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     2. Raṭṭhapālasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Raṭṭhapāla    a 依(属) 人名、ラッタパーラ  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「ラッタパーラ経」(『中部』82  
                       
                       
                       
    293-1.                
     293. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      me    代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた  
    訳文                
     私はこのように聞いた。  
                       
                       
                       
    293-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā kurūsu cārikaṃ caramāno mahatā bhikkhusaṅghena saddhiṃ yena thullakoṭṭhikaṃ [thūlakoṭṭhikaṃ (sī. syā. kaṃ. pī.)] nāma kurūnaṃ nigamo tadavasari.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ    a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      kurūsu    u 地名、クル国  
      cārikaṃ    名形 a 男中 旅行、遊行、徘徊  
      caramāno  car 現分 a 行ずる  
      mahatā    ant 大きな、偉大な  
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘  
      saṅghena  saṃ-hṛ a 僧伽  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      yena    代的 (関係代名詞)  
      thullakoṭṭhikaṃ    a 地名、トゥッラコッティカ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      kurūnaṃ    u 地名、クル国  
      nigamo    a  
      tad    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avasari.  ava-sṛ 異郷へ移る、至る、入る  
    訳文                
     あるとき世尊は、大比丘僧伽とともにクル国に遊行し、トゥッラコッティカという名の、クル国の婆羅門の村へ入られた。  
                       
                       
                       
    293-3.                
     Assosuṃ kho thullakoṭṭhikā [thūlakoṭṭhitakā (sī. syā. kaṃ. pī.)] brāhmaṇagahapatikā –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Assosuṃ  śru 聞く  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      thullakoṭṭhikā    名(形) a トゥッラコッティカの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikā –    a 居士の、居士  
    訳文                
     トゥッラコッティカの婆羅門や居士たちは聞いた。  
                       
                       
                       
    293-4.                
     ‘‘samaṇo khalu, bho, gotamo sakyaputto sakyakulā pabbajito kurūsu cārikaṃ caramāno mahatā bhikkhusaṅghena saddhiṃ thullakoṭṭhikaṃ anuppatto.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘samaṇo  śram a 沙門  
      khalu,    不変 じつに  
      bho,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      sakya    a 依(属) 氏族名、サキャ、シャカ、釈迦族  
      putto    a 息子  
      sakya    a 依(属) シャカ族  
      kulā    a 家、良家  
      pabbajito  pra-vraj 名過分 a 出家した、遁世した  
      kurūsu cārikaṃ caramāno mahatā bhikkhusaṅghena saddhiṃ (293-2.)  
      thullakoṭṭhikaṃ    a 地名、トゥッラコッティカ  
      anuppatto.  anu-pra-āp 過分 a 到達した、得た  
    訳文                
     「友よ、釈迦族の子弟であり、釈迦族の家より出家した沙門ゴータマが、大比丘僧伽とともにクル国に遊行し、トゥッラコッティカへ到達した。  
                       
                       
                       
    293-5.                
     Taṃ kho pana bhavantaṃ gotamaṃ evaṃ kalyāṇo kittisaddo abbhuggato –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ、彼、彼女  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhavantaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamaṃ    a 人名、ゴータマ  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kalyāṇo    a 善い  
      kitti    i, ī 依(属) 称讃、名声  
      saddo    a 音、声、語  
      abbhuggato –  abhi-ud-gam 過分 a あがる、昇る  
    訳文                
     しかるに、その尊者ゴータマへ、かくのごとき、善き称讃の声があがっている。  
                       
                       
                       
    293-6.                
     ‘itipi so bhagavā arahaṃ sammāsambuddho vijjācaraṇasampanno sugato lokavidū anuttaro purisadammasārathi satthā devamanussānaṃ buddho bhagavā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      so    代的 それ、彼  
      bhagavā    ant 世尊  
      arahaṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      sambuddho  saṃ-budh 名過分 a 等覚者  
      vijjā  vid ā 明、智、呪,陀羅尼、学術、魔術  
      caraṇa  car a 依(具) 行、行為、実践、徳行  
      sampanno  saṃ-pad 過分 a 具足した、成就した →明行足  
      sugato  su-gam 名過分 a よく行ったもの、善逝  
      loka    a 依(属) 世間、世界  
      vidū  vid ū 賢い、知者 →世間解  
      anuttaro    代的 この上ない、無上士  
      purisa    a 人、男  
      damma  dam 未分 a 依(属) ならされるべき  
      sārathi    i 御者 →調御丈夫  
      satthā  śās ar 師、先生  
      deva    a 天、神、王、陛下  
      manussānaṃ    a 人間 →天人師  
      buddho  budh 名過分 a 仏陀、覚者  
      bhagavā’    ant 世尊  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『このように、彼は世尊なり。応供、正等覚、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、仏、世尊なり』と。  
                       
                       
                       
    293-7.                
     So imaṃ lokaṃ sadevakaṃ samārakaṃ sabrahmakaṃ sassamaṇabrāhmaṇiṃ pajaṃ sadevamanussaṃ sayaṃ abhiññā sacchikatvā pavedeti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      imaṃ    代的 これ  
      lokaṃ    a 世間、世界  
      sadevakaṃ    a 天ある  
      samārakaṃ    a 魔ある  
      sabrahmakaṃ  sa-bṛh a 梵ある  
      sassamaṇa  sa-śram a 有(相) 沙門ある  
      brāhmaṇiṃ  bṛh a 男→女 婆羅門  
      pajaṃ  pra-jan ā 人々  
      sadeva    a 有(相) 天ある  
      manussaṃ    a 男→女 人、人間  
      sayaṃ    不変 みずから  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhiññā  abhi-jñā 証知する、自証する  
      sacchikatvā  kṛ 作証する、証明をなす、さとる  
      pavedeti.  pra-vid 使 知らせる、説く  
    訳文                
     かれは、この天・魔・梵を含む世界、〔また〕沙門と婆羅門、王と民を含む人々を、みずから知り、悟り、説く。  
                       
                       
                       
    293-8.                
     So dhammaṃ deseti ādikalyāṇaṃ majjhekalyāṇaṃ pariyosānakalyāṇaṃ sātthaṃ sabyañjanaṃ, kevalaparipuṇṇaṃ parisuddhaṃ brahmacariyaṃ pakāseti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      deseti  diś 使 示す、指示する、教示する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ādi    i 男中 依(処) 最初、初  
      kalyāṇaṃ    a 善い、善良の、善巧なる  
      majjhe    名形 a 中、中間の  
      kalyāṇaṃ    a 善い、善良の、善巧なる  
      pariyosāna  pari-o-sā 使 a 依(処) 終末、完結、完了  
      kalyāṇaṃ    a 善い、善良の、善巧なる  
      sātthaṃ    a 義ある、有義の(sa-attha)  
      sabyañjanaṃ,    a 字ある  
      kevala    a 独一、独存、完全、全部  
      paripuṇṇaṃ  pari-pṝ 過分 a 円満した、充満した、完全な  
      parisuddhaṃ  pari-śudh 過分 a 清浄の  
      brahmacariyaṃ  bṛh, car a 梵行  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pakāseti.  pra-kāś 使 説明する、あきらかにする、知らせる  
    訳文                
     かれは、始めよく、半ばよく、終わりよく、意義をそなえ字句をそなえた教法を示し、完全に円満し清浄な梵行を説く。  
                       
                       
                       
    293-9.                
     Sādhu kho pana tathārūpānaṃ arahataṃ dassanaṃ hotī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sādhu    u よきかな  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      tathārūpānaṃ    a かくの如きの  
      arahataṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      dassanaṃ    a 見、見ること  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hotī’’  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     じつによきかな、かくの如き阿羅漢たちとまみえることは」と。  
                       
                       
                       
    293-10.                
     Atha kho thullakoṭṭhikā brāhmaṇagahapatikā yena bhagavā tenupasaṅkamiṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      thullakoṭṭhikā    名(形) a トゥッラコッティカの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikā    a 居士の、居士  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamiṃsu;  upa-saṃ-kram 能反 近づいた  
    訳文                
     そこでトゥッラコッティカの婆羅門や居士たちは、世尊のもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    293-11.                
     upasaṅkamitvā appekacce bhagavantaṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdiṃsu;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      api   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce   代的 一部の、一類の  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu;  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて、あるものたちは世尊へ礼拝して一方に坐った。  
                       
                       
                       
    293-12.                
     appekacce bhagavatā saddhiṃ sammodiṃsu, sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdiṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      api   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce   代的 一部の、一類の  
      bhagavatā    ant 世尊  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodiṃsu,  saṃ-mud 能反 喜ぶ、相喜ぶ、挨拶する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā  
      sāraṇīyaṃ  saṃ-raj 未分 a 相慶慰すべき、喜ぶべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati-sṛ 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu;  ni-sad 能反 坐る  
    訳文                
     またあるものたちは世尊と挨拶し、喜ばしき慶賀の言葉を交わしてから一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    293-13.                
     appekacce yena bhagavā tenañjaliṃ paṇāmetvā ekamantaṃ nisīdiṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      api   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce    代的 一部の、一類の  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      añjaliṃ    i 合掌  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṇāmetvā  pra-nam 向ける、さし出す、閉じる、放逐する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu;  ni-sad 坐る  
    訳文                
     あるものたちは世尊のもとへ合掌を向けて一方に坐った。  
                       
                       
                       
    293-14.                
     appekacce bhagavato santike nāmagottaṃ sāvetvā ekamantaṃ nisīdiṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      api   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce    代的 一部の、一類の  
      bhagavato    ant 世尊  
      santike    a 付近、面前  
      nāma   an  
      gottaṃ    a 氏、氏姓、種姓、家系  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sāvetvā  śru 使 聞かせる、告げる、述べる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu;  ni-sad 坐る  
    訳文                
     あるものたちは、釈尊の面前で姓名を告げて一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    293-15.                
     appekacce tuṇhībhūtā ekamantaṃ nisīdiṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      api   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce    代的 一部の、一類の  
      tuṇhī   不変 沈黙して、黙って  
      bhūtā  bhū 過分 a あった  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu;  ni-sad 坐る  
    訳文                
     あるものたちは黙って一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    293-16.                
     Ekamantaṃ nisinne kho thullakoṭṭhike brāhmaṇagahapatike bhagavā dhammiyā kathāya sandassesi samādapesi samuttejesi sampahaṃsesi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinne  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      thullakoṭṭhike    名(形) a トゥッラコッティカの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatike    a 居士の、居士  
      bhagavā    ant 世尊  
      dhammiyā  dhṛ ī 法の  
      kathāya    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sandassesi  saṃ-dṛś 使 教示する、開示する  
      samādapesi  saṃ-ā-dā 使 取らせる、勧導する、訓誡する  
      samuttejesi  saṃ-ā-tij 使 鼓舞する、奨励する  
      sampahaṃsesi.  saṃ-pra-hṛṣ 使 喜ばせる、欣喜させる  
    訳文                
     そこで世尊は、トゥッラコッティカの婆羅門や居士たちを、法話によって教示し、訓誡し、鼓舞し、欣喜させた。  
                       
                       
                       
    294-1.                
     294. Tena kho pana samayena raṭṭhapālo nāma kulaputto tasmiṃyeva thullakoṭṭhike aggakulassa [aggakulikassa (sī. syā. kaṃ. pī.)] putto tissaṃ parisāyaṃ nisinno hoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      raṭṭhapālo    a 人名、ラッタパーラ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      kula    a 依(属) 家、良家、族姓  
      putto    a 息子 →善男子  
      tasmiṃ    代的 それ、彼  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      thullakoṭṭhike    a 地名、トゥッラコッティカ  
      agga    a 最上の  
      kulassa    a 家、良家、族姓  
      putto    a 息子  
      tissaṃ    代的 それ、彼女  
      parisāyaṃ    ā 会衆  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti.  bhū ある、なる、存在する  
    訳文                
     さてそのとき、ラッタパーラという名の善男子、そのトゥッラコッティカで最上の家の息子が、その会衆のうちに坐っていた。  
                       
                       
                       
    294-2.                
     Atha kho raṭṭhapālassa kulaputtassa etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      raṭṭhapālassa    a 人名、ラッタパーラ  
      kula    a 依(属) 家、良家、族姓  
      puttassa    a 息子  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     ときにラッタパーラ善男子にこの〔思い〕が起こった。  
                       
                       
                       
    294-3.                
     ‘‘yathā yathā khvāhaṃ bhagavatā dhammaṃ desitaṃ ājānāmi [yathā yathā kho bhagavā dhammaṃ deseti (sī.)], nayidaṃ sukaraṃ agāraṃ ajjhāvasatā ekantaparipuṇṇaṃ ekantaparisuddhaṃ saṅkhalikhitaṃ brahmacariyaṃ carituṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ    代的  
      bhagavatā    ant 世尊  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      desitaṃ  diś 使 過分 a 男中 示された  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ājānāmi,  ā-jñā 了知する、よく知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      na    不変 ない  
      idaṃ    代的 これ  
      sukaraṃ    a なしやすい、容易な  
      agāraṃ    a 家、舎、家屋、俗家  
      ajjhāvasatā  adhi-ā-vas 現分 ant 住す、忍住する  
      ekanta    a 一向の、単一の、そのものの  
      paripuṇṇaṃ  pari-pṝ 過分 a 円満した、充満した、完全な  
      ekanta    a 一向の、単一の、そのものの  
      parisuddhaṃ  pari-śudh 過分 a 清浄の  
      saṅkha   a 有(持) 螺貝  
      likhitaṃ  likh 過分 a 刻まれた、切られた、磨かれた  
      brahmacariyaṃ  bṛh, car a 梵行  
      carituṃ.  car 不定 行ずること  
    訳文                
     「世尊によって示された法を私が理解したとおりであれば、在家に住しながら円満そのもの、清浄そのものの、磨かれた螺貝の如き梵行を行ずること、これは容易ではない。  
                       
                       
                       
    294-4.                
     Yaṃnūnāhaṃ kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ pabbajeyya’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ   代的 (関係代名詞)  
      nūna   不変 確かに →〜したらどうか  
      ahaṃ    代的  
      kesa   a  
      massuṃ    u ひげ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ohāretvā  ava-hṛ 使 剃る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kāsāyāni    a 渋色の、袈裟、黄衣  
      vatthāni  vas a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      acchādetvā  ā-chad 使 覆う、まとう、包む  
      語根 品詞 語基 意味  
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家  
      anagāriyaṃ    a 非家の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbajeyya’’n  pra-vraj 出家する、遁世する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     私は、髪とひげを剃って袈裟衣をまとい、俗家から非家へと出家してはどうだろうか」と。  
                       
                       
                       
    294-5.                
     Atha kho thullakoṭṭhikā brāhmaṇagahapatikā bhagavatā dhammiyā kathāya sandassitā samādapitā samuttejitā sampahaṃsitā bhagavato bhāsitaṃ abhinanditvā anumoditvā uṭṭhāyāsanā bhagavantaṃ abhivādetvā padakkhiṇaṃ katvā pakkamiṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      thullakoṭṭhikā    名(形) a トゥッラコッティカの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikā    a 居士の、居士  
      bhagavatā    ant 世尊  
      dhammiyā  dhṛ ī 法の  
      kathāya    ā  
      sandassitā  saṃ-dṛś 使 過分 a 教示される  
      samādapitā  saṃ-ā-dā 使 過分 a 訓誡される  
      samuttejitā  saṃ-ā-tij 使 過分 a 鼓舞される  
      sampahaṃsitā  saṃ-pra-hṛṣ 過分 a 欣喜させられる  
      bhagavato    ant 世尊  
      bhāsitaṃ  bhāṣ 名過分 a いった、言説、所説  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhinanditvā  abhi-nand 歓喜する  
      anumoditvā  abhi-mud 随喜する  
      uṭṭhāya  ud-sthā 起き上がる、奮起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      āsanā  ā-sad a  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      padakkhiṇaṃ    a 右回り、右繞、幸福な、器用な  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      katvā  kṛ なす  
      pakkamiṃsu.  pra-kram 出発する  
    訳文                
     ときに、世尊による法話によって教示され、訓誡され、鼓舞され、欣喜させられたトゥッラコッティカの婆羅門や居士たちは、世尊の所説に随喜し、歓喜して、座より立ち、世尊へ礼拝して右繞をなすと立ち去った。  
                       
                       
                       
    294-6.                
     Atha kho raṭṭhapālo kulaputto acirapakkantesu thullakoṭṭhikesu brāhmaṇagahapatikesu yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      raṭṭhapālo    a 人名、ラッタパーラ  
      kula    a 依(属) 家、良家、族姓  
      putto    a 息子 →善男子  
      acira    a 依(奪) 久しからず  
      pakkantesu  pra-kram 過分 a 処絶 出発した  
      thullakoṭṭhikesu    名(形) a 処絶 トゥッラコッティカの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikesu    a 処絶 居士の、居士  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときにラッタパーラ善男子は、トゥッラコッティカの婆羅門や居士たちが去ってまもなく、世尊のもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    294-7.                
     upasaṅkamitvā bhagavantaṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて、世尊へ礼拝し、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    294-8.                
     Ekamantaṃ nisinno kho raṭṭhapālo kulaputto bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      raṭṭhapālo    a 人名、ラッタパーラ  
      kula    a 依(属) 家、良家、族姓  
      putto    a 息子 →善男子  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐ったラッタパーラ善男子は、世尊へこういった。  
                       
                       
                       
    294-9.                
     ‘‘yathā yathāhaṃ, bhante, bhagavatā dhammaṃ desitaṃ ājānāmi, nayidaṃ sukaraṃ agāraṃ ajjhāvasatā ekantaparipuṇṇaṃ ekantaparisuddhaṃ saṅkhalikhitaṃ brahmacariyaṃ carituṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘yathā yathāhaṃ, bhante, bhagavatā dhammaṃ desitaṃ ājānāmi, nayidaṃ sukaraṃ agāraṃ ajjhāvasatā ekantaparipuṇṇaṃ ekantaparisuddhaṃ saṅkhalikhitaṃ brahmacariyaṃ carituṃ. (294-3.)  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
    訳文                
     「尊者よ、世尊によって示された法を私が理解したとおりであれば、在家に住しながら円満そのもの、清浄そのものの、磨かれた螺貝の如き梵行を行ずること、これは容易ではありません。  
                       
                       
                       
    294-10.                
     Icchāmahaṃ, bhante, kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ pabbajituṃ.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Icchāmi  iṣ 望む、欲する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ahaṃ,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      kesamassuṃ ohāretvā kāsāyāni vatthāni acchādetvā agārasmā anagāriyaṃ (294-4.)  
      pabbajituṃ.  pra-vraj 不定 出家すること  
    訳文                
     尊者よ、私は、髪とひげを剃って袈裟衣をまとい、家から出家することを望みます。  
                       
                       
                       
    294-11.                
     Labheyyāhaṃ, bhante, bhagavato santike pabbajjaṃ, labheyyaṃ upasampadaṃ.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Labheyya  labh 得る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ahaṃ,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      bhagavato    ant 世尊  
      santike    a 付近、面前  
      pabbajjaṃ,  pra-vraj ā 出家  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      labheyyaṃ    能反 得る  
      語根 品詞 語基 意味  
      upasampadaṃ.  upa-saṃ-pad ā 具足、受戒  
    訳文                
     尊者よ、私が世尊の面前で、出家することを得、具足戒を得られますように。  
                       
                       
                       
    294-12.                
     Pabbājetu maṃ bhagavā’’ti [ettha ‘‘labheyyāhaṃ…pe… upasampadaṃ’’ti vākyadvayaṃ sabbesupi mūlapotthakesu dissati, pārājikapāḷiyaṃ pana sudinnabhāṇavāre etaṃ natthi. ‘‘pabbājetu maṃ bhagavā’’ti idaṃ pana vākyaṃ marammapotthake yeva dissati, pārājikapāḷiyañca tadeva atthi].   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Pabbājetu  pra-vraj 使 出家させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      maṃ    代的  
      bhagavā’’    ant 世尊  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     世尊は私を出家させてくださいますよう」と。  
    メモ                
     ・VRI版の注記はこうである。「ここでのlabheyyāhaṃ…pe… upasampadaṃという対句はすべての根本経典に見られる。しかし波羅夷聖典のスディンナ誦唱品〔の類似の箇所〕にはこれはない。しかるにpabbājetu maṃ bhagavāというこの言葉はビルマ版経典においてのみ見られ、波羅夷聖典においてもそうである」。以下にも類似の文があるが、皆同様の異版との比較につき、割愛する。  
                       
                       
                       
    294-13.                
     ‘‘Anuññātosi pana tvaṃ, raṭṭhapāla, mātāpitūhi agārasmā anagāriyaṃ pabbajjāyā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Anuññāto  anu-jñā 過分 a 許された  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      asi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      raṭṭhapāla,    a 人名、ラッタパーラ  
      mātā    ar  
      pitūhi    ar  
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家  
      anagāriyaṃ    a 非家の  
      pabbajjāyā’’  pra-vraj ā 出家  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「しかしラッタパーラよ、あなたは父母から、在家から非家への出家を許可されているのですか」  
                       
                       
                       
    294-14.                
     ‘‘Na khohaṃ, bhante, anuññāto mātāpitūhi agārasmā anagāriyaṃ pabbajjāyā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      anuññāto mātāpitūhi agārasmā anagāriyaṃ pabbajjāyā’’ti. (294-13.)  
    訳文                
     「尊者よ、私は父母から、在家から非家への出家を許可されていません」  
                       
                       
                       
    294-15.                
     ‘‘Na kho, raṭṭhapāla, tathāgatā ananuññātaṃ mātāpitūhi puttaṃ pabbājentī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      raṭṭhapāla,    a 人名、ラッタパーラ  
      tathāgatā  tathā-(ā-)gam a 如来  
      ananuññātaṃ  an-anu-jñā 過分 a 許されない  
      mātā    ar  
      pitūhi    ar  
      puttaṃ    a 息子  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbājentī’’  pra-vraj 使 出家させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「ラッタパーラよ、如来たちは、父母から許可されていない息子を出家させることはありません」  
                       
                       
                       
    294-16.                
     ‘‘Svāhaṃ, bhante, tathā karissāmi yathā maṃ mātāpitaro anujānissanti agārasmā anagāriyaṃ pabbajjāyā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘So    代的 それ、彼  
      ahaṃ,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、大徳よ  
      tathā    不変 かく、その如く  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karissāmi  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      maṃ    代的  
      mātā    ar  
      pitaro    ar  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anujānissanti  anu-jñā 許す  
      語根 品詞 語基 意味  
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家  
      anagāriyaṃ    a 非家の  
      pabbajjāyā’’  pra-vraj ā 出家  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者よ、それでは私は、父母が在家から非家への出家にを許可するよう、そのようにしてまいります」  
                       
                       
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