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     2. Devaputtasaṃyuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putta    a 依(属) 息子  
      saṃyuttaṃ  saṃ-yuj 過分 a 結ばれた、結合した  
    訳文                
     「天子相応」  
    メモ                
     ・『註』に曰く「諸天の膝元へ生じた男性たちをdevaputtāという。女性たちはdevadhītaroというのである」devānañhi aṅke nibbattā purisā devaputtā nāma, itthiyo devadhītaro nāma honti.  
                       
                       
                       
     1. Paṭhamavaggo  
      語根 品詞 語基 意味  
      Paṭhama    a 初の、第一の  
      vaggo    a 章、品  
    訳文                
     「第一品」  
                       
                       
                       
     1. Paṭhamakassapasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Paṭhama    a 初の、第一の  
      kassapa    a 依(属) 神名、カッサパ  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「第一のカッサパ経」(『相応部』2-1  
                       
                       
                       
    82-1.                
     82. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      me    代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 所聞、聞かれた  
    訳文                
     私はこのように聞いた。  
    メモ                
     ・『相応部』の経について、VRI版の連番は「篇」の中の経ごとに振られているため、そのまま通し番号のようになっている(例えば本経は「有偈品」82番)。しかし本訳で経を示す場合は、『南伝大蔵経総目録』のように、「相応」に通し番号を振った上で、その中の各経の番号をハイフンで付す形式で行うこととした(例えば本経は2-1)。  
                       
                       
                       
    82-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā sāvatthiyaṃ viharati jetavane anāthapiṇḍikassa ārāme.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      sāvatthiyaṃ    ī 地名、サーヴァッティー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      jetavane    a 地名、ジェータ林、祇樹、祇園  
      anāthapiṇḍikassa    a 人名、アナータピンディカ、給孤独  
      ārāme.    a  
    訳文                
     あるとき世尊はサーヴァッティーのジェータ林、アナータピンディカ園に住しておられた。  
                       
                       
                       
    82-3.                
     Atha kho kassapo devaputto abhikkantāya rattiyā abhikkantavaṇṇo kevalakappaṃ jetavanaṃ obhāsetvā yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      kassapo    a 神名、カッサパ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putto    a 息子  
      abhikkantāya  abhi-kram 過分 a 過ぎ去った、進んだ、超えた、素晴らしい  
      rattiyā    i  
      abhikkanta  abhi-kram 過分 a 有(持) 過ぎ去った、進んだ、超えた、素晴らしい  
      vaṇṇo    a 色、容色  
      kevalakappaṃ    不変 全面に  
      jetavanaṃ    a 地名、ジェータ林、祇樹、祇園  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      obhāsetvā  ava-bhās 使 照らす  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときに、すぐれた容色をもったカッサパ天子が、夜更けに、ジェータ林を全面に照らしながら、世尊のもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    82-4.                
     upasaṅkamitvā bhagavantaṃ abhivādetvā ekamantaṃ aṭṭhāsi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      aṭṭhāsi.  sthā 立つ  
    訳文                
     近づいて世尊へ礼拝し、一方へ立った。  
                       
                       
                       
    82-5.                
     Ekamantaṃ ṭhito kho kassapo devaputto bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      ṭhito  sthā 過分 a 立つ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      kassapo    a 神名、カッサパ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putto    a 息子  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ立ったカッサパ天子は、世尊へこう言った。  
                       
                       
                       
    82-6.                
     ‘‘bhikkhuṃ bhagavā pakāsesi, no ca bhikkhuno anusāsa’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘bhikkhuṃ  bhikṣ u 比丘  
      bhagavā    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pakāsesi,  pra-kāś 使 説明する、明らかにする、知らせる  
      語根 品詞 語基 意味  
      no    代的 私たち  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      bhikkhuno  bhikṣ u 比丘  
      anusāsa’’n  anu-śās a 教誡、訓誡、教示  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「世尊は比丘と我々へ、比丘のための教誡を説かれました」と。  
    メモ                
     ・ 『原始』は「尊師は、修行僧とは〔何であるか、〕ということを説き明かしてくださいました。しかし修行僧〔として実行するため〕の教えを説いては下さいま せんでした」、『南伝』は「世尊は比丘の教を比丘と及び我等とに開示し給えり」、『パーリ』は「世尊は比丘に説明されました。しかし、私どもには、比丘の 教誡を説明されませんでした(これはnoを二重に訳してしまってはいまいか)」と、解釈がみな異なる。ここでは『南伝』にならった。  
     ・共通しているのは、anusāsa’’n anusāsanaṃと解している点であろうことか。一人称アオリストとも思えない以上、仕方のない解釈であろう。  
                       
                       
                       
    82-7.                
     ‘‘Tena hi kassapa, taññevettha paṭibhātū’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      kassapa,    a 神名、カッサパ  
      taññ    代的 それ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      ettha    不変 ここに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭibhātū’’  prati-bhū 顕れる、明らかとなる、見える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「しからばカッサパよ、それをここであきらかにして下さい」  
                       
                       
                       
    82-8.                
     ‘‘Subhāsitassa sikkhetha, samaṇūpāsanassa ca;  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Subhāsitassa  su-bhāṣ a 善く説かれた、善語  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sikkhetha,  śak 意 学ぶ、学得する  
      語根 品詞 語基 意味  
      samaṇa  śram a 依(属) 沙門  
      upāsanassa  upa-ās a 奉仕、尊敬、訓練、弓術  
      ca;    不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     「♪あなたがたは善く説かれたことについて学ぶべきである。また沙門の訓練について、  
                       
                       
                       
    82-9.                
     Ekāsanassa ca raho, cittavūpasamassa cā’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Eka    代的 一、とある  
      āsanassa  ās a 坐具、坐処  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      raho,  rah as 独処、静処  
      citta  cit a 依(属)  
      vūpasamassa  vi-upa-śam a 寂静、寂滅、寂止  
      cā’’    不変 と、また、そして、しかし  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ♪独坐を、また独処を、また心の寂止を〔学ぶべし〕」  
                       
                       
                       
    82-10.                
     Idamavoca kassapo devaputto;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idam    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca  vac いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      kassapo    a 神名、カッサパ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putto;    a 息子  
    訳文                
     こう、カッサパ天子は言った。  
                       
                       
                       
    82-11.                
     samanuñño satthā ahosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      samanuñño  saṃ-anu-jñā a 是認者  
      satthā  śās ar  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi.  bhū ある、なる  
    訳文                
     師は是認された。  
                       
                       
                       
    82-12.                
     Atha kho kassapo devaputto ‘‘samanuñño me satthā’’ti bhagavantaṃ abhivādetvā padakkhiṇaṃ katvā tatthevantaradhāyīti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      kassapo    a 神名、カッサパ  
      deva    a 依(属) 天、神、陛下  
      putto    a 息子  
      ‘‘samanuñño  saṃ-anu-jñā a 是認者  
      me    代的  
      satthā’’  śās ar  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      padakkhiṇaṃ    a 右回り、右繞、幸福な、器用な  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      katvā  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      antaradhāyī  dhā 滅没する、消失する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ときにカッサパ天子は、「師は我々〔の言葉〕を是認された」といって世尊へ礼拝し、右繞をなして、そこから消失した。  
                       
                       
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