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    238-1.                
     238. ‘‘Idha, bhikkhave, ekacce moghapurisā dhammaṃ pariyāpuṇanti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha,    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      ekacce    代的 一類の  
      mogha    a 空虚の、無用の、愚鈍の  
      purisā    a 人、男  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pariyāpuṇanti –  pari-āp 学得する、得達する、了知する、暗記する  
    訳文                
     比丘たちよ、ここに、一部の愚人たちが法を学ぶ〔としましょう〕。  
                       
                       
                       
    238-2.                
     suttaṃ, geyyaṃ, veyyākaraṇaṃ, gāthaṃ, udānaṃ, itivuttakaṃ, jātakaṃ, abbhutadhammaṃ, vedallaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      suttaṃ,  sīv a 経、糸  
      geyyaṃ,  gai a 祇夜、応頌  
      veyyākaraṇaṃ,  vi-ā-kṛ a 解答、記説、記別、授記  
      gāthaṃ,  gai ā 偈頌、伽陀  
      udānaṃ,    a 自説、感興語  
      itivuttakaṃ,  vac a 如是語  
      jātakaṃ,  jan a 本生  
      abbhuta  ā-bhū 名形 a 未曾有の、希有の  
      dhammaṃ,  dhṛ a 男中  
      vedallaṃ.    a 毘陀羅、智解、有明  
    訳文                
     経、応頌、記説、偈、自説、如是語、本生、未曾有法、有明を。  
    メモ                
     ・いわゆる九分教。  
                       
                       
                       
    238-3.                
     Te taṃ dhammaṃ pariyāpuṇitvā tesaṃ dhammānaṃ paññāya atthaṃ na upaparikkhanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それ  
      taṃ    代的 男中 それ  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pariyāpuṇitvā  pari-āp 学得する、得達する、了知する、暗記する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tesaṃ    代的 男中 それら、彼ら  
      dhammānaṃ  dhṛ a 男中  
      paññāya  pra-jñā ā 智慧、般若  
      atthaṃ    a 男中 義、意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upaparikkhanti.  upa-pari-īkṣ 観察する、考察する  
    訳文                
     彼らはその法を学び、〔しかし〕それらの法の意味を、智慧によって考察しません。  
    メモ                
     ・前節まででは単数のdhammaは「世尊によって説かれた法」であり、複数のそれは「障碍の諸法」であったが、どうもここからは両者とも教法の意味になっているようである。諸訳もそう解している。奇妙ではあるが、やむを得ずここでもそのように解した。  
                       
                       
                       
    238-4.                
     Tesaṃ te dhammā paññāya atthaṃ anupaparikkhataṃ na nijjhānaṃ khamanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ    代的 それ  
      te    代的 それ  
      dhammā  dhṛ a 男中  
      paññāya  pra-jñā ā 智慧、般若  
      atthaṃ    a 男中 主絶 義、意味  
      anupaparikkhataṃ  an-upa-pari-īkṣ 過分 a 男中 主絶 考察されなかった  
      na    不変 ない  
      nijjhānaṃ  ni-dhyai 使 a 審慮、理解、歓受  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      khamanti.  kṣam 忍ぶ、耐える  
    訳文                
     彼らにとってそれらの法は、智慧によって意味が考察されておらず、〔ゆえに〕歓受に堪えません。  
    メモ                
     ・atthaṃ anupaparikkhataṃが絶対節を形成しているものとして訳した。  
                       
                       
                       
    238-5.                
     Te upārambhānisaṃsā ceva dhammaṃ pariyāpuṇanti itivādappamokkhānisaṃsā ca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      upārambha  upa-ā-labh a 依(属) 難詰、非難  
      ānisaṃsā    a 功徳、利益、勝利、利点  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pariyāpuṇanti  pari-āp 学得する、得達する、了知する、暗記する  
      語根 品詞 語基 意味  
      iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      vāda  vad a 依(奪) 説、語、論 →噂  
      pamokkha  pra-muc 未分 a 依(属) 脱させるべき、自由にする  
      anisaṃsā    a 功徳、利益、勝利、利点  
      ca.    不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     彼らはただ、難詰に有利であるがゆえに、また悪評から逃れるに有利であるがゆえに、法を学ぶのです。  
                       
                       
                       
    238-6.                
     Yassa catthāya dhammaṃ pariyāpuṇanti tañcassa atthaṃ nānubhonti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yassa    代的 男中 (関係代名詞)  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      atthāya    a 男中 義、目的  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pariyāpuṇanti  pari-āp 学得する、得達する、了知する、暗記する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tañ    代的 男中 それ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      assa    代的 男中 これ  
      atthaṃ    a 男中 義、意味  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anubhonti.  anu-bhū 経験する、受ける  
    訳文                
     およそそれを目的として法を学ぶような、その、それ(法)の意味を、かれらは受けないのです。  
    メモ                
     ・assaの解釈に困り、atthaの訳語を使い分けたが、これでよいかどうか。  
                       
                       
                       
    238-7.                
     Tesaṃ te dhammā duggahitā dīgharattaṃ ahitāya dukkhāya saṃvattanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      te    代的 それら、彼ら  
      dhammā  dhṛ a 男中  
      duggahitā  dur-grah 過分 a 誤って把握された  
      dīgha    a 長い  
      rattaṃ    a 副対 夜 →長い間  
      ahitāya  a-dhā 過分 a 男中 不利益  
      dukkhāya    名形 a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṃvattanti.  saṃ-vṛt 転起する、作用する、導く  
    訳文                
     彼らの、それら誤って把握された法は、長い間の不利益と苦しみのため、作用します。  
                       
                       
                       
    238-8.                
     Taṃ kissa hetu?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ  
      kissa    代的  
      hetu?  hi u 副対 因、原因、理由  
    訳文                
     それはなぜか。  
                       
                       
                       
    238-9.                
     Duggahitattā, bhikkhave, dhammānaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Duggahitattā,  dur-grah a 誤って把握されたこと  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      dhammānaṃ. dhṛ a 男中  
    訳文                
     比丘たちよ、諸々の法が、誤って把握されたからです。  
                       
                       
                       
    238-10.                
     ‘‘Seyyathāpi, bhikkhave, puriso alagaddatthiko alagaddagavesī alagaddapariyesanaṃ caramāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      puriso    a 人、男  
      alagadda    a 依(対) 蛇、毒蛇  
      atthiko    a 希求する、欲求する  
      alagadda    a 依(対) 蛇、毒蛇  
      gavesī  gava-ā-iṣ in 求める、探索する  
      alagadda    a 依(属) 蛇、毒蛇  
      pariyesanaṃ  pari-iṣ a 遍求  
      caramāno.  car 現分 a 行く、行ずる  
    訳文                
     比丘たちよ、たとえば、蛇を欲し、蛇を求め、蛇の遍求を行ずる男がいる〔とします〕。  
                       
                       
                       
    238-11.                
     So passeyya mahantaṃ alagaddaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passeyya  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      mahantaṃ    ant 大きい  
      alagaddaṃ.    a 蛇、毒蛇  
    訳文                
     彼が、大きな蛇を見るとします。  
                       
                       
                       
    238-12.                
     Tamenaṃ bhoge vā naṅguṭṭhe vā gaṇheyya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ    不変 やがて、ただちに  
      bhoge    a とぐろ  
          不変 あるいは  
      naṅguṭṭhe    a  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gaṇheyya.  grah 取る、捕らえる  
    訳文                
     すぐに、とぐろあるいは尾を掴んだとします。  
                       
                       
                       
    238-13.                
     Tassa so alagaddo paṭiparivattitvā [paṭinivattitvā (syā. ka.)] hatthe vā bāhāya vā aññatarasmiṃ vā aṅgapaccaṅge ḍaṃseyya [ḍaseyya (sī. pī.)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      so    代的 それ、彼  
      alagaddo    a 蛇、毒蛇  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭiparivattitvā  prati-pari-vṛt 使 転回させる、戻り来させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      hatthe  hṛ a  
          不変 あるいは  
      bāhāya    ā  
          不変 あるいは  
      aññatarasmiṃ    代的 随一の、とある  
          不変 あるいは  
      aṅga    a 部分、肢体  
      paccaṅge    a 小肢節  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ḍaṃseyya.  daṃś 咬む  
    訳文                
     その蛇は〔鎌首を〕回して、彼の手、あるいは腕、あるいは他の肢節を咬むでしょう。  
                       
                       
                       
    238-14.                
     So tatonidānaṃ maraṇaṃ vā nigaccheyya maraṇamattaṃ vā dukkhaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      tato    不変 それより、それゆえに、その後  
      nidānaṃ    a 副対 〜によりて  
      maraṇaṃ  mṛ a  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nigaccheyya  ni-gam 受ける、得る、入る、至る  
      語根 品詞 語基 意味  
      maraṇa  mṛ a 依(属)  
      mattaṃ    a 量の、程度の、のみ  
          不変 あるいは  
      dukkhaṃ.    名形 a  
    訳文                
     かれはそれによるがゆえに、死へ、あるいは死ぬ程の苦痛へ至ります。  
                       
                       
                       
    238-15.                
     Taṃ kissa hetu?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ  
      kissa    代的  
      hetu?  hi u 副対 因、原因、理由  
    訳文                
     それはなぜか。  
                       
                       
                       
    238-16.                
     Duggahitattā, bhikkhave, alagaddassa.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Duggahitattā,  dur-grah a 誤って把握されたこと  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      alagaddassa.  dhṛ a 蛇、毒蛇  
    訳文                
     比丘たちよ、蛇が、誤って把握されたからです。  
                       
                       
                       
    238-17.                
     Evameva kho, bhikkhave, idhekacce moghapurisā dhammaṃ pariyāpuṇanti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evam    不変 このように、かくの如き  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave, idhekacce moghapurisā dhammaṃ pariyāpuṇanti – (238-1.)  
    訳文                
     まさにそのように比丘たちよ、ここに、一部の愚人たちが法を学ぶ〔としましょう〕。  
                       
                       
                       
    238-18.                
     suttaṃ, geyyaṃ, veyyākaraṇaṃ, gāthaṃ, udānaṃ, itivuttakaṃ, jātakaṃ, abbhutadhammaṃ, vedallaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      suttaṃ, geyyaṃ, veyyākaraṇaṃ, gāthaṃ, udānaṃ, itivuttakaṃ, jātakaṃ, abbhutadhammaṃ, vedallaṃ. (238-2.)  
    訳文                
     経、応頌、記説、偈、自説、如是語、本生、未曾有法、有明を。  
                       
                       
                       
    238-19.                
     Te taṃ dhammaṃ pariyāpuṇitvā tesaṃ dhammānaṃ paññāya atthaṃ na upaparikkhanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te taṃ dhammaṃ pariyāpuṇitvā tesaṃ dhammānaṃ paññāya atthaṃ na upaparikkhanti. (238-3.)  
    訳文                
     彼らはその法を学び、〔しかし〕それらの法の意味を、智慧によって考察しません。  
                       
                       
                       
    238-20.                
     Tesaṃ te dhammā paññāya atthaṃ anupaparikkhataṃ na nijjhānaṃ khamanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ te dhammā paññāya atthaṃ anupaparikkhataṃ na nijjhānaṃ khamanti. (238-4.)  
    訳文                
     彼らにとってそれらの法は、智慧によって意味が考察されておらず、〔ゆえに〕歓受に堪えません。  
                       
                       
                       
    238-21.                
     Te upārambhānisaṃsā ceva dhammaṃ pariyāpuṇanti itivādappamokkhānisaṃsā ca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te upārambhānisaṃsā ceva dhammaṃ pariyāpuṇanti itivādappamokkhānisaṃsā ca. (238-5.)  
    訳文                
     彼らはただ、難詰に有利であるがゆえに、また悪評から逃れるに有利であるがゆえに、法を学ぶのです。  
                       
                       
                       
    238-22.                
     Yassa catthāya dhammaṃ pariyāpuṇanti tañcassa atthaṃ nānubhonti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yassa catthāya dhammaṃ pariyāpuṇanti tañcassa atthaṃ nānubhonti. (238-6.)  
    訳文                
     およそそれを目的として法を学ぶような、その、それ(法)の意味を、かれらは受けないのです。  
                       
                       
                       
    238-23.                
     Tesaṃ te dhammā duggahitā dīgharattaṃ ahitāya dukkhāya saṃvattanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ te dhammā duggahitā dīgharattaṃ ahitāya dukkhāya saṃvattanti. (238-7.)  
    訳文                
     彼らの、それら誤って把握された法は、長い間の不利益と苦しみのため、作用します。  
                       
                       
                       
    238-24.                
     Taṃ kissa hetu?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ kissa hetu? (238-8.)  
    訳文                
     それはなぜか。  
                       
                       
                       
    238-25.                
     Duggahitattā bhikkhave dhammānaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Duggahitattā bhikkhave dhammānaṃ. (238-9.)  
    訳文                
     比丘たちよ、諸々の法が、誤って把握されたからです。  
                       
                       
                       
    239-1.                
     239. ‘‘Idha pana, bhikkhave, ekacce kulaputtā dhammaṃ pariyāpuṇanti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha pana, bhikkhave, ekacce kulaputtā dhammaṃ pariyāpuṇanti – (238-1.)  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      kula    a 依(属) 家、良家、族姓  
      puttā    a 息子 →善男子  
    訳文                
     また比丘たちよ、ここに、一部の善男子たちが法を学ぶ〔としましょう〕。  
                       
                       
                       
    239-2.                
     suttaṃ, geyyaṃ, veyyākaraṇaṃ, gāthaṃ, udānaṃ, itivuttakaṃ, jātakaṃ, abbhutadhammaṃ, vedallaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      suttaṃ, geyyaṃ, veyyākaraṇaṃ, gāthaṃ, udānaṃ, itivuttakaṃ, jātakaṃ, abbhutadhammaṃ, vedallaṃ. (238-2.)  
    訳文                
     経、応頌、記説、偈、自説、如是語、本生、未曾有法、有明を。  
                       
                       
                       
    239-3.                
     Te taṃ dhammaṃ pariyāpuṇitvā tesaṃ dhammānaṃ paññāya atthaṃ upaparikkhanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te taṃ dhammaṃ pariyāpuṇitvā tesaṃ dhammānaṃ paññāya atthaṃ upaparikkhanti. (238-3.)  
    訳文                
     彼らはその法を学び、それらの法の意味を、智慧によって考察します。  
                       
                       
                       
    239-4.                
     Tesaṃ te dhammā paññāya atthaṃ upaparikkhataṃ nijjhānaṃ khamanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ te dhammā paññāya atthaṃ upaparikkhataṃ nijjhānaṃ khamanti. (238-4.)  
      upaparikkhataṃ  upa-pari-īkṣ 過分 a 男中 主絶 考察された  
    訳文                
     彼らにとってそれらの法は、智慧によって意味が考察されており、〔ゆえに〕歓受に堪えます。  
                       
                       
                       
    239-5.                
     Te na ceva upārambhānisaṃsā dhammaṃ pariyāpuṇanti na itivādappamokkhānisaṃsā ca [na ca itivādappamokkhānisaṃsā (?)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te na ceva upārambhānisaṃsā dhammaṃ pariyāpuṇanti na itivādappamokkhānisaṃsā ca. (238-5.)  
      na    不変 ない  
    訳文                
     彼らはただ難詰に有利であるがゆえではなく、また悪評から逃れるに有利であるがゆえではなくして、法を学ぶのです。  
                       
                       
                       
    239-6.                
     Yassa catthāya dhammaṃ pariyāpuṇanti tañcassa atthaṃ anubhonti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yassa catthāya dhammaṃ pariyāpuṇanti tañcassa atthaṃ anubhonti. (238-6.)  
    訳文                
     およそそれを目的として法を学ぶような、その、それ(法)の意味を、かれらは受けるのです。  
                       
                       
                       
    239-7.                
     Tesaṃ te dhammā suggahitā dīgharattaṃ hitāya sukhāya saṃvattanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ te dhammā suggahitā dīgharattaṃ hitāya sukhāya saṃvattanti. (238-7.)  
      suggahitā  su-grah 過分 a 正しく把握された  
      hitāya  dhā 名過分 a 有益な、利益  
      sukhāya    名形 a  
    訳文                
     彼らの、それら正しく把握された法は、長い間の利益と楽のため、作用します。  
                       
                       
                       
    239-8.                
     Taṃ kissa hetu?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ kissa hetu? (238-8.)  
    訳文                
     それはなぜか。  
                       
                       
                       
    239-9.                
     Suggahitattā bhikkhave dhammānaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Suggahitattā,  su-grah a 正しく把握されたこと  
      bhikkhave dhammānaṃ. (238-9.)  
    訳文                
     比丘たちよ、諸々の法が、正しく把握されたからです。  
                       
                       
                       
    239-10.                
     ‘‘Seyyathāpi, bhikkhave, puriso alagaddatthiko alagaddagavesī alagaddapariyesanaṃ caramāno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Seyyathāpi, bhikkhave, puriso alagaddatthiko alagaddagavesī alagaddapariyesanaṃ caramāno. (238-10.)  
    訳文                
     比丘たちよ、たとえば、蛇を欲し、蛇を求め、蛇の遍求を行ずる男がいる〔とします〕。  
                       
                       
                       
    239-11.                
     So passeyya mahantaṃ alagaddaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So passeyya mahantaṃ alagaddaṃ. (238-11.)  
    訳文                
     彼が、大きな蛇を見るとします。  
                       
                       
                       
    239-12.                
     Tamenaṃ ajapadena daṇḍena suniggahitaṃ niggaṇheyya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ    不変 やがて、ただちに  
      aja    a 有(属) 山羊  
      padena    a  
      daṇḍena    a 鞭、杖  
      suniggahitaṃ  su-ni-grah 過分 a よく抑えられた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      niggaṇheyya.  ni-grah 抑止、折伏、叱責する  
    訳文                
     すぐに、山羊の足状の杖で、よく抑えつけるとしましょう。  
    メモ                
     ・山羊は偶蹄目であり、ひづめが二叉に割れている。つまり先端がY字になった杖という事であろう。  
     ・諸訳はsuniggahitaṃ niggaṇheyya で「よく抑える」としている。ここでもそれにならった。  
                       
                       
                       
    239-13.                
     Ajapadena daṇḍena suniggahitaṃ niggahitvā, gīvāya suggahitaṃ gaṇheyya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Aja    a 有(属) 山羊  
      padena    a  
      daṇḍena    a 鞭、杖  
      suniggahitaṃ  su-ni-grah 過分 a よく抑えられた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      niggahitvā,  ni-grah 抑止、折伏、叱責する  
      語根 品詞 語基 意味  
      gīvāya    ā  
      suggahitaṃ  su-grah 過分 a よく捉えられた  
      gaṇheyya.  grah 取る、捕らえる  
    訳文                
     山羊の足状の杖で、よく抑えつけて、首を捉えたとしましょう。  
                       
                       
                       
    239-14.                
     Kiñcāpi so, bhikkhave, alagaddo tassa purisassa hatthaṃ vā bāhaṃ vā aññataraṃ vā aṅgapaccaṅgaṃ bhogehi paliveṭheyya, atha kho so neva tatonidānaṃ maraṇaṃ vā nigaccheyya maraṇamattaṃ vā dukkhaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kiñ    代的 副対 何、なぜ、いかに  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      api    不変 〜もまた、けれども →たとえ  
      so,    代的 それ、彼  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      alagaddo  dhṛ a 蛇、毒蛇  
      tassa    代的 それ、彼  
      purisassa    a 人、男  
      hatthaṃ  hṛ a  
          不変 あるいは  
      bāhaṃ    ā  
          不変 あるいは  
      aññataraṃ    代的 随一の、とある  
          不変 あるいは  
      aṅga    a 部分、肢体  
      paccaṅgaṃ    a 小肢節  
      bhogehi    a とぐろ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paliveṭheyya,  pari-veṣṭ 包む、囲む  
      語根 品詞 語基 意味  
      atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      neva    不変 じつになし(na-eva  
      tatonidānaṃ maraṇaṃ vā nigaccheyya maraṇamattaṃ vā dukkhaṃ. (238-14.)  
    訳文                
     比丘たちよ、たとえその蛇が彼の手、腕あるいは他の肢節へとぐろを巻き付けようとしても、そこでかれが、それによるがゆえに、死へ、あるいは死ぬ程の苦痛へ至ることはありません。  
                       
                       
                       
    239-15.                
     Taṃ kissa hetu?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ kissa hetu? (238-15.)  
    訳文                
     それはなぜか。  
                       
                       
                       
    239-16.                
     Suggahitattā, bhikkhave, alagaddassa.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Suggahitattā,  su-grah a 正しく把握されたこと  
      bhikkhave, alagaddassa. (238-16.)  
    訳文                
     比丘たちよ、蛇が、正しく把握されたからです。  
                       
                       
                       
    239-17.                
     Evameva kho, bhikkhave, idhekacce kulaputtā dhammaṃ pariyāpuṇanti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evam    不変 このように、かくの如き  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhikkhave, idhekacce kulaputtā dhammaṃ pariyāpuṇanti – (239-1.)  
    訳文                
     まさにそのように、比丘たちよ、ここに、一部の善男子たちが法を学ぶ〔としましょう〕。  
                       
                       
                       
    239-18.                
     suttaṃ, geyyaṃ, veyyākaraṇaṃ, gāthaṃ, udānaṃ, itivuttakaṃ, jātakaṃ, abbhutadhammaṃ, vedallaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      suttaṃ, geyyaṃ, veyyākaraṇaṃ, gāthaṃ, udānaṃ, itivuttakaṃ, jātakaṃ, abbhutadhammaṃ, vedallaṃ. (238-2.)  
    訳文                
     経、応頌、記説、偈、自説、如是語、本生、未曾有法、有明を。  
                       
                       
                       
    239-19.                
     Te taṃ dhammaṃ pariyāpuṇitvā tesaṃ dhammānaṃ paññāya atthaṃ upaparikkhanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te taṃ dhammaṃ pariyāpuṇitvā tesaṃ dhammānaṃ paññāya atthaṃ upaparikkhanti. (238-3.)  
    訳文                
     彼らはその法を学び、それらの法の意味を、智慧によって考察します。  
                       
                       
                       
    239-20.                
     Tesaṃ te dhammā paññāya atthaṃ upaparikkhataṃ nijjhānaṃ khamanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ te dhammā paññāya atthaṃ upaparikkhataṃ nijjhānaṃ khamanti. (239-4.)  
    訳文                
     彼らにとってそれらの法は、智慧によって意味が考察されており、〔ゆえに〕歓受に堪えます。  
                       
                       
                       
    239-21.                
     Te na ceva upārambhānisaṃsā dhammaṃ pariyāpuṇanti, na itivādappamokkhānisaṃsā ca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te na ceva upārambhānisaṃsā dhammaṃ pariyāpuṇanti, na itivādappamokkhānisaṃsā ca. (239-5.)  
    訳文                
     彼らはただ難詰に有利であるがゆえではなく、また悪評から逃れるに有利であるがゆえではなくして、法を学ぶのです。  
                       
                       
                       
    239-22.                
     Yassa catthāya dhammaṃ pariyāpuṇanti, tañcassa atthaṃ anubhonti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yassa catthāya dhammaṃ pariyāpuṇanti, tañcassa atthaṃ anubhonti. (238-6.)  
    訳文                
     およそそれを目的として法を学ぶような、その、それ(法)の意味を、かれらは受けるのです。  
                       
                       
                       
    239-23.                
     Tesaṃ te dhammā suggahitā dīgharattaṃ atthāya hitāya sukhāya saṃvattanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ te dhammā suggahitā dīgharattaṃ atthāya hitāya sukhāya saṃvattanti. (239-7.)  
      atthāya    a 男中 義、利  
    訳文                
     彼らの、それら正しく把握された法は、長い間の利と利益と楽のため、作用します。  
                       
                       
                       
    239-24.                
     Taṃ kissa hetu?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ kissa hetu? (238-8.)  
    訳文                
     それはなぜか。  
                       
                       
                       
    239-25.                
     Suggahitattā, bhikkhave, dhammānaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Suggahitattā, bhikkhave, dhammānaṃ. (239-9.)  
    訳文                
     比丘たちよ、諸々の法が、正しく把握されたからです。  
                       
                       
                       
    239-26.                
     Tasmātiha, bhikkhave, yassa me bhāsitassa atthaṃ ājāneyyātha, tathā naṃ dhāreyyātha.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tasmā    代的 それ、彼  
      iha,    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      yassa    代的 (関係代名詞)  
      me    代的  
      bhāsitassa  bhāṣ 名過分 a 言われた、所説  
      atthaṃ    a 男中 意味  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ājāneyyātha,  ā-jñā 了知する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tathā    不変 かく、その如く  
      naṃ    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dhāreyyātha.  dhṛ 保つ、保持する、憶持する  
    訳文                
     それゆえここに、比丘たちよ、およそあなたがたが私の所説の意味を了知したならば、それをその通りに憶持しなさい。  
                       
                       
                       
    239-27.                
     Yassa ca pana me bhāsitassa atthaṃ na ājāneyyātha, ahaṃ vo tattha paṭipucchitabbo, ye vā panāssu viyattā bhikkhū.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Yassa ca pana me bhāsitassa atthaṃ na ājāneyyātha, (239-27.)  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      na    不変 ない  
      ahaṃ    代的  
      vo    代的 あなたたち  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      paṭipucchitabbo,  prati-prach 未分 a 質問、反問されるべき  
      ye    代的 (関係代名詞)  
          不変 あるいは  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assu    ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      viyattā  vi-añj 過分 a 聡明な、有能な  
      bhikkhū. bhikṣ u 比丘  
    訳文                
     また、およそあなたがたが私の所説の意味を了知できなかったたならば、それに関して私、あるいは聡明である比丘たちが、あなたがたに質問されるべきです。  
                       
                       
                       
    240-1.                
     240. ‘‘Kullūpamaṃ vo, bhikkhave, dhammaṃ desessāmi nittharaṇatthāya, no gahaṇatthāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Kulla    a 有(属)  
      upamaṃ    ā 女→男中 譬喩  
      vo,    代的 あなたたち  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desessāmi  diś 使 示す、教示する  
      語根 品詞 語基 意味  
      nittharaṇa  nis-tṛ a 有(持) 度脱、超度  
      atthāya,    a 男中 義、目的  
      no    不変 ない、否  
      gahaṇa  grah a 有(持) 把持、執持  
      atthāya.    a 男中 義、目的  
    訳文                
     比丘たちよ、私は、把持を目的としたものでなく、度脱を目的とした、筏の譬喩なる法を教示しましょう。  
                       
                       
                       
    240-2.                
     Taṃ suṇātha, sādhukaṃ manasikarotha, bhāsissāmī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      suṇātha,  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      sādhukaṃ  sādh a 副対 よい、十分に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      manasikarotha,  manasi-kṛ 作意する  
      bhāsissāmī’’  bhāṣ 語る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     それを聞き、よく作意してください。私は語ることにしましょう」  
                       
                       
                       
    240-3.                
     ‘‘Evaṃ, bhante’’ti kho te bhikkhū bhagavato paccassosuṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bhante’’  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      te    代的 それら、彼ら  
      bhikkhū  bhikṣ u 比丘  
      bhagavato    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccassosuṃ.  prati-śru 応諾する、同意する、応える  
    訳文                
     「尊者よ、そのように」と、彼ら比丘たちは世尊へ応えた。  
                       
                       
                       
    240-4.                
     Bhagavā etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhagavā    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      etad    代的 これ  
      語根 品詞 語基 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     世尊はこう仰った。  
                       
                       
                       
    240-5.                
     ‘‘seyyathāpi, bhikkhave, puriso addhānamaggappaṭipanno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi,    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      puriso    a  
      addhāna    a 依(与) 路、旅路  
      magga    a 依(対)  
      paṭipanno.  paṭi-pad 過分 a 目的に向かって歩いた、進んだ  
    訳文                
     「比丘たちよ、たとえば、旅路を進む男がいる〔としましょう〕。  
                       
                       
                       
    240-6.                
     So passeyya mahantaṃ udakaṇṇavaṃ, orimaṃ tīraṃ sāsaṅkaṃ sappaṭibhayaṃ, pārimaṃ tīraṃ khemaṃ appaṭibhayaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passeyya  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      mahantaṃ    ant 大きい  
      udaka    a 依(属)  
      aṇṇavaṃ,    a 海、河 →水流  
      orimaṃ    a 此方の、劣った  
      tīraṃ  tṛ a  
      sāsaṅkaṃ    a 心配な、危惧ある  
      sappaṭibhayaṃ,  sa-prati-bhī a 怖畏ある、恐ろしい  
      pārimaṃ    a 彼方の  
      tīraṃ  tṛ a  
      khemaṃ    名形 a 安穏な、平安  
      appaṭibhayaṃ;  a-prati-bhī a 恐れのない  
    訳文                
     彼が、こちらの岸は危険で恐ろしく、あちらの岸は平安で恐れのない〔ような〕大きな水の流れを見たとします。  
    メモ                
     ・関係代名詞が省略されているように読んだ。  
                       
                       
                       
    240-7.                
     na cassa nāvā santāraṇī uttarasetu vā apārā pāraṃ gamanāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assa  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      nāvā    ā  
      santāraṇī  saṃ-tṛ ī 済度、渡すもの、船  
      uttara  ud-tṛ 代的 超える  
      setu    u  
          不変 あるいは  
      apārā    名形 a 此岸  
      pāraṃ    名形 a 彼岸  
      gamanāya.  gam a 行く、歩行、旅行  
    訳文                
     そしてまた、渡し船、あるいは此岸から彼岸へ行くためのかけ橋もないとします。  
                       
                       
                       
    240-8.                
     Tassa evamassa –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assa –  as ある、なる  
    訳文                
     彼にはこのような〔思いが〕起こるでしょう。  
                       
                       
                       
    240-9.                
     ‘ayaṃ kho mahāudakaṇṇavo, orimaṃ tīraṃ sāsaṅkaṃ sappaṭibhayaṃ, pārimaṃ tīraṃ khemaṃ appaṭibhayaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayaṃ    代的 これ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      mahā    ant 大きい  
      udaka    a 依(属)  
      aṇṇavo,    a 中(男) 海、河 →水流  
      orimaṃ tīraṃ sāsaṅkaṃ sappaṭibhayaṃ, pārimaṃ tīraṃ khemaṃ appaṭibhayaṃ; (240-6.)  
    訳文                
     『これはじつに大きな水の流れであり、こちらの岸は危険で恐ろしく、あちらの岸は平安で恐れがない。  
                       
                       
                       
    240-10.                
     natthi ca nāvā santāraṇī uttarasetu vā apārā pāraṃ gamanāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      natthi ca nāvā santāraṇī uttarasetu vā apārā pāraṃ gamanāya. (240-7.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi  as ある、なる  
    訳文                
     そしてまた、渡し船、あるいは此岸から彼岸へ行くためのかけ橋もない。  
                       
                       
                       
    240-11.                
     Yaṃnūnāhaṃ tiṇakaṭṭhasākhāpalāsaṃ saṃkaḍḍhitvā, kullaṃ bandhitvā, taṃ kullaṃ nissāya hatthehi ca pādehi ca vāyamamāno sotthinā pāraṃ uttareyya’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃnūna    不変 〜してはどうか  
      ahaṃ    代的  
      tiṇa    a  
      kaṭṭha    a 薪、木片、棒  
      sākhā    ā  
      palāsaṃ    a 男中 樹葉  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṃkaḍḍhitvā,  saṃ-kṛṣ 集める、引き寄せる、調べる  
      語根 品詞 語基 意味  
      kullaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bandhitvā,  band 縛る、結ぶ  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 それ、彼  
      kullaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nissāya  ni-śri 依る  
      語根 品詞 語基 意味  
      hatthehi  hṝ a  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pādehi    a  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      vāyamamāno  vi-ā-yam 現分 a 努力する、励む  
      sotthinā    i 副具 無事に、平穏に  
      pāraṃ    名形 a 彼岸  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uttareyya’n  ud-tṛ 能反 水からあがる、渡る、超える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     私は、草、木片、枝、葉を集めて筏を組み、その筏によって、手足ではげみ、無事に向こう岸へ渡ってはどうだろうか』と。  
                       
                       
                       
    240-12.                
     Atha kho so, bhikkhave, puriso tiṇakaṭṭhasākhāpalāsaṃ saṃkaḍḍhitvā, kullaṃ bandhitvā taṃ kullaṃ nissāya hatthehi ca pādehi ca vāyamamāno sotthinā pāraṃ uttareyya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so,    代的 それ、彼  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      puriso    a 人、男  
      tiṇakaṭṭhasākhāpalāsaṃ saṃkaḍḍhitvā, kullaṃ bandhitvā taṃ kullaṃ nissāya hatthehi ca pādehi ca vāyamamāno sotthinā pāraṃ (240-11.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uttareyya.  ud-tṛ 水からあがる、渡る、超える  
    訳文                
     比丘たちよ、そこでその男が、草、木片、枝、葉を集めて筏を組み、その筏によって、手足ではげみ、無事に向こう岸へ渡ったとします。  
                       
                       
                       
    240-13.                
     Tassa purisassa uttiṇṇassa [tiṇṇassa (pī. ka.)] pāraṅgatassa evamassa –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      purisassa    a 人、男  
      uttiṇṇassa  ud-tṛ 過分 a 渡った  
      pāraṅ    名形 a 彼岸  
      gatassa  gam 過分 a 行った  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assa –  as ある、なる  
    訳文                
     〔流れを〕渡って、向こう岸へ行ったその男に、このような〔思いが〕起こったとします。  
    メモ                
     ・辞書類にはud-tṛの過去分詞はottiṇṇaで出るが、ここではuttiṇṇaをその異体とみた。  
                       
                       
                       
    240-14.                
     ‘bahukāro kho me ayaṃ kullo;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘bahu    u 依(属) 多い  
      kāro  kṛ a 行為、作者 →多益、援助者  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      me    代的  
      ayaṃ    代的 これ  
      kullo;    a  
    訳文                
     『私のこの筏はたいへん役に立った。  
                       
                       
                       
    240-15.                
     imāhaṃ kullaṃ nissāya hatthehi ca pādehi ca vāyamamāno sotthinā pāraṃ uttiṇṇo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      imaṃ    代的 これ  
      ahaṃ    代的  
      kullaṃ nissāya hatthehi ca pādehi ca vāyamamāno sotthinā pāraṃ (240-11.)  
      uttiṇṇo.  ud-tṛ 過分 a 渡った  
    訳文                
     私はこの筏によって、手足ではげみ、無事に向こう岸へ渡った。  
    メモ                
     ・渡り終わったのに「向こう岸」というのも妙だが、いちおうそのまま訳した。  
                       
                       
                       
    240-16.                
     Yaṃnūnāhaṃ imaṃ kullaṃ sīse vā āropetvā khandhe vā uccāretvā [uccopetvā (ka.)] yena kāmaṃ pakkameyya’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃnūna    不変 〜してはどうか  
      ahaṃ    代的  
      imaṃ    代的 これ  
      kullaṃ    a  
      sīse    a 頭、頂  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āropetvā  ā-ruh 使 上らせる  
      語根 品詞 語基 意味  
      khandhe    a 蘊、肩  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uccāretvā  ud-car 高く挙げる  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞)  
      kāmaṃ    a 男中 副対 むしろ、勝手に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pakkameyya’n  pra-kram 能反 出発する、進む  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     私はこの筏を頭に乗せ、あるいは肩に担いで、欲する所へ出発してはどうか』と。  
                       
                       
                       
    240-17.                
     Taṃ kiṃ maññatha, bhikkhave, api nu so puriso evaṃkārī tasmiṃ kulle kiccakārī assā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ、彼、彼女  
      kiṃ    不変 何、どう  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      maññatha,  man 考える  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhikkhave,  bhikṣ u 比丘  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      so    代的 それ、彼  
      puriso    a 人、男  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kārī  kṛ in なす、行う、作者  
      tasmiṃ    代的 それ、彼  
      kulle    a  
      kicca  kṛ 未分 a 依(対) なされるべき  
      kārī  kṛ in なす、行う、作者  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assā’’  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     比丘たちよ、これをどう考えますか。いったい、そのようになすその男は、その筏に関してなすべき事をなす者であるでしょうか」  
                       
                       
                       
    240-18.                
     ‘‘No hetaṃ, bhante’’.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘No    不変 ない、否  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      etaṃ,    代的 これ  
      bhante’’.  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
    訳文                
     「尊者よ、それはじつに否です」  
                       
                       
                       
    240-19.                
     ‘‘Kathaṃkārī ca so, bhikkhave, puriso tasmiṃ kulle kiccakārī assa?   
      語根 品詞<