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     Mahāsammatarājā  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mahāsammata    a 位階名、マハーサンマタ  
      rājā   an  
    訳文                
     【マハーサンマタなる王】  
    メモ                
     ・後の展開を見るに、マハーサンマタとは「士族」「王」と併置されていることから、固有名詞ではなく位階をいったもののようである。強いて訳すなら「大選良」か。  
                       
                       
                       
    130-1.                
     130. ‘‘Atha kho te, vāseṭṭha, sattā sannipatiṃsu, sannipatitvā anutthuniṃsu –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      te,    代的 それら、彼ら  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      sattā    a 有情、衆生  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sannipatiṃsu,  sam-ni-pat 能反 集まる、集合する  
      sannipatitvā  sam-ni-pat 集まる、集合する  
      anutthuniṃsu –  anu-stan 能反 なく、嘆く、悲しむ  
    訳文                
     ときにヴァーセッタよ、彼ら有情たちは集まりました。集まって嘆きました。  
                       
                       
                       
    130-2.                
     ‘pāpakā vata bho dhammā sattesu pātubhūtā, yatra hi nāma adinnādānaṃ paññāyissati, garahā paññāyissati, musāvādo paññāyissati, daṇḍādānaṃ paññāyissati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘pāpakā    a 悪い、邪悪な  
      vata    不変 じつに  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      dhammā  dhṛ a 男中  
      sattesu    a 有情、衆生  
      pātubhūtā,  bhū 過分 a 顕現した  
      yatra    不変 〜の所  
      hi    不変 じつに、なぜなら(tena hiで「しからば」)  
      nāma    an 副対 と、じつに →じつに〜であるから  
      adinna  a-dā 過分 a 依(属) 与えられないもの  
      ādānaṃ  ā-dā a 取 →偸盗  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paññāyissati,  pra-jñā 受 知られる、認められる  
      語根 品詞 語基 意味  
      garahā  garh ā 呵責、叱責、非難  
      paññāyissati,  同上  
      musā    不変 偽って  
      vādo  vad a 語、言、説 →妄語  
      paññāyissati,  同上  
      daṇḍa    a 依(属) 鞭、棒  
      ādānaṃ  ā-dā a 取 →偸盗  
      paññāyissati.  同上  
    訳文                
     『友等よ、じつに悪しき法が衆生のうちに現れている。なんとなれば、偸盗が知られ、呵責が知られ、妄語が知られ、鞭を取ることが知られるというのだから。  
                       
                       
                       
    130-3.                
     Yaṃnūna mayaṃ ekaṃ sattaṃ sammanneyyāma, yo no sammā khīyitabbaṃ khīyeyya, sammā garahitabbaṃ garaheyya, sammā pabbājetabbaṃ pabbājeyya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      nūna    不変 たしかに →〜したらどうか  
      mayaṃ    代的 私たち  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      sattaṃ    a 有情、衆生  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammanneyyāma,  saṃ-man 同意する、選ぶ、尊敬する  
      語根 品詞 語基 意味  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      no    代的 私たち  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      khīyitabbaṃ  kṣā 未分 a 瞋嫌されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      khīyeyya,  kṣā 瞋嫌する、不機嫌となる  
      語根 品詞 語基 意味  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      garahitabbaṃ  garh 未分 a 叱責されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      garaheyya,  garh 叱責される  
      語根 品詞 語基 意味  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      pabbājetabbaṃ  pra-vraj 使 未分 a 追放されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbājeyya.  pra-vraj 使 追放する、駆逐する  
    訳文                
     我々は、およそ我々のうちで、正しく怒られるべき者へ怒り、正しく叱責されるべき者へ叱責し、正しく追放されるべき者を追放するような、一人の有情を選んではどうだろうか。  
                       
                       
                       
    130-4.                
     Mayaṃ panassa sālīnaṃ bhāgaṃ anuppadassāmā’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Mayaṃ    代的 私たち  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      assa    代的 これ  
      sālīnaṃ    i 米、稲  
      bhāgaṃ  vi-bhaj a 区分、配分、分類  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anuppadassāmā’  anu-ud-pad 使 生じさせる、与える、賞賜する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     しかして我々はその者へ、稲の分配を与えよう』と。  
                       
                       
                       
    130-5.                
     ‘‘Atha kho te, vāseṭṭha, sattā yo nesaṃ satto abhirūpataro ca dassanīyataro ca pāsādikataro ca mahesakkhataro ca taṃ sattaṃ upasaṅkamitvā etadavocuṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      te,    代的 それら、彼ら  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      sattā    a 有情、衆生  
      yo    代的 (関係代名詞)  
      nesaṃ    代的 それら、彼ら  
      satto    a 有情、衆生  
      abhirūpataro    a より端正な、より麗しい  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      dassanīyataro  dṛś a より美しい  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      pāsādikataro  pra-sad a より浄信の、より端正な  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      mahesakkhataro    a より威力ある  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      taṃ    代的 それ、彼  
      sattaṃ    a 有情、衆生  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avocuṃ –  vac いう  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、そこでその有情たちは、およそ彼らのうちでより麗しく、より美しく、より端正で、より威力ある有情、その有情へ近づいてこういいました。  
                       
                       
                       
    130-6.                
     ‘ehi, bho satta, sammā khīyitabbaṃ khīya, sammā garahitabbaṃ garaha, sammā pabbājetabbaṃ pabbājehi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ehi,  i 不変 いざ  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      satta,    a 有情、衆生  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      khīyitabbaṃ  kṣā 未分 a 瞋嫌されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      khīya,  kṣā 瞋嫌する、不機嫌となる  
      語根 品詞 語基 意味  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      garahitabbaṃ  garh 未分 a 叱責されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      garaha,  garh 叱責される  
      語根 品詞 語基 意味  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      pabbājetabbaṃ  pra-vraj 使 未分 a 追放されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbājehi.  pra-vraj 使 追放する、駆逐する  
    訳文                
     『いざ、友なる有情よ、あなたは正しく怒られるべき者へ怒り、正しく叱責されるべき者へ叱責し、正しく追放されるべき者を追放して下さい。  
                       
                       
                       
    130-7.                
     Mayaṃ pana te sālīnaṃ bhāgaṃ anuppadassāmā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Mayaṃ pana te sālīnaṃ bhāgaṃ anuppadassāmā’ti. (130-4.)  
      te    代的 あなた  
    訳文                
     しからば我々はあなたへ、稲の分配を与えましょう』と。  
                       
                       
                       
    130-8.                
     ‘Evaṃ, bho’ti kho, vāseṭṭha, so satto tesaṃ sattānaṃ paṭissuṇitvā sammā khīyitabbaṃ khīyi, sammā garahitabbaṃ garahi, sammā pabbājetabbaṃ pabbājesi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き  
      bho’  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      so    代的 それ、彼  
      satto    a 有情、衆生  
      tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      sattānaṃ    a 有情、衆生  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭissuṇitvā  prati-śru 応諾する、答える  
      語根 品詞 語基 意味  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      khīyitabbaṃ  kṣā 未分 a 瞋嫌されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      khīyi,  kṣā 瞋嫌する、不機嫌となる  
      語根 品詞 語基 意味  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      garahitabbaṃ  garh 未分 a 叱責されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      garahi,  garh 叱責される  
      語根 品詞 語基 意味  
      sammā    不変 正しい、正しく  
      pabbājetabbaṃ  pra-vraj 使 未分 a 追放されるべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbājesi.  pra-vraj 使 追放する、駆逐する  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、その有情は『友等よ、そのように』とそれら有情たちへ応えて、正しく怒られるべき者へ怒り、正しく叱責されるべき者へ叱責し、正しく追放されるべき者を追放しました。  
                       
                       
                       
    130-9.                
     Te panassa sālīnaṃ bhāgaṃ anuppadaṃsu.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      assa    代的 これ  
      sālīnaṃ    i 米、稲  
      bhāgaṃ  vi-bhaj a 区分、配分、分類  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anuppadaṃsu. anu-ud-pad 使 能反 生じさせる、与える、賞賜する  
    訳文                
     しかして、彼らはその者へ、稲の分配を与えました。  
                       
                       
                       
    131-1.                
     131. ‘‘Mahājanasammatoti kho, vāseṭṭha, ‘mahāsammato, mahāsammato’ tveva paṭhamaṃ akkharaṃ upanibbattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Mahā    ant 大きい  
      jana    a 依(具) 人、人々  
      sammato  saṃ-man 過分 a 選ばれた、尊敬された、考えられた  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      ‘mahāsammato,    a 位階名、マハーサンマタ  
      mahāsammato’    a 位階名、マハーサンマタ  
      tv    不変 という(ti)、しかし(tu)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      paṭhamaṃ    a 最初の、第一の  
      akkharaṃ    名形 a 文字、不滅の  
      upanibbattaṃ.  upa-nir-vṛt 過分 a 生起した、発生した  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、多くの人々に選ばれた(マハー・ジャナ・サンマタ)故に、『マハーサンマタ、マハーサンマタ』という第一の文言が生じたのです。  
                       
                       
                       
    131-2.                
     Khettānaṃ adhipatīti kho, vāseṭṭha, ‘khattiyo, khattiyo’ tveva dutiyaṃ akkharaṃ upanibbattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Khettānaṃ    a 田畑、土地  
      adhipatī    名形 i 主、君主  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      ‘khattiyo,    a 士族、王族、カッティヤ  
      khattiyo’    a 士族、王族、カッティヤ  
      tv    不変 という(ti)、しかし(tu)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      dutiyaṃ    名形 a 男→中 第二の  
      akkharaṃ    名形 a 文字、不滅の  
      upanibbattaṃ.  upa-nir-vṛt 過分 a 生起した、発生した  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、土地の主である(ケッターナム・アディパティ)故に、『士族(カッティヤ)、士族(カッティヤ)』という第二の文言が生じたのです。  
    メモ                
     ・言うまでもなく、こうした語源説は、言語学的事実としては鵜呑みにすべきでないだろう。  
                       
                       
                       
    131-3.                
     Dhammena pare rañjetīti kho, vāseṭṭha, ‘rājā, rājā’ tveva tatiyaṃ akkharaṃ upanibbattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhammena  dhṛ a 男中  
      pare    代的 他の  
      rañjetī  raj 使 染着させる、喜ばせる  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      ‘rājā,    an  
      rājā’    an  
      tv    不変 という(ti)、しかし(tu)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      tatiyaṃ    a 第三の  
      akkharaṃ    名形 a 文字、不滅の  
      upanibbattaṃ.  upa-nir-vṛt 過分 a 生起した、発生した  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、法によって他者たちを喜ばせる(ランジェーティ)故に、『王(ラージャン)、王(ラージャン)』という第三の文言が生じたのです。  
                       
                       
                       
    131-4.                
     Iti kho, vāseṭṭha, evametassa khattiyamaṇḍalassa porāṇena aggaññena akkharena abhinibbatti ahosi tesaṃyeva sattānaṃ, anaññesaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      etassa    代的 この  
      khattiya    a 依(属) 士族、王族、カッティヤ  
      maṇḍalassa    a 曼陀羅、円、集  
      porāṇena    名形 a 往古の、古聖  
      aggaññena  ā-jñā ā 女→男中 世界の起源  
      akkharena    名形 a 文字、不滅の  
      abhinibbatti  abhi-ni-vṛt i 生起、再生  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      sattānaṃ,    a 有情、衆生  
      anaññesaṃ.    代的 他ならぬ  
    訳文                
     かくヴァーセッタよ、このように、この士族の集まりの、往古の、世界の起源の文言による生起は、他ならぬそれら有情のうちにあったのです。  
                       
                       
                       
    131-5.                
     Sadisānaṃyeva, no asadisānaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sadisānaṃ    a 同じ、等しい  
      yeva,    不変 まさに、のみ、じつに  
      no    不変 ない  
      asadisānaṃ.    a 不等同の  
    訳文                
     まったく等しい者たちのうちにであって、不平等な者たちのうちにではありません。  
                       
                       
                       
    131-6.                
     Dhammeneva, no adhammena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhammena  dhṛ a 男中  
      eva,    不変 まさに、のみ、じつに  
      no    不変 ない  
      adhammena.  a-dhṛ a 男中 非法  
    訳文                
     法のみによったのであって、不法によったのではありません。  
                       
                       
                       
    131-7.                
     Dhammo hi, vāseṭṭha, seṭṭho janetasmiṃ diṭṭhe ceva dhamme abhisamparāyañca.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhammo  dhṛ a 男中  
      hi,    不変 じつに、なぜなら  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      seṭṭho    a 最上の、最勝の  
      jane    a 人々  
      etasmiṃ    代的 これ  
      diṭṭhe  dṛś 過分 a 男中 見られた  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      dhamme  dhṛ a 男中 法 →現法  
      abhisamparāyañ    a 副対 来世に  
      ca.   不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     なぜならヴァーセッタよ、現法においても、来世にも、法がこの人々のうちで最上のものだからです。  
    メモ                
     ・ここ四行は理解が難しいが、おそらく、いわゆる四姓について、婆羅門たちがヴァーセッタに説いたような神々が定めた生得的な格差ではなく、対等な人間同士の、法という徳に応じた役割分担として始まったものだ、と述べているのであろう。  
                       
                       
                       
     Brāhmaṇamaṇḍalaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門  
      maṇḍalaṃ   a 男(中) 曼陀羅、円、集  
    訳文                
     【婆羅門の集まり】  
                       
                       
                       
    132-1.                
     132. ‘‘Atha kho tesaṃ, vāseṭṭha, sattānaṃyeva [tesaṃ yeva kho vāseṭṭha sattānaṃ (sī. pī.)] ekaccānaṃ etadahosi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      tesaṃ,    代的 それら、彼ら  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      sattānaṃ    a 有情、衆生  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      ekaccānaṃ    代的 一類の  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     ときにヴァーセッタよ、それらの有情たちのうち、一部の者たちに、この〔思い〕が起こりました。  
                       
                       
                       
    132-2.                
     ‘pāpakā vata, bho, dhammā sattesu pātubhūtā, yatra hi nāma adinnādānaṃ paññāyissati, garahā paññāyissati, musāvādo paññāyissati, daṇḍādānaṃ paññāyissati, pabbājanaṃ paññāyissati.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘pāpakā vata, bho, dhammā sattesu pātubhūtā, yatra hi nāma adinnādānaṃ paññāyissati, garahā paññāyissati, musāvādo paññāyissati, daṇḍādānaṃ paññāyissati, (130-2.)  
      pabbājanaṃ  pra-vraj a 追放、流罪  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paññāyissati.  pra-jñā 受 知られる、認められる  
    訳文                
     『友等よ、じつに悪しき法が衆生のうちに現れている。なんとなれば、偸盗が知られ、呵責が知られ、妄語が知られ、鞭を取ることが知られ、追放が知られるというのだから。  
                       
                       
                       
    132-3.                
     Yaṃnūna mayaṃ pāpake akusale dhamme vāheyyāmā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      nūna    不変 たしかに →〜したらどうか  
      mayaṃ    代的 私たち  
      pāpake    a 悪い、邪悪な  
      akusale    a 不善の  
      dhamme  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vāheyyāmā’  vah 使 運ばせる、運ぶ  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     我々は、悪しき不善の諸法を取り去ってはどうだろうか』と。  
                       
                       
                       
    132-4.                
     Te pāpake akusale dhamme vāhesuṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      pāpake    a 悪い、邪悪な  
      akusale    a 不善の  
      dhamme  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vāhesuṃ.  vah 使 運ばせる、運ぶ  
    訳文                
     彼らは、悪しき不善の諸法を取り去りました。  
                       
                       
                       
    132-5.                
     Pāpake akusale dhamme vāhentīti kho, vāseṭṭha, ‘brāhmaṇā, brāhmaṇā’ tveva paṭhamaṃ akkharaṃ upanibbattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Pāpake    a 悪い、邪悪な  
      akusale    a 不善の  
      dhamme  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vāhentī  vah 使 運ばせる、運ぶ  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      ‘brāhmaṇā,  bṛh a 婆羅門、ブラーフマナ  
      brāhmaṇā’  bṛh a 婆羅門、ブラーフマナ  
      tv    不変 という(ti)、しかし(tu)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      paṭhamaṃ    a 最初の、第一の  
      akkharaṃ    名形 a 文字、不滅の  
      upanibbattaṃ.  upa-nir-vṛt 過分 a 生起した、発生した  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、悪しき不善の諸法を取り去る(ヴァーヘーンティ)故に、『婆羅門(ブラーフマナ)、婆羅門(ブラーフマナ)』という第一の文言が生じたのです。  
                       
                       
                       
    132-6.                
     Te araññāyatane paṇṇakuṭiyo karitvā paṇṇakuṭīsu jhāyanti vītaṅgārā vītadhūmā pannamusalā sāyaṃ sāyamāsāya pāto pātarāsāya gāmanigamarājadhāniyo osaranti ghāsamesamānā [ghāsamesanā (sī. syā. pī.)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      arañña    a 閑林、空閑  
      āyatane    a  
      paṇṇa    a 依(属)  
      kuṭiyo    ī 小屋、小舎  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karitvā  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      paṇṇa    a 依(属)  
      kuṭīsu    ī 小屋、小舎  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jhāyanti  dhyai 禅定する、静慮する  
      語根 品詞 語基 意味  
      vīta  vi-i 過分 a 有(持) 離れた  
      aṅgārā    a 男中 炭火  
      vīta  vi-i 過分 a 有(持) 離れた  
      dhūmā    a  
      panna  pat 過分 a 有(持) 落ちた、おろした  
      musalā    a 男中 杵、棍棒  
      sāyaṃ    a 副対 夕方に  
      sāyamāsāya    a 夕食  
      pāto    不変 早朝  
      pātarāsāya    a 朝食  
      gāma    a 村、村落  
      nigama    a  
      rāja    an 依(属)  
      dhāniyo    ī 容器 →王都  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      osaranti  ava-ṣṛ 撤退する、訪問する、外教に走る、入る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ghāsam  gras a 牧草、食餌  
      esamānā.  ā-iṣ 現分 a 求める  
    訳文                
     彼らは空閑処に葉庵をなし、葉庵において禅定をなし、〔調理のための〕炭火を離れ、煙を離れ、杵を下ろし、夕方には夕食のため、朝方には朝食のため、村、町、王都へ入り、食を求めました。  
                       
                       
                       
    132-7.                
     Te ghāsaṃ paṭilabhitvā punadeva araññāyatane paṇṇakuṭīsu jhāyanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te    代的 それら、彼ら  
      ghāsaṃ  gras a 牧草、食餌  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭilabhitvā  prati-labh 得る、受領する、獲得する  
      語根 品詞 語基 意味  
      puna    不変 さらに、ふたたび  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      araññāyatane paṇṇakuṭīsu jhāyanti. (132-6.)  
    訳文                
     彼らは食を得ると、ふたたび空閑処の葉庵において禅定をなしました。  
                       
                       
                       
    132-8.                
     Tamenaṃ manussā disvā evamāhaṃsu –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tam    代的 それ、彼  
      enaṃ    代的 それ、彼  
      manussā    a 人々  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      disvā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āhaṃsu –  ah いう  
    訳文                
     その者を人々は見て、このように言いました。  
                       
                       
                       
    132-9.                
     ‘ime kho, bho, sattā araññāyatane paṇṇakuṭiyo karitvā paṇṇakuṭīsu jhāyanti, vītaṅgārā vītadhūmā pannamusalā sāyaṃ sāyamāsāya pāto pātarāsāya gāmanigamarājadhāniyo osaranti ghāsamesamānā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ime    代的 これら  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      sattā    a 有情、衆生  
      araññāyatane paṇṇakuṭiyo karitvā paṇṇakuṭīsu jhāyanti, vītaṅgārā vītadhūmā pannamusalā sāyaṃ sāyamāsāya pāto pātarāsāya gāmanigamarājadhāniyo osaranti ghāsamesamānā. (132-6.)  
    訳文                
     『ああ、じつにこれらの有情たちは、空閑処に葉庵をなし、葉庵において禅定をなし、〔調理のための〕炭火を離れ、煙を離れ、杵を下ろし、夕方には夕食のため、朝方には朝食のため、村、町、王都へ入り、食を求めている。  
                       
                       
                       
    132-10.                
     Te ghāsaṃ paṭilabhitvā punadeva araññāyatane paṇṇakuṭīsu jhāyantī’ti, jhāyantīti kho [paṇṇakuṭīsu jhāyanti jhāyantīti kho (sī. pī.), paṇṇakuṭīsu jhāyantīti kho (ka.)], vāseṭṭha, ‘jhāyakā, jhāyakā’ tveva dutiyaṃ akkharaṃ upanibbattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Te ghāsaṃ paṭilabhitvā punadeva araññāyatane paṇṇakuṭīsu jhāyantī’ (132-7.)  
      ti,    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jhāyantī  dhyai 禅定する、静慮する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      ‘jhāyakā,  dhyai a 火を付ける者、禅思者?  
      jhāyakā’  dhyai a 火を付ける者、禅思者?  
      tv    不変 という(ti)、しかし(tu)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      dutiyaṃ    名形 a 男→中 第二の  
      akkharaṃ    名形 a 文字、不滅の  
      upanibbattaṃ.  upa-nir-vṛt 過分 a 生起した、発生した  
    訳文                
     彼らは食を得ると、ふたたび空閑処の葉庵において禅定をなす』と。ヴァーセッタよ、禅定をなす(ジャーヤンティー)故に、『禅思者(ジャーヤカ)、禅思者(ジャーヤカ)』という第二の文言が生じたのです。  
                       
                       
                       
    132-11.                
     Tesaṃyeva kho, vāseṭṭha, sattānaṃ ekacce sattā araññāyatane paṇṇakuṭīsu taṃ jhānaṃ anabhisambhuṇamānā [anabhisaṃbhūnamānā (katthaci)] gāmasāmantaṃ nigamasāmantaṃ osaritvā ganthe karontā acchanti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tesaṃ    代的 それら、彼ら  
      yeva    不変 まさに、のみ、じつに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      sattānaṃ    a 有情、衆生  
      ekacce    代的 一類の  
      sattā    a 有情、衆生  
      araññāyatane paṇṇakuṭīsu (132-6.)  
      taṃ    代的 それ  
      jhānaṃ  dhyai a 禅定、静慮  
      anabhisambhuṇamānā  abhi-saṃ-bhū 現分 a できない、可能でない  
      gāma    a 依(属) 村、村落  
      sāmantaṃ    a 周辺の、近隣の  
      nigama    a 依(属)  
      sāmantaṃ    a 周辺の、近隣の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      osaritvā  ava-ṣṛ 撤退する、訪問する、外教に走る、入る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ganthe    a 典籍、書籍  
      karontā  kṛ 現分 ant なす  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      acchanti.  ās 坐る、留まる、止住する  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、それらの有情たちのうち一部の有情たちは、空閑処の葉庵における、その禅定をなせず、村の近く、町の近くへ入って、典籍において〔学習を〕なすに留まりました。  
    メモ                
     ・諸訳は「書を作り」などとしているが、ここではあえて上記のように補訳した。この後に「学習者・読誦者」ajjhāyakāという語が出る故である。『アンバッタ経』にも、今の婆羅門は古聖の作った経典を読頌するばかりだという文言が出る。  
                       
                       
                       
    132-12.                
     Tamenaṃ manussā disvā evamāhaṃsu –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tamenaṃ manussā disvā evamāhaṃsu – (132-8.)  
    訳文                
     その者を人々は見て、このように言いました。  
                       
                       
                       
    132-13.                
     ‘ime kho, bho, sattā araññāyatane paṇṇakuṭīsu taṃ jhānaṃ anabhisambhuṇamānā gāmasāmantaṃ nigamasāmantaṃ osaritvā ganthe karontā acchanti, na dānime jhāyantī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ime    代的 これら  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      sattā araññāyatane paṇṇakuṭīsu taṃ jhānaṃ anabhisambhuṇamānā gāmasāmantaṃ nigamasāmantaṃ osaritvā ganthe karontā acchanti, (132-11.)  
      na    不変 ない  
      dāni    不変 いま、いまや  
      ime    代的 これら  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jhāyantī’  dhyai 禅定する、静慮する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『ああ、じつにこれらの有情たちは、空閑処の葉庵における、その禅定をなせず、村の近く、町の近くへ入って、典籍において〔学習を〕なすに留まっている。今やこれらの者たちは、禅定していない』と。  
                       
                       
                       
    132-14.                
     Na dānime [na dānime jhāyantī na dānime (sī. pī. ka.)] jhāyantīti kho, vāseṭṭha, ‘ajjhāyakā ajjhāyakā’ tveva tatiyaṃ akkharaṃ upanibbattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Na    不変 ない  
      dāni    不変 いま、いまや  
      ime    代的 これら  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      jhāyantī  dhyai 禅定する、静慮する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      ‘ajjhāyakā  a-dhyai a 学習者、読誦者  
      ajjhāyakā’  a-dhyai a 火を付けない者、不禅思者?  
      tv    不変 という(ti)、しかし(tu)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      tatiyaṃ    a 第三の  
      akkharaṃ    名形 a 文字、不滅の  
      upanibbattaṃ.  upa-nir-vṛt 過分 a 生起した、発生した  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、今やこれらの者たちは、禅定していない(アジャーヤンティー)故に、『学習者(アジャーヤカ)、学習者(アジャーヤカ)』という第三の文言が生じたのです。  
                       
                       
                       
    132-15.                
     Hīnasammataṃ kho pana, vāseṭṭha, tena samayena hoti, tadetarahi seṭṭhasammataṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Hīna  過分 a 依(属) 劣った  
      sammataṃ  saṃ-man 過分 a 考えられた、尊敬された、選ばれた  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana,    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      samayena    a 副具  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti,  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tad    代的 それ  
      etarahi    不変 いま、現在  
      seṭṭha    a 依(属) 最上の  
      sammataṃ.  saṃ-man 過分 a 考えられた、尊敬された、選ばれた  
    訳文                
     しかるにヴァーセッタよ、そのとき劣っていると考えられたもの、それが今では最上のものと思われているのです。  
                       
                       
                       
    132-16.                
     Iti kho, vāseṭṭha, evametassa brāhmaṇamaṇḍalassa porāṇena aggaññena akkharena abhinibbatti ahosi tesaṃyeva sattānaṃ, anaññesaṃ sadisānaṃyeva no asadisānaṃ dhammeneva, no adhammena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti kho, vāseṭṭha, evametassa brāhmaṇamaṇḍalassa porāṇena aggaññena akkharena abhinibbatti ahosi tesaṃyeva sattānaṃ, anaññesaṃ (131-4.)  
      brāhmaṇama bṛh a 依(属) 婆羅門、ブラーフマナ  
      sadisānaṃyeva no asadisānaṃ (131-5.)  
      dhammeneva, no adhammena. (131-6.)  
    訳文                
     かくヴァーセッタよ、このように、この婆羅門の集まりの、往古の、世界の起源の文言による生起は、他ならぬそれら有情のうちにあったのです。まったく等しい者たちのうちにであって、不平等な者たちのうちにではありません。法のみによったのであって、不法によったのではありません。  
                       
                       
                       
    132-17.                
     Dhammo hi, vāseṭṭha, seṭṭho janetasmiṃ diṭṭhe ceva dhamme abhisamparāyañca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhammo hi, vāseṭṭha, seṭṭho janetasmiṃ diṭṭhe ceva dhamme abhisamparāyañca. (131-7.)  
    訳文                
     なぜならヴァーセッタよ、現法においても、来世にも、法がこの人々のうちで最上のものだからです。  
                       
                       
                       
     Vessamaṇḍalaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Vessa    a 依(属) 毘舎、ヴァイシャ、庶民  
      maṇḍalaṃ   a 男(中) 曼陀羅、円、集  
    訳文                
     【庶民の集まり】  
                       
                       
                       
    133-1.                
     133. ‘‘Tesaṃyeva kho, vāseṭṭha, sattānaṃ ekacce sattā methunaṃ dhammaṃ samādāya visukammante [vissutakammante (sī. pī.), vissukammante (ka. sī.), visuṃ kammante (syā. ka.)] payojesuṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tesaṃyeva kho, vāseṭṭha, sattānaṃ ekacce sattā (132-11.)  
      methunaṃ    名形 a 婬、婬欲  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      samādāya  saṃ-ā-dā 取る、受ける、受持する  
      語根 品詞 語基 意味  
      visu    u 様々の  
      kammante  kṛ a 仕事  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      payojesuṃ.  pra-yuj 従事する、準備する  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、それらの有情たちのうち一部の有情たちは、婬法を受持し、様々の仕事に従事しました。  
                       
                       
                       
    133-2.                
     Methunaṃ dhammaṃ samādāya visukammante payojentīti kho, vāseṭṭha, ‘vessā, vessā’ tveva akkharaṃ upanibbattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Methunaṃ dhammaṃ samādāya visukammante (133-1.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      payojentī  pra-yuj 従事する、準備する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      ‘vessā,    a 毘舎、ヴァイシャ、庶民  
      vessā’    a 毘舎、ヴァイシャ、庶民  
      tv    不変 という(ti)、しかし(tu)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      akkharaṃ    名形 a 文字、不滅の  
      upanibbattaṃ.  upa-nir-vṛt 過分 a 生起した、発生した  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、婬法を受持し、様々の仕事(ヴィスカンマンタ)へ従事する故に、『庶民(ヴェッサ)、庶民(ヴェッサ)』という文言が生じたのです。  
                       
                       
                       
    133-3.                
     Iti kho, vāseṭṭha, evametassa vessamaṇḍalassa porāṇena aggaññena akkharena abhinibbatti ahosi tesaññeva sattānaṃ anaññesaṃ sadisānaṃyeva, no asadisānaṃ, dhammeneva no adhammena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti kho, vāseṭṭha, evametassa vessamaṇḍalassa porāṇena aggaññena akkharena abhinibbatti ahosi tesaññeva sattānaṃ anaññesaṃ (131-4.)  
      vessa    a 依(属) 毘舎、ヴァイシャ、庶民  
      sadisānaṃyeva, no asadisānaṃ, (131-5.)  
      dhammeneva no adhammena. (131-6.)  
    訳文                
     かくヴァーセッタよ、このように、この庶民の集まりの、往古の、世界の起源の文言による生起は、他ならぬそれら有情のうちにあったのです。まったく等しい者たちのうちにであって、不平等な者たちのうちにではありません。法のみによったのであって、不法によったのではありません。  
                       
                       
                       
    133-4.                
     Dhammo hi, vāseṭṭha, seṭṭho janetasmiṃ diṭṭhe ceva dhamme abhisamparāyañca.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhammo hi, vāseṭṭha, seṭṭho janetasmiṃ diṭṭhe ceva dhamme abhisamparāyañca. (131-7.)  
    訳文                
     なぜならヴァーセッタよ、現法においても、来世にも、法がこの人々のうちで最上のものだからです。  
                       
                       
                       
     Suddamaṇḍalaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Sudda    a 依(属) 首陀羅、シュードラ、奴隷  
      maṇḍalaṃ   a 男(中) 曼陀羅、円、集  
    訳文                
     【奴隷の集まり】  
                       
                       
                       
    134-1.                
     134. ‘‘Tesaññeva kho, vāseṭṭha, sattānaṃ ye te sattā avasesā te luddācārā khuddācārā ahesuṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tesaññeva kho, vāseṭṭha, sattānaṃ (132-11.)  
      ye    代的 (関係代名詞)  
      te    代的 それら、彼ら  
      sattā    a 有情、衆生  
      avasesā    名形 a 男中 残余、残りの  
      te    代的 それら、彼ら  
      ludda    名形 a 有(持) 恐ろしい、凶暴な  
      ācārā  ā-car a 行、正行  
      khudda    a 有(持) 小さい、劣った  
      ācārā  ā-car a 行、正行  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahesuṃ.  bhū ある、なる  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、それらの有情たちのうちおよそ残りの有情たち、彼らは凶暴な行い、卑小な行いをなすものたちとなりました。  
                       
                       
                       
    134-2.                
     Luddācārā khuddācārāti kho, vāseṭṭha, ‘suddā, suddā’ tveva akkharaṃ upanibbattaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ludda    名形 a 有(持) 恐ろしい、凶暴な  
      ācārā  ā-car a 行、正行  
      khudda    a 有(持) 小さい、劣った  
      ācārā  ā-car a 行、正行  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      ‘suddā,    a 首陀羅、シュードラ、奴隷  
      suddā’    a 首陀羅、シュードラ、奴隷  
      tv    不変 という(ti)、しかし(tu)  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      akkharaṃ    名形 a 文字、不滅の  
      upanibbattaṃ.  upa-nir-vṛt 過分 a 生起した、発生した  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、凶暴な(ルッダ)行い、卑小な(クッダ)行いをなすものたち故に、『奴隷(スッダ)、奴隷(スッダ)』という文言が生じたのです。  
                       
                       
                       
    134-3.                
     Iti kho, vāseṭṭha, evametassa suddamaṇḍalassa porāṇena aggaññena akkharena abhinibbatti ahosi tesaṃyeva sattānaṃ anaññesaṃ, sadisānaṃyeva no asadisānaṃ, dhammeneva, no adhammena.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Iti kho, vāseṭṭha, evametassa suddamaṇḍalassa porāṇena aggaññena akkharena abhinibbatti ahosi tesaṃyeva sattānaṃ anaññesaṃ, (131-4.)  
      sudda    a 依(属) 首陀羅、シュードラ、奴隷  
      sadisānaṃyeva no asadisānaṃ, (131-5.)  
      dhammeneva, no adhammena. (131-6.)  
    訳文                
     かくヴァーセッタよ、このように、この奴隷の集まりの、往古の、世界の起源の文言による生起は、他ならぬそれら有情のうちにあったのです。まったく等しい者たちのうちにであって、不平等な者たちのうちにではありません。法のみによったのであって、不法によったのではありません。  
                       
                       
                       
    134-4.                
     Dhammo hi, vāseṭṭha, seṭṭho janetasmiṃ diṭṭhe ceva dhamme abhisamparāyañca.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Dhammo hi, vāseṭṭha, seṭṭho janetasmiṃ diṭṭhe ceva dhamme abhisamparāyañca. (131-7.)  
    訳文                
     なぜならヴァーセッタよ、現法においても、来世にも、法がこの人々のうちで最上のものだからです。  
                       
                       
                       
    135-1.                
     135. ‘‘Ahu kho so, vāseṭṭha, samayo, yaṃ khattiyopi sakaṃ dhammaṃ garahamāno agārasmā anagāriyaṃ pabbajati –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Ahu  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so,    代的 それ、彼  
      vāseṭṭha,    a 人名、ヴァーセッタ  
      samayo,  saṃ-i a  
      yaṃ    代的 (関係代名詞)  
      khattiyo    a 士族  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      sakaṃ    a 男中 自分の  
      dhammaṃ  dhṛ a 男中  
      garahamāno  garh 現分 a 呵責する、叱責する  
      agārasmā    a 家、舎、家屋、俗家  
      anagāriyaṃ    a 非家の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pabbajati –  pra-vraj 出家する  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、士族が、自分の法を呵責し家から出家する、そのようなときがありました。  
                       
                       
                       
    135-2.                
     ‘samaṇo bhavissāmī’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘samaṇo  śram a 沙門  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhavissāmī’  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『私は沙門となろう』と。  
                       
                       
                       
    135-3.                
     Brāhmaṇopi kho, vāseṭṭha…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha    a 人名、ヴァーセッタ  
      …pe…    (略)  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、婆羅門が……(略)  
                       
                       
                       
    135-4.                
     vessopi kho, vāseṭṭha…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      vesso    a 庶民  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      vāseṭṭha    a 人名、ヴァーセッタ  
      …pe…    (略)  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、庶民が……(略)  
                       
                       
                       
    135-5.                
     suddopi kho, vāseṭṭha, sakaṃ dhammaṃ garahamāno agārasmā anagāriyaṃ pabbajati –   
      語根 品詞 語基 意味  
      suddo    a 奴隷  
      pi kho, vāseṭṭha, sakaṃ dhammaṃ garahamāno agārasmā anagāriyaṃ pabbajati – (135-1.)  
    訳文                
     ヴァーセッタよ、奴隷が、自分の法を呵責し家から出家する、そのようなときがありました。  
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