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　(1) Suppatiṭṭhitapādatālakkhaṇaṃ

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Suppatiṭṭhita

su-prati-sthā

過分

‐

持

よく住立した、安定した

pādatā

名

女

持

足性

lakkhaṇaṃ

名

中

単

主

相、特徴

訳文

　【足下安平立相】

メモ

　・チャプタータイトルには、『パーリ』の注に掲載される伝統訳語を、統一して用いることとする。

201-1.

　201. ‘‘Yampi, bhikkhave, tathāgato purimaṃ jātiṃ purimaṃ bhavaṃ purimaṃ niketaṃ pubbe manussabhūto samāno daḷhasamādāno ahosi kusalesu dhammesu, avatthitasamādāno kāyasucarite vacīsucarite manosucarite dānasaṃvibhāge sīlasamādāne uposathupavāse matteyyatāya petteyyatāya sāmaññatāya brahmaññatāya kule jeṭṭhāpacāyitāya aññataraññataresu ca adhikusalesu dhammesu.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

‘‘Yam

代

代的

中

単

主

（関係代名詞）

pi,

不変

‐

～もまた、けれども、たとえ

bhikkhave,

bhikṣ

名

男

複

呼

比丘

tathāgato

tathā-(ā-)gam

名

男

単

主

如来

purimaṃ

形

女

単

対

前の、古い、最初の

jātiṃ

jan

名

女

単

対

生、生まれ

purimaṃ

形

男

単

対

前の、古い、最初の

bhavaṃ

bhū

名

男

単

対

有、存在

purimaṃ

形

男

単

対

前の、古い、最初の

niketaṃ

名

男

単

対

家、住処

pubbe

不変

‐

前に、以前に

manussa

名

男

依（対）

人、人間

bhūto

bhū

過分

男

単

主

なった　→人身

samāno

現分

男

単

主

ある、なる

daḷha

形

‐

有（持）

堅固な

samādāno

saṃ-ā-dā

名

中→男

単

主

受持、受戒

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

ahosi

bhū

動

ア

能

単

三

ある、なる

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

kusalesu

形

男中

複

処

善き

dhammesu,

dhṛ

名

男中

複

処

法

avatthita

ava-sthā

過分

‐

有（持）

住立した、安立した

samādāno

saṃ-ā-dā

名

中→男

単

主

受持、受戒

kāya

名

男

依（具）

身体

sucarite

su-car

名過分

中

単

処

善行、妙行

vacī

vac

名

中

依（具）

口、語

sucarite

su-car

名過分

中

単

処

善行、妙行

mano

man

名

中

依（具）

意

sucarite

su-car

名過分

中

単

処

善行、妙行

dāna

dā

名

中

依（属）

布施

saṃvibhāge

saṃ-vi-bhaj

名

男

単

処

均分、分与

sīla

名

中

依（属）

戒

samādāne

saṃ-ā-dā

名

中

単

処

受持、受戒

uposatha

upa-vas

名

男

依（属）

布薩

upavāse

upa-vas

名

男

単

処

断食、近住

matteyyatāya

名

女

単

処

母への孝行

petteyyatāya

名

女

単

処

父への孝行

sāmaññatāya

śram

名

女

単

処

沙門への恭敬

brahmaññatāya

bṛh

名

女

単

処

婆羅門への恭敬

kule

名

中

単

処

家

jeṭṭha

形

‐

依（対）

最年長の、最老の

apacāyitāya

apa-ci

名

女

単

処

尊敬

aññatara

形

代的

‐

相

随一、とある

aññataresu

形

代的

男中

複

処

随一、とある

不変

‐

と、また、そして、しかし

adhikusalesu

形

男中

複

処

優れた

dhammesu.

dhṛ

名

男中

複

処

法

訳文

　比丘たちよ、およそ如来は、過去に、以前の生、以前の有、以前の住処を、人身として存しました。諸善法に関して堅固に受持し、身による善行、口による善行、意による善行、布施の分与、戒の受持、布薩における近住、母への孝行、父への孝行、沙門への恭敬、婆羅門への恭敬、家長への尊敬、また、その他の様々な優れた諸法に関して安立した受持ある者でした。

メモ

　・aññataraññataresuを「その他の様々な」としたのは『パーリ』にならったもの。

201-2.

　So tassa kammassa kaṭattā upacitattā ussannattā vipulattā kāyassa bhedā paraṃ maraṇā sugatiṃ saggaṃ lokaṃ upapajjati.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

代

代的

男

単

主

それ、彼

tassa

代

代的

中

単

属

それ、彼

kammassa

kṛ

名

中

単

属

業

kaṭattā

kṛ

名

中

単

奪

なされたこと、已作性

upacitattā

upa-ci

名

中

単

奪

積まれたこと、集められたこと

ussannattā

ud-syad

名

中

単

奪

増大した、充満した

vipulattā

名

中

単

奪

広大性

kāyassa

名

男

単

属

身体、集まり

bhedā

bhid

名

男

単

奪

破壊、不和合、離間、種類、区分

paraṃ

形

代的

中

単

副対

更に、他に、超えて

maraṇā

mṛ

名

中

単

奪

死　→死後に

sugatiṃ

su-gam

名

女

単

対

善趣

saggaṃ

名

男

単

対

天

lokaṃ

名

男

単

対

世界

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

upapajjati.

upa-pad

動

現

能

単

三

再生する、転生する

訳文

　彼は、その業のなされたこと、積まれたこと、増大したこと、広大なことの故に、身破れて死後、善趣たる天界へ生まれ変わるのです。

201-3.

　So tattha aññe deve dasahi ṭhānehi adhiggaṇhāti dibbena āyunā dibbena vaṇṇena dibbena sukhena dibbena yasena dibbena ādhipateyyena dibbehi rūpehi dibbehi saddehi dibbehi gandhehi dibbehi rasehi dibbehi phoṭṭhabbehi.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

代

代的

男

単

主

それ、彼

tattha

不変

‐

そこで、そこに、そのとき、そのなかで

aññe

形

代的

男

複

対

別

deve

名

男

複

対

天、神

dasahi

数

特

‐

複

具

十

ṭhānehi

sthā

名

中

複

具

場所、状態、理由、原因

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

adhiggaṇhāti

adhi-grah

動

現

能

単

三

超える、超克する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

dibbena

形

中

単

具

天の、神の

āyunā

名

中

単

具

寿命

dibbena

形

男

単

具

天の、神の

vaṇṇena

名

男

単

具

色、容色、階級

dibbena

形

中

単

具

天の、神の

sukhena

名形

中

単

具

楽

dibbena

形

中

単

具

天の、神の

yasena

名

中

単

具

名声

dibbena

形

中

単

具

天の、神の

ādhipateyyena

名

中

単

具

王権、主権

dibbehi

形

中

複

具

天の、神の

rūpehi

名

中

複

具

色、物質、肉体、形相

dibbehi

形

男

複

具

天の、神の

saddehi

名

男

複

具

音、声、語

dibbehi

形

男

複

具

天の、神の

gandhehi

名

男

複

具

香

dibbehi

形

男

複

具

天の、神の

rasehi

名

男

複

具

味、汁、作用、実質

dibbehi

形

中

複

具

天の、神の

phoṭṭhabbehi.

spṛś

名未分

中

複

具

触、所触、触れられるべきもの

訳文

　彼はそこで、天の寿命、天の容色、天の安楽、天の名声、天の権能、天の諸色、天の諸声、天の諸香、天の諸味、天の諸触〔という〕十のことがらについて、他の神々を凌駕します。

201-4.

　So tato cuto itthattaṃ āgato samāno imaṃ mahāpurisalakkhaṇaṃ paṭilabhati.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

代

代的

男

単

主

それ、彼

tato

不変

‐

それより、それゆえに、その後

cuto

cyu

過分

男

単

主

死没した

itthattaṃ

名

中

単

対

ここ（輪廻）の状態

āgato

ā-gam

過分

男

単

主

来た

samāno

現分

男

単

主

ある、なる

imaṃ

代

代的

中

単

対

これ

mahā

形

ant

‐

持

大きい

purisa

名

男

依（属）

人間、男

lakkhaṇaṃ

名

中

単

対

相、特徴

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

paṭilabhati.

prati-labh

動

現

能

単

三

得る、獲得する

訳文

　彼はそこより死没して、ここへ来て存し、この大人相を得ます。

201-5.

　Suppatiṭṭhitapādo hoti.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Suppatiṭṭhita

su-prati-sthā

過分

‐

有（持）

よく住立した、安定した

pādo

名

男

単

主

足　→足安平

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

hoti.

bhū

動

現

能

単

三

ある、存在する

訳文

　よく安定した足の持ち主となるのです。

201-6.

　Samaṃ pādaṃ bhūmiyaṃ nikkhipati, samaṃ uddharati, samaṃ sabbāvantehi pādatalehi bhūmiṃ phusati.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Samaṃ

形

中

単

副対

等しく

pādaṃ

名

男

単

対

足

bhūmiyaṃ

名

女

単

処

大地

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

nikkhipati,

ni-kṣip

動

現

能

単

三

置く、蓄える、任せる

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

samaṃ

形

中

単

副対

等しく

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

uddharati,

ud-dhṛ

動

現

能

単

三

引き上げる

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

samaṃ

形

中

単

副対

等しく

sabbāvantehi

形

ant

中

複

具

一切の、全部

pāda

名

男

依（属）

足

talehi

名

中

複

具

平地、手のひら

bhūmiṃ

名

女

単

対

大地

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

phusati.

spṛś

動

現

能

単

三

触る

訳文

　平らに足を大地に置き、平らに引き上げ、平らに足の裏全部で大地に触ります。

202-1.

　202. ‘‘So tena lakkhaṇena samannāgato sace agāraṃ ajjhāvasati, rājā hoti cakkavattī dhammiko dhammarājā cāturanto vijitāvī janapadatthāvariyappatto sattaratanasamannāgato.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

‘‘So

代

代的

男

単

主

それ、彼

tena

代

代的

中

単

具

それ、彼、それによって、それゆえ

lakkhaṇena

名

中

単

具

相、特徴

samannāgato

saṃ-anu-ā-gam

過分

男

単

主

具備した、具足の

sace

不変

‐

もし

agāraṃ

名

中

単

対

家、家屋、俗家

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

ajjhāvasati,

adhi-ā-vas

動

現

能

単

三

住す、忍住する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

rājā

名

男

単

主

王

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

hoti

bhū

動

現

能

単

三

ある、存在する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

cakka

名

中

依（対）

輪

vattī

vṛt

形

男

単

主

転ずる　→転輪王

dhammiko

dhṛ

名形

男

単

主

如法の

dhamma

dhṛ

名

男

依（属）

法

rājā

名

男

単

主

王

cātur

数

特

‐

有（帯）

四

anto

名

男

単

主

終極、目的、極限、辺、極端

vijitāvī

vi-ji

形

男

単

主

己勝の、大勝した、征服した

janapada

名

男

依（属）

地方、国、国土

thāvariya

名

中

依（対）

確立、安定

patto

pra-āp

過分

男

単

主

獲得した、至った

satta

数

特

‐

帯

七

ratana

名

中

依（具）

宝

samannāgato.

saṃ-anu-ā-gam

形

男

単

主

具足した

訳文

　もし、その相を具えたかれが俗家に住するならば、転輪王、如法の法王、四辺の領有者、征服者、国土の安立に至ったもの、七宝を具足するものとなります。

202-2.

　Tassimāni satta ratanāni bhavanti;

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Tassa

代

代的

男

単

属

それ、彼

imāni

代

代的

中

複

主

これら

satta

数

特

‐

帯

七

ratanāni

名

中

複

主

宝

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

bhavanti;

bhū

動

現

能

複

三

ある、存在する

訳文

　かれには、これらの七宝が存在します。

202-3.

　seyyathidaṃ, cakkaratanaṃ hatthiratanaṃ assaratanaṃ maṇiratanaṃ itthiratanaṃ gahapatiratanaṃ pariṇāyakaratanameva sattamaṃ.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

seyyathidaṃ,

不変

‐

たとえば、その如き

cakka

名

中

持

輪

ratanaṃ

名

中

単

主

宝

hatthi

名

男

持

象

ratanaṃ

名

中

単

主

宝

assa

名

男

持

馬

ratanaṃ

名

中

単

主

宝

maṇi

名

男

持

摩尼、宝珠

ratanaṃ

名

中

単

主

宝

itthi

名

i, ī

女

持

女性、夫人

ratanaṃ

名

中

単

主

宝

gahapati

名

男

持

家長、居士、資産家

ratanaṃ

名

中

単

主

宝

pariṇāyaka

pari-nī

名

男

持

指導者、将軍、司令官

ratanam

名

中

単

主

宝

eva

不変

‐

まさに、のみ、じつに

sattamaṃ.

数

中

単

主

第七

訳文

　すなわち、輪宝、象宝、馬宝、摩尼宝、女宝、居士宝、じつに第七に将軍宝です。

202-4.

　Parosahassaṃ kho panassa puttā bhavanti sūrā vīraṅgarūpā parasenappamaddanā.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Paro

不変

‐

超えて、以上に

sahassaṃ

数

中

単

主

千

kho

不変

‐

じつに、たしかに

pana

不変

‐

また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて

assa

代

代的

男

単

属

これ

puttā

名

男

複

主

息子

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

bhavanti

bhū

動

現

能

複

三

ある、存在する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

sūrā

śū

名

男

複

主

勇敢な、英雄

vīra

名

男

有（属）

英雄、勇士

aṅga

名

中

有（持）

部分、肢体

rūpā

名

中→男

複

主

色、物質、肉体、形相　→英雄的な

para

形

代的

‐

持

他の、彼方の

sena

名

女

有（対）

軍　→敵軍

pamaddanā.

pra-mṛd

名

中→男

複

主

砕破、押し砕き

訳文

　またじつに彼には、千を超える、勇敢で英雄的で、敵軍を砕破する息子たちがあります。

202-5.

　So imaṃ pathaviṃ sāgarapariyantaṃ akhilamanimittamakaṇṭakaṃ iddhaṃ phītaṃ khemaṃ sivaṃ nirabbudaṃ adaṇḍena asatthena dhammena abhivijiya ajjhāvasati.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

代

代的

男

単

主

それ、彼

imaṃ

代

代的

女

単

対

これ

pathaviṃ

名

女

単

対

地、大地

sāgara

名

男

有（持）

海、海洋

pariyantaṃ

名

男→女

単

対

周辺、制限、究竟、終りにする

akhilam

形

女

単

対

固陋ならず、強情でない、荒れ地なき

animittam

形

女

単

対

無相の、前兆なき

akaṇṭakaṃ

形

女

単

対

棘のない

iddhaṃ

形

女

単

対

富んだ、成功した

phītaṃ

過分

女

単

対

裕福な、富める、繁栄の

khemaṃ

名形

中→女

単

対

安穏な、平穏の

sivaṃ

名形

男中→女

単

対

吉祥の、幸福な、シヴァ神

nirabbudaṃ

形

女

単

対

汚濁なき

adaṇḍena

形

男中

単

具

杖なし

asatthena

形

男中

単

具

剣なし

dhammena

dhṛ

名

男

単

具

法

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

abhivijiya

abhi-vi-ji

動

連

‐

征服する

ajjhāvasati.

adhi-ā-vas

動

現

能

単

三

住す、忍住する

訳文

　彼は、この海に囲まれた大地を、荒れ地なく、〔災いの〕前兆なく、棘なく、富んだ、繁栄した、平穏な、吉祥の、汚濁なきものとして、杖によらず、剣によらず、法によって征服して住します。

202-6.

　Rājā samāno kiṃ labhati?

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Rājā

名

男

単

主

王

samāno

現分

男

単

主

ある、なる

kiṃ

代

代的

中

単

対

何、なぜ、いかに

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

labhati?

labh

動

現

能

単

三

得る

訳文

　王となった者は何を得るのでしょうか。

202-7.

　Akkhambhiyo [avikkhambhiyo (sī. pī.)] hoti kenaci manussabhūtena paccatthikena paccāmittena.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Akkhambhiyo

a-skambh

形

男

単

主

鎮伏すべきでない、不能勝の

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

hoti

bhū

動

現

能

単

三

ある、存在する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

kenaci

代

代的

男

単

具

何らかの、何者であれ

manussa

名

男

依（属）

人、人間

bhūtena

bhū

過分

男

単

具

あった、存在　→人身

paccatthikena

名

男

単

具

敵、怨敵

paccāmittena.

名

男

単

具

敵、仇敵

訳文

　いかなる怨敵、仇敵たる人身によっても妨げられない者となるのです。

202-8.

　Rājā samāno idaṃ labhati.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Rājā

名

男

単

主

王

samāno

現分

男

単

主

ある、なる

idaṃ

代

代的

中

単

対

これ

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

labhati.

labh

動

現

能

単

三

得る

訳文

　王となった者はこのことを得るのです。

202-9.

　‘‘Sace kho pana agārasmā anagāriyaṃ pabbajati, arahaṃ hoti sammāsambuddho loke vivaṭṭacchado.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

‘‘Sace

不変

‐

もし

kho

不変

‐

じつに、たしかに

pana

不変

‐

また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて

agārasmā

名

中

単

奪

家、家屋、俗家

anagāriyaṃ

形

中

単

対

非家の

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

pabbajati,

pra-vraj

動

現

能

単

三

出家する、遁世する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

arahaṃ

arh

名現分

ant

男

単

主

阿羅漢、応供

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

hoti

bhū

動

現

能

単

三

ある、存在する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

sammā

不変

‐

正しい、正しく

sambuddho

saṃ-budh

名過分

男

単

主

等覚者

loke

名

男

単

処

世、世界、世間

vivaṭṭa

vi-vṛ

過分

‐

有（持）

開いた、覆いのない

chado.

chad

名

男

単

主

蓋、覆い

訳文

　またじつに、もし〔彼が〕家から出家したなら、阿羅漢、正等覚者、世にあって覆いを開いた者となります。

メモ

　・布施などによる生天は、在家者の勤めと報いとして仏教内につとに説かれるが、単に生天の楽そのものが果報である場合と、（ジャータカにおける兜率天や、大乗仏教における浄土・仏国土のように）そこへ生まれることが最終的な正覚への経路となっているとする場合とが見られる。ここは明らかに後者である。

202-10.

　Buddho samāno kiṃ labhati?

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Buddho

budh

名過分

男

単

主

仏陀、覚者

samāno

現分

男

単

主

ある、なる

kiṃ

代

代的

中

単

対

何、なぜ、いかに

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

labhati?

labh

動

現

能

単

三

得る

訳文

　仏陀となった者は何を得るのでしょうか。

202-11.

　Akkhambhiyo hoti abbhantarehi vā bāhirehi vā paccatthikehi paccāmittehi rāgena vā dosena vā mohena vā samaṇena vā brāhmaṇena vā devena vā mārena vā brahmunā vā kenaci vā lokasmiṃ.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Akkhambhiyo

a-skambh

形

男

単

主

鎮伏すべきでない、不能勝の

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

hoti

bhū

動

現

能

単

三

ある、存在する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

abbhantarehi

名形

中

複

具

内の、内部の

vā

不変

‐

あるいは

bāhirehi

形

中

複

具

外の、外部の

vā

不変

‐

あるいは

paccatthikehi

名

男

複

具

敵、怨敵

paccāmittehi

名

男

複

具

敵、仇敵

rāgena

raj

名

男

単

具

貪欲

vā

不変

‐

あるいは

dosena

名

男

単

具

瞋恚

vā

不変

‐

あるいは

mohena

名

男

単

具

愚痴

vā

不変

‐

あるいは

samaṇena

śram

名

男

単

具

沙門

vā

不変

‐

あるいは

brāhmaṇena

bṛh

名

男

単

具

婆羅門

vā

不変

‐

あるいは

devena

名

男

単

具

天、神

vā

不変

‐

あるいは

mārena

mṛ

名

男

単

具

魔

vā

不変

‐

あるいは

brahmunā

brf

名形

an（特）

男

単

具

梵天

vā

不変

‐

あるいは

kenaci

代

代的

男

単

具

何らかの、何者であれ

vā

不変

‐

あるいは

lokasmiṃ.

名

男

単

処

世界、世間

訳文

　内外の仇敵、怨敵なる貪欲、瞋恚、愚痴、沙門、婆羅門、天、魔、梵、あるいは世間における何者によっても妨げられない者となるのです。

202-12.

　Buddho samāno idaṃ labhati’’.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Buddho

budh

名過分

男

単

主

仏陀、覚者

samāno

現分

男

単

主

ある、なる

idaṃ

代

代的

中

単

対

これ

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

labhati’’.

labh

動

現

能

単

三

得る

訳文

　仏陀となった者はこのことを得るのです」

202-13.

　Etamatthaṃ bhagavā avoca.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Etam

代

代的

男中

単

対

これ

atthaṃ

名

男中

単

対

義、利益、道理、意味、必要

bhagavā

名

ant

男

単

主

世尊

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

avoca.

vac

動

ア

能

単

三

いう

訳文

　世尊はこの義を説かれた。

203-1.

　203. Tatthetaṃ vuccati –

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Tattha

不変

‐

そこで、そこに、そのとき、そのなかで

etaṃ

代

代的

中

単

主

これ

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

vuccati –

vac　受

動

現

能

単

三

いわれた

訳文

　そして、これが言われた。

203-2.

　‘‘Sacce ca dhamme ca dame ca saṃyame,

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

‘‘Sacce

名

中

単

処

真実、真理、諦

不変

‐

と、また、そして、しかし

dhamme

dhṛ

名

男中

単

処

法

不変

‐

と、また、そして、しかし

dame

dam

名

中

単

処

調御、調伏、訓練

不変

‐

と、また、そして、しかし

saṃyame,

saṃ-yam

名

男

単

処

抑制、自制

訳文

　「♪真理と、法と、調御と、抑制に関し、

203-3.

　Soceyyasīlālayuposathesu ca;

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Soceyya

śuc

名

中

相

浄、浄行

sīla

名

中

依（属）

戒

ālaya

名

男中

相

阿頼耶、執着

uposathesu

upa-vas

名

男

複

処

布薩

ca;

不変

‐

と、また、そして、しかし

訳文

　♪また浄行と、戒の執取と、布薩に関し、

203-4.

　Dāne ahiṃsāya asāhase rato,

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Dāne

dā

名

中

単

処

布施

ahiṃsāya

a-hiṃs

名

女

単

処

不害

asāhase

sāhase

名

中

単

処

無強制、無性急、非暴力

rato,

ram

過分

男

単

主

楽しんだ、愛好した

訳文

　♪布施と、不害と、非暴力に関して楽しむ者は、

203-5.

　Daḷhaṃ samādāya samattamācari [samantamācari (syā. ka.)].

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Daḷhaṃ

形

中

単

副対

堅固の、堅く

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

samādāya

saṃ-ā-dā

動

連

‐

受け取る、受持する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

samattam

名

中

単

副対

公平、平等

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

ācari.

ā-car

動

ア

能

単

三

行ずる

訳文

　♪堅固に受持し、等しく行じた。

メモ

　・samattaには語根saṃ-āpの過去分詞で「到達された、完成された」の意味もあるが、これは採らなかった。なぜならこれは、様々の善行を均等に行った果報として足の裏が均等になった、という前生譚と思われるからである。

203-6.

　‘‘So tena kammena divaṃ samakkami [apakkami (syā. ka.)],

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

‘‘So

代

代的

男

単

主

それ、彼

tena

代

代的

中

単

具

それ、彼、それによって、それゆえ

kammena

kṛ

名

中

単

具

業

divaṃ

名

男

単

対

日、昼、天位

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

samakkami,

saṃ-kram

動

ア

能

単

三

移る、移動する、転移する

訳文

　♪彼はその業によって天の位に移り住んだ。

203-7.

　Sukhañca khiḍḍāratiyo ca anvabhi [aṃnvabhi (ṭīkā)];

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Sukhañ

名形

中

単

対

楽

不変

‐

と、また、そして、しかし

khiḍḍā

名

女

相

戯、遊戯

ratiyo

名

女

複

対

楽、喜楽

不変

‐

と、また、そして、しかし

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

anvabhi;

anu-bhū

動

ア

能

単

三

経験する

訳文

　♪彼は、安楽と遊戯、喜楽を経験した。

メモ

　・Anvabhīti anubhavi.（『註』）。

203-8.

　Tato cavitvā punarāgato idha,

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Tato

不変

‐

それより、それゆえに、その後

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

cavitvā

cyu

動

連

‐

死没する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

punar

不変

‐

再び、さらに

āgato

ā-gam

過分

男

単

主

来た

idha,

不変

‐

ここに、この世で、いま、さて

訳文

　♪それより死没して、再びこの世にやってきた。

203-9.

　Samehi pādehi phusī vasundharaṃ.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Samehi

形

男

複

具

同じ、平等の

pādehi

名

男

複

具

足

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

phusī

spṛś

動

ア

能

単

三

触れる、接触する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

vasundharaṃ.

dhṛ

名

女

単

対

大地（「富」vasuの「保持者」dharaより）

訳文

　♪平らな両足で大地へ触れた。

メモ

　・phusīは二人称の語尾でなく、三人称phusiが音韻の関係上長音化したものと解した。

203-10.

　‘‘Byākaṃsu veyyañjanikā samāgatā,

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

‘‘Byākaṃsu

vi-ā-kṛ

動

ア

能

複

三

解答する、授記する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

veyyañjanikā

vi-añj

名

男

複

主

占相者

samāgatā,

saṃ-ā-gam

過分

男

複

主

来集した、到来した

訳文

　♪来集した占相者たちは予言した。

203-11.

　Samappatiṭṭhassa na hoti khambhanā;

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Sama

形

‐

依（具）

同じ、平等の

patiṭṭhassa

prati-sthā

過分

男

単

属

住立した、確立した

不変

‐

ない

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

hoti

bhū

動

現

能

単

三

ある、存在する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

khambhanā;

skambh

名

女

単

主

妨げ?

訳文

　♪『平等な〔足〕によって住立する者には、妨げが存在しない。

メモ

　・khambhanāの語は辞書類にないが、PTS辞書にはto obstructの意をもつKhambhetiなる語があり、そこから類推した。さきのAkkhambhiyoも同じ。

203-12.

　Gihissa vā pabbajitassa vā puna [pana (syā.)],

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Gihissa

名形

男

単

属

在家の

vā

不変

‐

あるいは

pabbajitassa

pra-vraj

名過分

男

単

属

出家

vā

不変

‐

あるいは

puna,

不変

‐

さらに、ふたたび

訳文

　♪在家にとってであれ、あるいは出家にとってであれ、

203-13.

　Taṃ lakkhaṇaṃ bhavati tadatthajotakaṃ.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Taṃ

代

代的

中

単

主

それ

lakkhaṇaṃ

名

中

単

主

相、特徴

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

bhavati

bhū

動

現

能

単

三

ある、なる

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

tad

代

代的

中

依（属）

それ

attha

名

男中

依（属）

義、利益、道理、意味、必要

jotakaṃ.

形

中

単

主

照明、説明

訳文

　♪その相は、その意味のあかしである。

203-14.

　‘‘Akkhambhiyo hoti agāramāvasaṃ,

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

‘‘Akkhambhiyo

a-skambh

形

男

単

主

鎮伏すべきでない、不能勝の

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

hoti

bhū

動

現

能

単

三

ある、存在する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

agāram

名

中

単

対

家、俗家

āvasaṃ,

ā-vas

現分

ant

男

単

主

住する

訳文

　♪俗家に住するならば、妨げられない者となる。

203-15.

　Parābhibhū sattubhi nappamaddano;

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Para

形

代的

‐

依（対）

他の

abhibhū

名形

男中

単

主

勝利、勝者

sattubhi

名

男

複

具

敵

不変

‐

ない

pamaddano;

pra-mṛd

名

中→男

単

主

砕破

訳文

　♪他者に勝利し、敵による砕破なきものとなる。

203-16.

　Manussabhūtenidha hoti kenaci,

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Manussa

名

男

依（対）

人、人間

bhūtena

bhū

過分

男中

単

具

なった　→人身

idha

不変

‐

ここに、この世で、いま、さて

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

hoti

bhū

動

現

能

単

三

ある、存在する

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

kenaci,

代

代的

男

単

具

何らかの、何者であれ

訳文

　♪この世で、いかなる人間によっても、

メモ

　・hotiの訳は次文へ。

203-17.

　Akkhambhiyo tassa phalena kammuno.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Akkhambhiyo

a-skambh

形

男

単

主

鎮伏すべきでない、不能勝の

tassa

代

代的

中

単

属

それ、彼

phalena

phal

名

中

単

具

果

kammuno.

kṛ

名

中

単

属

業

訳文

　♪妨げられない者となる。彼の業の果によって。

203-18.

　‘‘Sace ca pabbajjamupeti tādiso,

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

‘‘Sace

不変

‐

もし

不変

‐

と、また、そして、しかし

pabbajjam

pra-vraj

名

女

単

対

出家、出家生活

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

upeti

upa-i

動

現

能

単

三

近づく、到る

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

tādiso,

形

男

単

主

その如き、そのような

訳文

　♪またもし、このような者が出家へと到ったならば、

203-19.

　Nekkhammachandābhirato vicakkhaṇo;

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Nekkhamma

nir-kram

名

中

依（属）

出離、離欲（連続体より）

chanda

名

男

依（具）

欲、志欲、意欲

abhirato

abhi-ram

過分

男

単

主

大いに喜んだ

vicakkhaṇo;

形

男

単

主

明眼ある、明察の

訳文

　♪出離の志欲によって喜び、明眼あるものとなる。

203-20.

　Aggo na so gacchati jātu khambhanaṃ,

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Aggo

形

男

単

主

最上、第一

不変

‐

ない

代

代的

男

単

主

それ、彼

述語

語根

品詞

活用

態

数

人称

意味

gacchati

gam

動

現

能

単

三

ゆく

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

jātu

不変

‐

たしかに、疑いなく

khambhanaṃ,

skambh

名

女

単

対

妨げ?

訳文

　♪最上なるその者は、決して妨げへおもむくことはない。

203-21.

　Naruttamo esa hi tassa dhammatā’’ti.

語

語根

品詞

語基

性

数

格

意味

Nara

名

男

依（属）

人、人々

uttamo

形

代的

男

単

主

最上の、最高の

esa

代

代的

男

単

主

これ

不変

‐

じつに、なぜなら（tena hiで「しからば」）

tassa

代

代的

男

単

属

それ、彼

dhammatā’’

dhṛ

名

女

単

主

法性

ti.

不変

‐

と、といって、かく、このように、ゆえに

訳文

　♪この者は人々のうちで最上である。なぜなら彼には法性あるゆえ』と。

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