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     13. Tevijjasuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te     
      vijja  vid ā 依(属) 明、智、呪、学問、魔術  
      suttaṃ  sīv a 経、糸  
    訳文                
     「三明経」(『長部』13  
    メモ                
     ・女性名詞は複合語の前分で男性語基化する(水野文法§69-8.)ので、上記のように取ったが、「明の」vijjaという形容詞である可能性も一応存在する。  
                       
                       
                       
    518-1.                
     518. Evaṃ me sutaṃ – ekaṃ samayaṃ bhagavā kosalesu cārikaṃ caramāno mahatā bhikkhusaṅghena saddhiṃ pañcamattehi bhikkhusatehi yena manasākaṭaṃ nāma kosalānaṃ brāhmaṇagāmo tadavasari.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      me    代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた  
      ekaṃ    代的 副対 一、とある  
      samayaṃ    a 副対  
      bhagavā    ant 世尊  
      kosalesu    a 地名、コーサラ国  
      cārikaṃ    名形 a 男中 遊行、旅行、徘徊  
      caramāno  car 現分 a 行ずる  
      mahatā    ant 大きな、偉大な  
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘、(特に男性の)出家者  
      saṅghena  saṃ-hṛ a 僧伽、(特に仏教の)教団  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      pañca     
      mattehi    a 量、だけ、のみ、程度  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      satehi    a  
      yena    代的 (関係代名詞)  
      manasākaṭaṃ    a 地名、マナサーカタ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      kosalānaṃ    a 地名、コーサラ国  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      gāmo    a 村、村落  
      tad    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avasari.  ava-sṛ 異郷へ移る、至る、入る  
    訳文                
     このように私は聞いた。あるとき世尊は、比丘五百人ほどの大比丘僧伽とともにコーサラ国に遊行し、マナサーカタという名のコーサラ国の婆羅門の村落へ入られた。  
                       
                       
                       
    518-2.                
     Tatra sudaṃ bhagavā manasākaṭe viharati uttarena manasākaṭassa aciravatiyā nadiyā tīre ambavane.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tatra    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      sudaṃ    不変 じつに、まさに  
      bhagavā    ant 世尊  
      manasākaṭe    a 地名、マナサーカタ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      uttarena    a 男中 副具 北方から、北を通って  
      manasākaṭassa    a 地名、マナサーカタ  
      aciravatiyā    ī 地名、アチラヴァティー  
      nadiyā    ī  
      tīre  tṛ a  
      amba    a 依(属) マンゴー  
      vane.   a 森、林  
    訳文                
     じつにそこで世尊は、マナサーカタ付近、マナサーカタの北を通ったアチラヴァティー川の岸にあるマンゴー林に滞在された。  
                       
                       
                       
    519-1.                
     519. Tena kho pana samayena sambahulā abhiññātā abhiññātā brāhmaṇamahāsālā manasākaṭe paṭivasanti, seyyathidaṃ – caṅkī brāhmaṇo tārukkho brāhmaṇo pokkharasāti brāhmaṇo jāṇusoṇi brāhmaṇo todeyyo brāhmaṇo aññe ca abhiññātā abhiññātā brāhmaṇamahāsālā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      sambahulā    a 多くの  
      abhiññātā  abhi-jñā 過分 a 証知した、知解した、有名な  
      abhiññātā  abhi-jñā 過分 a 証知した、知解した、有名な  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持)  
      sālā    ā 女→男 堂、家 →大家、有名人  
      manasākaṭe    a 地名、マナサーカタ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭivasanti,  prati-vas 住む、居を構える  
      語根 品詞 語基 意味  
      seyyathidaṃ –    不変 それはこの如し、あたかも〜の如し  
      caṅkī    in 人名、チャンキン  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      tārukkho    a 人名、タールッカ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      pokkharasāti    i 人名、ポッカラサーティ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      jāṇusoṇi    i 人名、ジャーヌソーニ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      todeyyo    a 人名、トーデッヤ  
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      aññe    代的  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      abhiññātā  abhi-jñā 過分 a 証知した、知解した、有名な  
      abhiññātā  abhi-jñā 過分 a 証知した、知解した、有名な  
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      mahā    ant 有(持)  
      sālā.   ā 女→男 堂、家 →大家、有名人  
    訳文                
     さてそのときマナサーカタには、多くの高名な上にも高名な婆羅門の大家が居を構えていた。たとえば、チャンキン婆羅門、タールッカ婆羅門、ポッカラサーティ婆羅門、ジャーヌソーニ婆羅門、トーデッヤ婆羅門、またその他の高名な上にも高名な婆羅門の大家たちである。  
    メモ                
     ・確定はできないが、おそらくこの経の時点ではポッカラサーティは仏教教団に帰依してはいないようであるから、「アンバッタ経」より以前の出来事となろうか。また「アンバッタ経」ではポッカラサーティ婆羅門の居住地はウッカッターであったが、転居したのであろうか。  
                       
                       
                       
    520-1.                
     520. Atha kho vāseṭṭhabhāradvājānaṃ māṇavānaṃ jaṅghavihāraṃ anucaṅkamantānaṃ anuvicarantānaṃ maggāmagge kathā udapādi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha    a 人名、ヴァーセッタ  
      bhāradvājānaṃ    a 属絶 人名、バーラドヴァージャ  
      māṇavānaṃ    a 属絶 学童、青年、若い婆羅門  
      jaṅgha    ā 有(属) すね  
      vihāraṃ  vi-hṛ a 副対 住、住居、精舎、僧房 →脚住、歩行の状態  
      anucaṅkamantānaṃ  anu-kram 強 現分 a 属絶 遊歩、随歩、経行  
      anuvicarantānaṃ  anu-vi-car 現分 a 属絶 従い歩く、徘徊する、探し求める  
      magga    a 道、正道  
      amagge    a 邪道、非道  
      kathā    ā 説、話、論、物語  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      udapādi.  ud-pad 起こる、生ずる、発生する  
    訳文                
     ときにヴァーセッタとバーラドヴァージャの〔二〕青年が、徒歩で遊歩し散策しているとき、正道と邪道についての話が起こった。  
    メモ                
     ・jaṅghavihāraṃとは、『註』によれば「長く坐りすぎたことによる疲れを取るために足を動かすこと」aticiranisajjapaccayā kilamathavinodanatthāya jaṅghacāraṃ.という。  
     ・なおヴァーセッタとバーラドヴァージャの名は、「アンバッタ経」や本経に列挙される十人の古聖にも見られる名である。  
                       
                       
                       
    520-2.                
     Atha kho vāseṭṭho māṇavo evamāha – ‘‘ayameva ujumaggo, ayamañjasāyano niyyāniko niyyāti takkarassa brahmasahabyatāya, yvāyaṃ akkhāto brāhmaṇena pokkharasātinā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭho    a 人名、ヴァーセッタ  
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āha –  ah いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ayam    代的 これ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      uju    u 正しい、正直の  
      maggo,    a 道、正道  
      ayam    代的 これ  
      añjasa    a 実直な、曲がらない  
      āyano  ā-i a 中(男) 至らしめる〔道〕、行  
      niyyāniko  nir-yā a 出離の、解脱を欲する  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      niyyāti  nir-yā 出発する、発足する  
      語根 品詞 語基 意味  
      takkarassa  tad-kṛ a その作者  
      brahma  bṛh 名形 an(特) 依(属) 梵天  
      sahabyatāya,    ā 共住、友誼  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      ayaṃ    代的 これ  
      akkhāto  ā-khyā 過分 a 告げられた、話された  
      brāhmaṇena  bṛh a 婆羅門  
      pokkharasātinā’’    i 人名、ポッカラサーティ  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ときにヴァーセッタ青年はこういった。「およそ婆羅門ポッカラサーティによって説かれたこと。これのみが正しい道、実直な行、出離のためのものであり、それをなす者の〔帰趣たる〕梵天との共住へ〔ひとは〕導かれる」と。  
    メモ                
     ・(追記)niyyāniko niyyāti takkarassa云々は定型句としていくらかの経に出るが、語根nir-yā由来のniyyāti(出発する)と語根の受動に由来するniyyanti(導かれる)が混在している(本経内部でもその両者が見られる)。しかも、いずれを採っても主語である「道」などと合致せず(「導く」や「出発させる」であれば意味が通じるのだが)、これまで訳も揺れていた。  
     ・そこでniyyātiの場合でも「導かれる」とした上で、その主語を一般論としての「ひと」「人々」としたものが、関係代名詞で括られたかのような従属文として挿入されているものとして諸経の当該箇所の訳を改めて統一した。とはいえこれが正しいとはとても言えず(動詞の数が、「道」などの主語の数と常に合致するなどの点から、疑義が残る解釈である)、いまだ暫定訳である。  
     ・ちなみに『註』の内容は「その道をなして進む者は、その者の梵天との共住へ、一処における顕現へと進む」yo taṃ maggaṃ karoti paṭipajjati, tassa brahmunā saddhiṃ sahabhāvāya, ekaṭṭhāne pātubhāvāya gacchatīti attho. というものであるが、これは語根nir-yā由来を採用したものか。  
     ・なお以前の訳ではayamañjasāyanoを有財釈と見ていたが、ここでは単なる誤記あるいは異体と見なした。  
     ・brahma-sahabyatāyaは、sahaの関係上具格かと考えたが、531-1.を見るに属格であるようである。それからするに、sahabyatāは「眷属」とでも意訳してしまった方がいいのかもしれない。  
                       
                       
                       
    520-3.                
     Bhāradvājopi māṇavo evamāha – ‘‘ayameva ujumaggo, ayamañjasāyano niyyāniko, niyyāti takkarassa brahmasahabyatāya, yvāyaṃ akkhāto brāhmaṇena tārukkhenā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      māṇavo evamāha – ‘‘ayameva ujumaggo, ayamañjasāyano niyyāniko, niyyāti takkarassa brahmasahabyatāya, yvāyaṃ akkhāto brāhmaṇena (520-2.)  
      tārukkhenā’’    a 人名、タールッカ  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     ときにバーラドヴァージャ青年はこういった。「およそ婆羅門タールッカによって説かれたこと。これのみが正しい道、実直な行、出離のためのものであり、それをなす者の〔帰趣たる〕梵天との共住へ〔ひとは〕導かれる」と。  
                       
                       
                       
    520-4.                
     Neva kho asakkhi vāseṭṭho māṇavo bhāradvājaṃ māṇavaṃ saññāpetuṃ, na pana asakkhi bhāradvājo māṇavopi vāseṭṭhaṃ māṇavaṃ saññāpetuṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Na    不変 ない  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      asakkhi  śak できる、可能である  
      語根 品詞 語基 意味  
      vāseṭṭho    a 人名、ヴァーセッタ  
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門  
      bhāradvājaṃ    a 人名、バーラドヴァージャ  
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門  
      saññāpetuṃ,  saṃ-jṅā 使 不定 知らせること、教えること、説得すること  
      na    不変 ない  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      asakkhi  同上  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      vāseṭṭhaṃ    a 人名、ヴァーセッタ  
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門  
      saññāpetuṃ. 同上  
    訳文                
     じつに、ヴァーセッタ青年はバーラドヴァージャ青年を説得することができす、またバーラドヴァージャ青年も、ヴァーセッタ青年を説得することができなかった。  
                       
                       
                       
    521-1.                
     521. Atha kho vāseṭṭho māṇavo bhāradvājaṃ māṇavaṃ āmantesi – ‘‘ayaṃ kho, bhāradvāja, samaṇo gotamo sakyaputto sakyakulā pabbajito manasākaṭe viharati uttarena manasākaṭassa aciravatiyā nadiyā tīre ambavane.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭho    a 人名、ヴァーセッタ  
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門  
      bhāradvājaṃ    a 人名、バーラドヴァージャ  
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ayaṃ    代的 これ  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bhāradvāja,    a 人名、バーラドヴァージャ  
      samaṇo  śram a 沙門  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      sakya    a 依(属) 氏族名、サキャ、釈迦族  
      putto    a 息子  
      sakya    a 依(属) 氏族名、サキャ、釈迦族  
      kulā    a 家、良家  
      pabbajito  pra-vraj 名過分 a 出家した、遁世した  
      manasākaṭe viharati uttarena manasākaṭassa aciravatiyā nadiyā tīre ambavane. (518-2.)  
    訳文                
     ときに、ヴァーセッタ青年はバーラドヴァージャ青年へ呼びかけた。「バーラドヴァージャよ、かの、釈迦族の〔王〕子であり、釈迦族の家より出家した沙門ゴータマが、マナサーカタ付近、マナサーカタの北を通ったアチラヴァティー川の岸にあるマンゴー林に滞在している。  
                       
                       
                       
    521-2.                
     Taṃ kho pana bhavantaṃ gotamaṃ evaṃ kalyāṇo kittisaddo abbhuggato – ‘‘itipi so bhagavā arahaṃ sammāsambuddho vijjācaraṇasampanno sugato lokavidū anuttaro purisadammasārathi satthā devamanussānaṃ buddho bhagavā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ、彼、彼女  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhavantaṃ  bhū 名現分 ant(特) 尊師、尊者  
      gotamaṃ    a 人名、ゴータマ  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kalyāṇo    a 善い  
      kitti    i, ī 依(属) 称讃、名声  
      saddo    a 音、声、語  
      abbhuggato –  abhi-ud-gam 過分 a あがる、昇る  
      ‘‘iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      so    代的 それ、彼  
      bhagavā    ant 世尊  
      arahaṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      sambuddho  saṃ-budh 名過分 a 等覚者  
      vijjā  vid ā 明、智、呪,陀羅尼、学術、魔術  
      caraṇa  car a 依(具) 行、行為、実践、徳行  
      sampanno  saṃ-pad 過分 a 具足した、成就した →明行足  
      sugato  su-gam 名過分 a よく行ったもの、善逝  
      loka    a 依(属) 世間、世界  
      vidū  vid ū 賢い、知者 →世間解  
      anuttaro    代的 この上ない、無上士  
      purisa    a 人、男  
      damma  dam 未分 a 依(属) ならされるべき  
      sārathi    i 御者 →調御丈夫  
      satthā  śās ar 師、先生  
      deva    a 天、神、王、陛下  
      manussānaṃ    a 人間 →天人師  
      buddho  budh 名過分 a 仏陀、覚者  
      bhagavā’’    ant 世尊  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかるに、その尊者ゴータマへ、かくの如き善き称讃の声があがっている。『かくのごとく、彼は世尊なり。応供、正等覚、明行足、善逝、世間解、無上士、調御丈夫、天人師、仏、世尊なり』と。  
                       
                       
                       
    521-3.                
     Āyāma, bho bhāradvāja, yena samaṇo gotamo tenupasaṅkamissāma;   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Āyāma,  ā-yā 来る、近づく、「いざ行こう」  
      語根 品詞 語基 意味  
      bho  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      bhāradvāja,    a 人名、バーラドヴァージャ  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      samaṇo  śram a 沙門  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamissāma;  upa-saṃ-kram 近づく  
    訳文                
     友、バーラドヴァージャよ、いざ我々は沙門ゴータマの下へ行こう。  
                       
                       
                       
    521-4.                
     upasaṅkamitvā etamatthaṃ samaṇaṃ gotamaṃ pucchissāma.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      etam    代的 男中 それ、彼、彼女、そのとき(副対)  
      atthaṃ    a 男中 義、利益、道理、意味、必要、裁判、営務  
      samaṇaṃ  śram a 沙門  
      gotamaṃ    a 人名、ゴータマ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pucchissāma.  prach 問う  
    訳文                
     近づいて、我らはこの義を沙門ゴータマに問うてみるとしよう。  
                       
                       
                       
    521-5.                
     Yathā no samaṇo gotamo byākarissati, tathā naṃ dhāressāmā’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yathā    不変 〜のごとくに、〜のように  
      no    代的 我々  
      samaṇo  śram a 沙門  
      gotamo    a 人名、ゴータマ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      byākarissati,  vi-ā-kṛ 解答する、授記する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tathā    不変 かく、その如く  
      naṃ    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      dhāressāmā’’  dhṛ 使 持たせる、保持する、憶持する、着る、与える  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     沙門ゴータマが我々に解答するその通りに、それを憶持することとしよう」と。  
                       
                       
                       
    521-6.                
     ‘‘Evaṃ, bho’’ti kho bhāradvājo māṇavo vāseṭṭhassa māṇavassa paccassosi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bho’’  bhū 名現分 ant(特) 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      bhāradvājo    a 人名、バーラドヴァージャ  
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門  
      vāseṭṭhassa    a 人名、ヴァーセッタ  
      māṇavassa    a 学童、青年、若い婆羅門  
      語根 品詞 語基 意味  
      paccassosi. prati-i 戻る、了解する、信じる、同意する  
    訳文                
     「そのように、友よ」と、じつにバーラドヴァージャ青年はヴァーセッタ青年へ同意した。  
                       
                       
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