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     3. Sūcilomasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sūciloma    a 依(属) 神名、スーチローマ  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「スーチローマ経」(『相応部』10-3  
                       
                       
                       
    237-1.                
     237. Ekaṃ samayaṃ bhagavā gayāyaṃ viharati ṭaṅkitamañce sūcilomassa yakkhassa bhavane.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      gayāyaṃ    ā 地名、ガヤー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ṭaṅkitamañce    a 地名、タンキタマンチャ  
      sūcilomassa    a 神名、スーチローマ  
      yakkhassa    a 夜叉  
      bhavane.    a 住処、都城、領域、世界  
    訳文                
     あるとき世尊は、ガヤーの、スーチローマ夜叉の住処であるタンキタマンチャへ住しておられた。  
                       
                       
                       
    237-2.                
     Tena kho pana samayena kharo ca yakkho sūcilomo ca yakkho bhagavato avidūre atikkamanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 副具 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      kharo    a 神名、カラ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      yakkho    a 夜叉  
      sūcilomo    a 神名、スーチローマ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      yakkho    a 夜叉  
      bhagavato    ant 世尊  
      avidūre    不変 遠からぬ所に、近くに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atikkamanti.  ati-kram 行き過ぎる、打ち勝つ  
    訳文                
     さてその時、カラ夜叉とスーチローマ夜叉が世尊の近くを通り過ぎた。  
                       
                       
                       
    237-3.                
     Atha kho kharo yakkho sūcilomaṃ yakkhaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      kharo    a 神名、カラ  
      yakkho    a 夜叉  
      sūcilomaṃ    a 神名、スーチローマ  
      yakkhaṃ    a 夜叉  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     ときにカラ夜叉はスーチローマ夜叉にこう言った。  
                       
                       
                       
    237-4.                
     ‘‘eso samaṇo’’ti!   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘eso    代的 これ  
      samaṇo’’  śram a 沙門  
      ti!    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「この者は沙門だ」と。  
                       
                       
                       
    237-5.                
     ‘‘Neso samaṇo, samaṇako eso’’.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      eso    代的 これ  
      samaṇo,  śram a 沙門  
      samaṇako  śram a 似非沙門  
      eso’’.    代的 これ  
    訳文                
     「いや、この者は沙門ではない。この者は似非沙門だ。  
                       
                       
                       
    237-6.                
     ‘‘Yāva jānāmi yadi vā so samaṇo yadi vā pana so samaṇako’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānāmi  jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      yadi    不変 もし  
          不変 あるいは  
      so    代的 それ、彼  
      samaṇo  śram a 沙門  
      yadi    不変 もし  
          不変 あるいは  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      so    代的 それ、彼  
      samaṇako’’  śram a 似非沙門  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     彼が沙門であるか、あるいはかれは似非沙門であるか、私が確かめるまでのことだ」  
                       
                       
                       
    237-7.                
     Atha kho sūcilomo yakkho yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sūcilomo    a 神名、スーチローマ  
      yakkho    a 夜叉  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     そこでスーチローマ夜叉は世尊へ近づいた。  
                       
                       
                       
    237-8.                
     upasaṅkamitvā bhagavato kāyaṃ upanāmesi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavato    ant 世尊  
      kāyaṃ    a 身体  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upanāmesi.  upa-nam 使 近くに置く、近づく、もたらす、与える、手渡す  
    訳文                
     近づいて、世尊の体へにじり寄った。  
                       
                       
                       
    237-9.                
     Atha kho bhagavā kāyaṃ apanāmesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      kāyaṃ    a 身体  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      apanāmesi.  apa-nam 使 駆除する、下向する  
    訳文                
     ときに世尊は、身をそらされた。  
                       
                       
                       
    237-10.                
     Atha kho sūcilomo yakkho bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sūcilomo    a 神名、スーチローマ  
      yakkho    a 夜叉  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     そこでスーチローマ夜叉は、世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    237-11.                
     ‘‘bhāyasi maṃ samaṇā’’ti?   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘bhāyasi  bhī 怖れる、畏怖する  
      語根 品詞 語基 意味  
      maṃ    代的  
      samaṇā’’  śram a 沙門  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「沙門よ、あなたは私を怖れたのでしょうか」と。  
                       
                       
                       
    237-12.                
     ‘‘Na khvāhaṃ taṃ, āvuso, bhāyāmi;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ    代的  
      taṃ,    代的 あなた  
      āvuso,    不変 友よ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhāyāmi;  bhī 畏怖する、恐れる  
    訳文                
     「友よ、私はあなたを怖れたのではありません。  
                       
                       
                       
    237-13.                
     api ca te samphasso pāpako’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      te    代的 あなた  
      samphasso  saṃ-spṛś a 触、摩触  
      pāpako’’    a 悪しき  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     けれど、あなたの接触は悪しきものです」  
                       
                       
                       
    237-14.                
     ‘‘Pañhaṃ taṃ, samaṇa pucchissāmi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Pañhaṃ    a 問い  
      taṃ,    代的 あなた  
      samaṇa  śram a 沙門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pucchissāmi.  prach 問う  
    訳文                
     「沙門よ、私はあなたへ問いを発しましょう。  
                       
                       
                       
    237-15.                
     Sace me na byākarissasi, cittaṃ vā te khipissāmi, hadayaṃ vā te phālessāmi, pādesu vā gahetvā pāragaṅgāya [pāraṃ gaṅgāya (ka.)] khipissāmī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sace    不変 もし  
      me    代的  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      byākarissasi,  vi-ā-kṛ 解答する  
      語根 品詞 語基 意味  
      cittaṃ  cit a  
          不変 あるいは  
      te    代的 あなた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      khipissāmi,  kṣip 投げる、捨てる、混乱させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      hadayaṃ    a 心臓  
          不変 あるいは  
      te    代的 あなた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      phālessāmi,  phal 使 裂く、破る、切る  
      語根 品詞 語基 意味  
      pādesu    a  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gahetvā  grah とらえる  
      語根 品詞 語基 意味  
      pāra    名形 a 依(属) 彼岸、他の  
      gaṅgāya    ā 地名、ガンガー  
      khipissāmī’’  同上  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     もしあなたが私へ答えなければ、私はあなたの心を混乱させるか、あなたの心臓を切り裂くか、あるいは両足を掴んでガンガーの彼岸へ放り投げてしまうことにしましょう」  
                       
                       
                       
    237-16.                
     ‘‘Na khvāhaṃ taṃ, āvuso, passāmi sadevake loke samārake sabrahmake sassamaṇabrāhmaṇiyā pajāya sadevamanussāya, yo me cittaṃ vā khipeyya hadayaṃ vā phāleyya pādesu vā gahetvā pāragaṅgāya khipeyya;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ    代的  
      taṃ,    代的 それ  
      āvuso,    不変 友よ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      passāmi  paś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      sadevake    a 天ある  
      loke    a 世界、世間  
      samārake    a 魔ある  
      sabrahmake  sa-bṛh a 梵ある  
      sassamaṇa  sa-śram a 有(相) 沙門ある  
      brāhmaṇiyā  bṛh a 男→女 婆羅門  
      pajāya  pra-jan ā 人々  
      sadeva    a 有(相) 天ある  
      manussāya,    a 男→女 人、人間  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      me    代的  
      cittaṃ  cit a  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      khipeyya  kṣip 投げる、捨てる、混乱させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      hadayaṃ    a 心臓  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      phāleyya  phal 使 裂く、破る、切る  
      語根 品詞 語基 意味  
      pādesu    a  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gahetvā  grah とらえる  
      語根 品詞 語基 意味  
      pāra    名形 a 依(属) 彼岸、他の  
      gaṅgāya    ā 地名、ガンガー  
      khipeyya;  同上  
    訳文                
     「友よ、私は、この天・魔・梵を含む世界、沙門と婆羅門、王と民を含む人々のうちに、私の心を混乱させるか、私の心臓を切り裂くか、あるいは両足を掴んでガンガーの彼岸へ放り投げることができるような者を見いだしません。  
                       
                       
                       
    237-17.                
     api ca tvaṃ, āvuso, puccha yadā kaṅkhasī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      āvuso,    不変 友よ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      puccha  prach 問う  
      語根 品詞 語基 意味  
      yadā    不変 〜の時  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kaṅkhasī’’  kāṅkṣ 疑う、期待する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかし友よ、望むのであれば、あなたは私に問うがよいでしょう」  
                       
                       
                       
    237-18.                
     Atha kho sūcilomo yakkho bhagavantaṃ gāthāya ajjhabhāsi – ( ) [(atha kho sūcilomo yakkho bhagavantaṃ gāthāya ajjhabhāsi.) (sī.)]  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      sūcilomo    a 神名、スーチローマ  
      yakkho    a 夜叉  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      gāthāya    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhabhāsi –  adhi-bhāṣ 話しかける、語る  
    訳文                
     そこでスーチローマ夜叉は、世尊へ偈をもって語りかけた。  
                       
                       
                       
    237-19.                
     ‘‘Rāgo ca doso ca kutonidānā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Rāgo  raj a 貪、貪欲、染  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      doso    a 瞋恚  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      kuto    不変 どこから、いかなる理由で  
      nidānā,    a 因縁、因由  
    訳文                
     「♪貪欲と瞋恚は何の因縁から起こるのか。  
                       
                       
                       
    237-20.                
     Aratī ratī lomahaṃso kutojā;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Aratī  a-ram i 不喜  
      ratī  ram i 楽、喜楽  
      loma    an 依(属)  
      haṃso  hṛṣ a 竪立  
      kuto    不変 どこから、いかなる理由で  
      jā;  jan a 生じる  
    訳文                
     ♪楽と不楽、身の毛のよだちは、何から生じるのか。  
                       
                       
                       
    237-21.                
     Kuto samuṭṭhāya manovitakkā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kuto    不変 どこから、いかなる理由で  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samuṭṭhāya  saṃ-ud-sthā 起き上がる、奮起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      mano  man as 依(処)  
      vitakkā,    a 尋、尋求、思惟、考想  
    訳文                
     ♪何から、意における尋思は生起するのか、  
                       
                       
                       
    237-22.                
     Kumārakā dhaṅkamivossajantī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kumārakā    a 童子  
      dhaṅkam    a 鳥、カラス  
      iva    不変 ごとく  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ossajantī’’  ava-sṛj 解放する、除去する、捨てる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪童子たちが、カラスを放つごとくに〔起こる尋思は〕」  
                       
                       
                       
    237-23.                
     ‘‘Rāgo ca doso ca itonidānā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Rāgo ca doso ca itonidānā, (237-19.)  
      ito    不変 これより、ここより  
    訳文                
     〔世尊曰く〕「♪貪欲と瞋恚はこの因縁から起こる。  
                       
                       
                       
    237-24.                
     Aratī ratī lomahaṃso itojā;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Aratī ratī lomahaṃso itojā; (237-20.)  
      ito    不変 これより、ここより  
    訳文                
     ♪楽と不楽、身の毛のよだちは、これから生じる。  
                       
                       
                       
    237-25.                
     Ito samuṭṭhāya manovitakkā,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ito    不変 これより、ここより  
      samuṭṭhāya manovitakkā, (237-21.)  
    訳文                
     ♪これから、意における尋思は生起する、  
                       
                       
                       
    237-26.                
     Kumārakā dhaṅkamivossajanti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Kumārakā dhaṅkamivossajanti. (237-22.)  
    訳文                
     ♪童子たちが、カラスを放つごとくに〔起こる尋思は〕。  
                       
                       
                       
    237-27.                
     ‘‘Snehajā attasambhūtā, nigrodhasseva khandhajā;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Sneha  snih a 依(奪) 湿潤、愛情、愛執、親愛  
          a 生じる  
      atta    an 依(処) 自己、我  
      sambhūtā,  saṃ-bhū 過分 a 生じた  
      nigrodhassa    a 人名、ニグローダ  
      iva    不変 ごとく  
      khandha    a 依(奪) 蘊、肩、幹、集まり  
      jā;    a 生じる →幹生、気根、やどり木  
    訳文                
     ♪愛執から生じ、自己へ生起する。ニグローダ樹の気根のごとし。  
    メモ                
     ・『註』がattasambhūtāを、attani sambhūtāと処格で解しているのに従った。  
                       
                       
                       
    237-28.                
     Puthū visattā kāmesu, māluvāva vitatā [vitthatā (syā. kaṃ.)] vane.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Puthū    u 個々の、多くの  
      visattā  vi-śṛj? 過分 a 執着した、もつれた  
      kāmesu,    a 男中 欲、欲楽  
      māluvā    ā  
      iva    不変 ごとく  
      vitatā  vi-tan 過分 a 拡大した、伸びた  
      vane.    a 森、林  
    訳文                
     ♪諸欲に対し執着した種々の〔心は〕、林に伸びた葛のごとし。  
                       
                       
                       
    237-29.                
     ‘‘Ye naṃ pajānanti yatonidānaṃ,  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ye    代的 (関係代名詞)  
      naṃ    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānanti  pra-jñā 知る、了知する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yato    不変 そこから、〜なるが故に、何となれば(yaの奪格)  
      nidānaṃ,    a 副対 因縁、因由 →その故に、その理由で  
    訳文                
     ♪それゆえ、そのことを知るような者たち、  
                       
                       
                       
    237-30.                
     Te naṃ vinodenti suṇohi yakkha;  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      naṃ    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vinodenti  vi-nud 除く、除去する  
      suṇohi  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      yakkha;    a ヤッカ、夜叉  
    訳文                
     ♪彼らはそれを除去する。夜叉よ、聞け。  
                       
                       
                       
    237-31.                
     Te duttaraṃ oghamimaṃ taranti,  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      duttaraṃ  dur-tṛ a 渡りがたい  
      ogham    a 暴流  
      imaṃ    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      taranti,  tṛ 渡る、度脱する、超える、横切る  
    訳文                
     ♪彼らは渡り難きこの暴流を渡る。  
                       
                       
                       
    237-32.                
     Atiṇṇapubbaṃ apunabbhavāyā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atiṇṇa  a-tṛ 過分 a 有(持) 渡られない  
      pubbaṃ    代的 前の、先の、昔の  
      apunabbhavāyā’’  bhū a 再有なき  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪かつて渡られたことのない〔暴流を〕、再有なきことのため」  
                       
                       
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