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     4. Potaliyasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Potaliya    a 依(属) 人名、ポータリヤ  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     『ポータリヤ経』  
                       
                       
                       
    31-1.                
     31. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ   不変 このように  
      me   代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた、所聞  
    訳文                
     このように私は聞いた。  
                       
                       
                       
    31-2.                
     ekaṃ samayaṃ bhagavā aṅguttarāpesu viharati āpaṇaṃ nāma aṅguttarāpānaṃ nigamo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      aṅguttarāpesu    a 男中 地名、アングッタラーパ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      āpaṇaṃ    a 地名、アーパナ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      aṅguttarāpānaṃ    a 男中 地名、アングッタラーパ  
      nigamo.    a  
    訳文                
     あるとき世尊はアングッタラーパに住しておられた。アングッタラーパにはアーパナという町があった。  
    メモ                
     ・註はaṅga-uttara-āpaであるという解説としている。いわゆるアンガ国のことであろう。  
                       
                       
                       
    31-3.                
     Atha kho bhagavā pubbaṇhasamayaṃ nivāsetvā pattacīvaramādāya āpaṇaṃ piṇḍāya pāvisi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā    ant 世尊  
      pubbaṇha    a 依(属) 午前  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nivāsetvā  ni-vas 使 着衣する、内衣を着る  
      語根 品詞 語基 意味  
      patta    a 男中  
      cīvaram    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ādāya  ā-dā 取って  
      語根 品詞 語基 意味  
      āpaṇaṃ    a 地名、アーパナ  
      piṇḍāya    a 副与 団食、(与格で「托鉢のため」)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāvisi.  pra-viś 入る  
    訳文                
     ときに世尊は、午前中に、内衣をつけ、鉢と衣を取って、托鉢のためアーパナへ入られた。  
                       
                       
                       
    31-4.                
     Āpaṇe piṇḍāya caritvā pacchābhattaṃ piṇḍapātapaṭikkanto yenaññataro vanasaṇḍo tenupasaṅkami divāvihārāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Āpaṇe    a 地名、アーパナ  
      piṇḍāya    a 副与 団食、(与格で「托鉢のため」)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      caritvā  car ゆく  
      語根 品詞 語基 意味  
      pacchā    不変 後に、背後に、西方に  
      bhattaṃ  bhaj 名形 a 食事 →食後に  
      piṇḍapāta  pat a 依(奪) 団食、施食  
      paṭikkanto  prati-kram 過分 a 戻った、退いた、減退した  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      aññataro    a とある、随一の  
      vana    a 依(属) 林、森  
      saṇḍo    a 群、衆、叢 →密林  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami  upa-saṃ-kram 近づいた  
      語根 品詞 語基 意味  
      divā    不変 日中に  
      vihārāya.  vi-hṛ a 住、住処 →昼住、食後の休憩  
    訳文                
     托鉢のためアーパナへゆき、食後、施食より退いてから、日中を過ごすため、とある密林へ近づかれた。  
                       
                       
                       
    31-5.                
     Taṃ vanasaṇḍaṃ ajjhogāhetvā [ajjhogahetvā (sī. syā. kaṃ.), ajjhogāhitvā (pī. ka.)] aññatarasmiṃ rukkhamūle divāvihāraṃ nisīdi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ、彼、彼女、そのとき(副対)  
      vana    a 依(属) 林、森  
      saṇḍaṃ    a 群、衆、叢 →密林  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhogāhetvā  adhi-ava-gāh 潜入する、入る  
      語根 品詞 語基 意味  
      aññatarasmiṃ    代的 とある、随一の  
      rukkha    a 依(属) 木、樹木  
      mūle    a  
      divā    不変 日中に  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 住 →昼住、食後の休憩  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     そのとある密林へ入り、とある樹の根に、日中を過ごすため坐られた。  
                       
                       
                       
    31-6.                
     Potaliyopi kho gahapati sampannanivāsanapāvuraṇo [pāpuraṇo (sī. syā. kaṃ.)] chattupāhanāhi [chattupāhano (ka.)] jaṅghāvihāraṃ anucaṅkamamāno anuvicaramāno yena so vanasaṇḍo tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Potaliyo    a 人名、ポータリヤ  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      sampanna  saṃ-pad 過分 a 有(持) 具足した、成就した  
      nivāsana  ni-vas a 着ること、内衣  
      pāvuraṇo  pra-ā-vṛ a 中→男 外衣、外套  
      chatta    a 傘、日傘  
      upāhanāhi    ā 履物、草履  
      jaṅghā    ā 依(属) すね  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 副対 住、住居、精舎、僧房 →脚住、歩行の状態  
      anucaṅkamamāno  anu-kram 強 現分 a 遊歩、随歩、経行  
      anuvicaramāno  anu-vi-car 現分 a 従い歩く、徘徊する、探し求める  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      so    代的 それ、彼  
      vana    a 依(属) 林、森  
      saṇḍo    a 群、衆、叢 →密林  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ポータリヤ居士もまた、内衣と外衣を纏い、日傘と草履を身につけ、脚をほぐすために遊歩し散策しつつ、その密林へ近づいた。  
                       
                       
                       
    31-7.                
     upasaṅkamitvā taṃ vanasaṇḍaṃ ajjhogāhetvā yena bhagavā tenupasaṅkami;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 それ  
      vana    a 依(属) 林、森  
      saṇḍaṃ    a 群、衆、叢 →密林  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhogāhetvā  adhi-ava-gāh 潜入する、入る  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      bhagavā    ant 世尊  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     近づいて、その森へ入り、世尊のもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    31-8.                
     upasaṅkamitvā bhagavatā saddhiṃ sammodi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhagavatā    ant 世尊  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi.  saṃ-mud 相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     近づいて、世尊と挨拶した。  
                       
                       
                       
    31-9.                
     Sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ aṭṭhāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  smṛ 未分 a 憶念すべき、記憶すべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati-sṛ 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      aṭṭhāsi.  sthā 立つ  
    訳文                
     喜ばしく、記憶すべき会話を交わして、一方へ立った。  
                       
                       
                       
    31-10.                
     Ekamantaṃ ṭhitaṃ kho potaliyaṃ gahapatiṃ bhagavā etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      ṭhitaṃ  sthā 過分 a 立った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      potaliyaṃ    a 人名、ポータリヤ  
      gahapatiṃ    i 家主、居士、資産家  
      bhagavā    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ立ったポータリヤ居士へ世尊はこういわれた。  
                       
                       
                       
    31-11.                
     ‘‘saṃvijjanti kho, gahapati, āsanāni;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘saṃvijjanti  saṃ-vid 受 見られる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
      āsanāni;  ās a 座、坐処、坐具  
    訳文                
     「居士よ、いくつも坐れるところがあります。  
                       
                       
                       
    31-12.                
     sace ākaṅkhasi nisīdā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      sace    不変 もし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ākaṅkhasi  ā-kāṅ 希望する、意欲する、願う  
      nisīdā’’  ni-sad 坐る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     もしお望みなら坐られよ」と。  
                       
                       
                       
    31-13.                
     Evaṃ vutte, potaliyo gahapati ‘‘gahapativādena maṃ samaṇo gotamo samudācaratī’’ti kupito anattamano tuṇhī ahosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vutte,  vac 受 過分 a 男中 いわれた  
      potaliyo    a 人名、ポータリヤ  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      ‘‘gahapati    i 家主、居士、資産家  
      vādena  vad a 説、語、論  
      maṃ    代的  
      samaṇo  śram a 沙門  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samudācaratī’’  saṃ-ud-ā-car 実行する、話しかける  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kupito  kup 名過分 a 中→男 怒った  
      anattamano    a 不適意の  
      tuṇhī    不変 沈黙して  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi.  bhū ある、なる  
    訳文                
     このようにいわれてポータリヤ居士は「沙門ゴータマは私へ居士という言葉で話しかけた」と怒り、不機嫌になり、沈黙した。  
                       
                       
                       
    31-14.                
     Dutiyampi kho bhagavā…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dutiyam    名形 a 副対 ふたたび  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhagavā…pe…    ant 世尊  
    訳文                
     ふたたび世尊は……  
                       
                       
                       
    31-15.                
     tatiyampi kho bhagavā potaliyaṃ gahapatiṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      tatiyam    a 副対 みたび  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho bhagavā potaliyaṃ gahapatiṃ etadavoca – (31-10.)  
    訳文                
     みたび世尊は、ポータリヤ居士へこういわれた。  
                       
                       
                       
    31-16.                
     ‘‘saṃvijjanti kho, gahapati, āsanāni;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘saṃvijjanti kho, gahapati, āsanāni; (31-11.)  
    訳文                
     「居士よ、いくつも坐れるところがあります。  
                       
                       
                       
    31-17.                
     sace ākaṅkhasi nisīdā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      sace ākaṅkhasi nisīdā’’ti. (31-12.)  
    訳文                
     もしお望みなら坐られよ」と。  
                       
                       
                       
    31-18.                
     ‘‘Evaṃ vutte, potaliyo gahapati gahapativādena maṃ samaṇo gotamo samudācaratī’’ti kupito anattamano bhagavantaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ vutte, potaliyo gahapati gahapativādena maṃ samaṇo gotamo samudācaratī’’ti kupito anattamano (31-13.)  
      bhagavantaṃ    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     このようにいわれてポータリヤ居士は「沙門ゴータマは私へ居士という言葉で話しかけた」と怒り、不機嫌になり、世尊へこういった。  
                       
                       
                       
    31-19.                
     ‘‘tayidaṃ, bho gotama, nacchannaṃ, tayidaṃ nappatirūpaṃ, yaṃ maṃ tvaṃ gahapativādena samudācarasī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘taṃ    代的 それ  
      idaṃ    代的 これ  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      na    不変 ない  
      channaṃ,    a 適当な  
      taṃ    代的 それ  
      idaṃ    代的 これ  
      na    不変 ない  
      patirūpaṃ,    a ふさわしい  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      maṃ    代的  
      tvaṃ    代的 あなた  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      vādena  vad a 説、語、論  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samudācarasī’’  saṃ-ud-ā-car 実行する、話しかける  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、あなたが私へ居士という言葉で話しかけたそのこと、これは適切でなく、これはふさわしくありません」。  
                       
                       
                       
    31-20.                
     ‘‘Te hi te, gahapati, ākārā, te liṅgā, te nimittā yathā taṃ gahapatissā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Te    代的 それ  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      te,    代的 あなた  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
      ākārā,    a 形相、様相  
      te    代的 あなた  
      liṅgā,  liṅg a 中(男) 徴標、特相  
      te    代的 あなた  
      nimittā    a 中(男) 相、印相、特相  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      taṃ    代的 それ  
      gahapatissā’’    i 家主、居士、資産家  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「なんとなれば、それらの、あなたの様相、あなたの徴相、あなたの特相は居士のそれのようでしたから」。  
                       
                       
                       
    31-21.                
     ‘‘Tathā hi pana me, bho gotama, sabbe kammantā paṭikkhittā, sabbe vohārā samucchinnā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tathā    不変 かく、その如く  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      me,    代的  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      sabbe    名形 a 中→男 すべて  
      kammantā    a 業、作業  
      paṭikkhittā,  prati-kṣip 過分 a 拒絶する、拒む  
      sabbe    名形 a 中→男 すべて  
      vohārā  vi-ava-hṛ a 言説、慣例、俗事、職業  
      samucchinnā’’  saṃ-ud-chid 過分 a 断絶された  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「〔一見〕そのようであるかもしれませんが、尊者ゴータマよ、私は全ての仕事を拒み、全ての俗事を断ったのです。  
                       
                       
                       
    31-22.                
     ‘‘Yathā kathaṃ pana te, gahapati, sabbe kammantā paṭikkhittā, sabbe vohārā samucchinnā’’ti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      te,    代的 あなた/それら、彼ら  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
      sabbe kammantā paṭikkhittā, sabbe vohārā samucchinnā’’ti? (31-21.)  
    訳文                
     「しからば居士よ、あなたはいかように全ての仕事を拒み、全ての俗事を断ったのでしょうか」。  
                       
                       
                       
    31-23.                
     ‘‘Idha me, bho gotama, yaṃ ahosi dhanaṃ vā dhaññaṃ vā rajataṃ vā jātarūpaṃ vā sabbaṃ taṃ puttānaṃ dāyajjaṃ niyyātaṃ, tatthāhaṃ anovādī anupavādī ghāsacchādanaparamo viharāmi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      me,    代的  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      gotama,    a 人名、ゴータマ  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dhanaṃ    a 財物、財産  
          不変 あるいは  
      dhaññaṃ    a 穀物  
          不変 あるいは  
      rajataṃ    a  
          不変 あるいは  
      jātarūpaṃ  jan a  
          不変 あるいは  
      sabbaṃ    名形 a すべて  
      taṃ    代的 それ  
      puttānaṃ    a 息子  
      dāyajjaṃ    a 家督、遺産  
      niyyātaṃ,    過分 a 与えられた、出された  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      ahaṃ    代的  
      anovādī  an-ava-vad in 訓誡、教誡せず  
      anupavādī  an-upa-vad in 非難せず  
      ghāsa  gras a 牧草、食餌  
      chādana    a 有(持) 被服、衣料  
      paramo    a 最上の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharāmi.  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     「尊者ゴータマよ、ここなる私にはおよそ財物、穀物、銀、あるいは金がありましたが、それら全ては息子たちに遺産として与え、その上で私は口出しもせず、非難もせず、食と衣を最上のものとして住しています。  
                       
                       
                       
    31-24.                
     Evaṃ kho me [evañca me (syā.), evaṃ me (ka.)], bho gotama, sabbe kammantā paṭikkhittā, sabbe vohārā samucchinnā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      me, bho gotama, sabbe kammantā paṭikkhittā, sabbe vohārā samucchinnā’’ti. (31-21.)  
    訳文                
     尊者ゴータマよ、そのように、私は全ての仕事を拒み、全ての俗事を断ったのです」。  
                       
                       
                       
    31-25.                
     ‘‘Aññathā kho tvaṃ, gahapati, vohārasamucchedaṃ vadasi, aññathā ca pana ariyassa vinaye vohārasamucchedo hotī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Aññathā    不変 他の方法で、異なって  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      tvaṃ,    代的 あなた  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
      vohāra  vi-ava-hṛ a 依(属) 言説、慣例、俗事、職業  
      samucchedaṃ  saṃ-ud-chid a 断絶  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadasi,  vad いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      aññathā    不変 他の方法で、異なって  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      ariyassa    名形 a 聖なる、聖者  
      vinaye  vi-nī a  
      vohāra  vi-ava-hṛ a 依(属) 言説、慣例、俗事、職業  
      samucchedo  saṃ-ud-chid a 断絶  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hotī’’  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「居士よ、あなたは俗事の断絶を語りましたが、しかしそれとは別に、聖者の律における俗事の断絶があるのです」。  
                       
                       
                       
    31-26.                
     ‘‘Yathā kathaṃ pana, bhante, ariyassa vinaye vohārasamucchedo hoti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      kathaṃ    不変 いかに、なぜに  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      ariyassa vinaye vohārasamucchedo hoti? (31-25.)  
    訳文                
     「しからば尊者よ、いかように、聖者の律における俗事の断絶があるのでしょうか。  
                       
                       
                       
    31-27.                
     Sādhu me, bhante, bhagavā tathā dhammaṃ desetu yathā ariyassa vinaye vohārasamucchedo hotī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sādhu  sādh 不変 善哉、なにとぞ  
      me,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      tathā    不変 かく、その如く  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      desetu  diś 使 示す  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      ariyassa vinaye vohārasamucchedo hotī’’ti. (31-25.)  
    訳文                
     尊者よ、なにとぞ私へ、聖者の律における俗事の断絶がある、そのような法を示してください」。  
                       
                       
                       
    31-28.                
     ‘‘Tena hi, gahapati, suṇāhi, sādhukaṃ manasi karohi, bhāsissāmī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      hi,    不変 じつに、なぜなら →しからば  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      suṇāhi,  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      sādhukaṃ  sādh a よい、十分に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      manasi karohi,  manasi-kṛ 作意する  
      bhāsissāmī’’  bhāṣ 語る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「しからば居士よ、聞き、よく作意してください。私は語ることにしましょう」。  
                       
                       
                       
    31-29.                
     ‘‘Evaṃ, bhante’’ti kho potaliyo gahapati bhagavato paccassosi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bhante’’  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      potaliyo    a 人名、ポータリヤ  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      bhagavato    ant 世尊  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccassosi.  prati-śru 応諾する、同意する、応える  
    訳文                
     「尊者よ、そのように」と、ポータリヤ居士は世尊へ応えた。  
                       
                       
                       
    32-1.                
     32. Bhagavā etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhagavā    ant 世尊  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     世尊はこういわれた。  
                       
                       
                       
    32-2.                
     ‘‘aṭṭha kho ime, gahapati, dhammā ariyassa vinaye vohārasamucchedāya saṃvattanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘aṭṭha     
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ime,    代的 これら  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
      dhammā  dhṛ a 男中  
      ariyassa    名形 a 聖なる、聖者  
      vinaye  vi-nī a  
      vohāra  vi-ava-hṛ a 依(属) 言説、慣例、俗事、職業  
      samucchedāya  saṃ-ud-chid a 断絶  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saṃvattanti.  saṃ-vṛt 転記する、作用する、導く  
    訳文                
     「居士よ、聖者の律における俗事の断絶へ導く、これら八つの法があります。  
                       
                       
                       
    32-3.                
     Katame aṭṭha?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Katame    代的 いかなる  
      aṭṭha?     
    訳文                
     いかなる八つか。  
                       
                       
                       
    32-4.                
     Apāṇātipātaṃ nissāya pāṇātipāto pahātabbo;   
      語根 品詞 語基 意味  
      A    不変 (否定の接頭辞)  
      pāṇa  pra-an a 依(対) 生物、生類  
      atipātaṃ  ati-pat a 倒すこと、打つこと →殺生  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nissāya  ni-śri 依って、依止して、〜のために、近くに  
      語根 品詞 語基 意味  
      pāṇa  pra-an a 依(対) 生物、生類  
      atipāto  ati-pat a 倒すこと、打つこと →殺生  
      pahātabbo;  pra-hā 未分 a 捨断されるべき  
    訳文                
     生きものを殺さないことによって、殺生が捨断されるべきです。  
                       
                       
                       
    32-5.                
     dinnādānaṃ nissāya adinnādānaṃ pahātabbaṃ;   
      語根 品詞 語基 意味  
      dinna  過分 a 依(対) 与えられた  
      ādānaṃ  ā-dā a 取、取ること  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nissāya  ni-śri 依って、依止して、〜のために、近くに  
      語根 品詞 語基 意味  
      adinna  a-dā 過分 a 依(対) 与えられないもの  
      ādānaṃ  ā-dā a 取、取ること →偸盗  
      pahātabbaṃ;  pra-hā 未分 a 捨断されるべき  
    訳文                
     与えられた物を取ることによって、偸盗が捨断されるべきです。  
                       
                       
                       
    32-6.                
     saccavācaṃ [saccaṃ vācaṃ (syā.)] nissāya musāvādo pahātabbo;   
      語根 品詞 語基 意味  
      sacca    a 真実  
      vācaṃ  vac ā 語、言  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nissāya  ni-śri 依って、依止して、〜のために、近くに  
      語根 品詞 語基 意味  
      musā    不変 虚妄に、偽って  
      vādo  vad a 説、語、論 →妄語  
      pahātabbo;  pra-hā 未分 a 捨断されるべき  
    訳文                
     真実の言葉によって、妄語が捨断されるべきです。  
                       
                       
                       
    32-7.                
     apisuṇaṃ vācaṃ nissāya pisuṇā vācā pahātabbā;   
      語根 品詞 語基 意味  
      a    不変 (否定の接頭辞)  
      pisuṇaṃ    a 離間の、中傷の  
      vācaṃ  vac ā 語、言葉 →両舌  
      nissāya  ni-śri 依って、依止して、〜のために、近くに  
      pisuṇā    a 離間の、中傷の  
      vācā  vac ā 語、言葉 →両舌  
      pahātabbā;  pra-hā 未分 a 捨断されるべき  
    訳文                
     離間の言葉なきことによって、両舌が捨断されるべきです。  
                       
                       
                       
    32-8.                
     agiddhilobhaṃ nissāya giddhilobho pahātabbo;   
      語根 品詞 語基 意味  
      a    不変 (否定の接頭辞)  
      giddhi    i 貪求  
      lobhaṃ    a 貪欲  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nissāya  ni-śri 依って、依止して、〜のために、近くに  
      語根 品詞 語基 意味  
      giddhi    i 貪求  
      lobho    a 貪欲  
      pahātabbo;  pra-hā 未分 a 捨断されるべき  
    訳文                
     貪求と貪欲なきことによって、貪求と貪欲が捨断されるべきです。  
                       
                       
                       
    32-9.                
     anindārosaṃ nissāya nindāroso pahātabbo;   
      語根 品詞 語基 意味  
      a    不変 (否定の接頭辞)  
      nindā    ā 非難  
      roso    a 瞋恚、論争  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nissāya  ni-śri 依って、依止して、〜のために、近くに  
      語根 品詞 語基 意味  
      nindā    ā 非難  
      roso    a 瞋恚、論争  
      pahātabbo;  pra-hā 未分 a 捨断されるべき  
    訳文                
     非難と論争なきことによって、非難と論争が捨断されるべきです。  
                       
                       
                       
    32-10.                
     akkodhūpāyāsaṃ nissāya kodhūpāyāso pahātabbo;   
      語根 品詞 語基 意味  
      a    不変 (否定の接頭辞)  
      kodha  krudh a 忿怒  
      upāyāso    a 悩、愁、悶  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nissāya  ni-śri 依って、依止して、〜のために、近くに  
      語根 品詞 語基 意味  
      kodha  krudh a 忿怒  
      upāyāso    a 悩、愁、悶  
      pahātabbo;  pra-hā 未分 a 捨断されるべき  
    訳文                
     忿怒と悩なきことによって、忿怒と悩が捨断されるべきです。  
                       
                       
                       
    32-11.                
     anatimānaṃ nissāya atimāno pahātabbo.   
      語根 品詞 語基 意味  
      an    不変 (否定の接頭辞)  
      atimānaṃ  ati-man a 過慢  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nissāya  ni-śri 依って、依止して、〜のために、近くに  
      語根 品詞 語基 意味  
      atimāno  ati-man a 過慢  
      pahātabbo.  pra-hā 未分 a 捨断されるべき  
    訳文                
     過慢なきことによって、過慢が捨断されるべきです。  
                       
                       
                       
    32-12.                
     Ime kho, gahapati, aṭṭha dhammā saṃkhittena vuttā, vitthārena avibhattā, ariyassa vinaye vohārasamucchedāya saṃvattantī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ime kho, gahapati, aṭṭha dhammā saṃkhittena vuttā, vitthārena avibhattā, ariyassa vinaye vohārasamucchedāya saṃvattantī’’ (31-25.)  
      saṃkhittena  saṃ-kṣip a 副具 要略すれば、簡潔には  
      vuttā,  vac 受 過分 a いわれた  
      vitthārena  vi-stṛ 使 a 副具 広説すれば、詳細には  
      avibhattā,  a-vi-bhaj 過分 a 分別、解説されない  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     居士よ、これらが、簡潔に言われ、詳細には解説されない〔場合の〕、聖者の律における俗事の断絶へ導く八つの法なのです」。  
                       
                       
                       
    32-13.                
     ‘‘Ye me [ye me pana (syā. ka.)], bhante, bhagavatā aṭṭha dhammā saṃkhittena vuttā, vitthārena avibhattā, ariyassa vinaye vohārasamucchedāya saṃvattanti, sādhu me, bhante, bhagavā ime aṭṭha dhamme vitthārena [vitthāretvā (ka.)] vibhajatu anukampaṃ upādāyā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ye    代的 (関係代名詞)  
      me,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      bhagavatā    ant 世尊  
      aṭṭha dhammā saṃkhittena vuttā, vitthārena avibhattā, ariyassa vinaye vohārasamucchedāya saṃvattanti, (32-12.)  
      sādhu  sādh 不変 善哉、なにとぞ  
      me,    代的  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      bhagavā    ant 世尊  
      ime    代的 これら  
      aṭṭha     
      dhamme  dhṛ a 男中  
      vitthārena  vi-stṛ 使 a 副具 広説すれば、詳細には  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vibhajatu  vi-bhaj 分別する、解説する  
      語根 品詞 語基 意味  
      anukampaṃ  anu-kamp ā 同情、憐愍  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upādāyā’’  upa-ā-dā 取る、執受する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者よ、およそ世尊によって私へ簡潔に言われ、詳細には解説されなかった聖者の律における俗事の断絶へ導く八つの法。尊者よ、なにとぞ世尊は私へ、憐愍を取って、これら八つの法を詳細に解説したまえ」。  
                       
                       
                       
    32-14.                
     ‘‘Tena hi, gahapati, suṇāhi, sādhukaṃ manasi karohi, bhāsissāmī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tena hi, gahapati, suṇāhi, sādhukaṃ manasi karohi, bhāsissāmī’’ti. (31-28.)  
    訳文                
     「しからば居士よ、聞き、よく作意してください。私は語ることにしましょう」。  
                       
                       
                       
    32-15.                
     ‘‘Evaṃ, bhante’’ti kho potaliyo gahapati bhagavato paccassosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ, bhante’’ti kho potaliyo gahapati bhagavato paccassosi. (31-29.)  
    訳文                
     「尊者よ、そのように」と、ポータリヤ居士は世尊へ応えた。  
                       
                       
                       
    32-16.                
     Bhagavā etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhagavā etadavoca – (32-1.)  
    訳文                
     世尊はこういわれた。  
                       
                       
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