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     Pubbantakappikā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pubba   代的 先、前、昔の  
      anta   a 依(属) 終極、目的、極限、辺、極端 →前際、過去、宿世  
      kappikā kḷp a 適した、認容、浄法の/劫の/分別、妄想の  
    訳文                
     【過去に関する考察】  
    メモ                
     ・梵語語根kḷp由来の語はきわめて多義的であり様々に解釈できるが、ここでは『パーリ』に従い「考察」とした。  
                       
                       
                       
    28-1.                
     28. ‘‘Atthi, bhikkhave, aññeva dhammā gambhīrā duddasā duranubodhā santā paṇītā atakkāvacarā nipuṇā paṇḍitavedanīyā, ye tathāgato sayaṃ abhiññā sacchikatvā pavedeti, yehi tathāgatassa yathābhuccaṃ vaṇṇaṃ sammā vadamānā vadeyyuṃ.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Atthi, as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      aññe   代的 他の、異なる  
      eva   不変 まさに、のみ、じつに  
      dhammā dhṛ a  
      gambhīrā   a 深い、甚深の  
      duddasā du-dṛś a 見難い、難解の  
      duranubodhā dur-anu-budh a 随覚、了悟し難い  
      santā śam a 寂静の、寂止の  
      paṇītā pra-nī a 適用された、勝れた、妙勝の、極妙の.  
      atakka   a 有(属) takka(思索、思択、理論、推論)ならざる  
      avacarā ava-car a 中→男 界、界地、行境 →推論の範囲を超えた、深奥の  
      nipuṇā   a 微妙の、巧妙の、聡敏の  
      paṇḍita   a 依(具) 賢い、博学の、賢智の、賢者、智者  
      vedanīyā, vid 未分 a 知られるべき、感受されるべき、  
      ye   代的 (関係代名詞)、〜ところの  
      tathāgato tathā-(ā-)gam a 如来  
      sayaṃ   不変 みずから  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhiññā abhi-jñā 認知する、自証する  
      sacchikatvā kṛ 作証する、証明をなす、さとる  
      pavedeti, pra-vid 使 知らせる、説く  
      語根 品詞 語基 意味  
      yehi   代的 (関係代名詞)、〜ところの  
      tathāgatassa tathā-(ā-)gam a 如来  
      yathābhuccaṃ bhū 不変 如実に  
      vaṇṇaṃ   a 色、容色、称賛  
      sammā   不変 正しい、正しく  
      vadamānā vad 現分 a いいつつある  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadeyyuṃ. vad いう  
    訳文                
     比丘たちよ、じつに深く、見がたく、理解しがたく、寂静の、すぐれた、推論の範囲を超えた、微妙の、賢者によって〔のみ〕知られるであろう、その他の諸法があります。それらは如来みずからが知り、悟って説くものであり、それらによって〔こそ〕如実な如来の称賛が正しく述べられるでしょう。  
    メモ                
     ・abhiññāは女性名詞「神通」でもある。  
     ・前章までが、戒のみを解する凡夫による如実ならざる称賛であったことを受けているので、『南伝』同様、〔のみ〕、〔こそ〕を補った。  
                       
                       
                       
    28-2.                
     Katame ca te, bhikkhave, dhammā gambhīrā duddasā duranubodhā santā paṇītā atakkāvacarā nipuṇā paṇḍitavedanīyā, ye tathāgato sayaṃ abhiññā sacchikatvā pavedeti, yehi tathāgatassa yathābhuccaṃ vaṇṇaṃ sammā vadamānā vadeyyuṃ?  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Katame   代的 どれか、何か、いずれの  
      語根 品詞 語基 意味  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      te,   代的 それら、かれら  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      dhammā gambhīrā duddasā duranubodhā santā paṇītā atakkāvacarā nipuṇā paṇḍitavedanīyā, ye tathāgato sayaṃ abhiññā sacchikatvā pavedeti, yehi tathāgatassa yathābhuccaṃ vaṇṇaṃ sammā vadamānā vadeyyuṃ? (28-1.)  
    訳文                
     では比丘たちよ、いかなるものが、それら深く、見がたく、理解しがたく、寂静の、すぐれた、推論の範囲を超えた、微妙の、賢者によって〔のみ〕知られるであろう、如来みずからが知り、悟って説くところの、それらによって〔こそ〕如実な如来の称賛が正しく述べられるであろうその他の諸法なのでしょうか。  
                       
                       
                       
    29-1.                
     29. ‘‘Santi, bhikkhave, eke samaṇabrāhmaṇā pubbantakappikā pubbantānudiṭṭhino, pubbantaṃ ārabbha anekavihitāni adhimuttipadāni [adhivuttipadāni (sī. pī.)] abhivadanti aṭṭhārasahi vatthūhi.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Santi, as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      eke   代的 一、とある  
      samaṇa śram a 沙門  
      brāhmaṇā bṛh a 婆羅門  
      pubbanta   a 依(属) 前際、過去世、宿世  
      kappikā kḷp a 適した、認容、浄法、教令、法則、分別、妄想の  
      pubbanta   a 依(属) 前際、過去世、宿世  
      anudiṭṭhino, anu-dṛś in 随見、邪見、見の  
      pubbantaṃ   a 前際、過去世、宿世  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārabbha ā-rabh 始める、出発する、励む →関して  
      語根 品詞 語基 意味  
      aneka   代的 ひとつならぬ、多くの、多数の  
      vihitāni vi-dhā 過分 a 置かれた、整えられた →種々の  
      adhivutti adhi-vac i 依(属) 所説、言説  
      padāni pad? a 足、足跡、歩、処、場所、句、語 →浮説  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivadanti abhi-vad よく話す、挨拶する、迎える  
      語根 品詞 語基 意味  
      aṭṭhārasahi   十八  
      vatthūhi. vas u 事、対象、理由、根拠  
    訳文                
     比丘たちよ、一部の沙門婆羅門たちは、過去の考察家であり、過去を随見し、十八の根拠から、過去に関する種々の浮説を語ります。  
    メモ                
     ・vatthuは土地、基体、所依などの場合は男性。  
                       
                       
                       
     29-2.                
     Te ca bhonto samaṇabrāhmaṇā kimāgamma kimārabbha pubbantakappikā pubbantānudiṭṭhino pubbantaṃ ārabbha anekavihitāni adhimuttipadāni abhivadanti aṭṭhārasahi vatthūhi?  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te   代的 それら、かれら  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      bhonto bhū 名現分 ant 尊者、大徳  
      samaṇa śram a 沙門  
      brāhmaṇā bṛh a 婆羅門  
      kim   代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgamma ā-gam 来る、近づく、帰る、(連で)〜によって  
      語根 品詞 語基 意味  
      kim   代的  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārabbha ā-rabh 始める、出発する、励む、(連で)〜に関して  
      語根 品詞 語基 意味  
      anekavihitāni adhimuttipadāni abhivadanti aṭṭhārasahi vatthūhi? (29-1.)  
    訳文                
     では、かれら尊き沙門婆羅門たちは、何に拠り、何に基づいて過去の考察家であり、過去を随見し、十八の根拠から、過去に関する種々の浮説を語るのでしょうか。  
    メモ                
     ・ārabbhaを「〜に基づき」としたのは『南伝』にならったもの。  
                       
                       
                       
     Sassatavādo  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sassata   a 依(属) 常の、恒常の、常住の  
      vādo vad a 説、語、論  
    訳文                
     【常住論】  
                       
                       
                       
    30-1.                
     30. ‘‘Santi, bhikkhave, eke samaṇabrāhmaṇā sassatavādā, sassataṃ attānañca lokañca paññapenti catūhi vatthūhi.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Santi, as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      eke   代的 一、とある  
      samaṇa śram a 沙門  
      brāhmaṇā bṛh a 婆羅門  
      sassata   a 有(属) 常の、恒常の、常住の  
      vādā, vad a 説、語、論  
      sassataṃ   a 常の、恒常の、常住の  
      attānañ   an 我、アートマン  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      lokañ   a 世間、世界  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paññapenti pra-jñā 使 知らしめる、告知する、用意する  
      語根 品詞 語基 意味  
      catūhi    
      vatthūhi. vas u 事、対象、理由、根拠  
    訳文                
     比丘たちよ、一部の沙門婆羅門たちは常住論者であり、四つの根拠から、常住なる我と世間とを説きます。  
                       
                       
                       
    30-2.                
     Te ca bhonto samaṇabrāhmaṇā kimāgamma kimārabbha sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti catūhi vatthūhi?  
      語根 品詞 語基 意味  
       Te ca bhonto samaṇabrāhmaṇā kimāgamma kimārabbha (29-2.)  
      assatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti catūhi vatthūhi?(30-1.)  
    訳文                
     では、かれら沙門婆羅門たちは、何に拠り、何に基づいて常住論者であり、四つの根拠から、常住なる我と世間とを説くのでしょうか。  
                       
                       
                       
    31-1.                
     31. ‘‘Idha, bhikkhave, ekacco samaṇo vā brāhmaṇo vā ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte ( ) [(parisuddhe pariyodāte anaṅgaṇe vigatūpattilese) (syā. ka.)] anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Idha,   不変 ここに、この世で、いま、さて  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      ekacco   代的 或る、或る一部の、或る一類の  
      samaṇo śram a 沙門  
        不変 あるいは  
      brāhmaṇo bṛh a 婆羅門  
        不変 あるいは  
      ātappam   a 熱勤、熱心、勇猛  
      anvāya anu-i 不変 従って、随従して  
      padhānam pra-dhā a 努力、精勤  
      anvāya anu-i 不変 従って、随従して  
      anuyogam anu-yuj a 実践、実行、従事、専修、随勤  
      anvāya anu-i 不変 従って、随従して  
      appamādam a-pra-mad a 不放逸  
      anvāya anu-i 不変 従って、随従して  
      sammā   不変 正しい、正しく  
      manasikāram man, kṛ a 作意、思念、称念、注意  
      anvāya anu-i 不変 従って、随従して  
      tathārūpaṃ   a その如き  
      ceto cit as 依(属) 心、心想  
      samādhiṃ saṃ-ā-dā i 定、三味、三摩地、精神統一  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      phusati, spṛś 触れる、達する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathā   不変 〜のごとく  
      samāhite saṃ-ā-dā 名過分 a 男→中 処絶 入定した  
      citte   a 処絶  
      parisuddhe pari-śudh 過分 a 男中 処絶 清められた  
      pariyodāte pari-o-dā 過分 a 男中 処絶 浄化された、清白の、すぐれた  
      anaṅgaṇe   a 男中 処絶 無穢の  
      vigata vi-gam 過分 a 有(持) 去った、離去の、消失した  
      upatt(kk)ilese   a 処絶 随煩悩、小煩悩、随染  
      aneka   代的 一つならぬ、多くの  
      vihitaṃ vi-dhā 過分 a 置かれた、整えられた、整備された →種々の  
      pubbe   代的 男中 先の、前の、昔の  
      nivāsaṃ ni-vas a 居住、住居 →宿住  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anussarati. anu-smṛ 随念する、憶念する  
    訳文                
     比丘たちよ、ここなる一部の沙門あるいは婆羅門は、熱勤により、精勤により、随勤により、不放逸により、正作意によって、心が入定し、清められ、浄化され、無穢となり、随煩悩が消失した時に、種々の宿住を憶念するような心の三昧に到達します。  
    メモ                
     ・anvāyaanvetiの連続体だが、副詞化しているのでそのように扱った。    
     ・pubbe-nivāsa^anussatiで「宿住随念」。            
     ・anvāyaは諸訳に従い、シンプルに「よって」とした。          
                       
                       
                       
    31-2.                
     Seyyathidaṃ – ekampi jātiṃ dvepi jātiyo tissopi jātiyo catassopi jātiyo pañcapi jātiyo dasapi jātiyo vīsampi jātiyo tiṃsampi jātiyo cattālīsampi jātiyo paññāsampi jātiyo jātisatampi jātisahassampi jātisatasahassampi anekānipi jātisatāni anekānipi jātisahassāni anekānipi jātisatasahassāni –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathidaṃ –   不変 たとえば、その如き  
      ekam   代的  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiṃ jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      dve    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      tisso    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      catasso    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      pañca    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      dasa    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      vīsam   二十  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      tiṃsam   三十  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      cattālīsam   四十  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      paññāsam   五十  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jātiyo jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      jāti jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      satam    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jāti jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      sahassam    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jāti jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      satasahassam   百千  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      anekāni   代的 一つならぬ、多くの  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jāti jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      satāni    
      anekāni   代的 一つならぬ、多くの  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jāti jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      sahassāni    
      anekāni   代的 一つならぬ、多くの  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      jāti jan i 生、誕生、生れ、血統、種類  
      satasahassāni –   百千  
    訳文                
     たとえば、一つの生、二つの生、三つの生、四つの生、五つの生、十の生、二十の生、三十の生、四十の生、五十の生、百の生、千の生、百千の生、幾百の生、幾千の生、また幾百千の生を、というように。  
                       
                       
                       
    31-3.                
     ‘amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapanno’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘amutra   不変 そこに、そこで  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      asiṃ as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      nāmo   an 中→男 名、名前  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      gotto   a 中→男 姓、氏姓、種姓、家系  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      vaṇṇo   a 色、種類、階級、姓  
      evam   不変 有(持) このように、かくの如き  
      āhāro ā-hṛ a  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      sukha   名形 a  
      dukkha   名形 a 依(属)  
      paṭisaṃvedī prati-saṃ-vid in 経験、感受、感知の  
      evam   不変 有(持) このように、かくの如き  
      āyu   us 依(属) 寿、寿命  
      pariyanto,   a 周辺、制限、究竟、終りにする  
      so   代的 かれ、それ  
      tato   不変 そこから、それより、それゆえに、その後  
      cuto cyu 過分 a 死んで、死没して  
      amutra   不変 そこに、そこで  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      udapādiṃ; ud-pad 生起した、生じた  
      語根 品詞 語基 意味  
      tatra   不変 そこに、そこで、そのとき  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      asiṃ as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      nāmo   an 中→男 名、名前  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      gotto   a 中→男 姓、氏姓、種姓、家系  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      vaṇṇo   a 色、種類、階級、姓  
      evam   不変 有(持) このように、かくの如き  
      āhāro ā-hṛ a  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      sukha   名形 a  
      dukkha   名形 a 依(属)  
      paṭisaṃvedī prati-saṃ-vid in 経験、感受、感知の  
      evam   不変 有(持) このように、かくの如き  
      āyu   us 依(属) 寿、寿命  
      pariyanto,   a 周辺、制限、究竟、終りにする  
      so   代的 かれ、それ  
      tato   不変 そこから、それより、それゆえに、その後  
      cuto cyu 過分 a 死んで、死没して  
      idha   不変 ここに、この世で、いま、さて  
      upapanno’ ud-pad 過分 a 生起した、生じた  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『私はそこで、かくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はそこから死してあそこへ生まれた。あそこでまた私はかくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はあそこから死してここへ生まれた』と。  
    メモ                
     ・「そこ」「あそこ」は意訳して分けた。  
     ・ここでのevaṃのように、不変化辞が持業釈やその有財釈を形成しているとおぼしきケースがしばしば見られる。いったん形容詞化して後文の後にかかっているのであろう。  
                       
                       
                       
    31-4.                
     Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      sākāraṃ sa-ā-kṛ a 副対 行相ある、様相ある、(副対で)具体的に  
      sauddesaṃ sa-ud-dṛś a 詳細な  
      aneka   代的 一つならぬ、多くの  
      vihitaṃ vi-dhā 過分 a 置かれた、整えられた、整備された →種々の  
      pubbe   代的 男中 先の、前の、昔の  
      nivāsaṃ ni-vas a 居住、住居 →宿住  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anussarati. anu-smṛ 随念する、憶念する  
    訳文                
     このように彼は、具体的かつ詳細に、種々の宿住を憶念します。  
    メモ                
     ・sauddesaは水野辞書では「素姓の、境遇の」とあるが、PTS辞書にはwith (the necessary) expln., point by point, in detailなどとあり、こちらを採用した。  
                       
                       
                       
    31-5.                
     ‘‘So evamāha – ‘sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito; te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisamaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘So   代的 それ、かれ  
      evam   不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āha – ah いう  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘sassato   a 常の、恒常の、常住の  
      attā   an 我、アートマン  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      loko   a 世間、世界  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      vañjho   a 不毛の、むなしい、何も生まないもの  
      kūṭa   a 男中 依(属) 尖頂、屋頂、楼、山頂  
      ṭho sthā a 立てる、在る、存続する →不動の  
      esika   a 依(属) 石柱  
      ṭhāyi sthā in 状態にある、処在する  
      ṭhito; sthā 過分 a 住立した、立った、停住の、在世の、生存の  
      te   代的 かれら、それら  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      sattā   a 有情、衆生  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sandhāvanti saṃ-dhāv 走り廻る、流転する、輪廻する  
      saṃsaranti saṃ-sṛ 輪廻する、動き廻る  
      cavanti cyu 死ぬ、死没する  
      upapajjanti, upa-pad 再生する、往生する  
      atthi as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      tv   不変 しかし  
      eva   不変 まさに、のみ、じつに →しかしながら  
      sassatisamaṃ.   不変 永久に、いつまでも  
    訳文                
     彼はこのようにいいます。『我と世間とは恒常であり、何も生まず、山頂のように不動で、石柱のように安立している。そして、かの有情たちは、流転し、輪廻し、死に、再生するが、しかし永遠に存在するのである。  
    メモ                
     ・註「vañjhoとは、vañjhaの家畜、vañjhaの棕櫚のように、無果の、何かを生むことなきものである。それ(vañjhoという言葉)によって『我』と、また『世間』と把握された静慮などの、色など(五蘊か)を生ずる性質を拒む」Vañjhoti vañjhapasuvañjhatālādayo viya aphalo kassaci ajanakoti. Etena ‘‘attā’’ti ca ‘‘loko’’ti ca gahitānaṃ jhānādīnaṃ rūpādijanakabhāvaṃ paṭikkhipati.を元に訳した。我と世間に、増殖したり変異したりしないスタンドアローンな性質があるという主張であろう。  
     ・sassatisamaṃsassati-samaṃすなわち「永遠に等しい」が副詞化したもの。  
                       
                       
                       
    31-6.                
     Taṃ kissa hetu? Ahañhi ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusāmi, yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ   代的 それ  
      kissa   代的  
      hetu? hi u 副対 因、原因、理由  
      Ahañ   代的  
      hi   不変 じつに、なぜなら  
      ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ (31-1.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      phusāmi, spṛś 触れる、達する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ (31-1.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anussarāmi anu-smṛ 随念する、憶念する  
    訳文                
     それはなぜか。なぜなら私は、熱勤により、精勤により、随勤により、不放逸により、正作意によって、心が入定した時に種々の宿住を憶念するような心の三昧に到達したからだ。  
    メモ                
     ・hetuという形について、PTS辞書は-- acc. hetu -- ˚) (elliptically as adv.) on account of, for the sake of (with gen.) とする。すなわち、副詞的対格hetuṃの省略形として属格の単語に付き、「〜のために」という意味をなすのだという。  
                       
                       
                       
    31-7.                
     seyyathidaṃ – ekampi jātiṃ dvepi jātiyo tissopi jātiyo catassopi jātiyo pañcapi jātiyo dasapi jātiyo vīsampi jātiyo tiṃsampi jātiyo cattālīsampi jātiyo paññāsampi jātiyo jātisatampi jātisahassampi jātisatasahassampi anekānipi jātisatāni anekānipi jātisahassāni anekānipi jātisatasahassāni –   
      語根 品詞 語基 意味  
      seyyathidaṃ – ekampi jātiṃ dvepi jātiyo tissopi jātiyo catassopi jātiyo pañcapi jātiyo dasapi jātiyo vīsampi jātiyo tiṃsampi jātiyo cattālīsampi jātiyo paññāsampi jātiyo jātisatampi jātisahassampi jātisatasahassampi anekānipi jātisatāni anekānipi jātisahassāni anekānipi jātisatasahassāni – (31-2.)  
    訳文                
     たとえば、一つの生、二つの生、三つの生、四つの生、五つの生、十の生、二十の生、三十の生、四十の生、五十の生、百の生、千の生、百千の生、幾百の生、幾千の生、また幾百千の生を、というように。  
                       
                       
                       
    31-8.                
     amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapannoti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapannoti. (31-3.)   
    訳文                
     私はそこで、かくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はそこから死してあそこへ生まれた。あそこでまた私はかくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はあそこから死してここへ生まれたと、  
    メモ                
     ・文は同じだが、台詞の範囲を示す引用符が31-3. とは異なるため、注意。  
                       
                       
                       
    31-9.                
     Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ (31-4.)  
      anussarāmi. anu-smṛ 随念する、憶念する  
    訳文                
     このように私は、具体的かつ詳細に、種々の宿住を憶念する。  
                       
                       
                       
    31-10.                
     Imināmahaṃ etaṃ jānāmi ‘‘yathā sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito; te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisama’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iminā   代的 これ  
      ahaṃ   代的  
      etaṃ   代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jānāmi jñā 知る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘yathā   不変 〜のごとくに、〜のように  
      sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito; te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisama’’n (31-5.)   
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     このことによって私は、我と世間とは恒常であり、何も生まず、山頂のように不動で、石柱のように安立している。そして、かの有情たちは、流転し、輪廻し、死に、再生するが、しかし永遠に存在するのである、とこのように知るのである』と。  
    メモ                
     ・Imināmahaṃ Imināahaṃのサンディーの際、mが挿入されたものと思われる。(āaāmaという直接の事例はないが、水野文法§16-7. に挙げられる母音連声への子音の挿入に類似の現象であろう。  
                       
                       
                       
    31-11.                
     Idaṃ, bhikkhave, paṭhamaṃ ṭhānaṃ, yaṃ āgamma yaṃ ārabbha eke samaṇabrāhmaṇā sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Idaṃ,   代的 これ  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      paṭhamaṃ   a 副対 第一の、最初の、初の  
      ṭhānaṃ, sthā a 場所、状態、理由、原因  
      yaṃ   代的 (関係代名詞)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgamma ā-gam 来る、近づく、帰る、(連で)〜によって  
      語根 品詞 語基 意味  
      yaṃ   代的 (関係代名詞)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ārabbha ā-rabh 始める、出発する、励む、(連で)〜に関して  
      語根 品詞 語基 意味  
      eke   代的 一、とある  
      samaṇa śram a 沙門  
      brāhmaṇā bṛh a 婆羅門  
      sassata   a 有(属) 常の、恒常の、常住の  
      vādā vad a 説、語、論  
      sassataṃ   a 常の、恒常の、常住の  
      attānañ   an 我、アートマン  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      lokañ   a 世間、世界  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paññapenti. pra-jñā 使 知らしめる、告知する、用意する  
    訳文                
     比丘たちよ、これが、常住論者たる一部の沙門婆羅門たちが、これにより、これに基づいて、常住なる我と世間とを説くような、第一の根拠です。  
                       
                       
                       
    32-1.                 
     32. ‘‘Dutiye ca bhonto samaṇabrāhmaṇā kimāgamma kimārabbha sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Dutiye   名形 a 第二  
      ca bhonto samaṇabrāhmaṇā kimāgamma kimārabbha sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti? (30-2.)  
    訳文                
     では第二に、尊き沙門婆羅門たちは、何に拠り、何に基づいて、常住論者であり、常住なる我と世間とを説くのでしょうか。  
                       
                       
                       
    32-2.                 
     Idha, bhikkhave, ekacco samaṇo vā brāhmaṇo vā ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Idha, bhikkhave, ekacco samaṇo vā brāhmaṇo vā ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati. (31-1.)  
    訳文                
     比丘たちよ、ここなる一部の沙門あるいは婆羅門は、熱勤により、精勤により、随勤により、不放逸により、正作意によって、心が入定した時に種々の宿住を憶念するような心の三昧に到達します。  
                       
                       
                       
    32-3.                 
     Seyyathidaṃ – ekampi saṃvaṭṭavivaṭṭaṃ dvepi saṃvaṭṭavivaṭṭāni tīṇipi saṃvaṭṭavivaṭṭāni cattāripi saṃvaṭṭavivaṭṭāni pañcapi saṃvaṭṭavivaṭṭāni dasapi saṃvaṭṭavivaṭṭāni –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathidaṃ–   不変 たとえば、その如き  
      ekam   代的  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭaṃ vi-vṛt a 成、成立  
      dve    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭāni vi-vṛt a 成、成立  
      tīṇi    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭāni vi-vṛt a 成、成立  
      cattāri    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭāni vi-vṛt a 成、成立  
      pañca    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭāni vi-vṛt a 成、成立  
      dasa    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭāni– vi-vṛt a 成、成立  
    訳文                
     たとえば、一つの壊成〔劫〕、二つの壊成〔劫〕、三つの壊成〔劫〕、四つの壊成〔劫〕、五つの壊成〔劫〕、また十の壊成〔劫〕を、というように。  
    メモ                
     ・saṃvaṭṭa-vivaṭṭa-kappaで「壊成劫」。一宇宙の消滅期と生成期。成劫・住劫・壊劫・空劫を一サイクルとするいわゆる四劫説に関わる表現であろう。  
                       
                       
                       
    32-4.                 
     ‘amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapanno’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapanno’ti.(31-3.)  
    訳文                
     『私はそこで、かくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はそこから死してあそこへ生まれた。あそこでまた私はかくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はあそこから死してここへ生まれた』と。  
                       
                       
                       
    32-5.                 
     Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati. (31-4.)  
    訳文                
     このように彼は、具体的かつ詳細に、種々の宿住を憶念します。  
                       
                       
                       
    32-6.                 
     ‘‘So evamāha – ‘sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito; te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisamaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘So evamāha – ‘sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito; te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisamaṃ. (31-5.)  
    訳文                
     彼はこのようにいいます。『我と世間とは恒常であり、何も生まず、山頂のように不動で、石柱のように安立している。そして、かの有情たちは、流転し、輪廻し、死に、再生するが、しかし永遠に存在するのである。  
                       
                       
                       
    32-7.                 
     Taṃ kissa hetu? Ahañhi ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusāmi yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ kissa hetu? Ahañhi ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusāmi yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi. (31-6.)  
    訳文                
     それはなぜか。なぜなら私は、熱勤により、精勤により、随勤により、不放逸により、正作意によって、心が入定した時に種々の宿住を憶念するような心の三昧に到達したからだ。  
                       
                       
                       
    32-8.                 
     Seyyathidaṃ – ekampi saṃvaṭṭavivaṭṭaṃ dvepi saṃvaṭṭavivaṭṭāni tīṇipi saṃvaṭṭavivaṭṭāni cattāripi saṃvaṭṭavivaṭṭāni pañcapi saṃvaṭṭavivaṭṭāni dasapi saṃvaṭṭavivaṭṭāni.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathidaṃ – ekampi saṃvaṭṭavivaṭṭaṃ dvepi saṃvaṭṭavivaṭṭāni tīṇipi saṃvaṭṭavivaṭṭāni cattāripi saṃvaṭṭavivaṭṭāni pañcapi saṃvaṭṭavivaṭṭāni dasapi saṃvaṭṭavivaṭṭāni. (32-3.)  
    訳文                
     たとえば、一つの壊成〔劫〕、二つの壊成〔劫〕、三つの壊成〔劫〕、四つの壊成〔劫〕、五つの壊成〔劫〕、また十の壊成〔劫〕を、というように。  
                       
                       
                       
    32-9.                 
     Amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapannoti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapannoti. (31-8.)  
    訳文                
     私はそこで、かくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はそこから死してあそこへ生まれた。あそこでまた私はかくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はあそこから死してここへ生まれたと、  
                       
                       
                       
    32-10.                 
     Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi. (31-9.)  
    訳文                
     このように私は、具体的かつ詳細に、種々の宿住を憶念する。  
                       
                       
                       
    32-11.                 
     Imināmahaṃ etaṃ jānāmi ‘‘yathā sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito, te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisama’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Imināmahaṃ etaṃ jānāmi ‘‘yathā sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito, te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisama’’nti.(31-10.)  
    訳文                
     このことによって私は、我と世間とは恒常であり、何も生まず、山頂のように不動で、石柱のように安立している。そして、かの有情たちは、流転し、輪廻し、死に、再生するが、しかし永遠に存在するのである、とこのように知るのである』と。  
                       
                       
                       
    32-12.                 
     Idaṃ, bhikkhave, dutiyaṃ ṭhānaṃ, yaṃ āgamma yaṃ ārabbha eke samaṇabrāhmaṇā sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Idaṃ,   代的 これ  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      dutiyaṃ   名形 a 男→中 第二  
      ṭhānaṃ, yaṃ āgamma yaṃ ārabbha eke samaṇabrāhmaṇā sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti. (31-11.)   
    訳文                
     比丘たちよ、これが、常住論者たる一部の沙門婆羅門たちが、これにより、これに基づいて、常住なる我と世間とを説くような、第二の根拠です。  
                       
                       
                       
    33-1.                
     33. ‘‘Tatiye ca bhonto samaṇabrāhmaṇā kimāgamma kimārabbha sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tatiye   a 男中 第三  
      ca bhonto samaṇabrāhmaṇā kimāgamma kimārabbha sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti? (30-2.)  
    訳文                
     では第三に、尊き沙門婆羅門たちは、何に拠り、何に基づいて、常住論者であり、常住なる我と世間とを説くのでしょうか。  
                       
                       
                       
    33-2.                
     Idha, bhikkhave, ekacco samaṇo vā brāhmaṇo vā ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Idha, bhikkhave, ekacco samaṇo vā brāhmaṇo vā ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusati, yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.(31-1.)  
    訳文                
     比丘たちよ、ここなる一部の沙門あるいは婆羅門は、熱勤により、精勤により、随勤により、不放逸により、正作意によって、心が入定した時に種々の宿住を憶念するような心の三昧に到達します。  
                       
                       
                       
    33-3.                
     Seyyathidaṃ – dasapi saṃvaṭṭavivaṭṭāni vīsampi saṃvaṭṭavivaṭṭāni tiṃsampi saṃvaṭṭavivaṭṭāni cattālīsampi saṃvaṭṭavivaṭṭāni –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathidaṃ–   不変 たとえば、その如き  
      dasa    
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭāni vi-vṛt a 成、成立  
      vīsam   a 二十  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭāni vi-vṛt a 成、成立  
      tiṃsam   a 三十  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭāni vi-vṛt a 成、成立  
      cattālīsam   a 四十  
      pi   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      saṃvaṭṭa saṃ-vṛt a 男中 壊、破壊  
      vivaṭṭāni– vi-vṛt a 成、成立  
    訳文                
     たとえば、十の壊成〔劫〕、二十の壊成〔劫〕、三十の壊成〔劫〕、また四十の壊成〔劫〕を、というように。  
                       
                       
                       
    33-4.                
     ‘amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapanno’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapanno’ti.(31-3.)  
    訳文                
     『私はそこで、かくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はそこから死してあそこへ生まれた。あそこでまた私はかくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はあそこから死してここへ生まれた』と。  
                       
                       
                       
    33-5.                
     Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarati. (31-4.)  
    訳文                
     このように彼は、具体的かつ詳細に、種々の宿住を憶念します。  
                       
                       
                       
    33-6.                
     ‘‘So evamāha – ‘sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito; te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisamaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘So evamāha – ‘sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito; te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisamaṃ.(31-5.)  
    訳文                
     彼はこのようにいいます。『我と世間とは恒常であり、何も生まず、山頂のように不動で、石柱のように安立している。そして、かの有情たちは、流転し、輪廻し、死に、再生するが、しかし永遠に存在するのである。  
                       
                       
                       
    33-7.                
     Taṃ kissa hetu? Ahañhi ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusāmi, yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ kissa hetu? Ahañhi ātappamanvāya padhānamanvāya anuyogamanvāya appamādamanvāya sammāmanasikāramanvāya tathārūpaṃ cetosamādhiṃ phusāmi, yathāsamāhite citte anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi. (31-6.)  
    訳文                
     それはなぜか。なぜなら私は、熱勤により、精勤により、随勤により、不放逸により、正作意によって、心が入定した時に種々の宿住を憶念するような心の三昧に到達したからだ。  
                       
                       
                       
    33-8.                
     Seyyathidaṃ – dasapi saṃvaṭṭavivaṭṭāni vīsampi saṃvaṭṭavivaṭṭāni tiṃsampi saṃvaṭṭavivaṭṭāni cattālīsampi saṃvaṭṭavivaṭṭāni –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Seyyathidaṃ – dasapi saṃvaṭṭavivaṭṭāni vīsampi saṃvaṭṭavivaṭṭāni tiṃsampi saṃvaṭṭavivaṭṭāni cattālīsampi saṃvaṭṭavivaṭṭāni – (33-3.)  
    訳文                
     たとえば、十の壊成〔劫〕、二十の壊成〔劫〕、三十の壊成〔劫〕、また四十の壊成〔劫〕を、というように。  
                       
                       
                       
    33-9.                
     ‘amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapannoti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘amutrāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto amutra udapādiṃ; tatrāpāsiṃ evaṃnāmo evaṃgotto evaṃvaṇṇo evamāhāro evaṃsukhadukkhappaṭisaṃvedī evamāyupariyanto, so tato cuto idhūpapannoti. (31-8.)  
    訳文                
     私はそこで、かくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はそこから死してあそこへ生まれた。あそこでまた私はかくの如き名、かくの如き種姓、かくの如き階級であり、かくの如き食を取り、かくの如き楽苦を経験し、かくの如く寿命を終えた。その私はあそこから死してここへ生まれたと、  
                       
                       
                       
    33-10.                
     Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti sākāraṃ sauddesaṃ anekavihitaṃ pubbenivāsaṃ anussarāmi. (31-9.)  
    訳文                
     このように私は、具体的かつ詳細に、種々の宿住を憶念する。  
                       
                       
                       
    33-11.                
     Imināmahaṃ etaṃ jānāmi ‘‘yathā sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito, te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisama’’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Imināmahaṃ etaṃ jānāmi ‘‘yathā sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito, te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisama’’nti. (31-10.)  
    訳文                
     このことによって私は、我と世間とは恒常であり、何も生まず、山頂のように不動で、石柱のように安立している。そして、かの有情たちは、流転し、輪廻し、死に、再生するが、しかし永遠に存在するのである、とこのように知るのである』と。  
                       
                       
                       
    33-12.                
     Idaṃ, bhikkhave, tatiyaṃ ṭhānaṃ, yaṃ āgamma yaṃ ārabbha eke samaṇabrāhmaṇā sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Idaṃ,   代的 これ  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      tatiyaṃ   a 第三  
      ṭhānaṃ, yaṃ āgamma yaṃ ārabbha eke samaṇabrāhmaṇā sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti. (31-11.)   
    訳文                
     比丘たちよ、これが、常住論者たる一部の沙門婆羅門たちが、これにより、これに基づいて、常住なる我と世間とを説くような、第三の根拠です。  
                       
                       
                       
    34-1.                
     34. ‘‘Catutthe ca bhonto samaṇabrāhmaṇā kimāgamma kimārabbha sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti?   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Catutthe   a 男中 第四  
      ca bhonto samaṇabrāhmaṇā kimāgamma kimārabbha sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti? (30-2.)  
    訳文                
     では第四に、尊き沙門婆羅門たちは、何に拠り、何に基づいて、常住論者であり、常住なる我と世間とを説くのでしょうか。  
                       
                       
                       
    34-2.                
     Idha, bhikkhave, ekacco samaṇo vā brāhmaṇo vā takkī hoti vīmaṃsī, so takkapariyāhataṃ vīmaṃsānucaritaṃ sayaṃ paṭibhānaṃ evamāha –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idha,   不変 ここに、この世で、いま、さて  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      ekacco   代的 或る、或る一部の、或る一類の  
      samaṇo śram a 沙門  
        不変 あるいは  
      brāhmaṇo bṛh a 婆羅門  
        不変 あるいは  
      takkī   名形 in 推論の、理論の、詭弁家  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      vīmaṃsī, man in 観慧ある、観察する、審察者  
      so   代的 それ、かれ  
      takka   a 依(具) 思索、思択、理論、推論  
      pariyāhataṃ pari-ā-han 過分 a 打倒された、冒された  
      vīmaṃsā man ā 依(対) 観、観慧、思察、審察、思量、思惟  
      anucaritaṃ anu-car 過分 a 随行する、従う、実行する  
      sayaṃ   不変 みずから  
      paṭibhānaṃ prati-bhaṇ a 理解、応答、弁、弁才、応弁、頓才  
      evam   不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āha– ah いう  
    訳文                
     比丘たちよ、ここなる一部の沙門あるいは婆羅門は、推論家、審察者であり、かれは思索に冒され、思察に従ったみずからの理解をこのようにいいます。  
                       
                       
                       
    34-3.                
     ‘sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito; te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisama’nti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘sassato attā ca loko ca vañjho kūṭaṭṭho esikaṭṭhāyiṭṭhito; te ca sattā sandhāvanti saṃsaranti cavanti upapajjanti, atthitveva sassatisama’n (31-5.)  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『我と世間とは恒常であり、何も生まず、山頂のように不動で、石柱のように安立している。そして、かの有情たちは、流転し、輪廻し、死に、再生するが、しかし永遠に存在するのである』と。  
                       
                       
                       
    34-4.                
     Idaṃ, bhikkhave, catutthaṃ ṭhānaṃ, yaṃ āgamma yaṃ ārabbha eke samaṇabrāhmaṇā sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Idaṃ,   代的 これ  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      catutthaṃ   a 第四  
      ṭhānaṃ, yaṃ āgamma yaṃ ārabbha eke samaṇabrāhmaṇā sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti. (31-11.)   
    訳文                
     比丘たちよ、これが、常住論者たる一部の沙門婆羅門たちが、これにより、これに基づいて、常住なる我と世間とを説くような、第四の根拠です。  
                       
                       
                       
    35-1.                
     35. ‘‘Imehi kho te, bhikkhave, samaṇabrāhmaṇā sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti catūhi vatthūhi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Imehi   代的 これら  
      kho   不変 じつに、たしかに  
      te,   代的 かれら  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      samaṇa śram a 沙門  
      brāhmaṇā bṛh a 婆羅門  
      sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti catūhi vatthūhi. (30-1.)   
      catūhi    
      vatthūhi. vas u 事、対象、理由、根拠  
    訳文                
     比丘たちよ、じつにかれら沙門婆羅門たちは常住論者であり、これら四つの根拠から、常住なる我と世間とを説くのです。  
                       
                       
                       
    35-2.                
     Ye hi keci, bhikkhave, samaṇā vā brāhmaṇā vā sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti, sabbe te imeheva catūhi vatthūhi, etesaṃ vā aññatarena; natthi ito bahiddhā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye   代的 (関係代名詞)  
      hi   不変 じつに、なぜなら  
      keci,   代的 だれ、いかなる  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      samaṇā śram a 沙門  
        不変 あるいは  
      brāhmaṇā bṛh a 婆羅門  
        不変 あるいは  
      sassatavādā sassataṃ attānañca lokañca paññapenti (30-1.)   
      sabbe   名形 代的 中→男 すべて  
      te   代的 かれら  
      imehi   代的 これら  
      eva   不変 まさに、のみ、じつに  
      catūhi    
      vatthūhi. vas u 事、対象、理由、根拠  
      etesaṃ   代的 これら  
        不変 あるいは  
      aññatarena;   代的 随一、二者の一、とある、いずれか  
      na   不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      ito   不変 これより、ここより  
      bahiddhā.   不変 外部に、外に  
    訳文                
     比丘たちよ、じつに誰であれ、常住論者であり、常住なる我と世間とを説くような沙門たちあるいは婆羅門たち、彼らは皆、まさしくこれら四つの根拠により、あるいはこれらのいずれかによるのであって、このほかには〔根拠は〕存在しません。  
                       
                       
                       
    36-1.                
     36. ‘‘Tayidaṃ, bhikkhave, tathāgato pajānāti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Taṃ   代的 それ  
      idaṃ,   代的 これ  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      tathāgato tathā-(ā-)gam a 如来  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānāti– pra-jñā 知る、了知する  
    訳文                
     比丘たちよ、如来はこれに関してこのように知ります。  
    メモ                
     ・Tayidaṃtaṃ idaṃの連声。水野文法§18-5参照。諸訳に従い、「これに関してこのように」としておく。  
                       
                       
                       
    36-2.                
     ‘ime diṭṭhiṭṭhānā evaṃgahitā evaṃparāmaṭṭhā evaṃgatikā bhavanti evaṃabhisamparāyā’ti, tañca tathāgato pajānāti, tato ca uttaritaraṃ pajānāti; tañca pajānanaṃ [pajānaṃ (?) dī. ni. 3.36 pāḷiaṭṭhakathā passitabbaṃ] na parāmasati, aparāmasato cassa paccattaññeva nibbuti viditā.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ime   代的 これら  
      diṭṭhi dṛś i 有(属) 見、見解、意見、謬見  
      ṭhānā sthā a 中→男 場所、状態、理由、原因  
      evaṃ   不変 このように、かくの如き  
      gahitā grah 過分 a 把持、把握された  
      evaṃ   不変 このように、かくの如き  
      parāmaṭṭhā parā-mṛś 過分 a 已執の、執着した  
      evaṃ   不変 このように、かくの如き  
      gatikā   a 趣の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavanti bhū ある、なる、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      evaṃ   不変 有(持) このように、かくの如き  
      abhisamparāyā’ abhi-saṃ-parā-i a 未来の運命  
      ti,   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      tañ   代的 それ  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      tathāgato tathā-(ā-)gam a 如来  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānāti, pra-jñā 知る、了知する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tato   不変 それより、それゆえに、その後  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      uttaritaraṃ   代的 よりすぐれた  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pajānāti; pra-jñā 知る、了知する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tañ   代的 その  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      pajānanaṃ pra-jñā a 知解、知識  
      na   不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      parāmasati, parā-mṛś 摩触する、執取する  
      語根 品詞 語基 意味  
      aparāmasato a-parā-mṛś a 男中 無執着、無執取  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      assa   代的 これ  
      paccattaññ   a 副対 各自に、自身の、おのずから、心の内に  
      eva   不変 まさに、のみ、じつに  
      nibbuti   i 寂静  
      viditā. vid 過分 a 知られた、見いだされた  
    訳文                
     『かく把握され、かく執着された見解(常住論)の〔四つの〕根拠を有するこれらのものたち(沙門婆羅門たち)は、かくの如き帰趣、かくの如き来世の運命を持つものたちである』と如来は知り、またそれよりすぐれたものを知ります。しかしてその知見に執着しません。そして無執着のゆえに、かれにはじつに内心の寂静が知られるのです。  
    メモ                
     ・diṭṭhiṭṭhānāの後分ṭhānāは中性名詞であるにもかかわらず男性複数主格となっているので、この複合は依主釈でなく有財釈である。ゆえに「これ等の見処は」(『南伝』。『原始』や『パーリ』も同様)という主語でなく、上記のように「彼らは」にかかる形容詞として解すべきであろう。  
     ・paccattaññññeの前ののサンディー。水野文法§18-3. 参照。  
     ・「それよりすぐれたもの」とは畢竟、涅槃ということになろう。とすれば涅槃への執着がないことが涅槃の条件であることになる。のちの中観派の主張などを思わせる記述である。涅槃への志向に関して、ニカーヤの中にも、素朴な肯定と、メタな視点からそれもまた執着として退ける向きとが混在していることは興味深い。  
                       
                       
                       
    36-3.                
     Vedanānaṃ samudayañca atthaṅgamañca assādañca ādīnavañca nissaraṇañca yathābhūtaṃ viditvā anupādāvimutto, bhikkhave, tathāgato.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Vedanānaṃ vid ā 受、感受  
      samudayañ saṃ-ud-i a 集、集起、生起、起因、原因  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      atthaṅgamañ gam a 没、滅没  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      assādañ ā-svad a 味、楽味、愛味、快味  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      ādīnavañ   a 過患、患難、過失、危難  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      nissaraṇañ ni-sṛ a 出離、出要、遠離  
      ca   不変 と、また、そして、しかし  
      yathābhūtaṃ bhū 不変 如実に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viditvā vid 知る  
      anupādā an-upa-ā-dā 取着ない  
      語根 品詞 語基 意味  
      vimutto, vi-muc 過分 a 解脱した、脱した  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      tathāgato. tathā-(ā-)gam a 如来  
    訳文                
     比丘たちよ、如来は〔常住論よりすぐれた〕諸々の受の生起と滅没、楽味と過患、そして出離を如実に知り、〔しかしその知見に〕執着することなく〔それゆえ〕解脱したのです。  
    メモ                
     ・前文を受けて補訳してみた。  
     ・samudayaは「起きること」と「起きる原因」の二義があるが、ここでは続く「滅没」との対句とみて前者を取り「生起」とした。  
                       
                       
                       
    37-1.                
     37. ‘‘Ime kho te, bhikkhave, dhammā gambhīrā duddasā duranubodhā santā paṇītā atakkāvacarā nipuṇā paṇḍitavedanīyā, ye tathāgato sayaṃ abhiññā sacchikatvā pavedeti, yehi tathāgatassa yathābhuccaṃ vaṇṇaṃ sammā vadamānā vadeyyuṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Ime   代的 これら  
      kho   不変 じつに、たしかに  
      te,   代的 それら  
      bhikkhave, bhikṣ u 比丘たちよ  
      dhammā gambhīrā duddasā duranubodhā santā paṇītā atakkāvacarā nipuṇā paṇḍitavedanīyā, ye tathāgato sayaṃ abhiññā sacchikatvā pavedeti, yehi tathāgatassa yathābhuccaṃ vaṇṇaṃ sammā vadamānā vadeyyuṃ. (28-1.)   
    訳文                
     比丘たちよ、じつにこれらが、深く、見がたく、理解しがたく、寂静の、すぐれた、推論の範囲を超えた、微妙の、賢者によって〔のみ〕知られるであろう、如来みずからが知り、悟って説くものであり、それらによって〔こそ〕如実な如来の称賛が正しく述べられるであろうような諸法なのです。  
    メモ                
     ・つまり、凡夫も知る戒とは違って賢者のみが知る諸法とは、常住論ではなく、それを引きあいに出していわれた受に関する知見であるということになろう。  
                       
                       
                       
     Paṭhamabhāṇavāro.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Paṭhama   a 第一  
      bhāṇa bhaṇ a 依(属) 誦、習誦  
      vāro. vṛ a 回、順番、順、時、機会、分、章、曜日  
    訳文                
     第一誦分〔終わる〕。  
    メモ                
     ・本経は内容的な章立てとは別に、分量的に(おそらく誦唱のため)全体が三つに分けられている。その第一がここまでであるというしるし。  
                       
                       
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