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     Kūṭadantaupāsakattapaṭivedanā        
      語根 品詞 語基 意味        
      Kūṭadanta    a 依(具) 人名、クータダンタ        
      upāsakatta  upa-ās a 依(属) 優婆塞たること、信士位        
      paṭivedanā prati-vid 使 ā 知らせること、述べること        
    訳文                      
     【クータダンタの優婆塞宣言】        
                             
                             
                             
    354-1.                      
     354. Evaṃ vutte, kūṭadanto brāhmaṇo bhagavantaṃ etadavoca –         
      語根 品詞 語基 意味        
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き        
      vutte,  vac 過分 a 男中 いわれた        
      kūṭadanto    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門        
      bhagavantaṃ    ant 世尊        
      etad    代的 これ        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      avoca –  vac いう        
    訳文                      
     このようにいわれて、クータダンタ婆羅門は、世尊へこういった。        
                             
                             
                             
    354-2.                      
     ‘‘abhikkantaṃ, bho gotama, abhikkantaṃ, bho gotama!         
      語根 品詞 語基 意味        
      ‘‘abhikkantaṃ,  abhi-kram 名過分 a 副対 偉なるかな、奇なるかな、希有なり、素晴らしい        
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお        
      gotama,    a 人名        
      abhikkantaṃ,  abhi-kram 名過分 a 副対 偉なるかな、奇なるかな、希有なり、素晴らしい        
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお        
      gotama!    a 人名        
    訳文                      
     「素晴らしい、尊者ゴータマよ、素晴らしい、尊者ゴータマよ。        
                             
                             
                             
    354-3.                      
     Seyyathāpi bho gotama, nikkujjitaṃ vā ukkujjeyya, paṭicchannaṃ vā vivareyya, mūḷhassa vā maggaṃ ācikkheyya, andhakāre vā telapajjotaṃ dhāreyya ‘cakkhumanto rūpāni dakkhantī’ti;         
      語根 品詞 語基 意味        
      Seyyathā    不変 たとえば、その如き        
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ        
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお        
      gotama,    a 人名        
      nikkujjitaṃ    過分 a 倒れた、転倒した        
          不変 あるいは        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      ukkujjeyya,    起こす、直立させる        
      語根 品詞 語基 意味        
      paṭicchannaṃ  prati-chad 使 過分 a 覆われた、隠された        
          不変 あるいは        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      vivareyya,  vi-vṛ 開く、解明する、あきらかにする        
      語根 品詞 語基 意味        
      mūḷhassa  muh 過分 a 男中 愚昧の、迷った        
          不変 あるいは        
      maggaṃ    a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      ācikkheyya,  ā-khyā 強 告げる、述べる、説く        
      語根 品詞 語基 意味        
      andha    a 依(属) 盲目、愚昧        
      kāre  kṛ a 行為、所作、字、文字、作者 →暗黒        
          不変 あるいは        
      tela    a 依(具)        
      pajjotaṃ    a 灯火、光明        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      dhāreyya  dhṛ 使 もたせる、差し出す        
      語根 品詞 語基 意味        
      ‘cakkhumanto    ant 眼ある        
      rūpāni    a 色、物質、肉体、形相、容姿、像、相、画、人形        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      dakkhantī’ dṛś 見る        
      語根 品詞 語基 意味        
      ti;    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに        
    訳文                      
     尊者ゴータマよ、たとえばまた、倒れたものを起こすように、覆われたものをあきらかにするように、迷ったもののために道を教えるように、あるいは『眼あるものが諸々の形相を見る〔ことができるように〕』といって暗闇に灯明を差し出すように、        
                             
                             
                             
    354-4.                      
     evamevaṃ bhotā gotamena anekapariyāyena dhammo pakāsito.         
      語根 品詞 語基 意味        
      evam    不変 このように、かくの如き        
      evaṃ    不変 このように、かくの如き        
      bhotā  bhū 名現分 ant 尊者        
      gotamena    a 人名        
      aneka    代的 一つならぬ、多数の        
      pariyāyena  pari-i a 法門、理由、方便、順序        
      dhammo  dhṛ a 男中        
      pakāsito.  pra-kāś 使 過分 a 説明された、あきらかにされた、知らされた        
    訳文                      
     まさしくそのように、尊者ゴータマによって多くの法門により法があきらかにされました。        
                             
                             
                             
    354-5.                      
     Esāhaṃ bhavantaṃ gotamaṃ saraṇaṃ gacchāmi dhammañca bhikkhusaṅghañca.         
      語根 品詞 語基 意味        
      Eso    代的 これ、彼        
      ahaṃ    代的        
      bhavantaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者        
      gotamaṃ    a 人名、ゴータマ        
      saraṇaṃ  sṛ a 帰依処        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      gacchāmi  gam 行く →帰依する        
      語根 品詞 語基 意味        
      dhammañ  dhṛ a 男中        
      ca    不変 と、また、そして、しかし        
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘、(特に男性の)出家者        
      saṅghañ  saṃ-hṛ a 僧伽、(特に仏教の)教団        
      ca.    不変 と、また、そして、しかし        
    訳文                      
     尊者ゴータマよ、この私は世尊ゴータマへ帰依し、法へ帰依し、また比丘僧伽へ帰依いたします。        
                             
                             
                             
    354-6.                      
     Upāsakaṃ maṃ bhavaṃ gotamo dhāretu ajjatagge pāṇupetaṃ saraṇaṃ gataṃ.         
      語根 品詞 語基 意味        
      Upāsakaṃ  upa-ās a 優婆塞        
      maṃ    代的        
      bhavaṃ  bhū 現分 ant 現存者、勝存者、尊師        
      gotamo    a 人名        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      dhāretu    持たせる、保持する、憶持する、着る,与える、 差し出す        
      語根 品詞 語基 意味        
      ajja    不変 今日、今        
      agge    a 第一、最高、最上、首位、頂点 →今日以降        
      pāṇa  pra-an a 依(対) 生類、生命        
      upetaṃ  upa-i 過分 a 副対 そなえた、具備した →命ある限り        
      saraṇaṃ  sṛ a 帰依処        
      gataṃ.  gam 過分 a 行った →帰依した        
    訳文                      
     世尊は私を、今日以降、命ある限り、帰依をなした優婆塞であるとご記憶下さい。        
                             
                             
                             
    354-7.                      
     Esāhaṃ bho gotama satta ca usabhasatāni satta ca vacchatarasatāni satta ca vacchatarīsatāni satta ca ajasatāni satta ca urabbhasatāni muñcāmi, jīvitaṃ demi, haritāni ceva tiṇāni khādantu, sītāni ca pānīyāni pivantu, sīto ca nesaṃ vāto upavāyatū’’ti.        
      語根 品詞 語基 意味        
      Eso    代的 これ、彼        
      ahaṃ    代的        
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお        
      gotama    a 人名、ゴータマ        
      satta           
      ca    不変 と、また、そして、しかし        
      usabha    a 雄牛        
      satāni    a        
      satta           
      ca    不変 と、また、そして、しかし        
      vacchatara    a 雄の子牛        
      satāni    a        
      satta           
      ca    不変 と、また、そして、しかし        
      vacchatarī    ī 雌の子牛        
      satāni    a        
      satta           
      ca    不変 と、また、そして、しかし        
      aja    a 山羊        
      satāni    a        
      satta           
      ca    不変 と、また、そして、しかし        
      urabbha    a 羊、雄羊        
      satāni    a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      muñcāmi,  muc 逃す、逃れる、自由になる、放つ        
      語根 品詞 語基 意味        
      jīvitaṃ  jīv 名過分 a 生命、命、寿命、活命        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      demi,  与える、施す        
      語根 品詞 語基 意味        
      haritāni    名形 a 青草、野菜、青物/青い、緑の、新鮮な        
      ca    不変 と、また、そして、しかし        
      eva    不変 まさに、のみ、じつに        
      tiṇāni    a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      khādantu,  khād 食べる、堅いものを食べる        
      語根 品詞 語基 意味        
      sītāni    a 寒い、冷たい        
      ca    不変 と、また、そして、しかし        
      pānīyāni  名未分 a 水、飲物、飲まれるべきもの        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      pivantu,  飲む        
      語根 品詞 語基 意味        
      sīto    a 寒い、冷たい        
      ca    不変 と、また、そして、しかし        
      nesaṃ    代的 それら、彼ら        
      vāto  a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      upavāyatū’’  upa-vā 吹き付ける        
      語根 品詞 語基 意味        
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに        
    訳文                      
     尊者ゴータマよ、この私は、七百の雄牛、七百の雄子牛、七百の雌子牛、七百の山羊、また七百の羊を逃して、命を助けます。〔動物たちは〕青草を食べ、また冷たい水を飲むがいい。そして涼風がかれらにそよぐがいい」。        
                             
                             
                             
     Sotāpattiphalasacchikiriyā        
      語根 品詞 語基 意味        
      Sotāpatti  sru, ā-pad? i 預流        
      phala    a 依(属)        
      sacchikiriyā sacchi-kṛ ā 作証、現証、能証        
    訳文                      
     【預流果作証】        
    メモ                      
     ・『アンバッタ経』298-1.よりパラレル。        
     ・阿闍世が開き損ね、ポッカラサーティが開いたという「法眼」の話である(ソーナダンダは法眼を開けなかったのであろうか)。『沙門果経』253-4.に関する註によれば「法眼とは、法に関する眼、あるいは法よりなる眼である。他の場合には、これは三道(一来道・不還道・阿羅漢道)の名称で〔も〕あるが、ここでは預流道のみの〔名称である〕」Dhammacakkhunti dhammesu vā cakkhuṃ, dhammamayaṃ vā cakkhuṃ, aññesu ṭhānesu tiṇṇaṃ maggānametaṃ adhivacanaṃ. Idha pana sotāpattimaggasseva. とのことである。むろん、経の成立時点で、そのような解釈が意図されていたかどうかは、別途の問題であるが、VRI版のチャプタータイトルは、この註を意識したものであろう。        
                             
                             
                             
    355-1.                      
     355. Atha kho bhagavā kūṭadantassa brāhmaṇassa anupubbiṃ kathaṃ kathesi, seyyathidaṃ, dānakathaṃ sīlakathaṃ saggakathaṃ;         
      語根 品詞 語基 意味        
      Atha    不変 ときに、また、そこに        
      kho    不変 じつに、たしかに        
      bhagavā    ant 世尊        
      kūṭadantassa    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門        
      anupubbiṃ    i 次第の、順序ある        
      kathaṃ    ā 論、説、話 →次第説法        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      kathesi,    説く、語る、告げる        
      語根 品詞 語基 意味        
      seyyathidaṃ,    不変 たとえば、その如き        
      dāna  a 依(属)        
      kathaṃ    ā 論、説、話        
      sīla    a 依(属)        
      kathaṃ    ā 論、説、話        
      sagga    a 依(属)        
      kathaṃ;    ā 論、説、話        
    訳文                      
     ときに世尊は、クータダンタ婆羅門のため、次第説法を説かれた。たとえば、〔まず〕布施の話、戒の話、天の話を。        
                             
                             
                             
    355-2.                      
     kāmānaṃ ādīnavaṃ okāraṃ saṃkilesaṃ nekkhamme ānisaṃsaṃ pakāsesi.         
      語根 品詞 語基 意味        
      kāmānaṃ    a 男中        
      ādīnavaṃ    a 過患、患難、過失、危難        
      okāraṃ  ava-kṛ? a 罪悪、下卑、虚仮        
      saṃkilesaṃ  saṃ-kriś a 雑染、雑穢、穢汚        
      nekkhamme  nis-kram a 出離、利欲(連続体の名詞化したもの)        
      ānisaṃsaṃ    a 功徳、利益、勝利        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      pakāsesi.  pra-kāś 使 説明する、明らかにする、知らせる        
    訳文                      
     〔次に〕諸欲の危難、罪悪、雑染を、〔さらに、そこからの〕出離の功徳を、明らかにされた。        
                             
                             
                             
    355-3.                      
     Yadā bhagavā aññāsi kūṭadantaṃ brāhmaṇaṃ kallacittaṃ muducittaṃ vinīvaraṇacittaṃ udaggacittaṃ pasannacittaṃ, atha yā buddhānaṃ sāmukkaṃsikā dhammadesanā, taṃ pakāsesi –         
      語根 品詞 語基 意味        
      Yadā    不変 〜の時        
      bhagavā    ant 世尊        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      aññāsi  ā-jñā 知る、了知する        
      語根 品詞 語基 意味        
      kūṭadantaṃ    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門        
      kalla    a 有(持) 善い、健全な、賢い、巧妙たる、正しい、適当なる、美しい、喜んだ        
      cittaṃ  cit a 中→男        
      mudu    u 有(持) 柔らかい、柔軟の、弱い、鈍い        
      cittaṃ  cit a 中→男        
      vinīvaraṇa    a 有(持) 離蓋の        
      cittaṃ  cit a 中→男        
      udagga    a 有(持) 高い、上った、歓喜の、踊躍する、欣悦せる        
      cittaṃ  cit a 中→男        
      pasanna  pra-sad 過分 a 有(持) 明浄の、澄浄の、浄信ある、已信の、 喜んだ        
      cittaṃ,  cit a 中→男        
      atha    不変 ときに、また、そこに        
          代的 (関係代名詞)        
      buddhānaṃ  budh 名過分 a ブッダ、仏、覚者        
      sāmukkaṃsikā  saṃ-ud-kṛṣ a すぐれた、高揚の、最勝の        
      dhamma  dhṛ a 男中 依(属) 法、教法、真理、正義、もの、一切法        
      desanā,  diś ā 宣説、説示、教説、指示、懺悔        
      taṃ    代的 それ、彼、彼女、そのとき(副対)        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      pakāsesi –  pra-kāś 使 説明する、明らかにする、知らせる        
    訳文                      
     〔そして〕クータダンタ婆羅門を、よき心、柔和な心、離蓋の心、踊躍する心、浄信ある心の者であると認められたそのとき、世尊は、諸仏の最勝なる法説、それを明らかにされたのであった。        
                             
                             
                             
    355-4.                      
     dukkhaṃ samudayaṃ nirodhaṃ maggaṃ.         
      語根 品詞 語基 意味        
      dukkhaṃ    名形 a        
      samudayaṃ  saṃ-ud-i a 集、生起、原因        
      nirodhaṃ    a        
      maggaṃ.    a        
    訳文                      
     〔すなわち〕苦・集・滅・道〔という四諦〕を。        
                             
                             
                             
    355-5.                      
     Seyyathāpi nāma suddhaṃ vatthaṃ apagatakāḷakaṃ sammadeva rajanaṃ paṭiggaṇheyya, evameva kūṭadantassa brāhmaṇassa tasmiññeva āsane virajaṃ vītamalaṃ dhammacakkhuṃ udapādi –         
      語根 品詞 語基 意味        
      Seyyathā    不変 そのごとき、あたかも、たとえば        
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ        
      nāma    不変 とは、じつに        
      suddhaṃ  śudh 過分 a 清い、清浄の、純粋な        
      vatthaṃ  vas a 衣、衣服        
      apagata  apa-gam a 有(持) 去った、出発した、死去した        
      kāḷakaṃ    名形 a 男→中 黒い        
      sammā   不変 正しい、正しく        
      eva    不変 まさに、のみ、じつに        
      rajanaṃ    a 染色、染料        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      paṭiggaṇheyya,  prati-grah 受け取る、受納する        
      語根 品詞 語基 意味        
      evam    不変 このように、かくの如き        
      eva    不変 まさに、のみ、じつに        
      kūṭadantassa    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門        
      tasmiññ    代的 それ、彼        
      eva    不変 まさに、のみ、じつに        
      āsane  ās a        
      virajaṃ    a 離塵の        
      vīta vi-i 過分 a 有(持) はなれた        
      malaṃ    a        
      dhamma  dhṛ a 依(属)        
      cakkhuṃ    u        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      udapādi –  ud-pad 起こる、生ずる、発生する        
    訳文                      
     〔すると〕あたかも、黒ずみのない真っさらな服が、染料〔の色〕を、正しく受け取るように、じつにそのように、まさにその座において、クータダンタ婆羅門に、離塵離垢の法眼が生じた。        
                             
                             
                             
    355-6.                      
     ‘‘yaṃ kiñci samudayadhammaṃ, sabbaṃ taṃ nirodhadhamma’’nti.        
      語根 品詞 語基 意味        
      ‘‘yaṃ    代的 (関係代名詞)        
      kiñci    代的        
      samudaya  saṃ-ud-i a 有(属) 集、生起、原因        
      dhammaṃ,  dhṛ a 男中 法、教法、真理、正義、もの、一切法        
      sabbaṃ    名形 代的 すべて        
      taṃ    代的 それ、彼、彼女、そのとき(副対)        
      nirodha    a 有(属)        
      dhamma’’n  dhṛ a 男中 法、教法、真理、正義、もの、一切法        
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに        
    訳文                      
     「何であれ、およそ生起する性質のものは、すべて滅する性質をもつものである」と。        
                             
                             
                             
    356-1.                      
     356. Atha kho kūṭadanto brāhmaṇo diṭṭhadhammo pattadhammo viditadhammo pariyogāḷhadhammo tiṇṇavicikiccho vigatakathaṃkatho vesārajjappatto aparappaccayo satthusāsane bhagavantaṃ etadavoca –         
      語根 品詞 語基 意味        
      Atha    不変 ときに、また、そこに        
      kho    不変 じつに、たしかに        
      kūṭadanto    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門        
      diṭṭha  dṛś 過分 a 有(持) 見られた        
      dhammo  dhṛ a 男中 法、教法、真理、正義、もの、一切法        
      patta  pra-āp 過分 a 有(持) 得られた、到達された        
      dhammo  dhṛ a 男中 法、教法、真理、正義、もの、一切法        
      vidita  vid 過分 a 有(持) 知られた、見出された        
      dhammo  dhṛ a 男中 法、教法、真理、正義、もの、一切法        
      pariyogāḷha  pari-ava-gāh 過分 a 有(持) 深入した、深解した        
      dhammo  dhṛ a 男中 法、教法、真理、正義、もの、一切法        
      tiṇṇa  tṛ 過分 a 有(持) 渡った、度脱した、超えた        
      vicikiccho  vi-cit 意 ā 女→男 疑い、疑念        
      vigata  vi-gam 過分 a 有(持) 去った、離去の、消失した        
      kathaṃkatho    ā 女→男 疑惑        
      vesārajja   a 依(対) 無畏、自信        
      patto  pra-āp 過分 a 得られた、到達された        
      aparappaccayo  a-para-prati-i a 他に依らない        
      satthu śās ar        
      sāsane  śās a 教、教説        
      bhagavantaṃ    ant 世尊        
      etad    代的 これ        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      avoca –  vac いう        
    訳文                      
     ときにクータダンタ婆羅門は、師の教えにおいて、法を見、法を得、法を知り、法を深解し、疑念を超え、疑惑を去り、自信を得て、他に依存しないものとなって、世尊へこういった。        
                             
                             
                             
    356-2.                      
     ‘‘adhivāsetu me bhavaṃ gotamo svātanāya bhattaṃ saddhiṃ bhikkhusaṅghenā’’ti.         
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      ‘‘adhivāsetu  adhi-vas 使 同意する、承認する、忍住する        
      語根 品詞 語基 意味        
      me    代的        
      bhavaṃ  bhū 現分 ant 現存者、勝存者、尊師        
      gotamo    a 人名        
      svātanāya    a 今日の、現在の        
      bhattaṃ  bhaj 名過分 a 食事(過去分詞「奉仕された」より)        
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)        
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘、(特に男性の)出家者        
      saṅghenā’’  saṃ-hṛ a 僧伽、(特に仏教の)教団        
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに        
    訳文                      
     「尊師ゴータマは、比丘僧伽とともに、私より今日の食をお受けくださいますよう」と。        
    メモ                      
     ・食事に招いてから説法を受けた『アンバッタ経』とは順序が逆で、ここでは法眼を開いてから食事へ招いている。またいったん自宅(本経では「家」でなく「供犠所」だが)へ帰って饗応の支度をする状況は、『ソーナダンダ経』と同様である(『アンバッタ経』では釈尊の滞在所に食事を運んできている」)。以降、『ソーナダンダ経』320-1.よりとほぼパラレル。        
                             
                             
                             
    356-3.                      
     Adhivāsesi bhagavā tuṇhībhāvena.        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      Adhivāsesi  adhi-vas 使 同意する、承認する、忍住する        
      語根 品詞 語基 意味        
      bhagavā    ant 世尊        
      tuṇhī    不変 沈黙して、黙って        
      bhāvena. bhū a 本性、性、状態、態        
    訳文                      
     世尊は沈黙によって承認された。        
                             
                             
                             
    357-1.                      
     357. Atha kho kūṭadanto brāhmaṇo bhagavato adhivāsanaṃ viditvā uṭṭhāyāsanā bhagavantaṃ abhivādetvā padakkhiṇaṃ katvā pakkāmi.         
      語根 品詞 語基 意味        
      Atha    不変 ときに、また、そこに        
      kho    不変 じつに、たしかに        
      kūṭadanto    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門        
      bhagavato    ant 世尊        
      adhivāsanaṃ    a 忍、忍受、承認        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      viditvā  vid 知る        
      uṭṭhāya  ud-sthā 立つ        
      語根 品詞 語基 意味        
      āsanā  ās a        
      bhagavantaṃ    ant 世尊        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      abhivādetvā  abhi-vad 敬礼する、礼拝する        
      語根 品詞 語基 意味        
      padakkhiṇaṃ    a 右回り、右繞、幸福な、器用な        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      katvā  kṛ なす        
      pakkāmi.  pra-kram 進む、出発する、立ち去る        
    訳文                      
     ときにクータダンタ婆羅門は、世尊の承認を知ると、座より立って世尊へ礼拝し、右繞をなして、出立した。        
                             
                             
                             
    357-2.                      
     Atha kho kūṭadanto brāhmaṇo tassā rattiyā accayena sake yaññavāṭe paṇītaṃ khādanīyaṃ bhojanīyaṃ paṭiyādāpetvā bhagavato kālaṃ ārocāpesi –         
      語根 品詞 語基 意味        
      Atha    不変 ときに、また、そこに        
      kho    不変 じつに、たしかに        
      kūṭadanto    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門        
      tassā    代的 それ、彼女        
      rattiyā    i        
      accayena  ati-i a 副具 死去、経過、(具格で)過ぎてから        
      sake    a 自分の        
      yañña yaj a 依(属) 供犠、祭式        
      vāṭe    a 柵、囲まれた土地        
      paṇītaṃ  pra-nī 過分 a 男中 適用された、優れた、勝妙の        
      khādanīyaṃ  khād 名未分 a 硬食        
      bhojanīyaṃ  bhuj 使 名未分 a 軟食        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      paṭiyādāpetvā  prati-yat 使使 準備させる(二重の使役形)        
      語根 品詞 語基 意味        
      bhagavato    ant 世尊        
      kālaṃ    a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      ārocāpesi –  ā-ruc 使 告げる、述べる        
    訳文                      
     そしてクータダンタ婆羅門は、その夜が過ぎると、自分の供犠所で勝妙の硬食・軟食を準備させ、〔使いを出して〕世尊へ時を告げさせた。        
                             
                             
                             
    357-3.                      
     ‘‘kālo, bho gotama;         
      語根 品詞 語基 意味        
      ‘‘kālo,    a        
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお        
      gotama;    a 人名        
    訳文                      
     「尊者ゴータマよ、時間です。        
                             
                             
                             
    357-4.                      
     niṭṭhitaṃ bhatta’’nti.        
      語根 品詞 語基 意味        
      niṭṭhitaṃ  nis-sthā 過分 a 完了した、完成した        
      bhatta’’n  bhaj 名過分 a 食事、奉仕された        
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに        
    訳文                      
     食事ができました」と。        
                             
                             
                             
    358-1.                      
     358. Atha kho bhagavā pubbaṇhasamayaṃ nivāsetvā pattacīvaramādāya saddhiṃ bhikkhusaṅghena yena kūṭadantassa brāhmaṇassa yaññavāṭo tenupasaṅkami;         
      語根 品詞 語基 意味        
      Atha    不変 ときに、また、そこに        
      kho    不変 じつに、たしかに        
      bhagavā    ant 世尊        
      pubba    代的 依(属) 過去の        
      aṇha    a 依(属) 日 →午前        
      samayaṃ    a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      nivāsetvā  ni-vas 使 着衣する、内衣を着る        
      語根 品詞 語基 意味        
      patta    a 男中        
      cīvaram    a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      ādāya  ā-dā 取って        
      語根 品詞 語基 意味        
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)        
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘、(特に男性の)出家者        
      saṅghena  saṃ-hṛ a 僧伽、(特に仏教の)教団        
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)        
      soṇadaṇḍassa    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門        
      yañña yaj a 依(属) 供犠、祭式        
      vāṭo    a 柵、囲まれた土地        
      tena    代的 それ、彼        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた        
    訳文                      
     そこで世尊は午前時に、内衣をつけ鉢と外衣を取って、比丘僧伽とともに、クータダンタ婆羅門の供犠所へ近づかれた。        
                             
                             
                             
    358-2.                      
     upasaṅkamitvā paññatte āsane nisīdi.        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づいて        
      語根 品詞 語基 意味        
      paññatte  pra-jñā 使 過分 a 知らしめられた、告知された、準備された        
      āsane  ās a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      nisīdi. ni-sad 坐った        
    訳文                      
     近づいて、準備された座へ坐られた。        
                             
                             
                             
    358-3.                      
     Atha kho kūṭadanto brāhmaṇo buddhappamukhaṃ bhikkhusaṅghaṃ paṇītena khādanīyena bhojanīyena sahatthā santappesi sampavāresi.         
      語根 品詞 語基 意味        
      Atha    不変 ときに、また、そこに        
      kho    不変 じつに、たしかに        
      kūṭadanto    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門        
      buddha  budh 名過分 a 有(持) 仏陀、覚者        
      pamukhaṃ    a 首長の、上首とする        
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘、(特に男性の)出家者        
      saṅghaṃ  saṃ-hṛ a 僧伽、(特に仏教の)教団        
      paṇītena  pra-nī 過分 a 適用された、優れた、勝妙の        
      khādanīyena  khād 名未分 a 硬食        
      bhojanīyena  bhuj 使 名未分 a 軟食        
      sahatthā    名形 a 自分の手        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      santappesi  saṃ-tṛp 使 満足させる、喜ばせる        
      sampavāresi.  saṃ-pra-vṛ 使 取らせる、提供する        
    訳文                      
     ときにクータダンタ婆羅門は、ブッダをはじめとする比丘僧伽に、手ずから勝妙の硬食・軟食をもってもてなし、満足させた。        
                             
                             
                             
    358-4.                      
     Atha kho kūṭadanto brāhmaṇo bhagavantaṃ bhuttāviṃ onītapattapāṇiṃ aññataraṃ nīcaṃ āsanaṃ gahetvā ekamantaṃ nisīdi.         
      語根 品詞 語基 意味        
      Atha    不変 ときに、また、そこに        
      kho    不変 じつに、たしかに        
      kūṭadanto    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門        
      bhagavantaṃ    ant 世尊        
      bhuttāviṃ  bhuj 名形 in 食者        
      onīta ava-nī a 有(持) おろした、はなした        
      patta   a 男中 依(奪)        
      pāṇiṃ    i        
      aññataraṃ    代的 随一、ある        
      nīcaṃ    a 低い、卑しい        
      āsanaṃ  ās a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      gahetvā  grah 取る、捉える        
      語根 品詞 語基 意味        
      ekamantaṃ    不変 一方に        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      nisīdi.  ni-sad 坐る        
    訳文                      
     時にクータダンタ婆羅門は、食べおわり、鉢から手を離した世尊に対し、別の低い座を取って、一方へ坐った。        
                             
                             
                             
    358-5.                      
     Ekamantaṃ nisinnaṃ kho kūṭadantaṃ brāhmaṇaṃ bhagavā dhammiyā kathāya sandassetvā samādapetvā samuttejetvā sampahaṃsetvā uṭṭhāyāsanā pakkāmīti.        
      語根 品詞 語基 意味        
      Ekamantaṃ    不変 一方に        
      nisinnaṃ  ni-sad 過分 a 坐った        
      kho    不変 じつに、たしかに        
      kūṭadantaṃ    a 人名、クータダンタ        
      brāhmaṇaṃ  bṛh a 婆羅門        
      bhagavā    ant 世尊        
      dhammiyā  dhṛ ī 法の        
      kathāya    ā        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      sandassetvā  saṃ-dṛś 使 教示する、開示する        
      samādapetvā  saṃ-ā-dā 使 取らせる、勧導する、訓誡する        
      samuttejetvā  saṃ-ā-tij 使 鼓舞する、奨励する        
      sampahaṃsetvā  saṃ-pra-hṛṣ 使 喜ばせる、欣喜させる        
      uṭṭhāya ud-sthā 立つ        
      語根 品詞 語基 意味        
       āsanā  ās a        
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味        
      pakkāmī pra-kram 出発する、進む        
      語根 品詞 語基 意味        
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに        
    訳文                      
     じつに世尊は、一方へ坐ったクータダンタ婆羅門を、法話によって教示し、訓誡し、鼓舞し、欣喜させて、座より出立された、と。        
    メモ                      
     ・ソーナダンダ婆羅門が婆羅門社会での体面を重んじて釈尊へ略式の礼を申し出るパート(ソーナダンダが法眼を開いていないことと関連するのであろうか)をとばして、321-1.とほぼパラレル。        
                             
                             
                             
     Kūṭadantasuttaṃ niṭṭhitaṃ pañcamaṃ.        
      語根 品詞 語基 意味        
      Kūṭadanta    a 依(属) 人名、クータダンタ        
      suttaṃ sīv a 経、糸        
      niṭṭhitaṃ  nih-sthā 過分 a 完了した、終わった        
      pañcamaṃ.   a 第五        
    訳文                      
     〔「長部」「戒蘊篇」〕第五〔経〕『クータダンタ経』おわり。        
                             
                             
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