるように、  
    メモ                
     ・かかっているmahatiyāが女性形である以上ghaṭāyaも女性であるはずであり、だとすれば諸訳のいうような男性名詞「瓶」でなく女性名詞「群」でなくてはならないことになる。やや奇妙ではあるが有財釈でもあり得ず、やむを得ない。  
     ・またsakkharāya237-30.や文脈からしてsakkharāという女性単数主格でなくてはならないのではないか。  
                       
                       
                       
    237-34.                
     evameva kho mayaṃ āyasmato sāriputtassa yāvadeva upanikkhepanamattāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      evameva kho mayaṃ āyasmato sāriputtassa yāvadeva upanikkhepanamattāya. (237-31.)  
      sāriputtassa    a 人名、サーリプッタ  
    訳文                
     まさにそのように、尊者サーリプッタにとって、我々はただ近くに置かれているためだけのものです。  
                       
                       
                       
    237-35.                
     Āyasmā hi sāriputto bhagavatā anekapariyāyena thomito vaṇṇito pasattho –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Āyasmā    ant 尊者、具寿  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      sāriputto    a 人名、サーリプッタ  
      bhagavatā    ant 世尊  
      aneka    代的 一つならぬ、多数の  
      pariyāyena  pari-i a 法門、理趣、方便  
      thomito    過分 a 称讃された  
      vaṇṇito    過分 a 称讃された  
      pasattho –  pra-śaṃ 過分 a 賞賛された  
    訳文                
     なぜなら尊者サーリプッタは、世尊により、多数の理由によって称讃され、称えられ、誉められているからです。  
                       
                       
                       
    237-36.                
     ‘‘Sāriputtova paññāya, sīlena upasamena ca;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Sāriputto    a 人名、サーリプッタ  
      iva    不変 ごとく  
      paññāya,  pra-jñā ā 智慧  
      sīlena    a  
      upasamena  upa-śam a 寂静、休息、止息  
      ca;    不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     『♪サーリプッタの如く智慧と戒と止息をもって、  
    メモ                
     ・『中部』143「アナータピンディカ教誡経」にパラレル。そちらのメモも参照。  
                       
                       
                       
    237-37.                
     Yopi pāraṅgato bhikkhu, etāvaparamo siyā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yo    代的 (関係代名詞)  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      pāraṅ    名形 a 彼岸、他の  
      gato  gam 過分 a 行った  
      bhikkhu,  bhikṣ u 比丘  
      etāva    不変 これほど、これだけ  
      paramo    a 最高の、最上の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      siyā’’  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪彼岸へ至った比丘は、そのことをもって最上者となるであろう』と」  
                       
                       
                       
    237-38.                
     Itiha te ubho mahānāgā aññamaññassa subhāsitaṃ sulapitaṃ samanumodiṃsūti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Itiha    不変 じつに、このように  
      te    代的 それら、彼ら  
      ubho    両方  
      mahā    ant 大きい  
      nāgā    a 竜、蛇、象  
      aññamaññassa    代的 相互の、展転の  
      subhāsitaṃ  su-bhāṣ 過分 a 善く説かれた  
      sulapitaṃ  su-lap 過分 a よく話された  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samanumodiṃsū  saṃ-anu-mud 喜ぶ、満足する、是認する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     このように彼ら両人の大竜は、互いの、善く説かれたこと、善く話されたことを喜んだ。  
                       
                       
                       
     Tatiyaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tatiyaṃ.    a 第三の  
    訳文                
     第三〔経〕。  
                       
                       
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