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     Cakkaratanaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Cakka    a 輪、車輪  
      ratanaṃ   a  
    訳文                
     【輪宝】  
                       
                       
                       
    243-1.                
     243. ‘‘Rājā, ānanda, mahāsudassano sattahi ratanehi samannāgato ahosi catūhi ca iddhīhi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Rājā,    an  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      mahāsudassano  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      sattahi     
      ratanehi    a  
      samannāgato  saṃ-anu-ā-gam 過分 a 具備した、具足の  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      catūhi     
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      iddhīhi.    i 神通、神変  
    訳文                
     アーナンダよ、マハースダッサナ王は、七宝と四神変を具えたものでした。  
                       
                       
                       
    243-2.                
     Katamehi sattahi?   
      語根 品詞 語基 意味  
      Katamehi    代的 いずれの  
      sattahi?     
    訳文                
     いかなる七つか。  
                       
                       
                       
    243-3.                
     Idhānanda, rañño mahāsudassanassa tadahuposathe pannarase sīsaṃnhātassa uposathikassa uparipāsādavaragatassa dibbaṃ cakkaratanaṃ pāturahosi sahassāraṃ sanemikaṃ sanābhikaṃ sabbākāraparipūraṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Idha    不変 ここに、この世で、いま、さて  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      rañño    an 属絶  
      mahāsudassanassa  su-dṛś a 属絶 人名、マハースダッサナ  
      tad    代的 それ  
      aha    a 依(属)  
      uposathe  upa-vas a 布薩、斎戒  
      pannarase    十五  
      sīsaṃ    a  
      nhātassa  snā 過分 a 属絶 洗った  
      uposathikassa  upa-vas a 属絶 布薩の、斎戒の  
      upari    i 上の  
      pāsāda  pra-ā-sad a 高殿、楼閣  
      vara    名形 a 男中 有(属) 優れた、高貴の、最上の  
      gatassa  gam 過分 a 属絶 行った  
      dibbaṃ    a 天の  
      cakka    a 輪、車輪  
      ratanaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāturahosi  bhū 明らかになる、顕現する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sahassa    a 有(帯)  
      āraṃ    a 男→中 輻(や、スポーク)  
      sanemikaṃ    a 輞(おおわ、外輪)ある  
      sanābhikaṃ    a 轂(こしき、ハブ)ある  
      sabba    名形 代的 すべて  
      ākāra    a 有(持) 形相、相  
      paripūraṃ.  pari-pṝ a 完全な、完成した  
    訳文                
     ここに、アーナンダよ、マハースダッサナ王が、その十五日の布薩にあって、頭を洗い、斎戒して、高楼の最上階へ上がったとき、千の輻あり、輞あり、轂あって、全ての相を完全にそなえた天の輪宝が顕現しました。  
    メモ                
     ・『大譬喩経』などに出る三十二大人相のひとつ千輻輪相の描写にパラレル。  
     ・五から十八までの数詞は複数形のように曲用するはずだが、pannaraseは単数処格になっている。数詞によく見られる例外的運用であろう。  
                       
                       
                       
    243-4.                
     Disvā rañño mahāsudassanassa etadahosi –   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Disvā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      rañño    an  
      mahāsudassanassa  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      etad    代的 これ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi –  bhū ある、なる  
    訳文                
     見て、マハースダッサナ王に、この〔思い〕がおこりました。  
                       
                       
                       
    243-5.                
     ‘sutaṃ kho panetaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘sutaṃ  śru 過分 a 聞かれた  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      etaṃ –    代的 これ  
    訳文                
     『このように聞いている。  
                       
                       
                       
    243-6.                
     ‘‘yassa rañño khattiyassa muddhāvasittassa tadahuposathe pannarase sīsaṃnhātassa uposathikassa uparipāsādavaragatassa dibbaṃ cakkaratanaṃ pātubhavati sahassāraṃ sanemikaṃ sanābhikaṃ sabbākāraparipūraṃ, so hoti rājā cakkavattī’’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘yassa    代的 (関係代名詞)  
      rañño    an  
      khattiyassa    a 士族、クシャトリヤ  
      muddha    an 依(処) 頭、頂  
      avasittassa  ava-sic 過分 a 注がれた →灌頂された  
      tadahuposathe pannarase sīsaṃnhātassa uposathikassa uparipāsādavaragatassa dibbaṃ cakkaratanaṃ pātubhavati sahassāraṃ sanemikaṃ sanābhikaṃ sabbākāraparipūraṃ, (243-3.)  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pātubhavati  bhū 明らかになる、顕現する  
      語根 品詞 語基 意味  
      so    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      hoti  bhū ある、存在する  
      語根 品詞 語基 意味  
      rājā    an  
      cakka    a 依(対)  
      vattī’’  vṛt in 転ずる →転輪王  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     およそ、士族にして灌頂を受けた王が、その十五日の布薩にあって、頭を洗い、斎戒して、高楼の最上階へ上がったとき、千の輻あり、輞あり、轂あって、全ての相を完全にそなえた天の輪宝が顕現するようなら、彼は転輪王となると。  
                       
                       
                       
    243-7.                
     Assaṃ nu kho ahaṃ rājā cakkavattī’ti.  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      Assaṃ  as ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      nu    不変 いったい、たぶん、〜かどうか、〜ではないか  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      ahaṃ    代的  
      rājā    an  
      cakka    a 依(対)  
      vattī’  vṛt in 転ずる →転輪王  
      ti.   不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     私は、転輪王になるのであろうか』と。  
                       
                       
                       
    244-1.                
     244. ‘‘Atha kho, ānanda, rājā mahāsudassano uṭṭhāyāsanā ekaṃsaṃ uttarāsaṅgaṃ karitvā vāmena hatthena suvaṇṇabhiṅkāraṃ gahetvā dakkhiṇena hatthena cakkaratanaṃ abbhukkiri –   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho,    不変 じつに、たしかに  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      rājā    an  
      mahāsudassano  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      uṭṭhāya  ud-sthā 起き上がる、奮起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      āsanā  ā-sad a  
      eka    代的  
      aṃsaṃ    a  
      uttara    a  
      āsaṅgaṃ  ā-sañj a 固着、執着、着衣  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      karitvā  kṛ なす  
      語根 品詞 語基 意味  
      vāmena    a  
      hatthena  hṛ a  
      suvaṇṇa    a 依(属) 黄金の  
      bhiṅkāraṃ    a 水差し  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      gahetvā  grah とる  
      語根 品詞 語基 意味  
      dakkhiṇena    a 右の、南の、巧みな  
      hatthena  hṛ a  
      cakka    a 輪、車輪  
      ratanaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abbhukkiri –  abhi-ud-kīr 注ぐ  
    訳文                
     アーナンダよ、そこでマハースダッサナ王は座より立ち、上着を偏袒し、左手で黄金の水差しを取って、右手で輪宝へ注ぎました。  
                       
                       
                       
    244-2.                
     ‘pavattatu bhavaṃ cakkaratanaṃ, abhivijinātu bhavaṃ cakkaratana’nti.   
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ‘pavattatu  pra-vṛt 転起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      cakka    a 輪、車輪  
      ratanaṃ,    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivijinātu  abhi-vi-ji 征服する  
      語根 品詞 語基 意味  
      bhavaṃ  bhū 名現分 ant 尊師、尊者  
      cakka    a 輪、車輪  
      ratana’n    a  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『尊き輪宝は転ぜよ。尊き輪宝は征服せよ』と。  
                       
                       
                       
    244-3.                
     Atha kho taṃ, ānanda, cakkaratanaṃ puratthimaṃ disaṃ pavatti [pavattati (syā. ka.)], anvadeva [anudeva (syā.)] rājā mahāsudassano saddhiṃ caturaṅginiyā senāya, yasmiṃ kho panānanda, padese cakkaratanaṃ patiṭṭhāsi, tattha rājā mahāsudassano vāsaṃ upagacchi saddhiṃ caturaṅginiyā senāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      taṃ,    代的 それ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      cakka    a 輪、車輪  
      ratanaṃ    a  
      puratthimaṃ    a 東の  
      disaṃ  diś ā 方角  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pavatti,  pra-vṛt 転起する  
      語根 品詞 語基 意味  
      anvadeva    不変 続いて  
      rājā    an  
      mahāsudassano  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      catur     
      aṅginiyā    ī 部分ある  
      senāya,    ā  
      yasmiṃ    代的 (関係代名詞)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana   不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      padese    a 地方、国土、場所  
      cakka    a 輪、車輪  
      ratanaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      patiṭṭhāsi,  pra-sthā 止住する  
      語根 品詞 語基 意味  
      tattha    不変 そこで、そこに、そのとき、そのなかで  
      rājā    an  
      mahāsudassano  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      vāsaṃ  vas a 家、住処、状態  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upagacchi  upa-gam 近づく →家に入る  
      語根 品詞 語基 意味  
      saddhiṃ    不変 共に、一緒に(具格支配)  
      catur     
      aṅginiyā    ī 部分ある  
      senāya.    ā  
    訳文                
     アーナンダよ、ときにその輪宝は、東の方角へ転じました。マハースダッサナ王は、四軍と共に続きました。そしてアーナンダよ、輪宝が止まったその場所で、マハースダッサナ王は、四軍と共に、営所を構えました。  
                       
                       
                       
    244-4.                
     Ye kho panānanda, puratthimāya disāya paṭirājāno, te rājānaṃ mahāsudassanaṃ upasaṅkamitvā evamāhaṃsu –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye    代的 (関係代名詞)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      puratthimāya    a 東の  
      disāya  diś ā 方向、方角  
      paṭirājāno,    an 敵王  
      te    代的 それら、彼ら  
      rājānaṃ    an  
      mahāsudassanaṃ  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasaṅkamitvā  upa-saṃ-kram 近づく  
      語根 品詞 語基 意味  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āhaṃsu –  ah いう  
    訳文                
     しかるにアーナンダよ、東の方角の敵王たち、彼らはマハースダッサナ王へ近づいて、こういいました。  
                       
                       
                       
    244-5.                
     ‘ehi kho mahārāja, svāgataṃ te mahārāja, sakaṃ te mahārāja, anusāsa mahārājā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ehi    不変 きたれ、いざ  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      mahā    ant 大きい  
      rāja,    an  
      svāgataṃ  su-ā-gam 過分 a よく来た、歓迎した  
      te    代的 あなた  
      mahā    ant 大きい  
      rāja,    an  
      sakaṃ    a 自分の、自己の  
      te    代的 あなた  
      mahā    ant 大きい  
      rāja,    an  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anusāsa  ani-śās 訓誡する、教訓する  
      語根 品詞 語基 意味  
      mahā    ant 大きい  
      rājā’    an  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『大王よ、来たれ。大王よ、あなたを歓迎します。大王よ、〔この地は〕あなたにとって己が物です。大王よ、〔我々を〕ご教誡ください』と。  
                       
                       
                       
    244-6.                
     Rājā mahāsudassano evamāha –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Rājā    an  
      mahāsudassano  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āha –  ah いう  
    訳文                
     マハースダッサナ王は、このようにいいました。  
                       
                       
                       
    244-7.                
     ‘pāṇo na hantabbo, adinnaṃ na ādātabbaṃ, kāmesu micchā na caritabbā, musā na bhaṇitabbā, majjaṃ na pātabbaṃ, yathābhuttañca bhuñjathā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘pāṇo  pra-an a 生き物  
      na    不変 ない  
      hantabbo,  han 未分 a 殺されるべき  
      adinnaṃ  a-dā 過分 a 与えられないもの  
      na    不変 ない  
      ādātabbaṃ,  ā-dā 未分 a 取られるべき  
      kāmesu    a 男中  
      micchā    不変 邪、よこしま、邪悪  
      na    不変 ない  
      caritabbā,  car 未分 a 行うべき  
      musā    不変 虚妄に、偽って  
      na    不変 ない  
      bhaṇitabbā,  bhaṇ 未分 a 話されるべき  
      majjaṃ  mad a  
      na    不変 ない  
      pātabbaṃ,  未分 a 飲まれるべき  
      yathā    不変 そのごとく  
      bhuttañ  bhuj 過分 a 食された  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      bhuñjathā’  bhuj 食べる、享受する、受用する  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『生きものは殺されるべからず。与えられない物は取られるべからず。諸欲において邪に行ぜられるべからず。偽って話されるべからず。酒は飲まれるべからず。あなた方は〔先哲・古聖が〕食したごとく食しなさい』と。  
    メモ                
     ・yathābhuttañca bhuñjathā、『南伝』は「習制に従いて食せよ」、『原始』は「享楽には節度を保ちなさい」、『パーリ』は「食べているとおりに食べよ」とする。「如実に」yathābhūtaの誤記の可能性はあるが、そう読んでも意味は通じづらい。『南伝』や『原始』のような趣旨ではあろうから、それらしく補訳してみたが、正しい趣意かは不明。  
                       
                       
                       
    244-8.                
     Ye kho panānanda, puratthimāya disāya paṭirājāno, te rañño mahāsudassanassa anuyantā ahesuṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye    代的 (関係代名詞)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      puratthimāya    a 東の  
      disāya  diś ā 方向、方角  
      paṭirājāno,    an 敵王  
      te    代的 それら、彼ら  
      rañño    an  
      mahāsudassanassa  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      anuyantā  anu-yā 現分 ant 追従する  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahesuṃ.  bhū ある、なる  
    訳文                
     アーナンダよ、じつに東の方角の敵王たち、かれらはマハースダッサナ王に従うようになりました。  
                       
                       
                       
    244-9.                
     Atha kho taṃ, ānanda, cakkaratanaṃ puratthimaṃ samuddaṃ ajjhogāhetvā paccuttaritvā dakkhiṇaṃ disaṃ pavatti…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      taṃ,    代的 それ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      cakka    a 輪、車輪  
      ratanaṃ    a  
      puratthimaṃ    a 東の  
      samuddaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ajjhogāhetvā  adhi-ava-gah? 潜入する、入る  
      paccuttaritvā  prati-ud-tṛ 再び出る  
      語根 品詞 語基 意味  
      dakkhiṇaṃ    a 南の  
      disaṃ  diś ā 方角  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pavatti  pra-vṛt 転起する  
      …pe…    (略)  
    訳文                
     アーナンダよ、ときにその輪宝は、東の海へ沈み、再び出てきて南の方角へ転じました……(略)  
                       
                       
                       
    244-10.                
     dakkhiṇaṃ samuddaṃ ajjhogāhetvā paccuttaritvā pacchimaṃ disaṃ pavatti…pe…   
      語根 品詞 語基 意味  
      dakkhiṇaṃ    a 南の  
      samuddaṃ ajjhogāhetvā paccuttaritvā pacchimaṃ disaṃ pavatti…pe… (244-9.)  
      pacchimaṃ    a 西の  
    訳文                
     南の海へ沈み、再び出てきて西の方角へ転じました……(略)  
                       
                       
                       
    244-11.                
     pacchimaṃ samuddaṃ ajjhogāhetvā paccuttaritvā uttaraṃ disaṃ pavatti, anvadeva rājā mahāsudassano saddhiṃ caturaṅginiyā senāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      pacchimaṃ    a 西の  
      pacchimaṃ samuddaṃ ajjhogāhetvā paccuttaritvā uttaraṃ disaṃ pavatti, (244-9.)  
      uttaraṃ    a 北の  
      anvadeva rājā mahāsudassano saddhiṃ caturaṅginiyā senāya. (244-3.)  
    訳文                
     西の海へ沈み、再び出てきて北の方角へ転じました。マハースダッサナ王は、四軍と共に続きました。  
                       
                       
                       
    244-12.                
     Yasmiṃ kho panānanda, padese cakkaratanaṃ patiṭṭhāsi, tattha rājā mahāsudassano vāsaṃ upagacchi saddhiṃ caturaṅginiyā senāya.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Yasmiṃ kho panānanda, padese cakkaratanaṃ patiṭṭhāsi, tattha rājā mahāsudassano vāsaṃ upagacchi saddhiṃ caturaṅginiyā senāya. (244-3.)  
    訳文                
     そしてアーナンダよ、輪宝が止まったその場所で、マハースダッサナ王は、四軍と共に、営所を構えました。  
                       
                       
                       
    244-13.                
     Ye kho panānanda, uttarāya disāya paṭirājāno, te rājānaṃ mahāsudassanaṃ upasaṅkamitvā evamāhaṃsu –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye kho panānanda, uttarāya disāya paṭirājāno, te rājānaṃ mahāsudassanaṃ upasaṅkamitvā evamāhaṃsu – (244-4.)  
      uttarāya    a 北の  
    訳文                
     しかるにアーナンダよ、北の方角の敵王たち、彼らはマハースダッサナ王へ近づいて、こういいました。  
                       
                       
                       
    244-14.                
     ‘ehi kho mahārāja, svāgataṃ te mahārāja, sakaṃ te mahārāja, anusāsa mahārājā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘ehi kho mahārāja, svāgataṃ te mahārāja, sakaṃ te mahārāja, anusāsa mahārājā’ti. (244-5.)  
    訳文                
     『大王よ、来たれ。大王よ、あなたを歓迎します。大王よ、〔この地は〕あなたにとって己が物です。大王よ、〔我々を〕ご教誡ください』と。  
                       
                       
                       
    244-15.                
     Rājā mahāsudassano evamāha –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Rājā mahāsudassano evamāha – (244-6.)  
    訳文                
     マハースダッサナ王は、このようにいいました。  
                       
                       
                       
    244-16.                
     ‘pāṇo na hantabbo, adinnaṃ na ādātabbaṃ, kāmesu micchā na caritabbā, musā na bhaṇitabbā, majjaṃ na pātabbaṃ, yathābhuttañca bhuñjathā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘pāṇo na hantabbo, adinnaṃ na ādātabbaṃ, kāmesu micchā na caritabbā, musā na bhaṇitabbā, majjaṃ na pātabbaṃ, yathābhuttañca bhuñjathā’ti. (244-7.)  
    訳文                
     『生きものは殺されるべからず。与えられない物は取られるべからず。諸欲において邪に行ぜられるべからず。偽って話されるべからず。酒は飲まれるべからず。あなた方は〔先哲・古聖が〕食したごとく食しなさい』と。  
                       
                       
                       
    244-17.                
     Ye kho panānanda, uttarāya disāya paṭirājāno, te rañño mahāsudassanassa anuyantā ahesuṃ.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye kho panānanda, uttarāya disāya paṭirājāno, te rañño mahāsudassanassa anuyantā ahesuṃ. (244-8.)  
      uttarāya    a 北の  
    訳文                
     アーナンダよ、じつに北の方角の敵王たち、かれらはマハースダッサナ王に従うようになりました。  
                       
                       
                       
    245-1.                
     245. ‘‘Atha kho taṃ, ānanda, cakkaratanaṃ samuddapariyantaṃ pathaviṃ abhivijinitvā kusāvatiṃ rājadhāniṃ paccāgantvā rañño mahāsudassanassa antepuradvāre atthakaraṇapamukhe akkhāhataṃ maññe aṭṭhāsi rañño mahāsudassanassa antepuraṃ upasobhayamānaṃ.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      taṃ,    代的 それ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      cakka    a 輪、車輪  
      ratanaṃ    a  
      samudda    a 有(持)  
      pariyantaṃ    a 男→女 周辺、制限、究竟  
      pathaviṃ    ī 地、大地  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhivijinitvā  abhi-vi-ji 征服する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kusāvatiṃ    ī 地名、クサーヴァティー  
      rāja    an 依(属)  
      dhāniṃ    ī 容器 →王都  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccāgantvā  prati-ā-gam 戻る、帰る  
      語根 品詞 語基 意味  
      rañño    an  
      mahāsudassanassa  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      antepura    a 依(属) 内宮、後宮  
      dvāre    a  
      attha    a 男中 有(属)  
      karaṇa  kṛ a 有(属) 所作 →裁判  
      pamukhe  pra-muc a 前に、先頭に  
      akkha    a 依(具) 車軸  
      āhataṃ  ā-han 過分 a 打たれた  
      maññe    不変 わたくし思うに、確かに  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      aṭṭhāsi  sthā 立つ  
      語根 品詞 語基 意味  
      rañño    an  
      mahāsudassanassa  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      antepuraṃ    a 内宮、後宮  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upasobhayamānaṃ.  upa-śubh 使 現分 a 輝かせる  
    訳文                
     アーナンダよ、ときにその輪宝は、海に囲まれた大地を征服すると、王都クサーヴァティーへ戻って、裁判所の前にあるマハースダッサナ王の内宮の門に、車軸によって確かに打ち付けられて立ち、マハースダッサナ王の内宮を輝かせました。  
    メモ                
     ・atthakaraṇaは「裁判」だが有財釈で取り「裁判ある」すなわち「裁判所」と解した。これがさらにpamukheと有財釈を形成して「裁判所の前の」という形容となってdvāreにかかったと解した  
                       
                       
                       
    245-2.                
     Rañño, ānanda, mahāsudassanassa evarūpaṃ cakkaratanaṃ pāturahosi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Rañño,    an  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      mahāsudassanassa  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      evarūpaṃ    不変 かくのごとき  
      cakka    a 輪、車輪  
      ratanaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāturahosi. bhū 明らかになる、顕現する  
    訳文                
     アーナンダよ、マハースダッサナ王には、かくのごときの輪宝が顕現していたのです。  
                       
                       
                       
     Hatthiratanaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Hatthi    in  
      ratanaṃ   a  
    訳文                
     【象宝】  
                       
                       
                       
    246-1.                
     246. ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, rañño mahāsudassanassa hatthiratanaṃ pāturahosi sabbaseto sattappatiṭṭho iddhimā vehāsaṅgamo uposatho nāma nāgarājā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna    不変 さらに、ふたたび  
      ca    不変 と、また、そして、しかし  
      aparaṃ,    代的 副対 さらに  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      rañño    an  
      mahāsudassanassa  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      hatthi    in  
      ratanaṃ    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāturahosi  bhū 明らかになる、顕現する  
      語根 品詞 語基 意味  
      sabba    名形 代的 依(処) 全て  
      seto    a 白い  
      satta  sañj 受 過分 a 有(持) 執着した、固着した  
      patiṭṭho  pra-sthā ā 女→男 依止、依処、足場  
      iddhimā    ant 神変ある  
      vehāsaṅ   a 空、虚空  
      gamo  gam a ゆく  
      uposatho  upa-vas a 布薩、斎戒(ここでは固有名詞)  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      nāga    a 依(属) 竜、蛇、象  
      rājā.    an  
    訳文                
     さらにまたアーナンダよ、マハースダッサナ王には象宝が顕現していました。全身が白く、しっかりした足場を持ち、神変あり、空を行く、ウポーサタという名の象王でした。  
    メモ                
     ・諸訳はsattaを「七」とする。たとえば『パーリ』は「七依処のある」として尾、頭、鼻、四肢がそれだという註の説明とおぼしき解説を付す。他の二訳は尾、牙、四肢と注釈する。しかしいずれの記述も、註には見つけられなかった。ここではあえて上記のようにsajjatiの過去分詞として訳してみた。  
                       
                       
                       
    246-2.                
     Taṃ disvā rañño mahāsudassanassa cittaṃ pasīdi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ    代的 それ  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      disvā  dṛś 見る  
      語根 品詞 語基 意味  
      rañño    an  
      mahāsudassanassa  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      cittaṃ  cit a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pasīdi –  pra-sad 浄まる、喜ぶ、信ずる  
    訳文                
     それを見て、マハースダッサナ王の心は、喜びました。  
                       
                       
                       
    246-3.                
     ‘bhaddakaṃ vata bho hatthiyānaṃ, sace damathaṃ upeyyā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘bhaddakaṃ    a 善い、高名な、具妙宝  
      vata    不変 じつに  
      bho  bhū 名現分 ant 尊者よ、君よ、友よ、ああ、おお  
      hatthi    in  
      yānaṃ,  a 車、乗り物  
      sace    不変 もし  
      damathaṃ  dam a 調御、訓練  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upeyyā’  upa-i 近づく、至る  
      語根 品詞 語基 意味  
      ti.    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
    訳文                
     『ああ、もし調教することができれば、じつによい騎象となるだろう』と。  
                       
                       
                       
    246-4.                
     Atha kho taṃ, ānanda, hatthiratanaṃ –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha    不変 ときに、また、そこに  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      taṃ,    代的 それ  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      hatthi    in  
      ratanaṃ –    a  
    訳文                
     そしてアーナンダよ、その象宝は、  
                       
                       
                       
    246-5.                
     seyyathāpi nāma gandhahatthājāniyo dīgharattaṃ suparidanto, evameva damathaṃ upagacchi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      seyyathā    不変 その如き、たとえば  
      pi    不変 〜もまた、けれども、たとえ  
      nāma    an 副対 と、という名の、じつに  
      gandha    a 依(属)  
      hatthi    in  
      ājāniyo    名形 a よい生まれの、善種の  
      dīgha    a 長い  
      rattaṃ    a 副対 夜 →長夜に、長時に  
      suparidanto,  su-pari-dam 過分 a 制御された、ならされた  
      evam    不変 このように、かくの如き  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      damathaṃ  dam a 調御、訓練  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      upagacchi.  upa-gam 近づく  
    訳文                
     じつにあたかも、長らく馴らされた善種の香象の如く、調教されるに至りました。  
                       
                       
                       
    246-6.                
     Bhūtapubbaṃ, ānanda, rājā mahāsudassano tameva hatthiratanaṃ vīmaṃsamāno pubbaṇhasamayaṃ abhiruhitvā samuddapariyantaṃ pathaviṃ anuyāyitvā kusāvatiṃ rājadhāniṃ paccāgantvā pātarāsamakāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhūta  bhū 過分 a 存在した  
      pubbaṃ,    代的 副対 過去の →往昔  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      rājā    an  
      mahāsudassano  su-dṛś a 人名、マハースダッサナ  
      tam    代的 それ  
      eva    不変 まさに、のみ、じつに  
      hatthi    in  
      ratanaṃ    a  
      vīmaṃsamāno  man 意 現分 a 思察する、考察する  
      pubba     代的 依(属) 前の、先の、過去の  
      aṇha    a 依(属) 日 →午前  
      samayaṃ    a 副対  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      abhiruhitvā  abhi-ruh 上る、上がる  
      語根 品詞 語基 意味  
      samudda    a 有(持)  
      pariyantaṃ    a 男→女 周辺、制限、究竟  
      pathaviṃ    ī 地、大地  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      anuyāyitvā  anu-yā 従う、訪問する  
      語根 品詞 語基 意味  
      kusāvatiṃ    ī 地名、クサーヴァティー  
      rāja    an 依(属)  
      dhāniṃ    ī 容器 →王都  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      paccāgantvā  prati-ā-gam 戻る、帰る  
      語根 品詞 語基 意味  
      pātar    不変 早く、早朝に  
      āsam    a 食 →朝食  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      akāsi.  kṛ なす  
    訳文                
     アーナンダよ、かつてマハースダッサナ王は、その象宝を吟味して、午前中に騎乗し、海に囲まれた大地を訪れ、王都クサーヴァティーへ戻ってから、朝食を取ったのでした。  
                       
                       
                       
    246-7.                
     Rañño, ānanda, mahāsudassanassa evarūpaṃ hatthiratanaṃ pāturahosi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Rañño, ānanda, mahāsudassanassa evarūpaṃ hatthiratanaṃ pāturahosi. (245-2.)  
      hatthi    in  
    訳文                
     アーナンダよ、マハースダッサナ王には、かくのごときの象宝が顕現していたのです。  
                       
                       
                       
     Assaratanaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Assa    a  
      ratanaṃ   a  
    訳文                
     【馬宝】  
                       
                       
                       
    247-1.                
     247. ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, rañño mahāsudassanassa assaratanaṃ pāturahosi sabbaseto kāḷasīso muñjakeso iddhimā vehāsaṅgamo valāhako nāma assarājā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, rañño mahāsudassanassa assaratanaṃ pāturahosi sabbaseto kāḷasīso muñjakeso iddhimā vehāsaṅgamo valāhako nāma assarājā. (246-1.)  
      assa    a  
      kāḷa    a 有(持) 黒い  
      sīso    a 中→男  
      muñja    a 有(属) 萱、ムンジャ草  
      keso    a  
      valāhako    a 雲(ここでは固有名詞)  
      assa    a 依(属)  
    訳文                
     さらにまたアーナンダよ、マハースダッサナ王には馬宝が顕現していました。全身が白く、黒い頭あり、ムンジャ草のような毛があり、神変あり、空を行く、ヴァラーハカという名の馬王でした。  
                       
                       
                       
    247-2.                
     Taṃ disvā rañño mahāsudassanassa cittaṃ pasīdi –   
      語根 品詞 語基 意味  
      Taṃ disvā rañño mahāsudassanassa cittaṃ pasīdi – (246-2.)  
    訳文                
     それを見て、マハースダッサナ王の心は、喜びました。  
                       
                       
                       
    247-3.                
     ‘bhaddakaṃ vata bho assayānaṃ sace damathaṃ upeyyā’ti.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘bhaddakaṃ vata bho assayānaṃ sace damathaṃ upeyyā’ti. (246-3.)  
      assa   a  
    訳文                
     『ああ、もし調教することができれば、じつによい騎馬となるだろう』と。  
                       
                       
                       
    247-4.                
     Atha kho taṃ, ānanda, assaratanaṃ seyyathāpi nāma bhaddo assājāniyo dīgharattaṃ suparidanto, evameva damathaṃ upagacchi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Atha kho taṃ, ānanda, assaratanaṃ (246-4.)  
      seyyathāpi nāma bhaddo assājāniyo dīgharattaṃ suparidanto, evameva damathaṃ upagacchi. (246-5.)  
      assa   a  
      bhaddo    名形 a 男中 賢い、吉祥の  
    訳文                
     そしてアーナンダよ、その馬宝は、じつにあたかも、長らく馴らされた善種の吉祥馬の如く、調教されるに至りました。  
                       
                       
                       
    247-5.                
     Bhūtapubbaṃ, ānanda, rājā mahāsudassano tameva assaratanaṃ vīmaṃsamāno pubbaṇhasamayaṃ abhiruhitvā samuddapariyantaṃ pathaviṃ anuyāyitvā kusāvatiṃ rājadhāniṃ paccāgantvā pātarāsamakāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhūtapubbaṃ, ānanda, rājā mahāsudassano tameva assaratanaṃ vīmaṃsamāno pubbaṇhasamayaṃ abhiruhitvā samuddapariyantaṃ pathaviṃ anuyāyitvā kusāvatiṃ rājadhāniṃ paccāgantvā pātarāsamakāsi.  (246-6.)  
      assa   a  
    訳文                
     アーナンダよ、かつてマハースダッサナ王は、その馬宝を吟味して、午前中に騎乗し、海に囲まれた大地を訪れ、王都クサーヴァティーへ戻ってから、朝食を取ったのでした。  
                       
                       
                       
    247-6.                
     Rañño, ānanda, mahāsudassanassa evarūpaṃ assaratanaṃ pāturahosi.  
      語根 品詞 語基 意味  
      Rañño, ānanda, mahāsudassanassa evarūpaṃ assaratanaṃ pāturahosi. (245-2.)  
      assa   a  
    訳文                
     アーナンダよ、マハースダッサナ王には、かくのごときの馬宝が顕現していたのです。  
                       
                       
                       
     Maṇiratanaṃ  
      語根 品詞 語基 意味  
      Maṇi    i 摩尼、宝珠  
      ratanaṃ   a  
    訳文                
     【摩尼宝】  
                       
                       
                       
    248-1.                
     248. ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, rañño mahāsudassanassa maṇiratanaṃ pāturahosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      ‘‘Puna caparaṃ, ānanda, rañño mahāsudassanassa maṇiratanaṃ pāturahosi. (246-1.)  
      maṇi    i 摩尼、宝珠  
    訳文                
     さらにまたアーナンダよ、マハースダッサナ王には摩尼宝が顕現していました。  
                       
                       
                       
    248-2.                
     So ahosi maṇi veḷuriyo subho jātimā aṭṭhaṃso suparikammakato accho vippasanno anāvilo sabbākārasampanno.   
      語根 品詞 語基 意味  
      So    代的 それ、彼  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      maṇi    i 宝珠  
      veḷuriyo    a 中(男) 瑠璃  
      subho  śudh a 中→男 清い、美しい  
      jātimā    ant よい生まれの、純粋な、高貴な、すぐれた  
      aṭṭha   有(帯)  
      aṃso    a 部分、方、隅  
      suparikammakato  su-pari-kṛ a よく準備された  
      accho    a 澄んだ、輝いた  
      vippasanno  vi-pra-sad 過分 a 明浄、清浄な  
      anāvilo    a 濁りのない  
      sabba    名形 代的 すべての  
      ākāra    a 有(属) 相、相貌、形相  
      sampanno.  sam-pad 過分 a 具足した、成就した  
    訳文                
     それは、美しい、純粋な、八面体の、見事な作りの、澄んだ、明浄な、濁りのない、すべての〔良き〕相をそなえた瑠璃の宝珠でした。  
    メモ                
     ・『沙門果経』【観智】の章などにパラレル。  
                       
                       
                       
    248-3.                
     Tassa kho panānanda, maṇiratanassa ābhā samantā yojanaṃ phuṭā ahosi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Tassa    代的 それ、彼  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana    不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      maṇi    i 摩尼、宝珠  
      ratanassa    a  
      ābhā  ā-bhā  ā 光、光輝  
      samantā    a 一切の、あまねき  
      yojanaṃ  yuj a ヨージャナ、由旬  
      phuṭā  sphay 過分 a 遍満した、行き渡った  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahosi.  bhū ある、なる  
    訳文                
     アーナンダよ、じつに、その摩尼宝の光は、周囲一ヨージャナに行き渡りました。  
                       
                       
                       
    248-4.                
     Bhūtapubbaṃ, ānanda, rājā mahāsudassano tameva maṇiratanaṃ vīmaṃsamāno caturaṅginiṃ senaṃ sannayhitvā maṇiṃ dhajaggaṃ āropetvā rattandhakāratimisāya pāyāsi.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Bhūtapubbaṃ, ānanda, rājā mahāsudassano tameva maṇiratanaṃ vīmaṃsamāno (246-6.)  
      maṇi    i 摩尼、宝珠  
      catur     
      aṅginiṃ    ī 部分ある  
      senaṃ    ā  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      sannayhitvā  saṃ-nah 結ぶ、付ける、武装する  
      語根 品詞 語基 意味  
      maṇiṃ    i 摩尼、宝珠  
      dhaja    a 依(属)  
      aggaṃ    a 第一、最上、頂点  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      āropetvā  ā-ruh 使 上らせる、上げる  
      語根 品詞 語基 意味  
      ratta    a  
      andha    a 依(属) 盲目、愚昧  
      kāra  kṛ a 行為、所作、字、文字、作者 →暗黒  
      timisāya    a 暗黒、暗闇  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      pāyāsi.  pra-ā-yā 出て行く、出発する  
    訳文                
     アーナンダよ、かつてマハースダッサナ王は、その摩尼宝を吟味して、四軍を編成し、夜、暗黒、暗闇に対すべく旗の先へ付けて出立したのです。  
                       
                       
                       
    248-5.                
     Ye kho panānanda, samantā gāmā ahesuṃ, te tenobhāsena kammante payojesuṃ divāti maññamānā.   
      語根 品詞 語基 意味  
      Ye    代的 (関係代名詞)  
      kho    不変 じつに、たしかに  
      pana   不変 また、しかし、しからば、しかも、しかるに、さて  
      ānanda,  ā-nand a 人名、アーナンダ  
      samantā    a 一切の、あまねき  
      gāmā    a  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      ahesuṃ,  bhū ある、なる  
      語根 品詞 語基 意味  
      te    代的 それら、彼ら  
      tena    代的 それ、彼、それによって、それゆえ  
      obhāsena  ava-bhās a 光、光明  
      kammante  kṛ a 仕事  
      述語 語根 品詞 活用 人称 意味  
      payojesuṃ  pra-yuj 従事する  
      語根 品詞 語基 意味  
      divā    不変 日、昼  
      ti    不変 と、といって、かく、このように、ゆえに  
      maññamānā.  man 現分 a 考える  
    訳文                
     またアーナンダよ、周囲の村〔人〕たち、彼らはその光によって、昼間だと考え、仕事に従事しました。  
                       
                       
                       
    248-6.