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     2. Aṭṭhakanāgarasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Aṭṭhaka    a 地名、アッタカ  
      nāgara    a 依(属) 市民、城市の人々  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     『アッタカ市民経』  
                       
                       
                       
    17-1.                
     17. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ   不変 このように  
      me   代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた、所聞  
    訳文                
     このように私は聞いた。  
                       
                       
                       
    17-2.                
     ekaṃ samayaṃ āyasmā ānando vesāliyaṃ viharati beluvagāmake [veḷuvagāmake (syā. kaṃ. ka.)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      samayaṃ  saṃ-i a 副対  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      vesāliyaṃ    ī 地名、ヴェーサーリー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      beluva    a 地名、ベールヴァ  
      gāmake.    a 小村、村人  
    訳文                
     あるとき尊者アーナンダは、ヴェーサーリーはベールヴァ村に住していた。  
    メモ                
     ・『大般涅槃経』では、このベールヴァ(ヴェールヴァ)村で釈尊は尊者阿難とともに安居に入っている。しかるに『大般涅槃経』では建設中だったパータリプッタが出てくるので、あるいは本経は釈尊滅後のエピソードか。  
                       
                       
                       
    17-3.                
     Tena kho pana samayena dasamo gahapati aṭṭhakanāgaro pāṭaliputtaṃ anuppatto hoti kenacideva karaṇīyena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      dasamo    a 人名、ダサマ  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      aṭṭhaka    a 地名、アッタカ  
      nāgaro    a 市民、城市の人々  
      pāṭaliputtaṃ    a 地名、パータリプッタ  
      anuppatto  anu-pra-āp 過分 a 到達した  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kenaci    代的 何、誰  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      karaṇīyena.  kṛ 名未分 a 作されるベき、所作、義務、必須  
    訳文                
     さてそのとき、アッタカ市民ダサマ居士が、なにがしかの所用あってパータリプッタへ到着していた。  
                       
                       
                       
    17-4.                
     Atha kho dasamo gahapati aṭṭhakanāgaro yena kukkuṭārāmo yena aññataro bhikkhu tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      dasamo    a 人名、ダサマ  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      aṭṭhaka    a 地名、アッタカ  
      nāgaro    a 市民、城市の人々  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      kukkuṭa    a 地名、クックタ  
      ārāmo    a 園、園林、僧園  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      aññataro    代的 とある  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     ときにアッタカ市民ダサマ居士はクックタ僧園でとある比丘へ近づいた。  
                       
                       
                       
    17-5.                
     upasaṅkamitvā taṃ bhikkhuṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      taṃ    代的 それ、彼  
      bhikkhuṃ  bhikṣ u 比丘  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて、その比丘へ礼拝し、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    17-6.                
     Ekamantaṃ nisinno kho dasamo gahapati aṭṭhakanāgaro taṃ bhikkhuṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      dasamo    a 人名、ダサマ  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      aṭṭhaka    a 地名、アッタカ  
      nāgaro    a 市民、城市の人々  
      taṃ    代的 それ、彼  
      bhikkhuṃ  bhikṣ u 比丘  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐ったアッタカ市民ダサマ居士は、その比丘へこういった。  
                       
                       
                       
    17-7.                
     ‘‘kahaṃ nu kho, bhante, āyasmā ānando etarahi viharati?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘kahaṃ    不変 どこに  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhante,  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      etarahi    不変 いま、現在  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati?  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     「尊者よ、尊者アーナンダは、今どこに住しておられますか。  
                       
                       
                       
    17-8.                
     Dassanakāmā hi mayaṃ taṃ āyasmantaṃ ānanda’’nti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dassana  dṛś a 有(持) 見ること  
      kāmā    a 男中 欲、欲楽  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      mayaṃ    代的 私たち  
      taṃ    代的 それ  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānanda’’n  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     なんとなれば、私どもはかの尊者アーナンダへまみえることを欲しておりますゆえ」と。  
                       
                       
                       
    17-9.                
     ‘‘Eso, gahapati, āyasmā ānando vesāliyaṃ viharati beluvagāmake’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Eso,    代的 これ  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
      āyasmā ānando vesāliyaṃ viharati beluvagāmake’’ (17-2.)  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「居士よ、かの尊者アーナンダは、ヴェーサーリーはベールヴァ村に住しておられます」。  
                       
                       
                       
    17-10.                
     Atha kho dasamo gahapati aṭṭhakanāgaro pāṭaliputte taṃ karaṇīyaṃ tīretvā yena vesālī yena beluvagāmako yenāyasmā ānando tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      dasamo    a 人名、ダサマ  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      aṭṭhaka    a 地名、アッタカ  
      nāgaro    a 市民、城市の人々  
      pāṭaliputte    a 地名、パータリプッタ  
      taṃ    代的 それ  
      karaṇīyaṃ  kṛ 名未分 a 作されるベき、所作、義務、必須  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      tīretvā  tṛ 使 渡す、完成させる  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      vesālī    ī 地名、ヴェーサーリー  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      beluva    a 地名、ベールヴァ  
      gāmako    a 小村、村人  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      ānando  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     そこでアッタカ市民ダサマ居士はパータリプッタでの所用を終えると、ヴェーサーリーはベールヴァ村の、尊者アーナンダのもとへ近づいた。  
                       
                       
                       
    17-11.                
     upasaṅkamitvā āyasmantaṃ ānandaṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdi.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānandaṃ  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて、尊者アーナンダへ礼拝し、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    18-1.                
     18. Ekamantaṃ nisinno kho dasamo gahapati aṭṭhakanāgaro āyasmantaṃ ānandaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      dasamo    a 人名、ダサマ  
      gahapati    i 家主、居士、資産家  
      aṭṭhaka    a 地名、アッタカ  
      nāgaro    a 市民、城市の人々  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      ānandaṃ  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐ったアッタカ市民ダサマ居士は、尊者アーナンダへこういった。  
                       
                       
                       
    18-2.                
     ‘‘atthi nu kho, bhante ānanda, tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ekadhammo akkhāto yattha bhikkhuno appamattassa ātāpino pahitattassa viharato avimuttañceva cittaṃ vimuccati, aparikkhīṇā ca āsavā parikkhayaṃ gacchanti, ananuppattañca anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇātī’’ti?  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhante  bhū 名現分 ant 尊者よ、大徳よ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      bhagavatā    ant 世尊  
      jānatā  jñā 名現分 ant 知者  
      passatā  paś 名現分 ant 見者  
      arahatā  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      sambuddhena  saṃ-budh 名過分 a 等覚者  
      eka    代的 一、とある  
      dhammo  dhṛ a 男中  
      akkhāto  ā-khyā 過分 a 告げる、話す  
      yattha    不変 〜するところのそこ  
      bhikkhuno  bhikṣ u 属絶 比丘  
      appamattassa    a 属絶 不放逸の  
      ātāpino  ā-tap? in 属絶 熱心の、熱勤の  
      pahita  pra-dhā 過分 a 有(持) 熱心な、努めた  
      attassa    an 属絶 自己、我  
      viharato  vi-hṛ 現分 ant 属絶 住する  
      avimuttañ  a-vi-muc 過分 a 解脱しない  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      cittaṃ  cit a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vimuccati,  vi-muc 受 解脱する  
      語根 品詞 語基 意味  
      aparikkhīṇā  a-pari-kṣi 過分 a 滅尽しない  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      āsavā  ā-sru a 漏、煩悩  
      parikkhayaṃ  pari-kṣi a 遍尽、尽滅  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gacchanti,  gam 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      ananuppattañ  an-anu-pra-āp 過分 a 到達されない  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      anuttaraṃ    代的 無上の  
      yoga  yuj a 依(奪) 束縛、瑜伽、結合  
      khemaṃ    名形 a 平安な →軛安穏  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anupāpuṇātī’’  anu-pra-āp 到達する、得る、見出す  
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「尊者アーナンダよ、いったい、かの知者、見者、阿羅漢、正等覚者たる世尊によって、およそそこにおいて比丘が不放逸に、熱勤に、自ら努めて住するならば、解脱しない心が解脱し、滅尽しない諸漏が滅尽に至り、到達されない無常の軛安穏へ到達するような一法は説かれたのでしょうか」。  
                       
                       
                       
    18-3.                
     ‘‘Atthi kho, gahapati, tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ekadhammo akkhāto yattha bhikkhuno appamattassa ātāpino pahitattassa viharato avimuttañceva cittaṃ vimuccati, aparikkhīṇā ca āsavā parikkhayaṃ gacchanti, ananuppattañca anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇātī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atthi kho, gahapati, tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ekadhammo akkhāto yattha bhikkhuno appamattassa ātāpino pahitattassa viharato avimuttañceva cittaṃ vimuccati, aparikkhīṇā ca āsavā parikkhayaṃ gacchanti, ananuppattañca anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇātī’’ti. (18-2.)  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
    訳文                
     「居士よ、かの知者、見者、阿羅漢、正等覚者たる世尊によって、およそそこにおいて比丘が不放逸に、熱勤に、自ら努めて住するならば、解脱しない心が解脱し、滅尽しない諸漏が滅尽に至り、到達されない無常の軛安穏へ到達するような一法は説かれました」。  
                       
                       
                       
    18-4.                
     ‘‘Katamo pana, bhante ānanda, tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ekadhammo akkhāto yattha bhikkhuno appamattassa ātāpino pahitattassa viharato avimuttañceva cittaṃ vimuccati, aparikkhīṇā ca āsavā parikkhayaṃ gacchanti, ananuppattañca anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇātī’’ti?  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Katamo    代的 いずれの、どちらの  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
       bhante ānanda, tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ekadhammo akkhāto yattha bhikkhuno appamattassa ātāpino pahitattassa viharato avimuttañceva cittaṃ vimuccati, aparikkhīṇā ca āsavā parikkhayaṃ gacchanti, ananuppattañca anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇātī’’ti? (18-2.)  
    訳文                
     「しからば尊者アーナンダよ、いかなるものが、かの知者、見者、阿羅漢、正等覚者たる世尊によって説かれた、およそそこにおいて比丘が不放逸に、熱勤に、自ら努めて住するならば、解脱しない心が解脱し、滅尽しない諸漏が滅尽に至り、到達されない無常の軛安穏へ到達するような一法なのでしょうか」。  
                       
                       
                       
    19-1.                
     19. ‘‘Idha, gahapati, bhikkhu vivicceva kāmehi vivicca akusalehi dhammehi savitakkaṃ savicāraṃ vivekajaṃ pītisukhaṃ paṭhamaṃ jhānaṃ upasampajja viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha,    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      vivicca  vi-vic 不変 離れて、遠離して(viviccatiの連続体)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kāmehi    a 欲、愛欲、欲念、欲情、欲楽  
      vivicca  vi-vic 不変 離れて、遠離して(viviccatiの連続体)  
      akusalehi    a 不善の  
      dhammehi  dhṛ a 法、状態、性質、道、権利、事物、教法、正理  
      savitakkaṃ    a 有尋  
      savicāraṃ  sa-vi-car a 有伺  
      vivekajaṃ  vi-vic, jan a 遠離、独処より生じた  
      pīti    i 有(相) 喜、喜悦  
      sukhaṃ    名形 a  
      paṭhamaṃ    a 初の、第一の  
      jhānaṃ  dhyai a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達する、成就する、具足する  
      viharati.  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     居士よ、ここに比丘が、欲から遠離し、不善の諸法から遠離して、尋をともない、伺をともない、遠離より生じた喜と楽ある初禅に達して住する〔とします〕。  
                       
                       
                       
    19-2.                
     So iti paṭisañcikkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭisañcikkhati –  prati-saṃ-khyā 強 精察する、深慮する  
    訳文                
     彼は、このように深慮します。  
                       
                       
                       
    19-3.                
     ‘idampi paṭhamaṃ jhānaṃ abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘idam    代的 これ  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      paṭhamaṃ    a 初の、第一の  
      jhānaṃ  dhyai a  
      abhisaṅkhataṃ  abhi-saṃ-kṛ 過分 a 為作された  
      abhisañcetayitaṃ.  abhi-saṃ-cit 過分 a 思惟された  
    訳文                
     『この初禅は、為作され、思惟されたものだ。  
                       
                       
                       
    19-4.                
     Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      kiñci    代的 何、誰  
      abhisaṅkhataṃ  abhi-saṃ-kṛ 過分 a 為作された  
      abhisañcetayitaṃ  abhi-saṃ-cit 過分 a 思惟された  
      tad    代的 それ  
      aniccaṃ    a 無常の  
      nirodha  ni-rudh 受 a 有(属) 滅、滅尽  
      dhamma’n  dhṛ a 男中  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānāti.  pra-jñā 知る、了知する  
    訳文                
     しかして、およそ何であれ、為作され、思惟されたもの、それは無常にして滅尽の性質あるものだ』と。  
                       
                       
                       
    19-5.                
     So tattha ṭhito āsavānaṃ khayaṃ pāpuṇāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      ṭhito  sthā 過分 a 立つ、住立する、とどまる  
      āsavānaṃ  ā-sru a 漏、煩悩  
      khayaṃ  kṣi a 尽、滅尽  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāpuṇāti.  pra-āp 得る、到達する  
    訳文                
     彼はそこへとどまり、諸漏の滅尽へ到達します。  
                       
                       
                       
    19-6.                
     No ce āsavānaṃ khayaṃ pāpuṇāti, teneva dhammarāgena tāya dhammanandiyā pañcannaṃ orambhāgiyānaṃ saṃyojanānaṃ parikkhayā opapātiko hoti tattha parinibbāyī anāvattidhammo tasmā lokā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      No    不変 ない、否  
      ce    不変 もし、たとえ  
      āsavānaṃ  ā-sru a 漏、煩悩  
      khayaṃ  kṣi a 尽、滅尽  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāpuṇāti,  pra-āp 得る、到達する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      dhamma  dhṛ a 男中 依(与)  
      rāgena  raj a 貪欲、染  
      tāya    代的 それ、彼女  
      dhamma  dhṛ a 男中 依(属)  
      nandiyā  nand i, ī 歓喜、喜悦  
      pañcannaṃ     
      orambhāgiyānaṃ    a 下分  
      saṃyojanānaṃ  saṃ-yuj a 結、繋縛  
      parikkhayā  pari-kṣi a 遍尽、尽滅  
      opapātiko    a 化生の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      parinibbāyī    in 般涅槃者  
      anāvatti  an-ā-vṛt in 有(属) 不還  
      dhammo  dhṛ a 男中 法 →不還者  
      tasmā    代的 それ、彼  
      lokā.    a 世界、世間  
    訳文                
     もし諸漏の滅尽へ到達しないとしても、彼はその法への貪求ゆえ、その法の歓喜ゆえ、五下分結の滅尽によって化生者となり、そこで般涅槃してその世界から還らざるものとなります。  
    メモ                
     ・初禅への到達で阿羅漢もしくは不還に成り得るというのか。  
                       
                       
                       
    19-7.                
     Ayampi kho, gahapati, tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ekadhammo akkhāto yattha bhikkhuno appamattassa ātāpino pahitattassa viharato avimuttañceva cittaṃ vimuccati, aparikkhīṇā ca āsavā parikkhayaṃ gacchanti, ananuppattañca anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ayam    代的 男女 これ  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho, gahapati, tena bhagavatā jānatā passatā arahatā sammāsambuddhena ekadhammo akkhāto yattha bhikkhuno appamattassa ātāpino pahitattassa viharato avimuttañceva cittaṃ vimuccati, aparikkhīṇā ca āsavā parikkhayaṃ gacchanti, ananuppattañca anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti. (18-3.)  
    訳文                
     居士よ、これが、かの知者、見者、阿羅漢、正等覚者たる世尊によって説かれた、およそそこにおいて比丘が不放逸に、熱勤に、自ら努めて住するならば、解脱しない心が解脱し、滅尽しない諸漏が滅尽に至り、到達されない無常の軛安穏へ到達するような一法なのです。  
                       
                       
                       
    20-1.                
     20. ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu vitakkavicārānaṃ vūpasamā ajjhattaṃ sampasādanaṃ…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna    不変 さらに、ふたたび  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      aparaṃ,    代的 副対 後の、次の、他の、さらに  
      gahapati,    i 家主、居士、資産家  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      vitakka    a  
      vicārānaṃ  vi-car a  
      vūpasamā  vi-upa-śam a 寂静、寂滅、寂止  
      ajjhattaṃ    a 副対 自らの、内の、個人的  
      sampasādanaṃ…pe…  saṃ-pra-sad a 浄、浄潔  
    訳文                
     さらにまた居士よ、比丘が、尋と伺の寂止のゆえに、内なる浄あり……  
                       
                       
                       
    20-2.                
     dutiyaṃ jhānaṃ upasampajja viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      dutiyaṃ    名形 a 男→中 第二の  
      jhānaṃ upasampajja viharati. (19-1.)  
    訳文                
     ……二禅に達して住します。  
                       
                       
                       
    20-3.                
     So iti paṭisañcikkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So iti paṭisañcikkhati – (19-2.)  
    訳文                
     彼は、このように深慮します。  
                       
                       
                       
    20-4.                
     ‘idampi kho dutiyaṃ jhānaṃ abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘idampi kho dutiyaṃ jhānaṃ abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ… (19-3.)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      dutiyaṃ    名形 a 男→中 第二の、伴侶  
    訳文                
     『この二禅は、為作され、思惟されたものだ……  
                       
                       
                       
    20-5.                
     anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti. (19-7.)  
    訳文                
     ……無常の軛安穏へ到達する〔ような一法なのです〕。  
                       
                       
                       
    20-6.                
     ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu pītiyā ca virāgā…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu (20-1.)  
      pītiyā    i 喜、喜悦  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      virāgā…pe…  vi-raj a 離貧、離、遠離、離欲、離貧者  
    訳文                
     さらにまた居士よ、比丘が、喜の遠離ゆえに……  
                       
                       
                       
    20-7.                
     tatiyaṃ jhānaṃ upasampajja viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      tatiyaṃ    a 第三の  
      jhānaṃ upasampajja viharati. (19-1.)  
    訳文                
     ……三禅に達して住します。  
                       
                       
                       
    20-8.                
     So iti paṭisañcikkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So iti paṭisañcikkhati – (19-2.)  
    訳文                
     彼は、このように深慮します。  
                       
                       
                       
    20-9.                
     ‘idampi kho tatiyaṃ jhānaṃ abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘idampi kho tatiyaṃ jhānaṃ abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ…pe… (20-4.)  
      tatiyaṃ    a 第三の  
    訳文                
     『この三禅は、為作され、思惟されたものだ……  
                       
                       
                       
    20-10.                
     anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti. (20-5.)  
    訳文                
     ……無常の軛安穏へ到達する〔ような一法なのです〕。  
                       
                       
                       
    20-11.                
     ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu sukhassa ca pahānā …pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu (20-1.)  
      sukhassa    名形 a 楽、楽の  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pahānā …pe…  pra-hā a 捨、断、捨断、捨離  
    訳文                
     さらにまた居士よ、比丘が、楽の捨断ゆえに……  
                       
                       
                       
    20-12.                
     catutthaṃ jhānaṃ upasampajja viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      catutthaṃ    a 第四  
      jhānaṃ upasampajja viharati. (19-1.)  
    訳文                
     ……四禅に達して住します。  
                       
                       
                       
    20-13.                
     So iti paṭisañcikkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So iti paṭisañcikkhati – (19-2.)  
    訳文                
     彼は、このように深慮します。  
                       
                       
                       
    20-14.                
     ‘idampi kho catutthaṃ jhānaṃ abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘idampi kho catutthaṃ jhānaṃ abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ (20-4.)  
      catutthaṃ    a 第四の  
    訳文                
     『この四禅は、為作され、思惟されたものだ……  
                       
                       
                       
    20-15.                
     anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti. (20-5.)  
    訳文                
     ……無常の軛安穏へ到達する〔ような一法なのです〕。  
                       
                       
                       
    20-16.                
     ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu mettāsahagatena cetasā ekaṃ disaṃ pharitvā viharati, tathā dutiyaṃ, tathā tatiyaṃ, tathā catutthaṃ [catutthiṃ (sī. pī.)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu (20-1.)  
      mettā    ā 依(具)  
      sahagatena  saha-gam a 倶行の、倶なる  
      cetasā  cit as 心、心想  
      ekaṃ    代的 ひとつ、とある  
      disaṃ  diś ā 方向、方角  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pharitvā  sphar ひろがる、遍満する  
      viharati,  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tathā    不変 かく、その如く  
      dutiyaṃ,    名形 a 男→女 第二  
      tathā    不変 かく、その如く  
      tatiyaṃ,    a 第三  
      tathā    不変 かく、その如く  
      catutthaṃ.    a 第四  
    訳文                
     さらにまた居士よ、比丘が、慈をともなう心によって、一つの方角を満たして住します。そのように、第二の〔方角を〕。そのように、第三の〔方角を〕。そのように、第四の〔方角を〕。  
                       
                       
                       
    20-17.                
     Iti uddhamadho tiriyaṃ sabbadhi sabbattatāya sabbāvantaṃ lokaṃ mettāsahagatena cetasā vipulena mahaggatena appamāṇena averena abyābajjhena [abyāpajjhena (sī. syā. pī.), abyāpajjena (ka.) aṅguttaratikanipātaṭīkā oloketabbā] pharitvā viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      uddha    不変  
      madho    不変  
      tiriyaṃ    不変 横に、四方に  
      sabbadhi    不変 一切処に、あらゆる場合に、あらゆる点で  
      sabbattatāya    ā 副具 一切処性、遍通(副具で「全体として」「全体に」)  
      sabbāvantaṃ    a 一切の、全部  
      lokaṃ    a 界、世界、世間  
      mettā    ā 依(具)  
      sahagatena  saha-gam a 倶行の、倶なる  
      cetasā  cit as 心、心想  
      vipulena    a 広大  
      maha    ant 有(持) 大きい  
      aggatena    ā 女→中 最上性  
      appamāṇena    名形 a 無量の  
      averena    a 怨なき、無怨の  
      abyābajjhena  a-vi-ā-pad 名未分 a 瞋なき、無瞋の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pharitvā  sphar ひろがる、遍満する  
      viharati. vi-hṛ 住する  
    訳文                
     かく、上を、下を、四維を、一切処を、あまねく全世界を、広大で、偉大な最上性あり、無量の、怨なき、瞋なき、慈をともなう心によって、満たして住します。  
                       
                       
                       
    20-18.                
     So iti paṭisañcikkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So iti paṭisañcikkhati – (19-2.)  
    訳文                
     彼は、このように深慮します。  
                       
                       
                       
    20-19.                
     ‘ayampi kho mettācetovimutti abhisaṅkhatā abhisañcetayitā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayam    代的 これ  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      mettā    ā 依(具)  
      ceto  cit as 依(属)  
      vimutti  vi-muc i 解脱  
      abhisaṅkhatā  abhi-saṃ-kṛ 過分 a 為作された  
      abhisañcetayitā.  abhi-saṃ-cit 過分 a 思惟された  
    訳文                
     『この慈による心解脱は、為作され、思惟されたものだ。  
                       
                       
                       
    20-20.                
     Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti. (19-4.)  
    訳文                
     しかして、およそ何であれ、為作され、思惟されたもの、それは無常にして滅尽の性質あるものだ』と。  
                       
                       
                       
    20-21.                
     So tattha ṭhito…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tattha ṭhito…pe… (19-5.)  
    訳文                
     彼はそこへとどまり……  
                       
                       
                       
    20-22.                
     anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti. (20-5.)  
    訳文                
     ……無常の軛安穏へ到達する〔ような一法なのです〕。  
                       
                       
                       
    20-23.                
     ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu karuṇāsahagatena cetasā…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu karuṇāsahagatena cetasā…pe… (20-16.)  
      karuṇā    ā 依(具)  
    訳文                
     さらにまた居士よ、比丘が、悲をともなう心によって……  
                       
                       
                       
    20-24.                
     muditāsahagatena cetasā…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      muditā  mud ā 依(具)  
      sahagatena cetasā…pe… (20-16.)  
    訳文                
     喜をともなう心によって……  
                       
                       
                       
    20-25.                
     upekkhāsahagatena cetasā ekaṃ disaṃ pharitvā viharati, tathā dutiyaṃ, tathā tatiyaṃ, tathā catutthaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      upekkhā  upa-īkṣ ā 依(具)  
      sahagatena cetasā ekaṃ disaṃ pharitvā viharati, tathā dutiyaṃ, tathā tatiyaṃ, tathā catutthaṃ. (20-16.)  
    訳文                
     捨をともなう心によって、一つの方角を満たして住します。そのように、第二の〔方角を〕。そのように、第三の〔方角を〕。そのように、第四の〔方角を〕。  
                       
                       
                       
    20-26.                
     Iti uddhamadho tiriyaṃ sabbadhi sabbattatāya sabbāvantaṃ lokaṃ upekkhāsahagatena cetasā vipulena mahaggatena appamāṇena averena abyābajjhena pharitvā viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti uddhamadho tiriyaṃ sabbadhi sabbattatāya sabbāvantaṃ lokaṃ upekkhāsahagatena cetasā vipulena mahaggatena appamāṇena averena abyābajjhena pharitvā viharati. (20-17.)  
    訳文                
     かく、上を、下を、四維を、一切処を、あまねく全世界を、広大で、偉大な最上性あり、無量の、怨なき、瞋なき、捨をともなう心によって、満たして住します。  
                       
                       
                       
    20-27.                
     So iti paṭisañcikkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So iti paṭisañcikkhati – (19-2.)  
    訳文                
     彼は、このように深慮します。  
                       
                       
                       
    20-28.                
     ‘ayampi kho upekkhācetovimutti abhisaṅkhatā abhisañcetayitā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayampi kho upekkhācetovimutti abhisaṅkhatā abhisañcetayitā. (20-19.)  
      upekkhā  upa-īkṣ ā 依(具)  
    訳文                
     『この捨による心解脱は、為作され、思惟されたものだ。  
                       
                       
                       
    20-29.                
     Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’ntntti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti. (19-4.)  
    訳文                
     しかして、およそ何であれ、為作され、思惟されたもの、それは無常にして滅尽の性質あるものだ』と。  
                       
                       
                       
    20-30.                
     So tattha ṭhito…   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tattha ṭhito… (19-5.)  
    訳文                
     彼はそこへとどまり……  
                       
                       
                       
    20-31.                
     anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti. (20-5.)  
    訳文                
     ……無常の軛安穏へ到達する〔ような一法なのです〕。  
                       
                       
                       
    20-32.                
     ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu sabbaso rūpasaññānaṃ samatikkamā paṭighasaññānaṃ atthaṅgamā nānattasaññānaṃ amanasikārā ‘ananto ākāso’ti ākāsānañcāyatanaṃ upasampajja viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu (20-1.)  
      sabbaso    不変 あまねく、まったく(単数奪格)  
      rūpa    a 依(属) 色、物質  
      saññānaṃ  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      samatikkamā  saṃ-ati-kram a 男中 超える、越度する  
      paṭigha  prati-han a 男中 依(属) 瞋恚、いかり、障碍、対碍、有対  
      saññānaṃ  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象 →有対想  
      atthaṅgamā    a 滅没  
      nānatta    a 種々、雑多  
      saññānaṃ  saṃ-jñā ā 想、想念、概念、表象  
      amanasikārā  a-man, kṛ a 不作意  
      ‘ananto    a 無辺の、無限の、無量の  
      ākāso’    a 虚空、空  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      ākāsānañca    a 空無辺  
      āyatanaṃ  ā-yam a 処、入 →空無辺処  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達する、成就する、具足する  
      viharati.  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     さらにまた居士よ、比丘が、あまねく色想を超えることより、有対想の滅没より、種々の想の不作意より、『虚空は無辺なり』と、空無辺処に達して住します。  
                       
                       
                       
    20-33.                
     So iti paṭisañcikkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So iti paṭisañcikkhati – (19-2.)  
    訳文                
     彼は、このように深慮します。  
                       
                       
                       
    20-34.                
     ‘ayampi kho ākāsānañcāyatanasamāpatti abhisaṅkhatā abhisañcetayitā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayampi kho ākāsānañcāyatanasamāpatti abhisaṅkhatā abhisañcetayitā. (19-2.)  
      ākāsānañca    a 空無辺  
      āyatana  ā-yam a 依(与) 処、入 →空無辺処  
      samāpatti  saṃ-ā-pad i 入定、等至  
    訳文                
     『この空無辺処への入定は、為作され、思惟されたものだ。  
                       
                       
                       
    20-35.                
     Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti. (19-4.)  
    訳文                
     しかして、およそ何であれ、為作され、思惟されたもの、それは無常にして滅尽の性質あるものだ』と。  
                       
                       
                       
    20-36.                
     So tattha ṭhito…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tattha ṭhito…pe… (19-5.)  
    訳文                
     彼はそこへとどまり……  
                       
                       
                       
    20-37.                
     anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti. (20-5.)  
    訳文                
     ……無常の軛安穏へ到達する〔ような一法なのです〕。  
                       
                       
                       
    20-38.                
     ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu sabbaso ākāsānañcāyatanaṃ samatikkamma ‘anantaṃ viññāṇa’nti viññāṇañcāyatanaṃ upasampajja viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu (20-1.)  
      sabbaso    不変 あまねく、まったく(単数奪格)  
      ākāsānañca    a 空無辺  
      āyatanaṃ  ā-yam a 処、入 →空無辺処  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samatikkamma  saṃ-ati-kram 超える、越度する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘anantaṃ    a 無辺の、無限の、無量の  
      viññāṇa’n  vi-jñā a 識、認識、意識  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      viññāṇañca  vi-jñā a 識無辺  
      āyatanaṃ  ā-yam a 処、入 →識無辺処  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達する、成就する、具足する  
      viharati.  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     さらにまた居士よ、比丘が、あまねく空無辺処を超えて『識は無辺なり』と、識無辺処に達して住します。  
                       
                       
                       
    20-39.                
     So iti paṭisañcikkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So iti paṭisañcikkhati – (19-2.)  
    訳文                
     彼は、このように深慮します。  
                       
                       
                       
    20-40.                
     ‘ayampi kho viññāṇañcāyatanasamāpatti abhisaṅkhatā abhisañcetayitā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayampi kho viññāṇañcāyatanasamāpatti abhisaṅkhatā abhisañcetayitā. (20-34.)  
      viññāṇañca  vi-jñā a 識無辺  
    訳文                
     『この識無辺処への入定は、為作され、思惟されたものだ。  
                       
                       
                       
    20-41.                
     Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti. (19-4.)  
    訳文                
     しかして、およそ何であれ、為作され、思惟されたもの、それは無常にして滅尽の性質あるものだ』と。  
                       
                       
                       
    20-42.                
     So tattha ṭhito…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tattha ṭhito…pe… (19-5.)  
    訳文                
     彼はそこへとどまり……  
                       
                       
                       
    20-43.                
     anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      anuttaraṃ yogakkhemaṃ anupāpuṇāti. (20-5.)  
    訳文                
     ……無常の軛安穏へ到達する〔ような一法なのです〕。  
                       
                       
                       
    20-44.                
     ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu sabbaso viññāṇañcāyatanaṃ samatikkamma ‘natthi kiñcī’ti ākiñcaññāyatanaṃ upasampajja viharati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, gahapati, bhikkhu (20-1.)  
      sabbaso    不変 あまねく、まったく(単数奪格)  
      viññāṇañca  vi-jñā a 識無辺  
      āyatanaṃ  ā-yam a 処、入 →識無辺処  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samatikkamma  saṃ-ati-kram 超える、越度する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi  as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      kiñcī’    代的  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      ākiñcañña    a 無所有  
      āyatanaṃ  ā-yam a 処、入 →無所有処  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasampajja  upa-saṃ-pad 到達する、成就する、具足する  
      viharati.  vi-hṛ 住する  
    訳文                
     さらにまた居士よ、比丘が、あまねく識無辺処を超えて『何も存在しない』と、無所有処に達して住します。  
                       
                       
                       
    20-45.                
     So iti paṭisañcikkhati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      So iti paṭisañcikkhati – (19-2.)  
    訳文                
     彼は、このように深慮します。  
                       
                       
                       
    20-46.                
     ‘ayampi kho ākiñcaññāyatanasamāpatti abhisaṅkhatā abhisañcetayitā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ayampi kho ākiñcaññāyatanasamāpatti abhisaṅkhatā abhisañcetayitā. (20-34.)  
      ākiñcañña    a 無所有  
    訳文                
     『この無所有処への入定は、為作され、思惟されたものだ。  
                       
                       
                       
    20-47.                
     Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ kho pana kiñci abhisaṅkhataṃ abhisañcetayitaṃ tadaniccaṃ nirodhadhamma’nti pajānāti. (19-4.)  
    訳文                
     しかして、およそ何であれ、為作され、思惟されたもの、それは無常にして滅尽の性質あるものだ』と。  
                       
                       
                       
    20-48.                
     So tattha ṭhito āsavānaṃ khayaṃ pāpuṇāti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So tattha ṭhito āsavānaṃ khayaṃ pāpuṇāti. (19-5.)  
    訳文                
     彼はそこへとどまり、諸漏の滅尽へ到達します。  
                       
                       
                       
    20-49.                
     No ce āsavānaṃ khayaṃ pāpuṇāti, teneva dhammarāgena tāya dhammanandiyā pañcannaṃ orambhāgiyānaṃ saṃyojanānaṃ parikkhayā opapātiko hoti tattha parinibbāyī anāvattidhammo tasmā lokā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      No ce āsavānaṃ khayaṃ pāpuṇāti, teneva dhammarāgena tāya dhammanandiyā pañcannaṃ orambhāgiyānaṃ saṃyojanānaṃ parikkhayā opapātiko hoti tattha parinibbāyī anāvattidhammo tasmā lokā. (19-6.)  
    訳文