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     Govindabrāhmaṇavatthu    
      語根 品詞 語基 意味    
      Govinda    a 人名、ゴーヴィンダ    
      brāhmaṇa  bṛh a 依(属) 婆羅門    
      vatthu vas u 事、対象、理由、根拠    
    訳文                  
     【ゴーヴィンダ婆羅門のこと】    
                         
                         
                         
    304-1.                  
     304. ‘‘Taṃ kiṃ maññanti, bhonto devā tāvatiṃsā, yāva dīgharattaṃ mahāpaññova so bhagavā ahosi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Taṃ    代的 それ    
      kiṃ    不変 何、どう    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      maññanti,  man 考える    
      語根 品詞 語基 意味    
      bhonto  bhū 名現分 ant 尊者らよ、君らよ、友らよ、ああ、おお    
      devā    a 天、神    
      tāvatiṃsā,    a 三十三〔天〕の    
      yāva    不変 〜だけ、〜まで、〜の限り    
      dīgha    a 長い    
      rattaṃ    a 副対 夜 →長夜に、長時に    
      mahā    ant 有(持) 大きい    
      pañño  pra-jñā ā 女→男 慧ある、賢い、智慧者    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      so    代的 それ、彼    
      bhagavā    ant 世尊    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ahosi.  bhū ある、なる    
    訳文                  
     『友等よ、三十三天の神々は、これをどう考えますか。かの世尊が、どれほど長い間、大智慧者であったかを。    
                         
                         
                         
    304-2.                  
     Bhūtapubbaṃ, bho, rājā disampati nāma ahosi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Bhūta  bhū 過分 a 存在した、真実、生類、鬼神、漏尽者    
      pubbaṃ,    代的 副対 先の、過去の、昔の →往昔    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      rājā    an    
      disampati    i 人名、ディサンパティ    
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ahosi.  bhū ある、なる    
    訳文                  
     友等よ、かつて、ディサンパティという王がおりました。    
                         
                         
                         
    304-3.                  
     Disampatissa rañño govindo nāma brāhmaṇo purohito ahosi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Disampatissa    i 人名、ディサンパティ    
      rañño    an    
      govindo    a 人名、ゴーヴィンダ    
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに    
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門    
      purohito    a 輔相、帝師、司祭    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ahosi.  bhū ある、なる    
    訳文                  
     ディサンパティ王には、ゴーヴィンダという輔弼の婆羅門がおりました。    
                         
                         
                         
    304-4.                  
     Disampatissa rañño reṇu nāma kumāro putto ahosi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Disampatissa    i 人名、ディサンパティ    
      rañño    an    
      reṇu    u 人名、レーヌ    
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに    
      kumāro    a 童子    
      putto    a 息子    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ahosi.  bhū ある、なる    
    訳文                  
     ディサンパティ王には、レーヌ童子という息子がおりました。    
                         
                         
                         
    304-5.                  
     Govindassa brāhmaṇassa jotipālo nāma māṇavo putto ahosi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Govindassa    a 人名、ゴーヴィンダ    
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門    
      jotipālo    a 人名、ジョーティパーラ    
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに    
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門    
      putto    a 息子    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ahosi.  bhū ある、なる    
    訳文                  
     ゴーヴィンダ婆羅門には、ジョーティパーラ青年という息子がおりました。    
                         
                         
                         
    304-6.                  
     Iti reṇu ca rājaputto jotipālo ca māṇavo aññe ca cha khattiyā iccete aṭṭha sahāyā ahesuṃ.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
      reṇu    u 人名、レーヌ    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      rāja    an 依(属)    
      putto    a 息子    
      jotipālo    a 人名、ジョーティパーラ    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門    
      aññe    代的 他の、異なる    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      cha       
      khattiyā    a 士族、クシャトリヤ    
      iti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
      ete    代的 これ    
      aṭṭha       
      sahāyā  saha-i a 朋友、仲間、僚友    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ahesuṃ.  bhū ある、なる    
    訳文                  
     このような、レーヌ王子とジョーティパーラ青年、また別の六人の士族たち、かかる八人が友人でありました。    
                         
                         
                         
    304-7.                  
     Atha kho, bho, ahorattānaṃ accayena govindo brāhmaṇo kālamakāsi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Atha    不変 ときに、また、そこに    
      kho,    不変 じつに、たしかに    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      aho    o 日、昼    
      rattānaṃ    a    
      accayena  ati-i a 副具 過ぎて    
      govindo    a 人名、ゴーヴィンダ    
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      kālamakāsi.  kṛ 死ぬ    
    訳文                  
     ときに友等よ、幾昼夜が過ぎて、ゴーヴィンダ婆羅門が命終しました。    
                         
                         
                         
    304-8.                  
     Govinde brāhmaṇe kālaṅkate rājā disampati paridevesi –     
      語根 品詞 語基 意味    
      Govinde    a 処絶 人名、ゴーヴィンダ    
      brāhmaṇe  bṛh a 処絶 婆羅門    
      kālaṅkate  kṛ 過分 a 処絶 死んだ    
      rājā    an    
      disampati    i 人名、ディサンパティ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      paridevesi –  pari-div 泣く、悲泣する    
    訳文                  
     ゴーヴィンダ婆羅門が命終したとき、ディサンパティ王は悲泣しました。    
                         
                         
                         
    304-9.                  
     ‘‘yasmiṃ vata, bho, mayaṃ samaye govinde brāhmaṇe sabbakiccāni sammā vossajjitvā pañcahi kāmaguṇehi samappitā samaṅgībhūtā paricārema, tasmiṃ no samaye govindo brāhmaṇo kālaṅkato’’ti.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘yasmiṃ    代的 (関係代名詞)    
      vata,    不変 じつに    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      mayaṃ    代的 私たち    
      samaye  saṃ-i a    
      govinde    a 人名、ゴーヴィンダ    
      brāhmaṇe  bṛh a 婆羅門    
      sabba    名形 代的 すべて    
      kiccāni  kṛ 名未分 a なされるべき、所作、仕事    
      sammā    不変 正しい、正しく    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      vossajjitvā  ava-sṛj 捨てる、辞退する    
      語根 品詞 語基 意味    
      pañcahi       
      kāma   a 男中 依(属) 欲、愛欲、欲念、欲情、欲楽    
      guṇehi    a 徳/種類 →五妙欲、五種欲    
      samappitā  saṃ-ṛ 使 過分 a 引き渡された、与えられた、具備した、所有する    
      samaṅgī   in 具足した    
      bhūtā  bhū 過分 a 真実、存在、生物、鬼神、漏尽者    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      paricārema,  pari-car 使 奉仕させる、楽しむ、ふける    
      語根 品詞 語基 意味    
      tasmiṃ    代的 それ、彼    
      no    代的 私たち    
      samaye  saṃ-i a    
      govindo    a 人名、ゴーヴィンダ    
      brāhmaṇo  bṛh a 婆羅門    
      kālaṅkato’’  kṛ 過分 a 死んだ    
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     ああ、じつに我々が、ゴーヴィンダ婆羅門にすべての仕事を委任して、五妙欲を具備し、具足したものたちとして楽しもうというそのようなときに、我らがゴーヴィンダ婆羅門は命終してしまったと。    
    メモ                  
     ・sammā vossajjitvāを「委任して」と意訳した。諸訳も概ね同じニュアンスである。    
     ・ここでは『パーリ』と同じに、paricāremaを近未来の確定事項をあらわす現在形として取ったが、『南伝』、『原始』は「耽り居たる其の時」(『南伝』)などと訳している。任せっきりにして申し訳なかった、というニュアンスであろうか。こちらが正しい可能性も十分ありうる。    
                         
                         
                         
    304-10.                  
     Evaṃ vutte bho reṇu rājaputto rājānaṃ disampatiṃ etadavoca –     
      語根 品詞 語基 意味    
      Evaṃ    不変 このように、かくの如き    
      vutte  vac 受 過分 a 男中 いわれた    
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      reṇu    u 人名、レーヌ    
      rāja    an 依(属)    
      putto    a 息子    
      rājānaṃ    an    
      disampatiṃ    i 人名、ディサンパティ    
      etad    代的 これ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      avoca –  vac いう    
    訳文                  
     友等よ、このようにいわれて、レーヌ王子はディサンパティ王へこういいました。    
                         
                         
                         
    304-11.                  
     ‘‘mā kho tvaṃ, deva, govinde brāhmaṇe kālaṅkate atibāḷhaṃ paridevesi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘mā    不変 なかれ    
      kho    不変 じつに、たしかに    
      tvaṃ,    代的 あなた    
      deva,    a 天、神、陛下    
      govinde    a 人名、ゴーヴィンダ    
      brāhmaṇe  bṛh a 婆羅門    
      kālaṅkate  kṛ 過分 a 死んだ    
      atibāḷhaṃ    不変 きわめて強く、しっかりと    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      paridevesi.  pari-div 泣く、悲泣する    
    訳文                  
     陛下、あなたは死せるゴーヴィンダ婆羅門に関して、ひどく悲しまないで下さい。    
                         
                         
                         
    304-12.                  
     Atthi, deva, govindassa brāhmaṇassa jotipālo nāma māṇavo putto paṇḍitataro ceva pitarā, alamatthadasataro ceva pitarā;     
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      Atthi,  as ある、なる    
      語根 品詞 語基 意味    
      deva,    a 天、神、陛下    
      govindassa    a 人名、ゴーヴィンダ    
      brāhmaṇassa  bṛh a 婆羅門    
      jotipālo    a 人名、ジョーティパーラ    
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに    
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門    
      putto    a 息子    
      paṇḍitataro    a より賢い    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      pitarā,    ar    
      alam    不変 十分、適当な    
      attha    a 男中 依(対) 義 →きわめて有益な、適当な    
      dasataro  dṛś a より見る    
      ca    不変 と、また、そして、しかし    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      pitarā;    ar    
    訳文                  
     陛下、ゴーヴィンダ婆羅門には、ジョーティパーラ青年という、父よりも賢く、また父よりもより適切に見通す息子がおります。    
                         
                         
                         
    304-13.                  
     yepissa pitā atthe anusāsi, tepi jotipālasseva māṇavassa anusāsaniyā’’ti.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ye    代的 (関係代名詞)    
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ    
      assa    代的 これ    
      pitā    ar    
      atthe    a 男中 義、利益、道理、意味、必要    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      anusāsi,  anu-śās 訓誡する、教訓する    
      語根 品詞 語基 意味    
      te    代的 それら、彼ら    
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ    
      jotipālassa    a 人名、ジョーティパーラ    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      māṇavassa    a 学童、青年、若い婆羅門    
      anusāsaniyā’’  anu-śās ī 教誡    
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     およそ、彼の父が教誡したような事柄、それらは、ジョーティパーラ青年の教誡によっても〔聞くことができるでしょう〕と。    
                         
                         
                         
    304-14.                  
     ‘‘Evaṃ kumārā’’ti?     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Evaṃ    不変 このように、かくの如き    
      kumārā’’    a 童子    
      ti?    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     童子よ、相違ないか    
                         
                         
                         
    304-15.                  
     ‘‘Evaṃ devā’’ti.    
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Evaṃ    不変 このように、かくの如き    
      devā’’    a 天、神、陛下    
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     陛下、相違ございません    
                         
                         
                         
     Mahāgovindavatthu    
      語根 品詞 語基 意味    
      Mahāgovinda    a 依(属) 人名、マハーゴーヴィンダ    
      vatthu vas u 事、対象、理由、根拠    
    訳文                  
     【マハーゴーヴィンダのこと】    
                         
                         
                         
    305-1.                  
     305. ‘‘Atha kho, bho, rājā disampati aññataraṃ purisaṃ āmantesi –     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに    
      kho,    不変 じつに、たしかに    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      rājā    an    
      disampati    i 人名、ディサンパティ    
      aññataraṃ    代的 とある    
      purisaṃ    a    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      āmantesi –    呼びかける、話す、相談する    
    訳文                  
     友等よ、そこで、ディサンパティ王は、とある男へ呼びかけました。    
                         
                         
                         
    305-2.                  
     ‘‘ehi tvaṃ, ambho purisa, yena jotipālo nāma māṇavo tenupasaṅkama;     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘ehi  i 不変 いざ、ゆけ    
      tvaṃ,    代的 あなた    
      ambho    不変 おい、こら、ばかな    
      purisa,    a 男、人    
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)    
      jotipālo    a 人名、ジョーティパーラ    
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに    
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門    
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      upasaṅkama;  upa-saṃ-kram 近づく    
    訳文                  
     さあ、〔そこの〕男よ、いざ、あなたはジョーティパーラという青年の元を訪れよ。    
                         
                         
                         
    305-3.                  
     upasaṅkamitvā jotipālaṃ māṇavaṃ evaṃ vadehi –     
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく    
      語根 品詞 語基 意味    
      jotipālaṃ    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門    
      evaṃ    不変 このように、かくの如き    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      vadehi –  vad いう    
    訳文                  
     訪れて、ジョーティパーラ青年へ、このようにいって欲しい。    
                         
                         
                         
    305-4.                  
     ‘bhavamatthu bhavantaṃ jotipālaṃ, rājā disampati bhavantaṃ jotipālaṃ māṇavaṃ āmantayati, rājā disampati bhoto jotipālassa māṇavassa dassanakāmo’’’ti.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘bhavam  bhū a 有、幸福    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      atthu  as ある、なる    
      語根 品詞 語基 意味    
      bhavantaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者    
      jotipālaṃ,    a 人名、ジョーティパーラ    
      rājā    an    
      disampati    i 人名、ディサンパティ    
      bhavantaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者    
      jotipālaṃ    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      āmantayati,    呼びかける、話す、相談する    
      語根 品詞 語基 意味    
      rājā    an    
      disampati    i 人名、ディサンパティ    
      bhoto  bhū 名現分 ant 尊師、尊者    
      jotipālassa    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavassa    a 学童、青年、若い婆羅門    
      dassana dṛś a 有(持) 見ること    
       kāmo’’’    a 男中    
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     「尊者ジョーティパーラは幸いなれ。ディサンパティ王が、尊者ジョーティパーラへ呼びかけております。ディサンパティ王は、尊者ジョーティパーラにまみえることを欲しております」と    
                         
                         
                         
    305-5.                  
     ‘‘Evaṃ, devā’’ti kho, bho, so puriso disampatissa rañño paṭissutvā yena jotipālo māṇavo tenupasaṅkami;     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き    
      devā’’    a 天、神、陛下    
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
      kho,    不変 じつに、たしかに    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      so    代的 それ、彼    
      puriso    a 男、人    
      disampatissa    i 人名、ディサンパティ    
      rañño    an    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      paṭissutvā  prati-śru 同意する、応諾する、答える    
      語根 品詞 語基 意味    
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)    
      jotipālo    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門    
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた    
    訳文                  
     友等よ、その男はそのように、陛下と、ディサンパティ王に応えて、ジョーティパーラ青年の元を訪れました。    
                         
                         
                         
    305-6.                  
     upasaṅkamitvā jotipālaṃ māṇavaṃ etadavoca –     
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく    
      語根 品詞 語基 意味    
      jotipālaṃ    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門    
      etad    代的 これ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      avoca –  vac いう    
    訳文                  
     訪れて、ジョーティパーラ青年へこういいました。    
                         
                         
                         
    305-7.                  
     ‘‘bhavamatthu bhavantaṃ jotipālaṃ, rājā disampati bhavantaṃ jotipālaṃ māṇavaṃ āmantayati, rājā disampati bhoto jotipālassa māṇavassa dassanakāmo’’ti.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘bhavamatthu bhavantaṃ jotipālaṃ, rājā disampati bhavantaṃ jotipālaṃ māṇavaṃ āmantayati, rājā disampati bhoto jotipālassa māṇavassa dassanakāmo’’ti. (305-4.)    
    訳文                  
     『尊者ジョーティパーラは幸いなれ。ディサンパティ王が、尊者ジョーティパーラへ呼びかけております。ディサンパティ王は、尊者ジョーティパーラにまみえることを欲しております』と。    
                         
                         
                         
    305-8.                  
     ‘‘Evaṃ, bho’’ti kho bho jotipālo māṇavo tassa purisassa paṭissutvā yena rājā disampati tenupasaṅkami;     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き    
      bho’’  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
      kho    不変 じつに、たしかに    
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      jotipālo    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門    
      tassa    代的 それ、彼    
      purisassa    a 男、人    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      paṭissutvā  prati-śru 同意する、応諾する、答える    
      語根 品詞 語基 意味    
      yena    代的 (関係代名詞、〜tenaで「〜の所に」)    
      rājā    an    
      disampati    i 人名、ディサンパティ    
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      upasaṅkami;  upa-saṃ-kram 近づいた    
    訳文                  
     友等よ、ジョーティパーラ青年は、『友よ、そのように』とその男へ応えると、ディサンパティ王のもとを訪れた。    
                         
                         
                         
    305-9.                  
     upasaṅkamitvā disampatinā raññā saddhiṃ sammodi;     
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく    
      語根 品詞 語基 意味    
      disampatinā    i 人名、ディサンパティ    
      raññā    an    
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      sammodi;  saṃ-mud 喜ぶ、相喜ぶ、挨拶する    
    訳文                  
     訪れて、ディサンパティ王と、挨拶しました。    
                         
                         
                         
    305-10.                  
     sammodanīyaṃ kathaṃ sāraṇīyaṃ vītisāretvā ekamantaṃ nisīdi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      sammodanīyaṃ  saṃ-mud 未分 a よろこばしい    
      kathaṃ    ā 話、説、論    
      sāraṇīyaṃ  smṛ 未分 a 憶念すべき、記憶すべき    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      vītisāretvā  vi-ati- 使 交わす、交換する    
      語根 品詞 語基 意味    
      ekamantaṃ    不変 一方に    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      nisīdi.  ni-sad 坐る    
    訳文                  
     喜ばしく記憶すべき言葉を交わしてから、一方へ坐りました。    
                         
                         
                         
    305-11.                  
     Ekamantaṃ nisinnaṃ kho, bho, jotipālaṃ māṇavaṃ rājā disampati etadavoca –     
      語根 品詞 語基 意味    
      Ekamantaṃ    不変 一方に    
      nisinnaṃ  ni-sad 過分 a 坐った    
      kho,    不変 じつに、たしかに    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      jotipālaṃ    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門    
      rājā    an    
      disampati    i 人名、ディサンパティ    
      etad    代的 これ    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      avoca –  vac いう    
    訳文                  
     友等よ、じつに、一方へ坐ったジョーティパーラ青年に、ディサンパティ王は、こういいました。    
                         
                         
                         
    305-12.                  
     ‘‘anusāsatu no bhavaṃ jotipālo, mā no bhavaṃ jotipālo anusāsaniyā paccabyāhāsi.     
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ‘‘anusāsatu  anu-śās 訓誡する、教訓する    
      語根 品詞 語基 意味    
      no    代的 私たち    
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者    
      jotipālo,    a 人名、ジョーティパーラ    
          不変 なかれ    
      no    代的 私たち    
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者    
      jotipālo    a 人名、ジョーティパーラ    
      anusāsaniyā  anu-śās ī 教誡    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      paccabyāhāsi.  prati-vi-ā-hṛ 断念する、思いとどまる    
    訳文                  
     尊者ジョーティパーラは我々を教誡されよ。尊者ジョーティパーラは我々への教誡を思いとどまられぬよう。    
                         
                         
                         
    305-13.                  
     Pettike taṃ ṭhāne ṭhapessāmi, govindiye abhisiñcissāmī’’ti.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Pettike    a 父の    
      taṃ    代的 あなた    
      ṭhāne  sthā a 場所、状態、理由    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ṭhapessāmi,  sthā 使 置く、除く    
      語根 品詞 語基 意味    
      govindiye    a ゴーヴィンダの    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      abhisiñcissāmī’’  abi-sic 注ぐ、灌頂する    
      語根 品詞 語基 意味    
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     私はあなたを、父の地位につけたく思います。ゴーヴィンダの〔地位〕において灌頂したく思いますと。    
    メモ                  
     ・govindiyaを、ここでは人名govindaに接尾辞-iyaが付いて形容詞化したものと解し、補訳した。『パーリ』は「ゴーヴィンダ位」、『原始』は「執事の位」とする。そういう位があるのであろうか。    
                         
                         
                         
    305-14.                  
     ‘‘Evaṃ, bho’’ti kho, bho, so jotipālo māṇavo disampatissa rañño paccassosi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘Evaṃ,    不変 このように、かくの如き    
      bho’’  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
      kho,    不変 じつに、たしかに    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      so    代的 それ、彼    
      jotipālo    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門    
      disampatissa    i 人名、ディサンパティ    
      rañño    an    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      paccassosi.  prati-śru 同意する、応諾する、答える    
    訳文                  
     友等よ、じつに、かのジョーティパーラ青年は、そのように、尊き方よとディサンパティ王へ応えました。    
                         
                         
                         
    305-15.                  
     Atha kho, bho, rājā disampati jotipālaṃ māṇavaṃ govindiye abhisiñci, taṃ pettike ṭhāne ṭhapesi.     
      語根 品詞 語基 意味    
      Atha    不変 ときに、また、そこに    
      kho,    不変 じつに、たしかに    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      rājā    an    
      disampati    i 人名、ディサンパティ    
      jotipālaṃ    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavaṃ    a 学童、青年、若い婆羅門    
      govindiye    a ゴーヴィンダの    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      abhisiñci,  abi-sic 注ぐ、灌頂する    
      語根 品詞 語基 意味    
      taṃ    代的 それ、彼    
      pettike    a 父の    
      ṭhāne  sthā a 場所、状態、理由    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      ṭhapesi.  sthā 使 置く、除く    
    訳文                  
     友等よ、そこでディサンパティ王は、ジョーティパーラ青年をゴーヴィンダの〔地位〕において灌頂し、彼を父の地位につけました。    
                         
                         
                         
    305-16.                  
     Abhisitto jotipālo māṇavo govindiye pettike ṭhāne ṭhapito yepissa pitā atthe anusāsi tepi atthe anusāsati, yepissa pitā atthe nānusāsi, tepi atthe anusāsati;     
      語根 品詞 語基 意味    
      Abhisitto  abi-sic 過分 a 灌頂された    
      jotipālo    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavo    a 学童、青年、若い婆羅門    
      govindiye    a ゴーヴィンダの    
      pettike    a 父の    
      ṭhāne  sthā a 場所、状態、理由    
      ṭhapito  sthā 使 過分 a 置かれた    
      yepissa pitā atthe anusāsi tepi (304-13.)    
      atthe    a 男中 義、利益、道理、意味、必要    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      anusāti,  anu-śās 訓誡する、教訓する    
      語根 品詞 語基 意味    
      yepissa pitā atthe nānusāsi, tepi atthe anusāsati; (同上)    
    訳文                  
     ゴーヴィンダの〔地位〕において灌頂され、父の地位につけられたジョーティパーラ青年は、およそ彼の父が教誡したような事柄、それらの事柄を教誡し、およそ彼の父が教誡しなかったような事柄、それらの事柄をも教誡しました。    
    メモ                  
     ・諸訳は、「父のしたことはやり、しなかったことはやらない」というように訳す。しかしnaがあるのは一カ所だけなので、素直に訳せば上のようになるはずである。父以上の智慧者だったという文脈にも合致しようが、ニカーヤには先哲の手法を遵守するのが美徳であるという主張もみられる(たとえば『大般涅槃経』のヴァッジ国の不衰退法)ので、断定はしかねるところでもある。    
                         
                         
                         
    305-17.                  
     yepissa pitā kammante abhisambhosi, tepi kammante abhisambhoti, yepissa pitā kammante nābhisambhosi, tepi kammante abhisambhoti.     
      語根 品詞 語基 意味    
      ye    代的 (関係代名詞)    
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ    
      assa    代的 これ    
      pitā    ar    
      kammante  kṛ a 作業、事業    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      abhisambhosi,  abhi-saṃ-bhū できる、得る、到達する    
      語根 品詞 語基 意味    
      te    代的 それら、彼ら    
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ    
      kammante  kṛ a 作業、事業    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      abhisambhoti,  abhi-saṃ-bhū できる、得る、到達する    
      語根 品詞 語基 意味    
      yepissa pitā kammante nābhisambhosi, tepi kammante abhisambhoti. (同上)    
      na    不変 ない    
    訳文                  
     およそ彼の父が可能としたような事業、それらの事業を可能とし、およそ彼の父が可能としなかったような事業、それらの事業をも可能としました。    
                         
                         
                         
    305-18.                  
     Tamenaṃ manussā evamāhaṃsu –     
      語根 品詞 語基 意味    
      Tam    代的 それ、彼    
      enaṃ    代的 これ    
      manussā    a 人々    
      evam    不変 このように、かくの如き    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      āhaṃsu –  ah いう    
    訳文                  
     その彼へ、人々はこのようにいいました。    
                         
                         
                         
    305-19.                  
     ‘‘govindo vata, bho, brāhmaṇo, mahāgovindo vata, bho, brāhmaṇo’’ti.      
      語根 品詞 語基 意味    
      ‘‘govindo    a 人名、ゴーヴィンダ    
      vata,    不変 じつに    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      brāhmaṇo,  bṛh a 婆羅門    
      mahāgovindo    a 人名、マハーゴーヴィンダ    
      vata,    不変 じつに    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      brāhmaṇo’’ bṛh a 婆羅門    
      ti.     不変 と、といって、かく、このように、ゆえに    
    訳文                  
     ああ、まさしくゴーヴィンダ婆羅門だ。ああ、まさしくマハーゴーヴィンダ婆羅門だと。    
                         
                         
                         
    305-20.                  
     Iminā kho evaṃ, bho, pariyāyena jotipālassa māṇavassa govindo mahāgovindotveva samaññā udapādi.    
      語根 品詞 語基 意味    
      Iminā    代的 これ    
      kho    不変 じつに、たしかに    
      evaṃ,    不変 このように、かくの如き    
      bho,  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお    
      pariyāyena  pari-i a 法門、理由、方法    
      jotipālassa    a 人名、ジョーティパーラ    
      māṇavassa    a 学童、青年、若い婆羅門    
      govindo    a 人名、ゴーヴィンダ    
      mahāgovindo    a 人名、マハーゴーヴィンダ    
      ti    不変 という    
      eva    不変 まさに、のみ、じつに    
      samaññā    ā 呼称、通称    
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味    
      udapādi. upa-pad 生じる    
    訳文                  
     尊者よ、じつにこのような訳で、ジョーティパーラ青年に、マハーゴーヴィンダという呼称が生じたのでした。    
                         
                         
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