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     10. Pāyāsisuttaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pāyāsi    i 依(属) 人名、パーヤーシ  
      suttaṃ sīv a 経、糸  
    訳文                
     『パーヤーシ経』  
                       
                       
                       
    406-1.                
     406. Evaṃ me sutaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      me    代的  
      sutaṃ –  śru 名過分 a 聞かれた  
    訳文                
     私は、このように聞いた。  
                       
                       
                       
    406-2.                
     ekaṃ samayaṃ āyasmā kumārakassapo kosalesu cārikaṃ caramāno mahatā bhikkhusaṅghena saddhiṃ pañcamattehi bhikkhusatehi yena setabyā nāma kosalānaṃ nagaraṃ tadavasari.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ekaṃ    代的 一、とある  
      samayaṃ    a 副対  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapo    a 人名、カッサパ  
      kosalesu    a 地名、コーサラ国  
      cārikaṃ    名形 a 男中 旅行、遊行、徘徊  
      caramāno  car 現分 a 行ずる  
      mahatā    ant 大きな、偉大な  
      bhikkhu  bhikṣ u 依(属) 比丘、(特に男性の)出家者  
      saṅghena  saṃ-hṛ a 僧伽、(特に仏教の)教団  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      pañca     
      mattehi    a 量、だけ、のみ、程度  
      bhikkhu  bhikṣ u 比丘  
      satehi    男中  
      yena    代的 (関係代名詞)  
      setabyā    ā 地名、セータブヤー  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      kosalānaṃ    a 地名、コーサラ国  
      nagaraṃ    a 城、市、都市  
      tad    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avasari.  ava-sṛ 異郷へ移る、至る、入る  
    訳文                
     あるとき尊者クマーラ・カッサパは、比丘五百人ほどの大比丘僧伽とともにコーサラ国に遊行し、セータブヤーという名のコーサラ国の都市へ入った。  
    メモ                
     ・クマーラは「童子」の意だが、註によればこれは渾名であって、実際に子供というわけではないようである。  
                       
                       
                       
    406-3.                
     Tatra sudaṃ āyasmā kumārakassapo setabyāyaṃ viharati uttarena setabyaṃ siṃsapāvane [sīsapāvane (syā.)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tatra    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      sudaṃ    不変 じつに、まさに  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapo    a 人名、カッサパ  
      setabyāyaṃ    ā 地名、セータブヤー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      viharati  vi-hṛ 住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      uttarena    a 男中  
      setabyaṃ    ā 地名、セータブヤー  
      siṃsapā    ā 地名、シンサパー  
      vane.    a  
    訳文                
     じつにそのセータブヤーで、尊者クマーラ・カッサパは、セータブヤーの北、シンサパー林へ住した。  
                       
                       
                       
    406-4.                
     Tena kho pana samayena pāyāsi rājañño setabyaṃ ajjhāvasati sattussadaṃ satiṇakaṭṭhodakaṃ sadhaññaṃ rājabhoggaṃ raññā pasenadinā kosalena dinnaṃ rājadāyaṃ brahmadeyyaṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      pāyāsi    i 人名、パーヤーシ  
      rājañño    a 王族、高官  
      setabyaṃ    ā 地名、セータブヤー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhāvasati  adhi-ā-vas 住す、忍従する  
      語根 品詞 語基 意味  
      satta   a 有(属) 有情、衆生  
      ussadaṃ  ud-syad a 男→女 増盛、隆満  
      sa   不変 有(持) ある、伴う  
      tiṇa   a  
      kaṭṭha   a 薪、木  
      udakaṃ    a 中→女  
      sadhaññaṃ    a 穀物を有する  
      rāja    an 依(属)  
      bhoggaṃ  bhuj 未分 a 受容されるべき、財 →王領地  
      raññā    an  
      pasenadinā    i 人名、パセーナディ  
      kosalena    a 地名、コーサラ  
      dinnaṃ  過分 a 所施の  
      rāja    an 有(具)  
      dāyaṃ    a 男→女 施与  
      brahma  bṛh 依(属) 梵、梵天、尊貴、神聖  
      deyyaṃ. 名未分 a 中→女 与えられるべき →浄施物  
    訳文                
     じつにその時、パーヤーシ卿は、有情が栄え、草、薪木、水、穀物ある王領地、コーサラ王パセーナディ所施、王施与、浄施物たるセータブヤーに住していた。  
                       
                       
                       
    406-5.                
     Pāyāsirājaññavatthu  
      語根 品詞 語基 意味  
      Pāyāsi    i 人名、パーヤーシ  
      rājañña    a 依(属) 王族、高官  
      vatthu vas u 事、対象、理由、根拠  
    訳文                
     【パーヤーシ卿のこと】  
                       
                       
                       
    407-1.                
     407. Tena kho pana samayena pāyāsissa rājaññassa evarūpaṃ pāpakaṃ diṭṭhigataṃ uppannaṃ hoti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      pāyāsissa    i 人名、パーヤーシ  
      rājaññassa    a 王族、高官  
      evarūpaṃ    a 副対 かかる、かくのごとき  
      pāpakaṃ    a 悪い、邪悪の  
      diṭṭhi  dṛś i 見、見解、意見、謬見  
      gataṃ  gam 過分 a いった →悪見、成見  
      uppannaṃ  ud-pad 過分 a 生起した、発生した  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti –  bhū ある、存在する  
    訳文                
     さてそのとき、パーヤーシ卿に、かくのごとき悪しき見解が起こっていた。  
    メモ                
     ・『ローヒッチャ経』冒頭に同じ表現。  
                       
                       
                       
    407-2.                
     ‘‘itipi natthi paro loko, natthi sattā opapātikā, natthi sukatadukkaṭānaṃ [sukaṭakkaṭānaṃ (sī. pī.)] kammānaṃ phalaṃ vipāko’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      na    不変 ない  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      atthi  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      paro    代的  
      loko,    a 世界、世間  
      na    不変 ない  
      atthi  同上  
      sattā    a 衆生、有情  
      opapātikā,    a 化生の  
      na    不変 ない  
      atthi  同上  
      sukata  su-kṛ a 善行、善行の  
      dukkaṭānaṃ  du-kṛ a 悪行、悪行の、悪作、突吉羅  
      kammānaṃ  kṛ a 業、行為  
      phalaṃ  phal a 果、結果  
      vipāko’’  vi-pac a 異熟、果報  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「あの世は存在しない。化生の有情は存在しない。善悪業の果たる異熟は存在しない」と。  
    メモ                
     ・『沙門果経』のアジタ説の一部にパラレル。  
     ・itipiは虚辞として訳した。  
                       
                       
                       
    407-3.                
     Assosuṃ kho setabyakā brāhmaṇagahapatikā –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Assosuṃ  śru 聞く  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      setabyakā    a セータブヤーの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikā –    a 居士の、居士  
    訳文                
     じつに、セータブヤーの婆羅門や居士たちは聞いた。  
                       
                       
                       
    407-4.                
     ‘‘samaṇo khalu bho kumārakassapo samaṇassa gotamassa sāvako kosalesu cārikaṃ caramāno mahatā bhikkhusaṅghena saddhiṃ pañcamattehi bhikkhusatehi setabyaṃ anuppatto setabyāyaṃ viharati uttarena setabyaṃ siṃsapāvane.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘samaṇo  śram a 沙門  
      khalu    不変 じつに  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapo    a 人名、カッサパ  
      samaṇassa  śram a 沙門  
      gotamassa    a 人名、ゴータマ  
      sāvako  śru a 弟子、声聞  
      kosalesu cārikaṃ caramāno mahatā bhikkhusaṅghena saddhiṃ pañcamattehi bhikkhusatehi (406-2.)  
      setabyaṃ    ā 地名、セータブヤー  
      anuppatto  anu-pra-āp 過分 a 到着した  
      setabyāyaṃ viharati uttarena setabyaṃ siṃsapāvane. (406-3.)  
    訳文                
     「友等よ、じつに沙門ゴータマの弟子である沙門クマーラ・カッサパが、比丘五百人ほどの大比丘僧伽とともにコーサラ国に遊行し、セータブヤーへ到着して、セータブヤーの北、シンサパー林へ住している。  
                       
                       
                       
    407-5.                
     Taṃ kho pana bhavantaṃ kumārakassapaṃ evaṃ kalyāṇo kittisaddo abbhuggato –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ、彼  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      bhavantaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapaṃ    a 人名、カッサパ  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      kalyāṇo    a 善い  
      kitti    i, ī 依(属) 称讃、名声  
      saddo    a 音、声、語  
      abbhuggato –  abhi-ud-gam 過分 a あがる、昇る  
    訳文                
     しかるに、その尊者クマーラ・カッサパへ、かくの如き善き称讃の声があがっている。  
                       
                       
                       
    407-6.                
     ‘paṇḍito byatto medhāvī bahussuto cittakathī kalyāṇapaṭibhāno vuddho [buddho (syā. ka.)] ceva arahā ca.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘paṇḍito    a 賢い、博学の、賢者、知者  
      byatto  vi-añj 過分 a 聡明の、有能の  
      medhāvī    in 智慧ある  
      bahu    u 有(持) 多く  
      suto  śru 名過分 a 聞かれた →多聞  
      citta  ci 名形 a 種々の、雑種の、彩色  
      kathī    名形 in 説者 →巧説者  
      kalyāṇa    a 有(持) 善い、善良の、善巧なる  
      paṭibhāno  prati-bhaṇ a 中→男 弁才  
      vuddho  vṛdh 過分 a 年長の、増上の  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      arahā  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      ca.    不変 と、また、そして、しかし  
    訳文                
     『賢者なり、聡明なり、有智なり、多聞なり、巧説者なり、善弁者なり、老練なり、そしてまた、じつに阿羅漢なり。  
    メモ                
     ・これらの称讃のいくらかは、『クータダンタ経』でマハーヴィジタ王に対してなされている。  
                       
                       
                       
    407-7.                
     Sādhu kho pana tathārūpānaṃ arahataṃ dassanaṃ hotī’’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Sādhu    不変 よきかな  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      tathārūpānaṃ    a 男中 かくの如きの  
      arahataṃ  arh 名現分 ant 阿羅漢、応供  
      dassanaṃ  dṛś a 見、見ること  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hotī’’’  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     じつによきかな、かくのごとき阿羅漢たちにまみえることは』と」。  
                       
                       
                       
    407-8.                
     Atha kho setabyakā brāhmaṇagahapatikā setabyāya nikkhamitvā saṅghasaṅghī gaṇībhūtā uttarenamukhā gacchanti yena siṃsapāvanaṃ [yena siṃsapāvanaṃ, tenupasaṅkamanti (sī. pī.)].  
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      setabyakā    a セータブヤーの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikā    a 居士の、居士  
      setabyāya    ā 地名、セータブヤー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nikkhamitvā  nis-kram 出る、出離する、出家する  
      語根 品詞 語基 意味  
      saṅghasaṅghī  saṃ-hṛ in 群衆  
      gaṇī    in 依(対) 衆ある  
      bhūtā  bhū 過分 a なった  
      uttarena    a 男中 副具  
      mukhā    a 中→男 口、顔、前面  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gacchanti  gam 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      siṃsapā    ā 地名、シンサパー  
      vanaṃ.   a  
    訳文                
     そこでセータブヤーの婆羅門や居士たちはセータブヤーより出て、群をなして北に向かい、シンパサー林へおもむいた。  
    メモ                
     ・『パーリ』はuttarenamukhāを「北口から」としている。おそらく奪格と見たものであろう。しかしこの後の繰り返し箇所では対格でuttarenamukheという形になっているから、これは単数奪格でなく男性複数主格とみなくてはならない。そこでここでは、mukhaが一語で有財釈化したと見たが、あるいはuttarenaが不変化辞化し、それがmukhaに有財釈で複合しているのかもしれない(VRI版の表記はそのようである)。  
                       
                       
                       
    408-1.                
     408. Tena kho pana samayena pāyāsi rājañño uparipāsāde divāseyyaṃ upagato hoti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      samayena    a 副具  
      pāyāsi    i 人名、パーヤーシ  
      rājañño    a 王族、高官  
      upari   不定 上の  
      pāsāde  pra-ā-sad a 高殿、楼閣  
      divā   不定 日中  
      seyyaṃ  śī ā 臥床、寝床、寝具、臥法、横臥 →昼寝  
      upagato  upa-gam 過分 a 近づく、着手する  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti.  bhū ある、存在する  
    訳文                
     じつにその時、パーヤーシ卿は、高殿で昼寝をしようとしていたところだった。  
    メモ                
     ・ここからの一連の会話は『クータダンタ経』にパラレル。  
                       
                       
                       
    408-2.                
     Addasā kho pāyāsi rājañño setabyake brāhmaṇagahapatike setabyāya nikkhamitvā saṅghasaṅghī gaṇībhūte uttarenamukhe gacchante yena siṃsapāvanaṃ [yena siṃsapāvanaṃ, tenupasaṅkamante (sī. pī.)], disvā khattaṃ āmantesi –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Addasā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pāyāsi    i 人名、パーヤーシ  
      rājañño    a 王族、高官  
      setabyake    a セータブヤーの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatike    a 居士の、居士  
      setabyāya    ā 地名、セータブヤー  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nikkhamitvā  nis-kram 出る、出離する、出家する  
      語根 品詞 語基 意味  
      saṅghasaṅghī  saṃ-hṛ in 群衆  
      gaṇī    in 衆ある  
      bhūte  bhū 過分 a なった  
      uttarena    a 男中 副具  
      mukhe    a 中→男 口、顔、前面  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gacchante  gam 行く  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      siṃsapā    ā 地名、シンサパー  
      vanaṃ,    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      disvā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      khattaṃ    ar 太守、大臣  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する  
    訳文                
     パーヤーシ卿は、セータブヤーの婆羅門や居士たちがセータブヤーより出て、群をなして北に向かい、シンパサー林へおもむくのを見た。見て、側近へ語りかけた。  
                       
                       
                       
    408-3.                
     ‘‘kiṃ nu kho, bho khatte, setabyakā brāhmaṇagahapatikā setabyāya nikkhamitvā saṅghasaṅghī gaṇībhūtā uttarenamukhā gacchanti yena siṃsapāvana’’nti [ettha pana sabbatthapi evameva dissati, natthi pāṭhantaraṃ]?  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘kiṃ    代的  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      khatte,    ar 太守、大臣  
      setabyakā brāhmaṇagahapatikā setabyāya nikkhamitvā saṅghasaṅghī gaṇībhūtā uttarenamukhā gacchanti yena siṃsapāvana’’n (407-8.)  
      ti?   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     「きみ、側近よ、いったいなぜ、セータブヤーの婆羅門や居士たちは,セータブヤーより出て、群をなして北に向かい、シンパサー林へおもむているのか」と。  
                       
                       
                       
    408-4.                
     ‘‘Atthi kho, bho, samaṇo kumārakassapo, samaṇassa gotamassa sāvako kosalesu cārikaṃ caramāno mahatā bhikkhusaṅghena saddhiṃ pañcamattehi bhikkhusatehi setabyaṃ anuppatto setabyāyaṃ viharati uttarena setabyaṃ siṃsapāvane.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘‘Atthi  as ある  
      語根 品詞 語基 意味  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      bho, samaṇo kumārakassapo, samaṇassa gotamassa sāvako kosalesu cārikaṃ caramāno mahatā bhikkhusaṅghena saddhiṃ pañcamattehi bhikkhusatehi setabyaṃ anuppatto setabyāyaṃ viharati uttarena setabyaṃ siṃsapāvane. (407-4.)  
    訳文                
     「尊き方よ、じつに沙門ゴータマの弟子である沙門クマーラ・カッサパが、比丘五百人ほどの大比丘僧伽とともにコーサラ国に遊行し、セータブヤーへ到着して、セータブヤーの北、シンサパー林へ住しているのです。  
                       
                       
                       
    408-5.                
     Taṃ kho pana bhavantaṃ kumārakassapaṃ evaṃ kalyāṇo kittisaddo abbhuggato –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ kho pana bhavantaṃ kumārakassapaṃ evaṃ kalyāṇo kittisaddo abbhuggato – (407-5.)  
    訳文                
     しかるに、その尊者クマーラ・カッサパへ、かくの如き善き称讃の声があがっています。  
                       
                       
                       
    408-6.                
     ‘paṇḍito byatto medhāvī bahussuto cittakathī kalyāṇapaṭibhāno vuddho ceva arahā cā’ti [arahā ca (syā. ka.)].   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘paṇḍito byatto medhāvī bahussuto cittakathī kalyāṇapaṭibhāno vuddho ceva arahā cā’ (407-6.)  
    訳文                
     『賢者なり、聡明なり、有智なり、多聞なり、巧説者なり、善弁者なり、老練なり、そしてまた、じつに阿羅漢なり』と。  
                       
                       
                       
    408-7.                
     Tamete [tamenaṃ te (sī. ka.), tamenaṃ (pī.)] bhavantaṃ kumārakassapaṃ dassanāya upasaṅkamantī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tam    代的 それ、彼  
      ete    代的 これら  
      bhavantaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapaṃ    a 人名、カッサパ  
      dassanāya  dṛś a 見、見ること  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamantī’’  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     彼らは、その尊者クマーラ・カッサパにまみえるべく、おもむいているのです」。  
                       
                       
                       
    408-8.                
     ‘‘Tena hi, bho khatte, yena setabyakā brāhmaṇagahapatikā tenupasaṅkama;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      hi,    不変 じつに、なぜなら  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      khatte,    ar 太守、大臣  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      setabyakā    a セータブヤーの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikā    a 居士の、居士  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkama;  upa-saṃ-kram 近づく  
    訳文                
     「それでは、きみ、側近よ、セータブヤーの婆羅門や居士たちの所へ近づなさい。  
                       
                       
                       
    408-9.                
     upasaṅkamitvā setabyake brāhmaṇagahapatike evaṃ vadehi –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      setabyake    a セータブヤーの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatike    a 居士の、居士  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadehi –  vad いう  
    訳文                
     近づいて、セータブヤーの婆羅門や居士たちへ、このようにいいなさい。  
                       
                       
                       
    408-10.                
     ‘pāyāsi, bho, rājañño evamāha –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘pāyāsi,    i 人名、パーヤーシ  
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      rājañño    a 王族、高官  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āha –  ah いう  
    訳文                
     『尊者がたよ、パーヤーシ卿が、このように申しております。  
                       
                       
                       
    408-11.                
     āgamentu kira bhavanto, pāyāsipi rājañño samaṇaṃ kumārakassapaṃ dassanāya upasaṅkamissatī’ti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āgamentu  ā-gam 使 待つ  
      語根 品詞 語基 意味  
      kira    不変 伝え言う、〜という話だ  
      bhavanto,  bhū ant 尊師、尊者  
      pāyāsi    i 人名、パーヤーシ  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      rājañño    a 王族、高官  
      samaṇaṃ  śram a 沙門  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapaṃ    a 人名、カッサパ  
      dassanāya  dṛś a 見、見ること  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamissatī’  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     お待ちください、尊者がたよ、パーヤーシ卿も、沙門クマーラ・カッサパへまみえるべく、おもむこうと思うとのことです』と。  
                       
                       
                       
    408-12.                
     Purā samaṇo kumārakassapo setabyake brāhmaṇagahapatike bāle abyatte saññāpeti –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Purā    不変 前に  
      samaṇo  śram a 沙門  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapo    a 人名、カッサパ  
      setabyake    a セータブヤーの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatike    a 居士の、居士  
      bāle    a 愚かな、無知の  
      abyatte  a-vi-añj a 不聡明の、無能の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      saññāpeti –  saṃ-jñā 使 知らせる、教える  
    訳文                
     沙門クマーラ・カッサパが、無知蒙昧なセータブヤーの婆羅門や居士たちに、  
    メモ                
     ・訳を一部次文へまわした。  
                       
                       
                       
    408-13.                
     ‘itipi atthi paro loko, atthi sattā opapātikā, atthi sukatadukkaṭānaṃ kammānaṃ phalaṃ vipāko’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘itipi atthi paro loko, atthi sattā opapātikā, atthi sukatadukkaṭānaṃ kammānaṃ phalaṃ vipāko’ti. (407-2.)  
    訳文                
     『あの世は存在する。化生の有情は存在する。善悪業の果たる異熟は存在する』と宣説する前に〔伝えて欲しい〕。  
    メモ                
     ・naがないほかは同文。  
                       
                       
                       
    408-14.                
     Natthi hi, bho khatte, paro loko, natthi sattā opapātikā, natthi sukatadukkaṭānaṃ kammānaṃ phalaṃ vipāko’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Natthi hi, bho khatte, paro loko, natthi sattā opapātikā, natthi sukatadukkaṭānaṃ kammānaṃ phalaṃ vipāko’’ti. (407-2.)  
      hi,    不変 じつに、なぜなら  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      khatte,    ar 太守、大臣  
    訳文                
     きみ、側近よ、なぜなら、あの世は存在せず、化生の有情は存在存在せず、善悪業の果たる異熟は存在しないのだから」。  
                       
                       
                       
    408-15.                
     ‘‘Evaṃ bho’’ti kho so khattā pāyāsissa rājaññassa paṭissutvā yena setabyakā brāhmaṇagahapatikā tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      bho’’  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      so    代的 それ、彼  
      khattā    ar 太守、大臣  
      pāyāsissa    i 与  人名、パーヤーシ  
      rājaññassa    a 与  王族、高官  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṭissutvā  prati-śru 同意する、応諾する、答える  
      語根 品詞 語基 意味  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      setabyakā    a セータブヤーの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikā    a 居士の、居士  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     「尊き方よ、そのように」と、その側近はパーヤーシ卿へ応えて、セータブヤーの婆羅門や居士たちへ近づいた。  
                       
                       
                       
    408-16.                
     upasaṅkamitvā setabyake brāhmaṇagahapatike etadavoca –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      setabyake    a セータブヤーの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatike    a 居士の、居士  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     近づいて、セータブヤーの婆羅門や居士たちへ、こういった。  
                       
                       
                       
    408-17.                
     ‘‘pāyāsi, bho, rājañño evamāha, āgamentu kira bhavanto, pāyāsipi rājañño samaṇaṃ kumārakassapaṃ dassanāya upasaṅkamissatī’’ti.  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘pāyāsi,    i 人名、パーヤーシ  
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      rājañño    a 王族、高官  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āha,  ah いう  
      āgamentu kira bhavanto, pāyāsipi rājañño samaṇaṃ kumārakassapaṃ dassanāya upasaṅkamissatī’’ti. (408-11.)  
    訳文                
     「尊者がたよ、パーヤーシ卿がこのように申しております。『お待ちください、尊者がたよ、パーヤーシ卿も、沙門クマーラ・カッサパへまみえるべく、おもむこうと思う』とのことです」。  
                       
                       
                       
    409-1.                
     409. Atha kho pāyāsi rājañño setabyakehi brāhmaṇagahapatikehi parivuto yena siṃsapāvanaṃ yenāyasmā kumārakassapo tenupasaṅkami;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pāyāsi    i 人名、パーヤーシ  
      rājañño    a 王族、高官  
      setabyakehi    a セータブヤーの  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikehi    a 居士の、居士  
      parivuto  pari-vṛ 過分 a 囲まれた、従えた  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      siṃsapā    ā 地名、シンサパー  
      vanaṃ    a  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapo    a 人名、カッサパ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた  
    訳文                
     そこで、パーヤーシ卿は、セータブヤーの婆羅門や居士たちを従えて、シンサパー林の尊者クマーラ・カッサパの元へおもむいた。  
                       
                       
                       
    409-2.                
     upasaṅkamitvā āyasmatā kumārakassapena saddhiṃ sammodi, sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      āyasmatā    ant 尊者、具寿  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapena    a 人名、カッサパ  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodi,  saṃ-mud 喜ぶ、相喜ぶ、挨拶する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい  
      kathaṃ    ā 話、説、論  
      sāraṇīyaṃ  smṛ 未分 a 憶念すべき、記憶すべき  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vītisāretvā  vi-ati- 使 交わす、交換する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdi.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     近づいて、尊者クマーラ・カッサパとともに挨拶し、喜ばしく記憶すべき言葉を交わしてから、一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    409-3.                
     Setabyakāpi kho brāhmaṇagahapatikā appekacce āyasmantaṃ kumārakassapaṃ abhivādetvā ekamantaṃ nisīdiṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      Setabyakā    a セータブヤーの  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      brāhmaṇa  bṛh a 婆羅門  
      gahapatikā    a 居士の、居士  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce    代的 一部の、一類の  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapaṃ    a 人名、カッサパ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivādetvā  abhi-vad 使 敬礼する、礼拝する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu;  ni-sad 坐る  
    訳文                
     またセータブヤーの婆羅門や居士たちも、あるものたちは尊者クマーラ・カッサパへ礼拝して一方に坐った。  
                       
                       
                       
    409-4.                
     appekacce āyasmatā kumārakassapena saddhiṃ sammodiṃsu;   
      語根 品詞 語基 意味  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce    代的 一部の、一類の  
      āyasmatā    ant 尊者、具寿  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapena    a 人名、カッサパ  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sammodiṃsu;  saṃ-mud 喜ぶ、相喜ぶ、挨拶する  
    訳文                
     またあるものたちは尊者クマーラ・カッサパと共に挨拶し、  
                       
                       
                       
    409-5.                
     sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdiṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ (409-2.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     喜ばしく記憶すべき言葉を交わしてから一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    409-6.                
     Appekacce yenāyasmā kumārakassapo tenañjaliṃ paṇāmetvā ekamantaṃ nisīdiṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce    代的 一部の、一類の  
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)  
      āyasmā    ant 尊者、具寿  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapo    a 人名、カッサパ  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      añjaliṃ    i 合掌  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paṇāmetvā  pra-nam 向ける、さし出す、閉じる、放逐する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     あるものたちは尊者クマーラ・カッサパのもとへ合掌を向けて一方に坐った。  
                       
                       
                       
    409-7.                
     Appekacce nāmagottaṃ sāvetvā ekamantaṃ nisīdiṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      api    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce    代的 一部の、一類の  
      nāma    an  
      gottaṃ    a 氏、氏姓、種姓、家系  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sāvetvā  śru 使 聞かせる、告げる、述べる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu.  ni-sad 坐る  
    訳文                
     あるものたちは姓名を告げて一方へ坐った。  
                       
                       
                       
    409-8.                
     Appekacce tuṇhībhūtā ekamantaṃ nisīdiṃsu.   
      語根 品詞 語基 意味  
      api   不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      ekacce    代的 一部の、一類の  
      tuṇhī    不変 沈黙して、黙って  
      bhūtā  bhū 過分 a あった  
      ekamantaṃ    不変 一方に  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      nisīdiṃsu. ni-sad 坐る  
    訳文                
      あるものたちは黙って一方へ坐った。  
                       
                       
                       
     Natthikavādo  
      語根 品詞 語基 意味  
      Natthika  na-as a 依(属) 無の(na-atthi-ka  
      vādo vad a 説、語、論  
    訳文                
     【虚無論】  
                       
                       
                       
    410-1.                
     410. Ekamantaṃ nisinno kho pāyāsi rājañño āyasmantaṃ kumārakassapaṃ etadavoca –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ekamantaṃ    不変 一方に  
      nisinno  ni-sad 過分 a 坐った  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pāyāsi    i 人名、パーヤーシ  
      rājañño    a 王族、高官  
      āyasmantaṃ    ant 尊者、具寿  
      kumāra    a 人名、クマーラ  
      kassapaṃ    a 人名、カッサパ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      avoca –  vac いう  
    訳文                
     一方へ坐ったパーヤーシ卿は、尊者クマーラ・カッサパへこういった。  
                       
                       
                       
    410-2.                
     ‘‘ahañhi, bho kassapa, evaṃvādī evaṃdiṭṭhī –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘ahañ    代的  
      hi,    不変 じつに、なぜなら  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      kassapa,    a 人名、カッサパ  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vādī  vad in 論者  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      diṭṭhī –  dṛś in 見ある  
    訳文                
     「尊者カッサパよ、じつに私は、かくのごとき主張、かくのごとき見解ある者です。  
                       
                       
                       
    410-3.                
     ‘itipi natthi paro loko, natthi sattā opapātikā, natthi sukatadukkaṭānaṃ kammānaṃ phalaṃ vipāko’’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘itipi natthi paro loko, natthi sattā opapātikā, natthi sukatadukkaṭānaṃ kammānaṃ phalaṃ vipāko’’’ti. (407-2.)  
    訳文                
     『あの世は存在しない。化生の有情は存在しない。善悪業の果たる異熟は存在しない』と」。  
                       
                       
                       
    410-4.                
     ‘‘Nāhaṃ, rājañña, evaṃvādiṃ evaṃdiṭṭhiṃ addasaṃ vā assosiṃ vā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Na    不変 ない  
      ahaṃ,    代的  
      rājañña,    a 王族、高官  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      vādiṃ  vad in 論者  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      diṭṭhiṃ  dṛś in 見ある  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      addasaṃ  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
          不変 あるいは  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      assosiṃ  śru 聞く  
      語根 品詞 語基 意味  
      vā.    不変 あるいは  
    訳文                
     「閣下、わたしはそのような主張、そのような見解ある者を、見たことも、あるいは聞いたこともありません。  
    メモ                
     ・rājaññaをこれまで「卿」としてきたが、呼格の時は「閣下」としておく。  
     ・クマーラ・カッサパが、順世派の存在を知らなかったということがあるだろうか。  
                       
                       
                       
    410-5.                
     Kathañhi nāma evaṃ vadeyya –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Kathañ    不変 いかに、なぜ  
      hi    不変 じつに、なぜなら  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      evaṃ    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      vadeyya –  vad いう  
    訳文                
     じつになにゆえ、あなたはこのように仰るのでしょうか。  
                       
                       
                       
    410-6.                
     ‘itipi natthi paro loko, natthi sattā opapātikā, natthi sukatadukkaṭānaṃ kammānaṃ phalaṃ vipāko’ti?  
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘itipi natthi paro loko, natthi sattā opapātikā, natthi sukatadukkaṭānaṃ kammānaṃ phalaṃ vipāko’ti? (407-2.)  
    訳文                
     『あの世は存在しない。化生の有情は存在しない。善悪業の果たる異熟は存在しない』と。  
                       
                       
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